(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る蓄電装置について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0026】
(実施の形態)
まず、蓄電装置1の構成について、説明する。
【0027】
図1は、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1の外観を示す斜視図である。また、
図2は、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
【0028】
なお、これらの図では、Z軸方向を上下方向として示しており、以下ではZ軸方向を上下方向として説明するが、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるため、Z軸方向は上下方向となることには限定されない。以下の図においても、同様である。
【0029】
蓄電装置1は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電することができる装置である。例えば、蓄電装置1は、太陽光発電などの発電設備が発電した電力や商用電力系統からの電力を貯蔵する電力貯蔵用途、または貯蔵した電力を負荷に供給する電源用途などに使用される充放電装置である。
【0030】
これらの図に示すように、蓄電装置1は、パワーコンディショナー部20と、複数の蓄電部10(本実施の形態では2つの蓄電部である第一蓄電部10A及び第二蓄電部10B)と、ベース部30とを備えている。
【0031】
パワーコンディショナー部20は、蓄電装置1の最上段に配置される外形が矩形状の部位であり、複数の蓄電部10の上方に配置(第一蓄電部10Aの上面に載置)されている。パワーコンディショナー部20は、入出力部21を有しており、入出力部21は、商用電力系統及び電力負荷に接続された分電盤や、太陽光発電などの発電設備と接続される。
【0032】
つまり、パワーコンディショナー部20は、入出力部21を介して、当該発電設備で発電された電力や商用電力系統からの電力を受電する。そして、パワーコンディショナー部20は、当該発電設備で発電された電力の電圧を調整したり商用電力系統からの交流電力を直流電力に変換したりして、複数の蓄電部10へ送電する。
【0033】
また、パワーコンディショナー部20は、複数の蓄電部10に貯蔵されている電力を電力負荷に供給するために、当該電力を交流に変換して、入出力部21を介して、分電盤へ送電する。
【0034】
なお、パワーコンディショナー部20の内方には、排気のためのファンなど、その他の機器が配置されていてもかまわない。また、パワーコンディショナー部20の外形は、矩形状には限定されず、四角錐形状など種々の形状が適用可能である。
【0035】
複数の蓄電部10(第一蓄電部10A及び第二蓄電部10B)は、パワーコンディショナー部20の下方に配置され、またベース部30の上方に配置される外形が矩形状の部位である。本実施の形態では、ベース部30上に第二蓄電部10Bが載置され、第二蓄電部10B上に第一蓄電部10Aが載置され、第一蓄電部10A上にパワーコンディショナー部20が載置されている。
【0036】
ここで、複数の蓄電部10は、同じ外形状を有するとともに、互いに隣接配置可能(連結可能)に構成されており、いずれかの蓄電部10を取り外したり、他の蓄電部10を増設したりすることができる。つまり、本実施の形態では、2つの蓄電部10(第一蓄電部10A及び第二蓄電部10B)が配置されているが、蓄電部10を着脱することにより、蓄電部10の数を増減することができる構成になっている。
【0037】
また、複数の蓄電部10は、パワーコンディショナー部20からの電気を充電し、またパワーコンディショナー部20へ電気を放電する。なお、本実施の形態では、複数の蓄電部10は、直列接続されているが、並列接続される構成でもかまわない。また、蓄電部10の外形は、矩形状には限定されず、四角錐台形状など種々の形状が適用可能である。この蓄電部10の構成の詳細な説明については、後述する。
【0038】
ベース部30は、複数の蓄電部10を載置するための支持台である。具体的には、ベース部30は、金属製の矩形及び板状の部材であり、上面に蓄電部10(本実施の形態では、第二蓄電部10B)を載置する。なお、ベース部30の形状は、矩形及び板状には限定されず、円盤状など種々の形状が適用可能である。また、ベース部30の材質も金属に限定されず、樹脂などによって形成されていてもよい。
【0039】
次に、蓄電部10の構成について、詳細に説明する。
【0040】
図3は、本発明の実施の形態に係る蓄電部10の構成を示す斜視図である。具体的には、同図は、前面(X軸マイナス側の面)のカバーを取り外した場合での蓄電部10の構成を示す斜視図である。
【0041】
