(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記周方向において、前記接着部と前記ミシン目線との隣接する距離が、前記筒状シュリンクフィルムの軸方向に略均一な幅寸法を有するように設定されることを特徴とする請求項5記載のシュリンクフィルム付台紙。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、これらのシュリンクフィルム付台紙を開封して、包装された商品を取り出そうとした場合、シュリンクフィルムがなかなか破けず、この点において消費者受けが悪いという問題があった。特に、吊り下げ陳列をおこなうものなどでは、陳列時の商品落下など、シュリンクフィルムから離脱してしまうことを防止するため、かえってシュリンクフィルムの開封がし難くなっているという傾向があり、開封時の商品破損発生への対策として、これを改善したいという要求がある。
また、従来もシュリンクフィルムにも開封用のミシン目が形成されていたが、シュリンクフィルムは商品の外形に沿って収縮しており、見つかりにくいこともあるため、開封時の利便性を向上したいという要求があった。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、以下の目的を達成しようとするものである。
1.開封容易性の向上と開封利便性の向上とを図ること。
2.開封時の商品破損発生防止を図ること。
3.陳列時の商品落下などシュリンクフィルムからの商品離脱を維持すること。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のシュリンクフィルム付台紙は、枚葉の台紙前面に設けられた筒状シュリンクフィルムにより被包装物が保持されるシュリンクフィルム付台紙であって、
前記筒状シュリンクフィルムが、その軸線方向の全長に延在して枚葉のフィルムを幅方向の両端で重ねて筒状とするために貼り合わされたシール部と、前記筒状シュリンクフィルムの周方向において前記シール部の両側に位置して前記軸線方向に延在する2本のミシン目と、前記軸線方向に延在し前記筒状シュリンクフィルム外面を前記台紙前面に接着する接着部と、を有し、
前記シール部と前記接着部が
、前記周方向において前記2本のミシン目線の間に位置する
とともに、
前記シール部と前記接着部が、互いに重なる位置に設けられ、
前記筒状シュリンクフィルムの軸方向端部には、前記2本のミシン目線の間に、前記2本のミシン目の前記周方向外側よりも前記軸方向に1mm〜10mmの長さ突出する突出部が設けられることにより上記課題を解決した。
本発明は、前記軸方向において、前記接着部の端部と前記筒状シュリンクフィルムの軸方向端部との距離が
0mm〜5mmの範囲に設定されることが可能である。
また、本発明において
、前記突出部には、前記接着部が延在して設けられる手段を採用することもできる。
また、前記筒状シュリンクフィルムの軸方向端部には、前記2本のミシン目線の端部位置に重ねて開封用スリットが設けられることができる。
本発明においては、前記周方向において、前記接着部と前記ミシン目線との隣接する距離が
0mm〜6mmの範囲に設定されることが望ましい。
さらに、前記周方向において、前記接着部と前記ミシン目線との隣接する距離が、前記筒状シュリンクフィルムの軸方向に略均一な幅寸法を有するように設定されることが可能である。
本発明において、前記筒状シュリンクフィルムの前記突出部と反対となる軸方向端部には、前記2本のミシン目線の間に、前記突出部に対応した形状の凹部が形成されることができる。
【0009】
本発明のシュリンクフィルム付台紙は、枚葉の台紙前面に設けられた筒状シュリンクフィルムにより被包装物が保持されるシュリンクフィルム付台紙であって、
前記筒状シュリンクフィルムが、その軸線方向の全長に延在して枚葉のフィルムを幅方向の両端で重ねて筒状とするために貼り合わされたシール部と、前記筒状シュリンクフィルムの周方向において前記シール部の両側に位置して前記軸線方向に延在する2本のミシン目線と、前記軸線方向に延在し前記筒状シュリンクフィルム外面を前記台紙前面に接着する接着部と、を有し、
