(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記突き当て補助部材は、前記回転軸の半径方向よりも前記回転パドルの回転方向上流側へ向けて曲がるように前記回転軸に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のシート綴じ装置。
前記突き当て補助部材は、前記回転軸の半径方向よりも前記回転パドルの回転方向上流側へ向けて傾斜するように前記回転軸に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のシート綴じ装置。
前記突き当て補助部材は、前記回転軸方向における前記接着剤付与部による接着剤付与領域に対応する位置に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のシート綴じ装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0009】
(第1の実施の形態)
まず、第1の実施の形態によるシート綴じ装置およびこれを備える後処理装置(いわゆるフィニッシャ)について説明する。
【0010】
<装置構成>
図1は、第1の実施の形態による後処理装置1の概略縦断面図である。
【0011】
本実施形態による後処理装置1は、例えば、後処理装置1と通信可能に接続される画像形成装置7から出力されるシートを受け取り、当該シートに対して綴じ処理、折り処理、孔あけ処理などの各種処理を施す。
【0012】
後処理装置1は、大まかに、処理機能として例えば綴じ処理部T、折り処理部B、ステイプラW,孔あけ部109などを備えている。ここでは、一例として、後処理装置1が、綴じ処理部T、折り処理部B、ステイプラWおよび孔あけ部109等を備えている構成を例示するが、これに限られるものではなく、少なくとも綴じ処理部Tを備えていればよい。
【0013】
画像形成装置7にて画像を形成されたシートは、まず孔あけ部109を通過する。シートに対する孔あけを行なう場合には、この時点で孔あけ部109によるシートへの孔あけを行なう。
【0014】
孔あけ部109を通過したシートは、フラッパ117により、その搬送先を搬送路110および搬送路108のいずれかに切り替えられる。
【0015】
シートに対して孔あけ処理のみを行ないたい場合や、孔あけ部109を通過したシートをそのまま装置外に排出したい場合には、シートはフラッパ117によって搬送路108へと導かれ、さらにフラッパ107によって搬送路119へと導かれて第1排出トレイ106上に排出される。
【0016】
一方、シートに対して綴じ処理部Tによる綴じ処理を施したい場合、搬送路108まで導いたシートをさらにフラッパ107によって搬送路120へと導き、一時トレイ104(いわゆるバッファトレイ)上へと排出する。
【0017】
一時トレイ104上に排出されたシートはその後、
図1の紙面上で反時計回りに回転する回転パドル103によって叩き落とされて処理トレイ102上に積載される。
【0018】
図2は、処理トレイ102側から綴じ処理部T周辺を見た場合の概略構成を示す分解斜視図であり、
図3は、処理トレイ102側から綴じ処理部T周辺を見た場合の詳細を示す分解斜視図である。また、
図4は、綴じ処理部T、処理トレイ102および回転パドル103等の位置関係を、回転パドル103の回転軸1030の延びる方向に見た分解側面図である。
【0019】
綴じ処理部Tは、処理トレイ102上に積載されるシートの上面に糊付けを行なう糊付け部101を備えている。綴じ処理部Tは、処理トレイ102上にシートが積載されるたびに、当該シートの上面に糊付け部101による糊付けを行なう。ただし、例えば10枚のシート束を綴じたい場合には、10枚目のシート(10番目に積載された最上位のシート)の上面には糊付けは行なわない。
【0020】
綴じ処理の対象である処理トレイ102上に積載されている複数枚のシートの内の最上位のシート以外のシート全てに対する糊付けが完了したら、綴じ対象であるシート束を構成するこれら複数枚のシート全てが重なって積載された状態で綴じ処理部Tによって処理トレイ102に向けて押圧する。ここでの糊付け部101は、シート上に接着剤を付着させるものであり、押圧機構による押し付けによってこれら複数枚のシートにおける隣接するシート間は接着剤により強固に接着(圧着)され、シート綴じ処理が完了する。
【0021】
一方、孔あけ部109を通過したシートに対して折り処理やステイプル処理を行ないたい場合には、フラッパ117によってシートを搬送路110へと導き、スタッカ111上へと排出したシートに対してステイプラWによるステイプル処理や、折り処理部Bによる折り処理を施す。具体的に、折り処理部Bは、例えばステイプラWによるステイプル処理を施されたシート束を折りブレード112と折りローラ113とによって折り曲げ、折り増しローラ114により折り目をさらに挟み込んだ後、排出ローラ115によって第3排出トレイ116上に折り曲げられたシート束を排出する。
【0022】
綴じ処理によって綴じられた複数枚のシートからなるシート束は、その後、例えば処理トレイ102に設けられている不図示の排出部材によって第2排出トレイ105上に排出される。
【0023】
図5は、綴じ処理部Tにおける糊付け部101(シート綴じ装置)の構成について説明するための部分分解斜視図である。
図6は、
図5に示す糊付け部101の構成を別の角度から見た部分分解斜視図である。
図7は、後述の第1の支持機構および第2の支持機構の構成の詳細を示す分解斜視図である。
図8および
図9は、第1の支持機構および第2の支持機構が備える回転軸およびカムの概略構成を示す分解斜視図である。
【0024】
図5に示すように、糊付け部101は、例えば、接着剤付与部U、第1の支持機構、シャッタ部材101vw、第2の支持機構、等を備える。
【0025】
接着剤付与部Uは、シート同士を接着する接着剤としての糊をシートに付着させる糊付ユニットである。具体的に、糊付ユニットとしては、例えば液状の糊を含浸させたメッシュを当接させることにより糊を塗布する方式等を採用することができる。接着剤付与部Uは、処理トレイ102の突き当て整合位置に突き当てられたシートの上面の所定領域に接着剤を付与する。
【0026】
第1の支持機構は、例えば、フレームF、ガイド軸X1、保持部101a、引っ張りバネS11およびS12、第1の回転軸101J1、第1のカム101ca、受け部101g、モータM等を備えている。
【0027】
具体的に、第1の支持機構において、ガイド軸X1はフレームFによって両端を支持されている。接着剤付与部Uは、ガイド軸X1によって昇降可能にスライド支持された容器形状の保持部101a内に収容されている。ガイド軸X1は、接着剤付与を担う接着剤付与部Uのシートに対する進退方向に延びている。
【0028】
接着剤付与部Uを収容した保持部101aの外壁に設けられたスライダ101apは、ガイド軸X1に沿ってスライドするように、ガイド軸X1を挿通されている(
図7参照)。
【0029】
保持部101aの外壁に設けられたアーム101am1およびアーム101am2には、一端がフレームFに固定されている引っ張りバネS11およびS12の他端が繋がれており、これら引っ張りバネS11およびS12の引張力によって保持部101aをガイド軸X1に沿って下方に付勢している。
【0030】
保持部101aには底面101gbが平坦な受け部101gが設けられ、保持部101aの昇降動作に伴って受け部101gも一体的に昇降する。
【0031】
