(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
予め定めた間隔で周期的に配列された複数のドット配置領域に対するドットの配置の有無で特定情報を表すコード画像を記録媒体上に形成する前に、ドットが配置される可能性がある全部のドット配置領域にドットが配置された試験画像を、前記記録媒体上に形成する画像形成手段と、
前記記録媒体上に形成された試験画像を読み取る読取手段と、
前記読取手段による読取画像を複数の領域に区分し、前記複数の領域の各々について画像形成材料による被覆率を求め、他の領域と被覆率が異なる領域を欠陥として検出する検出手段と、
を有する欠陥検出装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
【0019】
<画像形成システム>
まず、本実施の形態に係る画像形成システムの一例について説明する。
図1は画像形成システムの全体構成を示す概略図である。
図1に示すように、画像形成システム10は、端末装置20、画像形成装置30、及び文書管理サーバ40を備えている。端末装置20、画像形成装置30、及び文書管理サーバ40は、LAN(Local Area Network)等の通信回線90により接続されている。端末装置20は、ユーザが使用するコンピュータ等の情報処理装置及び周辺装置である。画像形成装置30は、用紙上に画像を形成する印刷装置等である。文書管理サーバ40は、電子文書を管理するコンピュータ等の情報処理装置である。なお、画像形成システムの構成は一例であり、これに限定されるものではない。また、「用紙」は記録媒体の一例であり、これに限定される訳ではない。
【0020】
例えば、端末装置20は、文書管理サーバ40から電子文書を取得し、画像形成装置30に電子文書の印刷を指示する。画像形成装置30は、端末装置20からの印刷指示に応じて、電子文書の文書画像を用紙上に形成し、文書画像が形成された印刷物を出力する。なお、端末装置20は、端末装置20の記憶部から電子文書を取得してもよい。また、端末装置20は、端末装置20の通信部を介して、文書管理サーバ40以外の外部装置から電子文書を取得してもよい。或いは、画像形成装置30は、画像形成装置30の画像読取部により原稿上の文書画像を読み取り、読み取った文書画像を用紙上に形成してもよい。
【0021】
本実施の形態では、画像形成装置30は、文書画像としてコード画像を用紙上に形成し、コード画像が印刷された印刷物50を出力する。或いは、文書画像とコード画像とが重畳された重畳画像を用紙上に形成し、重畳画像が印刷された印刷物60を出力する。ここで「コード画像」とは、複数のドットで構成され、特定情報を符号パターン(コード)で表したコード情報を含む画像である。また「ドット」とは、網点状の画像を指す。符号パターン(コード)としては、QRコード(登録商標)やグリフコード等、複数のドットが二次元状に配列された二次元コード(ドットパターン)が用いられる。特定情報は、コード画像の符号パターンを読み取って復号(デコード)される。
【0022】
コード画像は、赤外線吸収材料で形成された赤外画像としてもよい。ここで「赤外画像」とは、自然光又は白色光の下では肉眼により視認することが困難であり、赤外線を照射して反射された赤外線を検出することにより読み取られる画像である。赤外画像の読み取りには、赤外線カメラ等、赤外専用の撮影装置が用いられる。なお、赤外線吸収材料としては、波長750nmから波長1000nmまでの赤外領域に光吸収ピークを有するものが用いられる。従って、赤外画像の読み取りには、赤外線吸収材料の吸収特性に応じた波長の赤外線が使用される。
【0023】
二次元コードが形成されたコード画像は、ドットが不規則に配列されているため、画像欠陥の有無が分かり難い。例えば、ドットを拡大したり、濃度を上げて視認性を向上させても、ドット抜け等の欠陥の有無を目視で判別するのは困難である。コード画像は、特定情報を符号パターンで表したコード情報を含むものであり、特定情報に応じて異なるドット配列を有している。従って、形成されたコード画像のコード情報を、元のコード情報と照合するのも困難である。
【0024】
本実施の形態では、コード画像を形成する場合には、事前に後述する「欠陥検出処理」を実行する。「欠陥検出処理」では、コード画像用の試験画像を用紙上に形成して、形成された試験画像の欠陥を検出する。この「欠陥検出処理」を実行することで、コード画像を形成しようとしている画像形成装置で、コード画像が欠陥なく形成されるか否かが事前に確認される。即ち、コード画像を形成した場合の欠陥の有無が検出される。
