特許第6323576号(P6323576)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6323576
(24)【登録日】2018年4月20日
(45)【発行日】2018年5月16日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20180507BHJP
【FI】
   A63F7/02 320
【請求項の数】2
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-9825(P2017-9825)
(22)【出願日】2017年1月23日
【審査請求日】2017年1月24日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110002158
【氏名又は名称】特許業務法人上野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】安藤 康晃
(72)【発明者】
【氏名】上野 雅博
(72)【発明者】
【氏名】西村 仁
(72)【発明者】
【氏名】平 勇輝
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 嵩登
【審査官】 武田 知晋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−104179(JP,A)
【文献】 特開2016−140391(JP,A)
【文献】 特開2015−000260(JP,A)
【文献】 特開2016−116654(JP,A)
【文献】 特開2013−183864(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
当否抽選に用いられる当否判定情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている当否判定情報であって、当否抽選の結果を報知する報知演出が開始されていないものの存在を示す保留表示を表示する表示手段と、
前記保留表示に含まれるように時間画像を表示する保留演出実行手段と、
遊技者が操作可能な操作手段と、
遊技者に対して前記操作手段の操作を促し、当該操作手段の操作が有効となる操作有効期間が設定される複数の単位操作演出が連続的に発生する演出であって、当該単位操作演出間に前記操作手段の操作が無効となる操作非有効期間が設定される連続操作演出を実行する連続操作演出実行手段と、
を備え、
前記連続操作演出では、前記操作有効期間中に減少し、前記操作非有効期間中に停止する操作時間が表示され、
前記時間画像は、複数種の数値のうちのいずれかを含むものであり、
前記時間画像を含む前記保留表示に対応する当否判定結果の報知演出の一部として実行される前記連続操作演出において、当該時間画像が含む数値が、前記操作時間が減少を開始する前の値である初期値として設定されることで、当該時間画像が含む数値の種類により、前記操作有効期間の長さが示唆されることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
当否抽選に用いられる当否判定情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている当否判定情報であって、当否抽選の結果を報知する報知演出が開始されていないものの存在を示す保留表示を表示する表示手段と、
前記保留表示に含まれるように時間画像を表示する保留演出実行手段と、
遊技者が操作可能な操作手段と、
遊技者に対して前記操作手段の操作を促し、当該操作手段の操作が有効となる操作有効期間が設定される複数の単位操作演出が連続的に発生する演出であって、当該単位操作演出間に前記操作手段の操作が無効となる操作非有効期間が設定される連続操作演出を実行する連続操作演出実行手段と、
を備え、
前記連続操作演出では、前記操作有効期間中に増加し、前記操作非有効期間中に停止する操作時間が表示され、
前記時間画像は、複数種の数値のうちのいずれかを含むものであり、
前記時間画像を含む前記保留表示に対応する当否判定結果の報知演出の一部として実行される前記連続操作演出において、当該時間画像が含む数値が、前記操作時間が到達したときに新たな前記操作有効期間が発生しないことを示す終了値として設定されることで、当該時間画像が含む数値の種類により、前記操作有効期間の長さが示唆されることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技者が操作可能な操作手段(例えば、押しボタン等)を備え、当該操作手段の操作が演出上反映される操作演出を実行することが可能な遊技機が公知である(例えば、下記特許文献1等参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−228528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、操作手段を利用した演出の趣向性を向上させることが可能な遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた本発明にかかる遊技機は、当否抽選に用いられる当否判定情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている当否判定情報であって、当否抽選の結果を報知する報知演出が開始されていないものの存在を示す保留表示を表示する表示手段と、前記保留表示に含まれるように時間画像を表示する保留演出実行手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、遊技者に対して前記操作手段の操作を促し、当該操作手段の操作が有効となる操作有効期間が設定される複数の単位操作演出が連続的に発生する演出であって、当該単位操作演出間に前記操作手段の操作が無効となる操作非有効期間が設定される連続操作演出を実行する連続操作演出実行手段と、を備え、前記連続操作演出では、前記操作有効期間中に減少し、前記操作非有効期間中に停止する操作時間が表示され、前記時間画像は、複数種の数値のうちのいずれかを含むものであり、前記時間画像を含む前記保留表示に対応する当否判定結果の報知演出の一部として実行される前記連続操作演出において、当該時間画像が含む数値が、前記操作時間が減少を開始する前の値である初期値として設定されることで、当該時間画像が含む数値の種類により、前記操作有効期間の長さが示唆されることを特徴とする。
