特許第6323170号(P6323170)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6323170
(24)【登録日】2018年4月20日
(45)【発行日】2018年5月16日
(54)【発明の名称】通信装置、通信方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/903 20130101AFI20180507BHJP
   H04N 21/238 20110101ALI20180507BHJP
   H04N 21/24 20110101ALI20180507BHJP
   H04L 12/70 20130101ALI20180507BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20180507BHJP
【FI】
   H04L12/903
   H04N21/238
   H04N21/24
   H04L12/70 100Z
   H04L12/70 E
   G06F13/00 354A
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-110448(P2014-110448)
(22)【出願日】2014年5月28日
(65)【公開番号】特開2015-226218(P2015-226218A)
(43)【公開日】2015年12月14日
【審査請求日】2016年9月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】坂爪 智
【審査官】 森谷 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−263559(JP,A)
【文献】 特開2007−336167(JP,A)
【文献】 特開2009−010727(JP,A)
【文献】 特開2004−134846(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/903
G06F 13/00
H04L 12/70
H04N 21/238
H04N 21/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のネットワークを介して受信装置へ情報を送信する通信装置であって、
前記複数のネットワークのひとつである第1ネットワークでの通信を実行する第1通信部と、
前記複数のネットワークのひとつであって、前記第1ネットワークとは異なった第2ネットワークでの通信を実行する第2通信部と、
前記第1通信部が、未接続状態から接続状態に遷移するまでの第1接続遅延を測定するとともに、前記第2通信部が、未接続状態から接続状態に遷移するまでの第2接続遅延を測定する第1測定部と、
前記第1通信部における接続中の第1伝送遅延を測定するとともに、前記第2通信部における接続中の第2伝送遅延を測定する第2測定部と、
処理対象となる信号を取得する取得部と、
前記取得部が取得した信号が供給され、前記信号から、前記第1通信部から送信すべき第1情報と、前記第2通信部から送信すべき第2情報とを生成する生成部とを備え、
前記生成部は、前記第1通信部および前記第2通信部の通信状態が未接続である場合、前記第1接続遅延と前記第2接続遅延とをもとに、前記第1情報または前記第2情報のいずれか一方が前記受信装置における遅延が短くなるように、前記第1情報と前記第2情報とを生成し、
前記生成部は、前記第1通信部および前記第2通信部の通信状態が接続中である場合、前記第1伝送遅延と前記第2伝送遅延とをもとに、前記第1情報または前記第2情報のいずれか一方が前記受信装置における遅延が短くなるように、前記第1情報と前記第2情報とを生成することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記生成部は、前記第1接続遅延と前記第2接続遅延の測定の結果、短い結果となったネットワークを介して送信すべき前記第1情報または前記第2情報よりも、長い結果となったネットワークを介して送信すべき前記第1情報または前記第2情報を受信装置側における復号時の情報量が大きくなるように生成することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記生成部は、前記第1伝送遅延と前記第2伝送遅延の測定の結果、短い結果となったネットワークを介して送信すべき前記第1情報または前記第2情報よりも、長い結果となったネットワークを介して送信すべき前記第1情報または前記第2情報を受信装置側における復号時の情報量が大きくなるように生成することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
前記第1測定部および前記第2測定部は、送信すべき情報の発生に先だって測定を実行することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の通信装置。
【請求項5】
