(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、第1の実施の形態による印刷システムのハードウェア構成を示すハードウェアブロック図である。
【0009】
図1に示すように、第1の実施の形態による印刷システムは、例えば、画像処理装置(印刷処理装置)1と、画像形成装置2a(MFP:Multi Function Peripheral)等を備えている。画像処理装置1と画像形成装置2aは、例えばLAN(Local Area Network)やWi−Fi(Wireless Fidelity)等の有線もしくは無線の電気通信回線Nにより相互通信可能に接続されている。
【0010】
画像処理装置1は、電気通信回線Nを介して、画像形成装置2aにプリントジョブ(印刷データ)を送信する。画像形成装置2aは、受信するプリントジョブに基づいて、プリントジョブが示す処理内容の印刷処理を実行する。
【0011】
画像処理装置1は、例えば、PC(Personal Computer)やスマートフォン等の携帯端末等からなるネットワーク端末である。画像処理装置1は、例えば、入力部101、入力I/F102、表示部103、表示I/F104、制御部105、記憶装置106および通信I/F107等を備える。
【0012】
ここで、入力部101は、キーボード、マウス、タッチパネル、タッチパッド、ペンタブレット(graphics tablet)、専用ボタン等が用いられる。入力部101は、ユーザの操作入力を受け付け、その操作入力内容に応じた信号に変換する。
【0013】
入力I/F102は、入力部101にて受け付けるユーザの操作入力を示す信号を制御部105に受け渡す。
【0014】
表示部103は、例えば、電子ペーパ、LCD(Liquid crystal display)、EL(Electronic Luminescence)、PDP(Plasma Display Panel)、CRT(Cathode Ray Tube)等が用いられる。入力部101および表示部103の機能を、いわゆるタッチパネルディスプレイによって実現しても良い。
【0015】
表示I/F104は、例えば制御部105における演算処理に基づく表示制御信号を表示部103へと受け渡す。
【0016】
制御部105は、画像処理装置1における、演算処理、表示制御処理、プリントジョブの生成処理等の各種処理に必要な演算等を行う。制御部105は、例えばプロセッサ105aおよびメモリ105b等を備える。メモリ105bは、例えばROMおよびRAMを備える。
【0017】
制御部105は、記憶装置106からメモリ105bにロードされたプログラムを実行することにより種々の機能を実現する役割も有している。なお、プロセッサ105aは、例えばCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等により構成することができる。
制御部105の機能の一部または全部を、必要に応じてASIC(Application Specific Integrated Circuit)によって回路的に実現してもよい。
【0018】
記憶装置106は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等により構成することができる。具体的に、記憶装置106は、例えば、アプリケーションプログラム106a、プリンタドライバ106b、オペレーティングシステム106cや各種設定値等を格納している。アプリケーションプログラム106aは、一般的なソフトウェアに加え、Webアプリケーションを含む。プリンタドライバ106bは、オペレーティングシステム106cのソフトウェアとして動作し、アプリケーションプログラム106aからの印刷指示に合わせて、画像形成装置2aへ送信されるプリントジョブを生成する。
【0019】
制御部105が実行するプリンタドライバbの設定画面等は、例えば、画像処理装置1の表示部103に表示される。
【0020】
通信I/F107は、画像処理装置1側における、画像形成装置2aとの通信処理のインターフェースとしての役割を有している。通信I/F107は、例えば、Bluetooth(登録商標)、赤外線接続、光接続といったIEEE802.15、IEEE802.11、IEEE802.3、IEEE1284等の適切な無線または有線の双方向性インターフェース130を介して画像形成装置2aと通信する。通信I/F107は、更に、USB規格の接続端子が接続されるUSB接続部やパラレルインタフェース等を含んでも良い。制御部105は、通信I/F107を介して画像処理装置1やUSBデバイス、その他外部機器と通信する。
【0021】
次に、画像形成装置2aについて説明する。画像形成装置2aは、例えば、通信I/F201、操作パネル202、スキャナ部203、プリンタ部2041a、プリンタ部2042a、制御部205、記憶装置206、FCU207等を備える。
【0022】
通信I/F201は、画像形成装置2a側における、画像処理装置1との通信処理のインターフェースとしての役割を有している。通信I/F201は、例えば、Bluetooth(登録商標)、赤外線接続、光接続といったIEEE802.15、IEEE802.11、IEEE802.3、IEEE1284等の適切な無線または有線の双方向性インターフェース130を介して画像形成装置140と通信する。通信I/F201は、更に、USB規格の接続端子が接続されるUSB接続部やパラレルインタフェース等を含んでも良い。制御部205は、通信I/F201を介して画像処理装置1やUSBデバイス、その他外部機器と通信する。
【0023】
操作パネル202は、ユーザの操作入力を受け付け、その操作入力内容に応じた信号に変換する。操作パネル202は、タッチパネル式の表示部202aと各種の操作キー202bとを有する。操作キー202bは、例えば、テンキー、リセットキー、ストップキー、スタートキー等を有する。また、表示部202aは、例えば、シートサイズ、コピー枚数、印刷濃度設定、あるいは仕上げ(綴じ、折り)等の印刷条件に関する指示項目を表示する。表示された項目の指示が、表示部202aから入力される。
【0024】
スキャナ部203は、原稿を画像として読み取る内蔵された走査読取ユニットと、原稿載置台、読取位置へ原稿を搬送する自動原稿送り装置とを有する。スキャナ部203の走査読取ユニットは、原稿載置台あるいは自動原稿送り装置にセットされた原稿を読取る。
【0025】
プリンタ部2041a、2042aはスキャナ部203で読取った原稿の画像データに対応する画像や、画像処理装置1から送られてきた画像データに対応する画像をシート上へ形成する。プリンタ部2041aは、消色可能な色材(消色色材)を使った印刷(消色印刷)が可能な画像形成部である。
