(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表面層は、前記(A)成分と前記(B)成分との合計を100質量部としたときに、前記(A)成分を65〜80質量部、前記(B)成分を20〜35質量部、前記(C)成分を5〜20質量部、前記(D)成分を15〜45質量部含有する、請求項1記載のプリプレグ。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明に係るプリプレグについて説明するための模式断面図である。
図1の(a)に示されるプリプレグ10は、強化繊維1と、強化繊維1の繊維間に含浸された樹脂組成物2と、を含む強化繊維層3と、強化繊維層3の表面上に設けられた、ポリアミド樹脂粒子4及び樹脂組成物5を含有する表面層6aとを備える。プリプレグ10の表面層6aにおいては、ポリアミド樹脂粒子4が樹脂組成物5の層内に含まれている。
図1の(b)に示されるプリプレグ12は、プリプレグ10における表面層6aの代わりにポリアミド樹脂粒子4が樹脂組成物5の層の強化繊維層3とは反対側の表面に付着してなる表面層6bを備えること以外はプリプレグ10と同様の構成を備える。
【0020】
本実施形態に係るプリプレグ10,12は、樹脂組成物2が(A)ベンゾオキサジン樹脂、(B)エポキシ樹脂、及び、(C)分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有する硬化剤を含有し、表面層6a,6bが(A)ベンゾオキサジン樹脂、(B)エポキシ樹脂、(C)分子中に2以上のフェノール性水酸基を有する硬化剤、及び、(D)平均粒子径が5〜50μmのポリアミド樹脂粒子を含有し、ポリアミド樹脂粒子は、カプロラクタムとラウロラクタムとを9:1〜7:3のモル比で共重合させた共重合体からなる、融点が180℃以上の粒子を含む。
【0021】
本発明で用いる(A)ベンゾオキサジン樹脂(以下、(A)成分という場合もある)としては、下記一般式(A−1)で表されるベンゾオキサジン環を有する化合物が挙げられる。
【0022】
【化1】
[式(A−1)中、R
5は、炭素数1〜12の鎖状アルキル基、炭素数3〜8の環状アルキル基、炭素数6〜14のアリール基、又は炭素数1〜12の鎖状アルキル基若しくはハロゲンで置換されたアリール基を示す。結合手には水素原子が結合されていてもよい。]
【0023】
炭素数1〜12の鎖状アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基が挙げられる。炭素数3〜8の環状アルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。炭素数6〜14のアリール基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、フェナントリル基、ビフェニル基が挙げられる。炭素数1〜12の鎖状アルキル基若しくはハロゲンで置換されたアリール基としては、例えば、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基、o−エチルフェニル基、m−エチルフェニル基、p−エチルフェニル基、o−t−ブチルフェニル基、m−t−ブチルフェニル基、p−t−ブチルフェニル基、o−クロロフェニル基、o−ブロモフェニル基が挙げられる。
【0024】
R
5としては、上記例示の中でも、良好な取り扱い性を与えることから、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、o−メチルフェニル基が好ましい。
【0025】
また、下記一般式(A−2)で表されるベンゾオキサジン環を有する化合物が挙げられる。
【0026】
【化2】
[式(A−2)中、Lは、アルキレン基又はアリーレン基を示す。]
【0027】
(A)成分のベンゾオキサジン樹脂としては、例えば、以下の式で表されるモノマー、該モノマーが数分子重合したオリゴマー、以下の式で表されるモノマーの少なくとも1種と、これらモノマーとは異なる構造を有するベンゾオキサジン環を有する化合物との反応物が好ましく挙げられる。
【0032】
(A)成分は、ベンゾオキサジン環が開環重合することにより、フェノール樹脂と同様の骨格をつくるために、難燃性に優れる。また、その緻密な構造から、低吸水率や高弾性率といった優れた機械特性が得られる。
【0033】
(A)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0034】
本発明で用いる(B)エポキシ樹脂(以下、(B)成分という場合もある)は、組成物の粘度をコントロールし、また、組成物の硬化性を高める成分として配合される。(B)成分としては、例えば、アミン類、フェノール類、カルボン酸、分子内不飽和炭素等の化合物を前駆体とするエポキシ樹脂が好ましい。
【0035】
