(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
水平な幅方向に溝空間を介して隣接する2つの躯体の一方の躯体に設けられ、該一方の躯体から他方の躯体側へ突出して前記溝空間を覆う溝被覆体の下方に配置され、前記他方の躯体に設置される溝カバー装置であって、
付勢手段を備え、前記幅方向に伸縮可能に構成され、前記幅方向の一端部が前記他方の躯体に連結されて、常時は前記付勢手段の付勢力によって伸張状態で保持される伸縮構造体であって、その上部に、前記伸張状態からの収縮に伴って前記幅方向の寸法が減少し、その収縮した状態から前記伸張状態への伸張に伴って前記幅方向の寸法が増加する水平な支持面を有し、前記幅方向の他端部における下部に、前記幅方向において前記支持面よりも前記一方の躯体側に突出して設けられ、前記伸張状態において前記一方の躯体から離間して配置される突出部を有する伸縮構造体と、
複数の長尺の板状部材を備え、前記複数の板状部材が、その長手方向が前記幅方向および鉛直方向に垂直な溝延在方向に一致する姿勢で、前記幅方向に沿って並設され、かつ、前記幅方向に隣接する各一対の板状部材が、前記溝延在方向に延びる軸線まわりに互いに回動可能に連結されて成るカバー体であって、前記幅方向において最も前記他方の躯体側に配置される前記板状部材が該他方の躯体側に連結され、前記支持面によって下方から水平状に支持されるカバー体とを含むことを特徴とする溝カバー装置。
前記伸縮構造体は、前記他方の躯体側の各端部が、前記溝延在方向に互いに近接して配置され、かつ鉛直方向に延びる軸線まわりに回動可能に該他方の躯体側にそれぞれ連結された一対の第1の板状体と、前記他方の躯体側の各端部が、鉛直方向に延びる軸線まわりに回動可能に、前記一対の第1の板状体の前記一方の躯体側の各端部にそれぞれ連結された一対の第2の板状体と、前記一対の第2の板状体の前記一方の躯体側の各端部が、前記溝延在方向に互いに近接して配置された状態で、鉛直方向に延びる軸線まわりに回動可能にそれぞれ連結される連結片とによって構成されるパンタグラフ構造部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の溝カバー装置。
前記一対の第1の板状体における対向する内表面の成す角度が、予め定める第1の角度未満となることを阻止する伸張規制手段をさらに含むことを特徴とする請求項4または5に記載の溝カバー装置。
前記伸張規制手段は、一方の第1の板状体に設けられ、前記一対の第1の板状体における対向する内表面の成す角度が前記予め定める第1の角度となったときに、他方の第1の板状体の内表面に当接する第1規制部と、前記他方の第1の板状体に連結された一方の第2の板状体に設けられ、前記一対の第1の板状体における対向する内表面の成す角度が前記予め定める第1の角度となったときに、他方の第2の板状体の内表面に当接する第2規制部とを有することを特徴とする請求項6に記載の溝カバー装置。
前記伸張規制手段は、前記他方の躯体に設けられ、前記一対の第1の板状体における対向する内表面の成す角度が前記予め定める第1の角度となったときに、該一対の第1の板状体において該他方の躯体に臨む側の各側面に当接する第3規制部、および前記連結片に設けられ、前記一対の第1の板状体における対向する内表面の成す角度が前記予め定める第1の角度となったときに、前記一対の第2の板状体において該連結片に臨む側の各側面に当接する第4規制部を有することを特徴とする請求項6に記載の溝カバー装置。
前記一対の第1の板状体における対向する内表面の成す角度が、予め定める第2の角度よりも大きくなることを阻止する収縮規制手段をさらに含むことを特徴とする請求項4〜8のいずれか1つに記載の溝カバー装置。
前記収縮規制手段は、前記他方の躯体に設けられ、前記一対の第1の板状体における対向する内表面の成す角度が前記予め定める第2の角度となったときに、一方の第1の板状体の前記内表面とは反対側の外表面に当接する第5規制部、および前記他方の躯体に設けられ、前記一対の第1の板状体における対向する内表面の成す角度が前記予め定める第2の角度となったときに、他方の第1の板状体の前記内表面とは反対側の外表面に当接する第6規制部を有することを特徴とする請求項9に記載の溝カバー装置。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る溝カバー装置10の構成を示す側面図であり、地震などが発生していない通常の設置状態を示している。本実施形態に係る溝カバー装置10は、2つの躯体12,13が溝空間11を介して隣接している場所において、その溝空間11内に設置されて用いられる装置であり、詳細には、一方の躯体12に、溝空間11を上方Z1から被覆するように、他方の躯体13側へ突出して設けられている溝被覆体14の下方Z2であって、溝被覆体14が設置される一方の躯体12とは反対側である他方の躯体13側に設置されて用いられる装置である。
【0022】