同図では、蓄電部10として第一蓄電部10Aを図示しており、以下では第一蓄電部10Aについての説明を中心に行う。なお、第二蓄電部10Bについても第一蓄電部10Aと同様の構成を有するため、第二蓄電部10Bについての詳細な説明は簡略化または省略する。
【0042】
同図に示すように、蓄電部10は、収容容器11を備えており、収容容器11には2つの蓄電機器100が収容されている。つまり、第一蓄電部10Aは、2つの第一蓄電機器100Aと、当該2つの第一蓄電機器100Aが収容された第一収容容器11Aとを備えている。また、同様に、第二蓄電部10Bは、2つの第二蓄電機器100B(図示せず)と、当該2つの第二蓄電機器100Bが収容された第二収容容器11B(図示せず)とを備えている。
【0043】
また、蓄電機器100(第一蓄電機器100A及び第二蓄電機器100B)は、それぞれ1以上の蓄電素子(後述の蓄電素子200)を有している。この蓄電機器100及び蓄電素子200の構成の詳細な説明については、後述する。なお、収容容器11に収容される蓄電機器100は1つでもよいし、3つ以上でもかまわない。
【0044】
収容容器11は、矩形状の金属製の部材である。なお、収容容器11の形状は、矩形状には限定されず、四角錐台形状など種々の形状が適用可能である。また、収容容器11の材質も金属に限定されず、樹脂などによって形成されていてもよい。
【0045】
収容容器11は、上面(Z軸プラス側の面)の四隅及び長辺の中央部分に、パワーコンディショナー部20または他の収容容器11を載置するための6つの平板状の載置部12を有している。
【0046】
つまり、第一収容容器11Aは、上面に6つの第一載置部12Aを有しており、当該6つの第一載置部12Aにパワーコンディショナー部20が載置されて、ボルト締めなどによって第一収容容器11Aとパワーコンディショナー部20とが連結される。これにより、第一収容容器11Aとパワーコンディショナー部20とが隣接して配置される。
【0047】
また、同様に、第二収容容器11Bは、上面に6つの第二載置部12B(図示せず)を有しており、当該6つの第二載置部12Bに第一収容容器11Aが載置されて、ボルト締めなどによって第一収容容器11Aと第二収容容器11Bとが連結される。これにより、第一収容容器11Aと第二収容容器11Bとが隣接して配置される。
【0048】
つまり、第一収容容器11Aと第二収容容器11Bとは、同一形状で形成されており、第一収容容器11Aは、第二収容容器11Bと隣接配置可能(連結可能)に構成されている。
【0049】
また、蓄電機器100には2つの配線である電力用配線110及び制御用配線120が接続され、収容容器11には、電力用配線110及び制御用配線120が挿入される対向開口部13が形成されるとともに、2つのグロメット130が設けられている。
【0050】
ここで、電力用配線110は、複数の蓄電部10内の蓄電機器100同士を接続し、また、蓄電部10内の蓄電機器100とパワーコンディショナー部20とを接続する電力送電用の配線である。つまり、電力用配線110は、各蓄電機器100が有する後述の蓄電素子200と電気的に接続されており、当該蓄電素子200を充電するための電力をパワーコンディショナー部20から供給したり、蓄電素子200から放電される電力をパワーコンディショナー部20に送電したりする。
【0051】
また、制御用配線120は、複数の蓄電部10内の蓄電機器100同士を接続し、また、蓄電部10内の蓄電機器100とパワーコンディショナー部20とを接続する制御用の配線である。つまり、制御用配線120は、各蓄電機器100が有する後述の制御機器103と電気的に接続されており、各蓄電機器100が有する蓄電素子200を制御する。
【0052】
具体的には、第一蓄電部10Aは、第一蓄電機器100Aに接続される第一電力用配線110A及び第一制御用配線120Aを備えている。また、第二蓄電部10Bは、第二蓄電機器100Bに接続される第二電力用配線110B及び第二制御用配線120Bを備えている。
【0053】
そして、第一電力用配線110A及び第一制御用配線120Aのそれぞれは、第一収容容器11Aに設けられた2つの第一グロメット130Aに挿入されて、パワーコンディショナー部20に接続される。また、第二電力用配線110B及び第二制御用配線120Bのそれぞれは、第二収容容器11Bに設けられた2つの第二グロメット130B(図示せず)に挿入され、また、第一収容容器11Aに設けられた第一対向開口部13Aに挿入されて、第一電力用配線110A及び第一制御用配線120Aに接続される。
【0054】
ここで、収容容器11に形成された開口部について、詳細に説明する。
【0055】
図4は、本発明の実施の形態に係る収容容器11の構成を示す斜視図である。具体的には、同図は、
図3に示された収容容器11を斜め下方から見た場合の斜視図である。なお、同図では、グロメット130を収容容器11から取り外した状態を示している。
【0056】
同図では、