アミン類を前駆体とするエポキシ樹脂としては、例えば、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、キシレンジアミンのグリシジル化合物、トリグリシジルアミノフェノールや、グリシジルアニリンのそれぞれの位置異性体やアルキル基やハロゲンでの置換体が挙げられる。以下、市販品を例示する場合、液状のものには、後述の動的粘弾性測定装置により得られる25℃における複素粘弾性率η
*を粘度として記載している。
【0036】
テトラグリシジルジアミノジフェニルメタンの市販品としては、例えば、「スミエポキシ」(登録商標。以下同じ)ELM434(住友化学(株)製)、「アラルダイト」(登録商標、以下同じ)MY720、「アラルダイト」MY721、「アラルダイト」MY9512、「アラルダイト」MY9612、「アラルダイト」MY9634、「アラルダイト」MY9663(以上ハンツマン社製)、「jER」(登録商標、以下同じ)604(三菱化学(株)製)が挙げられる。
【0037】
トリグリシジルアミノフェノールの市販品としては、例えば、「jER」630(粘度:750mPa・s)(三菱化学(株)製)、「アラルダイト」MY0500(粘度:3500mPa・s)、MY0510(粘度:600mPa・s)(以上ハンツマン社製)、ELM100(粘度:16000mPa・s)(住友化学製)が挙げられる。
【0038】
グリシジルアニリン類の市販品としては、例えば、GAN(粘度:120mPa・s)、GOT(粘度:60mPa・s)(以上日本化薬(株)製)が挙げられる。
【0039】
フェノールを前駆体とするグリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂、トリスフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ジフェニルフルオレン型エポキシ樹脂やそれぞれの各種異性体やアルキル基、ハロゲン置換体が挙げられる。また、フェノールを前駆体とするエポキシ樹脂をウレタンやイソシアネートで変性したエポキシ樹脂も、このタイプに含まれる。
【0040】
液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、「jER」825(粘度:5000mPa・s)、「jER」826(粘度:8000mPa・s)、「jER」827(粘度:10000mPa・s)、「jER」828(粘度:13000mPa・s)、(以上三菱化学(株)製)、「エピクロン」(登録商標、以下同じ)850(粘度:13000mPa・s)(DIC(株)製)、「エポトート」(登録商標、以下同じ)YD−128(粘度:13000mPa・s)(新日鉄住金化学(株)製)、DER−331(粘度:13000mPa・s)、DER−332(粘度:5000mPa・s)(ダウケミカル社製)が挙げられる。固形もしくは半固形のビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、「jER」834、「jER」1001、「jER」1002、「jER」1003、「jER」1004、「jER」1004AF、「jER」1007、「jER」1009(以上三菱化学(株)製)が挙げられる。
【0041】
液状のビスフェノールF型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、「jER」806(粘度:2000mPa・s)、「jER」807(粘度:3500mPa・s)、「jER」1750(粘度:1300mPa・s)、「jER」(以上三菱化学(株)製)、「エピクロン」830(粘度:3500mPa・s)(DIC(株)製)、「エポトート」YD−170(粘度:3500mPa・s)、「エポトート」YD−175(粘度:3500mPa・s)、(以上、新日鉄住金化学(株)製)が挙げられる。固形のビスフェノールF型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、4004P、「jER」4007P、「jER」4009P(以上三菱化学(株)製)、「エポトート」YDF2001、「エポトート」YDF2004(以上新日鉄住金化学(株)製)が挙げられる。
【0042】
ビスフェノールS型エポキシ樹脂としては、例えば、EXA−1515(DIC(株)製)が挙げられる。
【0043】
ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂の市販品としては、例えば、「jER」YX4000H、「jER」YX4000、「jER」YL6616(以上、三菱化学(株)製)、NC−3000(日本化薬(株)製)が挙げられる。
【0044】
フェノールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、「jER」152、「jER」154(以上三菱化学(株)製)、「エピクロン」N−740、「エピクロン」N−770、「エピクロン」N−775(以上、DIC(株)製)が挙げられる。
