【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 掲載年月日/平成28年10月31日 掲載アドレス/ https://blog.openlogi.com/page/2/ https://www.openlogi.com/
【文献】
通信販売システム BISHELP−MO 概説書APP−A−882−10,日本,株式会社日立製作所,1992年 9月 1日,第2版,pp.9-11
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明の実施の形態による倉庫管理サーバ及び倉庫管理方法は、以下のような構成を備える。
[項目1]
ネットワークを介して、少なくとも倉庫端末と通信可能に接続された倉庫管理サーバであって、
対象物が入荷された後に、当該対象物のサイズ情報を含む荷物情報を前記倉庫端末から取得する取得部と、
前記倉庫内の保管場所毎に少なくとも使用領域情報又は未使用領域情報のいずれかを関連付けて管理する保管場所情報を含むロケーションデータベースを参照する参照部と、
少なくとも取得した前記荷物情報と前記ロケーションデータベースの参照結果とに基づいて、前記対象物の保管場所を選定する選定部と、
選定された保管場所に関する保管場所情報を前記倉庫端末に送信する送信部とを備える、
倉庫管理サーバ。
[項目2]
項目1に記載の倉庫管理サーバであって、
ネットワークを介して更にユーザ端末と通信可能に接続され、
前記受付部は、前記対象物の少なくとも入庫前に、前記ユーザ端末から当該対象物に関する出庫予約を更に受け付けるものであり、
前記送信部は、前記対象物が入庫された後に、前記出庫予約に基づいて前記倉庫端末に出庫指示を送信する、
倉庫管理サーバ。
[項目3]
項目2に記載の倉庫管理サーバであって、
前記保管場所情報は、前記保管場所毎に更に出庫予約優先フラグを関連付けて管理しており、
前記選定部は、当該対象物に関して前記出庫予約がなされている場合には、前記出庫予約優先フラグが関連付けられている前記保管場所の中から当該対象物の前記保管場所を選定する、
倉庫管理サーバ。
[項目4]
項目3に記載の倉庫管理サーバであって、
前記選定部は、複数種の前記対象物に関して同一の前記出庫予約がなされている場合には、前記出庫予約優先フラグが関連付けられている前記保管場所であって複数種の前記対象物同士の距離が最短となるように前記保管場所を選定する、
倉庫管理サーバ。
[項目5]
項目2乃至項目4のいずれかに記載の倉庫管理サーバであって、
前記保管場所情報は、使用領域情報又は未使用領域情報に少なくとも日付情報を関連付けて管理しており、
前記出庫予約を受け付けた際に、当該出庫予約に関する出庫日に基づいて前記日付情報を更新する更新部を更に備える、
倉庫管理サーバ。
[項目6]
項目2乃至項目5のいずれかに記載の倉庫管理サーバであって、
前記受付部は、前記ユーザ端末からの出庫依頼として出庫指示又は出庫予約のいずれかを受付けるものであり、かつ、前記対象物の在庫数量を超過した数量の出庫依頼を受け付けた場合に当該出庫依頼を前記出庫予約として受け付ける、
倉庫管理サーバ。
[項目7]
項目1乃至項目6のいずれかに記載の倉庫管理サーバであって、
前記保管場所情報は、少なくとも当該保管場所毎の保管場所容積情報及び使用領域容積情報を関連付けて管理するものであり、
前記選定部は、少なくとも前記保管場所容積情報及び前記使用領域容積情報とに基づいて算出される保管場所充填率に基づいて前記対象物を保管すべき前記保管場所を評価し、当該評価に基づいて前記対象物の保管場所を選定する、
倉庫管理サーバ。
[項目8]
項目7に記載の倉庫管理サーバであって、
前記選定部は、前記評価を前記荷物情報に基づいて補正して得た補正後評価に基づいて前記対象物の保管場所を選定する、
倉庫管理サーバ。
[項目9]
項目1乃至項目8のいずれかに記載の倉庫管理サーバであって、
前記ロケーションデータベースは、前記倉庫毎に前記保管場所情報を有しており、
前記選定部は、少なくとも取得した前記荷物情報と前記ロケーションデータベースの参照結果とに基づいて、前記対象物の保管倉庫を選定する、
倉庫管理サーバ。
[項目10]
ネットワークを介して、少なくとも倉庫端末及びユーザ端末と通信可能に接続された倉庫管理サーバであって、
前記ユーザ端末から当該対象物のサイズ情報を含む入荷依頼を受け付ける受付部と、
前記倉庫内の保管場所毎に少なくとも使用領域情報又は未使用領域情報のいずれかを関連付けて管理する保管場所情報を含むロケーションデータベースを参照する参照部と、
