(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る一実施形態について、図面を参照して説明する。図面は、模式的なものである。図面上の寸法又は比率等は、現実のものとは必ずしも一致していない。各図面における各構成部の描写は、部分的に簡略化されることがある。
【0010】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る組電池100の外観斜視図である。組電池100は、上部ケース300と、下部ケース110と、セルホルダ120と、BATケース500と、ガス排出管600とを備える。組電池100は、略直方体形状である。X軸の正の方向に向く面は、組電池100の第1側面ともいう。X軸の負の方向に向く面は、組電池100の第2側面ともいう。Z軸の正の方向に向く面は、組電池100の上面ともいう。上面の反対側に対応するZ軸の負の方向に向く面は、組電池100の底面ともいう。Y軸の負の方向を向く面は、組電池100の前面ともいう。前面の反対側に対応するY軸の正の方向を向く面は、組電池100の背面ともいう。組電池100の各面の名称は、下部ケース110、セルホルダ120及びBATケース500の各面を示す名称として適用されうる。
【0011】
下部ケース110と、セルホルダ120と、BATケース500とは、係合部材180によって、第1側面の側で互いに係合される。下部ケース110と、セルホルダ120と、BATケース500とは、係合部材180によって、第2側面の側でも互いに係合される。下部ケース110と、セルホルダ120と、BATケース500とが係合された部材は、電池ケースともいう。電池ケースには、後述する電池セル150(
図3参照)が収容される。
【0012】
下部ケース110と、セルホルダ120と、BATケース500とは、例えば、PBT(Poly-Butylene Terephthalate)等の樹脂により構成されてよい。
【0013】
上部ケース300は、上面と第1側面とが接続する辺の一部に、凹部301及び凹部302を有する。上部ケース300は、前面と上面とが接続する辺の一部に、凹部303を有する。組電池100は、凹部301、凹部302及び凹部303に、それぞれSSG端子250、LOAD端子260及びGND端子270を備える。
【0014】
上部ケース300は、第1側面に開口304を有する。組電池100は、開口304に、コネクタ310を備える。
【0015】
上部ケース300は、例えば、PBT(Poly-Butylene Terephthalate)等の樹脂により構成されてよい。
【0016】
ガス排出管600は、電池セル150から排出されるガスを通過させて、ガスを電池ケースの外部に排出する。ガス排出管600は、例えば、金属製のチューブであってよい。
【0017】
本実施形態において、組電池100は、内燃機関を備えた車両、又は内燃機関と電動機との双方の動力で走行可能なハイブリッド車両等の車両に搭載されて使用されると仮定する。組電池100は、例えば、車両の座席の下に搭載されてよい。組電池100は、例えば、車両のセンターコンソールに搭載されてよい。組電池100は、車両用に限られず、他の用途で用いられてよい。
【0018】
図2は、
図1に示す組電池100を含む電源システム400の概略を示す機能ブロック図である。電源システム400は、組電池100と、オルタネータ410と、スタータ420と、第2の二次電池430と、負荷440と、スイッチ450と、制御部460とを備える。組電池100は、下部ケース110に収容される第1の二次電池130を含む。第1の二次電池130、オルタネータ410、スタータ420、第2の二次電池430及び負荷440は、並列に接続される。
【0019】
組電池100は、MOSFET210(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)と、リレー220と、センサ230とを備える。組電池100は、ヒュージブルリンク240と、第1の二次電池130と、BMS140(Battery Management System)とをさらに備える。BMS140は、バッテリコントローラともいう。組電池100は、SSG端子250と、LOAD端子260と、GND端子270とをさらに備える。
【0020】
リレー220と、第1の二次電池130と、ヒュージブルリンク240と、GND端子270とは、この順で直列に接続される。リレー220は、MOSFET210とSSG端子250とに電気的に接続される。SSG端子250は、オルタネータ410に電気的に接続される。MOSFET210は、LOAD端子260を介して、第2の二次電池430及び負荷440に直列に接続される。GND端子270は、接地される。
