(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(A)ベース基板の表面に、第1のコイルパターン、第2の外部電極1層及び前記第1のコイルパターンの一端に電気的に接続される第1の外部電極1層を形成するステップと、
(B)前記第1のコイルパターン、前記第1の外部電極1層、前記第2の外部電極1層の露出面及び前記ベース基板の上面を覆う第1の絶縁層を形成するステップと、
(C)前記第1のコイルパターンの一部、前記第1の外部電極1層の上面及び前記第2の外部電極1層の上面の第1の絶縁層を除去するステップと、
(D)前記第1の絶縁層の上面に、前記第1のコイルパターンの一部に一端が電気的に接続される第2のコイルパターン、前記第1の外部電極1層の上面に接触される第1の外部電極2層及び前記第2のコイルパターンの他端に電気的に接続され、前記第2の外部電極1層の上面に接触される第2の外部電極2層を形成するステップと、
(E)前記第2のコイルパターン、前記第1の外部電極2層、前記第2の外部電極2層の露出面及び前記第1の絶縁層の上面を覆う第2の絶縁層を形成するステップと、
(F)前記第1の外部電極2層の上面及び前記第2の外部電極2層の上面の第2の絶縁層を除去するステップと、
(G)前記第1の外部電極2層の上面にその下面が当接する第1の外部電極3層、前記第2の外部電極2層の上面にその下面が当接する第2の外部電極3層及び前記第2の絶縁層の上面に設けられる樹脂部を形成するステップとを含む、インダクタ製造方法。
前記第1の外部電極1層、前記第1の外部電極2層及び前記第1の外部電極3層で構成される第1の外部電極部と、前記第2の外部電極1層、前記第2の外部電極2層及び前記第2の外部電極3層で構成される第2の外部電極部とは、前記第1のコイルパターン及び前記第2のコイルパターンが前記ベース基板の上面に垂直な方向に投影された領域を脱した領域のみに設けられる、請求項2に記載のインダクタ製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、
図1に示すように、コイル11が基板に平行な面で巻回される形状に構成される従来のインダクタを基板に実装する場合、該基板の表面に形成される導体パターン30または多層回路基板の内部導体パターン40と該基板の表面に実装されたインダクタ内部のコイル11との間に寄生キャパシタンスが相当量発生するようになり、各種性能の劣化をもたらすという問題があった。
【0010】
また、特許文献1に示した従来の一般的なインダクタは、コイル部が内部に備えられたインダクタに外部電極を形成するために、別途のディッピング(Dipping)工程などを行わなければならないため、製造効率を向上するのに限界があった。
【0011】
本発明は上記の問題点に鑑みて成されたものであって、実装に必要な面積を最小化し、基板の回路パターンとインダクタのコイルパターンとの間で発生する寄生キャパシタンスを減少させると共に、効率的な製造が可能なインダクタを提供することに、その目的がある。
【0012】
また、本発明の他の目的は、コイルパターン部に電流が流れることによって発生する磁束が邪魔されないようにして、インダクタンス及びQ特性を向上することができるインダクタを提供することにある。
【0013】
また、本発明のさらに他の目的は、実装に必要な面積を最小化し、基板の回路パターンとインダクタのコイルパターンとの間で発生する寄生キャパシタンスを減少させると共に、製造効率を向上することができるインダクタを製造するインダクタ製造方法を提供することにある。
【0014】
また、本発明のさらに他の目的は、コイルパターン部に電流が流れることによって発生する磁束が邪魔されないようにして、インダクタンス及びQ特性を向上することができるインダクタ製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を解決するために、本発明の一実施形態によるインダクタは、六面体形状を有するインダクタであって、導電性材料から成る導電線が少なくとも一平面上で少なくとも1回転以上巻回されて形成されるコイルパターン部と、前記コイルパターン部を内部に含む絶縁部と、前記絶縁部の外面へ少なくとも一面が露出し、前記コイルパターン部の一端に電気的に接続される第1の外部電極部と、前記絶縁部の外面へ少なくとも一面が露出し、前記コイルパターン部の他端に電気的に接続される第2の外部電極部とを含み、前記第1の外部電極部及び前記第2の外部電極部は、前記インダクタの6個の面のうちの一面に全て設けられる。
【0016】
一実施形態によれば、前記第1の外部電極部及び前記第2の外部電極部は、前記コイルパターン部が巻回される面に垂直な面の面積が他面の面積より大きい。
【0017】