【0025】
なお、印刷物50や印刷物60からのコード画像の読み取りに、ペン型デバイス70を用いてもよい。ペン型デバイス70は、コード画像の読み取りと共に、加筆した筆跡情報を取得するように構成されている。例えば、ペン型デバイス70を用いて印刷物60に筆記した場合には、ペン型デバイス70により筆跡情報が取得され、文書管理サーバ40に送信される。印刷物60に対する筆跡情報は、文書管理サーバ40により、印刷物60に印刷された電子文書と関連付けて管理される。
【0026】
<コード画像>
次に、本実施の形態で使用されるコード画像について説明する。ここでは「9C2パターン」と称される特定の単位パターンを使用するドットコードの例について説明する。
図2(A)はコード画像の一部を拡大して示す部分拡大図である。
図2(B)は単位パターンの一例を示す模式図である。
図2(C)は符号パターンの一例を示す模式図である。コード画像は、用紙全面に印刷してもよく、画像形成装置30により画像が形成される画像形成領域、画像形成領域の周辺に在る周辺領域等、用紙の特定の領域に印刷してもよい。また、用紙の表裏両面に、コード画像を印刷してもよい。
【0027】
図2(A)に示すように、印刷物50の一部分50Aに印刷されたコード画像は、二次元状に配列された複数の符号パターン52を含んで構成されている。また、複数の符号パターン52の各々は、二次元状に配列された複数の単位パターン54を含んで構成されている。符号パターン52は、位置情報、識別情報等の特定情報を復号するための最小読取単位である。例えば、QRコード(登録商標)であれば、1個のQRコード(登録商標)に相当する。符号パターン52毎に特定情報が復号される。単位パターン54は、符号パターン52を構成する最小単位であり、1ビット又は複数ビットの情報を表現する。
【0028】
本実施の形態では、符号パターン52及び単位パターン54として、複数のドットが二次元状に配列された二次元コード(ドットパターン)が用いられる。この例で「ドット」とは、印刷用色材を用いて印字される部分であり、
図2(A)では黒い四角(■)で表されている。
図2(A)では「2画素×2画素」の大きさのドットを図示しているが、ドットの大きさはこれに限定される訳ではない。例えば、単位パターン54の1ドットの大きさを「7画素×7画素」としてもよい。1インチ当たり2400画素を印字できる解像度の画像形成装置を用いて、上記の単位パターン54を有するコード画像を印刷する場合には、単位パターン54の1ドットの大きさは「75μm×75μm」となる。
【0029】
単位パターン54を構成する1ドットの大きさ(一辺の長さ又は直径)は、表現する情報量、読み取り精度、画像形成装置の解像度等を考慮して、ドットの大きさが50μm以上100μm以下の範囲とするとよい。ドットの大きさが小さい方が単位面積当たりの情報量は多くなるが、ドットの大きさが小さ過ぎると読み取り精度が低下する。特に、コード画像を赤外画像とする場合には、ドットの大きさが大きくなると視認性が高くなって画質が劣化する。ドットの大きさを100μm以下とすることで、視認性が低下して画質の劣化が低減される。なお、コード画像のドットの大きさの好適な範囲については、後で詳細に説明する。
【0030】
図2(B)に示すように、単位パターン54は、ドットが配置されるドット配置領域と、ドットが配置されない非配置領域とに区分されている。黒色領域56Aは、ドット配置領域にドットが配置されていることを示す。グレー領域56Bは、ドット配置領域にドットが配置されていないことを示す。白色領域56Cは、ドットが配置されない非配置領域であることを示す。単位パターン54では、ドット配置領域は9箇所あり、9箇所中から選択された2箇所にドットが配置される。選択する組合せは36通り(=
9C
2)あるので、36種類の単位パターン54があることになる。例えば、このうち32種類の単位パターン54を用いることで、5ビットの情報が表現される。
【0031】
図2(C)に示すように、符号パターン52には、複数の単位パターン54が配列されている。ここで単位パターン54が配置される位置を「単位ブロック」という。この例では、25(=5×5)個の単位ブロックが配列されており、各単位ブロックには、いずれかの単位パターン54が配置される。この例では、4種類の単位パターン54が、画像の回転を検出する同期符号54として使用されている。また、残り32種類の単位パターン54が、X座標を表すX位置符号54B、Y座標を表すY位置符号54C、識別符号54Dとして使用されている。なお、
