特許第6322519号(P6322519)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6322519モータコアの樹脂封止方法及びこれに用いる装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6322519
(24)【登録日】2018年4月13日
(45)【発行日】2018年5月9日
(54)【発明の名称】モータコアの樹脂封止方法及びこれに用いる装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 15/12 20060101AFI20180423BHJP
   H02K 1/27 20060101ALI20180423BHJP
   H02K 15/03 20060101ALI20180423BHJP
【FI】
   H02K15/12 E
   H02K15/12 A
   H02K1/27 501D
   H02K15/03 Z
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-166679(P2014-166679)
(22)【出願日】2014年8月19日
(65)【公開番号】特開2016-46818(P2016-46818A)
(43)【公開日】2016年4月4日
【審査請求日】2017年6月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000144038
【氏名又は名称】株式会社三井ハイテック
(74)【代理人】
【識別番号】100090697
【弁理士】
【氏名又は名称】中前 富士男
(74)【代理人】
【識別番号】100176142
【弁理士】
【氏名又は名称】清井 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100127155
【弁理士】
【氏名又は名称】来田 義弘
(72)【発明者】
【氏名】間普 浩敏
【審査官】 土田 嘉一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−236713(JP,A)
【文献】 特開2008−199890(JP,A)
【文献】 特開2007−124791(JP,A)
【文献】 特開2010−017075(JP,A)
【文献】 特開昭52−090562(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 15/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の鉄心片を積層して構成されたロータコア及びステータコアを備えるモータコアの樹脂封止方法において、
前記ロータコア及び前記ステータコアを、1組の上型と下型を用いて積層方向から異なる圧力で押圧した後、該上型及び該下型のいずれか一方又は双方に設けられた樹脂溜めポット内の樹脂をプランジャーを用いて押し出し、前記ロータコアの積層方向に形成された磁石挿入孔と前記ステータコアの積層方向に形成された結合孔へ、充填して硬化させることを特徴とするモータコアの樹脂封止方法。
【請求項2】
請求項1記載のモータコアの樹脂封止方法において、前記樹脂溜めポットが前記上型又は前記下型に設けられることを条件として、前記樹脂溜めポット内の樹脂を前記磁石挿入孔と前記結合孔へ押し出す前記プランジャーを共用することを特徴とするモータコアの樹脂封止方法。
【請求項3】
請求項1記載のモータコアの樹脂封止方法において、前記樹脂溜めポットが、ロータ専用ポットとステータ専用ポットを有し、前記プランジャーが、前記ロータ専用ポット内の樹脂を前記磁石挿入孔へ押し出すロータ専用プランジャーと、前記ステータ専用ポット内の樹脂を前記結合孔へ押し出すステータ専用プランジャーを有することを条件として、前記ロータ専用ポット内と前記ステータ専用ポット内の樹脂の押し出しをそれぞれ、前記ロータ専用プランジャーと前記ステータ専用プランジャーを用いて個別に行うことを特徴とするモータコアの樹脂封止方法。
【請求項4】
複数の鉄心片を積層して構成されたロータコア及びステータコアを備えるモータコアの樹脂封止方法において、
前記ロータコア及び前記ステータコアを、1組の上型と下型を用いて積層方向から押圧した後、該上型及び該下型のいずれか一方又は双方に設けられた樹脂溜めポット内の樹脂をプランジャーを用いて押し出し、前記ロータコアの積層方向に形成された磁石挿入孔と前記ステータコアの積層方向に形成された結合孔へ、充填して硬化させる工程を含み、
前記樹脂溜めポットが、ロータ専用ポットとステータ専用ポットを有し、前記プランジャーが、前記ロータ専用ポット内の樹脂を前記磁石挿入孔へ押し出すロータ専用プランジャーと、前記ステータ専用ポット内の樹脂を前記結合孔へ押し出すステータ専用プランジャーを有することを条件として、前記ロータ専用ポット内と前記ステータ専用ポット内の樹脂の押し出しをそれぞれ、前記ロータ専用プランジャーと前記ステータ専用プランジャーを用いて異なる圧力又は異なるタイミングで個別に行うことを特徴とするモータコアの樹脂封止方法。