少なくとも取得した前記サイズ情報と前記ロケーションデータベースの参照結果とに基づいて、前記対象物の保管場所を選定する選定部と、
選定された保管場所に関する保管場所情報を前記倉庫端末に送信する送信部とを備える、
倉庫管理サーバ。
[項目11]
ネットワークを介して、少なくとも倉庫端末及びユーザ端末と通信可能に接続された倉庫管理サーバを利用した倉庫管理方法であって、
前記倉庫端末が:
前記対象物が入荷された後に当該対象物のサイズ情報を含む荷物情報を取得するステップ;を含み、
倉庫管理サーバが:
前記倉庫内の保管場所毎に少なくとも使用領域情報又は未使用領域情報のいずれかを関連付けて管理する保管場所情報を含むロケーションデータベースを参照するステップと;
少なくとも取得した前記荷物情報と前記ロケーションデータベースの参照結果とに基づいて、前記対象物の保管場所を選定するステップと;
選定された保管場所に関する保管場所情報を前記倉庫端末に送信するステップと;
を含む
倉庫管理方法。
[項目12]
ネットワークを介して、少なくとも倉庫端末と通信可能に接続された倉庫管理サーバを、
対象物が入荷された後に、当該対象物のサイズ情報を含む荷物情報を前記倉庫端末から取得する取得部、
前記倉庫内の保管場所毎に少なくとも使用領域情報又は未使用領域情報のいずれかを関連付けて管理する保管場所情報を含むロケーションデータベースを参照する参照部、
少なくとも取得した前記荷物情報と前記ロケーションデータベースの参照結果とに基づいて、前記対象物の保管場所を選定する選定部、
選定された保管場所に関する保管場所情報を前記倉庫端末に送信する送信部、
として機能させる、
倉庫管理プログラム。
【0011】
<実施の形態の詳細>
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態による倉庫管理サーバ及び倉庫管理方法によって実現される倉庫管理システムついて、図面を参照しながら説明する。
【0012】
<概要>
本発明による倉庫管理システムは、荷物の属性(サイズ情報、内容物、オーナ情報等)に応じて、当該荷物の倉庫内における配置を最適化し、倉庫管理を効率化するものである。なお、以下の説明においては、「入荷」「入庫」「出庫」「出荷」という言葉を以下のように使い分けることがあるが、言葉の定義はこれに限定されず、「入荷」及び「入庫」を同義とし、「出庫」及び「出荷」を同義としてとらえたとしても本発明の機能・構成・効果には影響はない
「入荷」:荷物を倉庫に搬入すること
「入庫」:搬入された荷物に対して(検品を行う場合には、検品が完了した後に)倉庫内のしかるべき場所(棚、パレットなど:「保管場所」ということもある)に保管すること
「出庫」:保管場所から荷物を取り出す(ピッキングする)こと
「出荷」:取り出された荷物に対して(検品を行う場合には、検品が完了した後に)しかるべき配送を行うこと
【0013】
<構成>
図1に示されるように、本実施の形態による倉庫管理システムは、倉庫管理サーバ1と、ユーザが有するユーザ端末2と、倉庫作業者が有する倉庫端末3とを含んでいる。
【0014】
倉庫管理サーバ1と、ユーザ端末2と、倉庫端末3とは、ネットワーク4を介して互いに通信可能に接続されたクライアント・サーバモデルのシステムである。なお、ユーザ端末2と倉庫端末3とは直接的には接続されていない。本実施の形態によるネットワーク4は、携帯電話機やスマートフォン等に対するキャリアネットワークと、IPベースのコンピュータネットワークとを含む。ここでは、コンピュータネットワークは、相互に接続されたIPネットワークによって構築されたインターネットを含む広い概念で用いられている。また、コンピュータネットワークは、図示されていない無線基地局(例えばWiFi)によって構築される無線ネットワークを含んでも良い。キャリアネットワークとIPネットワークとは、例えば、ゲートウェイ等を介して接続されるが、これに限られるものではない。
【0015】
<ハードウェア構成>
図2乃至
図4を夫々参照して、倉庫管理サーバ1と、ユーザ端末2と、倉庫端末3のハードウェア構成について説明する。
【0016】
倉庫管理サーバ1は、倉庫管理システムを通じてサービスを提供するための情報処理装置であり、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
図2に示されるように、倉庫管理サーバ1は、プロセッサ10、メモリ11、ストレージ12、通信インタフェース(IF)13、および入出力部14等を備え、これらはバス15を通じて相互に電気的に接続される。
