(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
車両のショックアブソーバのピストンロッドの外周を取り囲むように配置されると共に、車体側に取着される環状部材に結合される筒状の本体筒部を備えるダストカバーの製造装置であって、
前記本体筒部は、軸方向端部に連成された袋部を備え、前記袋部は、前記本体筒部と比較して容易に破断される脆弱部が周方向に沿って形成され、
前記製造装置は、
前記本体筒部の軸方向端部に前記袋部が連成された袋状体に挿入される支柱と、
前記支柱の先端に設けられると共に前記袋部が被せられる頭部と、
前記頭部に被せられた前記袋部が挿入される前記環状部材の軸方向の一方側の端面に当接可能に配置される当接部材と、
前記当接部材と前記支柱とを軸方向へ相対移動させる駆動装置と、
前記環状部材に挿入され固定された前記袋部の前記脆弱部と前記本体筒部との間の内挿端部を拘束する拘束装置とを備え、
前記駆動装置は、前記拘束装置によって前記内挿端部が前記環状部材に拘束された状態で、前記環状部材に当接する前記当接部材と前記支柱とを軸方向へ相対移動させて前記脆弱部を破断することを特徴とする製造装置。
車両のショックアブソーバのピストンロッドの外周を取り囲むように配置されると共に、車体側に取着される環状部材に結合される筒状の本体筒部を備えるダストカバーの製造方法であって、
前記本体筒部と比較して容易に破断される脆弱部が周方向に沿って形成された袋部が前記本体筒部の軸方向端部に連成された袋状体を準備する準備工程と、
支柱の先端に設けられた頭部に前記袋状体の前記袋部を被せる被せ工程と、
前記袋部を前記環状部材へ挿入し、前記脆弱部と前記本体筒部との間の内挿端部を前記環状部材に固定する固定工程と、
前記環状部材に固定された前記内挿端部を拘束する拘束工程と、
前記内挿端部が前記環状部材に拘束された状態で、前記環状部材と前記支柱とを軸方向へ相対移動させて前記脆弱部を破断させ、前記環状部材に固定された内挿端部を残して軸方向端部側を除去する除去工程とを備えていることを特徴とするダストカバーの製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。まず、
図1を参照して、本発明の第1実施の形態におけるダストカバー1の概略構造について説明する。
図1は第1実施の形態におけるダストカバー1が装着されたサスペンション機構の軸方向断面図である。サスペンション機構は、下端が車輪(図示せず)側に接続されたショックアブソーバ110の上端を、マウント装置(図示せず)を介して車体フレーム(図示せず)側へ接続することで、車輪を車体フレームに対して上下方向へ揺動可能に懸架するための機構である。
図1では、理解を容易にするため、車体(車体フレーム)及びマウント装置の図示は省略し、ショックアブソーバ110及びコイルスプリング113の軸方向(
図1上下方向)の一部の図示を省略する。
【0012】
図1に示すようにサスペンション機構は、ショックアブソーバ110のシリンダ111にコイルスプリング113の下端部(図示せず)が固定され、コイルスプリング113の上端部とマウント装置(図示せず)の受座との間にスプリングシートラバー100(環状部材)が介設される。車輪側からショックアブソーバ110を介して車体フレーム側へ伝達される振動はマウント装置によって、車輪側からコイルスプリング113を介して車体フレーム側へ伝達される振動はスプリングシートラバー100によって、それぞれ低減される。
【0013】
スプリングシートラバー100は、軸方向(
図1上下方向)視円環状に形成される本体部101と、その本体部101から径方向外側へ向かって張り出して形成されるフランジ部102とを備え、それらが適宜なばね定数を有するゴム状弾性体によって一体形成される。本実施の形態では、スプリングシートラバー100は、本体部101の軸方向一端側(
図1下側)の内周縁から径方向内側へ向かって円環状に突出する突出部103を備えている。
【0014】
ダストカバー1は、ショックアブソーバ110へのダストの侵入を防ぐための薄肉の筒状の部材であり、ショックアブソーバ110のピストンロッド112の外周を取り囲むように配置される本体筒部2と、シリンダ111の外周部に配置される開口端部3と、ピストンロッド112の先端側に配置されると共にスプリングシートラバー100の本体部101に挿入される内挿端部4とを備え、それらが一体成形されている。
【0015】
本体筒部2は、軸方向の弾性を確保するため蛇腹状に形成され、径方向外側へ向かって突出するフランジ状の張出部5が軸方向端部に形成される。張出部5は、本体筒部2と内挿端部4とを軸方向に区画するための部位であり、スプリングシートラバー100の本体部101の軸方向端面(
図1下側面)に当接し得る外径を有している。張出部5によって、スプリングシートラバー100の本体部101への内挿端部4の挿入長さが決定される。
【0016】