【請求項5】
請求項4記載のモータコアの樹脂封止方法において、前記ロータコアと前記ステータコアの押圧を、異なる圧力で行うことを特徴とするモータコアの樹脂封止方法。
【請求項6】
請求項1〜のいずれか1項に記載のモータコアの樹脂封止方法において、前記ロータコアに、緩圧手段が設けられた前記上型又は前記下型を直接接触させて押圧力を加え、前記ステータコアに、前記緩圧手段を接触させて押圧力を加えることを特徴とするモータコアの樹脂封止方法。
【請求項7】
請求項1〜のいずれか1項に記載のモータコアの樹脂封止方法において、前記ロータコア及び前記ステータコアを、1つの治具上に載置した状態で、前記上型と前記下型を用いて押圧することを特徴とするモータコアの樹脂封止方法。
【請求項8】
請求項記載のモータコアの樹脂封止方法において、前記ロータコアに、緩圧手段が設けられた前記上型又は前記治具を直接接触させて押圧力を加え、前記ステータコアに、前記緩圧手段を接触させて押圧力を加えることを特徴とするモータコアの樹脂封止方法。
【請求項9】
複数の鉄心片を積層して構成され、積層方向に磁石挿入孔が形成されたロータコア、及び、積層方向に結合孔が形成されたステータコアを備えるモータコアの樹脂封止方法に用いる装置であって、
前記ロータコアを位置決めするロータ専用位置決め手段と、前記ステータコアを位置決めするステータ専用位置決め手段が設けられ、使用にあっては、位置決めした前記ロータコア及び前記ステータコアを載置した状態で、該ロータコア及び該ステータコアを1組の上型と下型により積層方向から異なる圧力で押圧した後、該上型及び該下型のいずれか一方又は双方に設けられた樹脂溜めポット内の樹脂をプランジャーを用いて押し出し、前記磁石挿入孔と前記結合孔へ充填して硬化させることを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項記載の装置において、該装置は、前記ロータコアと前記ステータコアを載置して搬送する搬送トレイであることを特徴とする装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の鉄心片を積層して構成されたモータコアの樹脂封止方法及びこれに用いる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
モータコアは、複数の鉄心片を積層して構成されたロータコア(回転子積層鉄心)及びステータコア(固定子積層鉄心)を備えている。
このロータコアには、例えば、特許文献1に記載のように、その積層方向に磁石挿入孔が形成されており、この磁石挿入孔に永久磁石を挿入し、樹脂(樹脂部材)を充填して硬化させることで、磁石挿入孔に永久磁石を固定している。
また、ステータコアには、例えば、特許文献2に記載のように、その積層方向に貫通する結合孔(ハウジング)が形成されており、この結合孔に樹脂(挿入物)を充填して硬化させることで、積層方向に隣り合う鉄心片(金属薄板)同士を結合して一体化している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3786946号公報
【特許文献2】特表2003−529309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記したロータコアとステータコアへの樹脂の充填作業は、ロータコアとステータコアとで異なる樹脂充填装置を用い、別々に行っているため、それぞれ専用の装置を準備しなければならず、設備コストがかかり、また、作業性も悪くなるという問題があった。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、設備コストを削減できると共に、生産性の向上も図れるモータコアの樹脂封止方法及びこれに用いる装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的に沿う第1の発明に係るモータコアの樹脂封止方法は、複数の鉄心片を積層して構成されたロータコア及びステータコアを備えるモータコアの樹脂封止方法において、
前記ロータコア及び前記ステータコアを、1組の上型と下型を用いて積層方向から異なる圧力で押圧した後、該上型及び該下型のいずれか一方又は双方に設けられた樹脂溜めポット内の樹脂をプランジャーを用いて押し出し、前記ロータコアの積層方向に形成された磁石挿入孔と前記ステータコアの積層方向に形成された結合孔へ、充填して硬化させる。
ここで、上型と下型(ロータコアとステータコア)は、その軸心を鉛直方向に位置させて配置する場合のみならず、上型と下型(ロータコアとステータコア)を鉛直方向に対し傾けて配置(傾斜配置)することもできる。
【0007】
第1の発明に係るモータコアの樹脂封止方法において、前記樹脂溜めポットが前記上型又は前記下型に設けられることを条件として、前記樹脂溜めポット内の樹脂を前記磁石挿入孔と前記結合孔へ押し出す前記プランジャーを共用するのがよい。
【0008】