図3と同様に、収容容器11として第一収容容器11Aを図示しており、以下では第一収容容器11Aについての説明を中心に行う。なお、第二収容容器11Bについても第一収容容器11Aと同様の構成を有するため、第二収容容器11Bについての詳細な説明は簡略化または省略する。
【0057】
同図に示すように、収容容器11には、対向開口部13及び14と、非対向開口部15とが形成されている。
【0058】
対向開口部13及び14は、収容容器11が他の収容容器11と隣接して配置(本実施の形態では、連結)された場合に当該他の収容容器11に対向する面である対向面に形成された開口部である。また、非対向開口部15は、当該対向面とは異なる面である非対向面に形成された開口部である。
【0059】
つまり、対向開口部13は、当該対向面である収容容器11の底面16に形成された矩形状の貫通孔であり、対向開口部14は、当該対向面である収容容器11の上面17に形成された2つの円形状の貫通孔である。
【0060】
また、非対向開口部15は、当該非対向面である収容容器11の側面18に形成された複数の長尺状の貫通孔である。非対向開口部15は、外部から雨水が浸入しないように、メッシュ構造になっていたり、膜が設置されたりするなどの防水構造が施されている。なお、非対向開口部15は、上記の対向面(底面16及び上面17)以外の面であれば、側面18以外の面に設けられていてもかまわない。
【0061】
このように、第一収容容器11Aは、第二収容容器11Bと隣接して配置(本実施の形態では、連結)された場合に第二収容容器11Bに対向する面である対向面(第一底面16A)に形成された矩形状の第一対向開口部13Aを有している。また、同様に、第二収容容器11Bは、第一収容容器11Aと隣接して配置(本実施の形態では、連結)された場合に第一収容容器11Aに対向する面である対向面(第二上面17B(図示せず))に形成された2つの円形状の第二対向開口部14B(図示せず)を有している。
【0062】
なお、第一収容容器11Aの第一上面17Aは、パワーコンディショナー部20に対向する面であるが、第一蓄電部10Aと第二蓄電部10Bとを入れ替えた場合には、第二収容容器11Bに対向する面となるため、第一対向開口部14Aについても、対向面(第一上面17A)に形成された開口部となる。第二収容容器11Bの第二対向開口部13B(図示せず)についても、同様である。
【0063】
また、第一収容容器11Aは、第二収容容器11Bと隣接して配置(本実施の形態では、連結)された場合に第二収容容器11Bに対向しない面である非対向面(第一側面18A)に形成された複数の長尺状の第一非対向開口部15Aを有している。また、同様に、第二収容容器11Bは、第一収容容器11Aと隣接して配置(本実施の形態では、連結)された場合に第一収容容器11Aに対向しない面である非対向面(第二側面18B(図示せず))に形成された複数の長尺状の第二非対向開口部15B(図示せず)を有している。
【0064】
なお、対向開口部13(第一対向開口部13A及び第二対向開口部13B)の形状は、矩形状には限定されず、円形状などでもかまわない。また、対向開口部13は、貫通孔には限定されず、切り欠きなど空間を形成する形状であればどのような形状でもかまわない。
【0065】
また、対向開口部14(第一対向開口部14A及び第二対向開口部14B)の個数及び形状は、2つ及び円形状には限定されず、1つや3つ以上の矩形状など、どのような個数及び形状であってもかまわない。また、対向開口部14は、貫通孔には限定されず、切り欠きなど空間を形成する形状であればどのような形状でもかまわない。
【0066】
また、非対向開口部15(第一非対向開口部15A及び第二非対向開口部15B)の個数及び形状は、複数の長尺状には限定されず、どのような個数及び形状であってもかまわない。また、非対向開口部15は、貫通孔には限定されず、切り欠きなど空間を形成する形状であればどのような形状でもかまわない。
【0067】
また、収容容器11は、対向開口部14の少なくとも一部を塞ぐ遮蔽部材であるグロメット130を配置可能に形成されている。つまり、対向開口部14には、蓄電機器100に接続された配線が挿入された場合に、対向開口部14内の配線周囲の空間を狭めるための遮蔽部材であるグロメット130が配置される。なお、グロメット130は、当該空間を小さく狭めるように形成されていればよいが、当該空間を完全に埋めてしまうように形成されていてもかまわない。
【0068】
ここで、グロメット130は、対向開口部14の形状に対応した円盤形状の部材であり、ゴムなどの弾性部材によって形成されている。また、2つの対向開口部14に対応して2つのグロメット130が、それぞれの対向開口部14に挿入されて、収容容器11の上面17に配置される。なお、グロメット130の形状及び材質は、特に限定されない。
【0069】
具体的には、第一収容容器11Aは、第一対向開口部14Aの少なくとも一部を塞ぐ遮蔽部材である第一グロメット130Aを配置可能に形成されている。そして、第一対向開口部14Aには、第一蓄電機器100Aに接続された第一電力用配線110A及び第一制御用配線120Aが挿入された場合に、第一対向開口部14A内の当該配線周囲の空間を狭めるための遮蔽部材である第一グロメット130Aが配置される。第二収容容器11Bの第二グロメット130B(図示せず)についても、同様である。