【0026】
ここで、消色可能な色材(消色色材)としては、例えば、ロイコ染料の顕色、消色機構を利用した感熱消色性のトナーやインクのように、加熱することによって色を消去することのできる色材を採用することができる。また、消色可能な色材(消色色材)としては、薬品を用いたり、光を照射したりすることによって色を消去可能な色材を採用することもできる。また、ここでの“消色”とは、化学反応によって色を消去する手法に限らず、シート上に色材によって形成された像を物理的に削り落とすことによってシート上に形成された像そのものを消去する手法も含まれる。
【0027】
また、ここでの“消色”には、色材の色を消すことで像を無色にするだけでなく、例えば、色材の色を完全には無色ではない状態(例えば半透明)とする場合も含まれる。すなわち、対象となる色材に対して消色処理を施した結果、その色材により形成された像の視認が困難な状態となればよい。この他、色を透明に近づける場合に限らず、色紙に印字した像の色をその色紙の色に近づける等、例えば印刷対象となるシートの色に近づけることで像の視認を困難化する処理もここでの“消色”の概念に含むものとする。なお、長期間紫外線にさらされる等による経年変化による、いわゆる“退色”は、ここでの消色の概念には含まれない。
【0028】
プリンタ部2042aは、消色できない色材(非消色色材)を使った印刷(非消色印刷)が可能な画像形成部である。
【0029】
ここで、消色できない色材(非消色色材)とは、上述の消色色材とは異なり、加熱、薬品の使用、光の照射等の処理を施すことによる色の消去ができない色材である。
【0030】
制御部205は、画像形成装置2aにおける、演算処理、表示制御処理、プリントジョブの解析処理、印刷処理、シート搬送処理等の各種処理に必要な演算等を行う。制御部205は、例えばプロセッサ205aおよびメモリ205b等を備えている。プロセッサ205aは、例えばCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等により構成される。メモリ205bは、例えばROMおよびRAMを備える。
【0031】
制御部205は、記憶装置206からメモリ205bにロードされたプログラムを実行することにより種々の機能を実現する役割も有している。制御部205は、ROMあるいは、記憶装置206に格納された制御プログラム等に基づいて、操作パネル202、スキャナ部203、プリンタ部2041a、2041b、ファクシミリコントロールユニット(FCU)207を制御する。制御部205はさらに、画像データを補正、あるいは伸張する機能を有する。制御部205の機能の一部または全部を、必要に応じてASIC(Application Specific Integrated Circuit)によって回路的に実現してもよい。
【0032】
記憶装置206は、例えばHDD(Hard Disk Drive)等の磁気記憶装置、光学式記憶装置、半導体記憶装置(フラッシュメモリ等)により構成する。記憶装置206は、例えば、通信I/F201を介して画像処理装置1から受信されるプリントジョブの画像データやスキャナ部203にてスキャンされた画像データを一時的に記憶する。また、記憶装置206は、画像形成装置2aにて実行される各種プログラム(例えば、コピー機能、プリント機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能、ネットワークファイル機能といった画像形成装置が有する機能を実行するプログラムを含む)や画像処理装置1等の外部機器に提供すべき各種プログラム、あるいは各種設定値等を格納する。
【0033】
このような構成の画像処理装置1および画像形成装置2aから構成される印刷システムにおいて、画像処理装置1は、ユーザの操作入力等に基づき、インストールされているプリンタドライバ106bを用いて所望のプリントジョブを生成する。生成されたプリントジョブは画像形成装置2aに送信され、画像形成装置2の制御部205にて解析され、プリントジョブに応じた印刷処理がプリンタ部2041aおよびプリンタ部2042aの少なくともいずれかにおいて実行される。なお、プリンタドライバ106bは、プリントジョブを直接、画像形成装置2aへ送信するものに限らない。例えば、ネットワーク上の印刷サーバ(不図示)へプリントジョブを送信するものを含む。この場合、プリントジョブは印刷サーバに一時的に保存される。画像形成装置2aの操作パネル201を介して、あるいは、画像処理装置1から上記プリントジョブの印刷を開始させるための指示を印刷サーバへ送り、印刷サーバに保存されたプリントジョブを画像形成装置2aが取得する態様などが考えられる。
【0034】
画像形成装置2aは、プリンタ部2041aおよびプリンタ部2042aの内のいずれか一方による印刷処理を実行する。また、画像形成装置2aは、同一シート上にプリンタ部2041aおよびプリンタ部2042a双方を用いた印刷処理を実行する。
【0035】
図2(a)は、第1の実施の形態による画像形成装置2aの概略構成を示す概略縦断面図である。
【0036】
図2(a)に示すように、第1の実施の形態による画像形成装置2aでは、消色色材としてインクを用いるインクジェット方式のプリンタ部2041aと、非消色色材としてトナーを用いる電子写真方式のプリンタ部2042aとを備える。
【0037】
第1の実施の形態による画像形成装置2aにおける画像形成動作の一例について説明する。例えば、非消色色材として通常のトナーを使用するプリンタ部2042aによる画像形成を行う場合、まず、スキャナ部203にて原稿をスキャンして得られる画像データに基づいて生成されるコピージョブや外部機器から受信されるプリントジョブ等に従い、プリンタ部2042aの不図示の感光体上に形成されるトナー像が中間転写ベルトBのベルト面上に転写される(一次転写)。中間転写ベルトBに転写されたトナー像は、二次転写ローラRの作用により、給紙カセットCや手差しトレイ等から給紙されるシート上に転写される(二次転写)。シート上に二次転写されたトナー像は、その後定着器Hにて加熱定着され、プリンタ部2041aを通過して排紙トレイT上に排出される。
【0038】
一方、消色色材として消色可能な消色インクを使用するインクジェット方式のプリンタ部2041aによる画像形成を行う場合、スキャナ部203にて原稿をスキャンして得られる画像データに基づいて生成されるコピージョブや外部機器から受信されるプリントジョブ等に従い、給紙カセットCや手差しトレイ等から給紙されるシート上に、インク像を形成する。消色色材によるインク像が形成されたシートは、排紙トレイT上に排出される。
【0039】