回転パドル103の回転軸1030と平行に延びる第1の回転軸101J1の一端には、ギア101fが固定されており、モータMからの回転駆動力がギア101dを介してギア101fへと伝達される。このような構成により、CPU701によってモータMを駆動制御することにより、第1の回転軸101J1を任意の回転方向(時計回りもしくは反時計回り)に回転駆動する。
【0032】
第1の回転軸101J1には第1のカム101caが固定されており、受け部101gの底面101gbは、第1の回転軸101J1と一体的に回転する第1のカム101caのカム面101cafに当接してガイド軸X1方向に従動する。
【0033】
このように、第1の支持機構は、第1の回転軸101J1をモータMによって回転駆動することにより、処理トレイ102上に載置されるシートを押圧しつつシート表面に接着剤を付着させる「接着剤付与位置」と、処理トレイ102上へのシート積載動作を妨げない位置に退避した「第1退避位置」との間で、接着剤付与部Uをガイド軸X1に沿ってスライド移動可能に支持する。すなわち、第1の支持機構は、接着剤付与部Uを、「接着剤付与位置」と「第1退避位置」との間でスライド可能に支持する支持機構としての役割を有する。
【0034】
シャッタ部材101vwは、接着剤付与部Uと処理トレイ102上に載置されるシートとの間に介在することにより、接着剤付与部Uからのシートへの接着剤の付与を妨げる(例えば後述の
図24等を参照)。
【0035】
図6,7に基づいて第2の支持機構を説明する。第2の支持機構は、例えば、フレームF、ガイド軸X1、保持アーム101v、引っ張りバネS2、第1の回転軸101J1、第2の回転軸101J2、第2のカム101cb、被ガイド軸X2、モータM等を備えている。
【0036】
保持アーム101vは、一端にシャッタ部材101vwを保持しており、他端には貫通孔が形成されたスライダ101vpが設けられている。スライダ101vpの貫通孔には、フレームFに両端を支持されたガイド軸X1が挿通されており、保持アーム101vはガイド軸X1を支持軸として回転可能となっている。保持アーム101vの他端付近には後処理装置本体に一端が固定された引っ張りバネS2の他端が接続されている。このようにして、シャッタ部材101vwは、引っ張りバネS2の引張力によって保持部101aから遠ざかる方向に付勢されている。
【0037】
保持アーム101vの他端付近には、被ガイド軸X2を保持するための貫通孔が形成された保持部101vhが設けられており、被ガイド軸X2は保持部101vhの貫通孔に挿通された状態で保持される。ここでは、一例として、保持部101vhによって保持された被ガイド軸X2はガイド軸X1と平行となっている。
【0038】
第1の回転軸101J1は、内周側に不図示の筒状のワンウェイクラッチを備える第2の回転軸101J2の当該ワンウェイクラッチ内を挿通されている。これにより、第2の回転軸101J2は、不図示のワンウェイクラッチを介して、第1の回転軸101J1が第1の回転方向(
図7に示す矢印CCW(反時計回り)方向)に回転する場合に第1の回転軸101J1から回転駆動力を伝達されて回転し、第1の回転軸101J1が第1の回転方向CCWとは逆の第2の回転方向(
図7に示す矢印CW(時計回り)方向)に回転する場合に第1の回転軸101J1から回転駆動力を伝達されない。
【0039】
第2の回転軸101J2には、第2のカム101cbが固定されており、第2の回転軸101J2の回転動作に伴って第2のカム101cbも一体的に回転する。第2のカム101cbには、第2のカム面101cbfが形成されており、第2のカム面101cbfは、第2のカム101cbが
図7に示す矢印CCW方向に回転する場合にのみ被ガイド軸X2をガイドする。第2のカム101cbが
図7に示す矢印CCW方向に回転するとき、被ガイド軸X2は第2のカム面101cbfに沿って従動し、引っ張りバネS2の引張力に抗して保持アーム101vを保持部101aに近づく方向に回転させる。第2のカム101cbの作用により、シャッタ部材101vwは接着剤付与部Uの下方(遮蔽位置)へ向けて移動する。
【0040】
このように、第2の支持機構は、シャッタ部材101vwを、接着剤付与部Uと処理トレイ102上に載置されるシートとの間に介在し且つ接着剤付与位置へ向けて移動する接着剤付与部Uによる押圧動作に追従してシート表面へ向けてガイド軸に沿って移動可能に支持する「遮蔽位置(後述の
図23に示す位置)」と、接着剤付与部Uの移動軌跡から退避した「第2退避位置(
図7に示す位置)」との間で、ガイド軸を支点として回転移動可能に支持する。すなわち、第2の支持機構は、接着剤付与部Uを、「遮蔽位置」と「第2退避位置」との間で移動可能に支持する支持機構としての役割を有する。ここで、「移動軌跡」とは、接着剤付与部Uがガイド軸X1に沿って「接着剤付与位置」と「第1退避位置」との間を移動する際に通過する空間を意味している。すなわち、「第2退避位置」に位置するシャッタ部材101vwは、接着剤付与部Uが通過する空間から退避しており、接着剤付与部Uの移動を妨げることはない。
【0041】
また、第2の支持機構における保持アーム101vは、シャッタ部材101vwを「遮蔽位置」に移動させる際に、処理トレイ102上に最大積載枚数のシートが積載されている場合でもシャッタ部材101vwが処理トレイ102上に積載されているシートの内の最上位のシートに接触しない高さ位置でシャッタ部材101vwを支持する。
【0042】
このように、シャッタ部材101vwを遮蔽位置に移動させる際に、処理トレイ上に積載されるシート枚数に拘わらず、シャッタ部材101vwが処理トレイ上のシートに接触しないような高さ位置で支持しておくことにより、遮蔽位置に移動したシャッタ部材101vwを降下する接着剤付与部Uによって押下するときに最上位のシート上面をシャッタ部材101vwによって常に安定的に押下することができる。
【0043】
また、接着剤付与部Uを、退避位置から接着剤付与位置へ向けて弾性的に付勢する構成とすることにより、処理トレイ上の綴じ対象となるシート束を構成するシート枚数が多くなるほど、接着剤付与部Uが接着剤付与位置に位置するときの接着剤付与部Uによるシートを押圧する力は大きくなる。一般に、シートを接着剤で綴じる場合には、綴じ対象であるシート束を構成するシート枚数が多くなるほど強い力で圧着させることが望ましく、本構成によれば、より強固な綴じ処理を実現することができる。
【0044】
<制御ブロック>
図10は、実施形態によるシート綴じ装置を備える後処理装置1の制御ブロックの一例を示す図である。
【0045】
図10に示すように、後処理装置1は、一部を説明すると、例えば、CPU701、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)702、MEMORY703、HDD(Hard Disk Drive)704、通信インターフェース705、孔あけ部109、折り処理部B、シート搬送部707、モータM、モータM’、センサ101ta(第1の位相センサ)、センサ101tb(第2の位相センサ)、などを備えている。
【0046】
ASIC702、MEMORY703、HDD704、通信インターフェース705、孔あけ部109、折り処理部B、シート搬送部707、モータM、モータM’、センサ101ta、センサ101tb等の後処理装置1に備わる各種アクチュエータやセンサ類等は、パラレスバスやシリアルバス等の通信線を介してCPU701と通信可能に接続されている。
【0047】
CPU701は、例えばHDD704や装置外からダウンロードされるプログラムをMEMORY703にロードさせて実行することにより、例えば孔あけ部109、折り処理部B、シート搬送部707、モータM、モータM’、通信インターフェース705などを制御する。ここで、モータM’は、回転パドル103を回転駆動するためのアクチュエータである。