前記第1測定部および前記第2測定部は、送信すべき情報が発生した場合に測定を実行することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の通信装置。
【請求項6】
複数のネットワークを介して受信装置へ情報を送信する通信方法であって、
前記複数のネットワークのひとつである第1ネットワークにおいて、未接続状態から接続状態に遷移するまでの第1接続遅延を測定するとともに、前記複数のネットワークのひとつであり、前記第1ネットワークとは異なった第2ネットワークにておいて、未接続状態から接続状態に遷移するまでの第2接続遅延を測定するステップと、
前記第1ネットワークにおける接続中の第1伝送遅延を測定するとともに、前記第2ネットワークにおける接続中の第2伝送遅延を測定するステップと、
処理対象となる信号を取得するステップと、
前記信号から、前記第1ネットワークを介して送信すべき第1情報と、前記第2ネットワークを介して送信すべき第2情報とを生成するステップとを備え、
前記生成するステップは、前記第1ネットワークおよび前記第2ネットワークの通信状態が未接続である場合、前記第1接続遅延と前記第2接続遅延とをもとに、前記第1情報または前記第2情報のいずれか一方が前記受信装置における遅延が短くなるように、前記第1情報と前記第2情報とを生成し、
前記生成するステップは、第1ネットワークおよび第2ネットワークの通信状態が接続中である場合、前記第1伝送遅延と前記第2伝送遅延とをもとに、前記第1情報または前記第2情報のいずれか一方が前記受信装置における遅延が短くなるように、前記第1情報と前記第2情報とを生成することを特徴とする通信方法。
【請求項7】
複数のネットワークを介して受信装置へ情報を送信する通信装置におけるプログラムであって、
前記複数のネットワークのひとつである第1ネットワークにおいて、未接続状態から接続状態に遷移するまでの第1接続遅延を測定するとともに、前記複数のネットワークのひとつであり、前記第1ネットワークとは異なった第2ネットワークにておいて、未接続状態から接続状態に遷移するまでの第2接続遅延を測定するステップと、
前記第1ネットワークにおける接続中の第1伝送遅延を測定するとともに、前記第2ネットワークにおける接続中の第2伝送遅延を測定するステップと、
処理対象となる信号を取得するステップと、
前記信号から、前記第1ネットワークを介して送信すべき第1情報と、前記第2ネットワークを介して送信すべき第2情報とを生成するステップとを備え、
前記生成するステップは、前記第1ネットワークおよび前記第2ネットワークの通信状態が未接続である場合、前記第1接続遅延と前記第2接続遅延とをもとに、前記第1情報または前記第2情報のいずれか一方が前記受信装置における遅延が短くなるように、前記第1情報と前記第2情報とを生成し、
前記生成するステップは、第1ネットワークおよび第2ネットワークの通信状態が接続中である場合、前記第1伝送遅延と前記第2伝送遅延とをもとに、前記第1情報または前記第2情報のいずれか一方が前記受信装置における遅延が短くなるように、前記第1情報と前記第2情報とを生成することをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信技術に関し、特に互いに異なった複数のネットワークを介して情報を送信する通信装置、通信方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワークの伝送能力が高まり、高品質で大容量の音声情報や動画像情報を伝送するための環境が容易に整えられる。例えば、サーバを効率的に利用するために、それぞれ異なる帯域幅の回線を介して画像符号化伝送装置からクライアント端末に動画像データを配信することが提案されている。(例えば、特許文献1)。また、無線通信などのように、通信の接続環境として不安定な状況であっても、安定した動画像品質の配信が可能な無線通信システムも提案されている。(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−209828号公報
【特許文献2】特開2004−297117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数のネットワークに接続されている送信装置から情報を低遅延で送信するために、各ネットワークに情報を伝送する際の遅延(以下、「伝送遅延」という)にもとづいた処理が行われるべきである。一方、送信装置から情報を送信する際に、ネットワークに接続している場合と未接続の場合とがある。後者の場合、情報の送信の前に、ネットワークへの接続が必要になる。そのため、ネットワークに接続するための遅延(以下、「接続遅延」という)が発生するが、伝送遅延の短いネットワークが、接続遅延も短いとは限らない。そのため、送信装置がネットワークに接続されているか否かを考慮した制御が望まれる。