【0045】
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、「エピクロン」N−660、「エピクロン」N−665、「エピクロン」N−670、「エピクロン」N−673、「エピクロン」N−695(以上、DIC(株)製)、EOCN−1020、EOCN−102S、EOCN−104S(以上、日本化薬(株)製)が挙げられる。
【0046】
レゾルシノール型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、「デナコール」(登録商標、以下同じ)EX−201(粘度:250mPa・s)(ナガセケムテックス(株)製)が挙げられる。
【0047】
ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂の市販品としては、例えば、「エピクロン」HP4032(DIC(株)製)、NC−7000、NC−7300(以上、日本化薬(株)製)が挙げられる。
【0048】
トリスフェニルメタン型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、TMH−574(住友化学(株)製)が挙げられる。
【0049】
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、「エピクロン」HP7200、「エピクロン」HP7200L、「エピクロン」HP7200H(以上、DIC(株)製)、「Tactix」(登録商標)558(ハンツマン社製)、XD−1000−1L、XD−1000−2L(以上、日本化薬(株)製)が挙げられる。
【0050】
ウレタンおよびイソシアネート変性エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、オキサゾリドン環を有するAER4152(旭化成イーマテリアルズ(株)製)が挙げられる。
【0051】
カルボン酸を前駆体とするエポキシ樹脂としては、例えば、フタル酸のグリシジル化合物や、ヘキサヒドロフタル酸、ダイマー酸のグリシジル化合物やそれぞれの各種異性体が挙げられる。
【0052】
フタル酸ジグリシジルエステルの市販品としては、例えば、「エポミック」(登録商標、以下同じ)R508(粘度:4000mPa・s)(三井化学(株)製)、「デナコール」EX−721(粘度:980mPa・s)(ナガセケムテックス(株)製)が挙げられる。
【0053】
ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステルの市販品としては、例えば、「エポミック」R540(粘度:350mPa・s)(三井化学(株)製)、AK−601(粘度:300mPa・s)(日本化薬(株)製)が挙げられる。
【0054】
ダイマー酸ジグリシジルエステルの市販品としては、例えば、「jER」871(粘度:650mPa・s)(三菱化学(株)製)、「エポトート」YD−171(粘度:650mPa・s)(新日鉄住金化学(株)製)が挙げられる。
【0055】
分子内不飽和炭素を前駆体とするエポキシ樹脂としては、例えば、脂環式エポキシ樹脂が挙げられる。脂環式エポキシ樹脂としては、(3’,4’−エポキシシクロヘキサン)メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、(3’,4’−エポキシシクロヘキサン)オクチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1−メチル−4−(2−メチルオキシラニル)−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタンが挙げられる。
【0056】
(3’,4’−エポキシシクロヘキサン)メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートの市販品としては、例えば、「セロキサイド」(登録商標、以下同じ)2021P(粘度:250mPa・s)((株)ダイセル製)、CY179(粘度:400mPa・s)(ハンツマン社製)が挙げられ、(3’,4’−エポキシシクロヘキサン)オクチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートの市販品としては、例えば、「セロキサイド」2081(粘度:100mPa・s)((株)ダイセル製)が挙げられ、1−メチル−4−(2−メチルオキシラニル)−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタンの市販品としては、例えば、「セロキサイド」3000(粘度:20mPa・s)((株)ダイセル製)が挙げられる。
【0057】
