【実施例】
【0064】
<実施例1>
図4は、本発明の実施例1の説明図である。1は利用者の頭部、2は脳細胞を示す。20は酸素ガスと窒素ガスと水素ガスの供給部で、一体型ガス発生装置である。中には水(蒸留水)から電気分解にて水素と酸素を発生させる、水電解用MEA電解セルを用いた部分と、空気より酸素と窒素を濃縮分離させて取り出す、空気濃縮分離式酸素及び窒素供給部を一つのパッケージにして統合運転させるものである。
【0065】
先ず、利用者は利用に際して、呼吸器科の専門医の診断を受け、呼吸器に特別の障害が無いことを確認して利用が始められる。20の内部の電解式水素酸素生成部分と空気濃縮分離式酸素窒素供給部分の動作を制御する為に、21のプログラム制御装置があり、機械のオンオフと発生出力を制御している。この21の制御内容を設定するのが22の設定用リモコンコントローラである。22は手動運転操作をする時にも用いられる。21の設定内容は酸素濃度18%以下の低酸素呼吸領域を作り出す為に酸素が少量(数%)混ざった窒素ガスと、水素ガスの毎分の供給量(発生量)の設定と運転時間の設定が行われる。窒素水素混合ガスの発生量が増えるに従って、利用者の呼吸する酸素濃度が低下する。利用者はこの微量の酸素が混入した窒素水素混合ガスとマスク周辺の空気とを混合して吸引するので、装置からの毎分のガス供給量と呼吸による分時肺胞換気量との関係によってもたらされる低酸素濃度の呼吸が行われる。
【0066】
分時肺胞換気量が多くなれば、それだけマスクの周囲からの空気の混入量が増え、酸素濃度はより空気の持つ酸素濃度に近づき、分時肺胞換気量が少なくなれば、供給ガスの酸素濃度に近づく。よってこの点に注意して、利用者に呼吸量の確保を促す。
【0067】
又、この方法の他に、分時肺胞換気量には余り左右されずに、20からの供給ガスのみで、吸引する酸素濃度を一定にすることができるが、予め、要求酸素濃度に混合したガスを、マスクの周囲の空気が混入しないように、十分な量を供給すれば可能であるが、但し、装置動作時の負担が増大する。
【0068】
呼気に対する安全排気マスクは、利用者が吸引するガス中の水素濃度が10%を超える場合に使用し、それ以内では利用者の室内空気の流れを(気流)(小型の送風機等)作ることで安全を確保している。(これは一般的な水素ガスの安全観念としては4%を超える場合とするが、実際の実験において、水素ガス濃度はマスクから放出されると、周囲の空気と混ざり、急速に撹拌低下し、安全性が保たれるので水素濃度10%を超える場合とした)吸引ガスの水素濃度が10%を超えた場合は、17の電動式の呼気撹拌放出器により水素ガス濃度を4%以下にして屋内等に放出する。17には内部に水素ガスセンサーが含まれており、吸引水素ガス濃度が4%を超えると自動的に吸引出力を多段階に増加させ、放出ガスの水素ガス濃度を安全な濃度に保つ。20の装置で使用する空気は26の空気取り入れ口から取り入れ、酸素と窒素と水素ガスの不用なものに関しては27のガスの排出口から機外に放出される。尚、作業空間の室内の水素ガス濃度の検知に25の水素ガス濃度センサーがあり、機外の水素濃度が4%を超えると、警報を出力して、システムの運転を自動で停止させる様にインターフェイスが組み込まれている。24は利用者が吸引するガスの温度と湿度の調整用で利用者が吸引するガスを水又は湯中にバブリングさせて目的を達成させている。吸引するガスの温度は体温程度が望ましいが、環境温度(室内温度)によっては、若干低温でも問題は無いが、湿度は出来れば飽和水蒸気より若干低い程度を推奨する。
【0069】