【0006】
上記課題を解決するためになされた別の本発明にかかる遊技機は、当否抽選に用いられる当否判定情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている当否判定情報であって、当否抽選の結果を報知する報知演出が開始されていないものの存在を示す保留表示を表示する表示手段と、前記保留表示に含まれるように時間画像を表示する保留演出実行手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、遊技者に対して前記操作手段の操作を促し、当該操作手段の操作が有効となる操作有効期間が設定される複数の単位操作演出が連続的に発生する演出であって、当該単位操作演出間に前記操作手段の操作が無効となる操作非有効期間が設定される連続操作演出を実行する連続操作演出実行手段と、を備え、前記連続操作演出では、前記操作有効期間中に増加し、前記操作非有効期間中に停止する操作時間が表示され、前記時間画像は、複数種の数値のうちのいずれかを含むものであり、前記時間画像を含む前記保留表示に対応する当否判定結果の報知演出の一部として実行される前記連続操作演出において、当該時間画像が含む数値が、前記操作時間が到達したときに新たな前記操作有効期間が発生しないことを示す終了値として設定されることで、当該時間画像が含む数値の種類により、前記操作有効期間の長さが示唆されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明にかかる遊技機によれば、操作手段を利用した演出の趣向性を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態にかかる遊技機の正面図である。
図2】(a)は表示装置に表示される識別図柄と保留表示を示した図であり、(b)は保留表示の種類を示した図である。
図3】時間演出の開始前から開始されるまでの大まかな流れを説明するための図であって、(a)は時間演出発生前を、(b)は時間演出の開始時を、(c)は時間演出の開始から所定時間経過後の状態を示した図である。
図4】時間演出の一例を説明するための図(その一)である。
図5】時間演出の一例を説明するための図(その二(図4の続き))である。
図6】操作有効期間(単位操作演出)と操作非有効期間を示したタイムチャートである。
図7】第四具体例を説明するための図である。
図8】第六具体例および第七具体例を説明するための図である。
図9】第九具体例を説明するための図である。
図10】第十二具体例および第十三具体例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明にかかる遊技機1の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。まず、図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。
【0013】
遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する通路を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
【0014】
遊技領域902には、始動入賞口904、大入賞口906、アウト口907などが設けられている。表示装置91の表示領域911は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能となる領域である。なお、一部の図においては表示領域911を大まかに記載するが、その形状等は適宜変更可能である(開口901の形状や大きさ、表示装置91自体の形状や大きさを変更することで表示領域911の形状等を変更することができる)。
【0015】
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
【0016】
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動入賞口904や大入賞口906等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
【0017】
なお、遊技機1の枠体、遊技球を貯留する下皿や上皿など、本発明に関係のない遊技機1の構成要素は説明を省略する。これらについては公知の遊技機と同様の構造のものが適用できる。
【0018】
大当たりの抽選(当否判定)は、図示されない制御基板に設けられた当否抽選手段が始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として実行する(このような始動入賞口が複数設けられていてもよい)。具体的には、始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として乱数源から数値が取得され、当該数値が予め定められた大当たりの数値と同じである場合には大当たりとなり、異なる場合にははずれとなる。大当たりに当選した場合には大当たり遊技が実行される。大当たり遊技は、大入賞口906が頻繁に開放状態となり、遊技者が多くの遊技球(いわゆる出玉)を獲得することができるものであって、公知の遊技機と同様であるため詳細な説明を省略する。獲得できる遊技球の期待値が異なる複数種の大当たり遊技が設定されていてもよい。