本実施の形態では、ダストカバー1は熱可塑性樹脂により一体成形される。熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン径樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン系樹脂等の各種の熱可塑性エラストマー;ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂にエチレン・プロピレンゴムを混合して分散化したもの等の中から適宜選択できる。なお、ダストカバー1をゴム弾性体で成形することは可能である。
【0017】
次に
図2を参照して、スプリングシートラバー100の本体部101にダストカバー1の内挿端部4を内挿するときに用いられる袋状体10について説明する。
図2は袋状体10の斜視図である。
【0018】
図2に示すように袋状体10は、径方向端部側が本体筒部2より縮径された袋部11が、開口端部3と反対側の本体筒部2の軸方向端部に連成される成形体である。袋部11は、本体筒部2(張出部5)に連成されると共に略円筒状に形成される基部12と、基部12に連成されると共に軸方向端部へ向かうにつれて漸次縮径する略円錐状の先端部13とを備えている。本実施の形態では、袋部11は軸方向端部(先端)が閉じた中空状に形成されている。
【0019】
基部12は、張出部5に沿って周方向に連続した溝状に形成される溝部14(
図1参照)と、溝部14より軸方向端部側(先端側)に位置しスプリングシートラバー100の本体部101の内周面に面する外周部16とを備えている。本実施の形態では、外周部16は、軸方向端部(
図2上側)へ向かうにつれて漸次縮径する円錐台状に形成される。基部12は、外周部16より軸線O寄りに位置する凹部17が、周方向に所定の間隔をあけて軸対称状の複数箇所(本実施の形態では16箇所)に凹設される。凹部17は、側面視して、軸方向(
図2上下方向)に延びる略長円状に形成される。
【0020】
先端部13は、基部12に連成される袋状の部位であり頂部に凸部18(被係合部)が形成される。凸部18は、軸線O上に位置し、先端部13の頂部の表面から裏面(開口端部3側)へ向けて突出する部位である。凸部18は、袋状体10を成形するときに作られる(後述する)。
【0021】
袋状体10は、袋部11の基部12に脆弱部20が設けられる。脆弱部20は、本体筒部2や先端部13と比較して容易に破断される部位であり、張出部5に沿って周方向の全周に亘って設けられる。本実施の形態では、脆弱部20は、外周部16の厚さ方向に貫通すると共に周方向に延びる切れ目21と、切れ目21の周方向両側に位置し凹部17に設けられる連結部22とを備え、全体として基部12の周方向に延びるミシン目状に形成される。脆弱部20によって袋状体10から袋部11が分離されることにより、ダストカバー1が製造される。
【0022】
次に
図3を参照して袋状体10の製造方法の一例について説明する。本実施の形態では、ブロー成形法によって袋状体10を製造する場合について説明する。
図3は袋状体10の製造方法を説明する模式図であって、
図3(a)はパリソン205の押出工程を示す模式図であり、
図3(b)は気体吹き込み工程を示す模式図であり、
図3(c)は離型および仕上げ工程を示す模式図である。
【0023】
図3(a)に示すように、ダストカバー1の外形に対応するキャビティ203の内面を備えた一対の成形型201,202を準備し、押出工程では、加熱によって軟化された成形材料であるパリソン205をノズル204から筒状に押出し、成形型201,202の間に配置する。
【0024】
次に
図3(b)に示すように、成形型201,202を互いに接近させて、上下端においてパリソン205を押し潰すことにより、キャビティ203(
図3(a)参照)内にパリソン205を袋状に配置する。気体吹き込み工程では、成形型201,201の頂部の合わせ面からパリソン205の中空部分にブローピン206を用いて気体を吹き込むことにより、パリソン205を径方向に膨張させるように変形させて、キャビティ203の内面に押し付ける。これにより所定形状の成形体210が成形される。
【0025】
成形型201,202を冷却して成形体210を冷却固化させる。次いで、
図3(c)に示すようにブローピン206を上昇させると共に成形型201,202を相互に分離させて離型させ、成形型201,202から成形体210を取り出す。成形体210の頂部に、ブローピン206により生じたバリ(凸部18)が残存する。
【0026】
仕上げ工程では、成形体210の軸方向一端側を、刃物(図示せず)を使って切断線Aにおいて切断する(切り離す)ことで開口端部3(
図2参照)が形成される。また、成形体210の軸方向他端側を、刃物(図示せず)を使って径方向外側から切断線Bにおいて切断する(切れ目21及び連結部22を形成する)ことで、脆弱部20(
図2参照)が形成される。これにより、薄肉の袋状体10が製造される。
【0027】
次に