第1の実施の形態による画像形成装置2aは、1枚のシートに対してプリンタ部2041aおよび2042aの双方による画像形成を行うこともできる。この場合、例えば、プリンタ部2042aにて形成されたトナー像が定着されたシートに対して、さらにプリンタ部2041aによる画像形成を行い、その後排紙トレイT上に排出する。
【0040】
なお、プリンタ部2041a、2042aは、上記の構成に限られるものではなく、プリンタ部2041aが電子写真方式の構成であり、プリンタ部2042aがインクジェット方式の構成であってもよい。あるいは、プリンタ部2041aおよびプリンタ部2042aの双方の構成がインクジェット方式であってもよい。
【0041】
図2(b)は、第1の実施の形態による画像形成装置の他の例である画像形成装置2bの概略構成を示す概略縦断面図である。
【0042】
図2(a)に示す構成では、プリンタ部2041aとプリンタ部2042aが、シート搬送方向において定着器Hを挟んで異なる位置に配置されているが、これに限られるものではない。いわゆる多連タンデム方式を採用する場合には、例えば、
図2(b)に示すように、プリンタ部2041aとプリンタ部2042aの双方が同じ中間転写ベルトB上にトナー像を形成する構成を採用することもできる。もちろん、中間転写ベルトBのベルト面に沿って配列される印刷ユニットの数は4つに限らず5つあるいはそれ以上であってもよい。
【0043】
また、
図2(b)では一例として、消色色材としての消色トナーを用いるプリンタ部2041aがK(ブラック)での画像形成が可能であり、非消色色材としての通常のトナーを用いるプリンタ部2042aがY(イエロー)、M(マゼンタ),C(シアン)の複数色での画像形成が可能な例を示しているが、これに限られるものではない。
図2(a)および(b)に示した印刷可能な色の組み合わせについては、
図2に示す例よりも少なくてもよいし、5種類以上の色の組み合わせでの印字が可能な構成とすることもできる。また、複数種類の色の組み合わせでの印刷を可能にする構成としては、
図2に例示した多連タンデム方式に限らず、いわゆるリボルバ方式を採用することもできることは言うまでもない。
【0044】
次に、ドキュメントの任意の頁範囲に対する任意の印刷設定の方法について
図3乃至
図6を用いて説明する。
図3は、ドキュメントの任意の頁範囲に対する任意の印刷設定の方法について説明するためのフローチャートである。
【0045】
図4は、画像処理装置1の制御部105が実行するプリンタドライバ106bの操作画面の一例を示す図である。
図5および
図6は、
図4のページ設定ボタン703が押されると表示部103に表示される消色印刷するページの設定を行う設定画面の一例を示す図である。
【0046】
図3のACT101において、制御部105は、消色印刷の指定を受けたか判断する。例えば、制御部105は、
図4に示すプリンタドライバ106bの操作画面700を介して、生成するプリントジョブのカラー方式の設定を取得し、取得したカラー方式が消色印刷を指示するものかを判断する。ここで、プリンタドライバ106bの操作画面700は、例えば、画像処理装置1の表示部103に表示される。
【0047】
本実施形態によるプリンタドライバ106bの操作画面700は、印刷する際のカラー方式を選択するカラー設定部701を有する。カラー設定部701は、例えばプルダウンメニューによりカラー方式を選択することができる(
図4に示す矢印Qを参照)。例えば、本実施形態では、“自動カラー”、“フルカラー”、“白黒”、“2色”、“消色”の内のいずれかを任意に選択可能である。
【0048】
プリンタドライバ106bは、操作画面700で選択された各種設定と、印刷対象の画像データとに基づきプリントジョブを生成する。プリンタドライバ106bの操作画面700で選択される各種設定としては、例えば、(1)印刷部数、(2)原稿サイズ、(3)出力する印刷シートサイズ、(4)原稿をシートに印刷する際の拡大/縮小率、(5)給紙方法、(6)シートの種別等、(7)印刷方式(ソート)、(8)両面印刷、(9)Nin1印刷、(10)ステイプル処理、(11)パンチ処理などがある。プリンタドライバ106bは、生成したプリントジョブを、例えば、画像形成装置2aへ送信する。画像形成装置2aは、取得したプリントジョブに含まれる上記カラー方式の設定等の各種設定に基づいて画像を形成する。
【0049】
プリントジョブが“自動カラー”の設定を含む場合、画像形成装置2aは、取得したプリントジョブの内容に基づいて、印刷対象となるドキュメントが黒以外の色を含んでいるか否かを自動的に判断し、原稿が黒以外の色を含んでいればフルカラーで印刷し、黒以外の色を含んでいなければモノクロ(白黒)印刷を行う。プリントジョブが“フルカラー”の設定を含む場合、画像形成装置2aは、原稿が含む色の種類に拘わらず、常に複数色(例えばY、M,C,K)の色材を使用して印刷する。プリントジョブが“白黒”の設定を含む場合、画像形成装置2aは、原稿が含む色の種類に拘わらず、常にブラック(K)の色材のみを用いて印刷を行う。プリントジョブが“2色”の設定を含む場合、画像形成装置2aは、プリンタドライバの操作画面上で選択された2つの色(印刷色)により原稿の印刷を行う。プリントジョブが“消色”の設定を含む場合、画像形成装置2aは、消色色材を用いた印刷を行う。
【0050】
もちろん、画像形成装置において利用可能なカートリッジ(あるいは色材)の構成等に応じて、消色色材での複数色での印字を可能としたり、非消色色材で単色での印字しか行えない構成としたりすることも可能である。また、上記はカラー方式の一例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、画像形成装置において消色色材のカートリッジが、K、ブルーの2色を使用できる場合には、カラー設定部701において、“消色(K)”あるいは、“消色(ブルー)”といった様に、結果として印刷に使用する色である印刷色とともにカラー方式を設定できるものであっても良い。
【0051】
カラー設定部701で“消色”が選択された場合(ACT101,Yes)、制御部105(第1設定取得部)は、消色色材を用いて印刷することを示す設定情報としての“第1設定”を取得する(ACT102)。
図4は、一例として、カラー設定部701で“消色”を選択した状態を示す。
【0052】
一方、カラー設定部701にて“消色”が選択されない場合(ACT101,No)、制御部105は印字対象であるドキュメントの対象ページの全ページに対して非消色印刷する設定とする(ACT110)。
【0053】
なお、
図4では色選択ボタン702がグレーアウト(破線で表示)しているが、色選択ボタン702は、カラー設定部701で“2色”が選択された場合に選択可能となる。
【0054】