前記周方向において、前記シール部と前記接着部が前記2本のミシン目線の間に位置することにより、開封時にシュリンクフィルムおよびこのシュリンクフィルムに保持された被包装物に対して、台紙から離間する方向に開封力を印加した際に、2本のミシン目線内側にあり2枚のフィルムを重ねて貼り合わせてあることで強度が高くなっているシール部が接着部により台紙に固定されているために、ミシン目線の内側が台紙側に接着固定された状態で、シュリンクフィルムの周方向に開封力が印加されて、ミシン目線に沿ってシュリンクフィルムを容易に切断することが可能となる。台紙に固定された接着部の両側にミシン目線があることで、2本のミシン目線に同時に開封力を印加して、同時にミシン目線端部での切断を発生させるか、または、どちらか一方のミシン目線端部により大きな開封力を印加して効率よく片方のミシン目線端部を切断することができる。
これにより、被包装物に必要以上の開封力が印加されることがなく開封時破損の発生を防止することができる。
【0010】
本発明において、前記シール部と前記接着部が、互いに重なる位置に設けられることで、開封時にシュリンクフィルムおよびこのシュリンクフィルムに保持された被包装物に対して台紙から離間する方向に開封力を印加して、シュリンクフィルムの周方向に開封力が印加されて、2本のミシン目線内側が強固に台紙に固定されることになり、ミシン目線に沿ってシュリンクフィルムをより一層容易に切断することが可能となる。
【0011】
本発明は、前記軸方向において、前記接着部の端部と前記筒状シュリンクフィルムの軸方向端部との距離が所定の範囲に設定されることにより、開封時にシュリンクフィルムおよびこのシュリンクフィルムに保持された被包装物に対して台紙から離間する方向に開封力を印加して、シュリンクフィルムの周方向に開封力が印加された際に、接着部によって、ミシン目線の内側にあるシュリンクフィルムが台紙の表面に沿った向きに延在した状態で、ミシン目線の外側にあるシュリンクフィルムが台紙と交差する方向(台紙から離間する方向)に角度を持って引張されるようにして、ミシン目線付近のシュリンクフィルムが捻れるようにしてシュリンクフィルムに対して剪断力となるようにして、ミシン目線端部に効率よく開封力を集中できるため、ミシン目線に沿ってシュリンクフィルムを確実に切断することが可能となる。
【0012】
また、本発明において、前記筒状シュリンクフィルムの軸方向端部には、前記2本のミシン目線の間に、前記2本のミシン目線の前記周方向外側よりも前記軸方向に所定の長さ突出する突出部が設けられる手段を採用することにより、シュリンクフィルムの軸方向端部において、この突出部との境界部分のシュリンクフィルムに開封力が集中して印加するようにできるため、境界部分付近に位置するミシン目線端部に対して効率よく開封力を集中して、ミシン目線に沿ってシュリンクフィルムをより一層容易に切断することが可能となる。
【0013】
さらに、前記突出部には、前記接着部が延在して設けられる手段を採用することにより、突出部およびミシン目線の内側にあるシュリンクフィルムが連続して台紙の表面に沿った面に延在した状態で突出部を強固に台紙に固定することができ、これにより、開封力が印加された際に、効率よく突出部との境界部分のシュリンクフィルムに開封力が集中させることができる。これにより、ミシン目線に沿ってシュリンクフィルムをより一層容易に切断することが可能となる。
【0014】
また、前記筒状シュリンクフィルムの軸方向端部には、前記2本のミシン目線の端部位置に重ねて開封用スリットが設けられることにより、開封力が印加された際に、ミシン目線に沿ってシュリンクフィルムを容易に切断することができる。
【0015】