図4を参照して脆弱部20について説明する。
図4は袋状体10の軸線Oと直交する脆弱部20の断面図である。
図4に示すように袋状体10は、外周部16より軸線O方向に位置する複数の凹部17が外周部16に凹設される。凹部17は、軸直角方向断面が円弧状に形成される。外周部16の表面から凹部17の表面までの凹み量Dは、外周部16の厚さTより大きく設定される。好ましくはD=T+α(但し、αは外周部16の厚さや芯ずれ等のばらつきを考慮した値)に設定される。脆弱部20は、外周部16に切れ目21が形成される一方、凹部17に連結部22が形成される。
【0028】
脆弱部20は、成形体210(
図3(c)参照)を切断線Bにおいて切断することにより形成される。具体的には、刃物(図示せず)を使って、成形体210の径方向外側から周方向に切り込みを入れることにより切れ目21が形成される。成形体210の外周からの刃物の切り込み深さCを、T<C<Dに設定することにより、外周部16に貫通した切れ目21及び連結部22が形成される。その結果、周方向に切れ目21が連続して現れるミシン目状の脆弱部20が形成される。
【0029】
次に
図5及び
図6を参照して、ダストカバー1を製造する製造装置30について説明する。
図5はダストカバー1の製造装置30の軸方向断面図であり、
図6は
図5のVI−VI線における製造装置30の断面図である。なお、
図5ではシリンダ32,46の長手方向の一部の図示が省略されている。
【0030】
図5に示すように製造装置30は、スプリングシートラバー100(環状部材)に本体筒部2が結合したダストカバー1を製造するための装置であり、全体を支持する平板状の台部31と、先端を台部31から上向きに露出させて台部31に固定されるシリンダ32(駆動装置)と、シリンダ32が内蔵するピストン(図示せず)に取り付けられる支柱33(ピストンロッド)と、支柱33の先端に設けられる頭部34とを備えている。本実施の形態では、シリンダ32は空気圧によって作動するエアシリンダである。
【0031】
製造装置30は、支柱33を取り囲むように台部31に設置される壁部41を備えている。壁部41は、先端面42が、頭部34より低い位置に設定される。台部31は、壁部41を挟んだ両側に一対の側板43が立設される。側板43は、支柱33と平行に延びる長尺の部材であり、壁部41の先端面42より少し低い位置に中間板44が設置され、上端に天板45が設置される。天板45は、天板45から下向きに先端を露出させたシリンダ46(駆動装置)を固定するための部材である。本実施の形態では、シリンダ46は空気圧によって作動するエアシリンダである。シリンダ46は、内蔵するピストン(図示せず)に取り付けられるピストンロッド47が設けられる。ピストンロッド47は、支柱33及び頭部34の軸線と平行に配置される。
【0032】
支持部材48は、ピストンロッド47の先端に取り付けられる円環状の部材であり、軸方向に貫通する円形状の孔部49が中心に形成されている。支持部材48は、軸方向の端面(下面)の周方向の3箇所にばね50(コイルスプリング)が取り付けられており、ばね50の下端に当接部材51が取り付けられている。当接部材51は、支持部材48と間隔をあけて同軸状に配置される円環状の部材であり、軸方向に貫通する円形状の孔部52が中心に形成されている。当接部材51は、スプリングシートラバー100(
図1参照)に当接して軸方向に押し付けるための部材であり、端面(下端面)は、スプリングシートラバー100のフランジ部102の傾斜に応じた傾斜面が形成される。支持部材48及び当接部材51は、支柱33及び頭部34の同軸上に配置されている。
【0033】
支柱33は、先端側の頭部34の近傍かつ壁部41の内側に拘束装置60が設置されている。拘束装置60は、支柱33に沿って配置された支持具(図示せず)を介して、台部31に取り付けられている。
【0034】
図6に示すように支柱33は、頭部34を所定の高さに設置するための金属製の軸状部材であり、本体筒部2(
図2参照)の軸方向の長さ(自由長)と略同一の長さに初期位置が設定されている。また、支柱33は、軸方向に直交する断面の大きさ(太さ)が、本体筒部2の内径より小さく設定されている。
【0035】
頭部34は、支柱33の先端に取り付けられて袋状体10(
図2参照)の袋部11を支持するための部位である。本実施の形態では、頭部34は、上窄まりの円錐台の側面である当接面35、及び、当接面35の下端縁に交わる下窄まりの円錐台の側面であるテーパ面36により囲まれた合成樹脂製の部材である。当接面35は、軸線Oを含む断面において、軸線Oに対する当接面35の角度が、袋状体10の先端部13の軸線Oに対する角度と同一に設定される。また、頭部34は、外径(当接面35の下端縁の径)が、袋部11の基部12と先端部13とが交わる稜の径より小さく設定されている。
【0036】
