【実施例】
【0032】
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。実施例中に示した特性は以下の方法で測定した。
【0033】
(圧力損失)
濾材をダクト内に設置し、空気濾過速度が31cm/秒になるよう大気を通気させ、濾材の上流、下流の静圧差を差圧計にて読み取り、圧力損失(Pa)を測定した。
【0034】
(0.3μm粒子捕集効率)
濾材をダクト内に設置し、空気濾過速度が16cm/秒になるよう大気を通気させ、濾材の上流、下流の0.3〜0.5μm粒子の個数濃度をパーティクルカウンターにて計測し、次式にて粒子捕集効率を算出した。
粒子捕集効率(%)=[1−(下流側濃度/上流側濃度)]×100
【0035】
(接着強度)
上流側、下流側の基材層間の平均剥離強度を測定。試験片のサイズは巾50mm、長さ200mmとして、引張強度100mm/分として実施。
【0036】
(剛性)
JIS L−1096 A法(ガーレ法)に準拠し、MD方向の剛軟度を測定した。
【0037】
(トルエン除去効率)
濾材をダクト内に設置し、空気濾過速度が16cm/秒になるよう大気を通気させ、濾材の上流側の濃度が80ppmになるようにトルエンガスを注入する。測定開始から1分後の上下流側濃度を炭化水素計にて測定し、次式にてトルエンガスの初期除去効率を算出した。
トルエン除去効率(%)=[1−(下流側濃度/上流側濃度)]×100
【0038】
(圧力損失)
フィルターをダクト内に設置し、空気濾過速度が31cm/秒になるよう大気を通気させ、フィルターの上流、下流の静圧差を差圧計にて読み取り、圧力損失(Pa)を測定した。
【0039】
(ASHRAE粉塵保持量)
フィルターをダクト内に設置し、空気濾過速度が31cm/秒になるように大気を通気させ、フィルター上流側からASHRAE粉塵を1.0g/m
3の濃度にて負荷し、圧力損失が200Paになるまで粉塵を負荷した。この時の試験時間中に投入した粉塵保持量を計測し、粉塵保持量(g/個)とした。
【0040】
〔実施例1〕
ポリプロピレン繊維(2.2dtex、51mm)と、ポリエステル繊維(1.7dtex、44mm)を1:1の重量比で混綿、カーディングして目付25g/m
2の混繊ウェブを作製後、3MPaの高圧水を連続的に噴霧して交絡、乾燥し、混繊シートを作成した。この混繊シートに、目付12g/m
2のポリエステル(芯)/ポリエチレン(鞘)で構成される芯鞘型複合熱融着系長繊維(繊維径30μm)からなる不織布を、ニードルパンチにより積層一体化し、さらに摩擦帯電を行い、エレクトレット積層シートを得た。
得られたエレクトレット積層シートの熱融着系長繊維からなる不織布側へ、平均粒径550μmのヤシガラ活性炭および熱可塑性粉末樹脂として住友精化製フロービーズEA209の重量比1:0.1の混合粉末を目付220g/m
2になるように散布し、さらに上から基材層として目付77g/m
2のサーマルボンド不織布を重ね合わせ、140℃の加熱処理にてシート化を行なった。この濾材をプリーツ機にて山高さ28mm、ピッチ6mmのプリーツ状に加工し、外形200mm×200mmのフィルターを作製した。
得られた濾材及びフィルターの各種測定結果を表1に記載した。
【0041】
〔実施例2〕
ポリプロピレン繊維(2.2dtex、51mm)と、ポリエステル繊維(1.7dtex、44mm)を1:1の重量比で混綿、カーディングして目付25g/m
2の混繊ウェブを作製後、3MPaの高圧水を連続的に噴霧して交絡、乾燥し、混繊シートを作成した。この混繊シートに、目付12g/m