本発明においては、前記周方向において、前記接着部と前記ミシン目線との隣接する距離が所定の範囲に設定されることにより、ミシン目線の内側にあるシュリンクフィルムが台紙の表面に沿った向きに延在した状態で、ミシン目線の外側にあるシュリンクフィルムが台紙と交差する方向(台紙から離間する方向)に角度を持って引張されるようにするとともに、この角度がフィルムの切断に好適な範囲となるように維持して、ミシン目線付近のシュリンクフィルムが捻れるようにしてシュリンクフィルムに対して剪断力となるようにして、ミシン目線に効率よく開封力を集中できるため、ミシン目線に沿ってシュリンクフィルムを確実に切断することが可能となる。
【0016】
さらに、前記周方向において、前記接着部と前記ミシン目線との隣接する距離が、前記筒状シュリンクフィルムの軸方向に略均一な幅寸法を有するように設定されることにより、ミシン目線の内側にあるシュリンクフィルムが台紙の表面に沿った向きに延在した状態で、ミシン目線の外側にあるシュリンクフィルムが台紙と交差する方向(台紙から離間する方向)に角度を持って引張されるようにして、ミシン目線付近のシュリンクフィルムが捻れるようにしてシュリンクフィルムに対して剪断力となるようにして、ミシン目線の全長に亘って効率よく開封力を集中した状態を維持できるため、ミシン目線に沿ってシュリンクフィルムを確実に切断することが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ミシン目線に効率よく開封力を集中して、開封容易性の向上と開封利便性の向上とを図り、開封時の商品破損発生防止を図り、陳列時の商品落下などシュリンクフィルムからの商品離脱を防止するという効果を奏することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係るシュリンクフィルム付台紙の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態におけるシュリンクフィルム付台紙を示す平面図であり、
図2は、本実施形態におけるシュリンクフィルム付台紙のシュリンクフィルムと接着部との関係を示す平面図であり、
図3は、本実施形態におけるシュリンクフィルム付台紙におけるシュリンクフィルムの筒状形成状態を示す模式斜視図であり、図において、符号10は、シュリンクフィルム付台紙である。
【0020】
本実施形態のシュリンクフィルム付台紙10は、
図1,
図2に示すように、被包装物を包装するシュリンクフィルム(熱収縮性フィルム)11と、シュリンクフィルム11が接着部13によって片面に貼着された台紙12とから構成される。
【0021】
シュリンクフィルム11は筒状とされ、
図3に示すように、平らなシュリンクフィルムを両側縁11a,11bが重なるようにし、筒状に丸めて重なり合った側縁11a,11b同士を接着して封筒貼りにすることでシール部11cを形成し、
図1,
図2に示すように、筒状のシュリンクフィルム11としたものである。筒状のシュリンクフィルム11は、筒をつぶすように折られており、シール部11cが台紙12側の幅方向の中央位置にくるようにされている。
【0022】
シュリンクフィルム11の材質としては、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、或いは、ポリエステル系の樹脂が好ましく用いられる。ポリエステル系の樹脂として、農産物由来の持続可能な素材である、ポリ乳酸を用いることも可能であり、環境に対応した包装として好ましく用いることができる。
シュリンクフィルム11は、熱で収縮するフィルムであればよく、また、筒としての周方向の収縮が、軸方向の収縮より大きいフィルムが、シュリンク包装を行う際の収縮時に被包装物100がシュリンクフィルム11から外れることがないので、本用途には適している。
【0023】
台紙12は、
図1,