カラー設定部701で“2色”が選択され、色選択ボタン702が選択されると、使用する色の選択画面が表示され、選択可能な色の中から所望の色(印刷色)を選択することができる。なお、2色印刷では、1色は黒とし、黒以外の部分に使用する色を選択するようにした構成であっても良いし、2色それぞれを任意に選択する構成であっても良い。
【0055】
図4に示すページ設定ボタン703は、後述する消色印刷ページ設定を行う際に選択されるボタンアイコンであり、原稿を印刷する1つのジョブにおいて、消色印刷するページと、非消色印刷するページとを混在させた状態で印刷を実行可能とするものである。
【0056】
また、制御部105は、“ページ設定”の設定がされたかを判断する(ACT103)。例えば、制御部105は、
図4におけるカラー設定部701で、“消色”が選択された場合であって(ACT101,Yes)、ページ設定ボタン703が選択されない場合、“ページ設定”の設定が選択されないと判断する(ACT103,No)。この場合、制御部105は、プリントジョブとして生成するドキュメントの対象ページの全ページを消色印刷する設定とする(ACT111)。
【0057】
一方、ページ設定ボタン703が押されると、例えば、
図5または
図6の消色印刷するページの設定を行う設定画面800が表示部103に表示される。
図5および後述の
図6では、説明を簡単にするため、選択可能な消色色材により表現されるカラーが1種類である場合を想定するものとする。ここで、本実施の形態における選択可能な消色色材により表現されるカラーが1種類である場合とは、例えば、印刷システム上利用可能な画像形成装置2bのプリンタ部2041aのトナーあるいはインクジェット等の色材のカートリッジが1つ(あるいは1色)である場合や、プリンタ部2041aが複数のカートリッジを有する場合であっても、トナーエンプティ等が生じることにより、選択可能な色が1色となった場合などがある。
【0058】
図5に示すように、設定画面800(消色印刷ページ設定画面)は、印字対象であるドキュメントを構成する複数ページのうち、ユーザにより選択された印刷設定(第1設定)に基づいて印刷するページ範囲(第1の頁範囲)を設定するページ設定部801を有する。設定画面800は、例えば、ページ設定部801として、“ページ指定”、“奇数ページ/表面”、“偶数ページ/裏面”の設定項目を有し、各設定項目は、それぞれ択一的に選択可能となっている。
図5に示すように、ページ番号によって対象ページを特定する“ページ指定”が選択された場合には、“ページ指定”に対応するテキストボックス704内に消色印刷したいページ番号を入力設定可能となる。“ページ指定”の対象となるページを範囲で指定する場合には、例えば“1−25”のように入力し、対象となるページ番号を個別に指定する場合には、例えば“1,5,9”のように入力することができる。
【0059】
制御部105(頁設定取得部)は、ページ設定画面800において、印字対象であるドキュメントを構成する複数ページのうち、ユーザにより選択された印刷設定(第1設定)に基づいて印刷するページ範囲(第1の頁範囲)が指定されると(ACT103,Yes)、当該ページ範囲を“頁設定”として取得する(ACT104)。
【0060】
制御部105(第2設定取得部)は、非消色色材を用いて印刷する際のカラー方式あるいは印刷色が設定されているかを判定する(ACT105)。ここで、非消色印刷のカラー方式あるいは印刷色が設定されている場合(ACT105,Yes)、制御部105(第2設定取得部)は、印刷対象であるドキュメントを構成する複数ページの内の、消色色材で印刷する範囲として選択されたページ範囲(第1の頁範囲)以外のページ範囲(第2の頁範囲)に対して、適用する印刷設定として非消色色材で印刷するカラー方式あるいは印刷色の印刷設定を“第2設定”として取得する(ACT106)。
【0061】
一方、非消色印刷についてのカラー方式あるいは印刷色の設定が行われない場合(ACT105,No)、制御部105は、第1の頁範囲と異なる第2の頁範囲に対して、デフォルトの非消色印刷のカラー方式あるいは印刷色の設定を“第2設定”として取得する(ACT112)。
【0062】
制御部105(生成部)は、印刷設定の対象となるドキュメントを構成する複数ページのうち、取得された“頁設定”が示す“第1の頁範囲”を“第1設定”に基づいて消色色材で画像形成装置2aにて印刷させ、“第2の頁範囲”を“第2設定”に基づいて非消色色材で画像形成装置2aにて印刷させるプリントジョブ(印刷データ)を生成する(ACT109)。
【0063】
この他、
図5に示すページ設定部801において“奇数ページ/表面”が選択された場合には、制御部105は、画像形成装置2aにおいて奇数ページを消色色材で印刷させ、指定されなかったページを非消色色材で印刷させるプリントジョブを生成する。また、
図5に示すページ設定部801において“偶数ページ/裏面”が選択された場合には、制御部105は、画像形成装置2aにおいて偶数ページを消色色材で印刷させ、指定されなかったページを非消色色材で印刷させるプリントジョブを生成する。
【0064】
図5のページ設定画面800には、さらに非消色印字する際に印刷に用いるカラー方式を指定するための非消色カラー設定部705がある。非消色カラー設定部705は、カラー設定部705aと色選択ボタン705bを有する。カラー設定部705aは、例えば、本実施形態では、“自動カラー”、“フルカラー”、“白黒”、“2色”の内のいずれかを任意に選択可能である。これらのカラー方式の説明は、カラー設定部701のカラー方式の説明と共通するので省略する。ここでカラー方式が設定されると、設定されたカラーで、ページ設定部801で設定されなかったページ(第2の頁範囲)を非消色印刷する。
図5に示す色選択ボタン705bは、カラー設定部705aで“2色”が選択された場合に使用する色(印刷色)を不図示のカラーパレット等により選択する。色が選択されると、色選択ボタン705bの横に、選択された色が表示される。なお、カラー設定部705aで“2色”以外のカラー方式が選択された場合には、色選択ボタン705bはグレーアウトの状態になり、選択できない。
【0065】
上述の例では、ページ指定のためのテキストボックス704(
図5を参照)に入力されたページが、消色印刷の対象となり、指定されなかったページが自動的に非消色印刷の対象となる場合を例示したが、これに限られるものでない。例えば、ページ指定のためのテキストボックス704(
図5を参照)に入力されたページを“非消色印刷”の対象とし、指定されなかったページを自動的に“消色印刷”の対象とするようにしてもよい。すなわち、制御部105は非消色色材を用いて印刷することを示す設定情報として“第1設定”を取得し、“第1設定”に基づいて印刷するページ範囲(第1の頁範囲)を“頁設定”として取得し、第1の頁範囲と異なる第2の頁範囲に対して、“第2設定”として消色印刷の印刷設定を取得するとしても良い。