【0017】
プロセッサ10は、倉庫管理サーバ1全体の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御、およびアプリケーションの実行に必要な情報処理等を行う演算装置である。例えばプロセッサ10はCPU(Central Processing Unit)であり、ストレージ12に格納されメモリ11に展開されたプログラム等を実行して各情報処理を実施する。
【0018】
メモリ11は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶と、フラッシュメモリやHDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶と、を含む。メモリ11は、プロセッサ10のワークエリア等として使用され、また、倉庫管理サーバ1の起動時に実行されるBIOS(Basic Input / Output System)、および各種設定情報等を格納する。ストレージ12は、アプリケーション・プログラム、およびユーザの認証プログラム等の各種プログラムを格納する。各処理に用いられるデータを格納したデータベース(後述するロケーションデータベース等)がストレージ12に構築されていてもよい。
【0019】
ユーザ端末2は、倉庫管理システムを通じてサービスの提供を受けるための情報処理装置であり、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、スマートフォン、PDA、タブレット型コンピュータ等のデバイス等タッチパネルを備える端末としてもよい。
図3に示されるように、ユーザ端末2は、プロセッサ20、メモリ21、ストレージ22、通信インタフェース(IF)23、および入出力部24等を備え、これらはバス25を通じて相互に電気的に接続される。
【0020】
通信インタフェース23は、ユーザ端末2をネットワーク4に接続し、倉庫管理サーバ20及び倉庫端末3との通信を行う。入出力部24は、マウスやキーボード等の情報入力機器、およびディスプレイ等の出力機器である。バス25は、上記各要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号および各種制御信号を伝達する。
【0021】
プロセッサ20は、ユーザ端末2の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御、およびプリケーションの実行に必要な処理等を行う演算装置である。例えばプロセッサ20はCPUおよび/またはGPU(Graphical Processing Unit)等であり、ストレージ22に格納されメモリ21に展開されたプログラム等を実行することによって、必要な各情報処理を実施する。
【0022】
メモリ21は、RAMなどの揮発性記憶装置で構成される主記憶と、フラッシュメモリやHDD等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶と、を含む。メモリ21はプロセッサ20のワークエリア等として使用され、また、ユーザ端末2の起動時に実行されるBIOS、および各種設定情報等が格納される。ストレージ22には、アプリケーション・プログラム等が格納される。
【0023】
通信インタフェース23は、ユーザ端末2をネットワーク4に接続し、倉庫管理サーバ1と通信を行う。また、通信インタフェース23には、Bluetooth(登録商標)およびBLE(Bluetooth Low Energy)の近距離通信インタフェースも含まれる。バス25は、上記の各要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号、および各種制御信号を伝達する。
【0024】
倉庫端末3は、主に、タッチパネルを有するデバイスを想定しているがこれに限られない。倉庫端末3は、プロセッサ30、メモリ31、ストレージ32、通信インタフェース33、撮像部34、およびタッチパネル35等を備え、バス36を介して相互に電気的に接続される。
【0025】
プロセッサ30は、倉庫端末3の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御、およびプリケーションの実行に必要な処理等を行う演算装置である。例えばプロセッサ30はCPUおよび/またはGPU(Graphical Processing Unit)等であり、ストレージ32に格納されメモリ31に展開されたプログラム等を実行することによって、必要な各情報処理を実施する。