溝被覆体14が設置される一方の躯体12としては、たとえば図示しない免震装置によって支持された建物などが想定される。免震装置は、ダンパー装置と、建物の下端面とその建物が設置される設置面との間に介在される複数のアイソレータとを有する装置であり、各アイソレータが、地震力を吸収して、建物とその建物が設置される地盤および基礎構造体との間を力学的に絶縁し、建物へ伝わる地震力を減衰させ、ダンパー装置によって建物の変位を吸収することができるように構成される。
【0023】
このため、建物とその周囲の地表部との間、さらに詳しくは、建物の外壁と地表部側に形成された基礎構造体の周壁部との間には、地震によって、建物が水平な方向へ相対的に変位したときに、建物と基礎構造体の周壁部とが干渉してしまうことを防止するために、建物の周方向全周にわたって、所定の幅を有する溝空間11が形成される。なお、この場合、基礎構造体の周壁部が、他方の躯体13に相当する。
【0024】
溝被覆体14は、溝空間11内へ歩行者および車両が脱落してしまうことを防止すべく、建物側すなわち一方の躯体12側に設けられる構造体であり、
図1に示す例では、板状に形成される組立パネル体15と、一方の躯体12に設置され、組立パネル体15の一方の躯体12側の端部15aを溝延在方向Yに延びる軸線まわりに回動可能に支持する第1縁材16と、他方の躯体13に設置され、組立パネル体15の他方の躯体13側の端部15bが移動自在に載置される第2縁材17とを含み、組立パネル体15が、第1縁材16と第2縁材17とにわたって水平状に架設されることによって構成されている。
【0025】
本実施形態に係る溝カバー装置10は、地震によって、組立パネル体15における他方の躯体13側の端部15bと第2縁材17との間に間隙d(
図9参照)が生じてしまった場合に、その間隙dから歩行者等が溝空間11内へ脱落してしまうことを防止すべく、溝空間11における他方の躯体13側の空間を上方Z1から被覆するように構成される。
【0026】
以下、本実施形態に係る溝カバー装置10の構成について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態の説明においては、水平な方向のうち、2つの躯体12,13が離間する方向を「溝幅方向X」とし、溝幅方向Xに垂直な、水平な方向を「溝延在方向Y」とし、溝幅方向Xおよび溝延在方向Yそれぞれに直交する方向を「鉛直方向Z」とし、また、鉛直方向Zの一方を「上方Z1」、他方を「下方Z2」としている。
【0027】
溝カバー装置10は、
図1に示すように、溝幅方向Xに伸縮可能に構成される伸縮構造体21と、伸縮構造体21によって下方Z2から支持されるカバー体22とによって構成される。
【0028】
図2は、
図1に示す溝カバー装置10を上側から見た平面図であり、
図3は、
図1における切断面線III−IIIから見た断面図である。また、
図4は、
図1に示す溝カバー装置10における伸縮構造体21の構成を示す斜視図である。なお、
図2では、カバー体22を仮想線で示している。
【0029】
伸縮構造体21は、本実施形態では、溝幅方向Xに伸縮可能に構成され、かつ溝幅方向Xにおける一端部が躯体13に連結されるパンタグラフ構造部31と、パンタグラフ構造部31を後述する予め定める伸張状態よりも伸張させるように、パンタグラフ構造部31に対して付勢力を付与可能な付勢手段32と、パンタグラフ構造部31における前記一端部とは反対側の他端部における下部に、躯体12から離間して設けられる突出部33と、パンタグラフ構造部31が、前記予め定める伸張状態よりも伸張することを阻止する伸張規制手段34とを含んで構成される。
【0030】
パンタグラフ構造部31は、互いに同一形状に形成された4枚の板状体41a〜41dと、連結片42と、複数のヒンジ43とを含んで構成される。各板状体41a〜41dは、大略的に直方体状に形成される金属製の部材であり、本実施形態では、たとえばSUSから成る複数の板状片を互いに接合することにより、
図3に示すように中空に形成されている。
【0031】
4枚の板状体41a〜41dは、その厚み方向が水平な方向に一致し、その上端面51が水平となる姿勢で、上側から見たときに、
図2に示すように、それらの上端面51が大略的に菱形を成し、かつ、各上端面51が面一となるように、さらに、前記菱形の一方の対角線が溝幅方向Xに平行に延びるように配置される。
【0032】
なお、このとき、4枚の板状体41a〜41dは、
図2に示すように、互いに隣接する端部52,53;52,52;53,53同士が、後述する回動動作によって互いに干渉することのないように、溝幅方向Xあるいは溝延在方向Yに適度に離間して配置されている。
【0033】
そして、このように配置された4枚の板状体41a〜41dのうちの躯体13側に配置される一対の板状体41a,41bにおける躯体13側の各端部52が、ヒンジ43によって、鉛直方向Zに延びる軸線J1まわりに回動自在に、躯体13にそれぞれ連結される。