第1の発明に係るモータコアの樹脂封止方法において、前記樹脂溜めポットが、ロータ専用ポットとステータ専用ポットを有し、前記プランジャーが、前記ロータ専用ポット内の樹脂を前記磁石挿入孔へ押し出すロータ専用プランジャーと、前記ステータ専用ポット内の樹脂を前記結合孔へ押し出すステータ専用プランジャーを有することを条件として、前記ロータ専用ポット内と前記ステータ専用ポット内の樹脂の押し出しをそれぞれ、前記ロータ専用プランジャーと前記ステータ専用プランジャーを用いて個別に行うのがよい。
【0009】
前記目的に沿う第2の発明に係るモータコアの樹脂封止方法は、複数の鉄心片を積層して構成されたロータコア及びステータコアを備えるモータコアの樹脂封止方法において、
前記ロータコア及び前記ステータコアを、1組の上型と下型を用いて積層方向から押圧した後、該上型及び該下型のいずれか一方又は双方に設けられた樹脂溜めポット内の樹脂をプランジャーを用いて押し出し、前記ロータコアの積層方向に形成された磁石挿入孔と前記ステータコアの積層方向に形成された結合孔へ、充填して硬化させる工程を含み、
前記樹脂溜めポットが、ロータ専用ポットとステータ専用ポットを有し、前記プランジャーが、前記ロータ専用ポット内の樹脂を前記磁石挿入孔へ押し出すロータ専用プランジャーと、前記ステータ専用ポット内の樹脂を前記結合孔へ押し出すステータ専用プランジャーを有することを条件として、前記ロータ専用ポット内と前記ステータ専用ポット内の樹脂の押し出しをそれぞれ、前記ロータ専用プランジャーと前記ステータ専用プランジャーを用いて異なる圧力又は異なるタイミングで個別に行う。
第1又は第2の発明に係るモータコアの樹脂封止方法において、前記ロータコアに、緩圧手段が設けられた前記上型又は前記下型を直接接触させて押圧力を加え、前記ステータコアに、前記緩圧手段を接触させて押圧力を加えることができる。
【0010】
第1又は第2の発明に係るモータコアの樹脂封止方法において、前記ロータコア及び前記ステータコアを、1つの治具上に載置した状態で、前記上型と前記下型を用いて押圧することが好ましい。
ここで、前記ロータコアに、緩圧手段が設けられた前記上型又は前記治具を直接接触させて押圧力を加え、前記ステータコアに、前記緩圧手段を接触させて押圧力を加えることができる。
【0011】
の発明に係るモータコアの樹脂封止方法において、前記ロータコアと前記ステータコアの押圧を、異なる圧力で行うことが好ましい。
【0012】
前記目的に沿う第の発明に係る装置は、複数の鉄心片を積層して構成され、積層方向に磁石挿入孔が形成されたロータコア、及び、積層方向に結合孔が形成されたステータコアを備えるモータコアの樹脂封止方法に用いる装置であって、
前記ロータコアを位置決めするロータ専用位置決め手段と、前記ステータコアを位置決めするステータ専用位置決め手段が設けられ、使用にあっては、位置決めした前記ロータコア及び前記ステータコアを載置した状態で、該ロータコア及び該ステータコアを1組の上型と下型により積層方向から異なる圧力で押圧した後、該上型及び該下型のいずれか一方又は双方に設けられた樹脂溜めポット内の樹脂をプランジャーを用いて押し出し、前記磁石挿入孔と前記結合孔へ充填して硬化させる。
【0013】
の発明に係る装置において、該装置は、前記ロータコアと前記ステータコアを載置して搬送する搬送トレイであることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るモータコアの樹脂封止方法及びこれに用いる装置は、1組の上型と下型を用いて、ロータコアとステータコアの押圧(型閉め)と、ロータコアの磁石挿入孔とステータコアの結合孔への樹脂の充填を行うので、従来のように、ロータコアとステータコアへの樹脂の充填作業を別々に行う必要がない。
従って、設備コストを削減できると共に、生産性の向上も図れる。
【0015】
ここで、樹脂溜めポット内の樹脂を磁石挿入孔と結合孔へ押し出すプランジャーを共用する場合、簡単な構成で、磁石挿入孔と結合孔への樹脂の充填作業を実施できる。
また、樹脂溜めポットとして、ロータ専用ポットとステータ専用ポットを用い、プランジャーとして、ロータ専用プランジャーとステータ専用プランジャーを用い、磁石挿入孔と結合孔への樹脂の押し出しを個別に行う場合、樹脂の充填条件(例えば、樹脂の押し出し圧力や樹脂の種類)を個別に設定できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施の形態に係るモータコアの樹脂封止方法の説明図である。
図2】第1の変形例に係るモータコアの樹脂封止方法の説明図である。
図3】第2の変形例に係るモータコアの樹脂封止方法の説明図である。
図4】第3の変形例に係るモータコアの樹脂封止方法の説明図である。
図5】第4の変形例に係るモータコアの樹脂封止方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
まず、本発明の一実施の形態に係るモータコアの樹脂封止方法を適用するモータコアについて説明した後、モータコアの樹脂封止方法について説明する。
図1に示すように、モータコア10は、ロータコア(回転子積層鉄心)11とステータコア(固定子積層鉄心)12を備えている。なお、図1においては、ステータコア12の厚み(高さ)を、中心線を中心として左右で異なる厚みとしているが、これは、ステータコア12の厚みが、ロータコア11の厚みより高い場合や低い場合があることを、便宜的に示したことによるものであり、実際は略同一厚みである(図2図5も同様)。