一般的な、鼻孔を利用したカニューレは適用ガス量が毎分6L程度であるが、本願では、内部断面積を約2倍にして、許容範囲を毎分10L程度の吸引を可能としたものを適用した。システムの動作は、時間の経過によるタイマーの多段階の設定と20の各要素のオンオフと出力制御、システムの指示による内部の切替弁の制御で賄われるが、4の反射式のパルスオキシメータを総頸動脈に装着して、利用者の経皮的動脈血酸素飽和度の数値で割り込み制御を行ない、時間設定か、経皮的動脈血酸素飽和度の数値かどちらか早いほうの信号で次の行程に進ますことが出来る。これは、利用者の安全確保が目的で、動脈血の酸素飽和度が想定に反して低下し過ぎない様にする安全処置である。パルスオキシメータの総頸動脈に装着(貼り付け)は利用者本人では行えないので、医療従事者によって行われる。指先等で計測するパルスオキシメータは、安静時にしか使えず、本願のように時々刻々変化する様な内容では不向きであるが、総頸動脈を測定することで、脳に行く血流の経皮的動脈血酸素飽和度の変化をモニターすることが可能となる。この手法は、利用の毎回に必要なものでは無く、最初の数回程度に傾向を把握するために有益である。
【0070】
実際の利用の状況を説明すると、利用者はカニューレを鼻孔に装着をする。次に医療従事者が22の設定をするが、実際の治療では、利用者の健康状態は大凡把握されている程度で、先ず20をスタンバイの状態にして次に空気を3分程度、毎分2L位から初めて徐々に毎分10L位迄鼻孔に 送風して、利用者のカニューレ使用での適応性判断の予備検査を行う。この時点で次の治療が可能か簡易判定する。問題が無ければ、医療従事者は初めての設定を行うが、手動操作で行うか、プログラム制御にて行う。最初の低酸素領域の設定では酸素濃度を18%から14%に、時間は2分間から始める。(酸素濃度14%以下に設定する場合は1分間を選択する)この選定は、利用者本人の耐性を考慮して求められる。次に高酸素領域として毎分3Lから5Lの酸素ガスと水素ガス毎分800cc位の混合ガスをカニューラで利用者に10分程度吸引させる。この程度を初回として考える。このレベルは未だ治療効果はない。
【0071】
一日1回から3回(朝・昼・夕)が行えるが、負荷か多い治療をした場合は一日1回行うことが好ましい。毎回毎回、低酸素領域の時間を長く、又酸素濃度を徐々に低下させる。低酸素領域の酸素濃度は最低5%位から(1分間から3分間:本人の低酸素耐性により求める)SPO2=80から85で5秒から15秒間経過で低酸素呼吸終了、直ちに再酸素か高酸素領域に変更する。
【0072】
低酸素領域は最大で全行程60分、高酸素領域は最低30分間以上が必要で、推奨は50分間である。高酸素領域は短いほど治療効果が少なく、長いほど治療効果が高まるが120分を超えると,あまり差が出なくなる。
【0073】
<実施例2>
図5は、本発明の実施例の2の説明図である。治療の方法に関しては実施例1と変わらないが、ハードの機械とシステムが複雑となっている。主な相違は利用者の吸引する治療用のガスは全て、31の呼気再循環機能を付与した一体型ガス発生装置からの供給に頼っている。従って使用する呼吸マスクは密閉型のマスクとなる。呼気は再循環させて、呼気中の二酸化酸素を32の吸着剤で除去し、その時の工程における必要な成分を添加して調整して、吸引に用いるか,又は再循環の必要性がない場合は、37のガス流出方向切換え弁の操作で外部に安全に放出される。
【0074】
本願のシステムは人工呼吸システムでも利用が可能であるが、本願で表示しているのは、あくまで利用者の自発呼吸において治療が成立する。従って本人に分時肺胞換気量の高い呼吸を促さなければならず、呼吸による肺胞喚起効率の低下は、本治療における生体内の反応速度の緩慢を意味し、時間と活性酸素生成の特性曲線の波形の変化がより緩やかものとなり、治療効果の低下を招き得る。そこで、利用者が治療中に現在行っている呼吸の呼気量をリアルタイムで知る為のセンサー36が設備されている。28のラインは逆止弁が含まれており、40の吸気流量計は水素及び酸素の濃度センサーが含まれる。
【0075】
