(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。また、以下の説明では、「前」「後」「左」「右」「上」「下」とは、特に断りのない限り、
図1に示すように遊技機10を正面側(遊技者側)から見た状態で指称するものとする。
【0013】
<遊技機10の概要について>
まず、遊技機10の概要について、
図2から
図4、
図6または
図7を用いて説明する。
図2は、遊技機10内に配設された遊技盤50を示す図である。
図3は、上サブ表示部82がメイン表示部81の前方に移動した状態を示す図である。
図4は、演出装飾体88がメイン表示部81の前方に移動した状態を示す図である。
図6は、遊技機10の主要な制御構成を示す機能ブロック図である。
図7は、演出制御部210に関する制御構成を示す機能ブロック図である。
【0014】
遊技機10は、乱数取得手段(特図保留制御部115)と、当否判定手段(当否抽選部131)と、特典付与手段(大当り制御部145)と、図柄表示制御手段(特別図柄表示制御部151)と、演出選択手段(演出選択部212)と、予告演出制御手段(予告演出制御部214)と、複数の演出表示装置(メイン表示部81または上サブ表示部82)と、を備える。
特図保留制御部115は、始動条件の成立を契機として乱数を取得する。
当否抽選部131は、特図保留制御部115によって取得された乱数を用いて当選の成否を判定する。
大当り制御部145は、当否抽選部131によって当選が判定された場合の少なくとも一部において、遊技者にとって有利な特典(大当り遊技)を付与する。
特別図柄表示制御部151は、当否抽選部131による判定結果を報知する図柄変動ゲームを実行する。
演出選択部212は、始動条件の成立の少なくとも一部を契機として、特典が付与される可能性を示唆する複数とおりの予告演出の中からいずれかを選択する。
予告演出制御部214は、予告演出の契機となった始動条件が成立した後に行われる図柄変動ゲームの少なくとも一部の実行中に、演出選択部212によって選択された予告演出を実行する。
メイン表示部81または上サブ表示部82は、予告演出の実行中に、特典が付与される可能性を示唆する特典示唆画像を表示しうる。
【0015】
本実施形態の遊技機10は、予告演出が実行される図柄変動ゲーム(以下、第二図柄変動ゲームと称す)と、第二図柄変動ゲームの直前回で実行される図柄変動ゲーム(以下、第一図柄変動ゲームと称す)において、次のような演出制御を行うことを特徴とする。
第一図柄変動ゲームにおいて演出用可動体(例えば、上サブ表示部82または演出装飾体88)を第一位置から第一位置から離間している第二位置まで移動させる移動演出が選択された場合の少なくとも一部において、演出選択部212は、第二図柄変動ゲームについて演出用可動体を第一位置に維持させる非移動演出を選択する。
または、第一図柄変動ゲームにおいて特定の演出表示装置(例えば、上サブ表示部82)を用いる第一演出が選択された場合の少なくとも一部において、演出選択部212は、第二図柄変動ゲームについて特定の演出表示装置とは異なる他の演出表示装置(例えば、メイン表示部81)に特典示唆画像を表示させる第二演出を選択する。
【0016】
第一図柄変動ゲームにおいて演出用可動体を移動させた場合、第二図柄変動ゲームにおいて実行する予告演出では当該演出用可動体を移動させないので、直前の演出(移動演出)と予告演出(非移動演出)との切替が明確になる。従って、予告演出の演出効果が担保される。また、上記のような制御になっているので、演出用可動体の移動制御の簡素化を図ることができる。
または、第一図柄変動ゲームにおいて特定の演出表示装置を用いる演出が実行された場合、第二図柄変動ゲームにおいて実行する予告演出では他の演出表示装置を用いるので、直前の演出(第一演出)と予告演出(第二演出)との切替が明確になる。従って、予告演出の演出効果が担保される。
【0017】
ここで始動条件とは、図柄変動ゲームを開始するための条件である。本実施形態における始動条件には、(i)遊技球が始動口に入球すること、(ii)遊技球が入球した始動口において保留記憶数が上限に達していないこと、が含まれる。
【0018】
ここで図柄変動ゲームとは、図柄を変動表示させた後に停止表示させ、停止表示された図柄によって当否抽選手段による判定の当否を遊技者に報知する遊技である。本実施形態において単に図柄変動ゲームと称した場合には、特に断りがない限り、特別図柄表示部91において行われる特別図柄による図柄変動ゲームのことをいう。
ここで特典とは、図柄変動ゲームの当選を契機として付与されうる有利な遊技状態(例えば、大当り遊技、小当り遊技等)をいう。
【0019】
ここで演出用可動体とは、遊技盤50に設けられる可動体であって、役物ではないものをいう。また、役物とは入賞口への遊技球の入球(入賞)を容易にするために設けられる可動体をいう。演出用可動体に該当するものとして、例えば、演出装飾体、演出表示装置またはランプ装置であって可動式のものが挙げられる。
なお、本実施形態における演出用可動体は演出装飾体88または上サブ表示部82であるものとして説明する。
【0020】
ここで特典示唆画像とは、特典が付与される可能性を示唆する演出画像であり、静止画であっても動画であってもよい。例えば、メイン表示部81において表示される演出図柄の変動、演出図柄の変動表示中の一部に表示される(カットインされる)種々の演出画像または特典の付与の可能性が高まる特定の期間にわたって表示される背景画像等が特典示唆画像に該当する。なお、第一演出において表示される特典示唆画像と、第二演出において表示される特典示唆画像とは同一のものである必要はない。すなわち、第一演出および第二演出の相違点は、主に遊技者の関心を惹きつける特典示唆画像が異なる演出表示装置に表示されることであり、表示される特典示唆画像の内容は問わない。
また、特典示唆画像に該当しない例としては、例えば、特典が付与される可能性に関わらず定常的に表示される背景画像や遊技機10のタイトルを示す文字図柄等が該当する。以下の説明において、特典示唆画像に該当しない画像のことを「通常画像」と称する場合がある。
【0021】
ここで第一位置または第二位置とは、上記の演出用可動体が配置されうる遊技領域50a上の位置であって、且つ相対的に異なる位置をいう。この要件を満たす範囲において、第一位置または第二位置の配置は特に制限されない。
本実施形態に即していえば、第一位置とは上サブ表示部82または演出装飾体88の原位置(ホームポジション)である。より具体的には、上サブ表示部82の原位置は、
図2等に示すように、メイン表示部81の上方であって、遊技者に視認される位置である。また、演出装飾体88の原位置は、図示されないが、メイン表示部81の下方であって、遊技者から視認不能に秘匿される位置である。
また、本実施形態に即していえば、第二位置とは上サブ表示部82または演出装飾体88が特定の演出において移動する位置(以下、演出位置と称す)である。より具体的には、上サブ表示部82の演出位置は、
図3に示すように、メイン表示部81の前方であって、メイン表示部81の表示領域に重畳する位置である。また、演出装飾体88の演出位置は、
図4に示すように、メイン表示部81の前方であって、メイン表示部81の表示領域に重畳する位置である。
【0022】
<遊技機10の構造について>
図1から
図8を用いて遊技機10の構造について説明する。
なお、
図1は、遊技機10の正面図である。
図5は、遊技機10内に配設された図柄表示器90を示す図である。
図8は、遊技機10の払出制御構成を示す機能ブロック図である。
【0023】
本実施形態の遊技機10は、いわゆるパチンコ機であり、多数の遊技釘(図示せず)が立設された遊技盤50の前面領域(以下、遊技領域50aと称す)に遊技球を発射し、遊技球が特定の入賞口(例えば、大入賞口55等)に入球すると賞球が得られる遊技を行うものである。
【0024】
遊技機10は、前後に開口する矩形枠状の外枠15と、外枠15の開口前面側に遊技盤50を着脱可能に保持する中枠(図示せず)と、遊技盤50(中枠)の前面側を覆うよう構成された前枠20と、を備える。
【0025】
前枠20は、ヒンジ機構21により左端側を回動自在に支持され、中枠に対して開閉可能となっている。なお、前枠20は、シリンダ錠23により施錠・解錠が可能となっている。
前枠20は、遊技領域50aを覆うように配置された透明部材25を備え、透明部材25によって遊技領域50aおよび遊技盤50を透視保護している。
前枠20は、遊技球を貯留する上球受け皿27および下球受け皿29を備え、上球受け皿27と下球受け皿29は上下に離間して前枠20と一体的に設けられている。
前枠20は、下球受け皿29の右側方に操作ハンドル31を備え、操作ハンドル31の回動操作によって、上球受け皿27に貯留された遊技球が遊技領域50aに向けて発射されるようになっている。
【0026】
前枠20の上枠部32の左側と右側にそれぞれ一対のスピーカ33(33a、33b)が配設されている。また、前枠20の上枠部32と左右側枠部34、36は光透過性のカバーにより形成されており、その内部にはそれぞれ照明装置35(35a、35b、35c)が配設されている。スピーカ33や照明装置35は、遊技中に発生する演出やエラー報知等と連動して音声出力または点灯若しくは消灯することができる。
前枠20は、上球受け皿27の前方部にボタン37が配設されている。ボタン37は、遊技中に発生する演出を切り替えるまたは遊技者が遊技機10に関わる種々の情報を得るために行う遊技者の操作を受け付けることができる。
【0027】
下球受け皿29の下部には、下球受け皿29に貯留された遊技球を下方へ排出する球抜き機構39が設けられている。この球抜き機構39を操作することにより、下球受け皿29の底面に形成された底面口(図示せず)が開口して、当該底面口から遊技球が自然落下して排出される。
【0028】
演出表示器80は、遊技盤50の略中央に配設されているメイン表示部81と、メイン表示部81の上方に配設されている上サブ表示部82と、メイン表示部81の左側に配設されている左サブ表示部83と、メイン表示部81の右側に配設されている右サブ表示部84と、を含んでいる。メイン表示部81は固定式の液晶装置であり、上サブ表示部82・左サブ表示部83・右サブ表示部84は可動式の液晶装置である。
【0029】
メイン表示部81は、特別図柄表示部91における図柄変動ゲームに連動して行われる演出図柄の変動表示を表示することができ、さらに他の各種の演出も表示することができる。ここで演出図柄とは、遊技機10における遊技の興趣をより高めるために表示される図柄であり、具体的には数字や絵柄またはそれらの組み合わせから構成されている。
また、メイン表示部81は、その略中央に演出図柄を表示可能であり、さらに当該演出図柄の上方および下方にもそれぞれ演出図柄が表示されうる。すなわち、メイン表示部81には「上段」「中段」「下段」にそれぞれ演出図柄が表示され、表示された演出図柄が一または複数の列をなしている。なお、
図2等に図示される演出図柄表示領域85とは、メイン表示部81において演出図柄が表示されうる表示領域のことである。