【0005】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、ネットワークに接続されているか否かに応じて、遅延を短くするように制御する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の通信装置は、複数のネットワークを介して受信装置へ情報を送信する通信装置であって、複数のネットワークのひとつである第1ネットワークでの通信を実行する第1通信部と、複数のネットワークのひとつであって、第1ネットワークとは異なった第2ネットワークでの通信を実行する第2通信部と、第1通信部が、未接続状態から接続状態に遷移するまでの第1接続遅延を測定するとともに、第2通信部が、未接続状態から接続状態に遷移するまでの第2接続遅延を測定する第1測定部と、第1通信部における接続中の第1伝送遅延を測定するとともに、第2通信部における接続中の第2伝送遅延を測定する第2測定部と、処理対象となる信号を取得する取得部と、取得部が取得した信号が供給され、信号から、第1通信部から送信すべき第1情報と、第2通信部から送信すべき第2情報とを生成する生成部とを備える。生成部は、第1通信部および第2通信部の通信状態が未接続である場合、第1接続遅延と第2接続遅延とをもとに、第1情報または第2情報のいずれか一方が受信装置における遅延が短くなるように、第1情報と第2情報とを生成し、生成部は、第1通信部および第2通信部の通信状態が接続中である場合、第1伝送遅延と第2伝送遅延とをもとに、第1情報または第2情報のいずれか一方が受信装置における遅延が短くなるように、第1情報と第2情報とを生成する。
【0007】
本発明の別の態様は、通信方法である。この方法は、複数のネットワークを介して受信装置へ情報を送信する通信方法であって、複数のネットワークのひとつである第1ネットワークにおいて、未接続状態から接続状態に遷移するまでの第1接続遅延を測定するとともに、複数のネットワークのひとつであり、第1ネットワークとは異なった第2ネットワークにておいて、未接続状態から接続状態に遷移するまでの第2接続遅延を測定するステップと、第1ネットワークにおける接続中の第1伝送遅延を測定するとともに、第2ネットワークにおける接続中の第2伝送遅延を測定するステップと、処理対象となる信号を取得するステップと、信号から、第1ネットワークを介して送信すべき第1情報と、第2ネットワークを介して送信すべき第2情報とを生成するステップとを備える。生成するステップは、第1ネットワークおよび第2ネットワークの通信状態が未接続である場合、第1接続遅延と第2接続遅延とをもとに、第1情報または第2情報のいずれか一方が受信装置における遅延が短くなるように、第1情報と第2情報とを生成し、生成するステップは、第1ネットワークおよび第2ネットワークの通信状態が接続中である場合、第1伝送遅延と第2伝送遅延とをもとに、第1情報または第2情報のいずれか一方が受信装置における遅延が短くなるように、第1情報と第2情報とを生成する。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ネットワークに接続されているか否かに応じて、遅延を短くするように制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施例1に係る通信システムの構成を示す図である。
図2図1の送信装置の構成を示す図である。
図3図2の制御部に記憶されたテーブルのデータ構造を示す図である。
図4図2の制御部に記憶された別のテーブルのデータ構造を示す図である。
図5図2の制御部に記憶されたさらに別のテーブルのデータ構造を示す図である。
図6図2の生成部の構成を示す図である。
図7図1の通信システムによる送信手順を示すフローチャートである。
図8】本発明の実施例2に係る通信システムによる送信手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施例1)
本発明を具体的に説明する前に、まず概要を述べる。本発明の実施例1は、複数のネットワークを介して受信装置へ情報、例えば画像や音声を送信する送信装置が含まれた通信システムに関する。ここでは、本実施例の前提となる状況を説明する。ネットワークのひとつとして、無線通信であるLTE(Long Term Evolution)の使用が想定される。その接続遅延の目標が100ms、伝送遅延の目標が5ms(片道)とされているが、商用回線における実態として、接続遅延は数秒、伝送遅延は30から200ms程度になる場合がある。また、3G方式の商用回線では、接続遅延や伝送遅延の目標値が設定されていないので、接続環境によってはLTEと比較してさらに大きな遅延量になりえる。さらに、一般に利用されているインターネット接続においても、接続経路に依存して数十ms程度の接続遅延や伝送遅延が生じうる。このように、画像や音声のマルチメディア情報を商用回線のネットワークを介して伝送する場合に、ネットワーク構成上、接続遅延や伝送遅延が生じる。
【0012】