システムが作動中に40と36の流量に数秒間、流量差が続くと、システムはマスクからのガス漏れと判断して、警報を出し、停止する。又、吸引ガスの水素濃度が一定基準より高い場合は、35にデトネーションアレスターを組込む事が可能である。利用者は治療中の呼気量が短時間平均にて、登録した呼気量より一定量下回った場合には、システムは呼吸量が少ない旨の表示をする。又、標準呼気量の登録も36のセンサーを用いて、事前テストにて登録が可能である。その他の実施例1との差異はハードの面んで無線技術を適応していることである。尚、この装置のスペックの概要は、一例として水素ガスの最大発生量毎分、2.4L、酸素ガスの最大発生量は9.0L、窒素ガスの発生量30L(推定)電力約2KW以内となっている。
【0076】
それでは、本実施例の治療の効果に関して、臨床実験結果の1例を簡単に記述する。
脳梗塞患者の場合で、発症後6か月を経過、右手側に軽い麻痺があったが、それよりも記憶力と認知能力にやや問題が出ていた。そこで、低酸素状態を創出する為に、フィリップス社製の密閉型鼻マスクを使い、水素ガスを多用して低酸素ガスを吸気し呼吸を行った。
【0077】
呼吸の中心は5分間程度の低酸素状態の発現である。その後の再酸素化工程(通常の空気を吸気して呼吸する工程)を含めて60分から90分間行った。ごく短時間の最低呼気酸素濃度は5%程度であった。
【0078】
変化は、開始して5分から10分位で室内の実験であったので目に変化を感じた。蛍光灯の明かりが、幾分赤色に変異しているのに気づく。この作業を約40日間続けた。
【0079】
すると、途中から、神経に変化を感じるようになった。先ず、目、視覚が高揚したように感じた。視力が良くはなっていないが、見ているものが変わり、非常に細かく、視覚の映像が繊細に変化した。まるで、昔のテレビから4Kの液晶テレビに変わったような感じがした。しかし、視力が良くなったわけではない。更に実験は別の装置を用いて続いた。記憶力は、ワーキングメモリと言われる短期の記憶が格段に向上する。
【0080】
日常生活に於いての物の置忘れ等がほとんどなくなる。さらに臨床試験開始から40日前後に確認した認知能力の変化は驚くべき信じられない様な変化が起こった。
確認の方法は、公共交通機関の路線バスの最前列に座り、バスの進行に合わせて変化して行く外の風景を観察することによって行った。実験前は、周囲の交通の推移には、事象に推移・変化には視覚がついて行けなかったが、臨床試験後経過40日では、ちょうどバスが交差点付近で停車した時だったが、周囲の雑踏、自転車に歩行者に他の車の動き等、任意の3点に(3か所)に注意を分散集中すると、まるで手に取る様にそれぞれの動きが把握可能に変化が起きた。
【0081】
そして、歩行者や自転車の動きと言うと、一点に意識を集中し視覚を集中させると、それらの動きが、まるでスローモーションでも見るが如きに、ゆっくり変化して行くように感じられた。そこで低酸素呼吸から再酸素の呼吸をする、酸素濃度を段階的に変化させる呼吸方法によって、脳内部の特に海馬周辺の脳神経細胞が活性化された、再生されたと言う感じがした。
海馬周辺は脳の中でも特に脆弱性を有する部分であり、酸欠即ち、低酸素状態に早期に反応したと言える。
【0082】
その後、低酸素呼吸治療の後半を再酸素化ではなく、高酸素化、即ち高酸素濃度領域(酸素濃度21%以上)による呼吸に変えた。それまでの実験でワーキングメモリは素晴らしく改善したが、短期の記憶領域から長期の記憶領域への繋がりが上手く機能していなかったが、この部分が改善する為には、脳のより広い部分を活性化させる必要があり、そのための方策が高酸素領域に於ける呼吸であった。
【0083】
初め高酸素だけの呼吸を60分間程度を2週間程度試みて、結果を考察すると、確かに短期記憶から長期記憶への移行が比較的円滑に可能となった。そこで低酸素領域の呼吸から連続的に高酸素領域の呼吸を60分間程度行ってさらに30日後の評価を行うと、短期記憶と長期記憶、そして認知能力それぞれがさらに進化していた。