【0019】
本実施形態では、公知の遊技機と同様に、表示装置91の表示領域911に表示される識別図柄10(図2(a)参照)の組み合わせによって当否抽選結果を遊技者に報知する。識別図柄10は、当否抽選結果の報知の開始とともに変動を開始する。大当たりに当選したかどうかを示す識別図柄10の態様はどのようなものであってもよい。本実施形態では、停止した識別図柄10が全て同じである場合に大当たりとなり、それ以外ははずれとなる。
【0020】
また、本実施形態では、上記当否抽選のための数値が取得された順に当否抽選結果の報知が開始される(識別図柄10の変動が開始される)こととなるが、ある数値が取得されたときに、それより前に取得された数値に基づく当否抽選結果が報知されている際には、当該ある数値に基づく当否抽選結果の報知が開始されるまで、図示されない制御基板に設けられた記憶手段に記憶される。未だ当否抽選結果の報知が開始されていない数値(以下、保留情報と称することもある)の最大の記憶数(最大保留数)は適宜設定することができる。本実施形態における記憶手段が記憶できる最大の保留情報の数は、一種の始動入賞口904につき四つである。
【0021】
また、本実施形態では、当否抽選結果の報知が開始される時点で、取得された数値が大当たりとなる数値か否かが判断されることとなる。つまり、当否抽選結果を報知するための演出(識別図柄10の変動表示)が開始される時点で、対象となる当否抽選結果が大当たりとなるものかはずれとなるものなのかが判断される。当該情報(以下、変動中情報と称することもある)は、大当たりの成否を内部的に把握するためのいわゆる「フラグ」であって、保留情報ともに記憶手段に記憶される。本実施形態では、保留情報と変動中情報を記憶する記憶手段は同じであるが、各情報が異なる記憶手段に記憶される構成であってもよい。
【0022】
なお、ある数値が取得されたとき、それより前に取得された数値に基づく当否抽選結果の報知が既に完了している場合に、当該数値が即座に変動中情報として記憶されるように構成してもよいし、一旦保留情報として記憶された後、変動中情報とされる構成としてもよい。また、ある数値が取得されたときに、それより前に取得された数値に基づく当否抽選結果が報知されているか否かに拘わらず、取得された数値に基づき当否抽選を行い、当該当否抽選結果自体を記憶させておく構成としてもよい。かかる構成とする場合には、記憶される当否抽選結果自体が、変動中情報や保留情報に相当することになる。
【0023】
保留情報が存在することを示す図柄は、保留表示20として表示装置91に表示される(図2(a)参照)。表示装置91とは別の装置に表示されるようにしてもよい。当該保留表示20は、当否抽選結果を報知する演出が開始される順に対応する位置に表示される。本実施形態では、所定の方向に沿って並ぶように保留表示20が表示装置91の表示領域911に表示される。
【0024】
本実施形態にかかる遊技機1は、保留表示20を用いた演出の一種である時間演出(連続操作演出)を実行することが可能である。以下、当該時間演出について詳細に説明する。
【0025】
本実施形態における保留表示20の態様として、通常態様20nとは異なる態様であって、時間画像30が含まれる特殊態様が設定されている(図2(b)参照)。かかる特殊態様の保留表示20が表示される場合、当該保留表示20に対応する当否抽選結果を報知する演出(以下、報知演出と称することもある)の少なくとも一部として時間演出が実行される。後述するように、時間演出は、対応する当否抽選結果が大当たりとなる蓋然性(いわゆる大当たり信頼度。以下単に(大当たり)信頼度ということもある)を示唆するものであり、時間演出が発生すること自体が、(発生しない場合に比して)大当たり信頼度が高まったことを示すものである。特殊態様の保留表示20は、かかる時間演出の発生を示唆するものであるから、公知の先読み演出(先読み予告)の一種であるともいえる。
【0026】
なお、特殊態様の保留表示20が表示されたときには対応する報知演出において必ず時間演出が発生する設定としてもよいし、時間演出が発生しないことがある設定(時間演出が発生しやすいということを示すにとどまる設定)としてもよい。また、本実施形態における時間演出は、特殊態様となった保留表示20に対応する報知演出中に発生するものであるが、対応する報知演出中以外の期間において発生することがあってもよい。例えば、対応する報知演出が開始されるよりも前に時間演出を発生させる構成(時間演出自体を先読み演出として機能させる構成)としてもよい。
【0027】
本実施形態では、第一特殊態様21〜第四特殊態様24の保留表示20が設定されている。各特殊態様の保留表示20は、異なる時間画像30を含むものである。具体的には、第一特殊態様21〜第四特殊態様24の保留表示20は、それぞれ「300」「500」「700」「777」の数字が記載された時間画像30を含む(図2(b)参照)。
【0028】
時間演出は、演出の開始とともに時間画像30に表示された値が時間経過とともに減るように(カウントダウンするように)表示されるものである。例えば、図3に示すように第二特殊態様22の保留表示20が表示されていた場合(図3(a)参照)には、それに対応する報知演出の時間演出では、演出開始とともに500の値がカウントダウンされていく(図3(b)(c)参照)。時間演出は、後述する失敗結末に至る場合であっても、当該値が0となるまでは継続する。つまり、時間画像30は、時間演出が終了せずに継続する期間(ただし、後述する成功結末となる場合には、時間画像30の値が0となる前に演出が終了することになる)を示すものであるといえる。遊技者は、時間演出中にカウントダウンされていく時間画像30の値をみることにより、時間演出が終了する将来的な時点を推測することができる。