このような接続遅延や伝送遅延は、ミッションクリティカルな環境における利用において、致命的となりうる。例えば、緊急時の最初の発話が聞き取りづらい、現在起こっている本当に送りたかった状況の画像や音声が欠落してしまうという減少が発生しうる。ミッションクリティカルな環境では、プライベートな通信システムを構築することで対応しており、一定の通信品質をもち、かつ運用が比較的容易な業務用無線システムが導入される。例えば、米国においては、APCO(the Association of Public−Safety Communications Officials−International)によって規定されたP25(Project 25もしくはAPCO−25)と呼ばれる業務用無線方式が一般に用いられている。しかしながら、P25方式のデータ転送レートは、実質約4kbpsであるので、膨大なマルチメディア情報の伝送には不向きである。これに対し、LTE方式では、現在の実質的なデータ転送レートは、商用回線の上り回線であっても約4Mbpsであるので、比較的大きな動画像情報であっても十分伝送可能である。
【0013】
このように、接続遅延、伝送遅延、データ転送レート等の特性は、ネットワーク毎に異なる。そのため、複数のネットワークを使用しながら、画像や音声を低遅延で伝送することが望まれる。また、前述のごとく、ネットワークに接続されているか否かに応じて制御されることが望まれる。
【0014】
図1は、本発明の実施例1に係る通信システム100の構成を示す。通信システム100は、送信装置10、基地局装置12、プライベートネットワーク14、インターネット16、受信装置18を含む。送信装置10は、インターネット16と、プライベートネットワーク14といった複数のネットワークを介して、受信装置18に対して、伝送対象となる情報を伝送できるように接続されている。ここで、送信装置10とインターネット16との間、インターネット16と受信装置18との間、送信装置10と基地局装置12との間、基地局装置12とプライベートネットワーク14との間、プライベートネットワーク14と受信装置18との間は、所定の伝送媒体によって接続される。
【0015】
これらの伝送媒体は、ケーブル等の伝送路としての線による有線方式に基づくものや、電波、光、音波などの線を伴わない無線方式に基づくものである。また、これらの伝送媒体は、同一の方式でなくてもよい。例えば、一部の伝送媒体は、イーサネット(登録商標)ケーブルを使用し、他の伝送媒体は、電波を利用してもよい。さらに、各伝送媒体の通信方式に関しても、必ずしも同一の方式でなくともよい。例えば、インターネット16側の伝送媒体ではイーサネットに基づくものとし、プライベートネットワーク14側の伝送媒体ではP25方式やLTE方式に基づくものとしてもよい。また、インターネット16側の伝送媒体はLTE方式、プライベートネットワーク14側の伝送媒体はP25方式とすることによって、すべての伝送媒体は、電波を利用するものとしてもよい。
【0016】
ここでは、インターネット16側の伝送媒体はイーサネットケーブルであり、プライベートネットワーク14側の伝送媒体はP25方式であるとする。そのため、基地局装置12は、P25方式に対応した無線基地局とする。
【0017】
図2は、送信装置10の構成を示す。送信装置10は、取得部30、生成部32、第1通信部34、第2通信部36、第1測定部38、第2測定部40、制御部42を含む。取得部30は、図示しない撮像装置、伝送装置、記録装置、記録媒体、蓄積装置、集音装置等に接続され、それらのうちの少なくともひとつから、処理対象となる信号を取得する。以下では、処理対象となる信号は、画像信号および音声信号であるとするが、いずれか一方であってもよく、さらに他の信号であってもよい。また、取得部30は、取得した信号を生成部32に供給する。
【0018】
生成部32は、取得部30からの信号を取得する。生成部32は、制御部42の制御にしたがって、第1情報および第2情報を生成する。第1情報は、後述の第1通信部34から送信すべき情報であり、第2情報は、後述の第2通信部36から送信すべき情報である。
制御部42は、生成した第1情報を第1通信部34に供給するとともに、生成した第2情報を第2通信部36に供給する。生成部32における処理の詳細に関しては後述する。
【0019】
第1通信部34は、生成部32から第1情報を取得する。また、第1通信部34は、図1における基地局装置12、プライベートネットワーク14に接続されており、これらに対応した通信を実行することによって、第1情報が含まれた信号を受信装置18へ送信する。また、第1通信部34は、第1情報を一時的に蓄積し、送信する際のタイミングを制御するためのバッファを含んでもよい。第2通信部36は、生成部32から第2情報を取得する。第2通信部36は、インターネット16に接続されており、これに対応した通信を実行することによって、第2情報が含まれた信号を受信装置18へ送信する。また、第2通信部36にもバッファが含まれてもよい。
【0020】