【0048】
本実施の形態によるシート綴じ装置およびこれを備える後処理装置1において、CPU701は、シート綴じ装置およびこれを備える後処理装置1における各種処理を行う役割を有しており、またMEMORY703、HDD704等に格納されているプログラムを実行することにより種々の機能を実現する役割も有している。なお、CPU701は、同等の演算処理を実行可能なMPU(Micro Processing Unit)により代替することも可能であることは言うまでもない。また、HDD704についても同様に、例えばフラッシュメモリ等の記憶装置により代替可能である。
【0049】
MEMORY703は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、VRAM(Video RAM)、フラッシュメモリ等から構成されることができ、シート綴じ装置およびこれを備える後処理装置1において利用される種々の情報やプログラムを格納する役割を有している。
【0050】
<動作説明>
図11は、実施形態によるシート綴じ装置における処理の流れについて説明するためのフローチャートである。
【0051】
まず、CPU701(枚数情報取得部)は、これから綴じ処理の対象となるシートが、綴じ処理の対象であるシート束を構成するシート群の中で最終頁に相当するシートであるか否かを判定するための情報(枚数情報)を画像形成装置7等から取得する(Act101)。
【0052】
CPU701は、処理トレイ102上に積載された最上位のシートが、綴じ対象であるシート束における最終頁に相当するシートではない場合(ACT102,No)、接着剤の付与が必要であるとしてモータMを時計回り方向(
図7に示すCW方向)に回転させる(ACT104)。
【0053】
一方、CPU701は、処理トレイ102上に積載された最上位のシートが、綴じ対象であるシート束における最終頁に相当するシートである場合(ACT102,Yes)、接着剤を付与することなく、処理トレイ102上に積載されているシート束を圧着するため、モータMを反時計回り方向(
図7に示すCCW方向)に回転させる(ACT103)。
【0054】
まず、綴じ対象であるシート束における最終頁のシート(シート束がn枚である場合のn枚目のシート)以外のシート(1枚目〜n−1枚目のシート)についての糊付け動作(ACT104)について説明する。
【0055】
図12および
図13は、保持部101aが「第1退避位置」に位置している状態を示す分解斜視図である。
図14および
図15は、保持部101aが「接着剤付与位置」に位置している状態を示す分解斜視図である。
図16は、一枚目のシートSt1への糊付け動作時における各構成部品の動作の推移を示す遷移図であり、
図17は、最終頁以外のシートの場合のCPU701による駆動制御を示すタイミングチャートである。
【0056】
図12〜
図17に示すように、第1のカム101caの第1のカム面101cafによって押し上げられた状態の保持部101aは、第1のカム101caの時計回り方向への回転に伴って降下するカム面101cafに追従して
図14および
図15に示す「接着剤付与位置」まで下がる。
図14および
図15に示す「接着剤付与位置」において、接着剤付与部Uは、処理トレイ102上に積載されているシートの内の最上位に位置するシートの上面に接着剤を付着させる(
図16および
図17における(4)を参照)。なお、第1の回転軸101J1(第1のカム101ca)を時計回り方向に回転させる際には、摩擦等の影響による第2の回転軸101J2および第2のカムcbの連れ回りを防止するため、第2のカムcbに形成された切欠きを装置本体に固定されたストッパKによって係止している。ストッパKは、第2のカムcbの時計回り方向の回転動作のみを規制し、反時計回り方向の回転は許容するバネ構造となっている。
【0057】
図18は、2枚目〜n−1枚目のシートへの糊付け動作時における各構成部品の動作の推移を示す遷移図である。ここでは、一例として二枚目のシートSt2に対する糊付け動作を示すが、3枚目〜n−1枚目についても同様の動作を繰り返す。すなわち、本実施の形態の綴じ部材は、シート1枚毎に糊付け処理を実行する。
【0058】
続いて、綴じ対象であるシート束における最終頁のシートStn(シート束がn枚である場合のn枚目のシート)についての押圧(圧着)動作(ACT103)について説明する。
【0059】
図19は、保持部101aが「第1退避位置」に位置し、シャッタ部材101vwが「第2退避位置」に位置している状態を示す分解斜視図である。なお、
図19では、シャッタ部材101vwは保持アーム101v等の陰になり視認できないため(
図15等を参照)、その位置を破線引き出し線により示している。
図20〜
図22は、第2のカム101cbの作用による保持アーム101vの回転動作の詳細を示す分解斜視図である。
図23および
図24は、シャッタ部材101vwが「遮蔽位置」に位置している状態を示す分解斜視図である。
図25は、シャッタ部材101vwが「第2退避位置」に位置している状態で、保持部101aが「接着剤付与位置」まで降下している様子を示す分解斜視図である。
【0060】
図26は、最終頁のシートStnに対して押圧のみを行うときの各構成部品の動作の推移を示す遷移図であり、
図27は、最終頁のシートStnの場合のCPU701による駆動制御を示すタイミングチャートである。
【0061】
図19〜
図22に示すように、モータMによって第1の回転軸101J1が反時計回り方向(CCW)に回転駆動されると、第1の回転軸101J1に加わる回転力はワンウェイクラッチを介して第2の回転軸101J2へと伝達される。このようにして反時計回り方向(CCW)に回転駆動される第2の回転軸101J2と一体的に回転する第2のカム101cbの第2のカム面101cbfは、その傾斜したカム面によって被ガイド軸X2を
図20および
図21に示す矢印方向に移動するようにガイドする。このようにして、第2のカム101cbが矢印CCW方向に回転するとき、被ガイド軸X2は第2のカム面101cbfに沿って従動し、引っ張りバネS2の引張力に抗して保持アーム101vを回転させ、シャッタ部材101vwを「遮蔽位置」へ向けて移動させる(
図22を参照)。
【0062】
また、第1のカム101caは第1の回転軸101J1に固定されているため、モータMによる第1の回転軸101J1の反時計回り方向(CCW)への回転駆動に伴い、第1のカム101caも反時計回り方向に回転する。したがって、第1の回転軸101J1の反時計回り方向への回転により、上述のようにシャッタ部材101vwが「第2退避位置」から「遮蔽位置」へと向かうとともに、第1のカム面101cafの作用によって保持部101aが「第1退避位置」から「接着剤付与位置」へ向けて降下してゆく。
【0063】
第1の回転軸101J1の反時計回り方向の回転により第1のカム101caおよび第2のカム101cbが
図23に示す角度位置となったとき、シャッタ部材101vwは接着剤付与部Uの下方である「遮蔽位置」に到達する(
図23、
図24および
図26(2)を参照)。
【0064】
シャッタ部材101vwが「遮蔽位置」に到達し、さらに第1の回転軸101J1が反時計回り方向に回転すると、
図25に示すように、シャッタ部材101vwが「遮蔽位置」に位置したままの状態で、保持部101aは、第1のカム面101cafの作用により「接着剤付与位置」へ向けてさらに降下し、「遮蔽位置」にあるシャッタ部材101vwを押し下げながら「接着剤付与位置」に到達し、処理トレイ102上に積載されているシート束の最上位に位置するシート(例えば