【0018】
ロータコア11は、複数の環状の鉄心片13を順次積層して形成されたものである。なお、1層の環状の鉄心片13は、周方向に連結部が設けられていない一体構造のものであるが、円弧状の鉄心片部を環状に連結できる分割構造のものでもよい。
この積層方向に隣り合う鉄心片13同士は、例えば、かしめや溶接を用いて結合しているが、積層方向に形成された貫通孔からなる結合孔へ、樹脂(例えば、エポキシ樹脂)を充填して結合することもできる。なお、結合には、かしめ、溶接、及び樹脂のいずれか2以上を併用することもできる。
【0019】
ロータコア11の中央には、軸孔(シャフト孔)14が形成され、この軸孔14を中心としてその周囲に、ロータコア11の積層方向に形成された貫通孔からなる永久磁石14aの磁石挿入孔15が、複数形成されている。なお、軸孔14には、内側に突出する図示しないキー(凸条)が設けられている。
各磁石挿入孔15に挿入された永久磁石14aは、各磁石挿入孔15に充填した樹脂16を硬化させることにより、各磁石挿入孔15内に固定されている。この樹脂16には、熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂)を使用できるが、熱可塑性樹脂でもよい。
【0020】
ステータコア12は、複数の環状の鉄心片17を順次積層して形成されたものである。なお、1層の環状の鉄心片17は、周方向に連結部が設けられていない一体構造のものであるが、円弧状の鉄心片部を環状に連結できる分割構造のものでもよい。
この積層方向に隣り合う鉄心片17同士は、ステータコア12の積層方向に形成された貫通孔からなる結合孔18に、樹脂16(他の種類の樹脂でもよい)を充填して結合している。この結合孔18は、ステータコア12の周方向に複数形成されている。
なお、上記した結合には更に、かしめ及び/又は溶接を併用することもできる。
また、ステータコア12には、その周方向に複数のスロット19が形成されている。
【0021】
続いて、本発明の一実施の形態に係るモータコアの樹脂封止方法について、図1を参照しながら説明する。
まず、モータコア10を構成するロータコア11とステータコア12を、厚みが、例えば、0.15〜0.5mm程度の電磁鋼板からなる条材から、以下の方法で製造する。
【0022】
ロータコア11は、上記した条材から複数の鉄心片13を打ち抜き、これを予め設定した枚数積層することで製造する。
ここで、複数の鉄心片13の積層方法には、前記した、かしめ、溶接、及び樹脂のいずれか1を使用することも、また、いずれか2以上を併用することもできる。なお、樹脂を使用する場合は、ロータコアの積層方向に、結合孔を形成しておく。
次に、ロータコア11の各磁石挿入孔15に、これよりも断面が小さい未着磁の永久磁石14aを挿入する。なお、各磁石挿入孔15には、着磁済みの永久磁石を挿入してもよい。
【0023】
また、ステータコア12も、上記した条材から複数の鉄心片17を打ち抜き、これを予め設定した枚数積層することで製造する。
ここで、積層した複数の鉄心片17の結合には、樹脂16を使用するため、上記したように、ステータコア12の積層方向に、貫通孔からなる結合孔18を形成しておく。なお、結合には、上記した樹脂16だけでなく、更に、前記したかしめ及び/又は溶接を併用することもできる。
【0024】
そして、上記したロータコア11とステータコア12、即ちモータコア10を、金属製の1つの搬送トレイ(装置の一例、治具ともいう)20上に載置する。
この搬送トレイ(コアセットプレート)20は、台板21を有しており、この台板21上に、ロータコア11とステータコア12を、その軸心を同一にして載置し、搬送するものである。なお、ロータコア11は、その軸孔14に、台板21の中央に立設されたポスト(ロータ専用位置決め手段の一例)22が挿入(嵌入)され、また、ステータコア12は、そのスロット19に、台板21の周辺部に立設された複数のブロック(ステータ専用位置決め手段の一例)23が挿入(嵌入)されている。
【0025】
ここで、搬送トレイ20のポスト22には、軸孔14のキーに符合するキー溝が設けられているため、搬送トレイ20に対するロータコア11の位置決めがなされる。また、搬送トレイ20の複数のブロック23は、ステータコア12に形成された各スロット19にそれぞれ挿入されるため、搬送トレイ20に対するステータコア12の位置決めがなされる。
なお、ロータコア11とステータコア12の位置決めには、上記した軸孔14やスロット19を用いることなく、コアの軽量化のため、コアの積層方向に形成された軽量孔等を用いることもできる。
【0026】
また、搬送トレイ20の台板21には、下面側に向けて開口したランナー(樹脂流路)24と、このランナー24に連通し、上面側へ向けて開口した2種類のゲート(樹脂注入孔)25、26が、それぞれ形成されている。この2種類のゲート25、26のうち、一方のゲート25は、平面視して磁石挿入孔15と重なる位置に形成され、また、他方のゲート26は、平面視して結合孔18と重なる位置に形成されている。