また、一実施形態によれば、前記第1の外部電極部及び前記第2の外部電極部は、前記コイルパターン部が巻回される面に垂直な方向に、前記コイルパターン部が投影された領域を脱した領域のみに設けられる。
【0018】
また、一実施形態によれば、前記第1の外部電極部及び前記第2の外部電極部は、前記コイルパターン部が巻回される面に水平な面のうちの一面が前記コイルパターン部の下面と水平を成し、前記コイルパターン部が巻回される面に水平な面のうちの他面は前記コイルパターン部の上面より高い位置に形成される。
【0019】
また、上記目的を解決するために、本発明の他の実施形態によるインダクタは、ベース基板、第1のパターン層、第2のパターン層及び第3のパターン層を含むインダクタであって、前記第1のパターン層は、前記ベース基板の上面に設けられ、第1のコイルパターン、前記第1のコイルパターンの一端に電気的に接続される第1の外部電極1層、第2の外部電極1層及び第1の絶縁層を含み、前記第2のパターン層は、前記第1のパターン層の上面に設けられ、第2のコイルパターン、第1の外部電極2層、前記第2のコイルパターンの一端に電気的に接続される第2の外部電極2層及び第2の絶縁層を含み、前記第3のパターン層は、前記第2のパターン層の上面に設けられ、第1の外部電極3層、第2の外部電極3層及び樹脂部を含み、前記第1のコイルパターンの他端と前記第2のコイルパターンの他端とは、ビアを介して電気的に接続され、前記第1の外部電極1層の上面は第1の外部電極2層の下面に当接し、前記第1の外部電極2層の上面は前記第1の外部電極3層の下面に当接して、前記第1の外部電極1層、前記第1の外部電極2層及び前記第1の外部電極3層が第1の外部電極部を成し、前記第2の外部電極1層の上面は第2の外部電極2層の下面に当接し、前記第2の外部電極2層の上面は前記第2の外部電極3層の下面に当接して、前記第2の外部電極1層、前記第2の外部電極2層及び前記第2の外部電極3層が第2の外部電極部を成し、前記ベース基板、前記第1のパターン層、前記第2のパターン層及び前記第3のパターン層は、全て六面体形状を成し、前記第1の外部電極部と前記第2の外部電極部とは同じ面に設けられる。
【0020】
また、本発明のさらに他の実施形態によるインダクタは、六面体形状のベース基板と、前記ベース基板の上面に導電性材料から成るパターンがコイル形状に設けられる第1のコイルパターンと、前記ベース基板の上面に、導電性材料から成り、前記第1のコイルパターンの一端に接続される第1の外部電極1層と、前記ベース基板の上面に、導電性材料から成り、前記ベース基板の上面に垂直な4個の面のうち、前記第1の外部電極1層が位置する面と同じ面に位置する第2の外部電極1層と、前記第1のコイルパターンの露出面及び前記ベース基板の上面を覆う第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層の上面に導電性材料から成るパターンがコイル形状に設けられる第2のコイルパターンと、前記第2の外部電極1層の上面に、導電性材料から成り、前記第2のコイルパターンの一端に接続される第2の外部電極2層と、前記第1の外部電極1層の上面に導電性材料で設けられる第1の外部電極2層と、前記第2のコイルパターンの露出面及び前記第1の絶縁層の上面を覆う第2の絶縁層と、前記第1の外部電極2層の上面に導電性材料で設けられる第1の外部電極3層と、前記第2の外部電極2層の上面に導電性材料で設けられる第2の外部電極3層と、前記第2の絶縁層の上面を覆う樹脂部とを含む。
【0021】
一実施形態によれば、前記第1の外部電極1層、前記第1の外部電極2層及び前記第1の外部電極3層で構成される第1の外部電極部と、前記第2の外部電極1層、前記第2の外部電極2層及び前記第2の外部電極3層で構成される第2の外部電極部とは、前記第1のコイルパターン及び前記第2のコイルパターンが前記ベース基板の上面に垂直な方向に投影された領域を脱した領域のみに設けられる。
【0022】
また、本発明のさらに他の実施形態によるインダクタ製造方法は、(A)ベース基板の表面に第1のコイルパターン、第2の外部電極1層及び前記第1のコイルパターンの一端に電気的に接続される第1の外部電極1層を形成するステップと、(B)前記第1のコイルパターン、前記第1の外部電極1層、前記第2の外部電極1層の露出面及び前記ベース基板の上面を覆う第1の絶縁層を形成するステップと、(C)前記第1のコイルパターンの一部、前記第1の外部電極1層の上面及び前記第2の外部電極1層の上面の第1の絶縁層を除去するステップと、(D)前記第1の絶縁層の上面に、前記第1のコイルパターンの一部に一端が電気的に接続される第2のコイルパターン、前記第1の外部電極1層の上面に接触される第1の外部電極2層、及び前記第2のコイルパターンの他端と電気的に接続され、前記第2の外部電極1層の上面に接触される第2の外部電極2層を形成するステップと、(E)前記第2のコイルパターン、前記第1の外部電極2層、前記第2の外部電極2層の露出面及び前記第1の絶縁層の上面を覆う第2の絶縁層を形成するステップと、(F)前記第1の外部電極2層の上面及び前記第2の外部電極2層の上面の第2の絶縁層を除去するステップと、(G)前記第1の外部電極2層の上面に下面が当接する第1の外部電極3層、前記第2の外部電極2層の上面に下面が当接する第2の外部電極3層及び前記第2の絶縁層の上面に設けられる樹脂部を形成するステップとを含む。