【0070】
また、収容容器11は、蓄電機器100が載置される面である底面16における蓄電機器100と対向する位置に、蓄電機器100を支持する支持部19を有している。つまり、底面16において、対向開口部13の大きさを小さくすることで、蓄電機器100が載置される位置に、平板状の支持部19が形成されている。なお、支持部19は、平板状には限定されず、梁のような形状であってもよい。
【0071】
このように、第一収容容器11Aは、第一蓄電機器100Aが載置される面における第一蓄電機器100Aと対向する位置に、第一蓄電機器100Aを支持する第一支持部19Aを有している。第二収容容器11Bの第二支持部19B(図示せず)についても、同様である。
【0072】
次に、収容容器11に形成された開口部の位置について、詳細に説明する。
【0073】
図5は、本発明の実施の形態に係る第一収容容器11Aと第二収容容器11Bとを隣接して配置した場合の構成を示す斜視図である。具体的には、同図は、第一蓄電部10A及び第二蓄電部10Bを連結させた状態で、第一蓄電機器100A及び第二蓄電機器10Bを取り外した場合の構成を示している。
【0074】
同図に示すように、第一収容容器11Aの第一対向開口部13Aは、第二収容容器11Bに設けられた第二グロメット130Bと対応する位置に形成されている。具体的には、第二グロメット130Bが第一対向開口部13Aの内方に配置されるように、第一対向開口部13Aと第二グロメット130Bとが配置されている。
【0075】
また、同様に、第一収容容器11Aの第一グロメット130Aは、第一蓄電部10Aと第二蓄電部10Bとを入れ替えた場合に、第二収容容器11Bに形成された第二対向開口部13Bと対応する位置に形成されている。
【0076】
つまり、第一収容容器11Aに形成された第一対向開口部13Aは、第二収容容器11Bに形成された第二対向開口部14Bと対応する位置に形成されている。また、第一収容容器11Aの第一対向開口部14Aは、第一蓄電部10Aと第二蓄電部10Bとを入れ替えた場合に、第二収容容器11Bに形成された第二対向開口部13Bと対応する位置に形成されている。このように、収容容器11に形成された対向開口部13及び14は、隣接配置される他の収容容器11に形成された対向開口部14及び13と対応する位置に形成されている。
【0077】
また、収容容器11は、対向開口部13及び14の少なくとも一方を塞ぐ遮蔽部材である遮蔽板140を配置可能に形成されている。つまり、遮蔽板140は、配線が挿入されないなどで活用されていない開口部を塞ぐための遮蔽部材である。
【0078】
具体的には、第一収容容器11A及び第二収容容器11Bは、第一対向開口部13A、14A及び第二対向開口部13B、14Bの少なくとも一部を塞ぐ遮蔽部材である遮蔽板140を配置可能に形成されている。本実施の形態では、第二収容容器11Bに、第二対向開口部13Bを塞ぐ第二遮蔽板140Bが配置されている。なお、第一蓄電部10Aと第二蓄電部10Bとを入れ替えた場合には、第一収容容器11Aに、第一対向開口部13Aを塞ぐ第一遮蔽板140A(図示せず)が配置される。
【0079】
また、収容容器11の内方には、蓄電部10の収容容器11同士、または蓄電部10の収容容器11とベース部30とを締結するためのボルトなどの締結部材150が配置されている。ここで、この締結部材150は、収容容器11の底面から突出して配置されるため、収容容器11の内方に蓄電機器100を挿入する際に、蓄電機器100が締結部材150に干渉する虞がある。
【0080】
このため、収容容器11の内方には、締結部材150の両側方に、締結部材150よりも高さが高い載置台161及び162が配置され、載置台161及び162上に蓄電機器100が載置される。これにより、収容容器11の内方に蓄電機器100を挿入する際に、蓄電機器100が締結部材150に干渉するのを回避することができる。
【0081】
次に、蓄電機器100(第一蓄電機器100A及び第二蓄電機器100B)の構成について、詳細に説明する。
【0082】
図6は、本発明の実施の形態に係る蓄電機器100の外観を示す斜視図である。
【0083】
同図に示すように、蓄電機器100(第一蓄電機器100A及び第二蓄電機器100B)は、正極外部接続端子101及び負極外部接続端子102と、制御機器103と、下側連結部材104及び上側連結部材105と、複数の蓄電素子200とを備えている。
【0084】
正極外部接続端子101及び負極外部接続端子102は、蓄電機器100が外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電するための電極端子である。つまり、蓄電機器100は、正極外部接続端子101及び負極外部接続端子102を介して、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電する。