図2に示すように、縦長の略矩形とされる輪郭形状を有する枚葉材からなり、筒状のシュリンクフィルム11の軸線が台紙12の縦方向(Z方向)の中心線14に沿うように設けられた矩形状の接着部13により台紙12の前面に貼着されている。この際、シュリンクフィルム11を筒状としたシール部(貼り合わせ部分)11cが接着部13と一致するように貼着する。シュリンクフィルム11が中心線14に対して対称の位置となるように貼着されているが、商品形状、デザイン等の要因により左右どちらかに偏って貼着することもできる。また、シュリンクフィルム11はその下端が台紙12の輪郭下端と略一致するように設けられているが、これも任意のZ方向位置に貼着することもできる。
【0024】
本実施形態のシュリンクフィルム付台紙10に用いる台紙12には、紙、プラスチックシート、或いは金属板などの板状のものが使用できる。紙としては、厚紙で腰のあるものであれば、特に限定されない。また表面にアルミ蒸着層のあるアルミ蒸着紙なども使用できる。
【0025】
矩形の台紙12において、Z方向上側には表示面12Aが設けられ、被包装物である商品に関する説明等、所定のデザインが印刷等により形成される。表示面12AのZ方向上端部近傍でX方向(幅方向)の中央部には、吊り下げ孔12aが設けられる。この吊り下げ孔12aは、店舗などで商品展示台に設けられたフックなどを通して店頭で吊下げ展示できるようになっている。
【0026】
接着部13はZ方向に細長い略矩形とされて筒状のシュリンクフィルム11よりも所定長さだけ短いZ方向長さ寸法とされて、その全長に亘って均一な所定の幅方向(X方向)寸法に設定される。
【0027】
接着部13に用いる接着剤には、特許文献1のように粘着剤を用いてもよい。また、ホットメルト接着剤を用いてもよい。特に日の当たる店頭などで、高温に曝されることを考慮すると反応型ホットメルト接着剤が好ましく用いることができる。従来のホットメルト接着剤は、熱可塑性樹脂を成分として、固形のホットメルト接着剤を加熱、融解して塗布し、冷却することにより固化・接着するものであり、耐熱性の点では限界がある。
【0028】
反応型ホットメルト接着剤は、最初は固形であって、これを加熱溶融させて用いることは、従来の可塑性樹脂のホットメルト接着剤と同じであるが、塗布、冷却後に、反応が進み硬化して、耐熱性などの物性の高い接着性が得られる。ウレタン樹脂を主成分とした反応型ホットメルト接着剤は、加熱溶融により生成されたウレタンプレポリマーが、冷却されると末端イソシアネート基を残した状態で固化し、冷却された後も、空気中や被着材に含まれる水分と末端イソシアネート基が反応し、高分子化が進み、より耐熱性の高い接着性を得ることができる。ウレタン樹脂を主成分とした反応型ホットメルト接着剤は、塗布後に特に硬化を進めるための処理を必要としないので、好ましく用いることができる。
【0029】
筒状のシュリンクフィルム11には、その軸線方向にミシン目線15,16が設けられている。ミシン目線15,16は、シュリンクフィルム11を切断するための切断補助線であって、シュリンクフィルム11から被包装物100を取り出そうとするときに切断される。したがって、ミシン目線15,16は、被包装物100のX方向寸に対応してその幅方向間隔が設定され、シュリンクフィルム11の全周寸法に対して半分よりも被包装物100の厚さ寸法(Y方向寸法)に対応して狭い間隔となるように設定される。
【0030】
ミシン目線15,16は、列状に並んだ複数の微小な貫通孔から構成されており、容器(被包装物)100の後方に位置する部分に設けられる。つまり、 ミシン目線15,16の形成位置は、容器100の後方、接着部13の両脇位置に設けられて、シュリンクフィルム11の開封容易性を向上する。さらに、商品デザイン等を阻害しない位置とすることもできる。
【0031】
2本のミシン目線15,16は、筒状シュリンクフィルム11の軸方向全長にわたって筒状シュリンクフィルム11の上下方向に沿って形成される。筒状シュリンクフィルム11のどちらかの端部、好ましくは最下部には形成されていないこともできる。また、ミシン目線15,16は、1本のみまたは3本以上形成されていてもよい。
【0032】
次に、シュリンクフィルム11、接着部13、ミシン目線15,16の位置関係について説明する。