【0023】
一実施形態によれば、前記ステップ(A)、(D)及び(G)は、シード層を形成するステップと、前記シード層の上面にフォトレジストパターンを形成するステップと、前記シード層及び前記フォトレジストパターンを用いてめっきを行ってめっき部を形成するステップと、前記フォトレジストパターン及び前記シード層の中で前記めっき部が形成されない残り領域のシード層を除去するステップとを含む。
【0024】
また、前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層は感光性絶縁材料から成り、前記ステップ(B)は前記第1の絶縁層の一部を露光した後、現像して行われ、前記ステップ(F)は前記第2の絶縁層の一部を露光した後、現像して行われる。
【0025】
また、一実施形態によれば、前記第1の外部電極1層、前記第1の外部電極2層及び前記第1の外部電極3層で構成される第1の外部電極部と、前記第2の外部電極1層、前記第2の外部電極2層及び前記第2の外部電極3層で構成される第2の外部電極部とは、前記第1のコイルパターン及び前記第2のコイルパターンが前記ベース基板の上面に垂直な方向に投影された領域を脱した領域のみに設けられる。
【0026】
また、一実施形態によれば、前記ステップの後に、前記第1の外部電極部及び前記第2の外部電極部の露出面のうちの少なくともいずれか一面にニッケルまたはスズをめっきするステップをさらに含む。
【0027】
また、本発明のさらに他の実施形態によるインダクタ製造方法は、六面体形状のインダクタを製造する方法であって、ベース基板の一面に、導電性材料から成る導電線が少なくとも一平面上で少なくとも1回転以上巻回されて形成されるコイルパターン部と、前記コイルパターン部の一端に電気的に接続される第1の外部電極部と、前記コイルパターン部の他端に電気的に接続される第2の外部電極部とを形成し、前記コイルパターン部、前記第1の外部電極部及び前記第2の外部電極部はフォトレジスト工法によって形成され、前記第1の外部電極部及び前記第2の外部電極部は、前記コイルパターン部が巻回された面に垂直な方向に前記コイルパターン部が投影された領域を脱した領域のみに形成される。
【0028】
一実施形態によれば、前記第1の外部電極部及び前記第2の外部電極部は、前記コイルパターン部が巻回される面に水平な面のうちの一面が前記コイルパターン部の下面と水平を成し、前記コイルパターン部が巻回される面に水平な面のうちの他面は前記コイルパターン部の上面より高い位置に形成される。
【発明の効果】
【0029】
従って、本発明によれば、実装に必要な面積を最小化し、基板の回路パターンとインダクタのコイルパターンとの間で発生する寄生キャパシタンスを減少させると共に、効率的な製造が可能なインダクタを提供することができる。
【0030】
また、本発明によれば、コイルパターン部に電流が流れることによって発生する磁束が邪魔されないようにして、インダクタンス及びQ特性を向上することができる。
【0031】
また、本発明によれば、実装に必要な面積を最小化し、基板の回路パターンとインダクタのコイルパターンとの間で発生する寄生キャパシタンスを減少させると共に、製造効率を向上することができる。
【0032】
また、本発明によれば、コイルパターン部に電流が流れることによって発生する磁束が邪魔されないようにして、インダクタンス及びQ特性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】従来の一般的なインダクタが基板に結合された状態を概略的に示す図面である。
【
図2a】本発明の一実施形態によるインダクタを概略的に示す図面である。
【
図2b】本発明の一実施形態によるインダクタの要部を概略的に示す図面である。
【
図3】本発明の一実施形態によるインダクタを概略的に示す結合斜視図である。
【
図4a】
図3における第1のパターン層の平面図である。
【
図4b】
図3における第2のパターン層の平面図である。
【
図4c】
図3における第3のパターン層の平面図である。
【
図6】本発明の一実施形態によるインダクタを基板に結合した状態を概略的に示す図面である。
【
図7a】本発明の一実施形態によるインダクタ製造方法を説明するための工程断面図である。
【