【0026】
メモリ31は、RAMなどの揮発性記憶装置で構成される主記憶と、フラッシュメモリやHDD等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶と、を含む。メモリ31はプロセッサ30のワークエリア等として使用され、また、倉庫端末3の起動時に実行されるBIOS、および各種設定情報等が格納される。ストレージ32には、アプリケーション・プログラム等が格納される。
【0027】
通信インタフェース33は、倉庫端末3をネットワーク4に接続し、倉庫管理サーバ1と通信を行う。また、通信インタフェース33には、Bluetooth(登録商標)およびBLE(Bluetooth Low Energy)の近距離通信インタフェースも含まれる。撮像部34は、カメラ機能を有し、倉庫作業者によって撮像された画像をストレージ32に格納する。タッチパネル35は、入力部351および表示部352を構成する。バス36は、上記の各要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号、および各種制御信号を伝達する。
【0028】
タッチパネルの入力部351は、ユーザによるタッチパネル35への操作があったことを検知する。入力部351は、圧力検出方式、抵抗膜方式、静電容量方式、または電磁誘導方式等を採用することができる。そして、タッチパネル上の任意の位置で操作(タッチパネルに対する、タッチ操作、スライド動作、スワイプ操作、及びタップ操作等の物理的接触操作)による入力を受けると、その位置における押圧、電気抵抗、電気容量、または弾性波のエネルギー等の変化量が検知され、対応する接触位置座標が特定される。タッチパネルの表示部352は液晶ディスプレイ等で構成される。
【0029】
<機能構成>
図5に示されるように、本実施の形態による倉庫管理サーバ1は、受付部100、取得部200、送信部300、参照部400及び選定部500を含んでいる。なお、
図2において、様々な処理を行う機能ブロックとして記載される各要素は、ハードウェアとしては、プロセッサ、メモリ、その他の集積回路で構成することができ、ソフトウェアとしては、メモリにロードされた各種プログラムなどによって実現される。したがって、これらの機能ブロックがハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせによって実現できることは当業者に理解されるであろう。また、これらの機能ブロックは、単一の端末において実現されていてもよいし、ネットワークその他の接続手段によって接続された複数の端末を用いて実現されていてもよい。
【0030】
詳しくは、受付部100は、ユーザ端末2から荷物(対象物)に関する入庫依頼、出庫依頼及び出庫予約(詳しくは後述する)を受け付ける。
【0031】
取得部200は、入庫依頼に従って、倉庫に入庫した荷物のサイズ情報を含む荷物情報を倉庫端末3から取得する。本実施の形態によるサイズ情報の取得は、例えば、作業を担当した倉庫作業者が当該荷物のサイズを計測して倉庫端末3を介して倉庫管理サーバ1に送信されることにより行われる。
【0032】
参照部400は、ロケーションデータベース120を参照する。本実施の形態によるロケーションデータベース120は、倉庫内の保管場所毎に少なくとも使用領域情報又は未使用領域情報のいずれかを関連付けて管理している。使用領域情報には、既に保管されている荷物のサイズ情報(体積情報)等、保管場所の具体的な空き状況が参照可能な情報が含まれる。
【0033】
選定部500は、入荷した荷物のサイズ情報と前記ロケーションデータベース120の参照結果とに基づいて、荷物の保管場所を選定する。
【0034】
送信部500は、選定された保管場所に関する保管場所情報を前記倉庫端末に送信する。
【0035】
なお、荷物情報のうち、サイズ情報はユーザ端末2から送信される入庫依頼に含まれることとしてもよい。この場合、ユーザ端末2は、入庫依頼を行うユーザに対してサイズ情報の入力して送信させることとしてもよい。倉庫管理サーバ1は、入庫依頼に含まれるサイズ情報に基づいて、事前に荷物の保管場所を選定することができる。
【0036】
<処理の流れ>
続いて