【0066】
なお、印刷したくないページは、プリンタドライバとは異なる、文書作成ソフトや表計算ソフト等の各種アプリケーション毎に備えられている印刷プログラムから印刷するページを指定することで、指定されなかったページを印刷しないようにできる。この他、消色印刷するページ、非消色印刷するページの両方を指定させ、指定されなかったページは印刷しないようにしても良い。
【0067】
また、
図6は、消色印刷ページ設定画面において、さらに、チェックボックス706にて“非消色印字をしない”ことを設定可能にした一例を示す。
図6に示すように、消色したいページを指定した場合(ここでは、1〜25ページに設定されている。)であって、“非消色印字をしない”が選択された場合には(ACT107,Yes)、プリンタドライバ106bは、ページ設定部801で指定したページのみを消色印刷し(ACT108)、指定されなかったページは、消色印刷も非消色印刷も実行させないように印刷設定する。“非消色印字をしない”が選択された場合には、非消色印刷のカラー設定部705aおよび色選択ボタン705bはグレーアウトし、非消色印刷のカラー選択ができない状態となる。一方、“非消色印字をしない”が選択されない場合(ACT107,No)、制御部105は、設定された非消色印刷および消色印刷についての設定内容をプリントジョブに反映する設定内容とする(ACT113)。
【0068】
(第1の実施の形態の変形例)
次に、消色印刷のカラー方式(あるいは印刷色)の選択機能を有するプリンタドライバ106bの実施の形態について説明する。
図7は、消色印刷のカラー方式選択機能を有するプリンタドライバ106bの消色印刷ページ設定画面の一例を示す。本実施の形態のプリンタドライバ106bは、
図2(a)および
図2(b)に例示したような互いに異なる色の消色色材の複数のカートリッジを備える画像形成装置において印刷させる場合に、消色印刷のカラー方式を設定してプリントジョブを生成する。ここで、異なる色の消色色材の複数のカートリッジを備える画像形成装置とは、例えば、非消色カートリッジの他に、ブラック(K)及びブルー(B)の2種類の消色カートリッジ、YMCの3種類の消色カートリッジ、YMCKの4種類の消色カートリッジ、あるいはCK等の2種類の消色カートリッジを備える構成などがある。非消色カートリッジ、消色カートリッジの装着の組み合わせは、例示したものに限定されず、様々な組み合わせが可能である。また、例示したYMCKあるいはB以外の色の消色カートリッジを装着しても良い。
【0069】
図7に示すページ設定画面800’では、一例として、非消色印刷のカラー方式だけでなく、消色印刷のカラー方式も同様に任意に選択可能となっている。
図7の消色印刷のカラー設定部707aのプルダウンが選択されると、
図8に示すように、選択可能となる項目がプルダウンメニューで表示される。なお、消色印刷のカラー設定部707aで選択可能となるカラーメニューは、画像形成装置2aに装着されるカートリッジの組み合わせによって異なる。例えば、“黒色の単色カラー”あるいは“消色(K)”や“青色の単色カラー”あるいは“消色(ブルー)”での印刷等を選択することもできる。
【0070】
消色印刷のカラー設定部707aの横にある色選択ボタン707bは、カラー設定部707aで“2色”が選択された場合に印刷に使用する色を選択する。カラー方式が選択されると、色選択ボタン707bの横の正方形の枠707ba内に、選択された色が表示される。なお、カラー設定部707aで“2色”以外が選択された場合には、色選択ボタン707bはグレーアウトの状態になり、選択できない状態となる。非消色印刷のカラー選択部707aは、
図5および
図6にて説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0071】
このように、制御部105は、画像形成装置2aにて利用可能な色材により表現される互いに異なる複数の色の内のいずれにより印刷させるかを指定する色選択情報(印刷色)を含む設定情報を取得することができる。
【0072】
図9は、消色印刷のページ設定が完了した状態を示す。プリンタドライバにより表示される設定画面は、消色印刷ページ設定が設定された場合に、設定条件の一覧を表示する設定一覧表示部708を備える。この設定一覧表示部708は、消色印刷ページ設定が設定され、1つのジョブにおいて、消色印刷するページと、非消色印刷するページとを混在させた印刷設定がなされたことを、ユーザに対して表示する。
【0073】
図9に示すプリンタドライバの設定画面の設定一覧表示部708では、“消色ページ指定:有“消色カラー:白黒“非消色カラー:白黒”と表示することにより、ユーザに消色印刷と非消色印刷のページが混在する印刷設定であることを表示している。なお、設定一覧表示部708に表示される情報は、ユーザに消色印刷するページと、非消色印刷するページとを混在させた印刷設定がなされたことを伝えられるメッセージやアイコンを表示する構成であっても良い。
【0074】
なお、設定一覧表示部には、消色印刷ページ設定だけでなく、それ以外の設定、両面印刷や、Nin1などの印刷設定が表示されても良い。また、プリンタドライバ106bの操作画面は、画像処理装置1の表示部103に表示されるものを示したが、これに限定されない。例えば、プリンタドライバ106bの操作画面は、プリンタドライバ106bが実行される画像処理装置1と異なる外部端末の表示部に表示される構成であっても良い。
【0075】
(第2の実施の形態)
続いて、第2の実施の形態について説明する。
【0076】
第2の実施の形態は、上述の第1の実施の形態の変形例である。以下、第2の実施の形態において、第1の実施の形態にてすでに説明した部分と同様な機能を有する部分については同一符号を付し、説明は省略する。第2の実施の形態において採用されるハードウェア構成は、一例として上述の第1の実施の形態と同様な構成を採用するものとする。
【0077】
第1の実施の形態では、消色色材での印刷対象となるページ範囲の指定について説明したが、第2の実施の形態では、さらに、1つのドキュメントデータについて生成する1つのプリントジョブにおいて、消色印刷する部数と、非消色印刷する部数とをそれぞれ個別に設定可能とする。
【0078】
図10は、第2の実施の形態におけるプリンタドライバ106bの設定画面の一例を示す図である。
図10に示す設定画面700は、
