特許第6322524号(P6322524)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6322524画像形成装置、画像読取装置、画像消去装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6322524
(24)【登録日】2018年4月13日
(45)【発行日】2018年5月9日
(54)【発明の名称】画像形成装置、画像読取装置、画像消去装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20180423BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20180423BHJP
【FI】
   H04N1/00 B
   H04N1/00 E
   G06T1/00 440
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-181410(P2014-181410)
(22)【出願日】2014年9月5日
(65)【公開番号】特開2016-58786(P2016-58786A)
(43)【公開日】2016年4月21日
【審査請求日】2017年4月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(72)【発明者】
【氏名】山崎 智弘
【審査官】 花田 尚樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−020070(JP,A)
【文献】 特開2009−302944(JP,A)
【文献】 特開2012−194837(JP,A)
【文献】 特開2014−065315(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G06T 1/00
G06T 1/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに消去性色材により印字された画像と、前記シートに印字されたジョブデータを示す情報マークを読み取るスキャナ部と、
前記スキャナ部で読み取った読み取りデータをシート毎に一つのファイルとして保存する記憶部と、
記各ファイルの情報マークに基づいて複数の前記ファイルをページ順に並べて一つのファイル保存するファイル管理部と、
を有することを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像読取装置において、
前記ファイル管理部は、前記情報マークに基づき、同一のジョブで印刷された複数のシートの前記ファイルを前記一つのファイル内に保存することを特徴とする画像読取装置。
【請求項3】
シートに消去性色材により印字された画像と、前記シートに印字されたジョブデータを示す情報マークを読み取るスキャナ部と、
前記スキャナ部で読み取った読み取りデータをシート毎に一つのファイルとして保存する記憶部と、
前記各ファイルの情報マークに基づいて複数の前記ファイルを結合して一つのファイルにするファイル管理部と、
を有することを特徴とする画像読取装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像読取装置において、
前記ファイル管理部は、前記情報マークに基づき、同一のジョブで印刷された複数のシートの前記ファイルを結合することを特徴とする画像読取装置。
【請求項5】
消去性色材により印字された画像と、ジョブデータを示す情報マークが印字されたシートを給紙する給紙部と、
前記給紙部から給紙されたシートを読み取る請求項1から請求項4のいずれかに記載の画像読取装置と、
前記画像読取装置で読み取り後、前記シートの消去性色材の画像を消去する消去部と、
を有する画像消去装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この明細書に記載の実施形態は、スキャナで読み取って保存した多数枚の画像データの中で互いに関連性を有する画像データを1つのファイルにまとめるファイル化技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シートの再利用化を図るために、シートに印字した消色性色材の画像を画像消去装置により消去処理し、消色処理後のシートをリユースシート積載部に排紙する。消色処理を実行する前に、スキャナで画像を読取、読み取った画像を記憶部に保存する。(特許文献1)。記憶部に消去前の画像を保存することで、画像を誤消去しても再度プリントアウト可能としている。
【0003】
例えば、50頁のシートを1つのファイルとして消去性色材により印字し、後日シートのリユースのために消去装置により消去する場合、消去装置の給紙トレイには、この50頁のシートが頁順に積載されている保証がない。一般的には、他の複数のシートと混載されていることが殆どである。
【0004】
また、記憶部においては、単に読み取るシートごとに1ファイルとして保存しているので、50頁のシートでは50のファイルが存在する。
【0005】
このように、スキャナで読み取った画像データは、記憶部において用紙単位で保存されるため、多くのファイルが存在する。このため、ユーザーが記憶部に保存したデータを検索する場合には、多数のファイルを一枚ずつ検索しなければならない。しかも、複数ページにわたる画像を検索するには、さらなる労力を要する。そこで、複数枚のシートを1ファイルとする書面を画像消去装置で消去する場合、消去に供する1ファイルを構成する複数枚のシートを予めページ順に並び替えを手作業で行い、これを画像消去装置の給紙トレイに載置することも考えられるが、手間がかかるという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2014−074929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この明細書に記載の実施形態は、スキャナで読み取って保存した多数枚の画像データの中で同じジョブを有する画像データを単一のファイルにまとめるファイル化技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この明細書に記載の実施形態の課題を解決する画像形成装置は、プリントデータの画像データを消去性色材でシートに印字する画像印字部と、前記プリントデータのジョブデータを前記シートに情報マークとして印字する情報マーク印字部と、を有し、シート毎に消去性色材の画像と識別マークを印字する。