【0033】
接着部13は、Z方向の中心線が台紙12の中心線14と一致する位置に設けられるが、他の位置として設定することも可能である。
【0034】
筒状のシュリンクフィルム11は、
図2に示すように、筒をつぶすように折られて矩形とされており、台紙12の中心線14と一致するシュリンクフィルム11の中心線14に対して、シール部11cの幅方向の中心が一致するように、シュリンクフィルム11の幅方向中央位置にシール部11cが設けられている。シュリンクフィルム11に関しても、貼り着け位置は他の状態とすることも可能である。
また、シュリンクフィルム11は、その上端がX方向の直線を為すように形成されており、ミシン目線15,16の内側領域における上端部11dと、ミシン目線15,16の外側領域における上端部11eとが統一の直線状に位置している。
【0035】
シール部11cの幅方向寸法は、接着部13の幅方向寸法より小さく設定され、シール部11cと接着部13とがX方向において互いに重なる位置とされ、シュリンクフィルム11の周方向すなわちX方向において、シール部11cと接着部13が2本のミシン目線15,16の間に位置する。シール部11cと接着部13とは、X方向において互いに重なっていればよく、シール部11cの幅方向中心と接着部13の幅方向中心とが一致する必要はない。
【0036】
また、本実施形態のシュリンクフィルム付台紙10においては、以下の寸法を設定する。
・Z方向における接着部13の上端部13aとシュリンクフィルム11の上端部(軸方向端部)11dとの距離d1
・X方向における接着部13とミシン目線15との隣接する距離d2、接着部13とミシン目線16との隣接する距離d3
・X方向におけるシール部11cの幅寸法d4
・X方向における接着部13の幅寸法d5
・X方向におけるミシン目線15とミシン目線16との間隔寸法d6
なおこれら寸法d2〜d6は、z方向に均一な値を有するものとして設定される。
【0037】
距離d1は、0mm〜5mm、好ましくは、0mm〜2mmの範囲に設定できる。距離d1は、この下限値よりも小さくなると、輪転機等で連続的にシュリンクフィルム付台紙10を製造する際に、接着剤がシュリンクフィルム11からはみ出してしまい、好ましくない。また、距離d1は、この上限値よりも大きくなると、被包装物100を台紙12面と直交する方向に引っ張って開封しようとした際に、ミシン目線15,16に効率よく開封力が印加されずにフィルムの切断がうまくいかない可能性があり好ましくない。
【0038】
距離d2および距離d3は、0mm〜6mm、好ましくは、0mm〜2mmの範囲に設定できる。距離d2および距離d3は、この下限値よりも小さくなると、輪転機等で連続的にシュリンクフィルム付台紙10を製造する際に、接着剤がミシン目線15,16にかぶってしまうため好ましくない。また、距離d2および距離d3は、この上限値よりも大きくなると、被包装物100を台紙12面と直交する方向に引っ張って開封しようとした際に、ミシン目線15,16の全長に亘って効率よくミシン目線15,16に開封力が印加される状態を維持することができずにフィルムの切断がうまくいかない可能性があり好ましくない。
【0039】
寸法d4は、1mm〜10mm、好ましくは、5mm〜8mmの範囲に設定できる。寸法d4は、この下限値よりも小さくなると、接着不良によりシュリンクフィルム11が筒状に形成されない可能性があり好ましくない。また、寸法d4は、この上限値よりも大きくなると、シール部11cに必要なフィルムがムダに多くなってコストが増大するとともに、被包装物100の大きさによっては、ミシン目線15,16からシール部11cがはみ出す可能性があり好ましくない。
【0040】
寸法d5は、5mm〜50mm、好ましくは、10mm〜15mmの範囲に設定できる。寸法d5は、この下限値よりも小さくなると、接着不良によりシュリンクフィルム11の保持、あるいは、被包装物100の保持が充分になされない可能性があり好ましくない。また、寸法d5は、この上限値よりも大きくなると、接続部13に必要な接着剤がムダに多くなってコストが増大するとともに、被包装物100の大きさによっては、ミシン目線15,16から接続部13がはみ出す可能性があり好ましくない。