図26(3)に示すシートStn)の上面を押下する。
【0065】
第1の回転軸101J1がさらに反時計回り方向に回転すると、第2のカム101cbの反時計回りの回転によって第2のカム面101cbfによる被ガイド軸X2への規制が解除され、保持アーム101vは引っ張りバネS2の引張力によって
図19に示す状態に復帰する。また、第2のカム101cbと共に反時計回り方向に回転する第1のカム101caの第1のカム面101cafの作用によって、保持部101aは引っ張りバネS11およびS12の引張力に抗して「第1退避位置」へ向けて押し上げられる(
図26(4)を参照)。
【0066】
このように、本実施の形態では、CPU701(制御部)は、第1の支持機構により接着剤付与部Uを「接着剤付与位置」と「第1退避位置」との間で移動させる「糊付モード」と、第2の支持機構によりシャッタ部材101vwを「遮蔽位置」へと移動させた状態で、第1の支持機構により接着剤付与部Uを「第1退避位置」から「接着剤付与位置」へ移動させ、接着剤付与部Uの移動に伴って押し下げられるシャッタ部材101vwにより処理トレイ102上のシート(例えば
図26に示すシートStn)を押圧させる「押圧モード」と、を実行させることができる。
【0067】
このように、シートに接着剤を付与する接着剤付与部Uの押圧力を利用して、接着剤付与済のシート束をシャッタ部材101vwを介して押圧する構成とすることにより、単一の押圧機構により、接着剤付与および単純な押圧動作の双方を実現することができる。
【0068】
さらに、CPU701(制御部)は、「糊付け時駆動モード」において、モータMにより第1の回転軸101J1を第2の回転方向(例えば時計回り方向CW)に回転駆動させ、第1の回転軸101J1からの回転駆動力により第1の支持機構を駆動させ、且つ、「押圧モード」において、モータMにより第1の回転軸101J1を第1の回転方向(例えば反時計回り方向CCW)に回転駆動させ、第1の回転軸101J1からの回転駆動力により第1の支持機構を駆動させるとともに、第2の回転軸101J2からの回転駆動力により第2の支持機構を駆動させている。
【0069】
このように、接着剤付与部Uの「接着剤付与位置」と「退避位置」との間での移動を、モータMの回転方向に拘らず常にモータMから回転駆動力を伝達される第1の回転軸101J1からの回転駆動力によって駆動する構成とすることにより、「糊付け駆動モード」および「押圧駆動モード」のいずれにおいても、接着剤付与部Uの動作を兼用することができる。
【0070】
また、本実施の形態では、CPU701(制御部)は、第1の支持機構により接着剤付与部Uを「接着剤付与位置」と「第1退避位置」との間で移動させる「糊付モード」と、第2の支持機構によりシャッタ部材101vwを「遮蔽位置」へと移動させた状態で、第1の支持機構により接着剤付与部Uを「接着剤付与位置」へ向けて移動させ、接着剤付与部Uの移動に伴って押し下げられるシャッタ部材101vwにより処理トレイ102上のシートを押圧させる「押圧モード」と、を実行させている。
【0071】
このように、第1の支持機構において接着剤付与部Uを「接着剤付与位置」と「第1退避位置」との間でスライド移動可能にガイドするためのガイド軸X1を、第2の支持機構においてシャッタ部材101vwを「遮蔽位置」と「第2退避位置」との間で回転可能に支持するための回転支持軸としても兼用することにより、簡単な構成によって接着剤付与部Uおよびシャッタ部材101vwの動作を規定することができる。また、接着剤付与部Uの「接着剤付与位置」への移動に伴ったシャッタ部材101vwの移動においても、同一軸をガイドとして採用しているため、接着剤付与部Uおよびシャッタ部材101vwの双方を確実に同じ軌跡で一体的にスライドさせることができる。
【0072】
続いて、シャッタ部材101vwにより処理トレイ102上のシート上面を押下する際の接着剤付与部U、保持部101aおよびシャッタ部材101vwの関係について説明する。
【0073】
図20に示すように、シャッタ部材101vwは、シャッタ部材101vwが「遮蔽位置」に位置している状態で接着剤付与部Uが「接着剤付与位置」へと移動する際に、接着剤付与部Uおよび第1の支持機構の内のいずれかに当接して接着剤付与部Uの「接着剤付与位置」へ向かう押圧力(引っ張りバネS11およびS12の引張力)を受ける受け部101vwaおよび101vwbを備えている。
【0074】
シャッタ部材101vwは、受け部101vwaおよび101vwbが接着剤付与部Uおよび第1の支持機構の内のいずれかに当接している際に、接着剤付与部Uから供給される接着剤はシャッタ部材101vwには接触しない形状に形成されている。具体的には、受け部101vwaおよび101vwbが接着剤付与部Uおよび第1の支持機構の内のいずれかに当接しているとき、接着剤付与部Uの接着剤供給部Unpとシャッタ部材101vwの間には所定の隙間が確保されており、接着剤供給部Unpから供給される接着剤がシャッタ部材101vwに付着することはない。
【0075】
このように、シャッタ部材101vwが接着剤付与部Uの押圧力を受けてシート束を押圧する際に、シャッタ部材101vwと接着剤付与部Uから供給される接着剤とが接触しない構成とすることにより、シャッタ部材101vwが接着剤によって汚れることを防止することができ、且つ本来シートに付与すべき接着剤がシャッタ部材101vwに付着してしまい無駄となることもない。
【0076】
また、
図20および
図28に示すように、本実施の形態では、シャッタ部材101vwの処理トレイ102上に積載されるシート上面に押圧される側の面は、処理トレイ102側へ向けて凸となる形状に形成されている。
【0077】
このように、シャッタ部材101vwのシートを押圧する側の面を凸形状とすることにより、シャッタ部材101vwからシートの糊付け位置付近に加わる圧力を平坦な面で押される場合よりも高めることができ、綴じ対象であるシートをより強力かつ安定的に接着することが可能となる。
【0078】
また、シャッタ部材101vwの処理トレイ102上に積載されるシート上面に押圧される際にシートに当接する領域Area1は、接着剤付与部Uの移動方向と直交する平面方向において、少なくともシート上に接着剤を付与する領域Area2を含んでいることが望ましい。
【0079】
続いて、第1のカム101caと第2のカムcbの回転角度位置のズレの修正方法について説明する。
図29は、第1のカム101caと第2のカムcbの回転角度位置のズレの修正方法を示すフローチャートである。
図30は、
図29のフローチャートの動作を行う際の各部材の動作を示す遷移図である。
図31は、
図29のフローチャートの動作を行う際のCPU701による制御内容を示すタイミングチャートである。
【0080】
本実施の形態では、第1のカム101caが固定されている第1の回転軸101J1と第2のカムcbが固定されている第2の回転軸101J2との間では、ワンウェイクラッチを介して動力伝達を行うため、第1の回転軸101J1を時計回り方向に回転させる「糊付け駆動モード」と第1の回転軸101J1を反時計回り方向に回転させる「押圧駆動モード」とを交互に行ってゆくうちに第1のカム101caと第2のカムcbの回転角度位置が正規の関係からズレてゆく。このような第1のカム101caと第2のカムcbの回転角度位置の正規の位置関係からのズレは、接着剤付与部Uを「接着剤付与位置」に降下させる際のシャッタ部材101vwによる遮蔽動作のタイミングのズレにつながる。
【0081】