本実施形態においては、タックやドレープ性の観点から、25℃で液状のエポキシ樹脂を配合することができる。25℃で液状のエポキシ樹脂の25℃における粘度は、低ければ低いほどタックやドレープ性の観点から好ましい。具体的には、エポキシ樹脂の市販品として得られる下限である5mPa・s以上20000mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上15000mPa・s以下がより好ましい。25℃における粘度が20000mPa・sを超えると、タックやドレープ性が低下することがある。
【0058】
一方、耐熱性の観点から、25℃で固形のエポキシ樹脂を配合することができる。25℃で固形のエポキシ樹脂としては、芳香族含有量の高いエポキシ樹脂が好ましく、例えば、ビフェニル骨格をもつエポキシ樹脂や、ナフタレン骨格をもつエポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂が挙げられる。
【0059】
(B)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0060】
本発明で用いる(C)分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有する硬化剤(以下、(C)成分という場合もある)としては、ビスフェノール類等の多官能フェノールが挙げられ、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、チオジフェノール、下記一般式(C−1)で表されるビスフェノール類が挙げられる。
【0061】
【化7】
[式(C−1)中、R
1、R
2、R
3及びR
4は水素原子又は炭化水素基を示し、R
1、R
2、R
3又はR
4が炭化水素基である場合、それらは炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐のアルキル基である、又は、隣り合うR
1及びR
2若しくは隣り合うR
3及びR
4が結合して炭素数6〜10の置換若しくは無置換の芳香環又は炭素数6〜10の置換若しくは無置換の脂環構造を形成しており、xは、0又は1を示す。]
【0062】
上記一般式(C−1)で表される硬化剤としては、例えば、下記式で表される化合物が挙げられる。
【0064】
本実施形態においては、ポリアミドの融解温度の低下抑制および樹脂硬化物の耐熱性向上の観点から、ビスフェノールA、ビスフェノールF、チオビスフェノール(以下、TDPという場合もある)、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(以下、BPFという場合もある)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(以下、BPCという場合もある)が好ましい。
【0065】
(C)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0066】
本実施形態においては、上記(C)成分以外の硬化剤を併用することができる。併用できる硬化剤としては、例えば、N,N−ジメチルアニリンを代表とする第3級芳香族アミン、トリエチルアミン等の第3級脂肪族アミン、イミダゾール誘導体、ピリジン誘導体等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0067】
本発明で用いる(D)平均粒子径が5〜50μmのポリアミド樹脂粒子(以下、(D)成分という場合もある)は、ポリアミド11からなる粒子を含む。ポリアミド11は、ウンデカンラクタムを開環重合して得られるものである。上記ポリアミド樹脂粒子の融点は、188℃前後である。上記融点を有する(D)ポリアミド樹脂粒子を用いることにより、繊維強化複合材料の作製時にポリアミド樹脂粒子が必要以上に融解して強化繊維層に入り込むことを抑制しつつ、ポリアミド樹脂粒子を適度に融解させてCAI及び曲げ弾性率を向上させることができる。なお、(D)ポリアミド樹脂粒子の融点は、示差熱量計(DSC)を用いて、25℃から10℃/分の速度で昇温し、得られた吸熱ピークのトップの温度を測定することで求められる。
【0068】
ここで、ポリアミド樹脂粒子の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)にて200〜500倍に拡大した粒子の任意に選択した100個の粒子について測定した、各粒子の長径の長さの平均値を意味する。
【0069】
本発明に用いるポリアミド樹脂粒子としては、市販品を用いることができ、例えば、「リルサンPA11」(登録商標、アルケマ社製)が挙げられる。
【0070】
上記ポリアミド樹脂粒子の平均粒子径は、表面層厚みを制御する観点から、5〜50μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。
【0071】