図7b】本発明の一実施形態によるインダクタ製造方法を説明するための工程断面図である。
【
図7c】本発明の一実施形態によるインダクタ製造方法を説明するための工程断面図である。
【
図7d】本発明の一実施形態によるインダクタ製造方法を説明するための工程断面図である。
【
図7e】本発明の一実施形態によるインダクタ製造方法を説明するための工程断面図である。
【
図7f】本発明の一実施形態によるインダクタ製造方法を説明するための工程断面図である。
【
図7g】本発明の一実施形態によるインダクタ製造方法を説明するための工程断面図である。
【
図7h】本発明の一実施形態によるインダクタ製造方法を説明するための工程断面図である。
【
図7i】本発明の一実施形態によるインダクタ製造方法を説明するための工程断面図である。
【
図7j】本発明の一実施形態によるインダクタ製造方法を説明するための工程断面図である。
【
図7k】本発明の一実施形態によるインダクタ製造方法を説明するための工程断面図である。
【
図7l】本発明の一実施形態によるインダクタ製造方法を説明するための工程断面図である。
【
図7m】本発明の一実施形態によるインダクタ製造方法を説明するための工程断面図である。
【
図7n】本発明の一実施形態によるインダクタ製造方法を説明するための工程断面図である。
【
図7o】本発明の一実施形態によるインダクタ製造方法を説明するための工程断面図である。
【
図7p】本発明の一実施形態によるインダクタ製造方法を説明するための工程断面図である。
【
図7q】本発明の一実施形態によるインダクタ製造方法を説明するための工程断面図である。
【
図7r】本発明の一実施形態によるインダクタ製造方法を説明するための工程断面図である。
【
図7s】本発明の一実施形態によるインダクタ製造方法を説明するための工程断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の好適な実施の形態は図面を参考にして詳細に説明する。次に示される各実施の形態は当業者にとって本発明の思想が十分に伝達されることができるようにするために例として挙げられるものである。従って、本発明は以下示している各実施の形態に限定されることなく他の形態で具体化されることができる。そして、図面において、装置の大きさ及び厚さなどは便宜上誇張して表現されることができる。明細書全体に渡って同一の参照符号は同一の構成要素を示している。
【0035】
本明細書で使われた用語は、実施形態を説明するためのものであって、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において、単数形は文句で特別に言及しない限り複数形も含む。明細書で使われる「含む」とは、言及された構成要素、ステップ、動作及び/又は素子は、一つ以上の他の構成要素、ステップ、動作及び/又は素子の存在または追加を排除しないことに理解されたい。
【0036】
明細書及び請求範囲において、「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」などの用語は、もしある場合、類似の構成要素間の区分のために使われて、必ずそうではないが、特定順次または発生手順を示すために使われる。そのように用いられる用語は、ここに示されている本発明の実施形態が、例えば、ここに図示または説明されたのではない他のシーケンスで動作するように適切な環境下で互換可能なことを理解されたい。同様に、ここで、方法が一連のステップを含むこととして示されている場合、ここに示されたステップの順序は、必ず該当ステップが実行される手順であるのではなく、任意のステップは省略されるか、またはここに示されていない任意の他のステップがその方法に付加されてもよい。
【0037】
明細書及び請求範囲において、「左側」、「右側」、「前」、「後」、「上部」、「底」、「上に」、「下に」などの用語は、もしあったら、説明のために用いられるのであり、必ず不変の相対的位置を示すためのではない。そのように用いられる用語は、ここに示されている本発明の実施形態が、例えば、ここに図示または説明されたのではない他の方向に動作するように適切な環境下で互換可能なのを理解されたい。ここで使われた用語「接続された」は、電気的または非電気的方式で直接または間接的に接続されることを正義する。ここで、互いに「隣接する」として示される対象は、その文句が用いられる文脈に対して適切に、互いに物理的に接触するか、互いに近接するか、互いに同じ一般的範囲または領域にあるものであってもよい。ここで、「一実施形態で」という文句の存在は、必ずそうなことではないが同じ実施形態を意味する。
【0038】
以下、添付図面を参照して、本発明の構成及び作用効果について詳記する。
【0039】
図2aは、本発明の一実施形態によるインダクタ100を概略的に示す図面で、