【0034】
具体的には、ヒンジ43を構成する一方のヒンジ片43aが、躯体13側に締結または溶接によってそれぞれ固定され、他方のヒンジ片43bが、板状体41a,41bの各外表面54に締結または溶接によってそれぞれ固定され、これら2つのヒンジ片43a,43bがヒンジ軸43cを介してそれぞれ連結されることで、板状体41a,41bの各端部52は、軸線J1まわりに回動自在に、躯体13にそれぞれ連結される。
【0035】
ここで、各板状体41a〜41dにおいて、その厚み方向における各主面のうち、パンタグラフ構造部31の外側に配置される主面を外表面54とし、他方の主面を内表面55とする。
【0036】
また、一対の板状体41a,41bにおける躯体12側の各端部53には、躯体12側に配置される一対の板状体41c,41dにおける躯体13側の各端部52が、ヒンジ43によって、鉛直方向Zに延びる軸線J1まわりに回動自在にそれぞれ連結される。
【0037】
具体的には、ヒンジ43を構成する一方のヒンジ片43aが、板状体41a,41bの各内表面55に締結または溶接によってそれぞれ固定され、他方のヒンジ片43bが、板状体41c,41dの各内表面55に締結または溶接によってそれぞれ固定され、これら2つのヒンジ片43a,43bがヒンジ軸43cを介してそれぞれ連結されることで、板状体41c,41dの各端部52は、軸線J1まわりに回動自在に、板状体41a,41bの各端部53にそれぞれ連結される。
【0038】
さらに、一対の板状体41c,41dにおける躯体12側の各端部53は、ヒンジ43によって、鉛直方向Zに延びる軸線J1まわりに回動自在に、連結片42にそれぞれ連結される。
【0039】
図5は、パンタグラフ構造部31における連結片42の構成を示す斜視図である。本実施形態では、連結片42は、SUSなどの金属製の板状体を屈曲して構成され、詳細には、矩形平板状の取付部61と、取付部61の一側縁部に屈曲して連なる矩形平板状の連接部62と、連接部62における取付部61側とは反対側の一側縁部に屈曲して連なり、取付部61に対して90度の角度を成すように延設される平板状の乗載部63とを有している。
【0040】
図6は、パンタグラフ構造部31の一部を分解して示す分解斜視図であり、連結片42を取外した状態を示している。
図6に示すように、ヒンジ43を構成する一方のヒンジ片43aが、板状体41c,41dの各外表面54に締結または溶接によってそれぞれ固定され、他方のヒンジ片43bが、連結片42における取付部61の躯体13側の主面61aに締結または溶接によってそれぞれ固定され、これら2つのヒンジ片43a,43bがヒンジ軸43cを介してそれぞれ連結されることで、板状体41c,41dの各端部53が、軸線J1まわりに回動自在に、連結片42の取付部61にそれぞれ連結される。
【0041】
このとき、連結片42は、取付部61の厚み方向が溝幅方向Xに一致し、乗載部63が取付部61に対して上方Z1側かつ躯体13側に配置されるような姿勢で、また、
図1に示すように、乗載部63の下面63bが、板状体41c,41dの各上端面51に面接触するように連結される。
【0042】
なお、本実施形態では、
図1に示すように、板状体41a〜41dの各端部52,53を連結する際に、鉛直方向Zにおける2箇所で、ヒンジ43によりそれぞれ連結している
が、連結箇所の数は、2箇所に限らず、1箇所であってもよく、あるいは3箇所以上であってもよい。また、本実施形態では、ヒンジ43は、
図4に示すように、旗蝶番によって実現されているが、これに限らず、平蝶番など他の種類の蝶番によって実現されてもよい。
【0043】
パンタグラフ構造部31は、このように構成されることにより、溝幅方向Xに伸縮可能な構造となっている。すなわち、連結片42が、躯体13に対して、溝幅方向Xに近接・離反可能な構造となっている。
【0044】
そして、この連結片42には、
図5に示すように、その取付部61における躯体12側の主面61bの下部に、突出部33が設けられている。本実施形態では、突出部33は、直円筒状の筒状体33aによって実現され、筒状体33aは、その中心軸線J2が鉛直方向Zに沿って延びるような姿勢で、主面61bにたとえば溶接によって固定される。
【0045】
詳細には、筒状体33aは、
図2に示すように、その中心軸線J2が、4枚の板状体41a〜41dの各上端面51により形成される前記菱形の一方の対角線を含む仮想平面V上に位置するように配置されて固定される。すなわち、筒状体33aは、パンタグラフ構造部31の伸縮に伴って、仮想平面V上を溝幅方向Xに沿って移動するように設けられている。なお、突出部33としては、直円筒状の筒状体33aに限らず、直円柱状の棒状体によって実現されてもよい。
【0046】
また、
図1および