以下の説明において、演出図柄の変動表示中に演出図柄表示領域85の上段および下段に同種の演出図柄が仮停止し、中段において変動表示が継続している状態を「リーチ目」と称する場合がある。また、演出図柄表示領域85に上段および下段が異なる種類の演出図柄が仮停止した後に中段に演出図柄が仮停止し、特典の付与につながることなく停止表示が確定した状態を「バラケ目」と称する場合がある。
【0030】
また、メイン表示部81は演出図柄の表示の他にも、保留表示(図示せず)を表示画面の一部に表示することができる。なお、
図2等に図示される保留表示領域86とは、メイン表示部81において保留表示が表示されうる表示領域のことである。なお、保留表示とは、いわゆる保留玉のことであり、その表示個数によって保留記憶されている乱数の数を示すと共に、その表示形態によって特典(大当り遊技)が付与される可能性を示唆し、図柄変動ゲームの実行に伴って表示態様が変化しうる演出画像をいう。
本実施形態における保留表示領域86と演出図柄表示領域85とは、
図2等に図示するように離間しているが、互いに重複してもよい。
【0031】
上サブ表示部82、左サブ表示部83または右サブ表示部84は、主として演出に関連する演出画像を表示するために設けられるものであり、特定の演出の実行時に移動しうる。それぞれの原位置はメイン表示部81を基準として上方、左側または右側であり、これらの原位置からメイン表示部81における演出図柄の表示領域に重なる位置まで上サブ表示部82、左サブ表示部83または右サブ表示部84は移動しうる。
上サブ表示部82が移動した状態を
図3に示す。
図3に示すとおり、上サブ表示部82はメイン表示部81の上段まで移動することができる。上サブ表示部82の後方にはスライド機構87(87a、87b)が設けられている。スライド機構87にガイドされることによって、上サブ表示部82は所定の位置まで円滑に移動することができる。
【0032】
演出装飾体88は、特定の予告演出の実行時に原位置から演出位置まで移動する可動体である。
図4に示されるとおり、本実施形態における演出装飾体88は、ネコ目の動物の足の裏(いわゆる肉球)を模した形状になっている。これは、本実施形態における予告演出に動物に関連するものが多数存在することに由来している。
なお、本実施形態における演出装飾体88の形状や動作は一例であって、本発明の演出用可動体は様々な形状を採りえ、多様な移動制御をされうる。
【0033】
なお、本実施形態における演出表示器80(メイン表示部81、上サブ表示部82、左サブ表示部83または右サブ表示部84)には、いずれも液晶表示装置が採用されているが、本発明の実施はこれに限るものではない。例えば、ドラム式やドットマトリックス式等、多様な方式の表示装置を演出表示器80として採用しうる。
【0034】
図柄表示器90は、演出表示器80の右下側など、演出表示器80よりも遊技者が視認しにくい位置に配設される。また、図柄表示器90の表示領域は、演出表示器80の表示領域よりも小さい面積になっている。
図柄表示器90は、複数のランプが配列されている。本実施形態で図柄表示器90に用いられるランプとは、発光ダイオード(以下、LEDと称す)である。図柄表示器90は、発光するLEDの配列によって種々の情報を示し、特別図柄表示部91または普通図柄表示部93を含んでいる。
【0035】
特別図柄表示部91は、複数個のLEDの発光パターンにより特別図柄による図柄変動ゲームの抽選結果を表示する。より詳細には、
図5に示すように、特別図柄表示部91は左側のLED16個から構成される。
普通図柄表示部93は特別図柄表示部91より少ない数(例:2個)のLEDの発光パターンにより普通図柄による図柄変動ゲームの抽選結果を表示する。
【0036】
なお、
図5に示すように、図柄表示器90は、特別図柄表示部91または普通図柄表示部93の表示に用いられないLEDも含んでおり、特別図柄または普通図柄による図柄変動ゲームの抽選結果の他にも、保留記憶数や大当り遊技のラウンド回数等の情報も表示しうる。
また、本実施形態における特別図柄表示部91は、第1始動口58への入球または第2始動口59への入球のいずれを起因とする図柄変動ゲームにおいても変動表示を行う。このとき、変動表示に用いられるLEDが入球した始動口によって異なってもよく、同一であってもよい。
【0037】
ここで特別図柄とは、特別図柄表示部91に表示するために選択されうるデータ群、あるいは特別図柄表示部91に表示されうる図柄(LEDの発光パターン)をいう。なお、以下、特別図柄のことを「特図」と略して表記する場合がある。また、ここで特別図柄による図柄変動ゲームとは、特別電動役物65(いわゆるアタッカー)を開放させるための抽選結果を示すために、特別図柄表示部91を変動表示させた後に特定の特別図柄を停止表示させることをいう。
【0038】
ここで普通図柄とは、普通図柄表示部93に表示するために選択されうるデータ群、あるいは普通図柄表示部93に表示されうる図柄(LEDの発光パターン)をいう。なお、以下、普通図柄のことを「普図」と略して表記する場合がある。また、ここで普通図柄による図柄変動ゲームとは、普通電動役物61(いわゆる電動チューリップ)を開放させるための抽選結果を示すために、普通図柄表示部93を変動表示させた後に特定の普通図柄を停止表示させることをいう。
【0039】
なお、本実施形態において図柄表示器90に配列される複数のランプはLEDとして説明しているが、ランプの種別はこれに限定されるものではない。そして、当該ランプの配置についても
図5に図示するものに限らず、多様な配置を採用しうる。
【0040】
遊技盤50の前面には、多数の遊技釘(図示せず)や風車52、装飾部材といった障害物が配置されていることにより、打ち出された遊技球が転動するように遊技領域50aが画成されている。また、遊技領域50aの左側および上側には、操作ハンドル31の回転操作により発射された遊技球を遊技領域50aの上部に案内するために設けられた湾曲形状の外レール51および内レール53が配置されている。なお、外レール51は、遊技領域50a中央を基準として内レール53より外側に位置している。
ここで風車52とは、遊技球の落下の方向に変化を与えるための機構であって、くぎ状のものをいう。
【0041】
遊技機10は操作ハンドル31の回転操作量(例えば回転角度)の大小によって遊技球の打ち出しの強弱をつけることが可能になっている。また、より弱く打ち出された遊技球が転動する第1流路X(いわゆる左打ち)、より強く打ち出された遊技球が転動する第2流路Y(いわゆる右打ち)、のいずれか一方を遊技球が転動するように各種障害物が遊技領域50aに配置されている。
【0042】
遊技領域50aには、各種の入賞口(例えば大入賞口55等)が配設され、各入賞口の後方には入球した遊技球を検知する各種スイッチ(例えばカウントスイッチSW4等)が配設されている。なお、以下の説明において入賞とは、遊技球が特定の入賞口に入球することをいう。
本実施形態においては、上記の各種スイッチは遊技者が視認できないように配設されており、
図1から
図4においては図示しない。
【0043】
図2から
図4には、主要な入賞口として、大入賞口55、第1始動口58、第2始動口59、作動ゲート63、普通入賞口67(67a、67b)を図示する。ここで図示する入賞口は一例であり、その数や配置は適宜変更しても構わない。
【0044】
第1始動口58は、遊技領域50aの中央下部(メイン表示部81の下方)に配置されており、一般的に「ヘソ」と呼ばれる。
第1始動口58には入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW1が配置されており、第1始動口58に入球した遊技球がカウントスイッチSW1で検知されることにより、特別図柄による図柄変動ゲームを始動させる始動条件と、予め定めた数の遊技球を賞球として払い出す払出条件と、が成立しうる。
【0045】
第2始動口59は、遊技領域50aの右下側(メイン表示部81の右下側)に配置されており、第2始動口59には普通電動役物61が付設されている。普通電動役物61は、第2始動口59に遊技球への入球が容易である開放状態または入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する開閉部材であり、アクチュエータAC1の作動により当該開放状態または当該閉鎖状態のいずれかに遷移する。なお、普通電動役物61の制御については、後に詳述する。
第2始動口59には入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW2が配設されており、第2始動口59に入球した遊技球がカウントスイッチSW2で検知されることにより、特別図柄による図柄変動ゲームの始動条件と、賞球の払出条件と、が成立しうる。
【0046】
作動ゲート63は、第2始動口59の右上側(メイン表示部81の右側)に配置されている。作動ゲート63には、通過した遊技球を検知するカウントスイッチSW3が配設されており、作動ゲート63を通過した遊技球がカウントスイッチSW3で検知されることにより、普通図柄による図柄変動ゲームの始動条件が成立しうる。
【0047】
なお、本実施形態の遊技機10においては、
図8にカウントスイッチSW3が図示されていないことから明らかであるように、カウントスイッチSW3の検知は賞球の払出条件に含まれていない。すなわち、本実施形態の作動ゲート63に遊技球が入球しても賞球はゼロである。
また、作動ゲート63は通過した遊技球が通過後再び遊技領域50aを転動する、いわゆるゲートタイプの入賞口であってもよい。この場合において、作動ゲート63を通過することも本明細書では「入球」と称す。
【0048】
大入賞口55は、第2始動口59の下方(メイン表示部81の右下側)に配置されている。大入賞口55には、アクチュエータAC2の作動により開閉動作を行う特別電動役物65が付設されている。
また、大入賞口55には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW4が配設されており、大入賞口55に入球した遊技球がカウントスイッチSW4で検知されることにより、賞球の払出条件が成立しうる。
【0049】
閉鎖状態における特別電動役物65は、遊技領域50aの面位置と略一致するように延在しており、当該面位置より奧方の大入賞口55に蓋をする。
また、開放状態における特別電動役物65は、遊技領域50aの面位置より前方に飛び出し、上方から流下してくる遊技球の受け皿として機能するように作動し、受け入れた遊技球を大入賞口55へと誘導する。
本実施形態における特別電動役物65は、大当り遊技の実行中に開放状態となるように作動して大入賞口55への遊技球の入球を許容する。
【0050】
普通入賞口67(67a、67b)は、メイン表示部81の左下側に配置されている。普通入賞口67には入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW5が配設されており、普通入賞口67に入球した遊技球がカウントスイッチSW5で検知されることによって賞球の払出条件が成立しうる。