これにより、ランナー24内の樹脂16を、各ゲート25、26を介して、磁石挿入孔15と結合孔18へそれぞれ注入できる。
【0027】
なお、上記したロータコア11、ステータコア12、及び、搬送トレイ20は、使用する樹脂の種類等に応じて、樹脂注入温度(例えば、150〜170℃程度)に、予め加熱(予熱)されている。この加熱方法は、特に限定されるものではなく、例えば、気体(熱風)やヒータ等を使用できる。
これにより、搬送トレイ20と、ロータコア11やステータコア12を流れる樹脂16の流動性を維持でき、安定した樹脂16の注入ができる。
なお、上記したロータコア11とステータコア12は、搬送トレイ20より低い温度、例えば、60〜100℃に予熱されていてもよい。これにより、コアの予熱時間を短縮することができ、生産性を向上させることができる。
【0028】
次に、ロータコア11とステータコア12を、上記した搬送トレイ20に載置した状態で、1組の上型(押圧型)27と下型(樹脂注入型)28を用いて積層方向から挟持することで、ロータコア11とステータコア12を同時に押圧(型閉め)する。
この上型27と下型28には、挟持したロータコア11とステータコア12を加熱するためのヒータ(加熱手段)29、30が、それぞれ設けられている。
【0029】
上型27の下面側中央部には、ロータコア11の上面31に、その下面32が当接(接触)するロータ専用押圧部33が設けられている。これにより、ロータコア11に、上型27から直接押圧力(推力A、以下同様)を加えることができる。
なお、このロータ専用押圧部33の下面側中央部には、ポスト22の先部が侵入可能な凹部34が設けられ、ロータコア11を押圧する際に、ロータ専用押圧部33とポスト22との接触を防止している。
【0030】
また、上型27の下面側周縁部には、ステータコア12の上面35に、その下面36が当接(接触)する緩圧手段37が設けられている。この緩圧手段37は、上型27にスプリング(弾性部材)38を介して設けられたステータ専用押圧部(可動プレート)39を有している。なお、ステータ専用押圧部39は、ステータコア12の形状に対応して環状となっているが、周方向に複数に分割されたもの(円弧状のもの)でもよい。
これにより、ステータコア12に、上型27からの押圧力を、緩圧手段37を介して加えることができる。
【0031】
上記したように、上型27に緩圧手段37を設けることで、ロータコア11には、上型27からの押圧力をそのまま加え、ステータコア12には、上型27からの押圧力を弱めて加えることができる。
従って、ロータコア11とステータコア12の押圧を異なる圧力で行うことができる。これは、ステータコア12が、ロータコア11よりも小さい押圧力でよいことによる。
なお、緩圧手段37による押圧力の調整(スプリング38の選択)は、例えば、押圧を行うロータコア11とステータコア12の積層厚みの最大値と最小値に基づいて行う。
【0032】
下型28には、タブレット状の樹脂16を装入する樹脂溜めポット40と、この樹脂溜めポット40内を上下方向に昇降可能なプランジャー41とが設けられている。このタブレット状の樹脂16は、下型28に設けられたヒータ30により、溶融状態(液状)に加熱できる。
なお、プランジャー41は、下型28の下方に設けられたスプリング42を備えるプランジャーユニット43からの押圧(推力B)により、昇降可能となっている。
【0033】
これにより、樹脂溜めポット40内の樹脂16を、樹脂溜めポット40内で加熱して液状にした後、プランジャー41によって樹脂溜めポット40内から押し出すことができる。
この押し出された液状の樹脂16は、樹脂溜めポット40の下流側端部に連通し、下型28の上部表面と搬送トレイ20の下部表面との間に形成されたランナー24を通り、各ゲート25、26を介して、最終的に磁石挿入孔15と結合孔18へそれぞれ注入され、充填される。
【0034】
このように、磁石挿入孔15と結合孔18への樹脂16の押し出しは、1つのプランジャー41により行われる(プランジャー41を共用している)。
上記した方法により、各磁石挿入孔15内に液状の樹脂16を充填した後は、この樹脂16を硬化させて、磁石挿入孔15内に永久磁石14aを固定する。また、各結合孔18内に液状の樹脂16を充填した後は、この樹脂16を硬化させて、積層方向に隣り合う鉄心片17同士を結合する。
【0035】
以上の方法により、ロータコア11とステータコア12への樹脂16の充填と硬化が完了した後は、上型27と下型28を離型し、更に、搬送トレイ20を取り外して使用する。なお、ロータコア11使用にあっては、永久磁石14aを着磁し、軸孔14に軸(シャフト)を挿通する。
このように、搬送トレイ20を使用することによって、不要な樹脂16を、搬送トレイ20と共に、ロータコア11とステータコア12から除去できる。つまり、搬送トレイ20は、カルプレートとしての機能も有している。
【0036】
従って、本発明のモータコアの樹脂封止方法を用いることで、設備コストを削減できると共に、生産性の向上も図れる。