図2に示すように、パンタグラフ構造部31における、板状体41aと板状体41cとの連結部を成している2つのヒンジ43のうちの上方Z1側に配置されるヒンジ43と、板状体41bと板状体41dとの連結部を成している2つのヒンジ43のうちの上方Z1側に配置されるヒンジ43とにわたって、付勢手段32として機能する引張コイルばね(以下、「引張コイルばね32」と記す)が、それらのヒンジ43に対して、互いに近接させる方向へ付勢力を付与するように取付けられている。
【0047】
このように、本実施形態では、引張コイルばね32が、溝延在方向Yに沿って伸縮するように架設されており、したがって、パンタグラフ構造部31の伸縮方向と、引張コイルばね32の伸縮方向とは直交している。そして、パンタグラフ構造部31は、この引張コイルばね32の付勢力と伸張規制手段34の作用とによって、通常の設置状態では常時予め定める伸長状態に保持される。
【0048】
伸張規制手段34は、本実施形態では、板状体41aにおける端部52側の内表面55に締結または溶接によって固定される第1規制部34aと、板状体41aと平行に設けられる板状体41dにおける端部53側の内表面55に締結または溶接によって固定される第2規制部34bとによって構成される。
【0049】
図7は、第1規制部34aの構成を示す斜視図である。第1規制部34aは、長尺の矩形平板状の金属片を、長手方向に垂直な断面が略V字状を成すように、その幅方向の中心で屈曲して形成された棒状体71と、棒状体71におけるV字状の溝を長手方向の外方から閉塞するように、棒状体71の各端部71a,71bにおいて、棒状体71の内面に溶接などにより接合された閉塞片72とによって構成されている。なお、第2規制部34bは、第1規制部34aと同一に構成されるのでその説明を省略する。
【0050】
第1規制部34aは、
図2に示すように、その長手方向が鉛直方向Zに一致し、そのV字状の溝が板状体41aにおける端部53側に臨む姿勢とされて、その屈曲部が板状体41aにおける端部52側の側面52aから外方へ突出するように配置された状態で、棒状体71における一方の板状部71cが、板状体41aにおける端部52側の内表面55に固定される。
【0051】
また、第2規制部34bは、
図2および
図3に示すように、その長手方向が鉛直方向Zに一致し、そのV字状の溝が板状体41dにおける端部52側に臨む姿勢とされて、その屈曲部が板状体41dにおける端部53側の側面53aから外方へ突出するように配置された状態で、棒状体71における一方の板状部71cが、板状体41dにおける端部53側の内表面55に固定される。
【0052】
ここで、第1および第2規制部34a,34bにおける棒状体71の屈曲角度をα
0[°](ただし、α
0<180)とすると、第1規制部34aは、より詳細には、
図1に示すように、躯体13側に配置される一対の板状体41a,41bの各内表面55の成す角度α[°]が、予め定める第1の角度である屈曲角度α
0となったときに、その棒状体71における他方の板状部71dが、板状体41bの内表面55に面接触するように、板状体41aにおける端部52側の内表面55に固定される。
【0053】
同様に、第2規制部34bは、より詳細には、
図1に示すように、躯体12側に配置される一対の板状体41c,41dの各内表面55の成す角度αが屈曲角度α
0となったときに、その棒状体71における他方の板状部71dが、板状体41cの内表面55に面接触するように、板状体41dにおける端部53側の内表面55に固定される。
【0054】
したがって、パンタグラフ構造部31は、この第1および第2規制部34a,34bが楔として機能することによって、一対の板状体41a,41bの各内表面55の成す角度αが屈曲角度α
0未満となることが阻止される。換言すれば、一対の板状体41a,41bの各内表面55の成す角度αが屈曲角度α
0に一致した状態が、パンタグラフ構造部31が溝幅方向Xに最も伸張した状態となる。
【0055】
そして、引張コイルばね32としては、躯体13側に配置される一対の板状体41a,41bの各内表面55の成す角度αが屈曲角度α
0に一致した状態において、板状体41aと板状体41cとの連結部であるヒンジ43と、板状体41bと板状体41dとの連結部であるヒンジ43とを、互いに近接させる方向に付勢力を付与可能なものが選択される。
【0056】
これにより、パンタグラフ構造部31は、引張コイルばね32の付勢力と伸張規制手段34の作用とによって、通常の設置状態では、一対の板状体41a,41bの各内表面55の成す角度αが屈曲角度α
0に一致する状態に保持される。すなわち、一対の板状体41a,41bの各内表面55の成す角度αが屈曲角度α
0に一致しているときの状態が、前記予め定める伸張状態に相当する。
【0057】
したがって、この予め定める伸張状態は、第1および第2規制部34a,34bにおける棒状体71の屈曲角度α
0を変更することにより適宜調節可能であり、それに応じて、引張コイルばね32も適切に選択される。本実施形態では、第1および第2規制部34a,34bにおける棒状体71の屈曲角度α
0を60度としている。
【0058】