図2bは、本発明の一実施形態によるインダクタ100の要部を概略的に示す図面である。
図3は、本発明の一実施形態によるインダクタ100を概略的に示す結合斜視図である。
【0040】
また、
図4aは、
図3における第1のパターン層L1の平面図で、
図4bは、
図3における第2のパターン層L2の平面図であり、
図4cは、
図3における第3のパターン層L3の平面図である。
図5aは、
図4a〜
図4cのI-I'断面を結合して示す図面であり、
図5bは、
図4a〜
図4cのII−II'断面を結合して示す図面である。
【0041】
図2a〜
図5bを参照して、本発明の一実施形態によるインダクタ100は、コイルパターン部120、絶縁部130、第1の外部電極部140及び第2の外部電極部150を含む。
【0042】
一般的なインダクタ100の場合と同様に、コイルパターン部120は、インダクタンスを具現するために導電線が巻回された形態を有し、必要によって巻回数及び層数などは多様に決まってもよい。
【0043】
ここでは、コイルパターン部120が第1のコイルパターン121及び第2のコイルパターン122を含む場合を代表として、例えば、本発明の一実施形態によるインダクタ100を説明する事にする。
【0044】
しかし、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する当業者なら、コイルパターン部120が一層から成るか、三層以上によって具現され得ることは容易に理解できる。
【0045】
このようなコイルパターン部120は、ベース基板110の表面に形成される。
【0046】
すなわち、ベース基板110の一面に第1のコイルパターン121を形成した後、絶縁部130を用いて絶縁性を確保した状態で第2のコイルパターン122を形成する。
【0047】
第1のコイルパターン121と第2のコイルパターン122とが層を異にする場合、ビア123などの連結手段を介して第1のコイルパターン121と第2のコイルパターン122とが電気的に接続される。
【0048】
一方、第1の外部電極部140及び第2の外部電極部150は、コイルパターン部120の一端及び他端に各々電気的に接続される。
【0049】
すなわち、第1のコイルパターン121の一端が第1の外部電極部140に接続され、第1のコイルパターン121の他端が第2のコイルパターン122の他端に接続され、第2のコイルパターン122の一端は、第2の外部電極部150に接続される。
【0050】
これによって、第1の外部電極部140、コイルパターン部120及び第2の外部電極部150が電気的に導通され、インダクタンスを具現することができる。
【0051】
また、必要によって、ベース基板110、樹脂部160などをさらに含んでインダクタ100を具現してもよい。
【0052】
また、第1の外部電極部140及び第2の外部電極部150の表面には、ニッケル、スズなどの材料で追加のめっき層が設けられてもよい。
【0053】
一方、前述のように、従来の一般的なインダクタ100の場合、インダクタ100の対向する二つの面に外部電極が形成される。
【0054】
しかし、本発明の一実施形態によるインダクタ100では、第1の外部電極部140と第2の外部電極部150とがインダクタ100の6個の面のうちの一面に全て形成される。
【0055】
また、第1の外部電極部140及び第2の外部電極部150の表面のうち、コイルパターン部120が巻回される面に垂直な面は、他面の面積に比べて大きくなる。
【0056】
また、第1の外部電極部140及び第2の外部電極部150は、コイルパターン部120が巻回される面に垂直な方向に、コイルパターン部120が投影された領域から脱した領域のみに設けられる。
【0057】
また、第1の外部電極部140及び第2の外部電極部150は、その下面がコイルパターン部120の下面と同じ水平面上に位置し、その上面がコイルパターン部120の上面より高い位置に形成される。
【0058】
これによって、第1の外部電極部140及び第2の外部電極部150によってコイルパターン部120の周辺に形成される磁束の流れが邪魔されるという問題が著しく減少される。
【0059】
また、前述のような本発明の一実施形態によるインダクタ100は、基板などへの実装の際、従来より効率的な方法で実装されることができる。
【0060】
図6は、本発明の一実施形態によるインダクタ100を基板に結合した状態を概略的に示す図面である。
【0061】
図6を参照して、第1の外部電極部140及び第2の外部電極部150の露出表面のうちで最も広い面が基板の接続パッド22に接触されるように、インダクタ100を実装することができる。この場合、第1の外部電極部140及び第2の外部電極部150と接続パッド22との間にソルダ15'、16'が設けられる。
【0062】
これによって、