【0029】
ただし、時間画像30の値は、時間演出が継続する現実の時間とは異なるものである。例えば、「300」の時間画像30を用いた時間演出は、必ず300秒継続するといったものではない。つまり、1秒経過毎に値を1減らすようにカウントダウンさせないこともある。また、時間演出においては小数点以下の数字が表示される等、保留表示20に表示される時間画像30の数字と時間演出において表示される数字の「桁」を異ならせる等操作を行ってもよい。つまり、保留表示20の一部として表示される時間画像30の態様と、時間演出において表示される時間画像30の態様は、両者が実質的に同種のものであるとみなされる限りにおいて異なっていてもよい。
【0030】
ただし、傾向として、時間画像30の値が大きくなればなるほど、時間演出が現実に継続する時間が長くなるように設定されている。例えば、「300」の時間画像30を用いた時間演出と、「500」の時間画像30を用いた時間演出とでは、後者の時間演出の方が継続する現実の時間は長くなりやすい。つまり、時間画像30が含む時間の値の大きさは、時間演出が継続する時間が長くなる蓋然性が高いかどうかを示す目安であるともいえる。また、後述するように、本実施形態における時間演出の結末として成功結末(遊技者に有利な結末)と失敗結末(遊技者に不利な結末)が設定されているところ、時間画像30の値が大きいほど成功結末となる蓋然性が高くなるように設定されている。つまり、遊技者にとっての保留表示20としての価値という観点で言えば、第一特殊態様21(最も低い)、第二特殊態様22、第三特殊態様23、第四特殊態様24(最も高い)の順で高くなるといえる。なお、本実施形態では、第四特殊態様24の保留表示20(「777」の時間画像30)が表示された場合、時間演出の結末が成功結末となることが確定するように設定されている。
【0031】
時間演出は、その結末により、遊技者に有利な事象が発生するか否かを示すものである。本実施形態では、特殊態様となった保留表示20に対応する当否抽選結果が大当たりとなる場合には時間画像30の結末が成功結末となり、はずれとなる場合には失敗結末となる構成である。なお、ここでいう成功結末には、一旦失敗結末となったかのようにみせかけ、それが覆されるいわゆる逆転演出の発生による結末を含む。このように、本実施形態では、時間演出の結末により当否抽選の結果が示される。ただし、これはあくまで一例である。例えば、時間演出の結末により、遊技者に有利なリーチ演出が発生するか否かを示す(時間演出の結末が信頼度を間接的に示す)構成としてもよい。
【0032】
以下、図4図6を参照して、かかる時間演出の具体的な態様を説明する。本実施形態における時間演出は、複数の単位操作演出により構成されるものである(図6参照)。なお、本実施形態では、必ず複数(二以上)の単位操作演出が発生するが、一の単位操作演出のみの発生で終了する時間演出が発生しうる設定としてもよい。
【0033】
単位操作演出は、遊技者に対して操作手段40(本実施形態では押しボタン)の操作を促す演出である(図4および図5参照)。単位操作演出中は、操作手段40の操作が有効となる操作有効期間が設定され、当該操作有効期間中における操作手段40の操作が演出上反映される。なお、本実施形態では、単位操作演出の長さと操作有効期間の長さは一致するように設定されている。
【0034】
本実施形態における時間演出は、表示装置91の表示領域911に演出上の物体が表示され、遊技者が当該物体の破壊というミッション達成に向けて操作手段40を操作するような態様の演出であり、各単位操作演出においては、遊技者に対して操作手段40を連続的に操作(いわゆる連打)するよう求め、一回の操作の度に物体が衝撃を受けたかのような映像が表示されることになる(図4および図5参照)。物体の破壊の程度が所定の状況まで終了した時点で、一回の単位操作演出が終了することになる。本実施形態では、物体の破壊の程度を数字(例えば初期値100%)で表している。当該数字が0になったときに物体の破壊が成功したことになる。各単位操作演出は、当該数字が所定の値となることにより完了する。例えば、最初の単位操作演出は開始時に100%であった値が50%となることにより完了し、二回目の単位操作演出は20%となったときに完了するものとされている。
【0035】
そして、最終的に物体の破壊に成功した場合を成功結末(図5(c)参照)、破壊までたどり着けなかった場合を失敗結末(図5(e)参照)としている。なお、成功結末となるか失敗結末となるかは、対象の当否抽選結果が大当たりかどうかによって決まっている(図5(c)〜(f)参照)。当否抽選結果が大当たりである場合には、操作手段40の操作回数が不足していた場合であっても強制的に成功結末に移行する。はずれである場合には、操作手段40の操作回数の多少にかかわらず成功結末に移行することはない。
【0036】
本実施形態では、単位操作演出(操作有効期間)が終了した後、所定のインターバル期間(操作手段40の操作が演出上反映されない期間。以下では操作非有効期間と称することもある)が設定され、その後次の単位操作演出が開始されることが一または複数回繰り返される(図6参照)。これが、時間演出の開始とともにカウントダウンされる時間画像30の値が0となるまで継続される。なお、本実施形態における上記インターバル期間(操作非有効期間)の長さ(現実の時間の長さ)は一定である。ただし、インターバル期間の長さがその都度変化しうる構成とすることを否定するわけではない。また、インターバル期間は、少なくとも、単位操作演出の長さ(単位操作演出の長さが変化しうる構成である場合には、最も短い単位操作演出の長さ)よりも短いものとされる。