なお、本実施形態では、伸張規制手段34として、第1および第2規制部34a,34bを用いているが、これに限らず、第1および第2規制部34a,34bのうちの一方のみが用いられる構成であってもよい。
【0059】
また、本実施形態では、板状体41aと板状体41cとの連結部であるヒンジ43と、板状体41bと板状体41dとの連結部であるヒンジ43とにわたって引張コイルばね32が架設される構成であるので、第1および第2規制部34a,34bを設ける際には、パンタグラフ構造部31が最も収縮したときに、引張コイルばね32と第1および第2規制部34a,34bとが互いに干渉しないように、第1および第2規制部34a,34bを、引張コイルばね32に対して鉛直方向Zにずらした位置に設けるのが好ましい。本実施形態では、
図3に示すように、第1および第2規制部34a,34bを、引張コイルばね32に対して下方Z2にずらした位置に設けるように構成している。
【0060】
なお、伸張規制手段34としては、一対の板状体41a,41bの各内表面55の成す角度αが予め定める第1の角度α
0未満となることを阻止するように機能するものであればよく、
図7に示すような構成に限られない。
【0061】
また、付勢手段32としては、パンタグラフ構造部31を予め定める伸張状態に保持させることができるような付勢力を発生させるものであればよく、たとえば、そのような付勢力を発生する機構が内蔵された、いわゆるオートヒンジを、ヒンジ43に代えて用いるようにしてもよい。
【0062】
図1に戻って、伸縮構造体21は、その上部に、板状体41a〜41dの各上端面51と、連結片42における乗載部63の上面63aとによって構成される略水平な支持面を有している。すなわち、突出部33は、支持面よりも躯体12側に突出して設けられている。
【0063】
伸縮構造体21は、上記のように構成されているので、パンタグラフ構造部31が予め定める伸張状態から収縮すると、それに伴って、支持面の溝幅方向Xの寸法Lも減少し、逆に、パンタグラフ構造部31が収縮した状態から伸張すると、それに伴って寸法Lも増加する。
【0064】
なお、本実施形態では、支持面の一部に、詳細には、板状体41a,41bの上端面51の全体と、板状体41c,41dの上端面51の一部とに、該支持面に乗載されるカバー体22との摩擦力を低減し、カバー体22の滑りを良くするために、滑り材35が敷設されている。滑り材35としては、低摩擦特性のシート体が用いられ、たとえばフッ素樹脂製のテフロン(登録商標)シートが好適に用いられる。なお、
図2および
図4などにおいて、滑り材35を、ハッチングを付して示している。
【0065】
図8は、
図1に示す溝カバー装置10におけるカバー体22の一部を拡大して示す断面図である。カバー体22は、
図2に示すように、複数本(本実施形態では7本)の長尺の板状部材91を備え、その複数の板状部材91を、その長手方向が溝延在方向Yに一致する姿勢で、溝幅方向Xに沿って並設し、溝幅方向Xに隣接する各一対の板状部材91を、溝延在方向Yに延びる軸線J3まわりに互いに回動可能に連結することによって構成され、
図8に示すように、溝幅方向Xにおいて最も躯体13側に配置される板状部材91が、躯体13側に回動可能に連結された状態で、
図1に示すように、伸縮構造体21における前記支持面によって、下方Z2から水平状に支持される。板状部材91は、たとえば金属材料から成り、本実施形態では、アルミ型材によって実現される。
【0066】
本実施形態では、
図1および
図2に示すように、カバー体22は、その躯体12側の端部が、板状体41c,41dの上端面51上に配置されるように板状部材91の本数が選択されている。また、カバー体22の厚み寸法は、突出部33の直径よりも短尺となるように選択されている。
【0067】
上記のように構成される溝カバー装置10は、
図8に示すように、そのカバー体22における上面22aと、躯体13に設置される第2縁材17において、組立パネル体15が載置される載置面17aとが面一となるように、あるいは、上面22aが載置面17aよりも若干下方に配置されるように、躯体13に設置される。すなわち、
図1に示す溝カバー装置10の通常の設置状態においては、組立パネル体15は、その下面15cがカバー体22の上面22aに当接しているか、僅かに離間している。
【0068】
以下、本実施形態に係る溝カバー装置10の動作を、図面を参照して説明する。
図9は、
図1に示す状態から、躯体12,13が互いに離反する方向に相対変位したときの溝カバー装置10を示す側面図である。
【0069】
図9に示すように、躯体12,13が互いに離反する方向に相対変位すると、組立パネル体15の端部15bは、第2縁材17に対して、躯体12側へ相対的に移動し、これに伴って、組立パネル体15の端部15bと第2縁材17との間には、間隙dが形成されることとなる。
【0070】
このとき、溝カバー装置10は、伸縮構造体21に対して、溝幅方向Xに収縮させるような外力が与えられないことから、