なお、モータコア10の押圧(型閉め)と樹脂16の充填は、上記した方法に限定されるものではなく、以下の図2図5に示す方法を使用することもできる。以下、これらの方法について、図2図5を参照しながらそれぞれ説明するが、図1と同一部材には同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
【0037】
まず、図2の方法について説明する。
前記したロータコア11とステータコア12、即ちモータコア10を、金属製の1つの載置台(装置の一例、治具ともいう)50に載置する。
この載置台50は台板51を有しており、この台板51の上面側中央部には、ロータコア11の下面52に、その上面53が当接(接触)するロータ専用押圧部54が設けられ、台板51の上面側周縁部には、ステータコア12の下面55に、その上面56が当接(接触)する緩圧手段37が設けられている。
【0038】
このロータ専用押圧部54の中央には、ロータコア11の軸孔14に挿入されるポスト22が立設され、緩圧手段37のステータ専用押圧部39には、ステータコア12のスロット19に挿入される複数のブロック23が立設されている。
これにより、ロータコア11とステータコア12を、その軸心を同一にして台板51上に載置できると共に、その位置決めもなされる。
なお、ロータコア11、ステータコア12、及び、載置台50は、前記したロータコア11、ステータコア12、及び、搬送トレイ20と同様、予め加熱されている。
【0039】
そして、樹脂注入温度に予め加熱(予熱)された金属製のカルプレート57を、載置台50に載置されたロータコア11とステータコア12の表面に配置する。このとき、ロータコア11の上面31とステータコア12の上面35は、緩圧手段37により同一高さとなる。
このカルプレート57には、上面側に向けて開口したランナー24と、このランナー24に連通し、下面側へ向けて開口した2種類のゲート25、26が、それぞれ形成されている。
【0040】
また、カルプレート57の中央部には、ポスト22が挿入(嵌入)可能な孔58が形成されている。これにより、載置台50のポスト22を、ロータコア11の軸孔14とカルプレート57の孔58に挿入(嵌入)することで、ロータコア11とステータコア12に対するカルプレート57の位置決めができる。
なお、この位置決めは、カルプレート57の各ゲート25、26が、ロータコア11の磁石挿入孔15とステータコア12の結合孔18の位置に、それぞれ対応するように行われている。
このカルプレート57は、前記した搬送トレイ20と同様、予め加熱されている。
【0041】
次に、ロータコア11とステータコア12を、上記した載置台50に載置し、かつ、表面にカルプレート57を配置した状態で、1組の上型(樹脂注入型)59と下型(押圧型)60を用いて積層方向から挟持する。これにより、ロータコア11とステータコア12を同時に押圧(型閉め)する。
なお、上型59は、前記した下型28を上下反対にしたものと略同様の構成であり、下型60は、前記した上型27を上下反対にしたものと略同様の構成である。具体的には、上型59に、ポスト22の先部が侵入可能な凹部61が設けられ、下型60には、緩圧手段37が直接設けられていない。
【0042】
これにより、ロータコア11に、下型60から載置台50を介して直接押圧力(推力A、以下同様)を加えることができ、また、ステータコア12に、下型60からの押圧力を、載置台50に設けられた緩圧手段37を介して加えることができる。
そして、上型59に設けられた樹脂溜めポット40内で加熱して液状にした樹脂16を、プランジャー41によって樹脂溜めポット40内から押し出し、ランナー24及び各ゲート25、26を介して、最終的に磁石挿入孔15と結合孔18へそれぞれ注入し、充填できる。更に、充填された樹脂16を硬化させることで、磁石挿入孔15内に永久磁石14aを固定できると共に、積層方向に隣り合う鉄心片17同士を結合できる。
【0043】
次に、図3の方法について説明する。
前記したロータコア11とステータコア12、即ちモータコア10を、金属製の1つの搬送トレイ(装置の一例、治具ともいう)65上に載置する。
この搬送トレイ65は、台板66を有しており、この台板66上に、ロータコア11とステータコア12を、その軸心を同一にして載置している。
【0044】
この搬送トレイ65の台板66には、下面側に向けて開口した2種類のランナー(樹脂流路)67、68と、この各ランナー67、68に連通し、上面側へ向けて開口した2種類のゲート(樹脂注入孔)25、26が、それぞれ形成されている。
これにより、一方のランナー67内の樹脂16を、ゲート25を介して、磁石挿入孔15へ注入でき、他方のランナー68内の樹脂16を、ゲート26を介して、結合孔18へ注入できる。
この搬送トレイ65は、前記した搬送トレイ20と同様、ロータコア11及びステータコア12と共に、予め加熱されている。
【0045】
次に、ロータコア11とステータコア12を、上記した搬送トレイ65に載置した状態で、1組の上型(押圧型)69と下型(樹脂注入型)70を用いて積層方向から挟持する。これにより、ロータコア11とステータコア12を同時に押圧(型閉め)する。