第1測定部38は、第1通信部34に接続されるとともに、第2通信部36にも接続される。第1測定部38は、制御部42の制御にしたがって、送信装置10と受信装置18との間の接続遅延量を測定する。第1測定部38は、例えば、送信装置10と受信装置18との間で、ネットワークの接続が確立していない状態、つまりネットワークが切断された状態から、ネットワークを介した接続が完了するまでにかかる時間を測定し、この測定された時間を接続遅延量とする。つまり、接続遅延とは、未接続状態から接続状態に遷移するまでの遅延である。第1測定部38は、第1通信部34に接続されているネットワークを介して、第1接続遅延量を測定するとともに、第2通信部36に接続されているネットワークを介して、第2接続遅延量を測定する。第1測定部38は、第1接続遅延量と第2接続遅延量とを制御部42へ出力する。
【0021】
第2測定部40は、第1通信部34に接続されるとともに、第2通信部36にも接続される。第2測定部40は、制御部42の制御にしたがって、送信装置10と受信装置18との間の伝送遅延量を測定する。第2測定部40は、例えば、送信装置10と受信装置18との間で、ネットワークの接続が確立している状態で、所定の単位の情報を伝送してから、受信が完了したことを確認するまでにかかる時間を測定し、この測定された時間を伝送遅延量とする。つまり、伝送遅延とは、接続中の遅延である。第2測定部40は、第1通信部34に接続されているネットワークを介して、第1伝送遅延量を測定するとともに、第2通信部36に接続されているネットワークを介して、第2伝送遅延量を測定する。第2測定部40は、第1伝送遅延量と第2伝送遅延量とを制御部42へ出力する。
【0022】
第1測定部38および第2測定部40は、送信すべき情報の発生に先だって測定を実行する。なお、第1測定部38および第2測定部40における測定タイミングは、生成部32において第1情報および第2情報が生成される前までであれば、特に限定されない。例えば、生成部32が、伝送対象となる信号を取得した後に、測定がなされてもよい。また、例えば、情報の伝送処理が開始される前や、送信装置10の起動時に、事前に測定がなされてもよい。
【0023】
制御部42は、送信装置10の動作状態を管理し、送信装置10に含まれる各部の動作や、各部に対して入出力される情報の授受を制御する。また、制御部42は、第1測定部38から、第1接続遅延量と第2接続遅延量とを取得し、第2測定部40から、第1伝送遅延量と第2伝送遅延量とを取得する。制御部42は、第1接続遅延量と第2接続遅延量とを比較し、短い方を短接続遅延量とし、長い方を長接続遅延量としてもよい。また、制御部42は、第1伝送遅延量と第2伝送遅延量とを比較し、短い方を短伝送遅延量とし、長い方を長伝送遅延量としてもよい。
【0024】
制御部42は、第1通信部34および第2通信部36の通信状態を取得する。ここで、通信状態とは、接続中であるか、未接続であるかのいずれかに相当する。制御部42は、取得した通信状態をもとに、第1接続遅延量、第2接続遅延量、第1伝送遅延量、第2伝送遅延量のうち、第1情報および第2情報の生成に使用すべきパラメータを選択する。この選択の処理を説明するために、ここでは図3を使用する。図3は、制御部42に記憶されたテーブルのデータ構造を示す。図示のごとく、通信状態と使用する測定結果との対応関係が示されている。制御部42は、第1通信部34および第2通信部36の通信状態が未接続である場合、第1接続遅延量と第2接続遅延量とを選択する。一方、制御部42は、第1通信部34および第2通信部36の通信状態が接続中である場合、第1伝送遅延量と第2伝送遅延量とを選択する。そのため、未接続の状態から接続中の状態に遷移する場合、初期において、上段が選択され、それに続く期間において、下段が選択される。図2に戻る。
【0025】
制御部42は、第1接続遅延量と第2接続遅延量とを選択した場合、図4にしたがって第1情報と第2情報とを生成部32に生成させる。図4は、制御部42に記憶された別のテーブルのデータ構造を示す。制御部42は、第1接続遅延量が第2接続遅延量よりも短い場合において、第1情報を生成する際の圧縮率を小さくさせ、第2情報を生成する際の圧縮率を大きくさせる。制御部42は、第1接続遅延量が第2接続遅延量よりも短くない場合において、第1情報を生成する際の圧縮率を大きくさせ、第2情報を生成する際の圧縮率を小さくさせる。つまり、制御部42は、第1接続遅延量が第2接続遅延量よりも短い場合において、第1接続遅延量が第2接続遅延量よりも長い場合よりも、受信側での処理遅延が短くなるように第1情報を生成させる。図2に戻る。
【0026】
制御部42は、第1伝送遅延量と第2伝送遅延量とを選択した場合、図5にしたがって第1情報と第2情報とを生成部32に生成させる。図5は、制御部42に記憶されたさらに別のテーブルのデータ構造を示す。制御部42は、第1伝送遅延量が第2伝送遅延量よりも短い場合において、第1情報を生成する際の圧縮率を小さくさせ、第2情報を生成する際の圧縮率を大きくさせる。制御部42は、第1伝送遅延量が第2伝送遅延量よりも短くない場合において、第1情報を生成する際の圧縮率を大きくさせ、第2情報を生成する際の圧縮率を小さくさせる。つまり、制御部42は、第1伝送遅延量が第2伝送遅延量よりも短い場合において、第1伝送遅延量が第2伝送遅延量よりも長い場合よりも、受信側での処理遅延が短くなるように第1情報を生成させる。図2に戻る。このように、制御部42は、第1通信部34および第2通信部36の通信状態をもとに、第1情報と第2情報とを生成させる。