【0037】
上述したように、時間演出の開始とともに、時間画像30の値は、カウントダウンされていく。つまり、時間画像30の値は、時間演出用に設定された演出上の仮想時間の初期値を示すものであるといえる。上記カウントダウンは、単位操作演出(操作有効期間)中のみ行われる。つまり、操作非有効期間中はカウントダウンが停止する。例えば、「300」の時間画像30が表示された状態から最初の単位操作演出が開始され、当該単位操作演出中にカウントダウンが進行して「229」で最初の単位操作演出が終了したとする(図4(a)〜(c)参照)。その場合、上記操作非有効期間(図4(d)参照)を経て開始される次の単位操作演出は、「229」からカウントダウンが開始されることになる(図4(e)参照)。そして、当該二回目の単位操作演出中に「229」からのカウントダウンが進行し(図4(e)〜(g)参照)、0にならなかった場合には、再び操作非有効期間(図4(h)参照)が設定されて、三回目の単位操作演出が開始される(図5(a)参照)ことになる。つまり、遊技者の視点でいえば、時間画像30の値が0とならない限り、新たな単位操作演出が発生するように設定されている。例えば二回目の操作演出の終了時点における時間画像30が「95」であった場合(図4(g)参照)には、三回目の単位操作演出では「95」からカウントダウンが進行する(図5(a)以降参照)ことになる。
【0038】
なお、図4図6において示す例は、三回目の単位操作演出まで移行した上で、成功結末または失敗結末に至る例であるが、それ以前の単位操作演出にて成功結末または失敗結末に至るケースも発生しうる。例えば、二回目の単位操作演出において時間画像30の値が0となって失敗演出に至るケースも発生しうる。
【0039】
このように、本実施形態では、ある単位操作演出(先の単位操作演出)が終了した時点(図4(c)、図4(g)に示す時点)における時間画像30の状況は、次の単位操作演出が開始される時点(図4(e)、図5(a)に示す時点)に引き継がれる。時間演出は時間画像30が0になるまで継続するものであるため、ある単位操作演出(先の単位操作演出)が終了した時点における時間画像30が示す値分、次の単位操作演出は必ず継続するということになる。例えば、上記例でいえば、二回目の単位操作演出は、「229」に相当する分、必ず継続することになる。したがって、先の単位操作演出がなるべく時間を残したまま完了すること(各単位操作演出において消費される時間が短くなること)を遊技者が願う演出態様となる。
【0040】
また、本実施形態では、時間演出の開始時に表示される時間画像30の初期態様は保留表示20の態様(本実施形態では第一特殊態様21〜第四特殊態様24のいずれか)に合わせて変化しうるものであって、時間画像30の値が多いほど時間演出が継続する時間が長くなる(長くなる印象を与える)構成であるため、遊技者は演出開始時に設定される時間、すなわち特殊態様の保留表示20が含む時間画像30の値が大きくなることを願うことになる。
【0041】
以下、上記実施形態にかかる遊技機1を改良、変形、具体化等した具体例を説明する。なお、以下の具体例を用いて説明する技術的事項を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
【0042】
・第一具体例
上記実施形態では、時間画像30が表示する値は、現実の時間とは異なるものであることを説明したが、現実の時間と一致させる構成としてもよい。つまり、「300」の時間画像30であれば、時間演出の長さ(単位操作演出の長さの総和)が300秒である設定としてもよい。すなわち、カウントダウンの速度と、現実の時間経過の速度を一致させてもよい。また、時間画像30が表示する値と現実の時間が一致することもあれば、一致しないこともある設定としてもよい。
【0043】
・第二具体例
時間演出を実行するのに要する現実の時間(操作非有効期間を除いた期間、すなわち複数の単位操作演出を実行するのに要する現実の時間のことをいう。以下同じ)は一定であってもよいし、その都度変化しうるものであってもよい。
【0044】
・第三具体例
時間演出として、演出を実行するのに要する現実の時間がX時間(Xは一定)であるものが設定されているとする。かかる時間演出(以下、対象時間演出と称する)に用いられる時間画像30(演出開始時に表示される初期の時間画像30)が、演出発生の度に変化しうる構成とする。例えば、「300」の時間画像30を用いた対象時間演出(第一演出パターン)が発生することもあれば、「500」の時間画像30を用いた対象時間演出(第二演出パターン)が発生することもある構成とする。
【0045】
この場合、第一演出パターンの対象時間演出におけるカウントダウンの速度(時間画像30の値の減少速度)と、第二演出パターンの対象時間演出におけるカウントダウンの速度を異ならせることで、いずれのパターンが発生した場合であっても、X時間にて時間演出が終了するようにする。つまり、第二パターンの方が初期の演出上の時間として表示される値が大きいのであるから、第一パターンよりもカウントダウンの速度を高める。このようにすることで、演出に要する現実の時間が全く同じ時間演出に対し、異なる種類の時間画像30が対応づけられる可能性が生じることになり、演出の幅が広がる。なお、各演出パターンの時間演出においてカウントダウンの速度は一定であることが好ましい。つまり、第一演出パターンと第二演出パターンを比較すればカウントダウンの速度は異なるものの、各演出パターンの時間演出においてカウントダウンの速度は途中で変化しないようにすることが好ましい。演出の途中でカウントダウンの速度が変化してしまうと、遊技者が違和感を覚えてしまうおそれがあるからである。
【0046】
・第四具体例