図1に示す通常の設置状態と同じ状態が維持されることとなる。これにより、溝カバー装置10は、第2縁材17から離脱した組立パネル体15の端部15bを、カバー体22によって下方Z2から支持するとともに、組立パネル体15の端部15bと第2縁材17との間に形成された間隙dを、カバー体22によって閉塞し、溝空間11が外部に露出することを防止することができる。
【0071】
図10は、
図1に示す状態から、躯体12,13が互いに近接する方向に相対変位したときの溝カバー装置10を示す側面図であり、伸縮構造体21が最も収縮したときの状態を示している。また、
図11は、
図10に示す溝カバー装置10を上側から見た平面図である。
【0072】
図10に示すように、躯体12,13が互いに近接する方向に相対変位すると、支持面よりも躯体12側に突出して設けられている突出部33が、躯体12の外壁と先ず当接し、さらに相対変位すると、突出部33を介して付与される外力により、引張コイルばね32による付勢力に抗して、伸縮構造体21が収縮されていく。これに伴って、前記のように、カバー体22が載置される支持面の、溝幅方向Xの寸法Lも徐々に減少していき、やがて、躯体13から支持面における躯体12側の端部までの距離が、躯体13からカバー体22における躯体12側の端部までの距離よりも短くなる。このとき、カバー体22は、前記のように、隣接する一対の板状部材91が軸線J3まわりに回動自在に連結されていることから、
図10に示すように、伸縮構造体21の収縮に伴って、躯体12側に配置される板状部材91から順次、重力によって、連結片42における取付部61と躯体12の外壁との隙間に垂れ下がっていくこととなる。
【0073】
このように、本実施形態に係る溝カバー装置10によれば、2つの躯体12,13が溝空間11を介して隣接し、一方の躯体12から他方の躯体13側へ突出して設けられた溝被覆体14によって溝空間11が上方Z1から覆われている場合に、
図9に示すように、地震等によって溝空間11の幅が広がることで、溝被覆体14と他方の躯体13との間に間隙dが形成されたとしても、カバー体22によってその間隙dが閉塞され、溝空間11が外部に露出してしまうことを確実に防止することができる。また、カバー体22自体は、上記のように、伸縮構造体21によって下方Z2から支持されているので、カバー体22上に歩行者等が侵入したとしても、溝空間11内へ歩行者等が脱落してしまうことを防止することができる。
【0074】
また、溝カバー装置10は、伸縮構造体21が溝幅方向Xに伸縮可能に構成され、カバー体22が、複数の板状部材91を用い、隣接する一対の板状部材91を軸線J3まわりに回動自在に連結することで構成されているので、躯体12,13間の距離が縮まったとしても、伸縮構造体21が収縮し、カバー体22が伸縮構造体21と躯体12との間に垂れ下がるように変形するので、破損するおそれがない。
【0075】
また、伸縮構造体21が、付勢手段32による付勢力によって予め定める伸張状態に保持されるように構成されているので、地震によって伸縮構造体21が収縮したとしても、地震が収まった後には、再び予め定める伸張状態へ復帰させることができる。
【0076】
また、本実施形態によれば、突出部33が円柱状或いは円筒状に形成されているので、躯体12の外壁が溝幅方向Xに対して傾斜しているような場合であっても、躯体12,13が互いに近接する方向に相対変位したときに、伸縮構造体21を溝幅方向Xに確実に収縮させることができる。
【0077】
また、本実施形態によれば、第1規制部34aが板状体41aに設けられ、第2規制部34bが板状体41aと平行に設けられる板状体41dに設けられているので、
図11に示すように、伸縮構造体21が収縮したときに、第1規制部34aと第2規制部34bとが互いに干渉してしまうことを防止することができる。
【0078】
図12は、本発明の第2の実施形態に係る溝カバー装置10Aを上側から見た平面図であり、地震などが発生していない通常の設置状態を示している。
図13は、地震などの発生によって、躯体12,13が互いに近接する方向に相対変位したときの溝カバー装置10Aを上側から見た平面図であり、伸縮構造体21が最も収縮したときの状態を示している。
【0079】
なお、本実施形態に係る溝カバー装置10Aは、第1の実施形態に係る溝カバー装置10と部分的に同一に構成されている。そこで、以下では、溝カバー装置10Aにおいて、溝カバー装置10と相違している構成について説明し、同一の構成については、同一の参照符を付して、重複する説明を省略することとする。
【0080】
1つ目の相違点として、第1の実施形態に係る溝カバー装置10では、突出部33が、1本の筒状体33aによって実現されていたが、本実施形態に係る溝カバー装置10Aでは、突出部33が、互いに同一に構成される2本の直円筒状の筒状体33aによって実現されている。
【0081】
2本の筒状体33aは、
