【実施例】
【0206】
以下に、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中、「部」及び「%」とは「質量部」及び「質量%」をそれぞれ意味する。また、「PGMAc」はプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを意味する。
【0207】
(スクアリリウム色素[A]の同定方法)
本発明に用いたスクアリリウム色素[A]の同定には、元素分析及びMALDI TOF−MSスペクトルを用いた。元素分析は、パーキン・エルマー社製 2400 CHN Elemant Analyzerを用いた。MALDI TOF−MSスペクトルは、ブルカー・ダルトニクス社製MALDI質量分析装置autoflexIIIを用い、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた色素の同定を行った。
【0208】
(スクアリリウム色素[A]の粉末X線回折測定方法)
粉末X線回折測定は、日本工業規格JIS K0131(X線回折分析通則)に準じて、回折角(2θ)が、3°から35°の範囲で測定した。
【0209】
測定条件は下記の通りとした。
X線回折装置:(株)リガク社製RINT2100
サンプリング幅:0.02°
スキャンスピード:2.0°/min
発散スリット:1°
発散縦制限スリット:10mm
散乱スリット:2°
受光スリット:0.3mm
管球:Cu
管電圧:40kV
管電流:40mA
【0210】
(樹脂[B]、及び分散剤[C]の重量平均分子量(Mw))
本発明に用いた樹脂[B]、及び分散剤[C]の重量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
【0211】
(分散剤[C]の4級アンモニウム塩価)
本発明に用いた分散剤[C]の4級アンモニウム塩価は、5%クロム酸カリウム水溶液を指示薬として、0.1Nの硝酸銀水溶液で滴定して求めた後、水酸化カリウムの当量に換算した。4級アンモニウム塩価は、固形分の4級アンモニウム塩価を示す。
【0212】
(樹脂[B]、及び分散剤[C]の酸価)
樹脂[B]、及び分散剤[C]の酸価は、0.1Nの水酸化カリウム・エタノール溶液を用い、電位差滴定法によって求めた。樹脂[B]、及び分散剤[C]の酸価は、固形分の酸価を示す。
【0213】
(分散剤[C]のアミン価)
分散剤[C]のアミン価は、0.1Nの塩酸水溶液を用い、電位差滴定法によって求めた後、水酸化カリウムの当量に換算した。分散剤[C]のアミン価は、固形分のアミン価を示す。
【0214】
<スクアリリウム色素の製造>
[実施例1]
(スクアリリウム色素[A−1]の製造)
トルエン400部に、1,8−ジアミノナフタレン40.0部、9−フルオレノン46.0部、p−トルエンスルホン酸一水和物0.087部を混合し、窒素ガスの雰囲気中で加熱攪拌し、3時間還流させた。反応中に生成した水は共沸蒸留により系中から除去した。反応終了後、トルエンを蒸留して得られた暗茶色固体をアセトンで抽出し、アセトンとエタノールの混合溶媒から再結晶することにより精製した。得られた茶色固体を、トルエン240部とn−ブタノール160部の混合溶媒に溶解させ、3,4−ジヒドロキシ−3−シクロブテン−1,2−ジオン13.8部を加えて、窒素ガスの雰囲気中で加熱撹拌し、8時間還流反応させた。反応中に生成した水は共沸蒸留により系中から除去した。反応終了後、溶媒を蒸留し、得られた反応混合物を攪拌しながら、ヘキサン200部を加えた。得られた黒茶色沈殿物を濾別した後、順次ヘキサン、エタノール及びアセトンで洗浄を行い、減圧下で乾燥させた。
得られた黒色固体を、N−メチルピロリドン550部に加え、25℃で3時間撹拌した。さらに、メタノール295部を加えて10分撹拌し、得られた黒茶色沈殿物を濾別した後、メタノールで洗浄を行い、減圧下で乾燥させ、スクアリリウム色素[A−1]76.1部(収率:87%)を得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、スクアリリウム色素[A−1]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターンを測定したところ、
図1に示すようにブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.5°、20.2°、22.2°及び25.4°にピークを有していた。
【0215】
スクアリリウム色素[A−1]
【化4】
【0216】
[実施例2]
(スクアリリウム色素[A−2]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、2−メチル−9−フルオレノン49.6部を使用した以外は、スクアリリウム色素[
A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A−2]75.3部(収率:
83%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリリウム色素
[A−2]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターンを測定した
ところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.5°、20.2°、22.2°
及び25.4°にピークを有していた。
【0217】
スクアリリウム色素[A−2]
【化5】
【0218】
[実施例3]
(スクアリリウム色素[A−3]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、1,8−ジメチル−9−フルオレノン53.2部を使用した以外は、スクアリリウム
色素[A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A−3]75.3部(
収率:80%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリリウ
ム色素[A−3]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターンを測
定したところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.5°、20.2°、22
.2°及び25.4°にピークを有していた。
【0219】
スクアリリウム色素[A−3]
【化6】
【0220】
[実施例4]
(スクアリリウム色素[A−4]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、3,6−ジエチル−9−フルオレノン60.3部を使用した以外は、スクアリリウム
色素[A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A−4]83.3部(
収率:83%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリリウ
ム色素[A−4]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターンを測
定したところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.5°、20.2°、22
.2°及び25.4°にピークを有していた。
【0221】
スクアリリウム色素[A−4]
【化7】
【0222】
[実施例5]
(スクアリリウム色素[A−5]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、4,5−ジイソプロピル−9−フルオレノン74.7部を使用した以外は、スクアリ
リウム色素[A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A−5]91.
2部(収率:80%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクア
リリウム色素[A−5]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パター
ンを測定したところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.5°、20.2°
、22.2°及び25.4°にピークを有していた。
【0223】
スクアリリウム色素[A−5]
【化8】
【0224】
[実施例6]
(スクアリリウム色素[A−6]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、2,7−ビス(トリフルオロメチル)−9−フルオレノン80.7部を使用した以外
は、スクアリリウム色素[A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A
−6]94.4部(収率:79%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分析の
結果、スクアリリウム色素[A−6]であることを同定した。また、CuKα線によるX
線回折パターンを測定したところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.5°
、20.2°、22.2°及び25.4°にピークを有していた。
【0225】
スクアリリウム色素[A−6]
【化9】
【0226】
[実施例7]
(スクアリリウム色素[A−7]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、2,3−ジビニル−9−フルオレノン59.3部を使用した以外は、スクアリリウム
色素[A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A−7]84.9部(
収率:85%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリリウ
ム色素[A−7]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターンを測
定したところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.5°、20.2°、22
.2°及び25.4°にピークを有していた。
【0227】
スクアリリウム色素[A−7]
【化10】
【0228】
[実施例8]
(スクアリリウム色素[A−8]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、2−フェニル−9−フルオレノン65.5部を使用した以外は、スクアリリウム色素
[A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A−8]85.5部(収率
:81%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリリウム色
素[A−8]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターンを測定し
たところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.5°、20.2°、22.2
°及び25.4°にピークを有していた。
【0229】
スクアリリウム色素[A−8]
【化11】
【0230】
[実施例9]
(スクアリリウム色素[A−9]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、2−p−トリル−9−フルオレノン69.0部を使用した以外は、スクアリリウム色
素[A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A−9]86.4部(収
率:79%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリリウム
色素[A−9]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターンを測定
したところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.5°、20.2°、22.
2°及び25.4°にピークを有していた。
【0231】
スクアリリウム色素[A−9]
【化12】
【0232】
[実施例10]
(スクアリリウム色素[A−10]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、3−ベンジル−9−フルオレノン69.0部を使用した以外は、スクアリリウム色素
[A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A−10]87.8部(収
率:80%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリリウム
色素[A−10]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターンを測
定したところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.5°、20.2°、22
.2°及び25.4°にピークを有していた。
【0233】
スクアリリウム色素[A−10]
【化13】
【0234】
[実施例11]
(スクアリリウム色素[A−11]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、2,3−ジメトキシ−9−フルオレノン61.4部を使用した以外は、スクアリリウ
ム色素[A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A−11]83.9
部(収率:82%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリ
リウム色素[A−11]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パター
ンを測定したところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.5°、20.2°
、22.2°及び25.4°にピークを有していた。
【0235】
スクアリリウム色素[A−11]
【化14】
【0236】
[実施例12]
(スクアリリウム色素[A−12]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、3−(トリフルオロメトキシ)−9−フルオレノン67.5部を使用した以外は、ス
クアリリウム色素[A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A−12
]90.1部(収率:84%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分析の結果
、スクアリリウム色素[A−12]であることを同定した。また、CuKα線によるX線
回折パターンを測定したところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.5°、
20.2°、22.2°及び25.4°にピークを有していた。
【0237】
スクアリリウム色素[A−12]
【化15】
【0238】
[実施例13]
(スクアリリウム色素[A−13]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、2,7−ビス(2−(ジエチルアミノ)エトキシ)−9−フルオレノン104.8部
を使用した以外は、スクアリリウム色素[A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリ
リウム色素[A−13]118.5部(収率:83%)を得た。TOF−MSによる質量
分析及び元素分析の結果、スクアリリウム色素[A−13]であることを同定した。また
、CuKα線によるX線回折パターンを測定したところ、ブラック角2θ=8.6°、1
2.4°、17.5°、20.2°、22.2°及び25.4°にピークを有していた。
【0239】
スクアリリウム色素[A−13]
【化16】
【0240】
[実施例14]
(スクアリリウム色素[A−14]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、3−フェノキシ−9−フルオレノン69.5部を使用した以外は、スクアリリウム色
素[A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A−14]89.1部(
収率:81%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリリウ
ム色素[A−14]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターンを
測定したところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.5°、20.2°、2
2.2°及び25.4°にピークを有していた。
【0241】
スクアリリウム色素[A−14]
【化17】
【0242】
[実施例15]
(スクアリリウム色素[A−15]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、1−ヒドロキシ−9−フルオレノン50.1部を使用した以外は、スクアリリウム色
素[A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A−15]72.3部(
収率:79%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリリウ
ム色素[A−15]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターンを
測定したところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.5°、20.2°、2
2.2°及び25.4°にピークを有していた。
【0243】
スクアリリウム色素[A−15]
【化18】
【0244】
[実施例16]
(スクアリリウム色素[A−16]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、2−ヒドロキシ−9−フルオレノン50.1部を使用した以外は、スクアリリウム色
素[A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A−16]71.4部(
収率:78%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリリウ
ム色素[A−16]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターンを
測定したところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.5°、20.2°、2
2.2°及び25.4°にピークを有していた。
【0245】
スクアリリウム色素[A−16]
【化19】
【0246】
[実施例17]
(スクアリリウム色素[A−17]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、2,7−ジヒドロキシ−9−フルオレノン54.2部を使用した以外は、スクアリリ
ウム色素[A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A−17]81.
8部(収率:86%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクア
リリウム色素[A−17]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パタ
ーンを測定したところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.5°、20.2
°、22.2°及び25.4°にピークを有していた。
【0247】
スクアリリウム色素[A−17]
【化20】
【0248】
[実施例18]
(スクアリリウム色素[A−18]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、2−アミノ−9−フルオレノン49.9部を使用した以外は、スクアリリウム色素[
A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A−18]74.7部(収率
:82%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリリウム色
素[A−18]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターンを測定
したところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.5°、20.2°、22.
2°及び25.4°にピークを有していた。
【0249】
スクアリリウム色素[A−18]
【化21】
【0250】
[実施例19]
(スクアリリウム色素[A−19]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、4,5−ジアミノ−9−フルオレノン53.7部を使用した以外は、スクアリリウム
色素[A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A−19]76.8部
(収率:81%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリリ
ウム色素[A−19]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターン
を測定したところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.5°、20.2°、
22.2°及び25.4°にピークを有していた。
【0251】
スクアリリウム色素[A−19]
【化22】
【0252】
[実施例20]
(スクアリリウム色素[A−20]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、2−アミノ−3−ブロモ−9−フルオレノン70.0部を使用した以外は、スクアリ
リウム色素[A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A−20]87
.2部(収率:79%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分析の結果、スク
アリリウム色素[A−20]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パ
ターンを測定したところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.5°、20.