保留表示20として特殊態様が表示されているとき、その特殊態様が変化しうる構成とする(図7参照)。通常態様20nの保留表示20が特殊態様の保留表示20に変化しうる構成としてもよい。第一特殊態様21〜第四特殊態様24は、時間演出の発生だけでなく、大当たり信頼度を示唆するものであるといえるから、上記変化はいわゆる保留変化演出の一種であるということができる。態様の変化が発生しうるタイミングや、どのような演出にて態様を変化させるかといった点は、適宜設定することができるため説明を省略する。
【0047】
上記変化は、信頼度が高まる方向に限定されていることが好ましい。つまり、第一特殊態様21の場合は第二特殊態様22〜第四特殊態様24のいずれか、第二特殊態様22の場合は第三特殊態様23および第四特殊態様24のいずれか、第三特殊態様23は第四特殊態様24に変化しうる設定であり、いわゆる「格下げ」の方向への変化は発生しないようにされているとよい。本実施形態では、時間画像30が含む値の大きさが大きいほど高信頼度である設定とされているから、上記変化は時間画像30が含む値が大きくなる方向への変化に限定されていることが好ましいということでもある。また、通常態様20nの保留表示20が特殊態様の保留表示20に変化しうる構成とする場合には、全ての特殊態様は通常態様20nに比して信頼度が高いといえるから、通常態様20nの保留表示20が第一特殊態様21〜第四特殊態様24のいずれにも変化しうる設定とすればよい。
【0048】
また、保留表示20の態様として、第一特殊態様21〜第四特殊態様24以外の態様であって、通常態様20nとは異なる別の態様(通常態様20nよりも信頼度が高まったことを示す態様)が設定されている場合であっても、第一特殊態様21〜第四特殊態様24の保留表示20が上記通常態様20nや上記別の態様に変化することがないように設定されていることが好ましい。第一特殊態様21〜第四特殊態様24は、時間演出の発生を示唆するものであるから、一旦これらの特殊態様(時間画像30)が表示されたときには遊技者は時間演出の発生を期待してしまう。よって、遊技者の期待を裏切らないために、時間画像30を含む保留表示20が時間画像30を含まない保留表示20に変化することがないように設定されているとよい。
【0049】
・第五具体例
一の時間演出を構成する単位操作演出毎に演出の具体的態様が異なるものとする。例えば、単位操作演出毎に遊技者に求めるミッションが異なる、物体を破壊する武器が異なるといった構成とする。つまり、上記実施形態は時間演出全体により一つの演出形態が構築されるである一方、単位操作演出毎に演出形態が異なる構成としてもよい。
【0050】
・第六具体例
単位操作演出毎に、遊技者に対して促す操作手段40の操作態様が異なる可能性があるものとする(図8参照)。すなわち、上記実施形態は、各単位操作演出において遊技者に求める操作態様は操作手段40の「連打」で共通しているものであるが、各単位操作演出において遊技者に求める操作態様がその都度異なる場合がある構成としてもよい。操作態様としては、上記「連打」に加え、操作手段40を一回だけ操作する態様(一回操作)や、継続的な操作態様(いわゆる長押し)(図8(e)(f)参照)を例示することができる。
【0051】
各単位操作演出において遊技者に対して求める操作態様に応じて、遊技者に有利な遊技の進行となる蓋然性が示唆される構成としてもよい。例えば、ある単位操作演出の後、次の単位操作演出が発生する蓋然性(ある単位操作演出にて時間画像30が0となって時間演出の終了(失敗結末)に至らない蓋然性)は、当該ある単位操作演出において一回操作が求められたときよりも長押しが求められたときの方が高く、長押しが求められたときよりも連打が求められたときの方が高くなるよう設定されたものとする。これにより、遊技者は、どのような操作態様が求められるかにも注目することになる。
【0052】
また、各単位操作演出において遊技者に対して求める操作態様に応じて、単位操作演出が完了するまでに要する時間(時間画像30が表示する演出上の時間)の長短が示唆されるようにしてもよい。例えば、単位操作演出が完了するまでの時間は、一回操作が求められたときよりも長押しが求められたときの方が短く、長押しが求められたときよりも連打が求められたときの方が短くなりやすいよう設定されたものとする。上述したように、時間演出は、各単位操作演出において消費される時間がなるべく短くなることを遊技者が願う演出態様であるため、遊技者はどのような操作態様が求められるかにも注目することになる。
【0053】
・第七具体例(第六具体例をさらに限定した例)
各単位操作演出にて遊技者に求める操作手段40の操作態様は、操作手段40の連続的な操作(例えば連打)または継続的な操作(例えば長押し)に限定されていることが好ましい(図8参照)。各単位操作演出は、時間画像30の値がカウントダウンされていくものであるから、遊技者に残り時間を意識させる演出であるといえる。したがって、一回のみの単純な操作で完了するような操作態様ではなく、連続的な操作態様や継続的な操作態様を求める形態とすることが好ましい(残り時間が徐々に減っていく構成と操作手段40の連続的または継続的な操作態様が調和する)といえる。
【0054】
・第八具体例
複数種の操作手段40を備えた構成とする。なお、複数種の操作手段40を備えた遊技機自体は周知であるため、詳細な説明は省略する。各操作手段40は、操作態様が異なるものであることが好ましい。例えば、略上下方向に変位する操作手段(例:押しボタン)と、略前後方向に変位する操作手段(例:レバー)とを設けた構成とすることが考えられる。このような構成において、単位操作演出毎に遊技者に対して操作することを求める操作手段40の種類が変化し得る構成とする。
【0055】