【0085】
ここで、正極外部接続端子101及び負極外部接続端子102の少なくとも一方は、蓄電機器100の対向開口部13、14側に配置されている。本実施の形態では、第一蓄電機器100Aの正極外部接続端子101及び負極外部接続端子102ともに、第一蓄電機器100Aの第一対向開口部13A及び14A側に配置されている。また、第二蓄電機器100Bの正極外部接続端子101及び負極外部接続端子102ともに、第二蓄電機器100Bの第二対向開口部13B及び14B側に配置されている。
【0086】
制御機器103は、制御基板が収容された機器である。この制御基板は、複数の蓄電素子200の状態を取得し、監視し、制御することのできる基板であり、配線によって複数の蓄電素子200に接続されている。ここで、当該配線は、蓄電素子200の正極端子または負極端子と制御基板とを繋ぐリード線である。
【0087】
具体的には、制御機器103は、複数の蓄電素子200の充電状態や放電状態(電圧、温度などの電池状態)などを監視する。制御機器103の制御基板には、例えば、当該監視を行ったり、リレーのオン、オフを制御したり、他の機器と通信を行ったりするための制御回路が設けられている。
【0088】
下側連結部材104及び上側連結部材105は、複数の蓄電素子200を連結する部材であり、下側連結部材104は下側の連結部材、上側連結部材105は、上側の連結部材である。つまり、下側連結部材104と上側連結部材105とで複数の蓄電素子200を挟み込むように固定することで、複数の蓄電素子200を連結する。これにより、複数の蓄電素子200を隣接して配置することができる。
【0089】
具体的には、下側連結部材104及び上側連結部材105は、平板状の部材であり、例えば金属などによって形成されている。これにより、複数の蓄電素子200を強固に安定して固定することができる。なお、下側連結部材104及び上側連結部材105の材質及び形状は、特に限定されない。
【0090】
また、本実施の形態では、12個の蓄電素子200が直列に接続されて配置されている。この蓄電素子200の詳細な構成の説明は、後述する。なお、蓄電素子200は並列に接続されていてもよく、蓄電素子200の個数は限定されず、1個であっても、12個以外の複数個であってもよい。
【0091】
なお、その他、蓄電機器100には、複数の蓄電素子200同士を電気的に接続するバスバーなどが配置されているが、説明を省略する。また、蓄電機器100には、ファンなどの冷却装置が設置されていてもかまわない。
【0092】
次に、蓄電素子200の構成について、詳細に説明する。
【0093】
図7は、本発明の実施の形態に係る蓄電素子200を内部を透視して示す斜視図である。
【0094】
蓄電素子200は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池(単電池)であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池である。なお、蓄電素子200は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。
【0095】
同図に示すように、蓄電素子200は、容器210、正極端子230及び負極端子240を備え、容器210は、上壁である容器蓋部220を備えている。また、容器210内方には、電極体250、正極集電体260及び負極集電体270が配置されている。なお、容器210の内部には電解液などの液体が封入されているが、当該液体の図示は省略する。
【0096】
容器210は、金属からなる矩形筒状で底を備える筐体本体と、当該筐体本体の開口を閉塞する金属製の容器蓋部220とで構成されている。また、容器210は、電極体250等を内部に収容後、容器蓋部220と筐体本体とが溶接等されることにより、内部を密封することができるものとなっている。なお、容器210の材質は、特に限定されないが、例えばステンレス鋼やアルミニウムなど溶接可能な金属であるのが好ましい。
【0097】
電極体250は、正極と負極とセパレータとを備え、電気を蓄えることができる発電要素である。具体的には、電極体250は、正極と負極との間にセパレータが挟み込まれるように層状に配置されたものを全体が長円形状となるように巻回されて形成された巻回型の電極体である。なお、電極体250は、平板状極板を積層した積層型の電極体であってもかまわない。
【0098】
ここで、正極は、アルミニウムまたはアルミニウム合金などからなる長尺帯状の導電性の正極集電箔の表面に正極活物質層が形成された電極板であり、負極は、銅または銅合金などからなる長尺帯状の導電性の負極集電箔の表面に負極活物質層が形成された電極板であり、セパレータは、微多孔性のシートである。なお、蓄電素子200に用いられる正極、負極及びセパレータは、特に従来用いられてきたものと異なるところはなく、蓄電素子200の性能を損なうものでなければ適宜公知の材料を使用できる。また、容器210に封入される電解液(非水電解液)としても、蓄電素子200の性能を損なうものでなければその種類に特に制限はなく様々なものを選択することができる。