2°、22.2°及び25.4°にピークを有していた。
【0253】
スクアリリウム色素[A−20]
【化23】
【0254】
[実施例21]
(スクアリリウム色素[A−21]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、2−アミノ−7−ブロモ−9−フルオレノン70.0部を使用した以外は、スクアリ
リウム色素[A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A−21]91
.6部(収率:83%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分析の結果、スク
アリリウム色素[A−21]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パ
ターンを測定したところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.5°、20.
2°、22.2°及び25.4°にピークを有していた。
【0255】
スクアリリウム色素[A−21]
【化24】
【0256】
[実施例22]
(スクアリリウム色素[A−22]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、2−(ジメチルアミノ)−9−フルオレノン57.0部を使用した以外は、スクアリ
リウム色素[A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A−22]81
.4部(収率:83%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分析の結果、スク
アリリウム色素[A−22]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パ
ターンを測定したところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.5°、20.
2°、22.2°及び25.4°にピークを有していた。
【0257】
スクアリリウム色素[A−22]
【化25】
【0258】
[実施例23]
(スクアリリウム色素[A−23]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、N−(9−オキソ−9H−フルオレン−4−イル)アセトアミド60.6部を使用し
た以外は、スクアリリウム色素[A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色
素[A−23]82.2部(収率:81%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元
素分析の結果、スクアリリウム色素[A−23]であることを同定した。また、CuKα
線によるX線回折パターンを測定したところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、
17.5°、20.2°、22.2°及び25.4°にピークを有していた。
【0259】
スクアリリウム色素[A−23]
【化26】
【0260】
[実施例24]
(スクアリリウム色素[A−24]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、N−(9−オキソ−9H−フルオレン−3−イル)アセトアミド60.6部を使用し
た以外は、スクアリリウム色素[A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色
素[A−24]81.6部(収率:81%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元
素分析の結果、スクアリリウム色素[A−24]であることを同定した。また、CuKα
線によるX線回折パターンを測定したところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、
17.5°、20.2°、22.2°及び25.4°にピークを有していた。
【0261】
スクアリリウム色素[A−24]
【化27】
【0262】
[実施例25]
(スクアリリウム色素[A−25]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、9−オキソ−9H−フルオレン−2−スルホン酸66.5部を使用した以外は、スク
アリリウム色素[A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A−25]
85.4部(収率:80%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分析の結果、
スクアリリウム色素[A−25]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回
折パターンを測定したところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.5°、2
0.2°、22.2°及び25.4°にピークを有していた。
【0263】
スクアリリウム色素[A−25]
【化28】
【0264】
[実施例26]
(スクアリリウム色素[A−26]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、9−オキソ−9H−フルオレン−2,7−ジスルホン酸86.9部を使用した以外は
、スクアリリウム色素[A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A−
26]105.6部(収率:84%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分析
の結果、スクアリリウム色素[A−26]であることを同定した。また、CuKα線によ
るX線回折パターンを測定したところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.
5°、20.2°、22.2°及び25.4°にピークを有していた。
【0265】
スクアリリウム色素[A−26]
【化29】
【0266】
[実施例27]
(スクアリリウム色素[A−27]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、N
2,N
7−ジ−sec−ブチル−9−オキソ−9H−フルオレン−2,7−ジスル
ホンアミド115.1部を使用した以外は、スクアリリウム色素[A−1]の製造と同様
の操作を行い、スクアリリウム色素[A−27]123.9部(収率:81%)を得た。
TOF−MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリリウム色素[A−27]であ
ることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターンを測定したところ、ブラッ
ク角2θ=8.6°、12.4°、17.5°、20.2°、22.2°及び25.4°
にピークを有していた。
【0267】
スクアリリウム色素[A−27]
【化30】
【0268】
[実施例28]
(スクアリリウム色素[A−28]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、N
2,N
7−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−9−オキソ−9H−フルオレン−
2,7−ジスルホンアミド139.6部を使用した以外は、スクアリリウム色素[A−1
]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A−28]143.9部(収率:8
2%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリリウム色素[
A−28]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターンを測定した
ところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.5°、20.2°、22.2°
及び25.4°にピークを有していた。
【0269】
スクアリリウム色素[A−28]
【化31】
【0270】
[実施例29]
(スクアリリウム色素[A−29]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、N
2,N
7−ビス(4−クロロフェニル)−9−オキソ−9H−フルオレン−2,7
−ジスルホンアミド142.9部を使用した以外は、スクアリリウム色素[A−1]の製
造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A−29]147.4部(収率:82%)
を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリリウム色素[A−2
9]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターンを測定したところ
、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.5°、20.2°、22.2°及び2
5.4°にピークを有していた。
【0271】
スクアリリウム色素[A−29]
【化32】
【0272】
[実施例30]
(スクアリリウム色素[A−30]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、N
2,N
7−ジアセチル−9−オキソ−9H−フルオレン−2,7−ジスルホンアミ
ド107.9部を使用した以外は、スクアリリウム色素[A−1]の製造と同様の操作を
行い、スクアリリウム色素[A−30]117.4部(収率:80%)を得た。TOF−
MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリリウム色素[A−30]であることを
同定した。また、CuKα線によるX線回折パターンを測定したところ、ブラック角2θ
=8.6°、12.4°、17.5°、20.2°、22.2°及び25.4°にピーク
を有していた。
【0273】
スクアリリウム色素[A−30]
【化33】
【0274】
[実施例31]
(スクアリリウム色素[A−31]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、9−オキソ−N
2,N
7−ジ(ピリジン−4−イル)−9H−フルオレン−2,7−
ジスルホンアミド125.8部を使用した以外は、スクアリリウム色素[A−1]の製造
と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A−31]132.7部(収率:81%)を
得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリリウム色素[A−31
]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターンを測定したところ、
ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.5°、20.2°、22.2°及び25
.4°にピークを有していた。
【0275】
スクアリリウム色素[A−31]
【化34】
【0276】
[実施例32]
(スクアリリウム色素[A−32]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、N
2,N
7−ビス(3,5−ジメチルピペリジン−1−イルスルホニル)−9H−フ
ルオレン−9−オン135.5部を使用した以外は、スクアリリウム色素[A−1]の製
造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A−32]137.5部(収率:80%)
を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリリウム色素[A−3
2]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターンを測定したところ
、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.5°、20.2°、22.2°及び2
5.4°にピークを有していた。
【0277】
スクアリリウム色素[A−32]
【化35】
【0278】
[実施例33]
(スクアリリウム色素[A−33]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、9−オキソ−9H−フルオレン−1−カルボン酸57.3部を使用した以外は、スク
アリリウム色素[A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A−33]
84.1部(収率:86%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分析の結果、
スクアリリウム色素[A−33]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回
折パターンを測定したところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.5°、2
0.2°、22.2°及び25.4°にピークを有していた。
【0279】
スクアリリウム色素[A−33]
【化36】
【0280】
[実施例34]
(スクアリリウム色素[A−34]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、9−オキソ−9H−フルオレン−4−カルボン酸57.3部を使用した以外は、スク
アリリウム色素[A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A−34]
79.7部(収率:81%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分析の結果、
スクアリリウム色素[A−34]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回
折パターンを測定したところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.5°、2
0.2°、22.2°及び25.4°にピークを有していた。
【0281】
スクアリリウム色素[A−34]
【化37】
【0282】
[実施例35]
(スクアリリウム色素[A−35]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、9−オキソ−9H−フルオレン−1−カルボン酸メチル60.8部を使用した以外は
、スクアリリウム色素[A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A−
35]82.8部(収率:82%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分析の
結果、スクアリリウム色素[A−35]であることを同定した。また、CuKα線による
X線回折パターンを測定したところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.5
°、20.2°、22.2°及び25.4°にピークを有していた。
【0283】
スクアリリウム色素[A−35]
【化38】
【0284】
[実施例36]
(スクアリリウム色素[A−36]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、9−オキソ−9H−フルオレン−4−カルボン酸エチル64.4部を使用した以外は
、スクアリリウム色素[A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A−
36]85.9部(収率:82%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分析の
結果、スクアリリウム色素[A−36]であることを同定した。また、CuKα線による
X線回折パターンを測定したところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.5
°、20.2°、22.2°及び25.4°にピークを有していた。
【0285】
スクアリリウム色素[A−36]
【化39】
【0286】
[実施例37]
(スクアリリウム色素[A−37]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、9−オキソ−9H−フルオレン−2−カルボキサミド57.0部を使用した以外は、
スクアリリウム色素[A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A−3
7]79.3部(収率:81%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分析の結
果、スクアリリウム色素[A−37]であることを同定した。また、CuKα線によるX
線回折パターンを測定したところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.5°
、20.2°、22.2°及び25.4°にピークを有していた。
【0287】
スクアリリウム色素[A−37]
【化40】
【0288】
[実施例38]
(スクアリリウム色素[A−38]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、2−ニトロ−9−フルオレノン57.5部を使用した以外は、スクアリリウム色素[
A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A−38]80.7部(収率
:82%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリリウム色
素[A−38]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターンを測定
したところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.5°、20.2°、22.
2°及び25.4°にピークを有していた。
【0289】
スクアリリウム色素[A−38]
【化41】
【0290】
[実施例39]
(スクアリリウム色素[A−39]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、2,7−ジニトロ−9−フルオレノン69.0部を使用した以外は、スクアリリウム
色素[A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A−39]89.1部
(収率:82%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリリ
ウム色素[A−39]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターン
を測定したところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.5°、20.2°、
22.2°及び25.4°にピークを有していた。
【0291】
スクアリリウム色素[A−39]
【化42】
【0292】
[実施例40]
(スクアリリウム色素[A−40]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、9−オキソ−9H−フルオレン−3−カルボニトリル52.4部を使用した以外は、
スクアリリウム色素[A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A−4
0]75.5部(収率:81%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分析の結
果、スクアリリウム色素[A−40]であることを同定した。また、CuKα線によるX
線回折パターンを測定したところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.5°
、20.2°、22.2°及び25.4°にピークを有していた。
【0293】
スクアリリウム色素[A−40]
【化43】
【0294】
[実施例41]
(スクアリリウム色素[A−41]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、2−フルオロ−9−フルオレノン50.6部を使用した以外は、スクアリリウム色素
[A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A−41]74.8部(収
率:82%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリリウム
色素[A−41]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターンを測
定したところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.5°、20.2°、22
.2°及び25.4°にピークを有していた。
【0295】
スクアリリウム色素[A−41]
【化44】
【0296】
[実施例42]
(スクアリリウム色素[A−42]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、3−フルオロ−9−フルオレノン50.6部を使用した以外は、スクアリリウム色素
[A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A−42]75.3部(収
率:82%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリリウム
色素[A−42]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターンを測
定したところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.5°、20.2°、22
.2°及び25.4°にピークを有していた。
【0297】
スクアリリウム色素[A−42]
【化45】
【0298】
[実施例43]
(スクアリリウム色素[A−43]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、2,5−ジフルオロ−9−フルオレノン55.2部を使用した以外は、スクアリリウ
ム色素[A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A−43]75.1
部(収率:78%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリ
リウム色素[A−43]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パター
ンを測定したところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.5°、20.2°
、22.2°及び25.4°にピークを有していた。
【0299】
スクアリリウム色素[A−43]
【化46】
【0300】
[実施例44]
(スクアリリウム色素[A−44]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、2,7−ジクロロ−9−フルオレノン63.6部を使用した以外は、スクアリリウム
色素[A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A−44]84.1部
(収率:81%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリリ
ウム色素[A−44]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターン
を測定したところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.5°、20.2°、
22.2°及び25.4°にピークを有していた。
【0301】
スクアリリウム色素[A−44]
【化47】
【0302】
[実施例45]
(スクアリリウム色素[A−45]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、2,4−ジクロロ−9−フルオレノン63.6部を使用した以外は、スクアリリウム
色素[A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A−45]86.4部
(収率:83%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリリ
ウム色素[A−45]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターン
を測定したところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.5°、20.2°、
22.2°及び25.4°にピークを有していた。
【0303】
スクアリリウム色素[A−45]
【化48】
【0304】
[実施例46]
(スクアリリウム色素[A−46]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、2−ブロモ−9−フルオレノン66.2部を使用した以外は、スクアリリウム色素[
A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A−46]89.3部(収率
:84%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリリウム色
素[A−46]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターンを測定
したところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.5°、20.2°、22.