この場合、遊技者に対して操作することを求める操作手段40の種類に応じて、遊技者に有利な遊技の進行となる蓋然性が示唆される設定とすることもできる。例えば、第一操作手段と第二操作手段という二種類の操作手段が設けられた構成とし、ある単位操作演出において、第一操作手段の操作を求める指示が出された場合よりも、第二操作手段の操作を求める指示が出された場合の方が、次の単位操作演出が発生しやすい(ある単位操作演出にて時間画像30が0となって時間演出の終了(失敗結末)に至る蓋然性が低い)設定とすることが考えられる。
【0056】
また、操作方法が複数設定された操作手段40を備えた構成において、同様の技術思想を適用することも可能である。すなわち、単位操作演出毎に遊技者に対して求める操作手段40の操作方法が異なるものとする。例えば、押圧操作かつ回転操作が可能なボタン状の操作手段40を備えた構成において、遊技者に対して押圧操作が求められる単位操作演出が発生することもあれば、回転操作が求められる単位操作演出が発生することもある設定とする。この場合においても、遊技者に対して求める操作態様の種類に応じて、遊技者に有利な遊技の進行となる蓋然性が示唆される設定とすることができる。
【0057】
・第九具体例
一の時間演出における単位操作演出の最大の発生回数は決まっていてもよいし、決まっていなくてもよい。例えば、単位操作演出の最大の発生回数が三回に設定されているとする。換言すれば、三回目の単位操作演出に移行し、当該単位操作演出にてカウントダウンされる時間画像30の値が0にならなければ成功結末になるという演出の形態である。この場合、単位操作演出の最大の発生回数が遊技者に把握できるような構成とすることが好ましい。例えば、一回目の単位操作演出においては「1/3」、二回目の単位操作演出においては「2/3」、一回目の単位操作演出においては「3/3」といった単位操作演出の最大回数と現在実行されている単位操作演出が何回目であるかを併せて示すような表示を行う(図9参照)。単位操作演出の最大回数の表示や、現在実行されている単位操作演出が何回目であるかの表示が単独でなされる構成としてもよい。
【0058】
単位操作演出の最大の発生回数が決まっていない構成である場合には、各単位操作演出にてカウントされる時間画像30の値が0とならずに単位操作演出が完了したとき、次の単位操作演出が新たに発生することになるのか、時間演出が完了したということ(成功結末)なのか即座には分からない演出の形態となる。つまり、遊技者は、次の単位操作演出が発生せずに成功結末となることを願う構成となる。
【0059】
・第十具体例
上記実施形態における時間演出(単位操作演出)は、遊技者に対して操作手段40の操作を促す演出であることを説明したが、操作手段40の操作が促されない演出(操作手段を利用しない演出)としてもよい。例えば、時間演出は、複数の単位演出から構成される演出とし、各単位演出は遊技者が関与せずに自動的に進行していく演出とする。当該単位演出が実行されているときに、時間画像30の値のカウントダウンが進行する。単位演出間には、カウントダウンが停止する期間が設定される。このように、遊技者が関与せずに自動的に進行する演出に対しても、上記実施形態と同様の技術思想を適用することが可能である。ただし、時間演出が終了するまでの時間画像30の表示は、遊技者の演出への関与を促進させるという側面があることから、上記実施形態のように操作手段40を介して遊技者を演出に関与させようとする演出態様において特に有効であるといえる。
【0060】
・第十一具体例
上記実施形態における時間演出は、保留表示20が特殊態様となった場合に対応する報知演出中に発生するものであることを説明したが、保留表示20に関係なく、上記実施形態と同様の時間演出が発生する構成としてもよい。つまり、上記実施形態では、特殊態様の保留表示20が含む時間画像30は、時間演出が開始される時点での残り時間を前もって予告するものであるといえるところ、このような予告がなされずに上記実施形態と同様の時間演出が発生する構成としてもよい。
【0061】
・第十二具体例
上記実施形態における時間演出(単位操作演出)は、演出の経過(操作非有効期間を除く)とともに時間画像30の値が減少していく(カウントダウンされていく)構成であることを説明したが、演出の経過とともに時間画像30の値が増加していく(カウントアップされていく)構成としてもよい(図10参照)。かかる構成とする場合であっても、単操作演出終了時点における時間画像30の状況(値)が、次の単位操作演出の開始時における時間画像30の状況(値)として設定されるようにすればよい。
【0062】
・第十三具体例(第十二具体例をさらに具体化した例)
上記のように、時間演出(単位操作演出)の経過とともに時間画像30の値がカウントアップされていく構成とする場合には、特殊態様となった保留表示20が含む時間画像30の値が、カウントアップの終了時点を示す演出形態とすることができる。例えば、「300」の時間画像30を含む特殊態様の保留表示20が表示されたとき、それに対応する時間演出はカウントアップの限度が「300」となる設定とする。つまり、時間演出(最初の単位操作演出)の開始から時間がカウントアップされていき、「300」となる時点までは継続する(途中で成功結末に至って終了する場合を除く)構成とすることができる(図10参照)。このような構成とする場合であっても、特殊態様の保留表示20が含む時間画像30の値が大きければ大きいほど、時間演出が長く継続しやすい設定とすることができる。
【0063】
なお、時間演出(最初の単位操作演出)の開始時に表示される時間画像30の値(初期値)は0であること(0からカウントアップされるようにすること)が好ましい。ただし、0でない初期値が発生しうる演出形態とすることを否定するものではない。0を超える初期値を発生させた場合、特殊態様の保留表示20によって示されたカウントアップの限度までの数値範囲が小さくなることから、時間演出の継続する時間が短くなったかのような印象を与えることができる。
【0064】