図8にて例示した設定画面700と比較して、“消色/非消色印刷部数”を設定するためのボタン709を備える点が異なる。消色/非消色印刷部数設定ボタン709は、同一のドキュメントデータについて“消色印刷する部数”と“非消色印刷する部数”とをそれぞれ設定するためのボタンである。消色/非消色印刷部数設定ボタン709は、カラー設定部701で消色印刷が選択された場合に、選択可能となる。なお、“消色/非消色印刷部数”と“ページ指定”の設定は、いずれかが択一的に選択される。“カラー印刷”の設定で、“消色”が選択された場合であって、“消色/非消色印刷部数”と“ページ指定”の設定のいずれも選択されない場合には、その印刷設定に基づいて生成されるプリントジョブは、全ての部数について消色印刷を実行する。
【0079】
消色/非消色印刷部数設定ボタン709の横に表示される矩形領域709aおよび709b内に表示される数字は、それぞれ、“消色印刷する部数”(
図10に示す例では1部)と“非消色印刷する部数”(
図10に示す例では0部)を表し、消色/非消色印刷部数設定ボタン709が選択されていない状態ではグレーアウト表示され、消色/非消色印刷部数設定ボタン709が選択されると選択可能な表示状態となる。消色/非消色印刷部数設定ボタン709が選択されたばかりの状態では、まだ、印刷部数の詳細な設定が行われていないので、ジョブ全体の部数設定(
図10ではデフォルトの“1”(排紙先の設定部の下の部数指定欄))に対応して、消色印刷の部数が“1”と表示されている。
【0080】
図10において、消色/非消色印刷部数設定ボタン709に対応するラジオボタンがチェックされ(
図10に示す選択状態)、さらに消色/非消色印刷部数設定ボタン709が押下されると、制御部105は、
図11に例示するような、消色/非消色印刷部数を設定するための部数設定画面810を表示部103に表示させる。
図11に例示する部数設定画面810において、ユーザは、印刷設定の対象となっているドキュメントに基づく、“消色印刷する部数”および“非消色印刷する部数”を設定する。また、
図11に例示する部数設定画面810では、第1の実施の形態と同様に、消色印刷を行う場合のカラー方式や非消色印刷を行う場合のカラー方式についても設定可能としている。
【0081】
図11に示す部数設定画面810では、
図11の消色印刷のカラー設定部707aのプルダウンが選択されると、選択可能となる項目がプルダウンメニューで表示される。なお、消色印刷のカラー設定部707aで選択可能となるカラーメニューは、画像形成装置2aに装着されるカートリッジの組み合わせによって異なる。例えば、“黒色の単色カラー”や“青色の単色カラー”での印刷等を選択することもできる。
【0082】
消色印刷のカラー設定部707aの横にある色選択ボタン707bは、カラー設定部707aで“2色”が選択された場合に印刷に使用する色を選択する。カラー方式が選択されると、色選択ボタン707bの横の正方形の枠707ba内に、選択された色が表示される。なお、カラー設定部707aで“2色”以外が選択された場合には、色選択ボタン707bはグレーアウトの状態になり、選択できない状態となる。非消色印刷のカラー選択部705aおよび色選択ボタン705bについては、上述の
図5および
図6にて説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0083】
これにより、ユーザは、消色印刷と非消色印刷のプリントジョブの指示を別々に行う必要が無く、利便性が高い。
【0084】
(第3の実施の形態)
続いて、第3の実施の形態について説明する。
【0085】
第3の実施の形態は、上述の各実施の形態の変形例である。以下、第3の実施の形態において、上述の各実施の形態にてすでに説明した部分と同様な機能を有する部分については同一符号を付し、説明は省略する。第3の実施の形態において採用されるハードウェア構成は、一例として上述の第1の実施の形態と同様な構成を採用するものとする。
【0086】
消色印刷の目的は、“印刷したシートを再利用すること”であるので、消色印刷をする場合に、ステイプル、中折り、糊付け、ホールパンチといった様にシートに傷をつけたり、除去困難な残留物が生じたりする処理(所定の処理)は好ましくない。本実施の形態は、消色印刷に適したフィニッシング設定を、状況に併せて適切に設定する。
【0087】
図12に例示する設定画面では、カラー設定部701で“消色”が選択された状態を示している。この場合、制御部105は、
図12に例示する設定画面700の右側に上下方向に複数配列されているフィニッシング設定のうち、“ステイプル”、“ホールパンチ”および“中折り”の設定部をグレーアウトさせ、選択不可とする。あるいは、“ステイプル無し”を示す設定アイコンW1、“ホールパンチ無”を示す設定アイコンW2、“中折無”を示す設定アイコンW3が選択された状態を維持し、その他の選択アイコンを選択不可とするようにしてもよい。
【0088】
なお、“両面印刷”や、“Nin1”の設定は、消色印刷のみ(例えば、“カラー”設定部で消色が選択された状態)であれば、シートの再利用に影響なく実行可能であるので、
図12に例示する設定画面700上では選択可能な状態となっている。
【0089】
第3の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様、消色印刷したいページ範囲が設定されると、制御部105は、消色印刷するページと、非消色印刷するページとを混在させたプリントジョブを生成する。画像処理装置1にて生成されるプリントジョブは、画像形成装置2aに送信され、画像形成装置2aは受信したプリントジョブにより指定される印刷設定に基づいて画像形成処理を実行する。
【0090】
第1の実施の形態では、“両面印刷”の設定や“Nin1”の設定がされている場合には、例えば同一のシートの裏面に消色印刷が行われ表面に非消色印刷が行われたり、同一のシートのいずれかの面上に消色色材による印刷と非消色色材による印刷の双方がなされたりする虞があり、その場合には、シートの再利用率は低下することになる。
【0091】
そこで、第3の実施の形態におけるプリンタドライバ106bの設定画面700上では、さらに消色印刷と非消色印刷のページが混在する“消色印刷ページ設定”が設定された場合には、両面印刷やNin1印刷の設定領域をグレーアウト表示に変更し、ユーザが選択できないようにする。
【0092】
図13は、消色印刷の設定とフィニッシングの設定をする場合に制御部105が行う判断フローチャートの一例である。制御部105は、プリンタドライバ106bの設定画面700におけるカラー設定部701で“消色印刷”が選択された場合には(ACT201,Yes)、例えば“ステイプル”、“ホールパンチ”の設定アイコン等をグレーアウト表示に切り替え、これらについての設定操作を不可とする(ACT203)。ここで、消色印刷ページ設定(