そこで、本実施の形態では、第1の位相検知部材saと、第1の位相センサtaと、第2の位相検知部材tbと、第2の位相センサ101tbを設けている。
【0082】
第1の位相検知部材saは、第1の回転軸101J1の回転角度位置を検知するためのフラグとして、第1の回転軸101J1の端部k1に第1の回転軸101J1と一体的に回転可能に設けられている(例えば
図7を参照)。具体的に、第1の位相検知部材saは、切欠き101sasが形成された円盤であり、この切欠き101sasに対応する位置においてのみ光センサの検出光を通過させる。
【0083】
第1の位相センサtaは、例えば透過型の光センサであり、第1の位相検知部材saが正規の角度位置にある状態を検知可能に設けられる。第1の位相検知部材saが正規の角度位置にあるとき、切欠き101sasは第1の位相センサtaの検出光を透過させる状態にある。
【0084】
第2の位相検知部材sbは、第2の回転軸101J2の回転角度位置を検知するためのフラグとして、第2の回転軸101J2の端部に第2の回転軸101J2と一体的に回転可能に設けられている(例えば
図7を参照)。具体的に、第2の位相検知部材sbは、切欠き101sbsが形成された円盤であり、この切欠き101sbsに対応する位置においてのみ光センサの検出光を通過させる。
【0085】
第2の位相センサtbは、例えば透過型の光センサであり、第2の位相検知部材sbが正規の角度位置にある状態を検知可能に設けられる。第2の位相検知部材sbが正規の角度位置にあるとき、切欠き101sbsは第1の位相センサtbの検出光を透過させる状態にある。
【0086】
このような構成において、CPU701(位相調整部)は、モータMにより第1の回転軸101J1を第1の回転方向および第2の回転方向に交互に所定角度ずつ回転させた際(ACT201、ACT202)の第1の位相センサ101taおよび第2の位相センサ101tbの検知結果に基づいて第1の回転軸101J1と第2の回転軸101J2の回転角度位置の位相を正規の状態に調整する(ACT203)。
【0087】
このように、本実施の形態では、第1の回転軸101J1と第2の回転軸101J2との間での駆動力伝達にワンウェイクラッチを採用しているため、第1の回転軸101J1を第1の回転方向および第2の回転方向に所定角度(例えば、第1のカム101caの上死点範囲など)ずつ交互に回転させることにより、第1の回転軸101J1と第2の回転軸101J2の角度位置の位相を変化させてゆくことができる。
【0088】
したがって、第1の位相検知部材101saおよび第2の位相検知部材sbにより、第1の回転軸101J1と第2の回転軸101J2とが正しい相対角度位置の関係にあるか否かを検知可能な構成としておけば、
図30および
図31の(1)〜(7)に示すように交互に正逆転を繰り返すことで必ず正規の相対角度位置関係に到達することができる(ACT203)。
【0089】
上述のシート綴じ装置での処理における各動作は、MEMORY703に格納されているシート綴じプログラムをCPU701に実行させることにより実現されるものである。
【0090】
第1の実施の形態によれば、例えば、以下のような構成のシート綴じ装置を提供することができる。
(1)シート同士を接着する接着剤をシートに付着させる接着剤付与部と、
接着対象であるシートが積載される処理トレイと、
処理トレイ上に載置されるシート表面を押圧しつつシート表面に接着剤を付着させる接着剤付与位置と、処理トレイ上へのシート積載動作を妨げない位置に退避した第1退避位置との間で、接着剤付与部を移動可能に支持する第1の支持機構と、
接着剤付与部と処理トレイ上に載置されるシートとの間に介在することにより、接着剤付与部からのシートへの接着剤の付与を妨げるシャッタ部材と、
シャッタ部材を、接着剤付与部と処理トレイ上に載置されるシートとの間に介在し且つ接着剤付与位置へ向けて移動する接着剤付与部による押圧動作に追従してシート表面へ向けて移動可能に支持する遮蔽位置と、接着剤付与部の移動軌跡から退避した第2退避位置との間で移動可能に支持する第2の支持機構と、
第1の支持機構により接着剤付与部を接着剤付与位置と第1退避位置との間で移動させる糊付モードと、第2の支持機構によりシャッタ部材を遮蔽位置へと移動させた状態で、第1の支持機構により接着剤付与部を第1退避位置から接着剤付与位置へ移動させ、接着剤付与部の移動に伴って押し下げられるシャッタ部材により処理トレイ上のシートを押圧させる押圧モードと、を実行可能な制御部と、
を備えるシート綴じ装置。
(2)モータと、
モータからの回転駆動力を伝達される第1の回転軸と、
ワンウェイクラッチを介して、第1の回転軸が第1の回転方向に回転する場合に第1の回転軸から回転駆動力を伝達されて回転し、第1の回転軸が第1の回転方向とは逆の第2の回転方向に回転する場合に第1の回転軸から回転駆動力を伝達されない第2の回転軸と、をさらに備え、
制御部は、糊付け時駆動モードにおいて、モータにより第1の回転軸を第2の回転方向に回転駆動させ、第1の回転軸からの回転駆動力により第1の支持機構を駆動させ、且つ、押圧モードにおいて、モータにより第1の回転軸を第1の回転方向に回転駆動させ、第1の回転軸からの回転駆動力により第1の支持機構を駆動させるとともに、第2の回転軸からの回転駆動力により第2の支持機構を駆動させることを特徴とする(1)に記載のシート綴じ装置。
(3)第1の支持機構は、第1の回転軸に連結された第1のカムを備え、第1の回転軸と一体的に回転する第1のカムの回転によって接着剤付与部を退避位置と接着剤付与位置との間で移動させることを特徴とする(2)に記載のシート綴じ装置。
(4)接着剤付与部は、バネにより、退避位置から接着剤付与位置へと向かう方向に弾性的に付勢されていることを特徴とする(3)に記載のシート綴じ装置。
(5)第2の支持機構は、第2の回転軸に連結された第2のカムを備え、第2の回転軸と一体的に回転する第2のカムの回転によってシャッタを第2の退避位置と遮蔽位置との間で移動させることを特徴とする(2)乃至(4)のいずれかに記載のシート綴じ装置。
(6)第2の支持機構は、第2の回転軸からの回転駆動力を受けるギアトレインを備え、第2の回転軸の回転駆動力を受けるギアトレインによってシャッタを第2の退避位置と遮蔽位置との間で移動させることを特徴とする(2)乃至(4)のいずれかに記載のシート綴じ装置。
(7)第1の回転軸の回転角度位置を検知するためのフラグとして第1の回転軸と一体的に回転可能に設けられる第1の位相検知部材と、
第1の位相検知部材が正規の角度位置にある状態を検知可能に設けられる第1の位相センサと、
第2の回転軸の回転角度位置を検知するためのフラグとして第2の回転軸と一体的に回転可能に設けられる第2の位相検知部材と、
第2の位相検知部材が正規の角度位置にある状態を検知可能に設けられる第2の位相センサと、
モータにより第1の回転軸を第1の回転方向および第2の回転方向に交互に所定角度ずつ回転させた際の第1および第2の位相センサの検知結果に基づいて第1の回転軸と第2の回転軸の回転角度位置の位相を正規の状態に調整する位相調整部と、をさらに備えることを特徴とする(2)乃至(6)のいずれかに記載のシート綴じ装置。
【0091】
また、第1の実施の形態によれば、例えば、以下のような構成のシート綴じ装置を提供することもできる。
(1)シート同士を接着する接着剤をシートに付着させる接着剤付与部と、
接着対象であるシートが積載される処理トレイと、
処理トレイ上に載置されるシートを押圧しつつシート表面に接着剤を付着させる接着剤付与位置と、処理トレイ上へのシート積載動作を妨げない位置に退避した第1退避位置との間で、接着剤付与部を所定のガイド軸に沿ってスライド移動可能に支持する第1の支持機構と、