本実施形態において、樹脂組成物2における(A)成分及び(B)成分の含有量は、(A)成分と(B)成分との合計を100質量部としたときに、(A)成分が65〜80質量部、(B)成分が20〜35質量部であることが好ましく、(A)成分が65〜78質量部、(B)成分が22〜35質量部であることがより好ましく、(A)成分が70〜78質量部、(B)成分が22〜30質量部であることが更に好ましい。(A)成分の含有割合が65質量部を下回る、即ち、(B)成分の含有割合が35質量部を超える場合には、得られる繊維強化複合体の弾性率及び耐水性が低下する傾向にあり、また樹脂硬化物のガラス転移温度が低下する傾向にある。
【0072】
また、樹脂組成物2における(C)成分の含有量は、(A)成分と(B)成分との合計を100質量部としたときに、5〜20質量部であることが好ましく、7〜15質量部がより好ましい。(C)成分の含有量が5質量部未満では、繊維強化複合材料におけるCAI及び曲げ弾性率を十分に高くすることが困難となる傾向にあり、20質量部を超えると、硬化物のガラス転移温度等の機械物性が低下する傾向にある。
【0073】
本実施形態において、表面層6a,6bにおける(A)成分及び(B)成分の含有量は、(A)成分と(B)成分との合計を100質量部としたときに、(A)成分が65〜80質量部、(B)成分が20〜35質量部であることが好ましく、(A)成分が65〜78質量部、(B)成分が22〜35質量部であることがより好ましく、(A)成分が70〜78質量部、(B)成分が22〜30質量部であることが更に好ましい。(A)成分の含有割合が65質量部を下回る、即ち、(B)成分の含有割合が35質量部を超える場合には、得られる繊維強化複合体の弾性率及び耐水性が低下する傾向にあり、また樹脂硬化物のガラス転移温度が低下する傾向にある。
【0074】
また、表面層6a,6bにおける(C)成分の含有量は、(A)成分と(B)成分との合計を100質量部としたときに、5〜20質量部であることが好ましく、7〜15質量部がより好ましい。(C)成分の含有量が5質量部未満では、繊維強化複合材料におけるCAI及び曲げ弾性率を十分に高くすることが困難となる傾向にあり傾向にあり、20質量部を超えると、硬化物のガラス転移温度等の機械物性が低下する傾向にある。
【0075】
更に、表面層6a,6bにおける(D)成分の含有量は、(A)成分と(B)成分との合計を100質量部としたときに、15〜45質量部であることが好ましく、20〜40質量部であることがより好ましい。(D)成分の含有量が15質量部未満では、繊維強化複合材料におけるCAI及び曲げ弾性率を十分に高くすることが困難となる傾向にあり、45質量部を超えると曲げ弾性率が低下する傾向にある。
【0076】
本実施形態のプリプレグにおける表面層6a,6bとはプリプレグ表面から強化繊維層の強化繊維までの間を指し、表面層における(D)成分の上記含有量は、例えば、プリプレグ表面から強化繊維層の強化繊維までの間に検出される(A)成分、(B)成分及び(C)成分の含有量に基づき算出することができる。
【0077】
本実施形態のプリプレグにおいて、表面層及び強化繊維層には、その物性を損なわない範囲で、例えば、(E)靭性向上剤などのその他の成分を配合することができる。(E)靭性向上剤としては、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン等が挙げられる。
【0078】
更に他の成分としては、ナノカーボンや難燃剤、離型剤等を配合することができる。ナノカーボンとしては、例えば、カーボンナノチューブ、フラーレンやそれぞれの誘導体が挙げられる。難燃剤としては、例えば、赤燐、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホルフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、レゾルシノールビスフェニルホスフェート、ビスフェノールAビスジフェニルホスフェート等のリン酸エステルや、ホウ酸エステル等が挙げられる。離型剤としては、例えば、シリコンオイル、ステアリン酸エステル、カルナウバワックス等が挙げられる。
【0079】
本発明でいう強化繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、黒鉛繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維等を使用することができる。これらの繊維を2種以上混合して用いてもよい。より軽量で、より耐久性の高い成形品を得るために、炭素繊維又は黒鉛繊維を用いることが好ましく、炭素繊維を用いることが更に好ましい。
【0080】
本発明で用いる炭素繊維としては、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維のいずれも使用可能である。
【0081】