2°及び25.4°にピークを有していた。
【0305】
スクアリリウム色素[A−46]
【化49】
【0306】
[実施例47]
(スクアリリウム色素[A−47]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、4−ブロモ−9−フルオレノン66.2部を使用した以外は、スクアリリウム色素[
A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A−47]86.5部(収率
:81%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリリウム色
素[A−47]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターンを測定
したところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.5°、20.2°、22.
2°及び25.4°にピークを有していた。
【0307】
スクアリリウム色素[A−47]
【化50】
【0308】
[実施例48]
(スクアリリウム色素[A−48]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した9−フルオレノン46.0部の代わり
に、2,7−ジブロモ−9−フルオレノン86.3部を使用した以外は、スクアリリウム
色素[A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A−48]104.6
部(収率:83%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリ
リウム色素[A−48]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パター
ンを測定したところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.5°、20.2°
、22.2°及び25.4°にピークを有していた。
【0309】
スクアリリウム色素[A−48]
【化51】
【0310】
[実施例49]
(スクアリリウム色素[A−49]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した1,8−ジアミノナフタレン40.0
部の代わりに、4,5−ジアミノナフタレン−1−スルホン酸60.2部を使用した以外
は、スクアリリウム色素[A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A
−49]85.5部(収率:80%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分
析の結果、スクアリリウム色素[A−49]であることを同定した。また、CuKα線に
よるX線回折パターンを測定したところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17
.5°、20.2°、22.2°及び25.4°にピークを有していた。
【0311】
スクアリリウム色素[A−49]
【化52】
【0312】
[実施例50]
(スクアリリウム色素[A−50]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した1,8−ジアミノナフタレン40.0
部の代わりに、4,5−ジアミノナフタレン−1,8−ジスルホン酸80.5部を使用し
た以外は、スクアリリウム色素[A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色
素[A−50]103.6部(収率:82%)を得た。TOF−MSによる質量分析およ
び元素分析の結果、スクアリリウム色素[A−50]であることを同定した。また、Cu
Kα線によるX線回折パターンを測定したところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4
°、17.5°、20.2°、22.2°及び25.4°にピークを有していた。
【0313】
スクアリリウム色素[A−50]
【化53】
【0314】
[実施例51]
(スクアリリウム色素[A−51]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した1,8−ジアミノナフタレン40.0
部の代わりに、1,8−ジアミノ−2,4−ジフルオロナフタレン49.1部を使用した
以外は、スクアリリウム色素[A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素
[A−51]76.8部(収率:80%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元
素分析の結果、スクアリリウム色素[A−51]であることを同定した。また、CuKα
線によるX線回折パターンを測定したところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、
17.5°、20.2°、22.2°及び25.4°にピークを有していた。
【0315】
スクアリリウム色素[A−51]
【化54】
【0316】
[実施例52]
(スクアリリウム色素[A−52]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した1,8−ジアミノナフタレン40.0
部の代わりに、1,8−ジアミノ−3,6−ジクロロナフタレン57.4部を使用した以
外は、スクアリリウム色素[A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[
A−52]87.5部(収率:84%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素
分析の結果、スクアリリウム色素[A−52]であることを同定した。また、CuKα線
によるX線回折パターンを測定したところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、1
7.5°、20.2°、22.2°及び25.4°にピークを有していた。
【0317】
スクアリリウム色素[A−52]
【化55】
【0318】
[実施例53]
(スクアリリウム色素[A−53]の製造)
スクアリリウム色素[A−1]の製造で使用した1,8−ジアミノナフタレン40.0
部の代わりに、1,8−ジアミノ−4−ブロモナフタレン59.9部を使用した以外は、
スクアリリウム色素[A−1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[A−5
3]89.7部(収率:84%)を得た。TOF−MSによる質量分析及び元素分析の
結果、スクアリリウム色素[A−53]であることを同定した。また、CuKα線による
X線回折パターンを測定したところ、ブラック角2θ=8.6°、12.4°、17.5
°、20.2°、22.2°及び25.4°にピークを有していた。
【0319】
スクアリリウム色素[A−53]
【化56】
【0320】
以上、実施例1〜53で合成したスクアリリウム色素において、質量分析及び元素分析
を行った結果を表1及び表2に示す。
【0321】
【表1】
【0322】
【表2】
【0323】
[比較例1]
(スクアリリウム色素[D−1]の製造)
特開2009−91517号公報に準拠して下記のスクアリリウム色素[D−1]を合成した。
【0324】
スクアリリウム色素[D−1]
【化57】
【0325】
[比較例2]
(スクアリリウム色素[D−2]の製造)
特開2010−106153号公報に準拠して下記のスクアリリウム色素[D−2]を合成した。
【0326】
スクアリリウム色素[D−2]
【化58】
【0327】
[比較例3]
(スクアリリウム色素[D−3]の製造)
特開2009−209297号公報に準拠して下記のスクアリリウム色素[D−3]を合成し
た。
【0328】
スクアリリウム色素[D−3]
【化59】
【0329】
<画像形成材料の製造と評価>
以下に、本発明で用いられる画像形成材料として、トナー及びインクジェット用インキの製造を上げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0330】
≪トナーの製造≫
[実施例54]
(トナーT1の製造)
実施例1で製造した、スクアリリウム色素[A−1]を用い、下記の方法により凝集法
トナーT1を得た。
(1)分散液の調製
スクアリリウム色素[A−1]20部に、イオン交換水70部、ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム(ネオペレックスG−15、花王社製)3部を添加し、アイガーミルで
4時間分散処理して、色素の分散液を得た。
(2)ポリマー乳化液の調製
反応器に、エステルワックスエマルジョンを固形分として320部(SELOSOL
R−586、中京油脂社製)、イオン交換水14000部を入れ、90℃に昇温し、ドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム3部、スチレン2500部、n−ブチルアクリレート
650部、メタクリル酸170部、8%過酸化水素水溶液330部、8%アスコルビン酸
水溶液330部を添加した。90℃で7時間反応を継続してポリマー乳化液を得た。
(3)トナーの製造
上記ポリマー乳化液150部に、上記分散液9.5部を注入し混合撹拌した。この中に
、0.5%の硫酸アルミニウム溶液40部を撹拌しながら注入した。60℃に昇温し、2
時間撹拌を継続し、ろ過、洗浄、乾燥し、本発明のトナーT1を得た。
【0331】
[実施例55〜106、比較例4〜6]
(トナーT2〜T56の製造)
スクアリリウム色素[A−1]を表3に記載のスクアリリウム色素に変更した以外は、
トナーT1と同様にして、凝集法トナーT2〜T56を得た。
【0332】
≪トナーの評価≫
得られたトナーT1〜T56を用いて以下の評価を行った。結果を表3に示す。
(分散性)
得られたトナーT1〜T56をミクロトームにて厚さ0.9μmにスライス形成し、透
過型電子顕微鏡によりスクアリリウム色素の分散状態を観察した。評価基準は下記の通り
である。
◎:顔料凝集物が存在せず、スクアリリウム色素が極めて均一に分散されているもの
〇:顔料凝集物がほぼ存在せず、スクアリリウム色素が均一に分散されているもの
△:顔料凝集物が存在し、スクアリリウム色素が均一に分散されていないもの
×:顔料凝集物が多数あり、スクアリリウム色素が均一に分散されていないもの
【0333】
(不可視性及び近赤外線吸収能)
得られたトナーT1〜T56について、それぞれ50部に疎水性シリカ0.3部を外添
し、電子写真プリンターでベタ画像を上質紙に印刷し、以下の方法で評価を行った。
ベタ画像を上質紙にプリントして得られた画像について、反射分光濃度計(エックスラ
イト株式会社製、x−rite939)を用いて測定を行い、前述の<画像形成材料の評
価方法>の項における式(I)中のΔE及び式(II)中のRを求めた。評価基準は下記の通りである。なお、◎は非常に良好なレベル、○は良好なレベル、×は実用には適さないレベルである。
〈不可視性〉
◎ :ΔE 10未満
○ :ΔE 10以上、15未満
× :ΔE 15以上
〈近赤外線吸収能〉
◎ :(100−R) 80以上
○ :(100−R) 75以上、80未満
× :(100−R) 75未満
【0334】
(耐光性(1))
上記の不可視性と近赤外線吸収能を評価する際に作製した場合と同様にして得られた試
験片を、耐光性試験機(TOYOSEIKI社製「SUNTEST CPS+」)に入れ
、24時間放置した。この際、放射照度47mW/cm
2、300〜800nmの広帯の
光にて試験を実施した。耐光性試験前後の画像について、反射分光濃度計(エックスライ
ト株式会社製、x−rite939)を用いて測定を行い、式(II)中のRを求めた。
光照射前のそれに対する残存率を求め、耐光性を、下記基準で評価した。なお、残存率の
算出は、以下の式を用いて算出した。
残存率=〈照射後の(100−R)〉÷〈照射前の(100−R)〉×100
◎ :残存率 が95%以上
○ :残存率 が92.5%以上、95%未満
△ :残存率 が90%以上、92.5%未満
× :残存率 が90%未満
【0335】
(耐光性(2))
上記の不可視性と近赤外線吸収能を評価する際に作製した場合と同様にして得られた試
験片を、耐光性試験機(TOYOSEIKI社製「SUNTEST CPS+」)に入れ
、48時間放置した。この際、放射照度47mW/cm
2、300〜800nmの広帯の
光にて試験を実施した。耐光性試験前後の画像について、反射分光濃度計(エックスライ
ト株式会社製、x−rite939)を用いて測定を行い、式(II)中のRを求めた。
光照射前のそれに対する残存率を求め、耐光性を、下記基準で評価した。なお、残存率の
算出は、以下の式を用いて算出した。
残存率=〈照射後の(100−R)〉÷〈照射前の(100−R)〉×100
◎ :残存率 が95%以上
○ :残存率 が92.5%以上、95%未満
△ :残存率 が90%以上、92.5%未満
× :残存率 が90%未満
【0336】
【表3】
【0337】
本発明のスクアリリウム色素[A]を含むトナーは、非常に高い分散性、不可視性、近