図2(C)は、単位パターン54のレイアウトの一例を示すものであり、符号パターン52のレイアウトはこれに限定される訳ではない。
【0032】
なお、上記では、複数の単位パターンを含む「符号パターン」を読取単位として説明したが、「単位パターン」を読取単位としてもよい。読取単位は、特定情報を復号するのに必要な大きさ又は領域であればよく、特定情報の情報量に応じて設定すればよい。例えば、本実施の形態に係る「単位パターン」を読取単位としても、上記の通り5ビット以上の特定情報が保持される。
【0033】
<コード画像用の試験画像>
次に、コード画像用の試験画像(テストチャート)について説明する。
図3(A)はコード画像の一例を示す模式図である。
図3(B)は試験画像の一例を示す模式図である。
図3(A)に示すように、特定情報を符号パターンで表した結果、コード画像ではドットが不規則に配列されている。
図3(B)に示すように、試験画像では、ドットが形成される可能性のある全部の位置にドットが形成されている。試験画像で形成されるドットは、コード画像のドットの大きさ及び配置間隔に応じて配列されている。この例では、ドットの大きさ(一辺の長さ)が「L」の矩形状のドットが、配置間隔「d」で二次元状に周期的に配列されている。
【0034】
図3(B)に示す試験画像を用紙上に形成すると、例えば中央の1個のドットが欠落する等、ドットが形成されない欠陥が明らかになる。試験画像の欠陥は、目視で確認してもよく、光学的に検出してもよい。例えば、目視により確認する場合は、欠陥箇所を拡大表示することで、ドットの欠落、ドットの変形(部分的に欠けた状態)等、欠陥が発生した原因まで分かるようになる。
【0035】
また、例えば、光学的に欠陥を検出する場合は、試験画像を小領域に区分し、小領域毎に被覆率(トナーカバレッジ)を算出する。欠陥が無ければ被覆率は一定となる。これに対し、欠陥が発生した領域では被覆率が変動する。即ち、被覆率の変動により欠陥が検出される。試験画像で欠陥が検出された領域には、正常なドットが形成されない。従って、試験画像での欠陥の有無、欠陥の発生度合い、欠陥の発生位置等、設定された基準に応じて、コード画像が欠陥なく形成されるか否かが判定される。換言すれば、コード画像を形成した場合の欠陥の有無が検出されるのである。
【0036】
<画像形成装置の構成>
次に、画像形成装置30の構成の一例について説明する。本実施の形態では、電子写真用現像剤(トナーを含む)を用いて、用紙上に画像を形成する電子写真方式の画像形成装置について説明する。
図4は画像形成装置の構成の一例を示す概略図である。
図5は画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。
【0037】
本実施の形態では、コード画像及び試験画像が赤外画像である場合について説明する。この場合には、画像形成装置30は、主に赤外領域に吸収を有するインクやトナー等の赤外線吸収材料を用いて、用紙上に赤外画像を形成する。赤外線吸収材料は、可視領域の光に対する吸収感度が低い、即ち、可視領域の光に対して透明である。
【0038】
図4及び
図5に示すように、本実施の形態に係る画像形成装置30は、制御部300、操作表示部310、画像読取部320、画像形成部330、用紙供給部340、用紙排出部350、試験画像読取部360、通信部370、及び記憶部380を備えている。画像形成部330、用紙供給部340、用紙排出部350、及び試験画像読取部360の各々は、点線で図示した用紙搬送路に沿って、用紙供給部340、画像形成部330、試験画像読取部360、及び用紙排出部350の順序で配置されている。
【0039】
試験画像読取部360は、画像形成部330で用紙上に形成された試験画像を光学的に読み取る画像読み取り装置で構成されている。試験画像読取部360は、画像形成部330と用紙排出部350との間に配置されている。また、試験画像読取部360は、供給された用紙の画像形成面に対向するように配置されている。
【0040】
本実施の形態では試験画像は赤外画像であるから、試験画像読取部360には、赤外線カメラ等、赤外線用の画像読み取り装置が用いられる。なお、赤外線吸収材料としては、波長750nmから波長1000nmまでの赤外領域に光吸収ピークを有するものが用いられる。従って、赤外画像の読み取りには、赤外線吸収材料の吸収特性に応じた波長の赤外線が使用される。試験画像読取部360は、用紙上の試験画像を読み取り、試験画像の画像情報を生成する。
【0041】