【0041】
寸法d6は、5mm〜62mm、好ましくは、10mm〜19mmの範囲に設定できる。寸法d6は、この下限値よりも小さくなると、接着部13の寸法d5が小さくなりすぎて接着不良によりシュリンクフィルム11の保持、あるいは、被包装物100の保持が充分になされない可能性があり、また、被包装物100の大きさによっては、ミシン目線15,16から接続部13がはみ出す可能性があるため好ましくない。また、寸法d6は、この上限値よりも大きくなると、被包装物100の大きさ・形状によってはミシン目線15,16に効率よく開封力が印加されずにフィルムの切断がうまくいかない可能性があり好ましくない。
【0042】
本実施形態のシュリンクフィルム付台紙10の製造方法について説明する。
【0043】
シュリンクフィルム11は、幅広で長尺のシュリンクフィルムに必要に応じて印刷を施し、スリットして、幅方向の両端を重ね合わせて、封筒貼りしてシール部11cを設け、決められた折径になるように筒状にし、筒をつぶすように折って長尺のまま紙管に巻き取っておく。
【0044】
台紙12も、必要に応じて印刷を施した多面付けの台紙用紙から、断裁や、抜き工程によって、表示面12Aを有し1枚ずつ切り離された台紙12としておく。このとき吊下げ孔12aを同時に抜き工程で開けることができる。
【0045】
紙管に巻き取られていた、長尺の筒状のシュリンクフィルム11を所定の長さに切断し、この筒状のシュリンクフィルム11を、接着剤が必要部分に塗布されて接着部13が形成された台紙12に接着部13を介して、固定して取り付ける。
【0046】
このとき、反応型ホットメルト接着剤を塗布した塗布部に、この反応型ホットメルト接着剤の温度が50℃から55℃の時に、シュリンクフィルム11を取り付けて、冷却ロールで押圧させて接着させることで、シュリンクフィルム11が反応型ホットメルト接着剤の熱によって収縮するのを防ぐことができ、また、反応型ホットメルト接着剤を冷却することによって、その粘性を低下させて初期接着強度を高めることができる。
【0047】
このシュリンクフィルム付台紙10を用いて、被包装物100を包装するには、シュリンクフィルム11の筒状の中に被包装物100を上下の開口部より挿入し位置決めする。
【0048】
シュリンクフィルム11の筒状の中に被包装物100が挿入されたシュリンクフィルム付台紙10は、シュリンクトンネルなどで、180℃近辺あるいは、55〜60℃程度で加熱して、シュリンクフィルム11を収縮させるシュリンク包装を行うことで、シュリンクフィルム11を被包装物100に密着させて、被包装物100がシュリンクフィルム付台紙10で包装される。
【0049】
図4は、本実施形態におけるシュリンクフィルム付台紙10における開封状態を示す模式斜視図である。
本実施形態のシュリンクフィルム付台紙10を開封する際においては、シュリンクフィルム11に包まれた被包装物100を、
図4に示すように、台紙12面と直交するY方向に引張する。これにより、ミシン目線15,16内側のフィルム上端11dが接続部13によって大事に強固に固定されているので、シュリンクフィルム11の上端が周方向に引張されて、ミシン目線15,16に開封力が印加され、このミシン目線15,16からシュリンクフィルム11が破断する。そして、ミシン目線15,16に沿って破断が進むことで、ミシン目線15,16の全長に亘ってシュリンクフィルム11が切断して、開封される。
【0050】
このとき、ミシン目線15,16内側のフィルムは、接続部13によって台紙12に固着した状態を維持する。同時に、ミシン目線15,16外側のフィルムは、被包装物100とともに、台紙12から離脱することになる。
【0051】