接着剤付与部と処理トレイ上に載置されるシートとの間に介在することにより、接着剤付与部からのシートへの接着剤の付与を妨げるシャッタ部材と、
シャッタ部材を、接着剤付与部と処理トレイ上に載置されるシートとの間に介在し且つ接着剤付与位置へ向けて移動する接着剤付与部による押圧動作に追従してシート表面へ向けてガイド軸に沿って移動可能に支持する遮蔽位置と、接着剤付与部の移動軌跡から退避した第2退避位置との間で、ガイド軸を支点として回転移動可能に支持する第2の支持機構と、
第1の支持機構により接着剤付与部を接着剤付与位置と第1退避位置との間で移動させる糊付モードと、第2の支持機構によりシャッタ部材を遮蔽位置へと移動させた状態で、第1の支持機構により接着剤付与部を第1退避位置から接着剤付与位置へ移動させ、接着剤付与部の移動に伴って押し下げられるシャッタ部材により処理トレイ上のシートを押圧させる押圧モードと、を実行可能な制御部と、
を備えるシート綴じ装置。
(2)第2の支持機構は、シャッタ部材を遮蔽位置に移動させる際に、処理トレイ上に最大積載枚数のシートが積載されている場合でもシャッタが処理トレイ上に積載されているシートの内の最上位のシートに接触しない高さ位置でシャッタを支持することを特徴とする(1)に記載のシート綴じ装置。
(3)シャッタは、接着剤付与部が接着剤付与位置へと移動する際に、接着剤付与部および第1の支持機構の内のいずれかに当接して接着剤付与部の接着剤付与位置へ向かう押圧力を受ける受け部を備え、
受け部が接着剤付与部および第1の支持機構の内のいずれかに当接している際に、接着剤付与部から供給される接着剤はシャッタに接触しないことを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載のシート綴じ装置。
(4)シャッタの処理トレイ上に積載されるシート上面に押圧される側の面は、処理トレイ側へ向けて凸となる形状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載のシート綴じ装置。
(5)シャッタの処理トレイ上に積載されるシート上面に押圧される際にシートに当接する領域は、接着剤付与部の移動方向と直交する平面方向において、少なくともシート上に接着剤を付与する領域を含むことを特徴とする(4)に記載のシート綴じ装置。
【0092】
(第2の実施の形態)
続いて、第2の実施の形態について説明する。
【0093】
第2の実施の形態は、上述した第1の実施の形態の変形例である。第2の実施の形態では、シートを処理トレイ102上に叩き落す回転パドルの構成が第1の実施の形態の構成とは異なる。以下、本実施の形態において、第1の実施の形態と同様な機能を有する部分には同一符号を付し、説明は省略する。
【0094】
図32は、第2の実施の形態における回転パドル103’の概略構成を示す図である。本実施の形態における回転パドル103’は、回転軸1030と、この回転軸1030の外周面に設けられる一時支持部1031と、第1の回転パドル1034と、第2の回転パドル1033と、突き当て補助部材1032と、を備えている。
【0095】
一時支持部1031、第1の回転パドル1034および第2の回転パドル1033は、回転軸1030の外周面に周方向に所定の間隔で配列されており、それぞれが回転軸1030の外周面から回転軸1030の径方向外側に突出するように立設されている。突き当て補助部材1032は、
図32に示すように、一時支持部1031の、回転パドル103の回転方向における下流側の側面に固定されている。
【0096】
一時支持部1031は、一時トレイ上に一時的に載置された処理対象であるシートの先端の下面を下方から支持する役割を有する(
図32を参照)。具体的には、一時支持部1031は、
図32に示す角度位置(ホームポジション)において、一時トレイ上に一時的に載置されたシートの先端の下面を下方から支持する。
【0097】
第2の回転パドル1033は、回転軸1030と一体的に回転する弾性部材からなる。第2の回転パドル1033は、
図32〜
図36に示すように、回転方向d7に回転することにより、一時トレイから処理トレイ102上に落下したシートの上面に当接しながら回転する。第2の回転パドル1033は、上述の動作によりシートを搬送し、シート先端を処理トレイ102における所定の突き当て整合位置102tに突き当てる。
【0098】
突き当て補助部材1032は、接着剤に対する離型性が、綴じ対象であるシートよりも高いフィルム(例えば、ポリエステルフィルム等)である。
【0099】
突き当て補助部材1032は、第1の回転パドル1034および第2の回転パドル1033が固定されている回転軸と同じ回転軸1030に設けられる。突き当て補助部材1032の長さL7(
図32を参照)は、第2の回転パドル1033により突き当て整合位置へ向けてシート搬送する際に、所定の条件を満たす長さに設定されている。具体的には、突き当て補助部材1032の長さL7は、第2の回転パドル1033により突き当て整合位置へ向けてシート搬送する際に、当該シート(
図35におけるSt2)の先端が直前のシート(
図35におけるSt1)上の接着剤領域上に少なくとも乗り上げるまでの間、突き当て補助部材1032の先端部分と第2の回転パドル1033が、シートSt2の先端を挟むような長さに設定されている(
図35を参照)。
【0100】
続いて、
図32〜
図37を参照して、第2の実施の形態による回転パドル103’の動作について説明する。
【0101】
一時トレイ上に載置されるシートSt2は、一時トレイ上に落下し、その先端の下面は一時支持部1031によって支持される(
図32および
図33)。CPU701は、一時トレイ上のシートSt2を処理トレイ102上のシートSt1上に落下させる際に、モータM’により回転軸1030が
図33に示す回転方向に回転駆動して一時支持部1031によるシート支持を解除し、シートの処理トレイ102上への落下を許容する(
図34)。ここでは、シートSt1の上面の所定領域には、接着剤付与部Uによってすでに糊付けが行われているものとする(
図34を参照)。このとき、処理トレイ102へ向けてラックするシートSt2の先端は、処理トレイ102上に載置されているシートの上面に押し当てられた状態の突き当て補助部材1032の上面に載る(
図34を参照)。
【0102】
回転軸1030が回転方向d7にさらに回転すると、突き当て補助部材1032は、処理トレイ102上に載置されているシートの上面に押し当てられながらシート上の糊付け領域へ向けてシート上を滑ってゆく(
図34を参照)。
【0103】
続いて、
図34の状態から回転軸1030が回転方向d7にさらに回転すると、突き当て補助部材1032に続いて、第2の回転パドル1033が、処理トレイ102上に載置されているシートSt2の上面に当接する(
図35参照)。すなわち、第2の回転パドル1033は、シートSt2の先端が突き当て補助部材1032上に載っている状態でシートSt2の搬送を開始する。
【0104】
そして、回転軸1030が
図34の状態から回転方向d7にさらに回転すると、第2の回転パドル1033によって処理トレイ102の突き当て位置へ向けて搬送されるシートSt2は、その先端が突き当て補助部材1032上に乗り上げた状態で糊付け部分を通過し、処理トレイ102の突き当て位置に突き当てられる(
図36参照)。突き当て補助部材1032は、シートSt2の先端が糊付け部分に乗り上げると、シートSt2と糊付け部分との間から退避し、処理トレイ102上から離脱する(
図36参照)。
【0105】