なお、本実施形態においては二つの普通入賞口67a、67bに対して一つのカウントスイッチSW5が設けられている実施例で説明したが、個別にセンサ(カウントスイッチ)を設けてもよい。このとき、それぞれのセンサによって賞球の払出条件が異なってもよく、同一であってもよい。
【0051】
本実施形態における遊技領域50aは、遊技球が第2流路Yから転動したときよりも、遊技球が第1流路Xから転動したときに第1始動口58または普通入賞口67に入球しやすくなるように、各種障害物が配置されている。つまり、第1始動口58または普通入賞口67は、遊技領域50aの左側を主とする第1流路Xに設けられている。
また、本実施形態における遊技領域50aは、遊技球が第1流路Xから転動したときよりも、遊技球が第2流路Yから転動したときに大入賞口55、第2始動口59または作動ゲート63に入球しやすくなるように、各種障害物が配置されている。つまり、大入賞口55、第2始動口59または作動ゲート63は、遊技領域50aの右側を主とする第2流路Yに設けられている。
【0052】
アウト口69は、遊技領域50aの最下部に配置されている。上述した各入賞口(作動ゲート63を除く)に入球しなかった遊技球はアウト口69に落入し、アウト球として処理される。
【0053】
ここまで、本実施形態における遊技機10の構造について説明してきたが、これらは一例であって、別の構成によって本発明を実施することもできる。
【0054】
<遊技機10の制御構成について>
続いて、
図6から
図8を用いて遊技機10の制御構成について説明する。なお、上述した
図1から
図5に図示されている各構成要素に触れて説明する場合があるので、これらの図面も適宜参照されたい。
なお、
図6から
図8で図示される各構成要素は本実施形態の遊技機10を説明する上で必要な構成要素を挙げたものであり、ここに図示しない構成要素を遊技機10に追加してもよい。また、遊技機10はここに図示する構成要素の全部を必ずしも備えなくてもよく、本発明の効果を阻害しない範囲で一部の構成要素が省かれても良い。
【0055】
遊技機10は、基板(図示せず)を自機の内部に備えており、
図6から
図8に図示している構成要素を含む基板と当該基板に電気的に接続している機能部品との処理によって種々の機能を実現している。より具体的には当該基板は、制御動作を所定の手順で実行するCPU(図示せず)と、当該CPUの制御プログラムを格納するROM(図示せず)と、必要なデータの書き込みおよび読み出しができるRAM(図示せず)を備えている。CPUは、ROMから読み出した制御プログラムを実行し、RAMに種々のデータを書き込む、またはRAMから種々のデータを読み出すことによって種々の機能を実現することができる。
なお、
図6から
図8に図示している各構成要素は、一の基板のみで機能する構成要素、複数の基板の間で種々のデータ授受を行うことにより機能する構成要素、基板と当該基板に非搭載の機能部品とが電気的に接続していることにより機能する構成要素等が混在している。これらの各構成要素を実現するためのハードウェア構成は幾通りも存在しうるものであって、必ずしも一つに限定されない。
【0056】
主制御部100は、遊技を統括的に制御し、遊技に関連する演出等について他の構成要素(例えば演出制御部210)にコマンドを伝送する。主制御部100は、遊技の結果に影響を及ぼす機能または及ぼす虞がある機能を有する基板であって、いわゆる主基板として機能する。
図6に示すように、主制御部100は多数の構成要素を有し、これらの構成要素が互いに接続している構成となっているが、ここに図示している構成要素または構成要素間の接続は一例であって、必ずしもこれに限られるものではない。
【0057】
主制御部100が備える主な構成要素としては、特図抽選制御部130、普図抽選制御部170、遊技状態制御部140、図柄表示制御部150、変動パターン処理部160、情報伝送部110等が挙げられる。
特図抽選制御部130は、特別図柄による図柄変動ゲームに関連して他の構成要素を制御する。
普図抽選制御部170は、普通図柄による図柄変動ゲームに関連して他の構成要素を制御する。
遊技状態制御部140は、大当り遊技の制御、確変状態の管理または変短状態の管理を行う。
図柄表示制御部150は、特別図柄による図柄変動ゲームの結果として選択された特別図柄、または普通図柄による図柄変動ゲームの結果として選択された普通図柄、を図柄表示器90に表示させる。
変動パターン処理部160は、特別図柄による図柄変動ゲームにて図柄表示制御部150が変動表示を開始してから停止表示を行うまでの時間を示す変動時間情報を少なくとも含む変動パターンを決定する。また、変動パターン処理部160によって決定された変動パターンは、情報伝送部110を介して演出制御部210に出力されて演出表示器80における表示演出(リーチ演出等)を実行する際にも用いられる。
情報伝送部110は、主制御部100に含まれる各構成要素にて生成された制御情報(コマンド)を他の構成要素(例えば、演出制御部210等)に伝送する機能を有している。情報伝送部110によって伝送されるコマンドには、上述の変動パターンを示す情報の他にも、特図抽選や普図抽選の結果、確変状態または変短状態の有無、保留記憶に関する情報または大当り遊技の実行に関する情報等が含まれてもよい。
【0058】
また、遊技機10は、上述した主要の構成要素の他に、演出制御部210、払出制御部230等を備えている。
演出制御部210は、遊技機10によって行われる遊技(図柄変動ゲームや大当り遊技等)に関連する演出を制御する。
払出制御部230は、各入賞口への入賞の特典として付与される賞球の払い出しを制御する。
ここまで挙げた各構成要素について、以下ではより詳細に説明する。
【0059】
<特図抽選について>
主制御部100は、特図保留制御部115と、特図抽選制御部130と、を備える。
また、特図抽選制御部130は特別図柄による図柄変動ゲームを司り、当否抽選部131と特図選択部132とを有している。
【0060】
特図保留制御部115は、第1始動口58の入賞を契機として乱数M1を取得して保留記憶させる。また、特図保留制御部115は、第2始動口59の入賞を契機として乱数M2を取得して保留記憶させる。すなわち、特図保留制御部115(乱数取得手段)は、遊技球が始動口に入球することをもって始動条件の成立として乱数(乱数M1または乱数M2)を取得し、取得した乱数を保留記憶させる。
より具体的には、特図保留制御部115は、カウントスイッチSW1によって第1始動口58の入賞が検知されると乱数M1を取得し、専用の記憶領域に格納(保留記憶)させる。また、特図保留制御部115は、カウントスイッチSW2によって第2始動口59の入賞が検知されると乱数M2を取得し、専用の記憶領域に格納(保留記憶)させる。
乱数M1の保留上限数または乱数M2の保留上限数は予め定められており、本実施形態では乱数M1および乱数M2の各々について4個が保留上限数と設定されている。
【0061】
特図保留制御部115は、第1始動口58の入賞を契機として取得される乱数M1と、第2始動口59の入賞を契機として取得される乱数M2と、を区別して保留記憶させる。
特図保留制御部115は、保留記憶させた乱数M1または乱数M2を、保留記憶させた順番で当否抽選部131に処理させてもよいし、一方を他方に優先して当否抽選部131に処理させてもよい。
以下の説明において単に「乱数」と記載した場合、乱数M1または乱数M2の少なくとも一方を意味する。
【0062】
特図保留制御部115は保留記憶されている乱数の数をそれぞれについて監視してもよい。この場合、特図保留制御部115は、監視している乱数の数を、図柄表示器90に表示させるように図柄表示制御部150(特別図柄表示制御部151)に指令を出力してもよい。また、特図保留制御部115は、保留記憶させている乱数の数に相当する数の保留表示を表示させるように、情報伝送部110を介して演出制御部210に指令を出力してもよい。
【0063】
特図保留制御部115は、後述する事前判定部118を有しており、事前判定部118による判定結果である事前判定情報を乱数に対応付けて保留記憶させることができる。特図保留制御部115に保留記憶されている事前判定情報は、後述の図柄変動開始処理において生成されるコマンドに包含されて、情報伝送部110を経由して演出制御部210に出力される。
事前判定部118は、保留記憶されている乱数が当否抽選部131による判定における当選値であるか否かを判定する(以下、この判定を第一判定と称す)。また、事前判定部118は、当選値であるか否かの判定に基づいて、判定対象の乱数に起因する特別図柄の図柄変動ゲームにおいて演出制御部210が決定する演出内容(リーチ演出の有無やリーチ演出の種別等)の決定条件を判定する(以下、この判定を第二判定と称す)。なお、本実施形態における連続演出の実行の可否についても、第二判定において判定してもよい。
事前判定部118は、乱数が当否抽選部131によって読み出されて判定される事前に、上記の第一判定または第二判定を行う。すなわち、事前判定部118は、当否抽選部131によって乱数が読み出される前に、当該乱数の値が当選値であるか否かを判定する。なお、本実施形態における事前判定部118が乱数を用いて判定するタイミングは、具体的には当該乱数の契機となる遊技球の入球処理時である。
ここで事前判定情報とは、ここで述べた第二判定の判定結果を少なくとも包含する情報であり、第一判定の判定結果は包含してもしなくてもよい。
なお、第一判定に用いられる判定テーブルには、当否抽選部131に用いられる抽選テーブルに格納されている当選値の少なくとも一部が格納されており、判定対象の乱数が当該判定テーブルに格納されている当選値と一致するか否かによって第一判定を実行することができる。
【0064】
当否抽選部131は、第1始動口58または第2始動口59への遊技球の入球を契機として取得された乱数を用いて大当り遊技の当否抽選を行う。すなわち、当否抽選部131(当否判定手段)は、特図保留制御部115によって保留記憶された乱数を読み出して当選を判定する。なお、当否抽選部131による当否抽選の当選確率は一例に限らず、適宜変更可能である。
ここで「入賞を契機として当否抽選を行う」とは、入賞を検知することを一つの条件として、その後に当否抽選が実行されうることをいう。すなわち、入賞が検知されたとしても、必ずしも当該当否抽選が実行されなくてもよい。例えば、保留されている乱数M1の数が保留上限数を超えた場合にカウントスイッチSW1によって検知された入賞、または保留されている乱数M2の数が保留上限数を超えた場合にカウントスイッチSW2によって検知された入賞は、当否抽選の条件にはならない。
【0065】
特図選択部132は、当否抽選部131による当否抽選の結果に基づいて、特別図柄表示部91に表示させる特別図柄を選択する。
特図選択部132によって選択された特別図柄は、特別図柄による図柄変動ゲームの実行中に、後述する特別図柄表示制御部151によって特別図柄表示部91に表示される。