頭部34は、当接面35の中心に軸方向視が円形状の挿通孔37(係合部)が形成され、テーパ面36の中心に窪み38が形成されている。挿通孔37及び窪み38の底部を貫通する孔にボルト39が挿通される。ボルト39は、支柱33の先端に取り付けられるばね40(コイルスプリング)が設置される部材である。頭部34は、ばね40により支柱33に連結される。
【0037】
壁部41は、袋状体10(
図2参照)に対するスプリングシートラバー100の軸方向の位置決めを行うための金属製の部材である。壁部41は、支柱33及び頭部34と同軸の円筒状に形成されており、内径が、袋状体10の本体筒部2の外径より少し大きめに設定されている。壁部41は、ダストカバー1を製造するときにスプリングシートラバー100の本体部101が当接する先端面42が、軸方向端面に形成されている。
【0038】
拘束装置60は、駆動部61と、駆動部61に従動する開閉部材62(従動節)とを備える装置であり、ダストカバー1を製造するときに内挿端部4(
図1参照)を拘束するための装置である。開閉部材62は、ボディ65(後述する)に支持されたガイド(図示せず)に案内されて軸線O方向と直交する径方向へ開閉自在に構成される金属製の部材であり、本実施の形態では、支柱33の周囲に3個の部材が周方向に並んで配置されている。各部材は、軸方向視が120°の中心角を有する扇型に形成されている。開閉部材62は、円弧状の外形を有する外側端部63が、径方向外側へ向かって上端部に張り出して形成されており、下方へ向かうにつれて拡径する斜面64が、下端部の内周面に形成されている。
【0039】
駆動部61は、開閉部材62を径方向へ開閉するための装置であり、中心に支柱33が貫通する有底筒状のボディ65と、ボディ65の内部に配置されるピストン66と、ピストン66に取り付けられて開閉部材62側へ延びるカム67とを有している。駆動部61は、ボディ65及びピストン66により形成される2つの空気室にエア配管(図示せず)から空気が供給され、ピストン66及びカム67を軸方向に往復動させる。カム67の軸方向の運動に伴い、開閉部材62が径方向へ運動する。
【0040】
なお、開閉部材62の上端面62aと頭部34の下面(テーパ面36の下縁)との間に所定の隙間ができるように、ばね40は自由長が設定されている。よって、その隙間の範囲で、頭部34は、ばね40により支柱33に揺動可能に連結される。また、頭部34は、開閉部材62に当接するまで、ばね40を収縮させて下降できる。壁部41の先端面42の位置(高さ)は、頭部34が開閉部材62(上端面62a)に当接した状態において、袋部11(
図2参照)が当接する頭部34の当接面35から先端面42までの軸方向の長さと、袋部11の先端部13の内面から張出部5までの軸方向の長さとが同一となるように設定されている。
【0041】
次に
図7から
図12を参照して、製造装置30を用いたダストカバー1の製造方法について説明する。
図7は袋状体10が挿入された製造装置30の断面図であり、
図8は袋状体10をスプリングシートラバー100に挿入した製造装置30の断面図であり、
図9は袋状体10の側面図であり、
図10は脆弱部20の一部を破断した製造装置30の断面図であり、
図11は脆弱部20の全周を破断した製造装置30の断面図であり、
図12は脆弱部20を破断後の製造装置30の断面図である。なお、
図7から
図12では支柱33及び壁部41の軸方向の一部(下部)の図示が省略されている。
【0042】
まず、
図7に示すように支柱33を収縮させた初期位置の状態、且つ、開閉部材62を閉じた状態で、頭部34に袋状体10を被せるようにしながら、壁部41の内側に袋状体10を挿入する。このとき、袋部11に形成された凸部18を、頭部34に形成された挿通孔37に挿入する。次いで、スプリングシートラバー100の本体部101を下方へ向けて袋状体10の基部12付近に軽く被せる(仮置きする)。なお、スプリングシートラバー100を被せる向き(フランジ部102の傾斜の向き)は、当接部材51の端面(下端面)の傾斜に概ね合せておく。
【0043】
次いで
図8及び
図9に示すようにシリンダ46(
図5参照)を作動させピストンロッド47を伸長して、支持部材48を頭部34側へ移動させる。当接部材51の端面をスプリングシートラバー100の本体部101の端面に当接させた後、さらにピストンロッド47を伸長して、スプリングシートラバー100の本体部101へ袋部11を挿入する。袋部11は、支柱33及び頭部34によって所定の高さに支持されているので、袋状体10が変形し易くても、頭部34によって剛性を確保して、スプリングシートラバー100の本体部101へ袋部11を挿入できる。その結果、製造装置30を用いることなく袋状体10(袋部11)をスプリングシートラバー100へ挿入する場合と比較して、作業負担を軽減できる。
【0044】