図12に示すように、各中心軸線J2が鉛直方向Zに沿って延びるような姿勢で、溝延在方向Yに互いに離間して配置されて、より詳細には、仮想平面Vに関して対称となるように配置されて、連結片42の取付部61における主面61bに、たとえば溶接によってそれぞれ固定される。
【0082】
なお、本実施形態では、突出部33として、2本の直円筒状の筒状体33aを用いているが、これに代えて、2本の直円柱状の棒状体を用いてもよい。
【0083】
本実施形態によれば、突出部33が、2本の筒状体33aによって上記のように構成されているので、地震などの発生によって、躯体12,13が互いに近接する方向に相対変位したときに、
図13に示すように、躯体12を2本の筒状体33aによって受け止めることができる。
【0084】
これにより、溝カバー装置10Aと躯体12とが当接した状態においては、連結片42における取付部61を、躯体12の壁面に対して平行または略平行となる姿勢に保持することができる。したがって、躯体12の変位に伴って伸縮構造体21に付与される荷重を、確実に伸縮構造体21の伸縮方向に沿って作用させることができ、故に、伸縮構造体21の伸縮動作を安定させることができる。
【0085】
2つ目の相違点として、第1の実施形態に係る溝カバー装置10では、伸張規制手段34が、第1規制部34aと第2規制部34bとによって構成されていたが、本実施形態に係る溝カバー装置10Aでは、伸張規制手段34が、第3規制部34cと第4規制部34dとによって構成されている。
【0086】
第3および第4規制部34c,34dは、本実施形態では、互いに同一に構成されており、
図12に示すように、長尺の矩形平板状の金属片を、その長手方向に垂直な断面が略C字状を成すように屈曲して形成された棒状部材によって実現されている。
【0087】
具体的には、第3および第4規制部34c,34dは、長尺で矩形平板状の固定部81と、固定部81における長手方向に垂直な幅方向の各端部にそれぞれ直角に屈曲して連なる、長尺で矩形平板状の連接部82a,82bと、各連接部82a,82bにおける固定部81とは反対側の各端部に、互いに近接する方向に屈曲してそれぞれ連なる、長尺で矩形平板状の当接部83a,83bとから成っており、詳細には、固定部81に直交し、かつ固定部81における前記幅方向の中心を通過する仮想平面に関して、面対称に形成されている。
【0088】
そして、第3規制部34cは、固定部81が躯体13に対向し、固定部81における前記幅方向の中心を通過する仮想平面が仮想平面Vに一致するような姿勢で、躯体13と板状体41aとを連結している2つのヒンジ43と、躯体13と板状体41bとを連結している2つのヒンジ43との間に配置されて、固定部81が、締結または溶接によって躯体13に固定される。これにより、当接部83aは、板状体41aにおける躯体13側の側面52aに面接触可能に配置され、当接部83bは、板状体41bにおける躯体13側の側面52aに面接触可能に配置されることとなる。
【0089】
一方、第4規制部34dは、固定部81が連結片42の取付部61に対向し、固定部81における前記幅方向の中心を通過する仮想平面が仮想平面Vに一致するような姿勢で、連結片42と板状体41cとを連結している2つのヒンジ43と、連結片42と板状体41dとを連結している2つのヒンジ43との間に配置されて、固定部81が、締結または溶接によって連結片42の取付部61に固定される。これにより、当接部83aは、板状体41dにおける躯体12側の側面53aに面接触可能に配置され、当接部83bは、板状体41cにおける躯体12側の側面53aに面接触可能に配置されることとなる。
【0090】
本実施形態では、当接部83aは、連接部82aに対して、90+α
1/2の角度を成すように屈曲され、当接部83bは、連接部82bに対して、90+α
1/2の角度を成すように屈曲されている。これにより、当接部83aにおいて固定部81に対向する側とは反対側の表面の法線と、当接部83bにおいて固定部81に対向する側とは反対側の表面の法線との成す角度は、予め定める第1の角度α
1[°](ただし、180>α
1)となる。
【0091】
したがって、板状体41aの内表面55と板状体41bの内表面55との成す角度αが、予め定める第1の角度α
1に一致したときに、板状体41aにおける躯体13側の側面52aと、第3規制部34cにおける当接部83aとが面接触するとともに、板状体41bにおける躯体13側の側面52aと、第3規制部34cにおける当接部83bとが面接触し、さらに、板状体41dにおける躯体12側の側面53aと、第4規制部34dにおける当接部83aとが面接触するとともに、板状体41cにおける躯体12側の側面53aと、第4規制部34dにおける当接部83bとが面接触し、これによって、一対の板状体41a,41bの各内表面55の成す角度αが、予め定める第1の角度α
1未満となることが阻止される。
【0092】
したがって、パンタグラフ構造部31は、引張コイルばね32の付勢力と伸張規制手段34の作用とによって、通常の設置状態では、一対の板状体41a,41bの各内表面55の成す角度αが、予め定める第1の角度α