赤外線吸収能、及び耐光性を有していること示された。特に、スクアリリウム色素[A]
のX
1〜X
8が水素原子であり、かつR
1〜R
5が水素である[A−1]、X
1〜X
8が
水素原子であり、かつR
1〜R
5のうち1個がスルホ基、またはハロゲン基により置換さ
れている[A−49]、[A−53]を含むトナーが良好な結果であった。一方で、本発
明ではないスクアリリウム色素[D−1]、[D−2]を含むトナーは、特に耐光性が悪
化していた。更に、本発明ではないスクアリリウム色素[D−3]を含むトナーは、不可
視性、近赤外線吸収能、及び耐光性は良好であるが、分散性が著しく悪化しているため、
実用には不適である。
【0338】
≪インクジェット用インキの製造≫
IJインキの製造にあたり、分散剤と定着樹脂を製造した。
【0339】
(分散剤[C−15]溶液の調製)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、トリエチレングリコールモノメチルエーテル93.4部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を110℃に加熱して、ラウリルメタクリレート35.0部、スチレン35.0部、アクリル酸30.0部、およびV−601(和光純薬製)6.0部の混合物を2時間かけて滴下し、重合反応を行った。滴下終了後、さらに110℃で3時間反応させた後、V−601(和光純薬製)0.6部を添加し、さらに110℃で1時間反応を続けて、分散剤[C−15]の溶液を得た。分散剤[C−15]の重量平均分子量(Mw)は約16,000であった。さらに、室温まで冷却した後、ジメチルアミノエタノール37.1部添加し中和した。これは、アクリル酸を100%中和する量である。さらに、イオン交換水を200部添加し、水性化した。これを1gサンプリングして、180℃20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に水性化した樹脂溶液の不揮発分が20%になるようにイオン交換水を加えた。これより、分散剤[C−15]の不揮発分20%の水溶液を得た。
【0340】
(定着樹脂[B−5]溶液の調製)
攪拌器、温度計、滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、イオン交換水40部と界面活性剤としてアクアロンKH−10(第一工業製薬株式会社製)0.2部とを仕込み、別途、2−エチルヘキシルアクリレート40部、メチルメタクリレート50部、スチレン7部、ジメチルアクリルアミド2部、メタクリル酸1部、イオン交換水53部および界面活性剤としてアクアロンKH−10(第一工業製薬株式会社製)1.8部をあらかじめ混合しておいたプレエマルジョンのうちの1%をさらに加えた。内温を60℃に昇温し十分に窒素置換した後、過硫酸カリウムの5%水溶液10部、および無水重亜硫酸ナトリウムの1%水溶液20部の10%を添加し重合を開始した。反応系内を60℃で5分間保持した後、内温を60℃に保ちながらプレエマルジョンの残りと過硫酸カリウムの5%水溶液、および無水重亜硫酸ナトリウムの1%水溶液の残りを1.5時間かけて滴下し、さらに2時間攪拌を継続した。固形分測定にて転化率が98%超えたことを確認後、温度を30℃まで冷却した。ジエチルアミノエタノールを添加して、pHを8.5とし、さらにイオン交換水で固形分を40%に調整して樹脂微粒子水分散体を得た。なお、固形分は、150℃20分焼き付け残分により求めた。得られた樹脂微粒子水分散体を定着樹脂[B−5]溶液とした。
【0341】
[実施例107]
(インクジェット用インキJ1の製造)
実施例1で製造した、スクアリリウム色素[A−1]を用い、下記の方法によりインク
ジェット用インキJ1を得た。
(1)分散液の調製
スクアリリウム色素[A−1]20部に、イオン交換水200部、特殊芳香族スルホン
酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩(デモールSN−B、花王社製)2部を添加し、アイ
ガーミルで3時間分散処理して、色素の分散液を得た。
(2)インキの製造
上記各分散液40.3部に、グリセリン10部、トリエチレングリコール10部、トリ
エチレングリコールモノブチルエーテル10部、トリエタノールアミン0.2部、アセチ
レングリコール系界面活性剤(オルフィンE1010、日信化学社製)1部を混合し、3
5℃で1時間撹拌した。なお、残りは超純水(比抵抗値18MΩ・cm以上)を添加し、
全量が100部となるように調製した。その後、1.0μmのフィルタで濾過して、本発
明のインクジェット用インキJ1を得た。
【0342】
[実施例108〜159、比較例7〜9]
(インクジェット用インキJ2〜J56の製造)
スクアリリウム色素[A−1]を表4に記載のスクアリリウム色素に変更した以外は、
インクジェット用インキJ1と同様にして、インクジェット用インキJ2〜J56を得た。
【0343】
[実施例160]
(インクジェット用インキJ57の製造)
実施例1で製造した、スクアリリウム色素[A−1]を20部、分散剤[C−15]溶液を42.9部、イオン交換水37.1部をディスパーで予備分散した後、直径0.5mmのジルコニアビーズ1800部を充填した容積0.6Lのダイノーミルを用いて2時間本分散を行い、分散体を得た。
さらに、上記で得られた分散体を20部、トリエチレングリコールモノメチルエーテルを40部、イオン交換水を27.5部、定着樹脂[B−5]溶液を12.5部混合し、インクジェット用インキJ57を得た。
【0344】
[実施例161〜164、比較例10〜12]
(インクジェット用インキJ58〜J64の製造)
スクアリリウム色素[A−1]を表5に記載のスクアリリウム色素に変更した以外は、インクジェット用インキJ57と同様にして、インクジェット用インキJ58〜J64を得た。
【0345】
≪インクジェット用インキの評価≫
得られたインクジェット用インキJ1〜J64を用いて以下の評価を行った。結果を表
4及び表5に示す。
(保存安定性)
得られたインクジェット用インキJ1〜J64を70℃の恒温機に1週間保存、経時促
進させた後、経時前後でのインキの粘度変化について測定した。インキの粘度はE型粘度
計(東機産業社製「ELD型粘度計」)を用いて、25℃において回転数50rpmとい
う条件で測定した。
◎ :変化率が±3%未満
○ :変化率が±3%以上±5%未満
△ :変化率が±5%以上±15%未満
× :変化率が±15%以上
【0346】
(不可視性及び近赤外線吸収能)
得られたインクジェット用インキJ1〜J64について、インクジェットプリンターP
M−A700(商品名、EPSON社製)用のブラックインク用のインクカートリッジに
詰めてフォト光沢紙(EPSON社製PM写真紙<光沢>(KA420PSK、EPSO
N)(商品名)にカラー設定「黒」にてベタ画像を印刷し、以下の方法で評価を行った。
ベタ画像をフォト光沢紙にフォト光沢紙にプリントして得られた画像について、反射分
光濃度計(エックスライト株式会社製、x−rite939)を用いて測定を行い、式(
I)中のΔE及び式(II)中のRを求めた。なお、◎は非常に良好なレベル、○は良好
なレベル、×は実用には適さないレベルである。評価基準は下記の通りである。
〈不可視性〉
◎ :ΔE 10未満
○ :ΔE 10以上、15未満
× :ΔE 15以上
〈近赤外線吸収能〉
◎ :(100−R) 80以上
○ :(100−R) 75以上、80未満
× :(100−R) 75未満
【0347】
(耐光性(1))
上記の不可視性と近赤外線吸収能を評価する際に作製した場合と同様にして得られた試
験片を、耐光性試験機(TOYOSEIKI社製「SUNTEST CPS+」)に入れ
、24時間放置した。この際、放射照度47mW/cm
2、300〜800nmの広帯の
光にて試験を実施した。耐光性試験前後の画像について、反射分光濃度計(エックスライ
ト株式会社製、x−rite939)を用いて測定を行い、式(II)中のRを求めた。
光照射前のそれに対する残存率を求め、耐光性を、下記基準で評価した。なお、残存率の
算出は、以下の式を用いて算出した。
残存率=〈照射後の(100−R)〉÷〈照射前の(100−R)〉×100
◎ :残存率 が95%以上
○ :残存率 が92.5%以上、95%未満
△ :残存率 が90%以上、92.5%未満
× :残存率 が90%未満
【0348】
(耐光性(2))
上記の不可視性と近赤外線吸収能を評価する際に作製した場合と同様にして得られた試
験片を、耐光性試験機(TOYOSEIKI社製「SUNTEST CPS+」)に入れ
、48時間放置した。この際、放射照度47mW/cm
2、300〜800nmの広帯の
光にて試験を実施した。耐光性試験前後の画像について、反射分光濃度計(エックスライ
ト株式会社製、x−rite939)を用いて測定を行い、式(II)中のRを求めた。
光照射前のそれに対する残存率を求め、耐光性を、下記基準で評価した。なお、残存率の
算出は、以下の式を用いて算出した。
残存率=〈照射後の(100−R)〉÷〈照射前の(100−R)〉×100
◎ :残存率 が95%以上
○ :残存率 が92.5%以上、95%未満
△ :残存率 が90%以上、92.5%未満
× :残存率 が90%未満
【0349】
【表4】
【0350】
【表5】
【0351】
本発明のスクアリリウム色素[A]を含むインクジェット用インキは、非常に高い不可
視性、近赤外線吸収能、耐光性、及び保存安定性を有していること示された。特に、スク
アリリウム色素[A]のX
1〜X
8が水素原子であり、かつR
1〜R
5が水素である[A
−1]、X
1〜X
8が水素原子であり、かつR
1〜R
5のうち1個がスルホ基、またはハ
ロゲン基により置換されている[A−49]、[A−53]を含むインクジェット用イン
キが良好な結果であった。一方で、本発明ではないスクアリリウム色素[D−1]、[D
−2]を含むインクジェット用インキは、特に耐光性が悪化していた。更に、本発明では
ないスクアリリウム色素[D−3]を含むインクジェット用インキは、不可視性、近赤外
線吸収能、及び耐光性は良好であるが、保存安定性が著しく悪化しており、インクジェッ
トインキとして安定的に使用できない。
【0352】
このようにして作製された画像形成材料は、可視域(400nm〜750nm)に吸収
が少なく近赤外線吸収能に優れているため、非常に分光特性に優れていると言える。更に
は耐光性にも優れたものであり、且つ凝集しにくいため、トナーとしての分散性、インク
ジェットインキとしての保存安定性にも優れている。そのため、不可視性情報を記録する
ための画像形成材料として優れた性能を有していると言える。
【0353】
<樹脂[B](バインダー樹脂)溶液の製造方法>
(バインダー樹脂[B−1]溶液の調製):ランダム共重合体
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反
応容器にシクロヘキサノン70.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換
した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート12.4部、2−ヒドロキシエチルメタク
リレート4.6部、メタクリル酸4.3部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変
性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)7.3部(n−ブチル
メタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸/パラクミルフェ
ノールエチレンオキサイド変性アクリレートの重量比率10.5/15.5/17.1/
25.0)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.7部の混合物を2時間かけて滴
下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、酸価110mgKOH/g、重量平均分
子量(Mw)10,000のアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液
約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成し
た樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにプロピレングリコールモノエチルエーテ
ルアセテートを添加してバインダー樹脂[B−1]溶液を調製した。
【0354】
<分散剤[C]の製造方法>
(分散剤[C−1]溶液の調製):3級アミノ基含有グラフト共重合体
ガス導入管、温度計、コンデンサー、及び攪拌機を備えた反応容器に、PGMAc150部、及びn−ブチルタクリレート100 部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、2−メルカプトエタノール4部に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5部を溶解した溶液を添加して、10時間反応した。固形分測定により95% が反応したことを確認し、数平均分子量は3,900、重量平均分子量7,900の反応生成物(分散剤1a)を得た。