基部12は、軸線Oに対する傾きが先端部13より小さいテーパ状に外周部16が形成されている。よって、本体部101の軸方向へ外周部16が進入すると、スプリングシートラバー100の突出部103が径方向外側へ次第に弾性変形される。基部12は、外周部16に連成される接触面部15を備えており、接触面部15は、本体部101の内周面に接触可能な外径を有している。接触面部15と張出部5との間に溝部14が凹設されているので、袋状体10の張出部5が本体部101に押し付けられると共に、弾性変形したスプリングシートラバー100の突出部103が径方向内側に復元されて溝部14に係合すると、スプリングシートラバー100の軸方向の移動が規制される。また、接触面部15が本体部101へ進入すると、袋状体10の径方向の移動が規制される。これにより、スプリングシートラバー100に袋状体10が固定される。
【0045】
なお、当接部材51は複数(本実施の形態では3本)のばね50によって支持部材48に連結されているので、袋部11に本体部101を押し込むときに、袋部11に対する本体部101の傾きに応じて支持部材48に対して当接部材51が揺動する。その結果、袋部11に対する傾きを均しながら(修正しながら)本体部101が袋部11へ押し込まれる。よって、本体部101を確実に袋部11に嵌め込むことができる。
【0046】
これに対し、ばね50によって当接部材51が揺動可能にされていない場合には(ばね50が省略されている場合には)、本体部101が傾いた状態で袋部11に嵌められることがあり、スプリングシートラバー100の取り付け不良が生じたり張出部5の一部(強度の弱い部分)が凹んだりすることがある。本実施の形態によれば、これを防止できる。
【0047】
また、ばね50によって支持部材48に対して当接部材51が揺動するので、袋状体10の上にスプリングシートラバー100を雑に仮置きしても、仮置きされたスプリングシートラバー100の傾きに応じて当接部材51が揺動する。袋部11に対する傾きが自動的に修正されて本体部101が袋部11へ押し込まれるので、袋状体10の上にスプリングシートラバー100を仮置きする作業精度に関わらず、取り付け不良や張出部5の凹みが生じることを防止できる。よって、ダストカバー1の品質の安定性を向上できる。
【0048】
また、頭部34は、ばね40によって支柱33に揺動可能に連結されているので、スプリングシートラバー100の本体部101の傾きに応じて、頭部34に被さる袋部11の傾きが自動的に調整される。その結果、円形状の突出部103内周と円形状の基部12の外周とを密着させながら、スプリングシートラバー100の突出部103を張出部5の位置まで均等に押し込むことができる。よって、スプリングシートラバー100の取り付け不良が生じたり張出部5の一部に凹みが生じたりする不具合を確実に防止できる。
【0049】
なお、頭部34は、基部12の内径より外径が小さく設定されるので、袋部11の基部12と頭部34との間に径方向の隙間が形成される。スプリングシートラバー100へ基部12が挿入されるときに、隙間の分だけ基部12が径方向内側へ弾性変形するので、脆弱部20(連結部22)に作用する軸方向の引張応力を緩和できる。よって、スプリングシートラバー100へ袋部11を挿入するときに、脆弱部20が破断されることを防止できる。
【0050】
また、袋部11は、先端部13が略円錐状に形成されているので、先端部13が有底の略円筒状に形成される場合と比較して、袋部11の先端部13の剛性を向上できると共に、袋部11が形成される材料(本実施の形態では可塑性樹脂)の体積を削減できる。その結果、袋部11をスプリングシートラバー100へ挿入させ易くできると共に、ダストカバー1を形成するときに分離される袋部11を構成する材料を削減できる。また、袋部11(基部12及び先端部13)が、本体筒部2から軸方向端部へ向かうにつれて細くなる先窄まり状に形成されているので、袋部11へスプリングシートラバー100を被せ易くできる。
【0051】
なお、ばね40は、スプリングシートラバー100の押し込みに応じて袋部11に押されて次第に収縮し、最終的に頭部34が開閉部材62に押し付けられる。この状態において、壁部41は、袋部11が当接する頭部34の当接面35から先端面42までの軸方向の長さと、当接面35が当接する袋部11(先端面13)の内面から張出部5までの軸方向の長さとが同一になるように先端面42の位置(高さ)が設定されている。そのため、スプリングシートラバー100に袋部11を挿入すると、壁部41の先端面42に本体部101の軸方向の端面が突き当たる。突き当たった位置に張出部5があるので、張出部5の位置にスプリングシートラバー100を正確に取り付けられる。また、壁部41の先端面42に本体部101の軸方向の端面が突き当たるまで、スプリングシートラバー100を勢いよく下降させることができるので、スプリングシートラバー100を袋部11に取り付ける作業時間を短縮できる。
【0052】
これに対して壁部41が設けられていない場合には、張出部5を超えて本体筒部2の一部(強度の小さい部分)がスプリングシートラバー100の本体部101に侵入することがある。これを防ぐためには、ピストンロッド47の伸長量を制御する等の必要が生じる。本実施の形態によれば、これらの問題点を壁部41によって解決することができ、張出部5の位置にスプリングシートラバー100を短時間で正確に取り付けられる。