なお、特図選択部132による選択には、当否抽選に用いられた乱数と、予め用意されている特別図柄の種類が同数であって一意に決定される態様も含まれる。
【0066】
<普図抽選について>
遊技機10は、普図保留制御部116と、普図抽選制御部170と、普通電役制御部180と、を備える。
普図抽選制御部170は普通図柄による図柄変動ゲームを司り、開放抽選部171と普図選択部172とを有する。また、普通電役制御部180は、普通電動役物61を制御する機能である。
【0067】
普図保留制御部116は、カウントスイッチSW3によって作動ゲート63の入賞が検知されると、乱数M3を取得して専用の記憶領域に格納(保留記憶)させる。ここで乱数M3は、開放抽選部171による抽選に用いられる乱数である。保留可能な乱数M3の上限数である保留上限数は予め定められている。
普図保留制御部116は、普図抽選制御部170が普通図柄による図柄変動ゲームに係る制御を行っていないとき、保留されている乱数M3を所定の周期で読み出す。
【0068】
普図保留制御部116は保留されている乱数M3の数を監視している。また、普図保留制御部116は、監視している乱数M3の数を、図柄表示器90に表示させるように図柄表示制御部150に指令を出してもよいし、演出表示器80に表示させるように情報伝送部110を介して演出制御部210に指令を出してもよい。
【0069】
開放抽選部171は、普図保留制御部116によって取得された乱数M3を用いて、普通電動役物61を開放状態に遷移させるか否かの開放抽選を行う。なお、開放抽選部171による開放抽選の当選確率は、通常遊技状態であるときは変短状態であるときより低くなっており、変短状態であるときは通常遊技状態であるときより高くなっている。
開放抽選部171による開放抽選に当選したとき、普通電役制御部180はアクチュエータAC1を作動させて所定の開放条件で普通電動役物61を開放させる。
【0070】
普図選択部172は、開放抽選部171による開放抽選の当否結果に基づいて普通図柄を選択し、選択された普通図柄を普通図柄表示制御部153によって普通図柄表示部93に表示させる。普通図柄表示部93に対応している二つのLEDは一方が当選、一方が落選に対応しており、普通図柄表示制御部153は普図選択部172が選択した普通図柄に従っていずれか一方を発光させる。
なお、ここでいう選択とは、特図選択部132による選択と同様に、開放抽選部171による抽選に用いられた乱数M3と、予め用意されている特別図柄の種類が同数であって一意に決定される態様も含まれる。
【0071】
普通電役制御部180は、変短制御部143によって変短状態が付与されているとき、開放状態をとる時間が単位時間あたりで増加するように普通電動役物61を制御する。すなわち、普通電役制御部180の制御は、後述する変短制御部143による変短状態の付与に起因して変動する。
【0072】
<遊技状態制御について>
遊技状態制御部140は大当り遊技、確変状態または変短状態を制御する機能であり、確変制御部141、変短制御部143または大当り制御部145を有している。
【0073】
確変制御部141は、確変状態の付与条件が成立したときに通常遊技状態から確変状態へ、または確変状態の解除条件が成立したときに確変状態から通常遊技状態へと移行させることができる。ここで確変状態とは、特別図柄による図柄変動ゲームにおける当選確率が通常遊技状態より高確率になることをいう。
【0074】
確変状態の方式は、一般的にループ方式・ST方式・転落抽選方式の三種類に大別される。本実施形態における確変制御部141は、これらの三種類の確変状態のいずれを付与する態様であってもよい。
ループ方式の確変とは、確変大当りに係る大当り遊技の後に確変状態に移行し、少なくとも次回大当りまで継続する確変をいう。従って、ループ方式の確変の場合、確変状態の解除条件は次回大当りが開始されることである。
ST方式の確変とは、「スペシャルタイム確変」あるいは「回数切り確変」等とも称され、確変大当りに係る大当り遊技の後に確変状態に移行した後、所定回数の図柄変動ゲームのうちに大当り抽選に当選しない場合に、通常遊技状態に移行する確変をいう。従って、ST方式の確変の場合、確変状態の解除条件は次回大当りが開始されることに加えて、所定回数の図柄変動ゲームが行われることが含まれる。
転落抽選方式の確変とは、確変大当りに係る大当り遊技の後に確変に移行した後に行われる図柄変動ゲームにおいて確変状態から通常遊技状態へ転落するか否かを抽選(転落抽選)し、転落抽選に当選した場合に通常遊技状態へ移行する確変をいう。従って、転落抽選方式の確変の場合、確変状態の解除条件は次回大当りが開始されることに加えて、転落抽選に当選することが含まれる。
【0075】
確変状態の付与条件は、一般的には(a)一部または全部の当り遊技を条件とする方式と、(b)当り遊技中に所定の領域(入賞口を含む)への遊技球の入球を条件とする方式と、が挙げられる。また、(a)の方式において確変状態の付与条件となる一部の当り遊技を選択する方式としては、特別図柄変動ゲームにて抽選される特別図柄によって決定する方式を採用することが多い。
なお、本実施形態における確変状態の付与条件は、(a)の方式を採用してもよく、(b)の方式を採用してもよい。
【0076】
変短制御部143は、変短状態の付与条件が成立したときに通常遊技状態から変短状態へと移行させ、変短状態の解除条件が成立したときに変短状態から通常遊技状態へと移行させる機能である。
なお、本実施形態における変短状態の付与条件は、確変状態の付与条件と共通であってもよいし異なってもよい。また、本実施形態における変短状態の解除条件は、確変状態の解除条件と共通であってもよいし異なってもよい。すなわち、確変状態が付与される期間と変短状態が付与される期間は、共通であってもよいし異なってもよい。
【0077】
変短状態とは、(i)普通電動役物の開放抽選の当選確率が通常遊技状態より高確率になる、(ii)普通電動役物の一回当たりの開放時間が通常遊技状態より延長される、(iii)普通電動役物の開放抽選の当選に応じて普通電動役物が開放される回数が通常遊技状態より増加される、(iv)普通図柄表示部における一回あたりの変動表示時間が短縮される、の少なくとも一つが行われることをいう。
本実施形態において変短状態が付与された場合には、上記の四つのいずれも実行されるものとする。なお、上記の(ii)および(iii)の少なくとも一つが行われることを、一般的には"電チューサポート"または"電サポ"等と称する。
【0078】
大当り制御部145は、大当り遊技を制御する機能である。本実施形態における大当り遊技は、具体的には以下のように実行される。
まず、当否抽選部131によって大当り遊技に当選した場合、大当り遊技に対応する特別図柄が特図選択部132によって選択され、選択された特別図柄が特別図柄表示部91に停止表示された後(特別図柄による図柄変動ゲームが終了した後)に、大当り制御部145は大当り遊技を開始させる。
大当り遊技が開始されると、大当り制御部145は演出制御部210に大当り遊技の開始を示すオープニング演出に関する指令を出す。演出制御部210は大当り制御部145の指令に従い所定時間(オープニング時間)にわたってオープニング演出を実行する。なお、オープニング演出において遊技者に右打ちを推奨する等して、大入賞口55に向かう第2流路Yへの遊技球の打ち出しを促すことが好ましい。
オープニング演出の終了後には、大入賞口55が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定回数(ラウンド回数)を上限として複数回行われる。ラウンド遊技では、大入賞口55が所定回数(例えば1回)開放される。また、開放された大入賞口55に規定個数の遊技球が入球した後、または規定時間(ラウンド遊技時間)が経過後に、大入賞口55が閉鎖されてそのラウンド遊技が終了する。
ラウンド遊技の終了後には、大入賞口55が所定の時間(インターバル時間)だけ閉鎖され、次のラウンド遊技の開始と共に再び大入賞口55が開放される。
【0079】
大当り制御部145は、前段で述べたように制御するために、ラウンド回数・ラウンド遊技時間・インターバル時間等を制御情報として含む指令を特別電役制御部190に伝送する。
特別電役制御部190は、大当り制御部145から受けた指令に従って、アクチュエータAC2を作動させて特別電動役物65を開放させる。また、特別電役制御部190は、特別電動役物65を開放させている間、1回のラウンド遊技中に大入賞口55に入球した遊技球の個数をカウントスイッチSW4の検知に基づいて監視している。そして、特別電役制御部190は、入球した遊技球が上限数に達したとき、アクチュエータAC2を作動させて特別電動役物65を閉鎖させる。
【0080】
大当り制御部145は、演出制御部210にラウンド遊技中に係る演出に関する指令を出す。演出制御部210は大当り制御部145の指令に従ってラウンド演出を実行する。
規定のラウンド回数が終了すると、大当り制御部145は情報伝送部110を介して演出制御部210に大当り遊技の終了を示すエンディング演出に関する指令を出す。演出制御部210は大当り制御部145の指令に従い所定時間(エンディング時間)にわたってエンディング演出を実行し、大当り制御部145は大当り遊技を終了させる。
【0081】
<払出制御について>
遊技機10は、上球受け皿27に連通している払出機構部70を制御し、上球受け皿27へ賞球を払い出すことができる払出制御部230を備える。
より詳細には、主制御部100は、各カウントスイッチ(カウントスイッチSW1、カウントスイッチSW2、カウントスイッチSW4、カウントスイッチSW5)による入賞検知に応じて所定の賞球を払い出すように払出制御部230に対して指令を出力する。そして、払出制御部230は、主制御部100から受け付けた指令に基づいて払出機構部70を制御する。なお、払出機構部70は中枠(図示せず)の後方に配設されており、前枠20が閉じた状態では視認することができない。
各カウントスイッチに対して予め設定されている所定の賞球の数は、実施の態様に合わせて適宜設定してもよく、一例に限られない。
【0082】
<図柄変動ゲームと演出図柄の変動表示について>
遊技機10は、図柄表示制御部150と、演出制御部210と、変動パターン処理部160と、を備える。
図柄表示制御部150は、特別図柄による図柄変動ゲームの結果である特別図柄、または普通図柄による図柄変動ゲームの結果である普通図柄、を図柄表示器90に表示させる。
演出制御部210は、主に特別図柄による図柄変動ゲームや大当り遊技に関する演出表示を演出表示器80に表示させる。特に、特別図柄による図柄変動ゲームの実行中に関していえば、演出制御部210に含まれる演出図柄変動制御部211は、特別図柄表示部91における特別図柄による図柄変動ゲームの変動時間に合わせて、メイン表示部81で演出図柄の変動表示を行っている。換言すれば、演出図柄変動制御部211は、特別図柄表示部91における一回の特別図柄による図柄変動ゲームと、メイン表示部81における一回の演出表示とを、原則として対応付けて実行する。