制御部300は、装置全体の制御及び各種演算を行うコンピュータとして構成されている。即ち、制御部300は、CPU(中央処理装置; Central Processing Unit)300A、各種プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)300B、プログラムの実行時にワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)300C、各種情報を記憶する不揮発性メモリ300D、及び入出力インターフェース(I/O)300Eを備えている。CPU300A、ROM300B、RAM300C、不揮発性メモリ300D、及びI/O300Eの各々は、バス300Fを介して接続されている。
【0042】
操作表示部310、画像読取部320、画像形成部330、用紙供給部340、用紙排出部350、試験画像読取部360、通信部370、及び記憶部380の各部は、制御部300のI/O300Eに接続されている。制御部300は、操作表示部310、画像読取部320、画像形成部330、用紙供給部340、用紙排出部350、試験画像読取部360、通信部370、及び記憶部380の各部を制御する。また、制御部300は、試験画像読取部360から、読み取った試験画像の画像情報を取得する。なお、画像形成装置30は、複数の搬送ローラ346を有している。複数の搬送ローラ346は、点線で図示した用紙搬送路に沿って配置されている。複数の搬送ローラ346は、画像形成動作に応じて用紙を搬送する。
【0043】
操作表示部310は、スタートボタンやテンキー等の各種ボタン、警告画面や設定画面等の各種画面を表示するためのタッチパネルなどを含んで構成されている。操作表示部310は、上記構成により、ユーザの操作を受け付けると共に、ユーザに各種情報を表示する。また、操作表示部310に、試験画像読取部360で読み取られた試験画像や当該試験画像の部分拡大画像を表示してもよい。画像読取部320は、CCDイメージセンサ等、用紙上に形成された画像を光学的に読み取る画像読み取り装置、用紙を走査するための走査機構等を含んで構成されている。画像読取部320は、上記構成により、画像読取部320に置かれた原稿用紙の画像を読み取り、画像情報を生成する。
【0044】
画像形成部330は、電子写真方式により用紙上に画像を形成するものである。ここでは、いわゆるタンデム型で且つ中間転写型の画像形成部を例示する。画像形成部330は、K色のトナー像を形成する画像形成ユニット332K、C色のトナー像を形成する画像形成ユニット332C、M色のトナー像を形成する画像形成ユニット332M、Y色のトナー像を形成する画像形成ユニット332Y、赤外線吸収材料を含むトナーにより透明なトナー像を形成する画像形成ユニット332Iを備えている。
【0045】
また、画像形成部330は、矢印B方向に移動するように複数のローラ334に巻き掛けられた中間転写ベルト336、中間転写ベルト336上のトナー像を用紙上に一括転写する二次転写装置338、二次転写されたトナー像を定着する定着装置339を含んで構成されている。
【0046】
画像形成ユニット332K、332C、332M、332Y、及び332Iの各々は、中間転写ベルト336が矢印B方向に移動した場合に、中間転写ベルト336上にY色、M色、C色、K色、透明の順序でトナー像が形成されるように、図示した順序で配置されている。以下では、各色を区別する必要がない場合には、画像形成ユニット332と総称する。画像形成ユニット332は、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、クリーニング装置等を含んで構成されている。感光体ドラムは、矢印方向に回転するように構成されている。
【0047】
画像形成部330は、具体的には以下の手順で画像を形成する。画像形成ユニット332Kにより、K色のトナー像を中間転写ベルト336上に転写する。画像形成ユニット332Kでは、感光体ドラムが、帯電装置により帯電される。露光装置は、帯電された感光体ドラム上をK色画像に応じた光で露光する。これにより、感光体ドラム上にK色画像に応じた静電潜像が形成される。現像装置は、感光体ドラム上に形成された静電潜像をK色トナーにより現像する。転写装置は、感光体ドラム上に形成されたK色のトナー像を、中間転写ベルト336上に転写する。
【0048】