【0053】
また、壁部41があるので、当接部材51によって壁部41の先端面42にスプリングシートラバー100の本体部101の端面を押し付けることができる。壁部41の先端面42と当接部材51との間にスプリングシートラバー100の本体部101を挟み付けることができるので、袋状体10にスプリングシートラバー100を取り付ける間、スプリングシートラバー100の軸方向の移動を規制できる。
【0054】
次いで
図10に示すように拘束装置60を作動させ、ピストン66及びカム67を頭部34側へ移動し、開閉部材62を径方向の外側へ開き、基部12の一部(溝部14より上で脆弱部20より下の部分)を内面側から外側端部63で押圧する。スプリングシートラバー100の本体部101と外側端部63との間に基部12の一部が挟まれるので、本体筒部2が軸方向へ移動できなくなる。
【0055】
次にシリンダ32を作動し、支柱33を伸長して頭部34を天板45側へ上昇させる。袋部11の脆弱部20より上側の捨て部11a(袋部11の一部)の内面を頭部34が押すので、脆弱部20を破断させるための軸方向の引張応力が連結部22に作用する。開閉部材62の外側端部63によって脆弱部20より下側の袋状体10が押さえつけられているので、突出部103を乗り越えて本体部101内へ張出部5が侵入することを防止しながら脆弱部20を破断できる。よって、スプリングシートラバー100の取り付け不良や張出部5の凹みを防止できる。
【0056】
なお、脆弱部20は全周が同時に破断されるのではなく、一部が破断された後、そこを起点として全周が破断される。そのため、捨て部11aは脆弱部20の一部が破断されてから全周が破断されるまでの間に、軸線Oに対して傾きながら頭部34によって押し上げられる。頭部34は、ばね40によって支柱33に取り付けられているので、頭部34と開閉部材62とが軸方向に離間すると、捨て部11aの傾きに応じて揺動する。脆弱部20の破断に伴う捨て部11aの傾きに頭部34を追随させることができるので、脆弱部20をスムーズに破断させることができる。
【0057】
なお、脆弱部20の一部が破断されてから全周が破断されるまでの間に捨て部11aの傾きが大きくなり、脆弱部20の一部が繋がったまま頭部34から捨て部11aが逃げてしまう(軸直角方向へ移動してしまう)と、頭部34によって捨て部11aに力を加え続けられなくなる。この場合には、脆弱部20の全周を破断できないという問題点がある。
【0058】
これに対し本実施の形態によれば、捨て部11aは内面側に突出する凸部18(バリ)が中心に形成され、凸部18を受け入れる挿通孔37が頭部34の頂部に形成されている。よって、脆弱部20を破断させる間、挿通孔37と凸部18とを係合させることができ、脆弱部20の一部が繋がったまま頭部34から捨て部11aが逃げてしまうことを防止できる。
【0059】
その結果、
図11に示すように脆弱部20の全周が破断されるまでの間、頭部34によって捨て部11aに力を加え続けることができる。よって、脆弱部20の一部が繋がったまま残る破断不良が生じることを防止し、脆弱部20の全周を確実に破断させることができる。なお、凸部18は、袋状体10の成形と同時にブローピン206(
図3(b)参照)によって形成されるバリを利用するので、凸部18(被係合部)を形成する付帯作業を不要にできる。
【0060】
また、当接部材51は、軸方向に貫通する孔部52が形成されているので、当接部材51によって支柱33及び頭部34の上昇が妨げられることを防止できる。よって、支柱33及び頭部34の上昇により脆弱部20を破断させることができる。
【0061】
図12に示すように脆弱部20の全周を破断させた後、シリンダ32を作動させて支柱33を収縮させ、頭部34を初期位置まで下降させる。また、シリンダ46を作動させてピストンロッド47を収縮させ、支持部材28及び当接部材51を初期位置まで上昇させる。同様に拘束装置60の駆動部61を作動させてピストン66及びカム67を下降させ、開閉部材62を閉じて初期位置に戻す。
【0062】
捨て部11aを取り出し、スプリングシートラバー100を掴んで壁部41内の本体筒部2を引き上げると、内挿端部4(
図1参照)が開口されたダストカバー1を、スプリングシートラバー100へ組み付けられた状態で得ることができる。取り出された捨て部11aは、別の袋状体10の成形材料として再利用される。
【0063】
なお、頭部34は、拘束装置60側へ向かって縮径されるテーパ面36が形成されている。そのため、頭部34を初期位置まで下降させたときに、切り離された捨て部11aの縁(脆弱部20の部分)が頭部34と開閉部材62との間に挟まって取り出せなくなることを防止できる。よって、製造装置30からの捨て部11a及びダストカバー1の取り出し作業の作業性を向上できる。
【0064】