本発明においては、用途に応じてあらゆる種類の炭素繊維又は黒鉛繊維を用いることが可能である。耐衝撃性に優れ、高い剛性及び機械強度を有する複合材料が得られることから、炭素繊維又は黒鉛繊維のストランド引張試験における引張弾性率は、150〜650GPaであることが好ましく、より好ましくは200〜550GPaであり、さらに好ましくは230〜500GPaである。なお、ストランド引張試験とは、束状の炭素繊維又は黒鉛繊維にエポキシ樹脂を含浸させ、130℃の温度で35分間硬化させた後、JIS R7601(1986)に基づいて行う試験をいう。
【0082】
本実施形態のプリプレグ及び繊維強化複合材料において強化繊維の形態は特に限定されるものではなく、例えば、一方向に引き揃えた長繊維、トウ、織物、マット、ニット、組み紐、10mm未満の長さにチョップした短繊維等を用いることができる。ここで、長繊維とは実質的に10mm以上連続な単繊維もしくは繊維束である。短繊維とは10mm未満の長さに切断された繊維束である。比強度、比弾性率が高いことを要求される用途には、本実施形態のプリプレグのように強化繊維束が単一方向に引き揃えられた配列が最も適しているが、取り扱いの容易なクロス(織物)状の配列も適用可能である。
【0083】
本実施形態のプリプレグは、単位面積あたりの強化繊維量が25〜3000g/m
2であることが好ましく、70〜3000g/m
2であることがより好ましい。強化繊維量が25g/m
2未満では、繊維強化複合材料を成形する際に所定の厚みを得るために積層枚数を多くする必要があり、作業が繁雑となることがある。一方、強化繊維量が3000g/m
2を超えると、プリプレグのドレープ性が悪くなる傾向にある。なお、プリプレグが平面もしくは単純な局面であれば、強化繊維量は3000g/m
2を超えてもよい。また、プリプレグにおける繊維含有率は、好ましくは30〜90質量%であり、より好ましくは35〜85質量%であり、更に好ましくは40〜80質量%である。含有率が30質量%未満では、樹脂の量が多すぎて、比強度と比弾性率に優れる繊維強化複合材料の利点が得られなかったり、繊維強化複合材料の成形の際、硬化時の発熱量が大きくなりすぎることがある。含有率が90質量%を超えると、樹脂の含浸不良が生じ、得られる複合材料はボイドの多いものとなる傾向がある。
【0084】
次に、本発明に係るプリプレグを製造する方法について説明する。
図2及び
図3は、本発明に係るプリプレグを製造する方法について説明するための模式断面図である。
図2に示される方法は、上述した本実施形態に係るプリプレグ10を製造する方法の一実施形態である。この方法では、強化繊維1を一方向に引き揃えた強化繊維束7を用意し(a)、強化繊維束7に上記(A)〜(C)成分を含む第1の樹脂組成物2を含浸して強化繊維層3を形成し(b)、強化繊維層3の両面に上記(A)〜(C)成分と(D)成分とを含む第2の樹脂組成物を含浸することにより表面層6aを形成することによりプリプレグ10が得られる(c)。
【0085】
図3に示される方法は、強化繊維1を一方向に引き揃えた強化繊維束7を用意し(a)、強化繊維束7の両面に上記(A)〜(D)成分を含む樹脂組成物を1回含浸することにより、繊維に含浸しなかった(D)成分4と(A)〜(C)成分を含む樹脂組成物2からなる表面層6aが形成され、プリプレグ11が得られる(c)。
【0086】
図1(b)のプリプレグ12は、例えば、強化繊維束に(A)〜(C)成分を含む樹脂組成物を含浸した後、樹脂組成物を含浸した強化繊維束の表面に(D)成分を散布することにより製造することができる。
【0087】
強化繊維束に含浸する各樹脂組成物は、上記(A)〜(C)成分及び必要に応じて他の成分、又は上記(A)〜(D)成分及び必要に応じて他の成分を混練することにより調製できる。
【0088】
樹脂組成物の混練方法は、特に限定されず、例えば、ニーダーやプラネタリーミキサー、2軸押出機などが用いられる。また、(D)成分などの粒子成分の分散性の点から、予めホモミキサー、3本ロール、ボールミル、ビーズミルおよび超音波などで、粒子を液状の樹脂成分に拡散させておくことが好ましい。更に、マトリックス樹脂との混合時や、粒子の予備拡散時等には、必要に応じて加熱・冷却、加圧・減圧してもよい。保存安定性の観点から、混練後は、速やかに冷蔵・冷凍庫で保管することが好ましい。
【0089】
樹脂組成物の粘度は、前駆体フィルム製造の観点から、50℃において、10〜20000Pa・sが好ましい。より好ましくは10〜10000Pa・s、最も好ましくは50〜6000Pa・sである。10Pa・s未満では、樹脂組成物のタックが高くなり、塗布困難となることがある。また、20000Pa・sを超えると、半固形化し塗布が困難となる。
【0090】
樹脂組成物を含浸させる方法としては、樹脂組成物をメチルエチルケトン、メタノール等の溶媒に溶解して低粘度化し、含浸させるウェット法、加熱により低粘度化し、含浸させるホットメルト法(ドライ法)等を挙げることができる。
【0091】