図1に示すように、ソルダがインダクタ100の外部電極の側面に塗布されることによって、インダクタ100の実装に必要な面積を減少させるのに限界があったことに比べて、本発明の一実施形態によるインダクタ100の場合は、ソルダによる実装面積が減少されることができる。
【0063】
なお、
図6に示すように、コイルパターン部120と基板の回路パターン30、40とが平行を成す領域が最小化されるため、寄生キャパシタンスが最小化になる。
【0064】
以下、本発明の一実施形態によるインダクタ100の構造について、インダクタ100を第1のパターン層L1、第2のパターン層L2及び第3のパターン層L3に区分して説明する事にする。
【0065】
図2a〜
図5bに示すように、本発明の一実施形態によるインダクタ100は、ベース基板110、第1のパターン層L1、第2のパターン層L2及び第3のパターン層L3を含む。
【0066】
まず、ベース基板110は、第1のコイルパターン121を形成するための支持台としての役目をすると共に、完成されたインダクタ100のハウジングの役目をする。
【0067】
第1のパターン層L1は、ベース基板110の上面に設けられる層であって、第1のコイルパターン121、第1の外部電極1層141、第2の外部電極1層151及び第1の絶縁層131の一部を含む。
【0068】
第1のコイルパターン121はコイルパターン部120を成す一要素で、第1の外部電極1層141は第1の外部電極部140を成す一要素で、第2の外部電極1層151は第2の外部電極部150を成す一要素である。
【0069】
ベース基板110の上面に第1のコイルパターン121、第1の外部電極1層141及び第2の外部電極1層151が共に形成される。第1のコイルパターン121、第1の外部電極1層141及び第2の外部電極1層151は全て導電性材料から成り、該導電性材料をベース基板110に印刷するような方式によって形成される。
【0070】
また、第1のコイルパターン121、第1の外部電極1層141及び第2の外部電極1層151は、フォトレジスト工法によって形成されてもよい。
【0071】
こうして形成された第1のコイルパターン121、第1の外部電極1層141及び第2の外部電極1層151の表面には、絶縁性材料から成る第1の絶縁層131が設けられる。
【0072】
第2のパターン層L2は、第1の絶縁層131の上部を含む層であって、第2のコイルパターン122、第1の外部電極2層142、第2の外部電極2層152及び第2の絶縁層132の一部を含む。
【0073】
第2のコイルパターン122はコイルパターン部120を成す一要素で、第1の外部電極2層142は第1の外部電極部140を成す一要素で、第2の外部電極2層152は第2の外部電極部150を成す一要素である。
【0074】
第1の絶縁層131の上面に、第2のコイルパターン122、第1の外部電極2層142及び第2の外部電極2層152が共に形成される。第2のコイルパターン122、第1の外部電極2層142及び第2の外部電極2層152は、全て導電性材料から成り、該導電性材料をベース基板110に印刷するような方式によって形成される。
【0075】
また、第1のコイルパターン121、第1の外部電極1層141及び第2の外部電極1層151は、フォトレジスト工法によって形成されてもよい。
【0076】
こうして形成された第2のコイルパターン122、第1の外部電極2層142及び第2の外部電極2層152の表面には、絶縁性材料から成る第2の絶縁層132が設けられる。
【0077】
第3のパターン層L3は、第2の絶縁層132の上部を含む層であって、第1の外部電極3層143、第2の外部電極3層153及び樹脂部160を含む。
【0078】
樹脂部160は、完成されたインダクタ100のハウジングの役目をする。
【0079】
前述のように、ベース基板110、第1のパターン層L1、第2のパターン層L2及び第3のパターン層L3が結合されることで、本発明の一実施形態によるインダクタ100が具現される。
【0080】
第1の外部電極1層141の上面と第1の外部電極2層142の下面と、第1の外部電極2層142の上面と第1の外部電極3層143の下面とは各々電気的に接続され、第1の外部電極1層141、第1の外部電極2層142及び第1の外部電極3層143が結合されたものを「第1の外部電極部140」と称する。
【0081】
また、第2の外部電極1層151の上面と第2の外部電極2層152の下面と、第2の外部電極2層152の上面と第2の外部電極3層153の下面とは各々電気的に接続され、第2の外部電極1層151、第2の外部電極2層152及び第2の外部電極3層153が結合されたものを「第2の外部電極部150」と称する。
【0082】
また、第1のコイルパターン121の他端と第2のコイルパターン122の他端とは、ビア123などによって電気的に接続され、第1のコイルパターン121と第2のコイルパターン122とが結合されたものを「コイルパターン部120」と称する。