ここで、袋状体10は脆弱部20をミシン目状にするのではなく、傷付けや微細な連続切り込み(非貫通な孔部)等の加工を施したり、相互に分離して形成された袋部11側と本体筒部2側とを溶着したりすることで、加工が施された位置や溶着された位置から破断させ易くすることは可能である。
【0065】
しかし、傷付けや微細な連続切り込み(非貫通な孔部)等の加工を施す場合には、外周部16の厚さが小さいので、高い加工精度が要求される。また、外周部16の厚さや加工のばらつきによって、形成された脆弱部20の破断荷重にばらつきが生じ易くなる。その結果、スプリングシートラバー100の本体部101へ袋状体10を挿入するときに、正規の位置に袋状体10が固定される前に、意図せずに脆弱部が破断する可能性が高くなる。また、分離して形成された袋部11側と本体筒部2側とを溶着する場合には、溶着作業工数を要すると共に、溶着部分の破断荷重にばらつきが生じ易くなる。
【0066】
これに対し、本実施形態のように外周部16(
図4参照)に凹部17を設け、刃物(図示せず)の切り込み深さを調整することによって切れ目21及び連結部22を形成する場合には、凹部17の凹み量、周方向長さ、曲率等を設定することにより、連結部22の有効断面積を容易に確保できる。その結果、外周部16の厚さや加工のばらつきによって、脆弱部20の破断荷重にばらつきが生じることを抑制できる。また、仕上げ工程(
図3(c)参照)において脆弱部20を形成できるので、作業負担を軽減できる。
【0067】
なお、連結部22は、周方向長さが、切れ目21の周方向長さより小さく設定される。そのため、切れ目21の周方向長さが連結部22の周方向長さより小さく設定される場合と比較して、小さい力で脆弱部20を破断させることができる。
【0068】
袋状体10は、袋部11が除去されることによって内挿端部4が開口されるので、ショックアブソーバ110のピストンロッド112を挿通させることができる。また、刃物を使うことなく脆弱部20を破断させて内挿端部4を開口させることができるので、刃物でスプリングシートラバー100を傷つけたり手に怪我をしたりすることを防止できる。さらに、刃物を使わないので、作業者が刃物を持ったり離したりする作業を不要にできる。よって、その分のタクトタイムを短縮できる。
【0069】
次に
図13及び
図14を参照して第2実施の形態について説明する。第1実施の形態では、袋状体10に凸部18が突設される一方、頭部34に挿通孔37(凹部)が形成される場合について説明した。第1実施の形態では、頭部34によって捨て部11aを押し上げるときに、凸部18と挿通孔37とが係合して、捨て部11aが頭部34の進行方向から横へ逃げてしまうことを防止できる。これに対し第2実施の形態では、袋状体70に孔部71が形成される一方、頭部81にボルト82(凸部)が突設される場合について説明する。なお、第1実施の形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。
図13は第2実施の形態における製造装置80によって扱われる袋状体70の斜視図であり、
図14は製造装置80の軸方向断面図である。
【0070】
図13に示すように袋状体70は、袋部11の頂部に軸方向視が円形状の孔部71(被係合部)が形成されている。孔部71は、袋状体70の成形後、袋部11の先端部分を刃物(図示せず)で切断して形成される。
【0071】
図14に示すように製造装置80は、袋状体70が被せられる頭部81の頂部にボルト82(係合部)の頭部が突設されている。ボルト82は、頭部の外径が、袋状体70に形成された孔部71の内径より小さく設定されている。
【0072】
ダストカバー1を製造するため、頭部81に袋状体70を被せるときに、ボルト82の頭部を孔部71に挿入する。これにより、脆弱部20を破断させる間、ボルト82と孔部71とを係合させることができるので、脆弱部20の一部が繋がったまま頭部81から捨て部11a(
図10参照)が逃げてしまうことを防止できる。その結果、脆弱部20の全周が破断されるまでの間、頭部81によって捨て部11aに力を加え続けることができる。よって、脆弱部20の一部が繋がったまま残る破断不良が生じることを防止できる。
【0073】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、切れ目21や連結部22の周方向長さや軸方向幅、形状や数量等は適宜設定することが可能である。
【0074】
上記実施の形態では、ダストカバー1の半製品である袋状体10をブロー成形により一体成形する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものはなく、他の成形方法によって袋状体10を製造することは当然可能である。他の成形方法としては、例えば射出成形が挙げられる。
【0075】
ここで、ブロー成形によって袋状体10が製造される場合には、中空状の成形体210(