このようにして処理トレイ102の所定の突き当て位置に突き当てられたシートSt2の上面に糊付けが行われると(
図37参照)、CPU701は次に処理トレイ102上に載置すべきシートSt3を一時トレイおよび一時支持部1031上に落下させる。これ以降のシートSt3に対する搬送動作および糊付け動作は、上述のシートSt2と同様である。
【0106】
このように、第2の回転パドル1033によって搬送されるシートの先端が、直前に処理トレイ102上に積載されたシート上の接着剤付与領域に乗り上げるまで、当該シートの先端と直前に積載されたシート上の接着剤付与領域との間に介在する突き当て補助部材1032を設けることにより、第2の回転パドル1033によって搬送されるシートの先端が直前に積載されたシート上の接着剤に接触し、引っ掛かることが無くなる。
【0107】
また、突き当て補助部材は、回転軸1030の半径方向よりも回転パドル103’の回転方向上流側へ向けて途中で折れ曲がるように回転軸1030に設けてもよい(
図32にて一点鎖線で示す突き当て補助部材1032’を参照)。もちろん、途中で折れ曲がる構成に限らず、基端部から先端部までの範囲の一部または全部が、緩やかに弧を描くように曲がった形状とすることもできる。
【0108】
このような構成とすることにより、第2の回転パドル1033によってシートを突き当て整合位置へ向けて搬送する際にシートを搬送しやすく、且つ一時トレイから落下するシートの処理トレイ102上への積載を妨げることもない。
【0109】
この他、突き当て補助部材は、その基端部から回転軸1030の半径方向に対して傾斜するように延出させることもできる(
図32にて二点鎖線で示す突き当て補助部材1032”を参照)。すなわち、回転軸1030の外周面に位置する突き当て補助部材の基端部から、回転軸1030の半径方向に延びるのではなく、回転軸1030の半径方向に対して回転パドル103’の回転方向上流側へ向けて傾斜する方向に斜めに延びる構成とすることもできる。
【0110】
このような構成とすることにより、第2の回転パドル1033によってシートを突き当て整合位置へ向けて搬送する際にシートを搬送しやすく、且つ一時トレイから落下するシートの処理トレイ102上への積載を妨げることもない。
【0111】
なお、本実施の形態における突き当て補助部材は、例えば回転軸1030の回転中心軸(
図38に示す一点鎖線)方向における接着剤付与部Uによる接着剤付与領域Q1に対応する位置に設けられている。ここでの突き当て補助部材は、その回転軸方向における幅が、シート上の接着剤付与領域Q1よりも幅が広くなるように設定されている(
図38に示すQ2)。当該構成とすることにより、次シートを待機トレイから処理トレイに搬送する際に、次シートが、先行して処理トレイに積載されているシート上の接着剤に接触することを防止することが可能となる。
【0112】
もちろん、突き当て補助部材は、必ずしも接着剤付与領域に重ねて配置しなければならない訳ではない。結果的に第3の回転パドル1033によってシートを突き当て位置へ向けて搬送する際にシート先端が糊付け部分に接触し、引っかからない程度にシート先端と糊付け部分との間に介在できていればよい。従って、例えば
図39に示すように回転軸1030の回転中心軸方向において、突き当て補助部材の位置と、接着剤付与部Uによる接着剤付与領域の位置とが重ならない配置とすることもできる。
【0113】
第2の実施の形態によれば、例えば、以下のような構成のシート後処理装置を提供することができる。
(1)綴じ対象であるシートを積載する処理トレイと、
処理トレイ上方に設けられ、搬送されるシートを一時的に載置し、一時的に載置したシートを処理トレイ上に落下させる一時トレイと、
一時トレイから処理トレイ上に落下したシートの上面に当接しながら回転することによりシートを処理トレイにおける所定の突き当て整合位置に突き当てる回転パドルと、
突き当て整合位置に突き当てられたシートの上面の所定領域に接着剤を付与する接着剤付与部と、
回転パドルと同じ回転軸に設けられ、回転パドルにより突き当て整合位置へ向けて搬送されるシートの先端が該シートの直前に処理トレイ上に積載されたシート上に付与された接着剤領域上に少なくとも乗り上げるまでの間、その先端がシート先端を回転パドルとの間に挟む長さを有する突き当て補助部材と、
を備えるシート綴じ装置。
(2)突き当て補助部材は、接着剤に対する離型性がシートよりも高いフィルムであることを特徴とする(1)に記載のシート綴じ装置。
(3)突き当て補助部材は、回転軸の半径方向よりも回転パドルの回転方向上流側へ向けて曲がるように回転軸に設けられていることを特徴とする(1)または(2)に記載のシート綴じ装置。
(4)突き当て補助部材は、回転軸の半径方向よりも回転パドルの回転方向上流側へ向けて傾斜するように回転軸に設けられていることを特徴とする(1)または(2)に記載のシート綴じ装置。
(5)突き当て補助部材は、回転軸方向における接着剤付与部による接着剤付与領域に対応する位置に設けられていることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載のシート綴じ装置。
(6)回転軸に設けられ、一時トレイ上に一時的に載置されたシートの先端を支持する支持部材をさらに備え、
突き当て補助部材は、回転パドルの回転方向における支持部材の上流側側面に設けられることを特徴とする(1)乃至(5)のいずれかに記載のシート綴じ装置。
(7)突き当て補助部材は、ポリエステルフィルムであることを特徴とする(1)乃至(6)のいずれかに記載のシート綴じ装置。
【0114】
(第3の実施の形態)
続いて、第3の実施の形態について説明する。
【0115】
第3の実施の形態は、上述した各実施の形態の変形例であり、第3の実施の形態では、シャッタ部材の「第2退避位置」と「遮蔽位置」との間での移動を実現するための機構が上述の各実施の形態の構成とは異なる。以下、本実施の形態において、上述の各実施の形態と同様な機能を有する部分には同一符号を付し、説明は省略する。
【0116】
図40は、第3の実施の形態によるシート綴じ装置における接着剤付与部Uおよびシャッタ部材の駆動原理を示す概略構成図である。
図41は、
図40に示す傘歯車付近の構成をx軸方向に見た概念図である。
【0117】
本実施の形態によるシート綴じ装置では、接着剤付与部Uの「第1退避位置」と「接着剤付与位置」との間での移動にはカム機構を採用し、シャッタ部材の「第2退避位置」と「遮蔽位置」との間での移動には間欠歯車機構を採用している。
【0118】
第3の実施の形態によるシート綴じ装置は、シャッタ部材101vwの「第2退避位置」と「遮蔽位置」との間での移動を実現するために、例えば、ワンウェイクラッチ101J2’、間欠傘歯車101q1、全周傘歯車101q2、スライド軸101J3’圧縮バネS3、等を備えている。ここでの間欠傘歯車101q1および全周傘歯車101q2がギアトレインに相当する。
【0119】
ワンウェイクラッチ101J2’(第2の回転軸に相当)は、第1の回転軸101J1が挿通された筒状に形成されており、第1の回転軸101J1の所定の回転方向への回転駆動力のみを間欠傘歯車101q1に伝達する。
【0120】
全周傘歯車101q2は、間欠傘歯車101q1の所定の角度範囲に形成された歯と噛み合うときにのみ、間欠傘歯車101q1からの回転駆動力を伝達され、スライド軸101J3’を中心として回転する。
【0121】
スライド軸101J3’は、全周傘歯車101q2に対して、回転軸方向の相対移動は許容し、回転方向での相対的な回転は禁止するスライド軸となっている。スライド軸101J3’は、圧縮バネS3によって間欠傘歯車101q1へ向けて付勢されている。また、スライド軸101J3’の上部には保持アーム101vが固定されており、保持アーム101vは引っ張りバネにより「遮蔽位置」から「第2退避位置」へ向かう方向に付勢されている。