同様に、画像形成ユニット332Cにより、C色のトナー像を中間転写ベルト336上に転写する。また、画像形成ユニット332Mにより、M色のトナー像を中間転写ベルト336上に転写する。また、画像形成ユニット332Yにより、Y色のトナー像を中間転写ベルト336上に転写する。更に、画像形成ユニット332Iにより、透明なトナー像を中間転写ベルト336上に転写する。中間転写ベルト336上には、K色、C色、M色、Y色及び透明のトナー像が重ね合わされて「重ねトナー像」が形成される。二次転写装置338は、中間転写ベルト336上の「重ねトナー像」を、用紙上に一括転写する。定着装置339は、用紙上に一括転写された「重ねトナー像」を加熱や加熱により定着する。
【0049】
本実施の形態でコード画像及び試験画像を形成する場合には、画像形成ユニット332Iにより、透明なトナー像だけが形成され、転写、定着されて用紙上に赤外画像が形成される。
【0050】
用紙供給部340は、用紙が収容される用紙収容部342、用紙収容部342から画像形成部330に用紙を供給する供給機構等を含んで構成されている。供給機構は、用紙収容部342から用紙を取り出す取出ローラ344、搬送ローラ346等で構成されている。用紙の種類やサイズに応じて、複数の用紙収容部342が設けられている。用紙供給部342は、いずれかの用紙収容部342から用紙を取り出し、画像形成部330に供給する。
【0051】
用紙排出部350は、用紙が排出される排出部354、不要な用紙が廃棄される廃棄部356、用紙を排出部354上に排出させるための排出機構等を含んで構成されている。排出機構は、不要な用紙が廃棄部356に廃棄されるように、搬送ローラ346の外に、用紙搬送路を切り替える搬送路切替部352を含んで構成されている。用紙排出部350は、上記構成により、文書画像が形成された場合には、画像形成部330で画像が形成された用紙を排出部354に排出する。なお、試験画像が形成された用紙は、目視確認のために排出部354に排出してもよく、用紙上での目視確認が不要な場合は廃棄部356に廃棄してもよい。
【0052】
通信部370は、有線又は無線の通信回線を介して外部装置と通信を行うためのインターフェースである。例えば、LAN(Local Area Network)等のネットワークに接続されたコンピュータと通信を行うためのインターフェースとして機能する。通信部370は、端末装置20、文書管理サーバ40等の外部装置から、印刷指示や電子文書の画像情報と共に、印刷パラメータを取得する。
【0053】
印刷パラメータとは、ページ、部数、用紙サイズ、用紙1枚に印刷するページ数、余白等の印刷属性である。本実施の形態では、コード画像を使用するか否かも、印刷パラメータに含まれている。例えば、コード画像上に文書画像を重畳して印刷する場合には、画像形成装置30は、印刷パラメータに応じたコード画像を選択し、選択されたコード画像と電子文書の文書画像とが重畳された重畳画像を用紙上に形成して、重畳画像が印刷された印刷物60を出力する。
【0054】
記憶部380は、ハードディスク等の記憶装置を備えている。記憶部380には、ログデータ等の各種データ、制御プログラム等が記憶される。本実施の形態では、後述する「欠陥検出処理」の制御プログラムが、記憶部380に予め記憶されている場合について説明する。予め記憶された制御プログラムは、CPU300Aにより読み出されて実行される。なお、各種データや制御プログラムは、ROM300B等の他の記憶装置に記憶されていてもよい。
【0055】
また、本実施の形態では、記憶部380には、ドットの大きさ及び配置間隔が異なる複数のコード画像の画像データが予め記憶されている。更に、記憶部380には、複数のコード画像の各々に対応して、コード画像のドットの大きさ及び配置間隔に応じてドットが周期的に配列された試験画像の画像データが予め関連付けて記憶されている。従って、コード画像の種類に応じて、試験画像の画像データが一意的に特定される。
【0056】
なお、制御部300には、各種ドライブが接続されていてもよい。各種ドライブは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な可搬性の記録媒体からデータを読み込んだり、記録媒体に対してデータを書き込んだりする装置である。各種ドライブを備える場合には、可搬性の記録媒体に制御プログラムを記録しておいて、これを対応するドライブで読み込んで実行してもよい。
【0057】
<欠陥検出処理>
次に、「欠陥検出処理」について説明する。
画像形成装置30に対して電子文書の印刷が指示されると、画像形成装置30は、印刷指示や電子文書の画像情報と共に印刷パラメータを取得する。印刷パラメータに「コード画像の使用」が含まれている場合には、画像形成装置30は、用紙上にコード画像を形成する前に、以下に説明する「欠陥検出処理」を実行する。即ち、画像形成装置30が、欠陥検出装置として機能する。
【0058】