ただし、複数回の特別図柄による図柄変動ゲームにわたって連続性を有している演出表示が実行される場合や、一回の特別図柄による図柄変動ゲームに対して複数回の変動を1セットとする演出表示が実行される場合もある。前者の代表例はいわゆる連続演出と称される演出表示であり、後者の代表例はいわゆる擬似連演出と称される演出表示である。
【0083】
上述した特別図柄による図柄変動ゲームと演出図柄の変動表示との対応性を担保するため、変動パターン処理部160は変動パターンを定める。
より詳細には、変動パターン処理部160は、特別図柄による図柄変動ゲームにて特別図柄が変動する時間を示す変動時間情報を少なくとも含む変動パターンを定め、変動パターンを含む指令を図柄表示制御部150(特別図柄表示制御部151)または演出制御部210に出力する。このとき、変動パターン処理部160は、事前判定部118による判定結果、特に演出内容に関する判定(第二判定)の結果を参照して変動パターンを定めてもよい。
特別図柄表示制御部151は変動パターンに応じて特別図柄による図柄変動ゲームを実行し、また演出制御部210は変動パターンに応じて演出図柄の変動表示を実行することによって、これらの対応性を担保している。
【0084】
なお、上記の説明において、演出制御部210は、演出表示器80(メイン表示部81、上サブ表示部82、左サブ表示部83、右サブ表示部84)の演出表示を制御する旨を説明したが、演出制御部210の制御対象はこれに限られない。その他にも、演出制御部210は、照明装置35による点灯(点滅)演出、またはスピーカ33による音声演出についても制御することができ、これらの演出表示、点灯演出、音声演出等を組み合わせて遊技者の興趣を喚起することができる。
また、演出制御部210は、ボタン37にて受け付けた遊技者の操作に応じて各種演出を可変に切り替えることもできる。
また、演出制御部210は、上サブ表示部82、左サブ表示部83、右サブ表示部84または演出装飾体88の移動制御を実行することができる。
【0085】
また、上記の説明において、変動パターン処理部160によって定められる変動パターンは変動時間情報を少なくとも含む旨を説明した。この他にも、変動パターンには、リーチ演出をするかバラケ目にするかを示す情報やリーチ演出の種別を示す情報等が含まれてもよい。
【0086】
<連続演出の実行と上サブ表示部82または演出装飾体88の制御について>
続いて、連続演出の実行と上サブ表示部82または演出装飾体88の制御について、
図11から
図14を用いて説明する。なお、上述した
図1から
図8に図示されている各構成要素に触れて説明する場合があるので、これらの図面も適宜参照されたい。
図11は、事前判定部118によって判定されうる決定条件に対応する演出の一例を示す図である。
図12から
図14は、第一図柄変動ゲームの演出処理と、その前後の図柄変動ゲームにおける演出処理に関するタイムチャートの一例を示す図である。
【0087】
本実施形態における演出制御部210は、上述の演出図柄変動制御部211の他に、演出選択部212と、予告演出制御部214と、を備える。
演出選択部212は、事前判定部118による判定結果に基づいて予告演出を選択する。例えば、事前判定部118による判定結果(事前判定情報)に、判定対象の乱数に起因して実行される図柄変動ゲームの演出内容の決定条件が含まれる場合、演出選択部212は当該決定条件に基づいて予告演出を選択する。
予告演出制御部214は、演出選択部212によって選択された予告演出を実行する。
なお、演出選択部212による選択には、事前判定部118から受け付けた事前判定情報に基づいて一意に決定される場合も含まれる。
【0088】
演出選択部212によって選択される予告演出には上サブ表示部82や演出装飾体88を移動させるものや、上サブ表示部82に特典示唆画像を表示させるものが含まれる。このような予告演出が演出選択部212によって選択された場合、予告演出制御部214は上サブ表示部82や演出装飾体88の移動制御または上サブ表示部82の表示制御を行いうる。
【0089】
予告演出制御部214による上サブ表示部82または演出装飾体88の移動制御は、各々の原位置と演出位置との間を単に直線移動で往復させるものであってもよいし、より複雑な動作(例えば、上サブ表示部82・演出装飾体88を回転させる、または揺動させる等)を伴うものであってもよい。
【0090】
図11は、事前判定部118によって判定されうる決定条件に対応する演出の一例を示す図である。
図11に示す決定条件は、遊技機10において実行される演出の一部であり、ここで示されない演出も存在しうる。
図11において「上サブ表示部82の移動」の欄に○印が付されている演出は、その実行中の少なくとも一部において上サブ表示部82が原位置から演出位置まで移動することを伴うことを意味する。また、同欄に×印が付されている演出は、その実行中は上サブ表示部82が原位置で維持されることを意味する。
また、
図11において「上サブ表示部82による表示」の欄に○印が付されている演出は、その実行中の少なくとも一部において上サブ表示部82に上述の特典付与画像が表示されることを意味する。また、同欄に×印が付されている演出は、その実行中は上サブ表示部82に特典付与画像に該当しない通常画像が表示される、または何れの画像も表示されないことを意味する。
また、
図11において「演出装飾体88の移動」の欄に○印が付されている演出は、その実行中の少なくとも一部において演出装飾体88が原位置から演出位置まで移動することを伴うことを意味する。また、同欄に×印が付されている演出は、その実行中は演出図柄表示領域85が原位置で維持されることを意味する。
【0091】
なお、上述のように、上サブ表示部82の原位置は、
図2等に示すように、メイン表示部81の上方であって、遊技者に視認される位置である。また、演出装飾体88の原位置は、図示されないが、メイン表示部81の下方であって、遊技者から視認不能に秘匿される位置である。また、上サブ表示部82の演出位置は、
図3に示すように、メイン表示部81の前方であって、メイン表示部81の表示領域に重畳する位置である。また、演出装飾体88の演出位置は、
図4に示すように、メイン表示部81の前方であって、メイン表示部81の表示領域に重畳する位置である。
これを換言すれば、演出制御部210は、可動式の演出表示装置である上サブ表示部82(演出用可動体)を原位置(第一位置)から演出位置(第二位置)に移動させる場合に、演出図柄表示領域85と上サブ表示部82とが重なる領域を拡大させるともいえる。なお、演出図柄表示領域85は、上述したように、図柄変動ゲームと連動して演出図柄の変動表示または停止表示が行われるメイン表示部81上の表示領域である。
または、メイン表示部81(他の演出表示装置の少なくとも一つ)は、演出図柄表示領域85を有しており、上サブ表示部82(特定の演出表示装置の少なくとも一つ)は原位置から演出位置まで移動可能であって、演出制御部210は、上サブ表示部82を原位置から演出位置に移動させる場合に、演出図柄表示領域85と上サブ表示部82とが重なる領域を拡大させるともいえる。なお、上述したように、原位置と演出位置とは離間している。
【0092】
なお、本実施形態における上サブ表示部82の原位置は演出図柄表示領域85から外れた位置であるが、必ずしもこの配置に限られない。例えば、原位置における上サブ表示部82の一部が演出図柄表示領域85に重複していてもよい。このとき、演出位置における上サブ表示部82と演出図柄表示領域85とが重複する領域は、原位置における上サブ表示部82と演出図柄表示領域85とが重複する領域より拡大していることが望ましい。
【0093】
演出図柄表示領域85は、一般的に遊技者の注目を最も集める表示領域であるが、本実施形態における演出用可動体(上サブ表示部82、演出装飾体88)は連続演出中に演出図柄表示領域85まで移動するので、遊技者の関心が演出用可動体に集中しやすい。従って、連続演出中の演出用可動体の移動(移動演出)や特典示唆画像の表示(第一演出)による演出効果がより向上する。
【0094】
図11に示す「バラケ目」「ノーマルリーチ」「ロングリーチ」の演出は、上サブ表示部82の移動、上サブ表示部82による表示または演出装飾体88の移動を伴わない演出である。従って、これらの演出が実行されている場合、遊技者は演出図柄の変動等が表示されているメイン表示部81(演出図柄表示領域85)に関心を向けがちになる。ここで「ノーマルリーチ」および「ロングリーチ」は、リーチ目を形成して行われる演出であって、その実行時間が相対的に短いものと長いものである。
一方、
図11に示す「装飾体作動リーチ」「上サブ落下リーチ」「スロットリーチ」は、上サブ表示部82の移動、上サブ表示部82による表示または演出装飾体88の移動の少なくとも一つを伴う演出である。従って、これらの演出が実行されている場合、遊技者は、メイン表示部81の他に上サブ表示部82や演出装飾体88に対しても関心を向ける。
【0095】
なお、上記の「バラケ目」「ノーマルリーチ」「ロングリーチ」の演出は、上サブ表示部82の移動、上サブ表示部82による表示または演出装飾体88の移動を伴わず、メイン表示部81において特典示唆画像(演出図柄の変動表示)が表示されるのみなので、いずれも本発明の非移動演出または第二演出に相当する。
【0096】
上述の「装飾体作動リーチ」とは、具体的には、演出図柄表示領域85にリーチ目を形成している最中に、
図4に示すように演出図柄表示領域85の前方に演出装飾体88を上昇させることを契機として特殊なリーチ演出に発展する演出である。上述のように演出装飾体88は本発明の演出用可動体の一例であるので、「装飾体作動リーチ」は本発明の移動演出に相当する。
【0097】
第一図柄変動ゲームで「装飾体作動リーチ」を実行する場合、その前後における演出処理について、
図12のタイムチャートを用いて説明する。
図12において、「図柄変動ゲーム(1)」から「図柄変動ゲーム(3)」は、それぞれ異なる図柄変動ゲームであり、括弧中の数字の小さい順に実行されることを示している。
図12における各図柄変動ゲームの長さは、必ずしも各図柄変動ゲームの実行時間と一致するものではない。
また、
図12において「事前判定対象期間A」「事前判定対象期間B」として付されている期間は、事前判定部118による判定対象になった乱数に起因して実行される図柄変動ゲームを示している。また、「事前判定対象期間A」は上述の第一図柄変動ゲームに相当し、「事前判定対象期間B」は上述の第二図柄変動ゲームに相当する。
また、
図12において「入球A」「入球B」と付されている二重丸は「図柄変動ゲーム(1)」の中途において事前判定部118による判定契機となる遊技球の入球タイミングを示している。「入球A」は上述の事前判定対象期間Aの判定契機となる遊技球の入球タイミングであり、「入球B」は上述の事前判定対象期間Bの判定契機となる遊技球の入球タイミングであり、各破線矢印はこれらの対応関係を示している。
また、
図12に図示する期間において、入球処理が行われたのは二重丸で図示するタイミングのみであって、他の入球処理はなかったものとする。