図5等を参照)が設定された場合には(ACT202,Yes)、“ステイプル”および“ホールパンチ”に加えて“両面印刷”や“Nin1印刷”の設定アイコン等をグレーアウト表示に切り替え、これらについての設定操作を不可とする(ACT204)。制御部105は、印刷実行指示を受け付けた後(ACT205,Yes)、生成した消色印刷のプリントジョブを画像形成装置2aに送信する。
【0093】
次に、消色印刷の設定前に、ステイプル等のフィニッシングの設定が選択された場合を説明する。
図14は、消色印刷の設定前に、ステイプル等のフィニッシングの設定が選択された場合の制御部105の処理の一例を示すフローチャートである。
【0094】
フィニッシング等の設定が先に選択された場合には、制御部105(生成部)は、プリンタドライバの設定画面700におけるカラー設定部701で“消色印刷”が選択されたかを判断する(ACT301)。制御部105(生成部)は、消色印刷が設定されていなければ(ACT301,No)、通常の非消色印刷のプリントジョブを生成して画像形成装置2aに送信する。一方、消色印刷が選択され(ACT301,Yes)且つ消色印刷ページ設定はなされていない場合(ACT302,No)には、制御部105(生成部)は、解除対象をステイプル、パンチ処理と判断し(ACT303)、それらの設定がされていれば、これら解除対象であるフィニッシング処理の設定を解除するかをユーザに問い合せる(ACT305)。
【0095】
消色印刷が選択され(ACT301,Yes)、且つ消色印刷ページ設定がされた場合には(ACT302,Yes)、制御部105(生成部)は、ステイプルおよびパンチに加えて、両面、Nin1も解除対象と判断し、それらの設定がなされていれば、これら解除対象であるフィニッシング処理の設定を解除するかをユーザに問い合せる(ACT305)。ユーザが問い合わせに対して設定を解除する指示を出した場合には(ACT306,Yes)、制御部105(生成部)は、消色印刷の設定を維持し、フィニッシングの解除対象の処理の設定を解除したプリントジョブを生成する(ACT307)。
【0096】
一方、ユーザが解除の指示をしない場合には(ACT306,No)、制御部105(生成部)は、非消色のカラー設定等は設定可とし(ACT308)、フィニッシングの設定を維持し(ACT309)、消色印刷の設定を不可としたプリントジョブを生成する。
【0097】
なお、上記実施の形態では、ステイプル等の設定後に消色印刷設定を選択した場合に、ユーザに問い合わせを行っていたが、問い合わせを行うことなく、後から設定された指示を優先的に採択する、すなわち、消色印刷設定を有効にし、ステイプル等の設定を解除する構成としても良い。このように、本実施の形態によるプリンタドライバ106bでは、プリントジョブの印刷設定を含む生成プロセスにおいて、結果として特定のフィニッシング処理と消色印刷とが同じプリントジョブに結果として混在することのないようにしている。
【0098】
このように、本実施の形態における制御部105(生成部)は、印刷対象であるドキュメントを構成する複数頁の内のいずれかを消色色材を用いて印刷する設定がされている場合、該ドキュメントを構成する複数の頁の内の一部または全部に対して設定されている両面印刷、Nin1印刷、綴じ処理および孔あけ処理の内の少なくともいずれかについての設定を無効にした状態で該ドキュメントについてのプリントジョブ(印刷データ)を生成する。
【0099】
(第4の実施の形態)
続いて、第4の実施の形態について説明する。
【0100】
第4の実施の形態は、上述の各実施の形態の変形例である。以下、第4の実施の形態において、上述の各実施の形態にてすでに説明した部分と同様な機能を有する部分については同一符号を付し、説明は省略する。第4の実施の形態において採用されるハードウェア構成は、一例として上述の第1の実施の形態と同様な構成を採用するものとする。
【0101】
第3の実施の形態では、消色印刷が設定された場合には、ステイプル等の設定を原則禁止したものを示したが、本実施の形態では、ユーザによる指定に応じて、より柔軟に消色印刷の設定とフィニッシングの設定を可能としている。
【0102】
図15は、第4の実施の形態におけるプリントジョブの生成処理について説明するフローチャートである。
【0103】
消色/非消色印刷部数設定がされた場合((ACT401,Yes)、(ACT402,Yes))には、制御部105(生成部)は、ステイプル等の設定を可能とし(ACT403)、消色印刷については設定された部数分、ステイプル等を行わず、非消色印刷については設定された部数分ステイプル等の処理を行わせる印刷設定を行い、ジョブを送信する(ACT404)。
【0104】
この場合、画像形成装置としては、ステイプル等の処理を行う非消色印刷の排紙先と、行わない消色印刷の排紙先とを異なる排紙先に設定することが望ましい。また、画像形成装置側において、ステイプル等の処理を行う非消色印刷の排紙先と、行わない消色印刷の排紙先とを異なる排紙先とを同じにする場合でも、トレイ上への排出位置を異ならせるようにしてもよい。
【0105】
また、消色/非消色印刷部数設定がされていない場合((ACT401,Yes)、(ACT402,No))には、制御部105(生成部)は、ステイプル等の設定を不可とし(ACT405)、ステイプル等の設定を解除した状態で消色印刷のプリントジョブを生成し、当該プリントジョブを画像形成装置に送信する(ACT406)。
【0106】
この他、消色印刷が設定されていない場合(ACT401,No)には、制御部105(生成部)は、ステイプル等の設定を可能とし(ACT407)、消色印刷が設定されていれば(ACT408,Yes)、これらステイプル等の設定を解除するかをユーザに問い合せる(ACT409)。制御部105(生成部)は、ユーザが上記ステイプル等の設定の解除を希望する場合(ACT410,Yes)、ACT406へと処理を進める。
【0107】
一方、制御部105(生成部)は、ユーザが上記ステイプル等の設定の解除を希望しない場合(ACT410,No)、非消色印刷のカラー方式の設定を行うかユーザに問い合わせ(ACT411)、非消色印刷のカラー方式の設定を行う場合(ACT411,Yes)、非消色印刷のプリントジョブを生成し、画像形成装置に送信する(ACT412)。
【0108】
なお、
図15のフローチャートでは、ステイプル等の設定の前に消色設定をした場合には、ステイプル等の設定を禁止する処理を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、消色設定をした後に、ステイプル等の選択自体は可能とし、ステイプル等が選択された場合には、後から指示されたステイプル等の選択を優先するか、ユーザに問い合せる構成としてよい。また、ユーザに問い合わせを行うことなく、後から設定された指示を優先的に採択する構成としても良い。なお、本実施の形態ではNin1や両面印刷の設定は問題なく実施してよい。