なお、上型69は、前記した上型27と同様の構成であり、下型70は、前記した下型28と略同様の構成であるため、以下、下型70について説明する。
【0046】
下型70には、タブレット状の樹脂16を装入する樹脂溜めポット71と、この樹脂溜めポット71内を上下方向に昇降可能なプランジャー72とが設けられている。
この樹脂溜めポット71は、ロータ専用ポット73とステータ専用ポット74を有し、また、プランジャー72は、ロータ専用ポット73内の樹脂16を磁石挿入孔15へ押し出すロータ専用プランジャー75と、ステータ専用ポット74内の樹脂16を結合孔18へ押し出すステータ専用プランジャー76を有している。
【0047】
ロータ専用ポット73内とステータ専用ポット74内のタブレット状の樹脂16は、下型70に設けられたヒータ30により、溶融状態(液状)に加熱できる。
なお、ロータ専用プランジャー75は、下型70の下方に設けられたスプリング77を備えるプランジャーユニット78からの押圧(推力C)により、昇降可能となっている。また、ステータ専用プランジャー76も、下型70の下方に設けられたスプリング79を備えるプランジャーユニット80からの押圧(推力D)により、昇降可能となっている。
【0048】
これにより、ロータ専用ポット73内とステータ専用ポット74内の樹脂16をそれぞれ加熱して液状にした後、その各押し出しを、ロータ専用プランジャー75とステータ専用プランジャー76を用いて個別に行うことができる。
このため、磁石挿入孔15と結合孔18へ注入する樹脂を、異なる種類にすることができる。例えば、磁石挿入孔15へ注入する樹脂を樹脂16とし、結合孔18へ注入する樹脂を、セラミックス粉末や絶縁性のある非磁性体が含まれた結合力のある樹脂とする。
また、磁石挿入孔15と結合孔18へ注入する樹脂の押し出し圧力を、例えば、磁石挿入孔15と結合孔18の断面積や使用する樹脂の種類に応じて、異なる圧力にするなど、ロータコア11とステータコア12それぞれに、最適な樹脂注入条件とすることができる。
更に、磁石挿入孔15と結合孔18への樹脂の注入時期を、同時とすることなく、ずらす(例えば、数秒程度)こともできる。
【0049】
続いて、図4の方法について説明する。
前記したロータコア11とステータコア12、即ちモータコア10を、金属製の載置台50に載置する。なお、載置台50は、前記した搬送トレイ20と同様、ロータコア11及びステータコア12と共に、予め加熱されている。
そして、樹脂注入温度に予め加熱(予熱)された金属製のカルプレート85を、載置台50に載置されたロータコア11とステータコア12の表面に配置する。このとき、ロータコア11の上面31とステータコア12の上面35は、緩圧手段37により同一高さとなる。
【0050】
このカルプレート85には、上面側に向けて開口した2種類のランナー67、68と、この各ランナー67、68に連通し、下面側へ向けて開口した2種類のゲート25、26が、それぞれ形成されている。
これにより、一方のランナー67内の樹脂16を、ゲート25を介して、磁石挿入孔15へ注入でき、他方のランナー68内の樹脂16を、ゲート26を介して、結合孔18へ注入できる。
このカルプレート85は、前記した搬送トレイ20と同様、予め加熱されている。
【0051】
次に、ロータコア11とステータコア12を、上記した載置台50に載置し、かつ、表面にカルプレート85を配置した状態で、1組の上型(樹脂注入型)86と下型(押圧型)87を用いて積層方向から挟持する。これにより、ロータコア11とステータコア12を同時に押圧(型閉め)する。
なお、上型86は、前記した下型70を上下反対にしたものと略同様の構成であり、下型87は、前記した下型60と同様の構成である。具体的には、上型86に、ポスト22の先部が侵入可能な凹部61が設けられている。
【0052】
これにより、ロータコア11に、下型87から直接押圧力(推力A、以下同様)を加えることができ、また、ステータコア12に、下型87からの押圧力を、緩圧手段37を介して加えることができる。
また、ロータ専用ポット73内とステータ専用ポット74内の樹脂16をそれぞれ加熱して液状にした後、その各押し出しを、ロータ専用プランジャー75とステータ専用プランジャー76を用いて個別に行うことができる。
【0053】
最後に、図5の方法について説明する。
前記したロータコア11とステータコア12、即ちモータコア10を、金属製の1つの搬送トレイ(装置の一例、治具ともいう)90上に載置する。
この搬送トレイ90は、台板91を有しており、この台板91上に、ロータコア11とステータコア12を、その軸心を同一にして載置している。
【0054】
この搬送トレイ90の台板91には、下面側に向けて開口したランナー68と、このランナー68に連通し、上面側へ向けて開口したゲート26とが形成されている。これにより、ランナー68内の樹脂16を、ゲート26を介して、結合孔18へ注入できる。
この搬送トレイ90は、前記した搬送トレイ20と同様、ロータコア11及びステータコア12と共に予め加熱されている。
【0055】
そして、樹脂注入温度に予め加熱(予熱)された金属製のカルプレート92を、搬送トレイ90に載置されたロータコア11の表面に配置する。