【0009】
この明細書に記載の実施形態の課題を解決する画像読取装置は、シートに消去性色材により印字された画像と、前記シートに印字されたジョブデータを示す情報マークを読み取るスキャナ部と、前記スキャナ部で読み取った読み取りデータをシート毎に一つのファイルとして保存する記憶部と、前記記憶部に保存する各ファイルの情報マークに基づいて複数のファイルを単一のファイルにまとめて管理するファイル管理部と、を有する。
【0010】
この明細書に記載の実施形態の課題を解決する画像消去装置は、消去性色材により印字された画像と、ジョブデータを示す情報マークが印字されたシートを給紙する給紙部と、前記給紙部から給紙されたシートを読み取る上記構成の画像読取装置と、前記画像読取装置で読み取り後、前記シートの消去性色材の画像を消去する消去部と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係る画像消去装置の概略縦断面図。
図2図1の画像消去装置の制御ブロック図。
図3】実施形態に係る画像形成装置の概略ブロック図。
図4図2に示す画像消去装置における読取装置のファイル化処理を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1は本実施形態に係る画像消去装置の概略縦断面図、図2図1の画像消去装置の制御ブロック図、図3は実施形態に係る画像形成装置の概略ブロック図、図4図2に示す画像消去装置における読取装置のファイル化処理を説明するフローチャートである。
【0014】
図1に示す画像消去装置1は、給紙部2と、第1シート搬送路3と、第2シート搬送路4と、第3シート搬送路12と、第1スキャナ部5と、第2スキャナ部6と、消去部7と、第1シート排紙部8と、第2シート排紙部9と、第1フラッパ10と、第2フラッパ11とを有する。
【0015】
給紙部2は、積載された消色性色材で画像が印字されたシート(以下、被消去処理用シートと称す)を第1シート搬送路3に給紙する。第1シート搬送路3は、被消去処理用シートを給紙部2から第1シート排紙部8に搬送する。第2シート搬送路4は、搬送上流端が第1シート搬送路3の分岐位置から分岐し、搬送下流端が第1シート搬送路3の合流位置で合流する。前記分岐位置は第1シート搬送路3において、第2スキャナ部6よりも搬送方向下流側に配置し、前記合流位置は第1シート搬送路3において、第1スキャナ部5よりも搬送方向上流側に配置する。
【0016】
第1スキャナ部5と、第2スキャナ部6は、第1搬送路3を搬送される被消去処理用シートの両面を読み取る。読み取った画像は、図2に示す記憶部35に保存する。
【0017】
第1スキャナ部5と第2スキャナ部6で画像読み取りがなされた被消去処理用シートは、第1シート搬送路3から第2シート搬送路4へ分岐搬送される。なお、第1シート搬送路3から第2シート搬送路4へ分岐するか否かは第1フラッパ―10の切換制御により行われる。
【0018】
消去部7は、第2シート搬送路4を搬送される被消去処理用シートの消去性色材の画像を消去する。消去性色材としては、例えば加熱により画像が消色する消色トナーを例示することができる。本実施形態では、消色トナー画像を消色する場合を示す。
【0019】
消去部7で画像消去された被消去処理用シートは、第1シート搬送路3に戻され、第1スキャナ部5と第2スキャナ部6により、画像の消色状態が読み取られる。画像の消色状態が読み取られシートは、第1搬送路3を第1シート排紙部8に向けて搬送される。第1スキャナ部5と第2スキャナ部6で読み取られた画像により、図2に示す制御部30は、消去処理の良否を判定する。
【0020】
制御部30で消去処理が良と判定されると、当該シートは第1排紙部8に排紙されて集積される。制御部30で消去処理が否と判定されると、第3シート搬送路3に搬送される。第1シート搬送路3の搬送終端から第3シート搬送路3にシートを搬送する場合は、第2フラッパ12を切り替えることにより行われる。
【0021】
第3シート搬送路3は、シートを第2シート排紙部9に搬送し、消去処理が否と判定されたシートを第2シート排紙部9に集積させる。
【0022】
図3に示すように、給紙部2に積載される被消去処理用シートSは、画像部Gと情報マーク部Qとが印字される。情報マークQとしては図3に示すQRコード(登録商標)に限らず、バーコード等であっても良い。
【0023】
印字部121には、パソコンや自動原稿読み取り装置等からプリントデータ101が送信される。プリントデータ101には、画像データと、ジョブデータを含む。ジョブデータには、プリントデータの所有者名、ファイル名(印刷ジョブ名)、印字する日付け、印字する時間、印字するプリンタ番号、ページ番号(総ページ数)が含まれる。
【0024】
印字部121は、例えば消色トナーにより画像データをシートSに印字する画像印字部122と、ジョブデータを情報マークQに表示させる情報マーク印字部123を有する。情報マークQは、画像Gの印字領域よりも外側に印字される。
【0025】
なお、一つの情報マークQに、シートSの一回の消去処理回数の情報を示す機能を付与させる場合には、消去部7で消去されない非消去性の色材(通常の色材と称す)で印字する。
【0026】