図6を参照して、本実施の形態による倉庫管理システム全体の処理の流れを説明する。本実施の形態における倉庫は、複数の保管場所a、b、cを倉庫内に有しており、それぞれの保管場所内に区分けされた空間(図示される保管場所aにおける各区分けされた空間を「a11、a12、・・・a33」と称呼する)を有している。なお、本実施の形態の説明において、単に「保管場所」という場合には、「保管場所a、b、c」及び「各保管場所内に区分けされた空間a11、a12、・・・a33」の両方を指す場合がある。また、本実施の形態においては、倉庫内の保管場所として、その一部を図示している。従って、保管場所及び区分けされた空間の数は倉庫によって異なる。
【0037】
図6に示されるように、ユーザ端末2から荷物Lに対する入庫依頼があった後に(SQ100)、荷物Lは、例えば配送業者によって倉庫に入荷される(SQ102)。入荷された荷物Lは、倉庫作業者(図示せず)によってサイズが計測される(SQ104)。計測されたサイズはサイズ情報として倉庫端末3を介して倉庫管理サーバ1に送信される(SQ106)。倉庫管理サーバ1は、ロケーションデータベース120の保管場所情報レコードR1を参照し(SQ108)、各保管場所の使用率を考慮して荷物Lの保管場所として適切な保管場所ID(例えば、「a11」など)を特定する。倉庫管理サーバ1は、特定した保管場所情報を倉庫端末3に送信する(SQ110)。倉庫作業者は、当該倉庫端末3に送信された保管場所情報の指定に基づいて、指定された保管場所に荷物Lを保管する。保管が完了すると、倉庫作業者の操作によって、倉庫端末3から保管完了通知(図示せず)が倉庫管理サーバ1に送信され、倉庫管理サーバ1は、ロケーションデータベース120のうちの保管情報レコードR2に、当該荷物Lに付与された荷物ID、保管場所ID、の(出庫指示がある場合には)出庫指定日等が登録される。なお、保管情報レコードR2への登録は、ユーザ端末2からの入庫依頼があった際に仮登録が行われ、保管完了通知によって本登録がなされることとしてもよい。
【0038】
以上説明した第1の実施の形態によれば、倉庫内の保管場所の使用領域(未使用領域)に応じて効果的に荷物を配置することができ、保管場所のリソースを最適化することができる。
【0039】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態による倉庫管理システムは、第1の実施の形態による倉庫管理システムに「出庫予約」機能が追加されたものである。従って、以下の説明においては、第1の実施の形態と同一の要素については同一の称呼(参照符号)を用いて重複する説明はその詳細な説明を省略する。
【0040】
図7に示されるように、本実施の形態による倉庫管理サーバ1’は、受付部100、取得部200、送信部300、参照部400、選定部500及び更新部600を含んでいる。
【0041】
本実施の形態による受付部100は、荷物の少なくとも入庫前(入荷前も含む)に、ユーザ端末2から荷物に関する出庫予約を受け付ける。出庫予約とは、倉庫内に荷物の在庫がない場合であっても、出庫日を指定することができる機能である。なお、本実施の形態による受付部100は、ユーザ端末2からの出庫依頼として出庫指示又は出庫予約のいずれかを受付け、在庫がある場合の出庫依頼を出庫指示として受付ける一方、在庫がない場合の出庫依頼を出庫予約として受け付ける旨をユーザ端末2に表示する。なお、例えば、出庫依頼に関する荷物の個数が在庫数量を超過していた場合には、超過した数量の荷物のみを出庫予約として受け付ける。出庫予約がされた荷物は、(入庫依頼がなされて)倉庫に入庫された後、倉庫管理サーバ1から倉庫端末3に対して出庫指示がされることによって出庫される。
【0042】
図8に示されるように、本実施の形態による保管情報レコードR1’は、保管場所(又は区分けされた空間)毎に更に出庫予約優先フラグを少なくとも関連付けて管理している。出庫予約優先フラグは、後述する出庫予約がなされた荷物が収容・保管される場所であり、具体的には、パレット(木製又は樹脂製の簀の子形状の板)のように、出荷作業が容易である場所である。一方、保管情報レコードR2’は、荷物毎に、荷物ID、出庫予約フラグ、保管場所ID、出庫指定日を少なくとも関連付けて管理している。
【0043】
図7に戻り、本実施の形態による選定部500は、当該対象物に関して出庫予約がなされている場合には、出庫予約優先フラグが関連付けられている保管場所の中から保管場所を選定する。なお、複数の荷物に対して同一の出庫予約(例えば、同一の出庫日指定日が指定されている等)がなされている場合には、出庫予約優先フラグが関連付けられている保管場所のうちから選択される一の保管場所に保管されるように保管場所を選定する。同一の保管場所に保管できない場合には、出庫予約優先フラグが関連付けられている保管場所のうち、荷物同士の距離が最短となるように保管場所を選定する。