【0099】
正極端子230は、正極集電体260を介して、電極体250の正極に電気的に接続された電極端子であり、負極端子240は、負極集電体270を介して、電極体250の負極に電気的に接続された電極端子であり、いずれも容器蓋部220に取り付けられている。つまり、正極端子230及び負極端子240は、電極体250に蓄えられている電気を蓄電素子200の外部空間に導出し、また、電極体250に電気を蓄えるために蓄電素子200の内部空間に電気を導入するための金属製の電極端子である。
【0100】
具体的には、蓄電機器100に備えられた複数の蓄電素子200のうち正極外部接続端子101側に配置された蓄電素子200の正極端子230が正極外部接続端子101と接続され、当該蓄電素子200の負極端子240は、隣接する蓄電素子200の正極端子230と接続される。また同様に、当該複数の蓄電素子200のうち負極外部接続端子102側に配置された蓄電素子200の負極端子240が負極外部接続端子102と接続され、当該蓄電素子200の正極端子230は、隣接する蓄電素子200の負極端子240と接続される。また、その他の蓄電素子200の正極端子230または負極端子240は、隣接する蓄電素子200の負極端子240または正極端子230と接続される。
【0101】
正極集電体260は、電極体250の正極と容器210の側壁との間に配置され、正極端子230と正極とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。なお、正極集電体260は、正極の正極集電箔と同様、アルミニウムまたはアルミニウム合金などで形成されている。また、負極集電体270は、電極体250の負極と容器210の側壁との間に配置され、負極端子240と電極体250の負極とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。なお、負極集電体270は、負極の負極集電箔と同様、銅または銅合金などで形成されている。
【0102】
ここで、蓄電部10において、電力用配線110及び制御用配線120が蓄電機器100に接続され、また対向開口部13とグロメット130に挿入される構成について、詳細に説明する。
【0103】
図8は、本発明の実施の形態に係る蓄電部10内での電力用配線110及び制御用配線120の配置を斜め上方から示す斜視図である。また、
図9は、本発明の実施の形態に係る蓄電部10内での電力用配線110及び制御用配線120の配置を斜め下方から示す斜視図である。なお、
図9では、蓄電部10内の下部の電力用配線110及び制御用配線120の配置は、省略して図示している。
【0104】
これらの図に示すように、電力用配線110は、電力用配線112、114、115、117、118を有しており、制御用配線120は、制御用配線122、124、125、127、128を有している。また、蓄電部10は、蓄電機器100と接続可能な蓄電機器接続部113、123、116、126と、他の蓄電部10の電力用配線110及び制御用配線120と接続可能なユニット接続部111、121とを有している。
【0105】
そして、
図8に示すように、電力用配線112の一端がユニット接続部111に接続され、電力用配線112の他端が蓄電機器接続部113に接続されている。また、電力用配線114の一端が蓄電機器100bの正極外部接続端子101b及び負極外部接続端子102bに接続され、電力用配線114の他端が蓄電機器接続部113に接続されている。なお、蓄電機器100bは、2つの蓄電機器100のうちの下方に配置されている蓄電機器である。
【0106】
また、制御用配線122の一端がユニット接続部121に接続され、制御用配線122の他端が蓄電機器接続部123に接続されている。また、制御用配線124の一端が蓄電機器100bの制御機器103b内の制御基板に接続され、制御用配線124の他端が蓄電機器接続部123に接続されている。
【0107】
また、他の蓄電部10の電力用配線118及び制御用配線128(同図では、第二蓄電部10Bの第二電力用配線118B及び第二制御用配線128B)が、収容容器11の外方から対向開口部13に挿入されて、ユニット接続部111及び121に接続される。
【0108】
そして、
図9に示すように、電力用配線115の一端が蓄電機器接続部113に接続され、電力用配線115の他端が蓄電機器接続部116に接続されている。また、電力用配線117の一端が蓄電機器100aの正極外部接続端子101a及び負極外部接続端子102aに接続され、電力用配線117の他端が蓄電機器接続部116に接続されている。また、電力用配線118の一端が蓄電機器接続部116に接続されている。なお、蓄電機器100aは、2つの蓄電機器100のうちの上方に配置されている蓄電機器である。
【0109】