ウェット法は、強化繊維を樹脂組成物の溶液に浸漬した後、引き上げ、オーブン等を用いて溶媒を蒸発させる方法である。ホットメルト法は、加熱により低粘度化した樹脂組成物を直接強化繊維に含浸させる方法、又は一旦樹脂組成物を離型紙等の上にコーティングしてフィルムを作製しておき、次いで強化繊維の両側又は片側から上記フィルムを重ね、加熱加圧することにより強化繊維に樹脂を含浸させる方法である。ホットメルト法は、プリプレグ中に残留する溶媒が実質上皆無となるため好ましい。
【0092】
本発明に係るプリプレグは、積層後、積層物に圧力を付与しながら樹脂を加熱硬化させる方法等により、繊維強化複合材料とすることができる。ここで熱及び圧力を付与する方法には、例えば、プレス成形法、オートクレーブ成形法、バッギング成形法、ラッピングテープ法、内圧成形法が挙げられる。ラッピングテープ法は、マンドレル等の芯金にプリプレグを捲回して、繊維強化複合材料製の管状体を成形する方法であり、ゴルフシャフト、釣り竿等の棒状体を作製する際に好適な方法である。より具体的には、マンドレルにプリプレグを捲回し、プリプレグの固定及び圧力付与のため、プリプレグの外側に熱可塑性フィルムからなるラッピングテープを捲回し、オーブン中で樹脂を加熱硬化させた後、芯金を抜き取って管状体を得る方法である。
【0093】
内圧成型法は、熱可塑性樹脂製のチューブ等の内圧付与体にプリプレグを捲回したプリフォームを金型中にセットし、次いで内圧付与体に高圧の気体を導入して圧力を付与すると同時に金型を加熱せしめ、成形する方法である。この方法は、ゴルフシャフト、バッド、テニスやバドミントン等のラケットの如き複雑な形状物を成形する際に好ましく用いられる。
【0094】
上記(A)〜(D)成分及び必要に応じて他の成分を含む樹脂粒子含有組成物は、上述したプリプレグの作製に好適に用いることができる。(D)成分の含有量が(A)成分と(B)成分との合計を100質量部としたときに15〜45質量部である、好ましくは20〜40質量部である樹脂粒子含有組成物は、プリプレグの表面層を形成するための材料として好適に用いることができる。また、樹脂粒子含有組成物は、2℃/minで昇温後、180℃、2時間の条件で硬化させた硬化物のガラス転移温度が190℃以上であることが好ましい。
【0095】
図4は、本発明に係る繊維強化複合材料について説明するための模式断面図である。
図4に示される繊維強化複合材料100は、強化繊維1と、樹脂硬化物8と、ポリアミド樹脂粒子4とを含んでなる。繊維強化複合材料100は、プリプレグ10,11,12のいずれかを複数積層し、加圧下で加熱することにより得ることができる。
【0096】
繊維強化複合材料において、強化繊維層間の樹脂硬化物に含まれるポリアミド樹脂の含有量C
1と、強化繊維層内に含まれるポリアミド樹脂の含有量C
2との合計量に占めるC
1の容量割合{C
1/(C
1+C
2)}×100は、70容量%以上であることが好ましく、80容量%以上であることがより好ましい。
【0097】
ポリアミド樹脂の含有量は、繊維強化複合材料中の任意の強化繊維が伸びる方向に直交する面で繊維強化複合材料を切断したときの切断面を顕微鏡観察により分析し、画像解析を行うことでポリアミド樹脂の分布を観察することにより求められる。
【0098】
また、本発明に係る繊維強化複合材料は、強化繊維基材に直接、樹脂組成物を含浸させ硬化させることによっても得ることができる。例えば、強化繊維基材を型内に配置し、その後、上記(A)〜(D)成分を含む樹脂組成物を流し込み含浸させ硬化させる方法や、強化繊維基材および上記(A)〜(D)成分を含む樹脂組成物からなるフィルムを積層し、該積層体を加熱・加圧する方法によっても製造できる。上記フィルムは、予め離型紙や離型フィルム上に所定量の樹脂組成物を均一な厚みで塗布して得ることができる。強化繊維基材としては、一方向に引き揃えた長繊維、二方向織物、不織布、マット、ニット、組み紐などが挙げられる。また、ここでの積層は、単に繊維基材を重ね合わせる場合のみならず、各種型やコア材に貼り付けてプリフォームする場合も含む。コア材としては、フォームコアやハニカムコアなどが好ましく用いられる。フォームコアとしては、ウレタンやポリイミドが好ましく用いられる。ハニカムコアとしてはアルミコアやガラスコア、アラミドコアなどが好ましく用いられる。
【0099】
本発明に係る繊維強化複合材料は、SACMA SRM 2R−94に従い測定した衝撃後圧縮強度(CAI)が210MPa以上であることが好ましく、220MPa以上であることがより好ましい。
【0100】
本発明に係る繊維強化複合材料は、樹脂硬化物のガラス転移温度が180℃以上であることが好ましく、190℃以上であることがより好ましい。
【0101】
上記物性を有する本発明に係る繊維強化複合材料は、鉄道車両、航空機、建築部材や、その他一般産業用途に好適に用いられる。
【実施例】
【0102】
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。各種物性の測定は以下の方法によった。結果を表1に示す。
【0103】
(実施例1
及び2、参考例3、比較例1〜2)
各実施例、