2のポリエステル(芯)/ポリエチレン(鞘)で構成される芯鞘型複合熱融着系長繊維(繊維径30μm)からなる不織布を、ニードルパンチにより積層一体化し、さらに摩擦帯電を行い、エレクトレット積層シートを得た。
得られたエレクトレット積層シートの熱融着系長繊維からなる不織布側へ、平均粒径550μmのヤシガラ活性炭および熱可塑性粉末樹脂として住友精化製フロービーズEA209の重量比1:0.05の混合粉末を目付210g/m
2になるように散布し、さらに上から基材層として目付77g/m
2のサーマルボンド不織布を重ね合わせ、140℃の加熱処理にてシート化を行なった。
この濾材をプリーツ機にて山高さ28mm、ピッチ6mmのプリーツ状に加工し、外形200mm×200mmのフィルターを作製した。
得られた濾材及びフィルターの各種測定結果を表1に記載した。
【0042】
〔実施例3〕
ポリプロピレン繊維(2.2dtex、51mm)と、ポリエステル繊維(1.7dtex、44mm)を1:1の重量比で混綿、カーディングして目付15g/m
2の混繊ウェブを作製後、3MPaの高圧水を連続的に噴霧して交絡、乾燥し、混繊シートを作成した。この混繊シートに、目付12g/m
2のポリエステル(芯)/ポリエチレン(鞘)で構成される芯鞘型複合熱融着系長繊維(繊維径30μm)からなる不織布を、ニードルパンチにより積層一体化し、さらに摩擦帯電を行い、エレクトレット積層シートを得た。
得られたエレクトレット積層シートの熱融着系長繊維からなる不織布側へ、平均粒径550μmのヤシガラ活性炭および熱可塑性粉末樹脂として住友精化製フロービーズEA209の重量比1:0.05の混合粉末を目付315g/m
2になるように散布し、さらに上から基材層として目付77g/m
2のサーマルボンド不織布を重ね合わせ、140℃の加熱処理にてシート化を行なった。
この濾材をプリーツ機にて山高さ28mm、ピッチ6mmのプリーツ状に加工し、外形200mm×200mmのフィルターを作製した。
得られた濾材及びフィルターの各種測定結果を表1に記載した。
【0043】
〔実施例4〕
ポリプロピレン繊維(2.2dtex、51mm)と、ポリエステル繊維(1.7dtex、44mm)を1:1の重量比で混綿、カーディングして目付45g/m
2の混繊ウェブを作製後、3MPaの高圧水を連続的に噴霧して交絡、乾燥し、混繊シートを作成した。この混繊シートに、目付20g/m
2のポリエステル(芯)/ポリエチレン(鞘)で構成される芯鞘型複合熱融着系長繊維(繊維径30μm)からなる不織布を、ニードルパンチにより積層一体化し、さらに摩擦帯電を行い、エレクトレット積層シートを得た。
得られたエレクトレット積層シートの熱融着系長繊維からなる不織布側へ、平均粒径550μmのヤシガラ活性炭および熱可塑性粉末樹脂として住友精化製フロービーズEA209の重量比1:0.05の混合粉末を目付315g/m
2になるように散布し、さらに上から基材層として目付77g/m
2のサーマルボンド不織布を重ね合わせ、140℃の加熱処理にてシート化を行なった。
この濾材をプリーツ機にて山高さ28mm、ピッチ6mmのプリーツ状に加工し、外形200mm×200mmのフィルターを作製した。
得られた濾材及びフィルターの各種測定結果を表1に記載した。
【0044】
〔実施例5〕
ポリプロピレン繊維(2.2dtex、51mm)と、ポリエステル繊維(1.7dtex、44mm)を1:1の重量比で混綿、カーディングして目付45g/m
2の混繊ウェブを作製後、3MPaの高圧水を連続的に噴霧して交絡、乾燥し、混繊シートを作成した。この混繊シートに、目付12g/m
2のポリエステル(芯)/ポリエチレン(鞘)で構成される芯鞘型複合熱融着系長繊維(繊維径30μm)からなる不織布を、ニードルパンチにより積層一体化し、さらに摩擦帯電を行い、エレクトレット積層シートを得た。