給紙部124に収納されるシートSは、印字部121において、画像印字部122が画像データにより例えば消色トナーにより画像Gが印字され、情報マーク印字部123がジョブデータにより情報マークQを印字する。
【0027】
このような情報マークQの表示内容は、図2に示す画像形成装置1のメモリ32に通信手段等により送信する。被消去処理用シートSは、消去装置1の第1スキャナ部5、第2スキャナ部6において、画像Gと情報マーク部Qが読み取られる。
【0028】
図2に示すように、制御部30と、給紙部2、スキャナ部(第1スキャナ部5、第2スキャナ部6)、排紙部(第1シート排紙部8、第2シート排紙部9)、消去部7、記憶部35がバス36に接続される。不図示のスタートスイッチをONすると、給紙部2は積載する消去処理用シートの給紙を開始し、スキャナ部5,6で第1回目の読取処理が開始される。
【0029】
制御部30は、スキャナ部5,6で読み取った第1回目の読取時における読取情報を記憶部35に記憶させる。消去部7で消去処理されたシートをスキャナ部5,6で再度読み取り、画像が残っている等の消去不良が存在しているか否かを判定し、判定に従って第1シート排紙部8と第2シート排紙部9に振り分けるように排出される。
【0030】
一方、制御部30は、CPU(Central Processing Unit)あるいはMPU(Micro Processing Unit)からなるプロセッサ31、メモリ32を有する。メモリ32は、例えば、半導体メモリであり、各種制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)33と、プロセッサ31に一時的な作業領域を提供するRAM(Random Access Memory)34とを有する。例えば、ROM33は、ジョブデータと情報マークQとの関係が格納される。
【0031】
制御部30は、記憶部35に記憶する1枚のシート毎の画像とジョブデータを関連付けて保存し1枚のファイルとして管理し、ユーザーが指定するジョブデータと同じジョブデータを有するファイルを抽出し、例えばページ番号順に並べ替える(ソート)第1管理モードと、ユーザーが指定するジョブデータと同じジョブデータを有するファイルを抽出して結合し一つのファイルに管理する第2管理モードを有する。第1管理モードとするか第2管理モードとするかは、ユーザーが不図示の操作部を操作することにより予め決定される。
【0032】
また、情報マークQが印字されていない場合には、読み取ったシートを一枚ずつファイル化して管理する第3管理モードと、給紙部2から一度に連続的に給紙された全シートを一まとめにファイル化して管理する第4管理モードを有する。第3管理モードとするか第4管理モードとするかは、ユーザーが不図示の操作部を操作することにより予め決定される。
【0033】
次に、図4に示すフローチャートを参照して、情報マークQに基づく画像読み取り装置のファイル化処理を説明する。
【0034】
本処理動作がスタートすると、Act1で情報マークQの有無について読み取ったシートS毎に行い、情報マークQが有ればAct2に進み、無ければAct5に進む。
【0035】
Act2において、既にファイル化されたシートが有する印字ジョブと同じジョブを有するシートが存在するか否かを判定する。同一印字ジョブのシートが有ればAct3に進み、無ければAct4に進む。
【0036】
Act3において、第1管理モードと第2管理モードの内で、選択されているいずれかの管理モードを実行し、本処理を終了する。
【0037】
Act4において、記憶部35に保存するジョブデータ(ジョブデータ名)が無い場合には、印字ジョブ名を生成し、新たに1枚目のシートをファイル化し、本処理を終了する。
【0038】
Act5において、シートSに情報マークQが存在しない場合には、第3管理モードと第4管理モードの中で、選択されているいずれかの管理モードを実行し、本処理を終了する。
【0039】
以上のように、本実施形態は、例えば消色トナーを利用する画像生成装置において、印刷の際にジョブの情報をバーコードなどの情報マークに付与してシートに印刷する。
【0040】
画像消去装置1にて画像を消去する前に、スキャナ部5,6で画像スキャンを行い、情報マークの情報を読み取る。読取った情報マークから読みだした情報に基づきジョブの情報を取得し、同じジョブで印字したシートSを同時に消去(消色)した場合、単一のファイルとしてファイル化する。ここで、「単一」とは、同じジョブの情報に基づいて、各ファイルを紐付けることを意味する。
【0041】
第2管理モードを選択していれば、同じジョブで印刷したシートを単一のファイルとして保存することにより、ファイル化した後に各ファイルを探し出して結合することができる。また、消去処理の前に用紙を並び替えさせる等の作業をユーザーが行わずに済み、利便性を向上させることが出来る。
【0042】
また、消去装置1にて消去処理を行う際、消去部7へシートSを搬送する前にシートSをスキャンし、スキャンしたデータより印刷された情報マークQを検出する。
【0043】
情報マークQから印字時に付加した情報を取得し、ファイル化した際に同じジョブで印字した用紙がある場合、印字順にファイルを並べ単一のファイルにまとめて保存を行う。
【0044】
読み取るシートSに情報マークが無い場合は、1枚の読み取ったシートSに対し、1枚ごとのファイルにするか(第3管理モード)、1回の消去処理のジョブに対して単一のファイルにするか(第4管理モード)、ユーザーの指定通りにファイル化を行う。
【0045】
このような管理手法を採用することで、消去装置で画像を消去する前に、スキャンしたデータをファイル化しデータを保存した際に、同じジョブで印字したシートをまとめてファイル化することができ、利便性を向上させることが出来る。
【符号の説明】
【0046】
1 消去装置
2 給紙部
3、4 シート搬送路
5,6 スキャナ部
7 消去部
8,9 排紙部

図1
図2
図3
図4