本実施形態のシュリンクフィルム付台紙10においては、距離d1、距離d2、距離d3、幅寸法d4、幅寸法d5、間隔寸法d6を上記のように設定したことで、開封時に、ミシン目線15,16の全長に亘ってシュリンクフィルム11を容易に切断して、被包装物100を破損することなく容易に開封することができ、開封容易性の向上と開封利便性の向上とを図り、開封時の商品破損発生防止を図るとともに、同時に、陳列時の商品落下などシュリンクフィルムからの商品離脱を防止することが可能となる。
【0052】
以下、本発明に係るシュリンクフィルム付台紙の第2実施形態を、図面に基づいて説明する。
図5は、本実施形態におけるシュリンクフィルム付台紙のシュリンクフィルムと接着部との関係を示す平面図であり、
図6は、本実施形態におけるシュリンクフィルム付台紙におけるシュリンクフィルムの筒状形成状態を示す模式斜視図であり、図において、符号20は、シュリンクフィルム付台紙である。
【0053】
本実施形態のシュリンクフィルム付台紙20が、第1実施形態と異なるのは、突出部17に関する点および、寸法d11,寸法d12,寸法d13,寸法d14に関する点であり、これ以外の対応する構成については、同一の符号を付してその説明を省略得する。
【0054】
また、本実施形態のシュリンクフィルム付台紙20のシュリンクフィルム11において、その上端部11fが、
図5,
図6に示すように、2本のミシン目線15,16の間に、2本のミシン目線15,16外側11eよりもZ方向に所定寸法d12だけ突出する突出部17が設けられる。
本実施形態のシュリンクフィルム11も、第1実施形態と同様に、紙管に巻き取られていた長尺の筒状シュリンクフィルム11を所定の長さに切断して形成されるため、シュリンクフィルム11の下端部中央には突出部17に対応した形状の凹部18が形成される。
【0055】
また、本実施形態のシュリンクフィルム付台紙20において、筒状シュリンクフィルム11の上端部では、2本のミシン目線15,16間の突出部17が、2本のミシン目線15,16のX方向外側よりもZ方向に寸法d12だけ突出する。さらに、突出部17には接着部13が延在して設けられる。つまり、接着部13の上端13aがミシン目線15,16外側11eに対してZ方向上側に位置する。
【0056】
本実施形態のシュリンクフィルム付台紙20においては、以下の寸法を設定する。
・Z方向における突出部17の上端部(軸方向端部)11fのミシン目線15,16外側11eに対する突出寸法d12
・Z方向における接着部13の上端部13aと突出部17の上端部(軸方向端部)11dとの距離d11
・X方向における突出部17の上端部11fの長さ寸法d13
・Z方向における凹部18の上端部(軸方向端部)と接着部13の下端部13bとの距離d14
【0057】
突出寸法d12は、1mm〜10mm、好ましくは、2mm〜5mmの範囲に設定できる。突出寸法d12は、この下限値よりも小さくなると、被包装物100を台紙12面と直交する方向に引っ張って開封しようとした際に、ミシン目線15,16に効率よく開封力が印加されずにフィルムの切断がうまくいかない可能性があり、突出部17を形成した意味がなくなるため好ましくない。また、距離d12は、この上限値よりも大きくなると、輪転機等で連続的にシュリンクフィルム付台紙20を製造する際に、突出部17が折れ曲がったり収縮後の外観が損なわれたりして、ハンドリング性が悪くなるため好ましくない。
【0058】
距離d11は、0mm〜5mm、好ましくは、0mm〜2mmの範囲に設定できる。距離d11は、この下限値よりも小さくなると、輪転機等で連続的にシュリンクフィルム付台紙10を製造する際に、接着剤がシュリンクフィルム11からはみ出してしまい、好ましくない。また、距離d11は、この上限値よりも大きくなると、被包装物100を台紙12面と直交する方向に引っ張って開封しようとした際に、ミシン目線15,16に効率よく開封力が印加されずにフィルムの切断がうまくいかない可能性があり好ましくない。
【0059】