得られたエレクトレット積層シートの熱融着系長繊維からなる不織布側へ、平均粒径550μmのヤシガラ活性炭および熱可塑性粉末樹脂として住友精化製フロービーズEA209の重量比1:0.05の混合粉末を目付315g/m
2になるように散布し、さらに上から目付77g/m
2のサーマルボンド不織布を重ね合わせ、140℃の加熱処理にてシート化を行なった。
この濾材をプリーツ機にて山高さ28mm、ピッチ6mmのプリーツ状に加工し、外形200mm×200mmのフィルターを作製した。
得られた濾材及びフィルターの各種測定結果を表1に記載した。
【0045】
〔実施例6〕
ポリプロピレン繊維(2.2dtex、51mm)と、ポリエステル繊維(1.7dtex、44mm)を1:1の重量比で混綿、カーディングして目付25g/m
2の混繊ウェブを作製後、3MPaの高圧水を連続的に噴霧して交絡、乾燥し、混繊シートを作成した。この混繊シートに、目付12g/m
2のポリエステルとポリエチレンで構成されるサイドバイサイド型複合熱融着系長繊維(繊維径30μm)からなる不織布を、ニードルパンチにより積層一体化し、さらに摩擦帯電を行い、エレクトレット積層シートを得た。
得られたエレクトレット積層シートの熱融着系長繊維からなる不織布側へ、平均粒径550μmのヤシガラ活性炭および熱可塑性粉末樹脂として住友精化製フロービーズEA209の重量比1:0.1の混合粉末を目付220g/m
2になるように散布し、さらに上から目付77g/m
2のサーマルボンド不織布を重ね合わせ、140℃の加熱処理にてシート化を行なった。
この濾材をプリーツ機にて山高さ28mm、ピッチ6mmのプリーツ状に加工し、外形200mm×200mmのフィルターを作製した。
得られた濾材及びフィルターの各種測定結果を表1に記載した。
【0046】
〔実施例7〕
ポリプロピレン繊維(2.2dtex、51mm)と、ポリエステル繊維(1.7dtex、44mm)を1:1の重量比で混綿、カーディングして目付25g/m
2の混繊ウェブを作製後、3MPaの高圧水を連続的に噴霧して交絡、乾燥し、混繊シートを作成した。この混繊シートに、目付35g/m
2のポリエステル(芯)/ポリエチレン(鞘)で構成される芯鞘型複合熱融着系長繊維(繊維径30μm)からなる不織布を、ニードルパンチにより積層一体化し、さらに摩擦帯電を行い、エレクトレット積層シートを得た。
得られたエレクトレット積層シートの熱融着系長繊維からなる不織布側へ、平均粒径550μmのヤシガラ活性炭および熱可塑性粉末樹脂として住友精化製フロービーズEA209の重量比1:0.1の混合粉末を目付220g/m
2になるように散布し、さらに上から目付77g/m
2のサーマルボンド不織布を重ね合わせ、140℃の加熱処理にてシート化を行なった。
この濾材をプリーツ機にて山高さ28mm、ピッチ6mmのプリーツ状に加工し、外形200mm×200mmのフィルターを作製した。
得られた濾材及びフィルターの各種測定結果を表1に記載した。
【0047】
〔実施例8〕
ポリプロピレン繊維(2.2dtex、51mm)と、ポリエステル繊維(1.7dtex、44mm)を1:1の重量比で混綿、カーディングして目付25g/m
2の混繊ウェブを作製後、3MPaの高圧水を連続的に噴霧して交絡、乾燥し、混繊シートを作成した。この混繊シートに、目付12g/m
2のポリエステル(芯)/ポリエチレン(鞘)で構成される芯鞘型複合熱融着系長繊維(繊維径30μm)からなる不織布を、ニードルパンチにより積層一体化し、さらに摩擦帯電を行い、エレクトレット積層シートを得た。