上記反応生成物に、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート7.9部とメチル
ジブチル錫ジラウレート0.05部とメチルヒドロキノン0.05部を追加で仕込み、反
応容器を100℃に加熱して4時間反応した。その後40℃まで冷却し、反応生成物(樹
脂型分散剤1b溶液)を得た。
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽に、PGMAc1
22部を仕込み、窒素置換しながら100℃に昇温した。滴下槽に上記反応生成物、ペン
タメチルピペリジルメタクリレート(株式会社ADEKA製、アデカスタブLA−82)
150部、ヒドロキシエチルメタクリレート10部、及び2,2’−アゾビス(2,4−
ジメチルブチロニトリル)を4部仕込み、均一になるまで攪拌した後、反応槽へ2時間か
けて滴下し、その後同温度で3時間反応を継続した。このようにして、固形分当たりのア
ミン価が42mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)23,500の不揮発分が40重
量%のポリ(メタ)アクリレート骨格であり、3級アミノ基を有する分散剤[C−1]溶
液を得た。
【0355】
(分散剤[C−2]溶液の調製):3級アミノ基含ブロック共重合体
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応装置に、メチルメタ
クリレート60部、nーブチルメタクリレート20部、テトラメチルエチレンジアミン1
3.2部を仕込み、窒素を流しながら50℃で1時間撹拌し、系内を窒素置換した。次に
、ブロモイソ酪酸エチル9.3部、塩化第一銅5.6部、PGMAc133部を仕込み、
窒素気流下で、110℃まで昇温して第一ブロックの重合を開始した。4時間重合後、重
合溶液をサンプリングして固形分測定を行い、不揮発分から換算して重合転化率が98%
以上であることを確認した。
次に、この反応装置に、PGMAc61部、第二ブロックモノマーとしてジメチルアミ
ノエチルメタクリレート20部(以下、DMという)を投入し、110℃・窒素雰囲気下
を保持したまま撹拌し、反応を継続した。ジメチルアミノエチルメタクリレート投入から
2時間後、重合溶液をサンプリングして固形分測定を行い、不揮発分から換算して第二ブ
ロックの重合転化率が98%以上であることを確認し、反応溶液を室温まで冷却して重合
を停止した。
先に合成したブロック共重合体溶液に不揮発分が40重量%になるようにプロピレング
リコールモノメチルエーテルアセテートを添加した。このようにして、固形分当たりのア
ミン価が71.4mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)9,900、不揮発分が40重量%のポリ(メタ)アクリレート骨格であり、3級アミノ基を有する分散剤[C−2]溶液を得た。
【0356】
(分散剤[C−3]溶液の調製):4級アンモニウム塩基含ブロック共重合体
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応装置に、メチルメタクリレート60部、nーブチルメタクリレート20部、テトラメチルエチレンジアミン13.2部を仕込み、窒素を流しながら50℃で1時間撹拌し、系内を窒素置換した。次に、ブロモイソ酪酸エチル9.3部、塩化第一銅5.6部、PGMAc133部を仕込み、窒素気流下で、110℃まで昇温して第一ブロックの重合を開始した。4時間重合後、重合溶液をサンプリングして固形分測定を行い、不揮発分から換算して重合転化率が98%以上であることを確認した。
次に、この反応装置に、PGMAc61部、第二ブロックモノマーとしてメタクリロイ
ルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液25.6部(三菱レイヨン社製
「アクリエステルDMC78」)を投入し、110℃・窒素雰囲気下を保持したまま撹拌
し、反応を継続した。メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド投
入から2時間後、重合溶液をサンプリングして固形分測定を行い、不揮発分から換算して
第二ブロックの重合転化率が98%以上であることを確認し、反応溶液を室温まで冷却し
て重合を停止した。
先に合成したブロック共重合体溶液に不揮発分が40重量%になるようにプロピレング
リコールモノメチルエーテルアセテートを添加した。このようにして、固形分当たりの4
級アンモニウム塩価が29.4mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)9,800、不揮発分が40重量%のポリ(メタ)アクリレート骨格であり、4級アンモニウム塩基を有する分散剤[C−3]溶液を得た。
【0357】
(分散剤[C−4]溶液の調製):酸性樹脂型分散剤
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メチルメタクリレー
ト50部、n−ブチルメタクリレート50部、PGMAc45.4部を仕込み、窒素ガス
で置換した。反応容器内を70℃に加熱して、3−メルカプト−1,2−プロパンジオー
ル6部を添加して、さらにAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)0.12部を加え、
12時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認した。次に、ピロメリ
ット酸無水物9.7部、PGMAc70.3部、触媒としてDBU(1,8−ジアザビシ
クロ−[5.4.0]−7−ウンデセン)0.20部を追加し、120℃で7時間反応さ
せた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応
を終了した。PGMAcを加えて不揮発分50%に調整した。このようにして、固形分当たりの酸価43mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)9,000、ポリ(メタ)アクリレート骨格であり、芳香族カルボキシル
基を有する分散剤[C−4]溶液を得た。
【0358】
(分散剤[C−5]溶液の調製):酸性樹脂型分散剤
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、3−メルカプト−1
,2−プロパンジオール6部、ピロメリット酸無水物9.7部、モノブチルスズオキシド
0.01部、PGMAc88.9部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を100
℃に加熱して、7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル
化していることを確認した後、系内の温度を70℃に冷却し、メチルメタクリレート50
部とn−ブチルメタクリレート30部と、ヒドロキシメチルメタクリレート20部を仕込
み、AIBN0.12部とPGMAc26.8部を添加して、10時間反応した。固形分
測定により重合が95%進行したことを確認し反応を終了した。PGMAcを加えて不揮
発分50%に調整し、固形分当たりの酸価43mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)9,000、ポリ(メタ)アクリレート骨格であり、芳香族カルボキシル基を有する分散剤[C−5]溶液を得た。
【0359】
(分散剤[C−6]溶液)
Disperbyk−168 (ビックケミー・ジャパン製:不揮発分30%)(分散剤[C−7]溶液)
BYK−P104 (ビックケミー・ジャパン製:不揮発分50%)(分散剤[C−8]溶液)
Disperbyk−171 (ビックケミー・ジャパン製:不揮発分39.5%)
【0360】
[3級アミノ基及び4級アンモニウム塩基含有分散剤の製造方法]
(分散剤[C−9]溶液の調製):ブロック共重合体
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽に、メチルメタクリレート44.7部、n−ブチルメタクリレート14.9部、テトラメチルエチレンジアミン13.2部を仕込み、窒素を流しながら50℃で1時間撹拌し、系内を窒素置換した。次に、ブロモイソ酪酸エチル2.6部、塩化第一銅5.6部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMAc)133部を仕込み、窒素気流下で、110℃まで昇温して第一ブロックの重合を開始した。4時間重合後、重合溶液をサンプリングして固形分測定を行い、不揮発分から換算して重合転化率が98%以上であることを確認した。
次に、この反応槽に、PGMAc61部、第二ブロックモノマーとしてジメチルアミノエチルメタクリレート33.6部(以下、DM)を投入し、110℃・窒素雰囲気下を保持したまま撹拌し、反応を継続した。ジメチルアミノエチルメタクリレート投入から2時間後、重合溶液をサンプリングして固形分測定を行い、不揮発分から換算して第二ブロックの重合転化率が98%以上であることを確認した。さらに、この反応装置に、ベンジルクロライド6.8部を投入し、110℃・窒素雰囲気下を保持したまま3時間撹拌し、その後冷却した。
先に合成したブロック共重合体溶液に不揮発分が40重量%になるようにPGMAcを添加した。このようにして、固形分当たりのアミン価が90mgKOH/g、4級アンモニウム塩価が30mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)9,800、不揮発分が40重量%の分散剤[C−9]溶液を得た。
【0361】
(分散剤[C−10]溶液の調製):ブロック共重合体
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽に、メチルメタクリレート47.8部、n−ブチルメタクリレート15.9部、テトラメチルエチレンジアミン13.2部を仕込み、窒素を流しながら50℃で1時間撹拌し、系内を窒素置換した。次に、ブロモイソ酪酸エチル2.6部、塩化第一銅5.6部、PGMAc133部を仕込み、窒素気流下で、110℃まで昇温して第一ブロックの重合を開始した。4時間重合後、重合溶液をサンプリングして固形分測定を行い、不揮発分から換算して重合転化率が98%以上であることを確認した。
次に、この反応槽に、PGMAc61部、第二ブロックモノマーとしてDM25.2部、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液13.8部(三菱レイヨン社製「アクリエステルDMC80」、不揮発分80%)を投入し、110℃・窒素雰囲気下を保持したまま撹拌し、反応を継続した。2時間後、重合溶液をサンプリングして固形分測定を行い、不揮発分から換算して第二ブロックの重合転化率が98%以上であることを確認し、反応溶液を室温まで冷却して重合を停止した。
先に合成したブロック共重合体溶液に不揮発分が40重量%になるようにPGMAcを添加した。このようにして、固形分当たりのアミン価が90mgKOH/g、4級アンモニウム塩価が30mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)9,800、不揮発分が40重量%の分散剤[C−10]溶液を得た。
【0362】
(分散剤[C−11]溶液の調製):ブロック共重合体
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽に、メチルメタクリレート39.4部、n−ブチルメタクリレート13.1部、テトラメチルエチレンジアミン13.2部を仕込み、窒素を流しながら50℃で1時間撹拌し、系内を窒素置換した。次に、ブロモイソ酪酸エチル2.6部、塩化第一銅5.6部、PGMAc133部を仕込み、窒素気流下で、110℃まで昇温して第一ブロックの重合を開始した。4時間重合後、重合溶液をサンプリングして固形分測定を行い、不揮発分から換算して重合転化率が98%以上であることを確認した。
次に、この反応槽に、PGMAc61部、第二ブロックモノマーとしてDM36.4部、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液13.8部(三菱レイヨン社製「アクリエステルDMC80」、不揮発分80%)を投入し、110℃・窒素雰囲気下を保持したまま撹拌し、反応を継続した。2時間後、重合溶液をサンプリングして固形分測定を行い、不揮発分から換算して第二ブロックの重合転化率が98%以上であることを確認し、反応溶液を室温まで冷却して重合を停止した。
先に合成したブロック共重合体溶液に不揮発分が40重量%になるようにPGMAcを添加した。このようにして、固形分当たりのアミン価が130mgKOH/g、4級アンモニウム塩価が30mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)9,800、不揮発分が40重量%の分散剤[C−11]溶液を得た。
【0363】
(分散剤[C−12]溶液の調製):ブロック共重合体