【0027】
ここでは、まず、生成部32において生成される情報であって、短接続遅延量に対応した情報を説明する。生成部32には、所定の符号化手段が含まれ、短接続遅延量に対応した情報を所定の符号量となるように生成してもよい。この所定の符号化手段は、伝送対象となる信号が画像および動画像情報であれば、ISO/IECおよびITU−Tにより標準化されているJPEG(Joint Photographic Experts Group)やJPEG2000等の画像符号化標準や、AVC(Advanced Video Coding)やHEVC(High Efficiency Video Coding)を代表とする動画像符号化標準に基づくものである。また、他の画像伝送、動画像伝送で用いられる符号化方式であってもよい。一方、伝送対象となる信号が音響信号であれば、ISO/IEC等で標準化されているMP3(MPEG Audio Layer−3)やAAC(Advanced Audio Coding)を代表とする音声符号化標準に基づくもの、さらには、他の音声符号化である、PCM(Pulse Code Modulation)、ADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)、デルタ変調、変換符号化、サブバンド符号化等の波形符号化、CELP(Code Excited Linear Prediction)等のハイブリッド符号化、LPCボコーダー等の分析合成符号化、ベクトル量子化、等といった符号化方式であってもよい。
【0028】
ここでは、例えば、短接続遅延量に対応した情報が、長接続遅延量に対応した情報と比較して、復号にかかる時間(以下、「復号時間」という)が同等、もしくは少なくなるように符号化される。復号時間を少なくするために、伝送対象となる信号情報が画像および動画像情報である場合には、画像の空間解像度の縮小や、画像の各サンプルにおけるビット深度の縮小、フレームレートの縮小、または時間方向の情報量の削減の少なくともひとつが実行される。また、伝送対象となる信号情報が音響信号情報である場合には、音声信号情報のサンプリングレートを落とすことや、音声信号情報の各信号サンプルの量子化を粗くすることの少なくともひとつが実行される。
【0029】
また、復号時間を少なくするために、例えば、短接続遅延量に対応した情報の復号にあたって、処理量の大きなものも高速に処理できる所定の復号手段が用いられることを前提とし、所定の符号化手段において、処理量が大きいものを利用して符号化効率を高めてもよい。これにより、復号時間が少なくなるとともに、伝送時の情報量が少なくなる。このような処理によって、低遅延で伝送できるネットワークを利用して、より短時間で情報を伝送できる。よって、伝送される情報に即時性が要求されるような場合であっても、より短い時間で情報の授受が可能になる。
【0030】
また、例えば、接続されているネットワークにおいて、少なくとも伝送できる伝送レートを最大限保持しつつ、復号時間が最小となるように、所定の符号化処理を行ってもよい。また、所定の符号量をもつようにしてもよい。これにより、できるだけ多くの情報を伝送しつつ、伝送される情報に即時性が要求されるような場合でも、より短い時間で情報の授受が可能になる。
【0031】
次に、生成部32において生成される情報であって、長接続遅延量に対応した情報を説明する。長接続遅延量に対応した情報が、短接続遅延量に対応した情報と比較して、復号時の情報量が大きくなるように符号化されてもよい。一般に、復号時の情報量が多くなるので、長接続遅延量に対応した情報の符号量は大きくなる。復号時の情報量が大きくなるようにするために、伝送対象となる信号情報が画像および動画像情報である場合には、短接続遅延量に対応した情報と比較して、画像の空間解像度を大きくすることや、画像の各サンプルにおけるビット深度を拡大すること、フレームレートを多くすること、または時間方向の情報量が大きくなるようにすることの少なくともひとつが実行される。一方、伝送対象となる信号情報が音響信号情報である場合には、音声信号情報のサンプリングレートを高くすることや、音声信号情報の各信号サンプルの量子化を細かくすることの少なくともひとつが実行される。これにより、遅延の大きいネットワークに適した、長接続遅延量に対応した情報を生成することができる。このような長接続遅延量に対応した情報を利用することで、遅延が大きいが、十分な情報量の伝送情報を、効率よく伝送することができるようになる。
【0032】
接続されているネットワークにおいて、少なくとも伝送できる伝送レートを最大限保持しつつ、伝送できる情報量が最大となるように、所定の符号化処理が実行されてもよい。また、所定の符号量をもつようにしてもよい。これにより、さらに大きな情報量の伝送情報を、効率よく伝送することができる。
【0033】