【0109】
図16は上記実施の形態の変形例である。上記実施の形態では、消色/非消色印刷部数設定ボタン709による消色印刷する部数と非消色印刷する部数の設定がなされた場合には、ステイプル等の設定を可能としたが(ACT403)、
図16に示すプリンタドライバ設定画面では、(1)ステイプル、ホールパンチ、中折り等の設定を非消色印刷にのみ適用する、(2)ステイプル、ホールパンチ、中折り等の設定を、消色/非消色印刷に拘わらず、全てに適用させる、のいずれの設定とするかをユーザが択一的に選択できるラジオボタン710を設けた。
【0110】
すなわち、“非消色のみ有効”が選択された場合には、“消色/非消色印刷部数設定”が設定された場合に、非消色印刷の部数分、ステイプル等が適用され、“全てに有効”が設定された場合には、消色/非消色印刷に拘わらず全部数分ステイプル等が適用される。
【0111】
また、“全てに有効”の場合には、単にカラーが“消色”の場合や、“ページ指定”の設定がされた場合であっても、ステイプル等が適用されるようにしてよい。一方、“非消色のみ有効”が選択された場合には、“消色/非消色印刷部数設定”が設定された場合にのみ適用されることが好ましい。
【0112】
なお、画像処理装置1にて生成されるプリントジョブの送信先は、必ずしも画像形成装置である必要はなく、ネットワーク上の印刷サーバであっても当然良い。
【0113】
また、上述の各実施の形態では、画像形成装置2aが非消色色材を用いてカラー印刷可能である物を想定して説明したが、画像形成装置がモノクロ印刷しかできない場合には、“カラー選択”あるいは、“色選択”が不要となる。
【0114】
上述の各実施の形態において、チェックボックス、プルダウンメニュー、ラジオボタン、テキストボックス等による入力手段は、あくまで一例であり、これらのような入力手段を任意に組み合わせ、異なるインターフェースを構成してもよいし、他の操作入力手段を採用してもよい。すなわち、情報入力や択一的な項目選択を行う上で、その目的が達成できれば、そのインターフェースの表示形式等は問わない。
(第5の実施の形態)
【0115】
第3および第4の実施の形態では、プリントジョブ生成を行うプリンタドライバ106bについて消色印刷をする場合の所定の処理(ステイプル、ホールパンチ、中折り等)の設定に関して例示した。一方で、第3および第4の機能を有さないプリンタドライバにおいては、消色印刷の指示と、それに適さない上記所定の処理の指示とを含むプリントジョブが生成されることになる。また、プリンタドライバからネットワーク上の印刷サーバへプリントジョブを送信し、印刷サーバ上のプリントジョブを画像形成装置が取得する印刷システムにおいては、プリントジョブに指示された設定に従い、印刷可能な構成を画像形成装置が有さない場合がありうる。
【0116】
そこで、以下では、プリントジョブを取得した画像形成装置において、状況に応じて適切な消色印刷を行うことができる画像形成装置について説明する。
【0117】
図17は、本実施の形態における画像形成装置2aの処理について説明するフローチャートである。
【0118】
画像形成装置2aにおける制御部205(受信部)は、通信I/F201を介して、画像処理装置1からプリントジョブを受信する(ACT901)。
【0119】
制御部205は、受信したプリントジョブがシートの再利用を困難にする所定の処理(ステイプル、ホールパンチ、中折り等)の実行指示を含み、且つプリンタ部2042aによる消色印刷を要求するものである場合(ACT902,Yes)、当該所定の処理を除く他の指示に基づく消色印刷処理をプリンタ部2042aにおける実行対象とする(ACT903)。
【0120】
また、制御部205は、受信されるプリントジョブが指定する印刷色が、画像形成装置2aにて利用可能な色材により印刷可能であるか判定し、画像形成装置2aにて利用可能な色材により印刷できない色であると判断した場合(ACT904,No)、前記画像形成装置にて利用可能な色材により表現可能な印刷色により印刷する(ACT905)。
【0121】
なお、上述の各実施の形態によれば、例えば以下のような機能を備える画像形成装置を提供することもできる。
(1)消色色材による印刷を行う印字部と、
プリントジョブを受信する受信部と、
プリントジョブがシートの再利用を困難にする所定の処理(ステイプル、ホールパンチ、中折り等)の実行指示を含む場合に、当該所定の処理を除く他の指示に基づく印刷処理を前記印字部に実行させる制御部と、
を備える画像形成装置。
(2)前記制御部は、前記受信部にて受信されるプリントジョブが指定する印刷色が、前記画像形成装置にて利用可能な色材により印刷可能であるか判定し、前記画像形成装置にて利用可能な色材により印刷できない色であると判断した場合、前記画像形成装置にて利用可能な色材により表現可能な印刷色により印刷する(1)に記載の画像形成装置。
【0122】
本実施の形態では、発明を実施する機能を実現するためのプリンタドライバプログラムが、装置内部に設けられた記憶領域に予め記録されている場合を例示したが、これに限らず同様のプログラムをネットワークから装置にダウンロードしても良いし、同様のプログラムをコンピュータ読取可能な記録媒体に記憶させたものを装置にインストールしてもよい。記録媒体としては、プログラムを記憶でき、かつコンピュータが読み取り可能な記録媒体であれば、その形態は何れの形態であっても良い。具体的に、記録媒体としては、例えば、ROMやRAM等のコンピュータに内部実装される内部記憶装置、CD−ROMやフレキシブルディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカード等の可搬型記憶媒体、コンピュータプログラムを保持するデータベース、或いは、他のコンピュータ並びにそのデータベースや、回線上の伝送媒体などが挙げられる。またこのように予めインストールやダウンロードにより得る機能は装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と共働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0123】
なお、プログラムは、その一部または全部が、動的に生成される実行モジュールであってもよい。
【0124】
また、上述の各実施の形態にてプログラムを1つあるいは複数のCPUやMPUによって実行させることにより実現される各種処理は、その少なくとも一部を、ASICにて回路的に実行させることも可能であることは言うまでもない。
【0125】
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、すべて本発明の範囲内のものである。