参考例、比較例について、表1に示す割合で原料を加熱混合し、粒子を含有しない第1の樹脂組成物(表中の「第1」の組成)と、粒子を含有する第2の樹脂組成物(表中の「第2」の組成)を得た。なお、ここで用いた原料は以下に示す通りである。
【0104】
(A)成分:ベンゾオキサジン樹脂
F−a(ビスフェノールF−アニリン型、四国化成工業(株)製)
P−a(フェノール−アニリン型、四国化成工業(株)製)
(B)成分:エポキシ樹脂
「セロキサイド」(登録商標)2021P((株)ダイセル製)
(C)成分:硬化剤
BPF(9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、大阪ガスケミカル製)
BPC(1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、シグマ・アルドリッチ社製)
TDP(ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、東京化成工業(株)製)
(D)成分:ポリアミド樹脂粒子
PA11(ポリアミド11、平均粒子径25μm、アルケマ製)
(D’)成分: ポリアミド樹脂粒子
PA6(ポリアミド6、平均粒子径20μm、ダイセル・エボニック製)
PA12(ポリアミド12、平均粒子径20μm、ダイセル・エボニック製)
(E)成分:靭性向上剤
フェノキシ樹脂(YP−70、新日鉄住金化学(株)製)
【0105】
<プリプレグの製造>
得られた第1及び第2の樹脂組成物をそれぞれ離型紙上に70〜100℃で塗布し、18g/m
2の第1の樹脂フィルム及び25g/m
2の第2の樹脂フィルムを得た。得られた第1の樹脂フィルムを、一方向に引き揃えた炭素繊維の上下から供給して繊維間に含浸し、炭素繊維層を形成した。続いて、第2の樹脂フィルムを炭素繊維層の上下からラミネートして表面層を形成し、プリプレグを作製した。このプリプレグの単位面積当たりの炭素繊維量は150g/m
2であり、炭素繊維層及び表面層中の合計の樹脂組成物量(マトリックス樹脂量)は86g/m
2であった。
【0106】
<ポリアミド樹脂粒子の融点の測定>
上記(D)成分及び(D’)成分であるポリアミド樹脂粒子を、示差熱量計(DSC)を用いて、25℃から10℃/分の速度で昇温し、得られた吸熱ピークのトップをポリアミド樹脂粒子の融点とした。結果を表2に示す。また、PA11のDSCチャートを
図5に示す。
【0107】
<第2の樹脂組成物中でのポリアミド樹脂粒子の融解温度の測定>
得られた第2の樹脂組成物を、示差熱量計(DSC)を用いて、25℃から10℃/分の速度で昇温し、得られた吸熱ピークのトップを第2の樹脂組成物中でのポリアミド樹脂粒子の融解温度とした。結果を表1に示す。また、
参考例3の第2の樹脂組成物のDSCチャートを
図6に示す。
【0108】
<ガラス転移温度の測定>
得られた第2の樹脂組成物を、180℃のオーブン中で2時間硬化して樹脂硬化物を得た。得られた硬化物を、示差熱量計(DSC)を用いて、JIS K7121(1987)に基づいて求めた中間点温度をガラス転移温度として測定した。結果を表1に示す。
【0109】
<曲げ弾性率の測定>
得られた第2の樹脂組成物を、180℃の温度で2時間硬化させ、厚さの樹脂硬化物を得た。この樹脂硬化物について、JIS J 7171に従い曲げ弾性率測定を行った。結果を表1に示す。
【0110】
<CAIの測定>
得られたプリプレグを、[+45°/0°/−45°/90°]
4s構成で、擬似等方的に32プライ積層し、オートクレーブにて、圧力0.6MPa、室温から2℃/分で180℃まで昇温した後、同温で2時間加熱硬化し、CFRPを得た。このCFRPについて、SACMA SRM 2R−94に従い、縦150mm×横100mmのサンプルを切り出し、サンプルの中心部に6.7J/mmの落錘衝撃を与え、衝撃後圧縮強度を求めた。結果を表1に示す。
【0111】
<炭素繊維層間でのポリアミド樹脂存在率(容量%)>
繊維強化複合材料中の任意の炭素繊維が伸びる方向に直交する面で繊維強化複合材料を切断したときの切断面を顕微鏡観察(500倍)により分析し、500μm×100μmの範囲について画像解析を行うことでポリアミド粒子の分布を観察することにより、炭素繊維層間の1つの樹脂硬化物に含まれるポリアミド樹脂の含有量C
1と、1つの炭素繊維層内に含まれるポリアミド樹脂の含有量C
2とを算出した。この測定を、異なる炭素繊維層及び樹脂硬化物の組み合わせとなる任意の5箇所について行い、C
1及びC
2の5箇所の平均値を用いて、1プリプレグ当たりのC
1の容量割合{C
1/(C
1+C
2)}×100を求めた。結果を表1に示す。
【0112】
【表1】
【0113】
【表2】
【0114】
表1に示される通り、特定の(D)ポリアミド樹脂粒子を用いた実施例1
及び2、参考例3では、優れたCAI及び曲げ弾性率を高次元で同時に達成でき、且つ樹脂材料のガラス転移温度も高く維持できることが確認された。