【0084】
脳の機能的及び能力的には、脳梗塞発症前の状態と言うよりも、標準的な一般人のレベルを超えており、その変化の速度から判断して、脳細胞のミトコンドリアゲノムの初期化が起きて、それによって細胞周期の分裂期に神経細胞のミトコンドリアの健全化が起こり、神経細胞の機能が改善されたとした、時間応答性と推定効果が理論と実際がほぼ一致するものである。
【0085】
今回は、脳細胞の部分にスポットライトを照らしたが、その他の臓器等においても、この関係は成立するので、別の機会に臨床試験のチャンスを企画したい。
【0086】
<実施例3>
図6は実施例3を示す。実施例3は高酸素濃度領域の酸素分圧をさらに高めて、活性酸素の発生が低い利用者、反応性が少ない患者等の為で、通常、加圧カプセルに入る前に低酸素濃度領域の呼吸を終えてから高気圧治療装置を利用する。加圧時間は約15分間程度とされるので時間的には、加圧時間と減圧時間を合わせて60分間程度の高気圧酸素治療を行う。高気圧酸素治療が終了後に常圧において、水素ガスを含む、副作用防止の為の、安定化呼吸を30分間程度行われる。
【0087】
尚最近の高気圧酸素治療装置は内部空間に酸素ガスを満たし加圧するのではなく、内部の加圧に空気を用い、患者に対しては呼吸マスクを使って酸素呼吸を行うものもあると聞く。その場合には、このマスクを用いての低酸素領域の呼吸も行うことができる。
【0088】
<実施例4>
図22は、認知症予防の運動療法後に、本願の酸素濃度を段階的に変化させる呼吸方法を用いた再生医療システムを合わせたもので、運動療法による認知症の予防効果を格段に高めることが可能である。
図22では、運動療法を行う施設内に二つの密閉した部屋と、二つの部屋を繋ぎ、お互いを密閉可能な通路と連絡扉、各部屋から屋内運動場への出入口の扉、そして図示されていないが各密閉質の室内の温度・湿度内部ガス成分を管理する室内環境制御装置から構成されている。
【0089】
図22に於いて、予防体操、運動療法が終了した利用者(複数可能)は直ちに、外部からの入口の密閉扉を開閉して低酸素濃度治療室の内部に入る。ここで、低酸素領域の呼吸を、それぞれ個人ごとに決めた時間が経過後に連絡扉を開閉して隣の高酸素濃度治療室に入り、約40分から60分程度、高酸素領域での呼吸を行う。終了後に出口の扉を開閉して外の、元の屋内運動場に出る。これで本願に於ける治療は終わりである。
【0090】
利用者は運動前には、ビタミンC等の抗酸化剤の摂取は避ける事が望まれる。低酸素濃度治療室の酸素濃度の設定は、利用者は既に需要性低酸素の状態であるので、この部屋で供給性の低酸素状態を加えるので、通常の設定より、酸素濃度を高めてもよい。部屋の水素濃度は、特別な要求が無い限り、通常4%に設定される又、室内で呼吸により生じる二酸化炭素は、室内環境制御装置内部の二酸化炭素吸着剤で除去される。高酸素濃度治療室では、ここでは立ち姿勢で描かれているが、時間が長いので椅子に座って治療を受ける。利用者は、随時この治療室を利用できるので、、利用者グループを班に分けて、時間をずらして運動療法をグループ毎に行えば、多くの利用者が効率的に本願の治療を受けることが可能となる。
【0091】
<実施例5>
図23は、密閉式低酸素領域治療室と密閉式低酸素領域治療室を密閉型通路で連絡し、完全自動の電動式車椅子を用いた大規模な治療用システムの例で、実施例の5である。利用者は全て自動運転制御される電動車椅子42に座ることによって治療が始まる。常時車椅子を用いる利用者もここで、この42に乗り換えて治療を受ける。勿論、健康人もである。この42は日産自動車が開発したプロパイロットチェアの進化型と考えれば理解しやすい。
【0092】
45、と46、47の密閉式各通路の床には位置情報の為のセンサーが埋め込まれている。60、61の治療室の床にも位置情報のセンサーが埋め込まれている。更に61の床の電動車椅子の定位置、電動車椅子を停止(駐車)させる位置の適宜な場所に電動車椅子の充電の為の電磁充電装置が床面に設置されている。四角に斜線/は電動車椅子とその番号を表している。