また、長接続遅延量から短接続遅延量を減算して差分接続遅延量を取得し、この差分接続遅延量を所定の符号化処理に反映させてもよい。例えば、最初のイントラ画像から差分接続遅延量の分だけ遅れた画像から、所定の符号化処理がなされてもよい。また、マージン分を考慮して、差分接続遅延量よりも少ない分だけ遅れた画像から、所定の符号化処理がなされてもよい。これにより、短接続遅延量に対応した情報で再生されるであろう情報分を、長接続遅延量に対応した情報に含めないので、短接続遅延量に対応した情報で再生されるであろう情報以降の情報に対して、より多くの情報量を割いて、情報が生成される。そのため、さらに大きな情報量の伝送情報を、効率よく伝送することができる。
【0034】
さらに、短伝送遅延量に対応した情報は、短接続遅延量に対応した情報と同様に生成されればよい。また、長伝送遅延量に対応した情報は、長接続遅延量に対応した情報と同様に生成されればよい。
【0035】
図6は、生成部32の構成を示す。生成部32は、接続時第1情報用音声符号化部50、接続時第2情報用音声符号化部52、伝送時第1情報用音声符号化部54、伝送時第2情報用音声符号化部56、接続時第1情報用画像符号化部58、接続時第2情報用画像符号化部60、伝送時第1情報用画像符号化部62、伝送時第2情報用画像符号化部64、第1SW66、第2SW68、第3SW70、第4SW72を含む。
【0036】
生成部32は、接続時第1情報用音声符号化部50、接続時第2情報用音声符号化部52、伝送時第1情報用音声符号化部54、伝送時第2情報用音声符号化部56において、入力される音声情報に対して、所定の符号化処理を実行する。この処理によって、第1情報および第2情報が生成される。第1SW66は、通信状態が未接続の場合、接続時第1情報用音声符号化部50からの第1情報を選択して出力し、通信状態が接続中の場合、伝送時第1情報用音声符号化部54からの第1情報を選択して出力する。第2SW68は、通信状態が未接続の場合、接続時第2情報用音声符号化部52からの第2情報を選択して出力し、通信状態が接続中の場合、伝送時第2情報用音声符号化部56からの第2情報を選択して出力する。接続時第1情報用画像符号化部58から伝送時第2情報用画像符号化部64、第3SW70、第4SW72は、画像情報に対して、接続時第1情報用音声符号化部50から伝送時第2情報用音声符号化部56、第1SW66、第2SW68と同様の処理を実行する。
【0037】
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0038】
以上の構成による通信システム100の動作を説明する。図7は、通信システム100による送信手順を示すフローチャートである。具体的に説明すると、制御部42は、送信装置10に対する情報伝送の開始要求を検出すると、送信装置10に含まれる各部に対して、情報伝送を開始するための指令を行う。制御部42は、それぞれ接続されようとしているネットワークの接続遅延量および伝送遅延量を測定するために、第1測定部38および第2測定部40に対して、測定を開始するための指令を行う。第1測定部38、第2測定部40は、制御部42の指令に応じて、測定を実行する(S10)。
【0039】
接続中でない場合(S12のN)、制御部42は、ネットワーク接続を行うための指令を第1通信部34および第2通信部36に対して行う。第1通信部34および第2通信部36は、制御部42の制御にしたがって、所定のネットワーク接続処理を実行する(S14)ことによって、ネットワーク接続を確立する。その後、制御部42は、生成部32に対して、接続時の第1情報および第2情報を生成するための指令を行う。生成部32は、制御部42の制御にしたがって、接続時の第1情報、第2情報を生成する(S16)。また、制御部42は、第1通信部34に対して第1情報の送信を指令し、第2通信部36に対して第2情報の送信を指令する。第1通信部34は、第1情報を送信し、第2通信部36は、第2情報を送信する(S18)。
【0040】
接続中である場合(S12のY)、制御部42は、生成部32に対して、伝送時の第1情報および第2情報を生成するための指令を行う。生成部32は、制御部42の制御にしたがって、伝送時の第1情報、第2情報を生成する(S20)。また、制御部42は、第1通信部34に対して第1情報の送信を指令し、第2通信部36に対して第2情報の送信を指令する。第1通信部34は、第1情報を送信し、第2通信部36は、第2情報を送信する(S22)。所定の伝送単位における情報の送信処理が完了すると、制御部42は、送信対象となる情報が全て伝送されたかどうか(S24)を判定する。ここで、全て送信されていない場合(S24のN)、ステップ12に戻る。一方、全て送信されている場合(S24のY)、処理は終了される。
【0041】
本実施例によれば、接続遅延と伝送遅延とを測定し、通信状態に応じて選択したいずれかをもとに第1情報と第2情報を生成するので、ネットワークに接続されているか否かに応じて、遅延を短くするように制御できる。また、第1情報および第2情報を送信する際に、遅延量がより少ない方のネットワークに対して、低遅延用に生成された情報を供給するので、伝送遅延が少なくなる方のネットワークを利用して、できるだけ情報を欠落させずに伝送できる。また、遅延量が大きい方のネットワークに対して、高度な情報圧縮にて生成された情報を供給するので、より情報量が大きく、詳細な信号を伝送できる。