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽に、メチルメタクリレート40.2部、n−ブチルメタクリレート13.4部、テトラメチルエチレンジアミン13.2部を仕込み、窒素を流しながら50℃で1時間撹拌し、系内を窒素置換した。次に、ブロモイソ酪酸エチル2.6部、塩化第一銅5.6部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMAc)133部を仕込み、窒素気流下で、110℃まで昇温して第一ブロックの重合を開始した。4時間重合後、重合溶液をサンプリングして固形分測定を行い、不揮発分から換算して重合転化率が98%以上であることを確認した。
次に、この反応槽に、PGMAc61部、第二ブロックモノマーとしてジエチルアミノエチルメタクリレート39.6部(以下、DE)を投入し、110℃・窒素雰囲気下を保持したまま撹拌し、反応を継続した。ジエチルアミノエチルメタクリレート投入から2時間後、重合溶液をサンプリングして固形分測定を行い、不揮発分から換算して第二ブロックの重合転化率が98%以上であることを確認した。さらに、この反応装置に、ベンジルクロライド6.8部を投入し、110℃・窒素雰囲気下を保持したまま3時間撹拌し、その後冷却した。
先に合成したブロック共重合体溶液に不揮発分が40重量%になるようにPGMAcを添加した。このようにして、固形分当たりのアミン価が90mgKOH/g、4級アンモニウム塩価が30mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)9,800、不揮発分が40重量%の分散剤[C−12]溶液を得た。
【0364】
(分散剤[C−13]溶液の調製):ブロック共重合体
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽に、メチルメタクリレート42.6部、n−ブチルメタクリレート14.2部、テトラメチルエチレンジアミン13.2部を仕込み、窒素を流しながら50℃で1時間撹拌し、系内を窒素置換した。次に、ブロモイソ酪酸エチル2.6部、塩化第一銅5.6部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMAc)133部を仕込み、窒素気流下で、110℃まで昇温して第一ブロックの重合を開始した。4時間重合後、重合溶液をサンプリングして固形分測定を行い、不揮発分から換算して重合転化率が98%以上であることを確認した。
次に、この反応槽に、PGMAc61部、第二ブロックモノマーとしてジメチルアミノプロピルメタクリルアミド36.4部(以下、DMAPMA)を投入し、110℃・窒素雰囲気下を保持したまま撹拌し、反応を継続した。ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド投入から2時間後、重合溶液をサンプリングして固形分測定を行い、不揮発分から換算して第二ブロックの重合転化率が98%以上であることを確認した。さらに、この反応装置に、ベンジルクロライド6.8部を投入し、110℃・窒素雰囲気下を保持したまま3時間撹拌し、その後冷却した。
先に合成したブロック共重合体溶液に不揮発分が40重量%になるようにPGMAcを添加した。このようにして、固形分当たりのアミン価が90mgKOH/g、4級アンモニウム塩価が30mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)9,800、不揮発分が40重量%の分散剤[C−13]溶液を得た。
【0365】
(分散剤[C−14]溶液の調製):ブロック共重合体
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽に、メチルメタクリレート39.6部、n−ブチルメタクリレート13.2部、テトラメチルエチレンジアミン13.2部を仕込み、窒素を流しながら50℃で1時間撹拌し、系内を窒素置換した。次に、ブロモイソ酪酸エチル2.6部、塩化第一銅5.6部、PGMAc133部を仕込み、窒素気流下で、110℃まで昇温して第一ブロックの重合を開始した。4時間重合後、重合溶液をサンプリングして固形分測定を行い、不揮発分から換算して重合転化率が98%以上であることを確認した。
次に、この反応槽に、PGMAc61部、第二ブロックモノマーとしてペンタメチルピペリジルメタクリレート(株式会社ADEKA製、アデカスタブLA−82)36.1部、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液13.8部(三菱レイヨン社製「アクリエステルDMC80」、不揮発分80%)を投入し、110℃・窒素雰囲気下を保持したまま撹拌し、反応を継続した。2時間後、重合溶液をサンプリングして固形分測定を行い、不揮発分から換算して第二ブロックの重合転化率が98%以上であることを確認し、反応溶液を室温まで冷却して重合を停止した。
先に合成したブロック共重合体溶液に不揮発分が40重量%になるようにPGMAcを添加した。このようにして、固形分当たりのアミン価が90mgKOH/g、4級アンモニウム塩価が30mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)9,800、不揮発分が40重量%の分散剤[C−14]溶液を得た。
【0366】
<塗料(塗工性組成物)の製造>
[実施例165]
(塗工性組成物(SC−1)の製造)
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用
いて、アイガーミルで3時間分散した後、0.5μmのフィルタで濾過し、塗工性組成物
(SC−1)を作製した。
スクアリリウム色素[A−1] :10.0部
分散剤[C−1]溶液 : 7.5部
バインダー樹脂[B−1]溶液 :35.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :47.5部
【0367】
[実施例166〜206、比較例13〜14]
(塗工性組成物(SC−2〜44)の製造)
以下、スクアリリウム色素[A]、樹脂[B]、分散剤[C]及び有機溶剤を表6に示
す組成、量に変更した以外は塗工性樹脂組成物(SC−1)と同様にして、塗工性樹脂組
成物(SC−2〜44)を作製した。
【0368】
【表6】
【0369】
<塗工性組成物の評価>
得られた塗工性組成物(SC−1〜44)について、粘度、保存安定性、近赤外線吸収
能、不可視性、耐熱性、耐光性に関する試験を下記の方法で行った。結果を表7に示す。
【0370】
(粘度評価)
得られた塗工性組成物について、E型粘度計(東機産業社製「ELD型粘度計」)を用
いて、25℃・回転数50rpmにおける粘度を測定した。以下の基準で評価した。
◎:5mPa・s未満
○:5mPa・s以上、10mPa・s未満
△:10mPa・s以上、30mPa・s未満
×:30mPa・s以上
【0371】
(保存安定性(1))
得られた塗工性組成物を60℃の恒温機に1週間保存、経時促進させた後、粘度評価と
同様にして粘度を測定し、経時前後でのインキの粘度変化率を求めた。以下の基準で評価
した。
◎:変化率が±3%未満
○:変化率が±3%以上、±5%未満
△:変化率が±5%以上、±15%未満
×:変化率が±15%以上
【0372】
(近赤外線吸収能)
得られた塗工性組成物を1.1mm厚のガラス基板上にスピンコーターを用いて、膜厚
1.0μmになるようにスピンコートし、60℃で5分乾燥した後、230℃で5分加熱
し、基板を作製した。得られた基板の分光を分光光度計(U−4100 日立ハイテクノ
ロジーズ社製)を用いて300〜1000nmの波長範囲の吸収スペクトルを測定した。
本発明のスクアリリウム色素[A]の極大吸収は、750〜950nmの領域にあり、極
大吸収波長における、吸光度により、近赤外線吸収能を下記基準で評価した。
◎:極大吸収波長における吸光度が1.5以上
○:極大吸収波長における吸光度が1.0以上、1.5未満
△:極大吸収波長における吸光度が0.5以上、1.0未満
×:極大吸収波長における吸光度が0.5未満
【0373】
(不可視性)
前記方法にて得られた300〜1000nmの波長範囲の吸収スペクトルを使用して、
極大吸収波長の吸光度を1に規格化した際の、「400〜700nmの平均吸光度」によ
り、不可視性を下記基準で評価した。
◎ :0.03未満
○ :0.03以上、0.05未満
△ :0.05以上、0.1未満
× :0.1以上
【0374】
(耐熱性試験(1))
近赤外線吸収能評価と同じ手順で試験用基板を作製し、耐熱性試験として250℃で2
0分追加加熱した。基板の極大吸収波長における吸光度を測定し、耐熱性試験前のそれに
対する残存比を求め、耐熱性を、下記基準で評価した。なお、残存率の算出は、以下の式
を用いて算出した。
残存率=(耐熱性試験後の吸光度)÷(耐熱性試験前の吸光度)×100
◎ :残存率 が95%以上
○ :残存率 が90%以上、95%未満
△ :残存率 が85%以上、90%未満
× :残存率 が85%未満
【0375】
(耐熱性試験(2))
近赤外線吸収能評価と同じ手順で試験用基板を作製し、耐熱性試験として260℃で2
0分追加加熱した。基板の極大吸収波長における吸光度を測定し、耐熱性試験前のそれに
対する残存比を求め、耐熱性を、下記基準で評価した。なお、残存率の算出は、以下の式
を用いて算出した。
残存率=(耐熱性試験後の吸光度)÷(耐熱性試験前の吸光度)×100
◎ :残存率 が95%以上
○ :残存率 が90%以上、95%未満
△ :残存率 が85%以上、90%未満
× :残存率 が85%未満
【0376】
(耐光性試験(1))
近赤外線吸収能評価と同じ手順で試験用基板を作製し、耐光性試験機(TOYOSEI
KI社製「SUNTEST CPS+」)に入れ、24時間放置した。この際、放射照度
47mW/cm
2、300〜800nmの広帯の光にて試験を実施した。基板の極大吸収
波長における吸光度を測定し、光照射前のそれに対する残存比を求め、耐光性を、下記基
準で評価した。なお、残存率の算出は、以下の式を用いて算出した。
残存率=(照射後の吸光度)÷(照射前の吸光度)×100
◎ :残存率 が95%以上
○ :残存率 が90%以上、95%未満
△ :残存率 が85%以上、90%未満
× :残存率 が85%未満
【0377】
(耐光性試験(2))
近赤外線吸収能評価と同じ手順で試験用基板を作製し、耐光性試験機(TOYOSEI
KI社製「SUNTEST CPS+」)に入れ、48時間放置した。この際、放射照度
47mW/cm
2、300〜800nmの広帯の光にて試験を実施した。基板の極大吸収
波長における吸光度を測定し、光照射前のそれに対する残存比を求め、耐光性を、下記基
準で評価した。なお、残存率の算出は、以下の式を用いて算出した。
残存率=(照射後の吸光度)÷(照射前の吸光度)×100
◎ :残存率 が95%以上
○ :残存率 が90%以上、95%未満
△ :残存率 が85%以上、90%未満
× :残存率 が85%未満
【0378】
【表7】
【0379】
(保存安定性(2))
塗工性組成物(SC−1〜5、9〜14)について、追加で保存安定性試験を実施した。結果を表8に示した。得られた塗工性組成物を60℃の恒温機に4週間保存、経時促進させた後、粘度評価と同様にして粘度を測定し、経時前後でのインキの粘度変化率を求めた。以下の基準で評価した。
◎:変化率が±3%未満
○:変化率が±3%以上、±5%未満
△:変化率が±5%以上、±15%未満
×:変化率が±15%以上
【0380】
【表8】
【0381】
本発明の塗工性組成物(SC−1〜42)は、組成物としての安定性、光学特性、及び耐性について非常に良好な性能を示した。一方で、本発明でない塗工性組成物に関しては、SC−43は光学特性に、SC−44は耐性に大きな課題があり、実用レベルには至っていない。これは、ペリミジン型スクアリリウム色素の中でも、本発明のスクアリリウム色素[A]が顕著に有する構造由来の「強い発色性」、「高い堅牢性」、及び「強固な結晶性」によるものだと推測している。また、3級アミノ基及び4級アンモニウム塩基を有し、かつブロック構造の樹脂型分散剤を用いた塗工性組成物(SC−9〜14)は、保存安定性が特に優れていることが確認された。
【0382】
また、組成物としての安定性にも優れているため、今回のようなベタ塗工に限定されず
、フォトリソやドライエッチングのようなパターン形成塗工、UVオフセットやグラビア
などの印刷塗工などの、様々な塗工プロセスにも適応可能である。更には、塗工基材にも
限定されない。その上、非常に良好な光学特性(近赤外線吸収能、不可視性)、耐性(耐
熱性、耐光性)を有している。そのため、前記の画像形成材料以外にも、近赤外線カット
フィルタ用材料、熱線カット材料、レーザー溶着を含む光熱変換材料、固体撮像素子用材
料などの用途に好適に使用できる。
【0383】
<レーザー溶着接合体の製造>
[実施例207]
(接合体1の製造)
10cm角、厚み1mmの熱可塑性樹脂であるポリスチレン透明板の表面に、バーコー
ターを使用して、ドライ膜厚が0.5μmになるように前記塗工性組成物(SC−1)を
ベタ塗工した後、60℃、5分間オーブン乾燥させ、接合体前駆体1を得た。得られた「
接合体前駆体1」と、「何も塗布していない、10cm角、厚み1mmのポリスチレン透
明板」を、塗布層を挟み込んで重ね合わせ、重ね合わせた部分に、レーザー波長808n
m、レーザー走査速度10mm/sec、レーザー出力30Wで、レーザー光を照射し、レーザー溶着接合体1を得た。
【0384】