このカルプレート92には、上面側に向けて開口したランナー67と、このランナー67に連通し、下面側へ向けて開口したゲート25とが形成されている。これにより、ランナー67内の樹脂16を、ゲート25を介して、磁石挿入孔15へ注入できる。
このカルプレート57は、前記した搬送トレイ20と同様、予め加熱されている。
【0056】
次に、ロータコア11とステータコア12を、上記した搬送トレイ90に載置し、かつ、表面にカルプレート92を配置した状態で、1組の上型(押圧型及びロータ用樹脂注入型)93と下型(ステータ用樹脂注入型)94を用いて積層方向から挟持する。これにより、ロータコア11とステータコア12を同時に押圧(型閉め)する。
なお、上型93は、前記した上型27と上型86を組み合わせたものと略同様の構成であり、下型94は、前記した上型59を上下反対にしたものと略同様の構成である。
【0057】
上型93には、タブレット状の樹脂16を装入するロータ専用ポット73と、このロータ専用ポット73内を上下方向に昇降可能なロータ専用プランジャー75とが設けられている。なお、上型93には、ポスト22の先部が侵入可能な凹部61も設けられている。
また、下型94には、タブレット状の樹脂16を装入するステータ専用ポット74と、このステータ専用ポット74内を上下方向に昇降可能なステータ専用プランジャー76とが設けられている。
なお、上型93と下型94は、上下反対にして使用することもできる。
【0058】
これにより、ロータコア11に、上型93から直接押圧力(推力A、以下同様)を加えることができ、また、ステータコア12に、上型93からの押圧力を、緩圧手段37を介して加えることができる。
また、ロータ専用ポット73内とステータ専用ポット74内の樹脂16をそれぞれ加熱して液状にした後、その各押し出しを、ロータ専用プランジャー75とステータ専用プランジャー76を用いて個別に行うことができる。このように、ロータ専用プランジャー75とステータ専用プランジャー76を、互いに対向する側に設けることで、各プランジャーの作動機構が干渉することがなく、装置設計の自由度を向上させることができる。
【0059】
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明のモータコアの樹脂封止方法及びこれに用いる装置を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
前記実施の形態においては、本発明のモータコアの樹脂封止方法を、ステータコアの内側に隙間を有してロータコアを配置したインナーロータ型のモータコアに適用した場合について説明したが、ステータコアの外側に隙間を有してロータコアを配置したアウターロータ型のモータコアに適用することも、勿論可能である。
【0060】
また、前記実施の形態においては、モータコアを下型上に載置するに際し、搬送トレイや載置台等の種々の装置を用いた場合について説明したが、この装置を用いることなく、モータコアを下型上に直接載置することも可能である。
そして、前記実施の形態においては、緩圧手段を、スプリングとステータ専用押圧部で構成した場合について説明したが、ステータコアの押圧力をロータコアの押圧力よりも小さく(押圧力を吸収)できれば、例えば、ゴムや樹脂等の弾性部材で構成することも可能である。
更に、前記実施の形態においては、ステータコアの押圧力を、ロータコアの押圧力よりも小さくした場合について説明したが、ロータコアの押圧力よりも大きくなるように、押圧力を調整することもできる。このとき、スプリングを用いることなく、ステータコアとロータコアそれぞれに、直接装置による推力を与え、異なる押圧力を加えてもよい。
【符号の説明】
【0061】
10:モータコア、11:ロータコア、12:ステータコア、13:鉄心片、14:軸孔、14a:永久磁石、15:磁石挿入孔、16:樹脂、17:鉄心片、18:結合孔、19:スロット、20:搬送トレイ(装置)、21:台板、22:ポスト(ロータ専用位置決め手段)、23:ブロック(ステータ専用位置決め手段)、24:ランナー、25、26:ゲート、27:上型、28:下型、29、30:ヒータ、31:上面、32:下面、33:ロータ専用押圧部、34:凹部、35:上面、36:下面、37:緩圧手段、38:スプリング、39:ステータ専用押圧部、40:樹脂溜めポット、41:プランジャー、42:スプリング、43:プランジャーユニット、50:載置台(装置)、51:台板、52:下面、53:上面、54:ロータ専用押圧部、55:下面、56:上面、57:カルプレート、58:孔、59:上型、60:下型、61:凹部、65:搬送トレイ(装置)、66:台板、67、68:ランナー、69:上型、70:下型、71:樹脂溜めポット、72:プランジャー、73:ロータ専用ポット、74:ステータ専用ポット、75:ロータ専用プランジャー、76:ステータ専用プランジャー、77:スプリング、78:プランジャーユニット、79:スプリング、80:プランジャーユニット、85:カルプレート、86:上型、87:下型、90:搬送トレイ(装置)、91:台板、92:カルプレート、93:上型、94:下型
図1
図2
図3
図4
図5