【0042】
また、復号側では、情報量が大きく、詳細な信号が得られない場合であっても、低遅延用に生成された伝送情報から、一定品質の信号を得ることができる。また、緊急時の最初の発話が聞き取りづらい、現在起こっている本当に送りたかった状況の画像や音声が欠落してしまう、という現象の発生を抑制できる。また、送信すべき情報の発生に先だって接続遅延および伝送遅延を測定するので、送信すべき情報が発生してから送信するまでの処理遅延を短縮できる。また、複数のネットワークを利用するので、膨大な伝送対象となる情報をより少ない接続遅延および伝送遅延で伝送できる。また、ミッションクリティカルな用途において、情報の欠落を最小限にとどめ、より早く、安全に、得たい情報を授受できる。
【0043】
(実施例2)
次に、実施例2を説明する。実施例2は、実施例1と同様に、複数のネットワークを介して、送信装置から受信装置へ情報を送信する通信システムに関する。実施例2は、実施例1と比較して、接続遅延量と処理遅延量を測定するタイミングが異なる。実施例2に係る通信システム100は、図1と同様のタイプであり、送信装置10は、図2と同様のタイプである。ここでは、実施例1との差異を中心に説明する。
【0044】
第1測定部38および第2測定部40は、送信すべき情報が発生した場合に測定を実行する。つまり、遅延量を必要とする段階で随時測定処理がなされる。
【0045】
図8は、本発明の実施例2に係る通信システム100による送信手順を示すフローチャートである。制御部42は、送信装置10に対する情報送信の開始要求を検出すると、まず、ネットワーク接続が確立しているかを確認する(S50)。接続中でない場合(S50のN)、第1測定部38では、制御部42の制御にしたがって、第1接続遅延量と第2接続遅延量を測定する(S52)。その後、制御部42は、ネットワーク接続を行うための指令を第1通信部34および第2通信部36に対して行う。第1通信部34および第2通信部36は、制御部42の制御にしたがって、所定のネットワーク接続処理を実行する(S54)ことによって、ネットワーク接続を確立する。制御部42は、生成部32に対して、接続時の第1情報および第2情報を生成するための指令を行う。生成部32は、制御部42の制御にしたがって、接続時の第1情報、第2情報を生成する(S56)。また、制御部42は、第1通信部34に対して第1情報の送信を指令し、第2通信部36に対して第2情報の送信を指令する。第1通信部34は、第1情報を送信し、第2通信部36は、第2情報を送信する(S58)。
【0046】
接続中である場合(S50のY)、制御部42は、第2測定部40に対して、測定を開始するための指令を行う。第2測定部40は、制御部42の制御にしたがって、第1伝送遅延量と第2伝送遅延量を測定する(S60)。その後、制御部42は、生成部32に対して、伝送時の第1情報および第2情報を生成するための指令を行う。生成部32は、制御部42の制御にしたがって、伝送時の第1情報、第2情報を生成する(S62)。また、制御部42は、第1通信部34に対して第1情報の送信を指令し、第2通信部36に対して第2情報の送信を指令する。第1通信部34は、第1情報を送信し、第2通信部36は、第2情報を送信する(S64)。所定の伝送単位における情報の送信処理が完了すると、制御部42は、送信対象となる情報が全て伝送されたかどうか(S66)を判定する。ここで、全て送信されていない場合(S66のN)、ステップ50に戻る。一方、全て送信されている場合(S66のY)、処理は終了される。
【0047】
本実施例によれば、所定の伝送単位で伝送処理を行う度に、接続遅延量、伝送遅延量を測定し、遅延量が少ない方のネットワークに対して、低遅延用に生成された伝送情報を供給するので、最新の接続遅延量、伝送遅延量に応じて情報を送信できる。
【0048】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0049】
本発明の実施例1、2において、送信装置10は電力制御を実行していない。しかしながらこれに限らず例えば、制御部42は、第1通信部34、第2通信部36の動作状態を制御し、伝送情報を伝送していない間に、供給する電力を制御して、電源をオフ、もしくは、待機状態にしてもよい。その結果、第1通信部34、第2通信部36の消費電力が抑制される。本変形例によれば、複数のネットワークに対して情報を送信するので、特定のネットワークに対してのみ伝送する場合よりも、消費電力を低減できる。また、情報を送信していない間に、電源をオフ、もしくは待機状態にするので、消費電力の低減分で複数のネットワークを利用した送信ができる。
【符号の説明】
【0050】
10 送信装置、 12 基地局装置、 14 プライベートネットワーク、 16 インターネット、 18 受信装置、 30 取得部、 32 生成部、 34 第1通信部、 36 第2通信部、 38 第1測定部、 40 第2測定部、 42 制御部、 100 通信システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8