[実施例208〜226、比較例15〜22]
(接合体2〜28の製造)
レーザー溶着接合体1で使用した組成物、塗工部材を表9に示す種類に変更した以外は、レーザー溶着接合体1と同様にして、レーザー溶着接合体2〜28を得た。
【0385】
<レーザー溶着接合体の評価>
得られたレーザー溶着接合体について、下記評価を行った。結果を表9に示す。
【0386】
(レーザー溶着接合体の溶着強度評価)
前記方法でレーザー溶着した2枚の透明板の各々先端をそれぞれ掴み、目視で溶着度合
を判定した。
〇 :均一かつ充分に溶着されている
× :溶着していない
【0387】
【表9】
【0388】
以下に、表9中の略称を示す。(10cm角、厚み1mmの基板)
PS:ポリスチレン(商品名:CR−4500;メーカー:DIC)
PMMA:ポリメチルメタクリレート(商品名:パラペットHR−L;メーカー:クラレ)
COP:シクロオレフィンポリマー(商品名:ZEONEX E48R;メーカー:日本
ゼオン)
PC:ポリカーボネート(商品名:ユーピロンH−4000;メーカー:三菱エンジニア
リングプラスチックス)
【0389】
本発明の塗工性組成物(SC−1、SC−2、SC−13、SC−16、SC−30)は、近赤外線吸収能が非常に高く、レーザー光を効率良く熱に変換可能であるため、樹脂部材同士を強固に溶着することが可能である。また、組成物の安定性が高く、均一塗工が可能であるため、均一に溶着することも可能である。これらの結果から、本発明の樹脂組成物は、レーザー溶着用途で好適に用いることができることが示された。
【0390】
<固体撮像素子用組成物の製造>
[実施例227]
(固体撮像素子用組成物(CM−1)の製造)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1 .0μmのフィルタで濾過して
、固体撮像素子用組成物(CM−1)を得た。
塗工性組成物(SC−1) :30.0部
バインダー樹脂[B−1]溶液 :13.9部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM−350」) : 3.2部
光重合開始剤(BASF社製「OXE−01」) : 0.2部
PGMAc :52.7部
【0391】
[実施例228]
(固体撮像素子用組成物(CM−2)の製造)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1 .0μmのフィルタで濾過して
、固体撮像素子用組成物(CM−2)を得た。
塗工性組成物(SC−1) :30.0部
バインダー樹脂[B−1]溶液 :13.3部
ヒンダードフェノール系酸化防止剤(BASF社製「IRGANOX 1010」)
: 0.2部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM−350」) : 3.2部
光重合開始剤(BASF社製「OXE−01」) : 0.2部
PGMAc :53.1部
【0392】
[実施例229]
(固体撮像素子用組成物(CM−3)の製造)
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM−350」)、及び光重合開始剤(B
ASF社製「OXE−01」)の全量をエポキシ樹脂(長瀬ケムテックス社製「EX−6
11」)に変更した以外は固体撮像素子用組成物(CM−2)と同様にして固体撮像素子
用組成物(CM−3)を得た。
【0393】
[実施例230〜241、比較例23〜28]
(固体撮像素子用組成物(CM−4〜21)の製造)
以下、表10に示す組成と配合量に変更した以外は、固体撮像素子用組成物(CM−1)〜(CM−3)と同様にして固体撮像素子用組成物(CM−4〜21)を得た。
【0394】
【表10】
【0395】
<固体撮像素子用組成物の評価>
実施例及び比較例で得られた固体撮像素子用樹脂組成物(CM−1〜21)について、
近赤外線吸収能、不可視性、耐熱性、耐光性、パターン剥がれ性(1又は2)、パターン
形成性に関する試験を下記の方法で行った。結果を表11に示す。
【0396】
(近赤外線吸収能)
得られた固体撮像素子用組成物を1.1mm厚のガラス基板上にスピンコーターを用い
て、膜厚1.0μmになるようにスピンコートし、60℃で5分乾燥した後、230℃で
5分加熱し、基板を作製した。得られた基板の分光を分光光度計(U−4100 日立ハ
イテクノロジーズ社製)を用いて300〜1000nmの波長範囲の吸収スペクトルを測
定した。本発明のスクアリリウム色素[A]の極大吸収は、750〜950nmの領域に
あり、極大吸収波長における、吸光度により、近赤外線吸収能を下記基準で評価した。
◎:極大吸収波長における吸光度が1.0以上
○:極大吸収波長における吸光度が0.7以上、1.0未満
△:極大吸収波長における吸光度が0.5以上、0.7未満
×:極大吸収波長における吸光度が0.5未満
【0397】
(不可視性)
前記方法にて得られた300〜1000nmの波長範囲の吸収スペクトルを使用して、
極大吸収波長の吸光度を1に規格化した際の、「400〜700nmの平均吸光度」によ
り、不可視性を下記基準で評価した。
◎ :0.05未満
○ :0.05以上、0.07未満
△ :0.07以上、0.1未満
× :0.1以上
【0398】
(耐熱性試験(1))
近赤外線吸収能評価と同じ手順で試験用基板を作製し、耐熱性試験として250℃で2
0分追加加熱した。基板の極大吸収波長における吸光度を測定し、耐熱性試験前のそれに
対する残存比を求め、耐熱性を、下記基準で評価した。なお、残存率の算出は、以下の式
を用いて算出した。
残存率=(耐熱性試験後の吸光度)÷(耐熱性試験前の吸光度)×100
◎ :残存率 が95%以上
○ :残存率 が90%以上、95%未満
△ :残存率 が85%以上、90%未満
× :残存率 が85%未満
【0399】
(耐熱性試験(2))
近赤外線吸収能評価と同じ手順で試験用基板を作製し、耐熱性試験として260℃で2
0分追加加熱した。基板の極大吸収波長における吸光度を測定し、耐熱性試験前のそれに
対する残存比を求め、耐熱性を、下記基準で評価した。なお、残存率の算出は、以下の式
を用いて算出した。
残存率=(耐熱性試験後の吸光度)÷(耐熱性試験前の吸光度)×100
◎ :残存率 が95%以上
○ :残存率 が90%以上、95%未満
△ :残存率 が85%以上、90%未満
× :残存率 が85%未満
【0400】
(耐光性試験(1))
近赤外線吸収能評価と同じ手順で試験用基板を作製し、耐光性試験機(TOYOSEI
KI社製「SUNTEST CPS+」)に入れ、24時間放置した。この際、放射照度
47mW/cm
2、300〜800nmの広帯の光にて試験を実施した。基板の極大吸収
波長における吸光度を測定し、光照射前のそれに対する残存比を求め、耐光性を、下記基
準で評価した。なお、残存率の算出は、以下の式を用いて算出した。
残存率=(照射後の吸光度)÷(照射前の吸光度)×100
◎ :残存率 が95%以上
○ :残存率 が90%以上、95%未満
△ :残存率 が85%以上、90%未満
× :残存率 が85%未満
【0401】
(耐光性試験(2))
近赤外線吸収能評価と同じ手順で試験用基板を作製し、耐光性試験機(TOYOSEI
KI社製「SUNTEST CPS+」)に入れ、48時間放置した。この際、放射照度
47mW/cm
2、300〜800nmの広帯の光にて試験を実施した。基板の極大吸収
波長における吸光度を測定し、光照射前のそれに対する残存比を求め、耐光性を、下記基
準で評価した。なお、残存率の算出は、以下の式を用いて算出した。
残存率=(照射後の吸光度)÷(照射前の吸光度)×100
◎ :残存率 が95%以上
○ :残存率 が90%以上、95%未満
△ :残存率 が85%以上、90%未満
× :残存率 が85%未満
【0402】
(パターン剥がれ性1)
[フォトリソによる赤外吸収パターン形成工程]
前記方法で得られた固体撮像素子用組成物(CM−1、2、4、5、7、8、10、1
1、13、14)を、8インチシリコンウエハー上にスピンコートにより塗布した後、塗
布膜面の表面温度100℃で120秒間、ホットプレートで加熱処理して乾燥させ、乾燥
後の膜厚が約1.0μmの塗布膜を形成した。
【0403】
次に、乾燥後の塗布膜に対して、1.2μmの正方ピクセルがそれぞれ基板上の10m
m×10mmの領域にドット状に配列されたマスクパターンを介してi線ステッパー(キ
ャノン(株)製のFPA−3000i5+)により、露光量1000mJ/cm
2にて露
光した。
【0404】
パターン露光された塗布膜は、有機系アルカリ現像液(パーカーコーポレーション社製
PK−DEX4310)を用いて、室温にて60秒間、パドル現像した後、さらに20秒
間スピンシャワーにて純水でリンスを行なった。その後さらに、純水にて水洗を行なった
。その後、水滴を高圧のエアーで飛ばし、基板を自然乾燥させ、230℃で300秒間、
ホットプレートでポストベーク処理し、シリコンウエハー上に赤外吸収パターンを形成し
た。
【0405】
上記で作製した赤外吸収パターンについて、パターン剥がれの発生数を、Applied Materials technology社製の欠陥検査装置「ComPLUS3」にて検査し、欠陥部分を検出し、これら欠陥部位より剥がれによる欠陥数を抽出した。抽出された剥がれ欠陥数に基づき、下記の評価基準により評価した。なお、検査面積は、縦10mm×横10mmの領域を8インチウエハー上に200個作成し、これを評価した。
◎ :剥がれ欠陥数が5個以下
〇 :剥がれ欠陥数が6個以上、10個以下
△ :剥がれ欠陥数が11個以上、20個以下
× :剥がれ欠陥数が21個以上
【0406】
(パターン剥がれ性2)
[ドライエッチングによる赤外吸収パターン形成工程]
前記方法で得られた固体撮像素子用組成物(CM−3、6、9、12、15)を、8イ
ンチシリコンウエハー上にスピンコートにより塗布した後、100℃180秒間ホットプ
レートで乾燥し、乾燥した後、さらに、200℃のホットプレートを用いて480秒間加
熱処理(ポストベーク)を行った。
【0407】
次いで、前記層の上に、ポジ型フォトレジスト「FHi622BC」(富士フイルムエ
レクトロニクスマテリアルズ社製)を塗布し、プリベークを実施し、フォトレジスト層を
形成した。
【0408】
続いて、フォトレジスト層を、i線ステッパー(キヤノン(株)製)を用い、350m
J/cm
2の露光量でパターン露光し、フォトレジスト層の温度又は雰囲気温度が90℃
となる温度で1分間、加熱処理を行なった。その後、現像液「FHD−5」(富士フイル
ムエレクトロニクスマテリアルズ社製)で1分間の現像処理を行ない、さらに110℃で
1分間のポストベーク処理を実施して、レジストパターンを形成した。このレジストパタ
ーンは、エッチング変換差(エッチングによるパターン幅の縮小)を考慮して、1.2μ
m角の正方形状のレジスト膜が市松状に配列されてなるパターンである。
【0409】
次に、レジストパターンをエッチングマスクとして、ドライエッチングを以下の手順で
行った。ドライエッチング装置(日立ハイテクノロジーズ社製、U−621)にて、RF
パワー:800W、アンテナバイアス:400W、ウエハバイアス:200W、チャンバ
ーの内部圧力:4.0Pa、基板温度:50℃、混合ガスのガス種及び流量をCF
4:8
0mL/min、O
2:40mL/min、Ar:800mL/min、として、80秒
の第1段階のエッチング処理を実施した。
【0410】
このエッチング条件での前記層の削れ量356nm(89%のエッチング量)となり、
約44nmの残膜がある状態になった。
【0411】
次いで、同一のエッチングチャンバーにて、RFパワー:600W、アンテナバイアス
:100W、ウエハバイアス:250W、チャンバーの内部圧力:2.0Pa、基板温度
:50℃、混合ガスのガス種及び流量をN
2:500mL/min、O
2:50mL/m
in、Ar:500mL/minとし(N
2/O
2/Ar=10/1/10)、エッチン
グトータルでのオーバーエッチング率を20%として、第2段階エッチング処理、オーバ
ーエッチング処理を実施した。
【0412】
第2段階のエッチング条件での赤外吸収パターン層のエッチングレートは600nm/
min以上であって、前記層の残膜をエッチングするのに約10秒の時間を要した。第1
段階のエッチング時間の80秒と第2段階のエッチング時間10秒を加算したものをエッ
チング時間と算出した。その結果、エッチング時間:80+10=90秒、オーバーエッ
チング時間:90×0.2=18秒になり、全エッチング時間は90+18=108秒に
設定した。
【0413】
上記条件でドライエッチングを行った後、フォトレジスト剥離液「MS230C」(富
士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)を使用して120秒間、剥離処理を実施
してレジストパターンを除去し、さらに純水による洗浄、スピン乾燥を実施した。その後
、100℃で2分間の脱水ベーク処理を行った。
【0414】
上記で作製した赤外吸収パターンについて、パターン剥がれの発生数を、前記(パター
ン剥がれ性1)と同様の方法で評価を行った。
【0415】
(パターン形成性)
上記パターン剥がれ性評価で作製した赤外吸収パターンをガラス切りにて切り出し、走
査式電子顕微鏡(S−4800、日立株式会社製)を用いて、倍率15,000倍にて観