得られたエレクトレット積層シートの熱融着系長繊維からなる不織布側へ、平均粒径550μmのヤシガラ活性炭および熱可塑性粉末樹脂として住友精化製フロービーズEA209の重量比1:0.1の混合粉末を目付440g/m
2になるように散布し、さらに上から目付77g/m
2のサーマルボンド不織布を重ね合わせ、140℃の加熱処理にてシート化を行なった。
この濾材をプリーツ機にて山高さ28mm、ピッチ6mmのプリーツ状に加工し、外形200mm×200mmのフィルターを作製した。
得られた濾材及びフィルターの各種測定結果を表1に記載した。
【0048】
〔比較例1〕
ポリプロピレン繊維(2.2dtex、51mm)と、ポリエステル繊維(1.7dtex、44mm)を1:1の重量比で混綿、カーディングして目付25g/m
2の混繊ウェブを作製後、3MPaの高圧水を連続的に噴霧して交絡、乾燥し、混繊シートを作成した。この混繊シートをニードルパンチにて繊維同士を摩擦させ、エレクトレット処理を行なった。
得られたエレクトレット不織布へ、平均粒径550μmのヤシガラ活性炭および熱可塑性粉末樹脂として住友精化製フロービーズEA209の重量比1:0.1の混合粉末を目付220g/m
2になるように散布し、さらに上から基材層として目付77g/m
2のサーマルボンド不織布を重ね合わせ、140℃の加熱処理にてシート化を行なった。
この濾材をプリーツ機にて山高さ28mm、ピッチ6mmのプリーツ状に加工し、外形200mm×200mmのフィルターを作製した。
得られた濾材及びフィルターの各種測定結果を表1に記載した。
【0049】
〔比較例2〕
ポリプロピレン繊維(2.2dtex、51mm)と、ポリエステル繊維(1.7dtex、44mm)を1:1の重量比で混綿、カーディングして目付25g/m
2の混繊ウェブを作製後、3MPaの高圧水を連続的に噴霧して交絡、乾燥し、混繊シートを作成した。この混繊シートをニードルパンチにて繊維同士を摩擦させ、エレクトレット処理を行なった。
得られたエレクトレット不織布へ、平均粒径550μmのヤシガラ活性炭および熱可塑性粉末樹脂として住友精化製フロービーズEA209の重量比1:0.2の混合粉末を目付240g/m
2になるように散布し、さらに上から基材層として目付77g/m
2のサーマルボンド不織布を重ね合わせ、140℃の加熱処理にてシート化を行なった。
この濾材をプリーツ機にて山高さ28mm、ピッチ6mmのプリーツ状に加工し、外形200mm×200mmのフィルターを作製した。
得られた濾材及びフィルターの各種測定結果を表1に記載した。
【0050】
〔比較例3〕
ポリプロピレン繊維(2.2dtex、51mm)と、ポリエステル繊維(1.7dtex、44mm)を1:1の重量比で混綿、カーディングして目付25g/m
2の混繊ウェブを作製後、3MPaの高圧水を連続的に噴霧して交絡、乾燥し、混繊シートを作成した。この混繊シートに、目付12g/m
2の低融点ポリエステル(繊維径30μm)からなる不織布を、ニードルパンチにより積層一体化し、さらに摩擦帯電を行い、エレクトレット積層シートを得た。
得られたエレクトレット積層シートの熱融着系長繊維からなる不織布側へ、平均粒径550μmのヤシガラ活性炭および熱可塑性粉末樹脂として住友精化製フロービーズEA209の重量比1:0.1の混合粉末を目付220g/m
2になるように散布し、さらに上から目付77g/m
2のサーマルボンド不織布を重ね合わせ、140℃の加熱処理にてシート化を行なった。
この濾材をプリーツ機にて山高さ28mm、ピッチ6mmのプリーツ状に加工し、外形200mm×200mmのフィルターを作製した。
得られた濾材及びフィルターの各種測定結果を表1に記載した。
【0051】
【表1】