【0083】
第1のコイルパターン121の一端は第1の外部電極部140に電気的に接続され、第2のコイルパターン122の一端は第2の外部電極部150に電気的に接続される。
【0084】
これによって、第1の外部電極部140、コイルパターン部120及び第2の外部電極部150が電気的に導通され、インダクタンスを具現することができる。
【0085】
一方、本発明の一実施形態によるインダクタ100では、第1の外部電極部140と第2の外部電極部150とがインダクタ100の6個の面のうちの一面に全て形成される。
【0086】
また、第1の外部電極部140及び第2の外部電極部150の表面のうち、コイルパターン部120が巻回される面に垂直な面は他面の面積に比べて大きくなる。
【0087】
また、第1の外部電極部140及び第2の外部電極部150は、コイルパターン部120が巻回される面に垂直な方向に、コイルパターン部120が投影された領域から脱した領域のみに設けられる。
【0088】
また、第1の外部電極部140及び第2の外部電極部150は、その下面が第1のコイルパターン121の下面と同じ水平面上に位置し、その上面が第2のコイルパターン122の上面より高い位置に形成される。
【0089】
これによって、第1の外部電極部140及び第2の外部電極部150によってコイルパターン部120の周辺に形成される磁束の流れが邪魔されるという問題が著しく減少される。
【0090】
また、前述のような本発明の一実施形態によるインダクタ100は、基板などへの実装の際、従来より効率的な方法で実装されることができる。
【0091】
図7a〜
図7sは、本発明の一実施形態によるインダクタ100製造方法を説明するための工程断面図である。
【0092】
図7a〜
図7sに示すように、まず、ベース基板110を用意し(
図7a)、該ベース基板110の表面に第1のシード層1SLを形成する(
図7b)。
【0093】
続いて、第1のシード層1SLの表面に第1のフォトレジストパターン層1PRを形成する(
図7c)。
【0094】
第1のフォトレジストパターン層1PRは、第1のコイルパターン121、第1の外部電極1肩141及び第2の外部電極1層151が形成される領域が貫通され、該当領域の第1のシード層1SLを露出させる。
【0095】
続いて、めっき工程を行ってめっき部を形成する(
図7d)。第1のコイルパターン121が形成される領域に第1のコイルめっき部121pが形成され、第1の外部電極1層141が形成される領域に第1の外部電極1層めっき部141pが形成され、第2の外部電極1層151が形成される領域に第2の外部電極1層めっき部151pが形成される。
【0096】
続いて、第1のフォトレジストパターン層1PR及びその下部に存在する第1のシード層1SLを除去する(
図7e)。
【0097】
これによって、第1のコイルパターン121、第1の外部電極1層141及び第2の外部電極1層151がベース基板110の一面に形成される。
【0098】
第1のコイルパターン121は、第1のコイルめっき部121p及びその下部の第1のシード層1SLを含むが、図面の簡略化のために、第1のコイルパターン121を表現するにおいて第1のコイルめっき部121pと第1のシード層1SLとの区分を略する事にする。
【0099】
また、第1の外部電極1層141及び第2の外部電極1層151の場合も同様で、後述する第2のコイルパターン122、第1の外部電極2層142、第2の外部電極2層152、第1の外部電極3層143、第2の外部電極3層153の場合も同様な方式で表現した。
【0100】
続いて、第1の絶縁層131を形成する(
図7f)。
【0101】
第1の絶縁層131が、第1のコイルパターン121、第1の外部電極1層141及び第2の外部電極1層151の露出面、及びベース基板110の露出上面を覆うように形成される。
【0102】
一実施形態によれば、第1の絶縁層131は感光性絶縁材料から成る。
【0103】
続いて、第1の絶縁層131の一部を除去する(
図7g)。
【0104】
第1のコイルパターン121の一部の上面に覆わせられた第1の絶縁層131を除去して、第1のコイルパターン121と第2のコイルパターン122とを電気的に接続するためのビアホール123hを形成する。
【0105】
また、第1の外部電極1層141及び第2の外部電極1層151の上面に覆わせられた第1の絶縁層131が除去され、第1の外部電極2層めっき用のホール142h及び第2の外部電極2層めっき用のホール152hが形成される。
【0106】
第1の絶縁層131が感光性絶縁材料から成る場合、除去される領域を露光後現像する過程を通じて、第1の絶縁層131の一部を除去する工程が行われてもよい。
【0107】