図6は「欠陥検出処理」の処理ルーチンを示すフローチャートである。「欠陥検出処理」は、制御部300のCPU300Aにより実行される。この「欠陥検出処理」により、画像形成装置により形成された試験画像の欠陥の有無が検出されて、コード画像を形成した場合の欠陥の有無が検出される。
【0059】
まず、ステップ100で、コード画像に応じた試験画像の画像データを取得する。
図3(A)及び(B)に図示した通り、試験画像では、コード画像のドットの大きさ及び配置間隔に応じて、予め定めたサイズのドットが予め定めた配置間隔で配列されている。次に、ステップ102で、用紙上に試験画像を形成するように、画像形成部330に指示する。画像形成部330は、取得された試験画像の画像データに基づいて、赤外線吸収材料を含む透明なトナーにより用紙上に試験画像(赤外画像)を形成する。
【0060】
次に、ステップ104で、用紙上に形成された試験画像を読み取るように、試験画像読取部360に指示する。試験画像読取部360は、用紙上に形成された試験画像を赤外線で光学的に読み取って、画像情報を生成する。
図7(A)に示すように、赤外線で読み取られた試験画像(赤外画像)はコントラストが低い。従って、ここで、
図7(B)に示すように、赤外画像を二値化処理して欠陥箇所を明確化してもよい。
【0061】
次に、ステップ106で、読取画像(情報)から被覆率分布を取得する。そして、ステップ108で、被覆率分布に基づいて読取画像(試験画像)の欠陥を検出する。次に、ステップ110で、コード画像を形成した場合の欠陥の有無を判定する。上記の通り、単に有無を判定するのではなく、設定された判定基準に応じて欠陥の有無を判定してもよい。
【0062】
ステップ110で欠陥があると判定された場合には、ステップ112に進み、試験画像での欠陥箇所を操作表示部に表示してルーチンを終了する。このとき、欠陥箇所を拡大表示してもよい。一方、欠陥がないと判定された場合には、ステップ114に進み、欠陥が無い旨を表示してルーチンを終了する。
【0063】
<変形例>
なお、上記では電子写真方式の画像形成装置を用いる例について説明したが、これに限定される訳ではない。ドットの大小や面積率で濃淡を表現する画像形成装置であれば、本発明を適用することができる。例えば、インクジェット・プリンタ等の液滴吐出方式の画像形成装置、オフセット印刷等の各種印刷を行う印刷装置を用いてもよい。
【0064】
また、上記ではコード画像を視認性の低い赤外画像とする例について説明したが、視認性の低いコード画像は、赤外画像に限定される訳ではなく、可視画像としてもよい。例えば、コード画像の視認性を低下させることができればよく、ドットの大きさを小さくする、色材濃度を低下させる、イエロー等の視認性の低い色材を使用する等により、コード画像を可視画像として形成してもよい。
【0065】
また、上記では、「9C2パターン」と称される特定の単位パターンを使用するドットコードの例について説明したが、単位パターンのサイズ、ドットの配置、選択するドットの個数等は、適宜変更してもよい。また、QRコード(登録商標)、アノトコード、グリフコード等、異なる体系のドットコードを用いてもよい。
【0066】
例えば、アノトコードでは、仮想的な格子枠を配置し、この格子の交差点で区切られる4つの領域のいずれか1つにドットを配置する。これにより4種類のパターンを表現することが可能となり、2ビットを表現することができる(特表2003−511762号公報)。また、グリフコードでは、グリフと呼ばれる右斜めと左斜めの直線で1ビットを表現している(特開平9−185669号公報)。右斜めの直線と左斜めの直線の各々は、複数のドットで構成されている。これらの場合も、ドットが形成される可能性のある全部の位置にドットが形成された試験画像を形成して、欠陥検出処理を実施する。
【0067】
また、上記では、用紙上にコード画像を形成する前に「欠陥検出処理」を実行する例について説明したが、コード画像を形成する指示の有無に拘らず「欠陥検出処理」を実行してもよい。例えば、テストモードが選択された場合に、上記の「欠陥検出処理」が実行されるようにしてもよい。
【0068】
また、上記各実施の形態で説明した装置構成は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内においてその構成を変更してもよいことは言うまでもない。例えば、コード画像及び試験画像のドット形状を矩形から円形に変更してもよく、フローチャートの各ステップの順序を入れ替える等してもよい。また、ソフトウエアで実行される手順をハードウエアで実現してもよいことは言うまでもない。