【0122】
以下、本実施の形態によるシート綴じ装置の動作について説明する。
【0123】
まず、総枚数がn枚のシート束を綴じる場合の1枚目〜n−1枚目のシートに対する糊付け動作について説明する。
【0124】
CPU701は、モータMによって第1の回転軸101J1を
図42および
図43に示す回転方向d1に回転させることにより、第1のカム101caを回転方向d1に回転させる。保持部101aは、回転方向d1に回転する第1のカム101caの第1のカム面101cafの作用により、最大高さに保持されている状態(「第1の退避位置」)から、「接着剤付与位置」まで移動する。
【0125】
次に、総枚数がn枚のシート束を綴じる場合のn枚目(最終頁)のシートに対する糊付け動作(押圧時)について説明する。
【0126】
図44および
図45に示すように、CPU701は、モータMによって第1の回転軸101J1を、
図44および
図45に示す回転方向d2に回転させることにより、ワンウェイクラッチ101J2’を介して第1の回転軸J1からの回転駆動力を間欠傘歯車101q1へと伝達する。第1のカム101caが、保持部101aを「第1退避位置」に位置させる角度位置にあるとき、間欠傘歯車101q1に部分的に形成されている歯と全周傘歯車101q2とは噛み合った状態にある。
【0127】
従って、間欠傘歯車101q1に伝達された回転駆動力は、全周傘歯車101q2へと伝達され、全周傘歯車101q2はスライド軸101J3’を回転中心として
図44に示す回転方向d3に回転する。スライド軸101J3’には、保持アーム101vが固定されており、保持アーム101vは全周傘歯車101q2と一体的に回転する。この一連の動作により、保持アーム101vによって支持されているシャッタ部材101vwは、引っ張りバネの引張力に抗して「第2退避位置」から「遮蔽位置」へと移動する。
【0128】
第1のカム101caにより「接着剤付与位置」へ向けて降下する保持部101aの接着剤付与部Uは、「遮蔽位置」にあるシャッタ部材101vwに当接し、その後シャッタ部材101vwとともに「接着剤付与位置」へ向けて降下し、処理トレイ102上に積載されているシート束の最上位のシート上面を押下する。
【0129】
最上位のシート上面の押下を完了し、第1のカム101caとともに間欠傘歯車101q1がさらに回転すると、間欠傘歯車101q1の全周傘歯車101q2との噛み合い位置が歯が形成されていない角度範囲に到達し(
図45を参照)、間欠傘歯車101q1と全周傘歯車101q2との係合状態が解除される。間欠傘歯車101q1によって引っ張りバネの引張力に抗して「遮蔽位置」へ移動していたシャッタ部材101vwは、間欠傘歯車101q1との係合が解除されたことにより、引っ張りバネの引張力によって「第2退避位置」まで復帰する(
図46および
図47を参照)。
【0130】
なお、上述の各実施の形態において、シートへの糊付けを行なう接着剤付与部Uとしては、必ずしも液状の糊を塗布するものに限られるものではなく、例えば以下のようないくつかの他の態様が挙げられる。
(1)両面に糊が付された両面テープの貼り付け
(2)ペースト状の糊の塗布
(3)液状の糊の噴射
(4)スティック状の糊の塗布
【0131】
なお、接着剤付与部として液状の糊を噴射する構成を採用する場合、圧電素子やサーマル素子の駆動により感圧接着剤を吐出するインクジェット方式のプリンタヘッドを塗布部として用いることができる。
【0132】
また、上述の各実施の形態では、接着剤付与部によってシート上に感圧式の接着剤を付与する構成を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、本実施形態に適用する接着剤は、高熱あるいは低熱を受けることにより粘着力が低減あるいはほぼ消滅するリユースに適したものであってもよい。また、接着部が用いる接着剤は、光を受けることにより粘着力が低減あるいはほぼ消滅するものであってもよい。
【0133】
上述の第1および第2の実施の形態では、保持アーム101vに一体的に備わる被ガイド軸X2を第2のカム面101cbfによって動かす構成を例示したが、これに限られるものではなく、例えば保持アーム101v自体から突出する樹脂等から形成される突起部を第2のカム面101cbfによって動かすようにしてもよい。
【0134】
また、上述の各実施の形態では、接着剤としての糊を「付与」すると表現している場合でも、単にシート上に接着剤を「塗る」場合だけでなく、スプレーのように吹き付ける場合はもちろんのこと、例えばテープ式の接着剤を貼り付ける場合や、スタンプ式の接着剤付与を行なうような場合も含む意味であるものとする。すなわち、その処理の結果としてシート表面に接着剤がつけばよい。
【0135】
また、上述の各実施の形態における「シート」とは、必ずしも紙に限らず、例えば、OHP用のフィルムシートなど、糊によって綴じることが可能なシート状の媒体であれば、採用可能である。
【0136】
また、上述の各実施の形態では、一例として綴じ処理部Tが、後処理装置1内の
図1に示す位置に配置されている構成を例示したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば孔あけ部109や折り処理部B等の装置内の他の箇所に設けることもできる。
【0137】
更に、シート綴じ装置およびこれを備える後処理装置を構成するコンピュータにおいて上述した各動作を実行させるプログラムを、シート綴じプログラムとして提供することができる。本実施の形態では、発明を実施する機能を実現するための当該プログラムが、装置内部に設けられた記憶領域に予め記録されている場合を例示したが、これに限らず同様のプログラムをネットワークから装置にダウンロードしても良いし、同様のプログラムをコンピュータ読取可能な記録媒体に記憶させたものを装置にインストールしてもよい。記録媒体としては、プログラムを記憶でき、かつコンピュータが読み取り可能な記録媒体であれば、その形態は何れの形態であっても良い。具体的に、記録媒体としては、例えば、ROMやRAM等のコンピュータに内部実装される内部記憶装置、CD−ROMやフレキシブルディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカード等の可搬型記憶媒体、コンピュータプログラムを保持するデータベース、或いは、他のコンピュータ並びにそのデータベースや、回線上の伝送媒体などが挙げられる。またこのように予めインストールやダウンロードにより得る機能は装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と共働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0138】
なお、プログラムは、その一部または全部が、動的に生成される実行モジュールであってもよい。
【0139】
また、上述の各実施の形態にてプログラムをCPUやMPUに実行させることにより実現される各種処理は、その少なくとも一部を、ASIC701にて回路的に実行させることも可能であることは言うまでもない。
【0140】
このように、上述した各実施の形態は、互いに任意の実施の形態同士を、技術的矛盾が生じない範囲において自由に組み合わせることができる。
【0141】
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、すべて本発明の範囲内のものである。