また、第1の絶縁層131の一部を除去する工程は、レーザーを用いる物理的な除去方法や、選択的なエッチング方法を用いて行われてもよい。
【0108】
続いて、第1の絶縁層131の除去された一部及び第1の絶縁層131の表面に第2のシード層2SLを形成する(
図7h)。
【0109】
続いて、第2のシード層2SLの上面に第2のフォトレジストパターン層2PRを形成する(
図7i)。
【0110】
第2のフォトレジストパターン層2PRは、第2のコイルパターン122、第1の外部電極2層142及び第2の外部電極2層152が形成される領域が貫通され、該当領域の第2のシード層2SLを露出させる。
【0111】
続いて、めっき工程を行ってめっき部を形成する(
図7j)。ビア123が形成される領域にビアめっき部123pが形成され、第2のコイルパターン122が形成される領域に第2のコイルめっき部122pが形成され、第1の外部電極2層142が形成される領域に第1の外部電極2層めっき部142pが形成され、第2の外部電極2層152が形成される領域に第2の外部電極2層めっき部152pが形成される。
【0112】
続いて、第2のフォトレジストパターン層2PR及びその下部に存在する第2のシード層2SLを除去する(
図7k)。
【0113】
これによって、第2のコイルパターン122、第1の外部電極2層142及び第2の外部電極2層152が第1の絶縁層131の一面に形成される。
【0114】
続いて、第2の絶縁層132を形成する(
図7l)。
【0115】
ここで、第2の絶縁層132は、第2のコイルパターン122、第1の外部電極2層142及び第2の外部電極2層152の露出面及びベース基板110の露出上面を覆うように形成される。
【0116】
一実施形態によれば、第2の絶縁層132は感光性絶縁材料から成る。
【0117】
続いて、第2の絶縁層132の一部を除去する(
図7m)。
【0118】
第1の外部電極2層142及び第2の外部電極2層152の上面に覆わせられた第2の絶縁層132が除去され、第1の外部電極3層めっき用のホール143h及び第2の外部電極3層めっき用のホール153hが形成される。
【0119】
第2の絶縁層132が感光性絶縁材料から成る場合、除去される領域を露光後現像する過程を通じて、第2の絶縁層132の一部を除去する工程が行われてもよい。
【0120】
また、第2の絶縁層132の一部を除去する工程は、レーザーを用いる物理的な除去方法や、選択的なエッチング方法を用いて行われてもよい。
【0121】
続いて、第2の絶縁層132の除去された一部及び第2の絶縁層132の表面に第3のシード層3SLを形成する(
図7n)。
【0122】
続いて、第3のシード層3SLの上面に第3のフォトレジストパターン層3PRを形成する(
図7o)。
【0123】
第3のフォトレジストパターン層3PRは、第1の外部電極3層143及び第2の外部電極3層153が形成される領域が貫通され、該当領域の第3のシード層3SLを露出させる。
【0124】
続いて、めっき工程を行ってめっき部を形成する(
図7p)。第1の外部電極3層143が形成される領域に第1の外部電極3層めっき部143pが形成され、第2の外部電極3層153が形成される領域に第2の外部電極3層めっき部153pが形成される。
【0125】
続いて、第3のフォトレジストパターン層3PR及びその下部に存在する第3のシード層3SLを除去する(
図7q)。
【0126】
続いて、第2の絶縁層132の上面に樹脂部160を形成する(
図7r)。
【0127】
続いて、第1の外部電極部140及び第2の外部電極部150の表面にニッケルまたはスズをめっきし、第1の追加めっき部170及び第2の追加めっき部180を形成する (
図7s)。
【0128】
これによって、従来のインダクタ 100で外部電極を形成するためにディッピン グ工程を行わなければならなかったことに比べて、別途のディッピング工程なしに外部電極を形成することができ、工程の効率が向上することができる。
【0129】
上記の実施形態では、インダクタが六面体形状の場合を説明したが、インダクタの形状は、六角柱等の多角柱、円柱の曲面を平面で切断した形状等であってもよく、六面体形状に限らない。また、インダクタの形状が円柱であり、第1の外部電極部及び第2の外部電極部が曲面に設けられ、第1の外部電極部の少なくとも一部及び第2の外部電極部の少なくとも一部が高さ方向に隣接して配置される形態であってもよい。つまり、第1の外部電極部の少なくとも一部及び第2の外部電極部の少なくとも一部が直線上に隣接している形態であればよい。
【0130】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、前記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。