また、制御用配線125の一端が蓄電機器接続部123に接続され、制御用配線125の他端が蓄電機器接続部126に接続されている。また、制御用配線127の一端が蓄電機器100aの制御機器103a内の制御基板に接続され、制御用配線127の他端が蓄電機器接続部126に接続されている。また、制御用配線128の一端が蓄電機器接続部126に接続されている。
【0110】
また、電力用配線118及び制御用配線128は、2つのグロメット130に挿入されて、
図8に示すように、他端(同図では、第一電力用配線118Aの他端及び第一制御用配線128Aの他端)が、収容容器11の外方に露出している。なお、この電力用配線118及び制御用配線128の他端は、他の蓄電部10のユニット接続部111及び121、またはパワーコンディショナー部20に接続される。
【0111】
なお、これらの図では、電力用配線118及び制御用配線128がグロメット130の開口部に挿入された状態で、グロメット130の開口部内の電力用配線118及び制御用配線128の周囲には空間が生じているが、当該空間がなくなるようなグロメットを用いてもよい。
【0112】
以上のように、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1によれば、蓄電機器100が収容された収容容器11は、他の収容容器11と隣接して配置された場合に、当該他の収容容器11に対向する対向面に形成された対向開口部13及び14を有している。これにより、対向開口部13及び14に配線を挿入したり、対向開口部13及び14を冷却用または排気用の通路として活用したりすることができるため、収容容器11の外部に配線や通路などを設ける必要がなく、占有スペースが大きくなってしまうのを抑制することができる。このため、1以上の蓄電素子200を有する蓄電機器100が収容された収容容器11を隣接配置可能な蓄電装置1において、省スペース化を図ることができる。
【0113】
また、蓄電装置1において、対向開口部13または14は、当該他の収容容器11に形成された対向開口部14または13と対応する位置に形成されているため、この2つの開口部に配線を挿入したり、この2つの開口部を冷却用または排気用の通路として活用したりすることができる。これにより、効率良く、配線や通路を配置することができ、省スペース化を図ることができる。
【0114】
また、蓄電装置1において、蓄電機器100に接続された電力用配線110及び制御用配線120が、対向開口部13及び14に挿入されるため、収容容器11の内部に当該電力用配線110及び制御用配線120を配置することができ、省スペース化を図ることができる。
【0115】
また、蓄電装置1において、収容容器11は、遮蔽部材であるグロメット130及び遮蔽板140が配置可能なように形成されているため、対向開口部13及び14を介して、収容容器11の内部に異物が侵入したり、収容容器11の外部に蓄電機器100からの排気などの排出物が漏洩したりするのを抑制することができる。特に、第二収容容器11Bの第二対向開口部13B(図示せず)を遮蔽板140で塞ぐことで、虫、水、埃、砂などの異物が第二収容容器11Bの内部に侵入するのを防止することができる。
【0116】
また、蓄電装置1において、対向開口部14内の配線周囲の空間を狭めるためのグロメット130が配置されるため、対向開口部14内の配線周囲の空間を介して、収容容器11の内部に異物が侵入したり、収容容器11の外部に蓄電機器100からの排気などの排出物が漏洩したりするのを抑制することができる。特に、第一収容容器11Aの第一対向開口部14Aの空間をグロメット130で狭めることで、パワーコンディショナー部20の内部に第一蓄電機器100Aからの排熱が侵入するのを防止することができる。
【0117】
また、蓄電装置1において、収容容器11には、非対向開口部15が形成されているため、非対向開口部15を冷却用または排気用の通路などとして活用することができる。このため、対向開口部13及び14に加えて、または対向開口部13及び14を遮蔽部材で塞いだような場合には対向開口部13及び14の代わりに、非対向開口部15を形成することで、省スペース化を図ることができる。
【0118】
また、蓄電装置1において、蓄電機器100の正極外部接続端子101及び負極外部接続端子102ともに、対向開口部13及び14側に配置されているため、対向開口部13及び14内に挿入された配線を、容易に蓄電機器100に接続することができる。また、正極外部接続端子101及び負極外部接続端子102に接続するための配線を短くすることができる。
【0119】
また、蓄電装置1において、収容容器11は、蓄電機器100を支持する支持部19を有しているため、蓄電機器100を搭載する際の収容容器11の強度を確保することができる。
【0120】
また、蓄電装置1が備える第一収容容器11Aと第二収容容器11Bとは、同一形状で形成されているため、複数形状の収容容器を製造する必要がない。このため、簡易に蓄電装置1を製造することができ、また、製造コストを低減することができる。