1に一致する状態に保持される。すなわち、一対の板状体41a,41bの各内表面55の成す角度αが、予め定める第1の角度α
1に一致しているときの状態が、前記予め定める伸張状態に相当する。
【0093】
なお、第3および第4規制部34c,34dとしては、本実施形態で用いられているような形状のものに限定されることはなく、板状体41aの内表面55と板状体41bの内表面55との成す角度αが、予め定める第1の角度α
1に一致したときに、板状体41a,41bの各側面52a,52b、または板状体41c,41dの各側面53c,53dと接触することによって、板状体41aの内表面55と板状体41bの内表面55との成す角度αが、予め定める第1の角度α
1未満となることを阻止し得るように構成されたものであればよい。
【0094】
3つ目の相違点として、本実施形態に係る溝カバー装置10Aは、板状体41aの内表面55と板状体41bの内表面55との成す角度αが、予め定める第2の角度α
2[°](ただし、180>α
2>α
1)よりも大きくなることを阻止する収縮規制手段36をさらに含んで構成されている。
【0095】
収縮規制手段36は、本実施形態では、第5規制部36aと第6規制部36bとによって構成されている。第5および第6規制部36a,36bは、本実施形態では、互いに同一に構成されており、
図12に示すように、長尺の矩形平板状の金属片を、その長手方向に垂直な断面が略U字状を成すように屈曲して形成された棒状部材によって実現されている。
【0096】
具体的には、第5および第6規制部36a,36bは、長尺で矩形平板状の固定部84と、固定部84における長手方向に垂直な幅方向の一端部に直角に屈曲して連なる、長尺で矩形平板状の連接部85と、連接部85における固定部84とは反対側の端部に、固定部84側に屈曲して連なる、長尺で矩形平板状の当接部86とから成っており、当接部86は、詳細には、連接部85から離反するにつれて、固定部84から離反するように延びている。
【0097】
そして、第5規制部36aは、固定部84が躯体13に対向し、連接部85が当接部86よりも仮想平面V側に位置し、その長手方向が鉛直方向Zに一致するような姿勢で、躯体13と板状体41aとを連結している2つのヒンジ43の間に配置されて、固定部81が、締結または溶接によって躯体13に固定される。これにより、当接部86は、板状体41aにおける外表面54に面接触可能に配置されることとなる。
【0098】
一方、第6規制部36bは、固定部84が躯体13に対向し、連接部85が当接部86よりも仮想平面V側に位置し、その長手方向が鉛直方向Zに一致するような姿勢で、躯体13と板状体41bとを連結している2つのヒンジ43の間に配置されて、固定部81が、締結または溶接によって躯体13に固定される。これにより、当接部86は、板状体41bにおける外表面54に面接触可能に配置されることとなる。なお、このとき、第5規制部36aと第6規制部36bとは、仮想平面Vに関して面対称に配設されている。
【0099】
本実施形態では、当接部86は、連接部85に対して、180−α
2/2の角度を成すように屈曲されている。これにより、第5規制部36aにおける、当接部86において固定部84に対向する側とは反対側の表面と、第6規制部36bにおける、当接部86において固定部84に対向する側とは反対側の表面との成す角度は、予め定める第2の角度α
2となる。
【0100】
したがって、板状体41aの内表面55と板状体41bの内表面55との成す角度αが、予め定める第2の角度α
2に一致したときに、板状体41aの外表面54と、第5規制部36aにおける当接部86とが面接触するとともに、板状体41bの外表面54と、第6規制部36bにおける当接部86とが面接触し、これによって、一対の板状体41a,41bの各内表面55の成す角度αが、予め定める第2の角度α
2よりも大きくなることが阻止される。すなわち、一対の板状体41a,41bの各内表面55の成す角度αが、予め定める第2の角度α
2に一致しているときの状態が、パンタグラフ構造部31が最も収縮した状態となる。
【0101】
つまり、本実施形態に係る溝カバー装置10Aでは、パンタグラフ構造部31は、板状体41aの内表面55と板状体41bの内表面55との成す角度αが、α
1以上α
2以下の角度範囲で伸縮可能となる。
【0102】
また、第5および第6規制部36a,36bとしては、本実施形態で用いられているような形状のものに限定されることはなく、板状体41aの内表面55と板状体41bの内表面55との成す角度αが、予め定める第2の角度α
2に一致したときに、板状体41aの外表面54、または板状体41bの外表面54と接触することによって、板状体41aの内表面55と板状体41bの内表面55との成す角度αが、予め定める第2の角度α
2よりも大きくなることを阻止し得るように構成されたものであればよい。