【0098】
「図柄変動ゲーム(1)」において入球Aの後に入球Bが行われており、各入球時には始動条件が成立すると共に事前判定部118による判定処理が行われる。入球Aの時点において取得されて保留される乱数は「図柄変動ゲーム(2)」の始動条件の成立契機になるものであり、入球Bの時点において取得されて保留される乱数は「図柄変動ゲーム(3)」の始動条件の成立契機になるものである。
入球Aにおける事前判定部118の事前判定対象期間A(第一図柄変動ゲーム)に対する判定結果として「装飾体作動リーチ」の決定条件が判定された場合、入球Bにおける事前判定部118の事前判定対象期間B(第二図柄変動ゲーム)に対する判定結果として非移動演出の中から判定する。なお、本実施形態における非移動演出は、上述した「バラケ目」「ノーマルリーチ」「ロングリーチ」の他に、後述する「スロットリーチ」も該当する。
なお、入球Bの判定時における事前判定部118は、入球Aの時に保留された乱数と共に格納されている事前判定情報から事前判定対象期間A(第一図柄変動ゲーム)に対する判定結果を判別することができる。
【0099】
事前判定部118が事前判定対象期間Bに対する判定結果として非移動演出を必然的に判定するためには、次のような方式が考えられる。
例えば、事前判定部118は、非移動演出に対応する決定条件のみからなる判定テーブルを参照してもよい。または、事前判定部118は、移動演出に対応する決定条件が判定された場合には、その判定結果を禁則して非移動演出に対応する決定条件に代えてもよい。あるいは、事前判定部118は、移動演出に対応する決定条件が判定された場合には、当該決定条件に演出装飾体88の移動を禁則する旨の指令を付加した事前判定情報を演出制御部210に出力することによって、実質的に非移動演出を判定したものと同質の事前判定情報に変化させてもよい。
【0100】
「図柄変動ゲーム(2)」(第一図柄変動ゲーム)の図柄変動開始処理時における演出選択部212は、入球Aの時に保留された乱数と共に格納されている事前判定情報に基づいて「装飾体作動リーチ」を選択する。また、「図柄変動ゲーム(2)」の図柄変動開始処理時における予告演出制御部214は、演出選択部212によって選択された「装飾体作動リーチ」を実行する。
「図柄変動ゲーム(3)」(第二図柄変動ゲーム)の図柄変動開始処理時における演出選択部212は、入球Bの時に保留された乱数と共に格納されている事前判定情報に基づいて非移動演出に該当するいずれかの演出を選択する。また、「図柄変動ゲーム(3)」の図柄変動開始処理時における予告演出制御部214は、演出選択部212によって選択された非移動演出を実行する。
【0101】
上記のような推移で各処理が実行されるため、
図12に示すとおり、第一図柄変動ゲームである「図柄変動ゲーム(2)」において演出装飾体88は原位置から演出位置に移動した後に演出位置から原位置に復位する。また、
図12に示すとおり、第二図柄変動ゲームである「図柄変動ゲーム(3)」において演出装飾体88は原位置に維持される。
【0102】
なお、演出選択部212は「装飾体作動リーチ」を選択する際に、「装飾体作動リーチ」に関連する一連の処理の詳細も選択することが好ましい。例えば、演出装飾体88の移動開始タイミングや移動終了タイミング(復位するタイミング)、演出装飾体88を移動する前後における演出図柄の変動表示の内容、「装飾体作動リーチ」に付随して実行するその他の演出の有無等について、演出選択部212は選択してもよい。
なお、上記に列挙した一連の処理は、判定対象の図柄変動ゲームの実行期間と密接な関係を持ちうるので、「図柄変動ゲーム(2)」の図柄変動開始処理時において変動パターン処理部160によって決定される変動パターンに基づいて判定されることが望ましい。
【0103】
上述の「上サブ落下リーチ」とは、具体的には、演出図柄表示領域85にリーチ目を形成している最中に、
図3に示すように演出図柄表示領域85の前方に上サブ表示部82を落下させることを契機として特殊なリーチ演出に発展する演出である。また、上サブ表示部82は、少なくとも落下する時点において特典示唆画像を表示する。
上述のように上サブ表示部82は本発明の演出用可動体の一例であるので、「上サブ落下リーチ」は本発明の移動演出に相当する。また、上サブ表示部82に特典示唆画像が表示されるので、「上サブ落下リーチ」は本発明の第一演出にも相当する。
【0104】
第一図柄変動ゲームで「上サブ落下リーチ」を実行する場合、その前後における演出処理について、
図13のタイムチャートを用いて説明する。
図13における「図柄変動ゲーム(1)」から「図柄変動ゲーム(3)」の意味するところは、
図12と同様である。
また、
図13において「事前判定対象期間C」「事前判定対象期間D」として付されている期間は、事前判定部118による判定対象になった乱数に起因して実行される図柄変動ゲームを示している。また、「事前判定対象期間C」は上述の第一図柄変動ゲームに相当し、「事前判定対象期間D」は上述の第二図柄変動ゲームに相当する。
また、
図13において「入球C」「入球D」と付されている二重丸は「図柄変動ゲーム(1)」の中途において事前判定部118による判定契機となる遊技球の入球タイミングを示している。「入球C」は上述の事前判定対象期間Cの判定契機となる遊技球の入球タイミングであり、「入球D」は上述の事前判定対象期間Dの判定契機となる遊技球の入球タイミングであり、各破線矢印はこれらの対応関係を示している。
また、
図13に図示する期間において、入球処理が行われたのは二重丸で図示するタイミングのみであって、他の入球処理はなかったものとする。
【0105】
「図柄変動ゲーム(1)」において入球Cの後に入球Dが行われており、各入球時には始動条件が成立すると共に事前判定部118による判定処理が行われる。入球Cの時点において取得されて保留される乱数は「図柄変動ゲーム(2)」の始動条件の成立契機になるものであり、入球Dの時点において取得されて保留される乱数は「図柄変動ゲーム(3)」の始動条件の成立契機になるものである。
入球Cにおける事前判定部118の事前判定対象期間C(第一図柄変動ゲーム)に対する判定結果として「上サブ落下リーチ」の決定条件が判定された場合、入球Dにおける事前判定部118の事前判定対象期間D(第二図柄変動ゲーム)に対する判定結果として非移動演出であってかつ第二演出に該当する演出の中から判定する。なお、本実施形態における非移動演出であってかつ第二演出に該当する演出は、上述した「バラケ目」「ノーマルリーチ」「ロングリーチ」である。
なお、入球Dの判定時における事前判定部118は、入球Cの時に保留された乱数と共に格納されている事前判定情報から事前判定対象期間C(第一図柄変動ゲーム)に対する判定結果を判別することができる。
【0106】
「図柄変動ゲーム(2)」(第一図柄変動ゲーム)の図柄変動開始処理時における演出選択部212は、入球Cの時に保留された乱数と共に格納されている事前判定情報に基づいて「上サブ落下リーチ」を選択する。また、「図柄変動ゲーム(2)」の図柄変動開始処理時における予告演出制御部214は、演出選択部212によって選択された「上サブ落下リーチ」を実行する。
「図柄変動ゲーム(3)」(第二図柄変動ゲーム)の図柄変動開始処理時における演出選択部212は、入球Dの時に保留された乱数と共に格納されている事前判定情報に基づいて非移動演出であってかつ第二演出に該当する演出のいずれかを選択する。また、「図柄変動ゲーム(3)」の図柄変動開始処理時における予告演出制御部214は、演出選択部212によって選択された当該演出を実行する。
【0107】
上記のような推移で各処理が実行されるため、
図13に示すとおり、第一図柄変動ゲームである「図柄変動ゲーム(2)」において上サブ表示部82は原位置から演出位置に移動して特典示唆画像を表示する。そして、上サブ表示部82は特典示唆画像の表示が終了した後に演出位置から原位置に復位する。また、
図13に示すとおり、第二図柄変動ゲームである「図柄変動ゲーム(3)」において上サブ表示部82は原位置に維持される。
【0108】
なお、演出選択部212は「上サブ落下リーチ」を選択する際に、それに関連する一連の処理の詳細も選択することが好ましいことについては、上述の「装飾体作動リーチ」と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0109】
予告演出制御部214が「上サブ落下リーチ」を実行する場合、上述したように、上サブ表示部82に特典が付与される可能性を示唆する特典示唆画像を表示させる。すなわち、予告演出制御部214は多彩な演出画面(特典示唆画像)を表示しながら上サブ表示部82を移動させることができるので、「上サブ落下リーチ」は上サブ表示部82を移動させるのみの演出に比べて高い演出効果を奏する。
【0110】
上述の「スロットリーチ」とは、具体的には、演出図柄表示領域85にリーチ目を形成している最中に、上サブ表示部82にスロットマシンのリールを模した特典示唆画像を表示させ(図示せず)、そのリールが形成する出目によって図柄揃いになる(特典が付与される)ことを示唆した後に、演出図柄が停止表示になる演出である。
上サブ表示部82に特典示唆画像が表示されるので、「スロットリーチ」は本発明の第一演出に相当する。
【0111】
第一図柄変動ゲームで「スロットリーチ」を実行する場合、その前後における演出処理について、
図14のタイムチャートを用いて説明する。
図14における「図柄変動ゲーム(1)」から「図柄変動ゲーム(3)」の意味するところは、
図12と同様である。
また、
図14において「事前判定対象期間E」「事前判定対象期間F」として付されている期間は、事前判定部118による判定対象になった乱数に起因して実行される図柄変動ゲームを示している。また、「事前判定対象期間E」は上述の第一図柄変動ゲームに相当し、「事前判定対象期間F」は上述の第二図柄変動ゲームに相当する。
また、
図14において「入球E」「入球F」と付されている二重丸は「図柄変動ゲーム(1)」の中途において事前判定部118による判定契機となる遊技球の入球タイミングを示している。「入球E」は上述の事前判定対象期間Eの判定契機となる遊技球の入球タイミングであり、「入球F」は上述の事前判定対象期間Fの判定契機となる遊技球の入球タイミングであり、各破線矢印はこれらの対応関係を示している。
また、
図14において、「表示有り」「表示無し」とは、特典示唆画像の表示の有無を意味しており、その他の画像(通常画像)の表示にまで言及するものではない。また、
図14において「変動表示」「停止表示」とは、演出図柄の変動表示と停止表示とを意味するものであり、その他の演出に関する特典示唆画像の表示の有無や通常画像の表示の有無にまで言及するものではない。
また、
図14に図示する期間において、入球処理が行われたのは二重丸で図示するタイミングのみであって、他の入球処理はなかったものとする。
【0112】