【0121】
以上、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0122】
例えば、上記実施の形態では、収容容器11は、対向開口部13を塞ぐ遮蔽部材である遮蔽板140が配置可能な構成となっているが、収容容器11は、非対向開口部15についても同様に、非対向開口部15を塞ぐ遮蔽部材が配置可能な構成としてもよい。
【0123】
また、上記実施の形態では、蓄電機器100の正極外部接続端子101及び負極外部接続端子102ともに、対向開口部13、14側に配置されていることとしたが、正極外部接続端子101及び負極外部接続端子102のいずれか一方のみが対向開口部13、14側に配置されていることにしてもよい。この構成においても、正極外部接続端子101及び負極外部接続端子102を収容容器11の手前側(例えば
図3のX軸方向マイナス側)に配置することで、正極外部接続端子101及び負極外部接続端子102に接続される配線のメンテナンスが容易になるという効果が奏される。
【0124】
また、上記実施の形態では、対向開口部13は、他の収容容器11に形成された対向開口部14と対応する位置に形成されていることとしたが、当該対向開口部13と対向開口部14とは、少しずれた位置に形成されていてもよい。
【0125】
また、上記実施の形態では、収容容器11は、遮蔽部材としてのグロメット130と遮蔽板140とが配置可能に形成されていることとしたが、収容容器11は、当該遮蔽部材を配置しない構成でもかまわない。または、収容容器11は、遮蔽部材として、グロメット130や遮蔽板140とは異なる材質及び形状の遮蔽部材を配置可能に形成されていることにしてもよい。
【0126】
また、上記実施の形態では、収容容器11は、非対向開口部15を有していることとしたが、収容容器11は、非対向開口部15を有していない構成でもかまわない。
【0127】
また、上記実施の形態では、蓄電装置1は、2つの蓄電部10(第一蓄電部10A及び第二蓄電部10B)を備えていることとしたが、蓄電部10の数は限定されない。
図10及び
図11は、本発明の実施の形態の変形例に係る蓄電装置2及び3の外観を示す斜視図である。
【0128】
図10に示すように、蓄電装置2は、3つの蓄電部10である第一蓄電部10A、第二蓄電部10B及び第三蓄電部10Cを備えている。ここで、第一蓄電部10A、第二蓄電部10B及び第三蓄電部10Cは、全て同一形状で構成されている。つまり、上記実施の形態における蓄電装置1の第二蓄電部10Bとベース部30との間に、第三蓄電部10Cを挿入して、蓄電装置2を構成している。
【0129】
このように、第一蓄電部10A、第二蓄電部10B及び第三蓄電部10Cが全て隣接配置可能(連結可能)な同一形状で構成されているため、第三蓄電部10Cを簡易に増設することができる。なお、蓄電装置2は、4つ以上の蓄電部10を備えている構成でもかまわない。
【0130】
また、
図11に示すように、蓄電装置3は、1つの蓄電部10(第一蓄電部10A)しか備えていない。つまり、上記実施の形態における蓄電装置1の第二蓄電部10Bを取り外して、ベース部30上に第一蓄電部10Aを載置することで、蓄電装置3を構成している。
【0131】
このように、第一蓄電部10A及び第二蓄電部10Bが隣接配置可能(連結可能)な同一形状で構成されているため、第二蓄電部10Bを簡易に取り外すことができる。
【0132】
なお、上記実施の形態及びその変形例では、蓄電装置は、パワーコンディショナー部20と蓄電部10とを縦に配列した構成であるが、パワーコンディショナー部20と蓄電部10とを横に配列した構成でもよいし、パワーコンディショナー部20を蓄電部10の下方に配置する構成でもかまわない。
【0133】
また、上記実施の形態及びその変形例では、蓄電装置は、複数の蓄電部10を縦に配列した構成であるが、複数の蓄電部10を横に配列した構成でもよいし、L字状に配列した構成でもかまわない。
【0134】
また、上記実施の形態及びその変形例では、蓄電装置は、複数の収容容器が連結可能に構成されており、当該複数の収容容器は連結して接続されることとした。しかし、複数の収容容器は、隣接配置可能に構成されており、隣接して配置されるのであれば、どのような構成であってもかまわない。例えば、一の収容容器が他の収容容器上に単に載置される構成や、複数の収容容器が床の上に載置されて並べられる構成であってもかまわない。
【0135】
また、上記実施の形態及びその変形例では、下側連結部材104と上側連結部材105とで複数の蓄電素子200を挟み込むように固定することで、複数の蓄電素子200を連結することとした。しかし、複数の蓄電素子200は、容器に収容されるなど、保護するための板金で覆われているだけの構成でもかまわない。
【0136】
また、上記実施の形態及びその変形例を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。