【0093】
42番の利用者が利用する為に入口の密閉扉を自動で開けられるこの時、奥の密閉扉は閉まっている。45と60の間の密閉扉は入口の扉が閉められた時に、開かれるようにインターロックが組まれている。通常は各部屋又は通路の間の扉は、必ず両方が開く事が無い様に、システムによって制御されている。これが、全て開く場合は、非常時、緊急時だけである。各連絡通路には3人在籍する事が可能である。
【0094】
60の部屋には10人の利用者が在籍可能である。61の部屋には40人の利用者が在籍可能である。この数の違いは、60の低酸素領域治療室は酸素濃度が18%から14%の間で、水素濃度4%の設定を推定しており、利用者の最大在籍時間は15分以内を想定しているのに対し、61の高酸素領域治療室では、利用者の最大在籍時間は60分以内を想定している。従って治療時間による処置能力でバランスをとっている。61の治療室では酸素濃度を30%から40%の間を想定している。各治療室のガスバランスと温度湿度及び室内気流を管理する為に53と54の低酸素領域治療室及び高酸素領域治療室の環境管理システムが制御を行うが、総合的な管理は図示されないが、コンピュータによる総合管理システムがある。
【0095】
ここで、56番の利用者が初めてこのシステムを利用する場合、60の治療室の在室呼吸時間を最小から始める。同様に61の治療室の在室呼吸時間も最小とする。今、ここでそれぞれ60の治療室を5分間、61の治療室を20分間とすると、この利用者の治療時間は25分プラス移動に要する時間で通常5分程度で30分間で終了する。これで利用者の治療結果を検討して、問題が無ければ、毎回、徐々に時間を増やして行く。
【0096】
平面図を見ると、電動車椅子の在籍位置の周囲には電動車椅子の通路が設けられており、各々の電動車椅子は他の電動車椅子にその進路を妨げられずに通路側に出る事ができる。入口通路と出口通路を管理していれば、スムーズな運航が可能である。個人毎に各在籍時間が異なる場合でも、コンピュータによる総合管理システムが、移動の順番やタイミングを制御しているので、無駄のない工程が組まれる。
【0097】
但し、アクシデントは必ずあり得る。この電動車椅子には無線式のパルスオキシメータが核利用者用に付属しており、必要な信号データは遠隔監視が可能で、異常があれば、その利用者だけ、緊急に優先して、室外に移送が可能である。緊急の場合には、個々の緊急の場合は、他の動作に優先するので、各通路を開けさせて、一番近い通路を経由して、治療室外に移送させる。地震や近くでの火災等の非常事態では全ての治療室と連絡通路の全ての扉と44の非常用扉の全てがシステムの制御により解放され、電動車椅子は、最も近い場所から外に移動させるか、危険発生場所が近い場合には、最も安全な場所に電動車椅子を移動させるように、システムが指示を行う。
【0098】
61の治療室では、比較的に在籍呼吸時間が長い為に、必要に応じて電動車椅子のバッテリの充電を行う事ができる。(電磁誘導式充電)
尚、電動車椅子が故障して動けなくなった場合は、同じ様に自動で動く、故障車両搬出用の自動運搬車によって、他の工程の合間に移動搬出される。それ以前に空の電動車椅子が利用者の救出に向かい、利用者を乗せ換えて、利用者の続きの工程を行う。
【0099】
図23に示される設備に於いて、一時間に40人から70人位の患者、利用者の治療をする事が可能である。一日当たり8時間稼働して320人から560人の治療が可能となる。一日500人の治療をすれば、20日で1万人の認知症の治療や予防が可能となる。本システムは安全性と効率性のバランスの取れた優れたシステムで、認知症だけでなく、ミトコンドリアの機能低下による多くの疾患にとって大変有益である。