図3(c)参照)が成形された後、刃物によって切断されることにより開口端部3及び脆弱部20が形成される。これに対し、射出成形によって袋状体10を製造する場合には、中空状の成形体210を経由する必要がないので、開口端部3及び脆弱部20を、刃物を使った切断によって形成する必要はない。射出成形の場合、袋状体10の外形は射出成形型のキャビティの内面形状によって決定されるので、射出成形型を適宜設計することによって、開口端部3や脆弱部20が一体成形された袋状体10を製造できる。
【0076】
なお、射出成形によって袋状体10を製造する場合には、袋状体10の厚さの設定も比較的容易にできる。そのため、切断で脆弱部20(切れ目21及び連結部22)を形成するのに代えて、射出成形型を適宜設計することにより、一体成形によって厚さを制御し、微細な連続切り込み(非貫通のノッチ)、貫通した細孔、エンボス、厚さの薄い部分、切り目等を脆弱部20に設定できる。これにより脆弱部20を破断可能にすることは当然可能である。
【0077】
上記実施の形態では、環状部材の一例として、スプリングシートラバー100にダストカバー1を内挿する場合について説明した。しかし、環状部材はスプリングシートラバー100に限定されるものではなく、ダストカバー1の軸方向端部が内挿される部材を、他の環状部材(筒状部材)とすることは当然可能である。他の環状部材としては、例えばマウント装置が例示される。また、環状部材は、ゴム状弾性体から構成されるものに限定されず、マウント装置の一部を構成する金属製や合成樹脂製の筒状部材を環状部材とすることは当然可能である。
【0078】
上記実施の形態では、スプリングシートラバー100に突出部103(
図1参照)が突設され、スプリングシートラバー100に内挿されるダストカバー1に、突出部103と係合する溝部14が形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。突出部103や溝部14を省略して、スプリングシートラバー100の弾性でダストカバー1の内挿端部4が保持されるようにすることは当然可能である。
【0079】
上記各実施の形態では、支柱33と頭部34,81とをばね40で連結し、支持部材48と当接部材51とをばね50で連結することで、頭部34,81及び当接部材51の両方を揺動可能にする場合について説明した。しかしながら、必ずしもこれに限られるものではなく、支柱33と頭部34,81との連結、又は、支持部材48と当接部材51との連結のうち、いずれか一方をばねで連結することは当然可能である。
【0080】
なお、上記2つの内の一方をばねで連結するのであれば、支持部材48と当接部材51とをばね50で連結して当接部材51を揺動可能にする方が好ましい。当接部材51は、頭部34,81の直径よりも直径が大きいので、当接部材51を揺動可能にする方が軸線Oに対する揺動角を大きくすることができる。そのため、スプリングシートラバー100に袋部11を押し込むときの袋部11に対するスプリングシートラバー100の傾きの調整代を大きくできるからである。
【0081】
上記各実施の形態では、支柱33と頭部34,81との間、支持部材48と当接部材51との間をいずれもばね40,50(コイルスプリング)で連結する場合について説明した。しかし、必ずしもこれに限られるものではなく、ばね(コイルスプリング)に代えてエラストマー等の弾性体を用いることは当然可能である。
【0082】
上記各実施の形態では、当接部材51が、断面円形状の部材(円筒状の部材)で形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、スプリングシートラバー100の端面に当接可能な当接面を有していれば良い。他の当接部材としては、断面C形状の部材、複数のピンを軸方向へ突出させてピンの端面を円周上に並べた部材が例示される。
【0083】
上記実施の形態では説明を省略したが、当接部材51や圧縮時のばね50の軸方向の長さが十分に大きい場合には、支持部材48に孔部49を設けなくても良い。当接部材51や圧縮時のばね50の軸方向の長さを十分に大きくすることで、支持部材48に孔部49が設けられていなくても、脆弱部20を破断するときの支柱33及び頭部34の上昇が妨げられることを防止できるからである。
【0084】
上記実施の形態では、壁部41が円筒状の部材によって形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、支柱33を取り囲むように杭のような部材を複数並べるもの等を採用することは当然可能である。壁部41は、内側に挿入された本体筒部2の軸直角方向の移動を規制し、先端面42によってスプリングシートラバー100の軸方向の位置規制ができれば良いからである。
【0085】
上記実施の形態では、本体筒部2の周方向の全周に亘って張出部5がフランジ状に突出する場合について説明した。しかし、必ずしもこれに限られるものではなく、本体筒部2の周方向に間隔をあけて張出部5を断続的に設けることは当然可能である。