「図柄変動ゲーム(1)」において入球Eの後に入球Fが行われており、各入球時には始動条件が成立すると共に事前判定部118による判定処理が行われる。入球Eの時点において取得されて保留される乱数は「図柄変動ゲーム(2)」の始動条件の成立契機になるものであり、入球Fの時点において取得されて保留される乱数は「図柄変動ゲーム(3)」の始動条件の成立契機になるものである。
入球Eにおける事前判定部118の事前判定対象期間E(第一図柄変動ゲーム)に対する判定結果として「スロットリーチ」の決定条件が判定された場合、入球Fにおける事前判定部118の事前判定対象期間F(第二図柄変動ゲーム)に対する判定結果として第二演出に該当する演出の中から判定する。なお、本実施形態における第二演出に該当する演出は、上述した「バラケ目」「ノーマルリーチ」「ロングリーチ」の他に、「装飾体作動リーチ」が該当する。
なお、入球Fの判定時における事前判定部118は、入球Eの時に保留された乱数と共に格納されている事前判定情報から事前判定対象期間E(第一図柄変動ゲーム)に対する判定結果を判別することができる。
【0113】
「図柄変動ゲーム(2)」(第一図柄変動ゲーム)の図柄変動開始処理時における演出選択部212は、入球Eの時に保留された乱数と共に格納されている事前判定情報に基づいて「スロットリーチ」を選択する。また、「図柄変動ゲーム(2)」の図柄変動開始処理時における予告演出制御部214は、演出選択部212によって選択された「スロットリーチ」を実行する。
「図柄変動ゲーム(3)」(第二図柄変動ゲーム)の図柄変動開始処理時における演出選択部212は、入球Fの時に保留された乱数と共に格納されている事前判定情報に基づいて第二演出に該当する演出のいずれかを選択する。また、「図柄変動ゲーム(3)」の図柄変動開始処理時における予告演出制御部214は、演出選択部212によって選択された第二演出を実行する。
【0114】
上記のような推移で各処理が実行されるため、
図14に示すとおり、第一図柄変動ゲームである「図柄変動ゲーム(2)」において上サブ表示部82には特典示唆画像が表示される。また、
図14に示すとおり、第二図柄変動ゲームである「図柄変動ゲーム(3)」において上サブ表示部82には特典示唆画像が表示されない。
一方で、メイン表示部81(演出図柄表示領域85)では、演出図柄変動制御部211による演出図柄の変動が周期的に実行されているので、各図柄変動ゲームの間において演出図柄が停止表示されている期間を除いて、原則としてメイン表示部81は特典示唆画像を表示している。
【0115】
なお、演出選択部212は「スロットリーチ」を選択する際に、それに関連する一連の処理の詳細も選択することが好ましいことについては、上述の「装飾体作動リーチ」と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0116】
図12から
図14のタイムチャートに即して説明したように、事前判定部118、演出選択部212および予告演出制御部214が連動することによって、第一図柄変動ゲームまたは第二図柄変動ゲームにおいて、本発明の目的の即した演出を選択して実行することができる。これらの処理を整理すると以下のようになる。
まず、第一図柄変動ゲームの開始前に、第一図柄変動ゲームまたは第二図柄変動ゲームの始動契機となる乱数が、それぞれ取得されて保留される。事前判定部118は、取得された乱数の値が当選値であるか否か判定して(第一判定)、さらに第一図柄変動ゲームまたは第二図柄変動ゲームの演出内容の決定条件を判定する(第二判定)。
第一図柄変動ゲームに対して判定された決定条件が移動演出または第一演出に対応するものである場合の少なくとも一部において、事前判定部118は、第二図柄変動ゲームに対する判定において非移動演出または第二演出に対応する決定条件を判定する。
演出選択部212は事前判定部118によって判定された決定条件に基づいて演出を選択し、予告演出制御部214は演出選択部212によって選択された演出を実行する。
【0117】
<各種処理の処理手順について>
次に、上記で説明した各種処理の処理手順について、
図9または
図10を用いて説明する。なお、上述した
図1から
図8に図示されている各構成要素に触れて説明する場合があるので、これらの図面も適宜参照されたい。
【0118】
図9は、入球時処理の処理手順を示すフローチャートである。
図10は、図柄変動開始処理の処理手順を示すフローチャートである。
なお、これらのフローチャートで図示される処理手順は、本発明の処理手順やその実行タイミングを限定するものではない。このため、本発明に関する処理を実施するときには、その複数の処理手順は内容的に支障のない範囲で変更することができ、また複数の処理の実行タイミングの一部または全部が互いに重複していてもよい。
また、
図9または
図10で図示される各処理は、本発明の説明に必要な主たる処理であって、遊技機10によって実行される全ての処理を示すものではない。
【0119】
まず、入球時処理について説明する。ここで入球時処理とは、第1始動口58または第2始動口59に対して遊技球が入球した後に実行される一連の処理である。
第1始動口58または第2始動口59への入球が検知されるまで(ステップS102のNO)、ステップS104以降の処理は行われないまま待機となる。
また、第1始動口58または第2始動口59への入球が検知されたとしても(ステップS102のYES)、特図保留制御部115による保留数が上限に達していれば(ステップS104のYES)、ステップS106以降の処理は行われないまま待機となる。
【0120】
第1始動口58または第2始動口59への入球が検知されて(ステップS102のYES)、かつ特図保留制御部115による保留数が上限に達していないとき(ステップS104のNO)、特図保留制御部115による保留数が加算される(ステップS106)。また、特図保留制御部115によって乱数M1または乱数M2が取得されて、専用の記憶領域に保留記憶される(ステップS108)。
すなわち、ステップS102の肯定とステップS104の否定とが、上記の始動条件の成立を意味する。
【0121】
次に、乱数M1または乱数M2が保留されたことを契機として、事前判定部118によって事前判定処理(ステップS110)が行われる。
事前判定処理が実行されるとき、事前判定部118は、保留記憶された乱数M1または乱数M2に起因して大当り遊技に当選するか否かおよびその乱数に対する演出内容の決定条件を判定し、その判定結果を示す事前判定情報を生成する。
本実施形態における事前判定部118は、上述の第一判定または第二判定に用いられる判定テーブルを有しており、当該判定テーブルに基づいて各判定処理を行う。なお、第一判定に用いられる判定テーブルには、当否抽選部131に用いられる抽選テーブルに格納されている当選値の少なくとも一部が格納されており、判定対象の乱数M1または乱数M2が当該判定テーブルに格納されている当選値と一致するか否かによって第一判定を実行することができる。
【0122】
ステップS102からステップS110までの一連の処理結果を制御情報として含むコマンドが、情報伝送部110から演出制御部210に対して出力されて(ステップS112)、その入球時処理は終了となる。
ステップS112にて出力されるコマンドには、例えば、ステップS110における事前判定部118の判定結果を示す事前判定情報が含まれる。
【0123】
続いて、図柄変動開始処理の処理手順について説明する。ここで図柄開始処理とは、特別図柄による図柄変動ゲームを開始させる際に行われる一連の処理である。
まず、特図抽選制御部130は、変動開始条件が成立しているか否かを判定する(ステップS202)。ここで変動開始条件とは、(i)ステップS202の判定時において特別図柄による図柄変動ゲームが実行されていないこと、(ii)ステップS202の判定時において大当り遊技が実行されていないこと、(iii)ステップS202の判定時において保留記憶が1個以上存在すること等が挙げられる。
ステップS202の判定が否定されるとき(ステップS202のNO)、ステップS204以降の処理は実行されずに、その図柄変動開始処理は終了となる。
【0124】
ステップS202の判定が肯定されるとき(ステップS202のYES)、当否抽選部131は、特図保留制御部115に保留されている乱数M1または乱数M2を読み出す(ステップS204)。
ステップS204において、当否抽選部131は、特図保留制御部115に保留記憶されている順番で乱数M1または乱数M2を読み出してもよいし、一方を他方に優先して読み出してもよい。
【0125】
ステップS204で乱数が読み出されることを契機として各判定処理が実行される(ステップS206)。
ここでステップS206に含まれる処理としては、具体的には、上述した当否抽選部131による当否抽選や特図選択部132による特別図柄の選択が少なくとも含まれる。また、(i)変短状態が付与されているか否か、(ii)演出図柄をリーチ目で停止させるか否か、(iii)特定の演出を行うか否か等の判定処理が、ステップS206の処理に含まれてもよい。
そして、変動パターン処理部160は、ステップS206の処理結果を用いて変動パターンを決定する(ステップS208)。
【0126】
ステップS202からステップS208までの一連の処理結果を制御情報として含むコマンドが、情報伝送部110から演出制御部210に対して出力されて(ステップS210)、その図柄変動開始処理は終了となる。
ステップS210において出力されるコマンドには、例えば、ステップS206で実行された判定の処理結果を示す情報やステップS208で決定された変動パターンを示す情報、またはこれらに関連して実行される演出に用いられる情報等が含まれてもよい。
演出制御部210は、ステップS210において出力されたコマンドを入力し、当該コマンドに含む情報に基づいて種々の演出(上述の予告演出も含む)を実行しうる。
【0127】
<本発明の演出制御の効果について>
以上、本実施形態における遊技機10の構造、機能構成、処理手順について説明した。これらの説明を踏まえて、本発明の演出制御の効果について述べる。
本実施形態の遊技機10は上記のように第一図柄変動ゲームおよび第二図柄変動ゲームにおける演出を実行するので、上サブ表示部82または演出装飾体88が作動する第一図柄変動ゲームにおける演出と上サブ表示部82または演出装飾体88が初期状態で維持される第二図柄変動ゲームにおける予告演出との差異が明らかとなる。
【0128】
また、第一図柄変動ゲームと第二図柄変動ゲームとにわたって連続して上サブ表示部82または演出装飾体88を移動することがないので、これらの移動制御の簡素化を図ることができる。
【0129】
また、本実施形態における遊技機10は、上サブ表示部82または演出装飾体88に遊技者の関心を惹きつける種々の工夫が施されているので、連続演出による演出効果をさらに高めることができる。
【0130】
<本発明の変形例について>
ここまで
図1から
図14を用いて説明される実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