・第十四具体例
上記実施形態では、単位操作演出の長さと操作有効期間の長さは一致するように設定されていることを説明したが、単位操作演出の一部が操作有効期間として設定された構成としてもよい。この場合、時間画像30の変化(カウントダウン)は、操作有効期間中にのみ生じるような設定とすることが好ましい。つまり、遊技者による操作手段40の操作が有効となる時間が、カウントダウンによって減少していくような演出形態とすることが好ましい。ただし、単位操作演出中であって操作有効期間でない期間中もカウントダウンが生じる構成とすることを否定するわけではない。
【0065】
・第十五具体例
上記実施形態における時間画像30は、時間を表す数字(値)を含むものであることを説明したが、時間の長さを視覚的に示すもの(例えば、時間の経過とともに増減するようなメータ)としてもよい。ただし、数字の変化によって時間変化が表される構成とした方が、ある単位操作演出の終了時点における時間画像30の状況が、次の単位操作演出の開始時点に引き継がれる演出形態であるということが分かりやすいという利点がある。
【0066】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【0067】
上記実施形態にかかる遊技機1はいわゆるぱちんこ遊技機であるが、回動式遊技機等のその他の遊技機に対しても同様の技術思想を適用することができる。例えば、上記実施形態(およびその具体例)を用いて説明した技術思想であって、ぱちんこ遊技機特有の技術である保留表示20を利用した部分以外の部分については、その他の遊技機に対しても適用することができる。
【0068】
上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
【0069】
○手段1
遊技者が操作可能な操作手段と、
遊技者に対して前記操作手段の操作を促し、当該操作手段の操作が有効となる操作有効期間が設定される複数の単位操作演出が連続的に発生する演出であって、当該単位操作演出間に前記操作手段の操作が無効となる操作非有効期間が設定される連続操作演出を実行する演出実行手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、操作手段の操作が有効となる期間が終了したと思わせつつ、再び操作手段の操作が有効となる期間が訪れるという趣向性に優れた演出形態を実現することが可能である。
【0070】
○手段2
前記連続操作演出において、前記単位操作演出の経過とともに変化する時間画像が表示され、
ある単位操作演出が終了したときにおける前記時間画像の状況が、次の単位操作演出が開始されるときに引き継がれることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
このような構成とすれば、ある単位操作演出(先の単位操作演出)と次の単位操作演出が継続性のあるものであると遊技者に認識させることが可能である。すなわち、一つ一つの単位操作演出の関係性が希薄なものとなることによる演出の趣向性の低下を抑制することが可能である。
【0071】
○手段3
前記時間画像は、前記単位操作演出の経過とともに時間を示す値が減少していくものであり、
ある単位操作演出が終了したときにおける前記時間画像が示す時間の値が、次の単位操作演出が開始されるときにおける値として設定されることを特徴とする手段2に記載の遊技機。
このような構成とすれば、ある単位操作演出(先の単位操作演出)が完了するまでの時間が短いほど、次の単位操作演出の残り時間が多くなるものとなるから、単位操作演出に対する遊技者の積極的な関与(積極的な操作手段の操作)を促すことが可能となる。
【0072】
○手段4
遊技者に有利な結末が発生しない場合には前記時間画像の時間を示す値が0とならない限り、新たな単位操作演出が開始されるように構成されていることを特徴とする手段3に記載の遊技機。
このような構成とすれば、時間画像の時間を示す値が0となるまで遊技者の積極的な関与(積極的な操作手段の操作)を促すことが可能となる。
【0073】
○手段5
一の前記連続操作演出における、最初の単位操作演出の開始時に示される時間画像の初期態様は、前記連続操作演出の発生の度に変化する可能性があることを特徴とする手段2から手段4のいずれかに記載の遊技機。
このような構成とすれば、最初に表示される時間画像の初期態様にも注目させる演出形態とすることができるため、演出の趣向性向上に資する。
【0074】
○手段6
前記単位操作演出は、遊技者に対して前記操作手段の連続的または継続的な操作を促すものであることを特徴とする手段1から手段5のいずれかに記載の遊技機。
このような構成とすれば、演出に対する遊技者の積極的な関与を促すことが可能となる。特に、演出の経過とともに時間画像が変化するという構成である場合には、当該演出の経過とともに変化する時間(時間画像)と、操作手段40の連続的または継続的な操作態様が調和する演出形態とすることが可能である。
【符号の説明】
【0075】
1 遊技機
20 保留表示
21 第一特殊態様
22 第二特殊態様
23 第三特殊態様
24 第四特殊態様
30 時間画像
40 操作手段
91 表示装置
911 表示領域
【要約】
【課題】操作手段を利用した演出の趣向性を向上させることが可能な遊技機を提供すること。
【解決手段】遊技者が操作可能な操作手段40と、遊技者に対して前記操作手段40の操作を促し、当該操作手段40の操作が有効となる操作有効期間が設定される複数の単位操作演出が連続的に発生する演出であって、当該単位操作演出間に前記操作手段40の操作が無効となる操作非有効期間が設定される連続操作演出を実行する演出実行手段と、を備える遊技機1とする。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10