【0044】
本実施の形態における保管場所情報は、日付(時刻)毎に各保管場所の使用状態(例えば、荷物のサイズや数等)を関連付けて管理していてもよい。この場合、更新部600は、入庫依頼がされた後や出庫依頼がされた場合に、各保管場所の使用状態を更新する。なお、上述した出庫予約を受け付けた場合には、当該出庫予約に関する出庫日後には保管場所は空きの状態になることから、更新部600は、将来の日付において使用状態を設定することとなる。
【0045】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態による倉庫管理システムは、第1の実施の形態による倉庫管理システムの選定部が所定の評価値をもって保管場所を選定するものである。従って、以下の説明においては、第1の実施の形態と同一の要素については同一の称呼を用いて重複する説明はその詳細な説明を省略する。
【0046】
本実施の形態による保管場所情報は、少なくとも当該保管場所毎の保管場所容積情報及び使用領域容積情報を関連付けて管理するものである。保管場所容積情報及び使用領域容積情報の単位は任意のものを使用することができる。
【0047】
選定部は、少なくとも保管場所容積情報及び使用領域容積情報とに基づいて算出される保管場所充填率に基づいて対象物を保管すべき保管場所を評価・抽出する。保管場所充填率は、例えば保管場所における「使用領域容積情報÷保管場所容積情報」によって求めることとしてもよい。このような評価は、保管場所毎に算出された評価値によって行われて所定の条件(例えば評価値の高いものから順に候補として選定)に基づいて抽出される。
【0048】
また、本実施の形態においては、各荷物に荷物情報として属性情報等を持たせることとしてもよい。例えば、上積の可/不可、形状、要求される保管状態等、保管の際に考慮すべき情報などが該当する。選定部は、上述した評価によって得られた評価値を当該属性情報によって補正する。この際、属性情報の夫々には他の荷物の保管に影響を及ぼす可能性の度合いによって重みづけされた数値が関連付けられており、選定部は、一時的に得られた評価値を上記重みづけされた数値に基づいて補正することとしてもよい。これにより、荷物の属性に応じた最適な保管場所を選定することが可能となる。
【0049】
<変形例>
上述した実施の形態は、同一の倉庫内における保管場所の選定であったが、同様の仕組みは、入庫依頼があった荷物をどの倉庫のどの保管場所に保管すべきかという問題にも適用可能である。この場合、例えば、ロケーションデータベースに、倉庫毎の保管場所情報として、倉庫稼働率(使用領域容積情報÷全保管場所容積情報)を関連付けて管理させることとすればよい。そして、選定部は、取得した荷物情報とロケーションデータベースの参照結果とに基づいて、荷物の保管倉庫を選定する。この際、出庫予約がある場合には、出庫予約に関する出荷先の住所等を選定の要素として考慮することとしてもよいし、倉庫毎の保管費用と保管期間を乗じた数値を選定の要素としてもよい。
【0050】
なお、これらの算出においては、所謂在庫管理問題の分枝限定法に基づく近似解法等を利用することもできるが、所謂組合せ最適化問題の種々の解法を用いることとしてもよい。
【0051】
<端末>
本発明の実施の形態に用いられる端末は、スマートフォン、PDA、タブレット型コンピュータ等のデバイス等タッチパネルを備える端末であれば実行可能である。
【0052】
上述した実施の形態は、本発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができると共に、本発明にはその均等物が含まれることは言うまでもない。
【解決手段】本発明による倉庫管理サーバは、ネットワークを介して、少なくとも倉庫端末及びユーザ端末と通信可能に構成されている。倉庫管理サーバは、ユーザ端末から対象物に関する入庫依頼を受け付ける受付部と、対象物が入庫された後に、当該対象物のサイズ情報を含む荷物情報を倉庫端末から取得する取得部と、倉庫内の保管場所毎に少なくとも使用領域情報又は未使用領域情報のいずれかを関連付けて管理する保管場所情報を含むロケーションデータベースを参照する参照部と、少なくとも取得した荷物情報とロケーションデータベースの参照結果とに基づいて、対象物の保管場所を選定する選定部と、選定された保管場所に関する保管場所情報を倉庫端末に送信する送信部とを備える。