上述の実施形態では、移動演出において演出用可動体(上サブ表示部82または演出装飾体88)が原位置から演出位置まで移動する事例で説明したが、本発明の実施はこれに限られない。例えば、演出用可動体が停止しうる位置(その配置を維持できる位置)が複数箇所である場合、移動演出の実行中に演出用可動体はある位置から別の位置まで移動すれば足りる。また、演出図柄表示領域85に重なる位置から原位置に演出用可動体を移動させることを移動演出としてもよい。
【0131】
また、上述の実施形態では主制御部100が備える事前判定部118の判定結果(事前判定情報)に含まれる演出内容の決定条件に基づいて本発明の目的に即した演出の選択を可能とする事例を説明したが、本発明の実施はこれに限られない。
例えば、演出制御部210が備える構成要素(図示せず)によって上述の決定条件に相当する情報が生成され、第一図柄変動ゲームに対して生成された当該情報が移動演出または第一演出を示す場合、演出選択部212が第二図柄変動ゲームにおいて非移動演出または第二演出を選択しても、本発明の目的を達成しうる。
または、第一図柄変動ゲームで実行中の演出が移動演出または第一演出に該当する旨を示す情報を演出制御部210が有するRAM(図示せず)に格納しており、第二図柄変動ゲームにおいて演出選択部212が予告演出を選択する際に当該RAMに格納されている当該情報を参照することによって、非移動演出または第二演出に該当する演出を選択してもよい。
すなわち、これらの変形例で本発明を実施する場合、事前判定部118の判定に基づかなくても本発明の目的を達成しうる。
【0132】
また、上述の実施形態では、第一図柄変動ゲームの演出内容の決定条件と、第二図柄変動ゲームの演出内容の決定条件と、を共に第一図柄変動ゲームが開始する事前に判定した事例を説明したが、本発明の実施はこれに限られない。
または、上サブ表示部82または演出装飾体88が第一位置に存在することを検知する移動センサ(図示せず)、または上サブ表示部82に特典示唆画像が表示されていることを検知する表示センサ(図示せず)、の少なくとも一方を遊技領域50a上に設ける。そして、第一図柄変動ゲームの実行中に上記の移動センサまたは表示センサが演出用可動体の移動を検知している場合、第二図柄変動ゲームに対する事前判定部118の判定結果として非移動演出または第二演出に対応する決定条件を判定してもよい。この変形例で本発明を実施する場合、事前判定部118の判定は第一図柄変動ゲームの実行中となる。すなわち、第一図柄変動ゲームの開始後における事前判定部118の判定結果に基づいて本発明の目的を達成しうる。
この変形例を換言すれば、以下のようになる。すなわち、演出用可動体が第一位置に移動している旨を検知する移動センサを備え、事前判定部118が第一図柄変動ゲームの実行期間において第二図柄変動ゲームに対して判定するタイミングで移動センサが検知している場合、事前判定部118は、非移動演出を示す情報を含む事前判定情報を判定結果として生成する。また、演出選択部212は、第二図柄変動ゲームにおいて事前判定情報に基づいて非移動演出を選択する。
または、特定の演出表示装置に特典示唆画像が表示されている旨を検知する表示センサを備え、事前判定部118が第一図柄変動ゲームの実行期間において第二図柄変動ゲームに対して判定するタイミングで表示センサが検知している場合、事前判定部118は、第二演出を示す情報を含む事前判定情報を判定結果として生成する。また、演出選択部212は、第二図柄変動ゲームにおいて事前判定情報に基づいて第二演出を選択する。
【0133】
また、第一図柄変動ゲームにおける移動演出または第一演出の態様が、上記の移動センサまたは表示センサの検知が第二図柄変動ゲームの開始時まで維持されるものであるならば、第二図柄変動ゲームの開始時における演出選択部212は、これらの検知に基づいて第二図柄変動ゲームで実行する予告演出を非移動演出または第二演出の中から選択してもよい。
【0134】
また、上述の「スロットリーチ」の説明において、第一図柄変動ゲーム(「図柄変動ゲーム(2)」)においてメイン表示部81や上サブ表示部82が特典示唆画像を表示する旨を説明したが、第一図柄変動ゲームにおいて左サブ表示部83や右サブ表示部84にも特典示唆画像を表示してもよい。
また、上述の「スロットリーチ」の説明において、第二図柄変動ゲーム(「図柄変動ゲーム(3)」)において上サブ表示部82では特典示唆画像を表示せず、メイン表示部81において特典示唆画像を表示する旨を説明したが、第二図柄変動ゲームにおいて左サブ表示部83や右サブ表示部84にも特典示唆画像を表示してもよい。
【0135】
また、上述の実施形態ではパチンコ機で本発明の連続演出を実行する態様で説明したが、スロットマシンにも応用可能である。この場合、連続演出が示唆する特典には、いわゆるビッグボーナス(役物連続作動装置)やアシストリプレイタイム(ART)等の有利遊技状態が該当する。
本発明の連続演出をスロットマシンに応用した場合、乱数取得手段は、遊技者による始動レバーの操作の検知を始動条件の少なくとも一つに含みうる。また、図柄表示制御手段は、始動条件の成立を契機として複数の図柄が表示されている複数のリールを回動させることによって変動表示を行い、複数のリールを停止させることによって停止表示を行う。また、当否判定手段は、当選の判定がされた場合の少なくとも一部に起因して、遊技者にとって有利な有利遊技状態への移行を特典として判定する。また、当否判定手段によって有利遊技状態への移行が判定されている場合の少なくとも一部において、演出選択手段は予告演出を選択する。
【0136】
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)始動条件の成立を契機として乱数を取得する乱数取得手段と、前記乱数取得手段によって取得された前記乱数を用いて当選の成否を判定する当否判定手段と、前記当否判定手段によって前記当選が判定された場合の少なくとも一部において、遊技者にとって有利な特典を付与する特典付与手段と、前記当否判定手段による判定結果を報知する図柄変動ゲームを実行する図柄表示制御手段と、前記始動条件の成立の少なくとも一部を契機として、前記特典が付与される可能性を示唆する複数とおりの予告演出の中からいずれかを選択する演出選択手段と、前記予告演出の契機となった前記始動条件が成立した後に行われる前記図柄変動ゲームの少なくとも一部の実行中に、前記演出選択手段によって選択された前記予告演出を実行する予告演出制御手段と、を備え、前記予告演出が実行される第二図柄変動ゲームの直前回で実行される第一図柄変動ゲームにおいて演出用可動体を第一位置から前記第一位置から離間している第二位置まで移動させる移動演出が選択された場合の少なくとも一部において、前記演出選択手段は、前記第二図柄変動ゲームについて前記演出用可動体を前記第一位置に維持させる非移動演出を選択する遊技機。
(2)前記演出用可動体が、可動式の演出表示装置であり、前記演出制御手段は、前記演出用可動体を前記第一位置から前記第二位置に移動させる場合に、前記図柄変動ゲームと連動して演出図柄の変動表示または停止表示が行われる演出図柄表示領域と前記演出用可動体とが重なる領域を拡大させる(1)に記載の遊技機。
(3)始動条件の成立を契機として乱数を取得する乱数取得手段と、前記乱数取得手段によって取得された前記乱数を用いて当選の成否を判定する当否判定手段と、前記当否判定手段によって前記当選が判定された場合の少なくとも一部において、遊技者にとって有利な特典を付与する特典付与手段と、前記当否判定手段による判定結果を報知する図柄変動ゲームを実行する図柄表示制御手段と、前記始動条件の成立の少なくとも一部を契機として、前記特典が付与される可能性を示唆する複数とおりの予告演出の中からいずれかを選択する演出選択手段と、前記予告演出の契機となった前記始動条件が成立した後に行われる前記図柄変動ゲームの少なくとも一部の実行中に、前記演出選択手段によって選択された前記予告演出を実行する予告演出制御手段と、前記予告演出の実行中に、前記特典が付与される可能性を示唆する特典示唆画像を表示しうる複数の演出表示装置と、を備え、前記予告演出が実行される予定の第二図柄変動ゲームの直前回で実行される第一図柄変動ゲームにおいて特定の前記演出表示装置を用いる第一演出が選択された場合の少なくとも一部において、前記演出選択手段は、前記第二図柄変動ゲームについて前記特定の演出表示装置とは異なる他の前記演出表示装置に前記特典示唆画像を表示させる第二演出を選択する遊技機。
(4)前記他の演出表示装置の少なくとも一つは、前記図柄変動ゲームと連動して演出図柄の変動表示または停止表示が行われる演出図柄表示領域を有しており、前記特定の演出表示装置の少なくとも一つは第一位置から前記第一位置から離間している第二位置まで移動可能であって、前記演出制御手段は、前記特定の演出表示装置を前記第一位置から前記第二位置に移動させる場合に、前記演出図柄表示領域と前記特定の演出表示装置とが重なる領域を拡大させる(3)に記載の遊技機。
(a)前記乱数取得手段は、遊技球が始動口に入球することをもって前記始動条件の成立として前記乱数を取得し、取得した前記乱数を保留記憶させ、前記当否判定手段は、前記乱数取得手段によって保留記憶された前記乱数を読み出して前記当選を判定し、さらに、前記当否判定手段によって前記乱数が読み出される前に、当該乱数の値が当選値であるか否かを判定する事前判定手段を備え、前記演出選択手段は、前記事前判定手段による判定結果に基づいて前記予告演出を選択する(1)から(4)のいずれか一つに記載の遊技機。
(b)前記演出用可動体が前記第一位置に移動している旨を検知する移動センサを備え、前記事前判定手段が前記第一図柄変動ゲームの実行期間において前記第二図柄変動ゲームに対して判定するタイミングで前記移動センサが検知している場合、前記事前判定手段は、前記非移動演出を示す情報を含む事前判定情報を判定結果として生成し、前記演出選択手段は、前記第二図柄変動ゲームにおいて前記事前判定情報に基づいて前記非移動演出を選択する(a)に記載の遊技機。
(c)前記特定の演出表示装置に前記特典示唆画像が表示されている旨を検知する表示センサを備え、前記事前判定手段が前記第一図柄変動ゲームの実行期間において前記第二図柄変動ゲームに対して判定するタイミングで前記表示センサが検知している場合、前記事前判定手段は、前記第二演出を示す情報を含む事前判定情報を判定結果として生成し、前記演出選択手段は、前記第二図柄変動ゲームにおいて前記事前判定情報に基づいて前記第二演出を選択する(a)に記載の遊技機。
(d)前記乱数取得手段は、遊技者による始動レバーの操作の検知を前記始動条件の少なくとも一つに含み、前記図柄表示制御手段は、前記始動条件の成立を契機として複数の図柄が表示されている複数のリールを回動させることによって図柄変動ゲームを行い、前記当否判定手段は、前記当選の判定がされた場合の少なくとも一部に起因して、遊技者にとって有利な有利遊技状態への移行を前記特典として判定し、前記当否判定手段によって前記有利遊技状態への移行が判定されている場合の少なくとも一部において、前記演出選択手段は前記予告演出を選択する(1)から(4)のいずれか一つに記載の遊技機。