察し、下記評価基準に従って評価した。
〇 :線幅1.2μmのパターンが直線性よく形成されている
△ :線幅1.2μmのパターンに僅かにがたつきが確認されるが実用上問題なし
× :線幅1.2μmのパターンの直線性が著しく悪い
【0416】
【表11】
【0417】
本発明の固体撮像素子用組成物(CM−1〜15)は、近赤外線吸収能、不可視性、耐
熱性、及び耐光性以外にも、パターン剥がれ性、パターン形成性が良好であり、固体撮像
素子用途で好適に使用できる。また、代表的なパターン形成プロセスであるフォトリソ、
ドライエッチングのどちらにおいても、高い性能を示している。
【0418】
<粘着剤(粘着性組成物)の製造>
粘着剤の製造にあたり、粘着性樹脂を製造した。
【0419】
<樹脂[B](粘着性樹脂)の製造方法>
(アクリル粘着性樹脂[B−2]の調製)
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート99.85部、アクリル酸0.15部、酢酸エチル121.0部、ベンゾイルパーオキサイド0.2部を仕込み、攪拌しながら反応器中の空気を窒素置換し、還流するまで昇温して保持し、合計5 時間反応させた。反応終了後、酢酸エチル34.4部、トルエン28.3部、重合禁止剤として2、5−ジターシャリブチルハイドロキノン0.5部を添加して希釈し、室温まで冷却し、不揮発分34.0%のアクリル粘着性樹脂[B−2]の溶液を得た。アクリル粘着性樹脂[B−2]の重量平均分子量は50万であった。
【0420】
[実施例242]
(粘着性組成物(AD−1)の製造)
スクアリリウム色素[A−1]0.5部、アクリル粘着性樹脂[B−2]98.8部、
架橋剤としてTDI/TMP(トリレンジイソシネートのトリメチロールプロパンアダク
ト体)0.7部を混合、ディスパーで強撹拌して、樹脂中にスクアリリウム色素[A−1
]を分散させることで、粘着性組成物(AD−1)を調製した。
【0421】
[実施例243、244、比較例29、30]
(粘着性組成物(AD−2〜5)の製造)
以下、スクアリリウム色素[A−1]を、スクアリリウム色素[A−38]、[A−4
9]、[D−1]、及び[D−2]に変更した以外は粘着性組成物(AD−1)と同様に
して、粘着性組成物(AD−2〜5) を調製した。
【0422】
<粘着剤(粘着性組成物)の評価>
得られた粘着性組成物(AD−1〜5)について、分散性、近赤外線吸収能、不可視性
、耐候性に関する試験を下記の方法で行った。結果を表12に示す。
【0423】
(分散性)
得られた粘着性組成物(AD1〜5)を、ドクターブレードで乾燥膜厚45μmとなる
ように、厚さ75μm の透明剥離シート上に塗布し、乾燥させ、粘着剤層を形成し、次
いで厚さ25μmのPETフィルムの片面にラミネートして、PETフィルム/粘着剤層
/剥離シートからなる片面粘着テープを得た。この粘着テープを23℃50%RHの雰囲気下で7日間熟成させた。得られた片面粘着テープの表面を、光学顕微鏡で観察することで、粘着剤樹脂組成物中のスクアリリウム色素[A]の分散性を評価した。評価基準は下記の通りである。
◎:凝集物が存在せず、スクアリリウム色素が極めて均一に分散されているもの
〇:凝集物がほぼ存在せず、スクアリリウム色素が均一に分散されているもの
△:凝集物が存在し、スクアリリウム色素が均一に分散されていないもの
×:凝集物が多数あり、スクアリリウム色素が均一に分散されていないもの
【0424】
(近赤外線吸収能)
前記方法にて得られた片面粘着テープの分光を分光光度計(U−4100 日立ハイテ
クノロジーズ社製)を用いて300〜1000nmの波長範囲の吸収スペクトルを測定し
た。本発明のスクアリリウム色素[A]の極大吸収は、750〜950nmの領域にあり
、極大吸収波長における、吸光度により、近赤外線吸収能を下記基準で評価した。
◎:極大吸収波長における吸光度が1.5以上
○:極大吸収波長における吸光度が1.0以上、1.5未満
△:極大吸収波長における吸光度が0.5以上、1.0未満
×:極大吸収波長における吸光度が0.5未満
【0425】
(不可視性)
前記方法にて得られた300〜1000nmの波長範囲の吸収スペクトルを使用して、
極大吸収波長の吸光度を1に規格化した際の、「400〜700nmの平均吸光度」によ
り、不可視性を下記基準で評価した。
◎ :0.03未満
○ :0.03以上、0.05未満
△ :0.05以上、0.1未満
× :0.1以上
【0426】
(耐候性試験)
前記方法にて得られた片面粘着テープに関して、岩崎電気社製の「アイ スーパーUV
テスター」を用いて、温度63℃、湿度70%条件下で、48時間の耐候性試験を実施し
た。この際、放射照度100mW/cm
2、300〜400nmの狭帯域の光にて試験を
実施した。片面粘着テープの極大吸収波長における吸光度を測定し、試験前の吸光度に対
する残存比を求め、耐候性を、下記基準で評価した。なお、残存率の算出は、以下の式を
用いて算出した。
残存率=(試験後の吸光度)÷(試験前の吸光度)×100
◎ :残存率 が95%以上
○ :残存率 が90%以上、95%未満
△ :残存率 が85%以上、90%未満
× :残存率 が85%未満
【0427】
【表12】
【0428】
本発明の粘着性組成物(AD−1〜3)は、粘着性樹脂への分散性、光学特性、及び耐
候性について非常に良好な性能を示した。一方で、本発明でない粘着性組成物に関しては
、AD−4は耐候性に、AD−5は光学特性に大きな課題があり、実用レベルには至って
いない。前記の塗工性組成物と同様に、粘着性樹脂に対しても、本発明のスクアリリウム
色素[A]は、非常に高い分散性・相溶性を示した。更に、非常に高い近赤外線吸収能、
不可視性、及び耐候性も維持している。また、粘着性樹脂を接着性樹脂に変更する事で、
粘着剤だけではなく、接着剤としても好適に使用できると考えられる。また、本発明のス
クアリリウム色素[A]を含む粘着剤、接着剤は、光学フィルタ用材料、熱線カット材料
、レーザー溶着を含む光熱変換材料などの用途に好適に使用できる。
【0429】
<マスターバッチの製造>
[実施例245]
(マスターバッチ(MB−1)の製造)
スクアリリウム色素[A−1]100部、分散剤[C−9]として、三井化学社製ハ
イワックス
TM(NL−100:分解型LDPE−WAX)100部を混合し、3本ロー
ルで分散することで、マスターバッチ(MB−1)のプレ分散体を得た。その後、プレ分
散体10部、樹脂[B−3]として、三菱ケミカル社製ノバテック
TMLD(LF34
2M1:フィルムグレード低密度ポリエチレンペレット)90部をタンブラーミキサー(
カワタ社製)に投入し、温度25℃、時間3分の条件で撹拌した後、二軸押出し機(日本
プラコン社製)に投入し、温度180℃で溶融混練することでマスターバッチ(MB−1
)を得た。
【0430】
[実施例246]
(マスターバッチ(MB−2)の製造)
スクアリリウム色素[A−1]100部、樹脂[B−4]として、三菱ケミカル社製D
IACRON(ER−561:ポリエステル樹脂ペレット)100部を混合し、3本ロー
ルで分散することで、マスターバッチ(MB−2)のプレ分散体を得た。その後、プレ分
散体10部、三菱ケミカル社製DIACRON(ER−561:ポリエステル樹脂)90
部をタンブラーミキサー(カワタ社製)に投入し、温度25℃、時間3分の条件で撹拌し
た後、二軸押出し機(日本プラコン社製)に投入し、温度140℃で溶融混練することで
マスターバッチ(MB−2)を得た。
【0431】
[実施例247、248、比較例31、32]
(マスターバッチ(MB−3〜6)の製造)
以下、スクアリリウム色素[A−1]を、表13に示す色素に変更した以外はマスター
バッチ(MB−1)と同様にして、マスターバッチ(MB−3〜6) を製造した。
【0432】
【表13】
【0433】
<成形体(フィルム)の製造>
[実施例249]
(マスターバッチ(MB−1)からなる樹脂成形体1の製造)
マスターバッチ(MB−1)4部、前記と同様のノバテック
TMLD(LF342M1
:フィルムグレード低密度ポリエチレンペレット)100部をタンブラーミキサー(カワ
タ社製)に投入し、温度25℃、時間3分の条件で撹拌した後、T−ダイ押出機により、
溶融混練、及びフィルム成形することで、マスターバッチ(MB−1)からなる樹脂成形
体1(フィルム)を得た。この際の成形温度は180℃であり、膜厚50μmになるよう
にフィルムを作製した。
【0434】
[実施例250、251、比較例33、34]
(マスターバッチ(MB−3〜6)からなる樹脂成形体2〜5の製造)
以下、マスターバッチ(MB−1)を、マスターバッチ(MB−3)〜(MB−6)に
変更した以外は樹脂成形体1(フィルム)と同様にして、樹脂成形体2〜5(フィルム)
を得た。
【0435】
<マスターバッチからなる樹脂成形体(フィルム)の評価>
樹脂成形体1〜5について、分散性、近赤外線吸収能、不可視性、耐光性に関する試験
を下記の方法で行った。結果を表14に示す。
【0436】
(分散性)
得られたマスターバッチからなるフィルムの表面を、光学顕微鏡で観察することで、フ
ィルム中のスクアリリウム色素[A]の分散性を評価した。評価基準は下記の通りである
。
◎:顔料凝集物が存在せず、スクアリリウム色素が極めて均一に分散されているもの
〇:顔料凝集物がほぼ存在せず、スクアリリウム色素が均一に分散されているもの
△:顔料凝集物が存在し、スクアリリウム色素が均一に分散されていないもの
×:顔料凝集物が多数あり、スクアリリウム色素が均一に分散されていないもの
【0437】
(近赤外線吸収能)
前記方法にて得られたフィルムの分光を分光光度計(U−4100 日立ハイテクノロ
ジーズ社製)を用いて300〜1000nmの波長範囲の吸収スペクトルを測定した。本
発明のスクアリリウム色素[A]の極大吸収は、750〜950nmの領域にあり、極大
吸収波長における、吸光度により、近赤外線吸収能を下記基準で評価した。
◎:極大吸収波長における吸光度が1.5以上
○:極大吸収波長における吸光度が1.0以上、1.5未満
△:極大吸収波長における吸光度が0.5以上、1.0未満
×:極大吸収波長における吸光度が0.5未満
【0438】
(不可視性)
前記方法にて得られた300〜1000nmの波長範囲の吸収スペクトルを使用して、
極大吸収波長の吸光度を1に規格化した際の、「400〜700nmの平均吸光度」によ
り、不可視性を下記基準で評価した。
◎ :0.03未満
○ :0.03以上、0.05未満
△ :0.05以上、0.1未満
× :0.1以上
【0439】
(耐光性試験(1))
前記方法にて得られたフィルムを、耐光性試験機(TOYOSEIKI社製「SUNT
EST CPS+」)に入れ、24時間放置した。この際、放射照度47mW/cm
2、
300〜800nmの広帯の光にて試験を実施した。基板の極大吸収波長における吸光度
を測定し、光照射前のそれに対する残存比を求め、耐光性を、下記基準で評価した。なお
、残存率の算出は、以下の式を用いて算出した。
残存率=(照射後の吸光度)÷(照射前の吸光度)×100
◎ :残存率 が95%以上
○ :残存率 が90%以上、95%未満
△ :残存率 が85%以上、90%未満
× :残存率 が85%未満
【0440】
(耐光性試験(2))
前記方法にて得られたフィルムを、耐光性試験機(TOYOSEIKI社製「SUNT
EST CPS+」)に入れ、48時間放置した。この際、放射照度47mW/cm
2、
300〜800nmの広帯の光にて試験を実施した。基板の極大吸収波長における吸光度
を測定し、光照射前のそれに対する残存比を求め、耐光性を、下記基準で評価した。なお
、残存率の算出は、以下の式を用いて算出した。
残存率=(照射後の吸光度)÷(照射前の吸光度)×100
◎ :残存率 が95%以上
○ :残存率 が90%以上、95%未満
△ :残存率 が85%以上、90%未満
× :残存率 が85%未満
【0441】
【表14】
【0442】
本発明のマスターバッチからなる樹脂成形体1〜3(フィルム)は、成形用の熱可塑性
樹脂への分散性、光学特性、及び耐光性について非常に良好な性能を示した。一方で、本
発明でないマスターバッチからなる樹脂成形物(フィルム)に関しては、成形体4は特に
耐光性に、成形体5は特に光学特性に大きな課題があり、実用レベルには至っていない。
本発明のスクアリリウム色素[A]は、塗料や粘着剤などのような液体分散だけでなく、
固体分散の形態・用途においても、非常に優れた性能を示すことが分かった。更には、分
散性だけではなく、非常に高い近赤外線吸収能、不可視性、及び耐光性も維持している。
よって、本発明のスクアリリウム色素[A]を含むマスターバッチ、及び成形物は、近赤
外線カットフィルタ用材料、熱線カット材料、レーザー溶着用材料を含む光熱変換材料な
どの用途に好適に使用できる。
【0443】
以上の結果から、本発明のスクアリリウム色素[A]は、バインダー樹脂、粘着性樹脂
、熱可塑性樹脂などの樹脂[B]との組み合わせにより、様々な組成物の形態をとり、幅
広い用途に好適に使用できることが分かった。この理由は前述の通り、ペリミジン型スク
アリリウム色素の中でも、本発明のスクアリリウム色素[A]の構造が有する強い発色性
、強固な堅牢性、及び強固な結晶性に由来すると推測しており、そのため、組成物、及び
各用途形態として非常に優れた光学特性、高い各種耐性、及び組成物としての安定性が発
現している。