距離d13は、5mm〜50mm、好ましくは、10mm〜15mmの範囲に設定できる。距離d13は、この下限値よりも小さくなると、輪転機等で連続的にシュリンクフィルム付台紙10を製造する際に、接着剤がシュリンクフィルム11からはみ出してしまい、あり好ましくない。また、距離d13は、この上限値よりも大きくなると、被包装物100を台紙12面と直交する方向に引っ張って開封しようとした際に、ミシン目線15,16に効率よく開封力が印加されずにシュリンクフィルム11の切断がうまくいかない可能性があり好ましくない。
【0060】
突出寸法d14は、0mm〜20mm、好ましくは、2mm〜5mmの範囲に設定できる。突出寸法d12は、この下限値よりも小さくなると、輪転機等で連続的にシュリンクフィルム付台紙10を製造する際に、接着剤がシュリンクフィルム11からはみ出してしまい、好ましくない。また、距離d14は、この上限値よりも大きくなると、輪転機等で連続的にシュリンクフィルム付台紙20を製造する際に、ミシン目線15,16外側11gが折れ曲がったりして、ハンドリング性が悪くなるため好ましくない。
【0061】
また、本実施形態のシュリンクフィルム付台紙20において、筒状シュリンクフィルム11の上端部では、2本のミシン目線15,16間の突出部17が、2本のミシン目線15,16のX方向外側よりもZ方向に寸法d12だけ突出することにより、開封時にシュリンクフィルム11のZ方向端部において、突出部17が強固に台紙12に固定されているため、この突出部17との境界部分のシュリンクフィルム11に開封力が集中して印加される。これにより、突出部17の境界部分付近に位置するミシン目線15,16端部に対して効率よく開封力を集中して、ミシン目線15,16に沿ってシュリンクフィルム11をより一層容易に切断することが可能となる。
【0062】
さらに、突出部17には接着部13が延在して設けられて、接着部13の上端13aがミシン目線15,16外側11eに対してZ方向上側に位置することにより、突出部17およびミシン目線15,16の内側にあるシュリンクフィルム11が連続して台紙12の表面に延在した状態で接着部13により強固に台紙12に固定される。これにより、開封力が印加された際に、突出部17から直線状になっている台紙12に接着部13で固定された部分のシュリンクフィルム11から、あたかも交差する方向に湾曲した境界部分のシュリンクフィルム11に効率よく開封力が集中させることができる。これにより、ミシン目線に沿ってシュリンクフィルムをより一層容易に切断することが可能となる。
【0063】
また、上記の実施形態ではミシン目15,16がシュリンクフィルム11の上端11e位置まで形成されたが、シュリンクフィルム11の縁部付近には形成しないこともできる。この場合、2本のミシン目線15,16の端部位置に重ねて開封用スリットを設けることができ、開封用スリットの長さは、接着部13の上端部13aとシュリンクフィルム11の上端部11dとの距離d1よりも大きく設定されることができる。
【0064】
さらに、上記の実施形態においては、接着部13をシュリンクフィルム11のZ方向のほぼ全長に延在する構成としたが、台紙12とシュリンクフィルム11および被包装物100とを充分な強度で貼着してこの強度を維持すること、および、開封時に、印加される開封力を効率よくミシン目線15,16に集中することが可能であれば、どのような領域設定として台紙12に対する平面輪郭形状として形成することも可能であり、例えば、シュリンクフィルム11の上端位置と下端位置のみに接着部を設けて、シュリンクフィルム11のZ方向中央部分には形成しないこと、あるいは、シュリンクフィルム11のミシン目線15,16内部において左右上端位置のみに接着部を設けて、シュリンクフィルム11のX方向中央部分には形成しないことや、これらのZ方向あるいはX方向の端部位置に加えてそれぞれの方向で任意の間隔で断続的に形成することなどが可能である。これにより、包装強度と開封容易性との両立を維持して接着剤の削減を図ることが可能となる。