【0021】
センサ230は、第1の二次電池130に電気的に接続される。BMS140は、センサ230に通信可能に接続される。BMS140は、電源システム400の制御部460に、通信可能に接続される。BMS140は、MOSFET210と、リレー220と、センサ230とに、通信可能に接続される。センサ230の機能を実行する回路は、センサ基板231(
図7参照)に実装される。
【0022】
リレー220は、第1の二次電池130を、電源システム400における組電池100外の各構成要素と並列に接続する、又は、各構成要素から切断するスイッチング素子として機能する。組電池100外の電源システム400の各構成要素は、外部回路ともいう。
【0023】
センサ230は、適宜な構造を有し、適宜な方式で第1の二次電池130を含む回路に流れる電流、又は、第1の二次電池130を含む回路に印加される電圧を測定する。
【0024】
ヒュージブルリンク240は、ヒューズ本体と、ヒューズ本体を収容保持する絶縁樹脂製のハウジングと、ハウジングを覆う絶縁樹脂製のカバーとにより構成され、過電流が生じた場合に溶断する。
【0025】
第1の二次電池130は、電池セル150(
図3参照)のアセンブリにより構成される。第1の二次電池130を構成する電池セル150は、例えばリチウムイオン電池又はニッケル水素電池等の二次電池であってよい。第1の二次電池130は、正極側でリレー220に電気的に接続される。第1の二次電池130は、負極側でヒュージブルリンク240に電気的に接続される。ヒュージブルリンク240は、GND端子270を介して接地される。
【0026】
MOSFET210は、第2の二次電池430及び負荷440を、電源システム400における他の構成要素と並列に接続する、又は、他の構成要素から切断するスイッチング素子として機能する。組電池100は、MOSFET210を備えないこともある。MOSFET210は、MOS基板212(
図10参照)に実装される。
【0027】
BMS140は、センサ230から、第1の二次電池130の電流又は電圧等の測定結果を取得する。BMS140は、測定結果に基づいて、第1の二次電池130の状態を推定する。BMS140は、例えば第1の二次電池130の充電率等を推定する。充電率は、SOC(State Of Charge)ともいう。BMS140の機能を実行する回路は、BMS基板141(
図10及び
図11参照)に実装される。
【0028】
オルタネータ410は、発電機であって、車両のエンジンに機械的に接続される。オルタネータ410は、エンジンの駆動によって発電を行う。オルタネータ410がエンジンの駆動によって発電した電力は、レギュレータで出力電圧を調整されて、第1の二次電池130、第2の二次電池430及び負荷440に供給され得る。オルタネータ410は、車両の減速時等に回生によって発電可能である。オルタネータ410が回生発電した電力は、第1の二次電池130及び第2の二次電池430の充電に使用されうる。
【0029】
スタータ420は、例えばセルモータを含んで構成されうる。スタータ420は、第1の二次電池130及び第2の二次電池430の少なくとも一方からの電力供給を受けて、車両のエンジンを始動させる。
【0030】
第2の二次電池430は、例えば鉛蓄電池により構成されうる。第2の二次電池430は、負荷440に電力を供給する。
【0031】
負荷440は、例えば車両に備えられたオーディオ、エアコンディショナ、及びナビゲーションシステム等を含みうる。負荷440は、供給された電力を消費して動作する。負荷440は、エンジン駆動の停止中に第1の二次電池130から電力供給を受けて動作し、エンジン駆動中にオルタネータ410及び第2の二次電池430から電力供給を受けて動作する。
【0032】
スイッチ450は、スタータ420と直列に接続される。スイッチ450は、スタータ420を他の構成要素と並列に接続する、又は、他の構成要素から切断するスイッチング素子として機能する。
【0033】
制御部460は、電源システム400の全体の動作を制御する。制御部460は、例えば車両のECU(Electric Control Unit又はEngine Control Unit)により構成されてよい。制御部460は、スイッチ450及びBMS140に、通信可能に接続される。制御部460は、BMS140を介して、MOSFET210及びリレー220に、通信可能に接続される。制御部460は、スイッチ450、MOSFET210及びリレー220の動作をそれぞれ制御する。制御部460は、各構成要素を制御することによって、オルタネータ410、第1の二次電池130及び第2の二次電池430による電力供給、並びに第1の二次電池130及び第2の二次電池430の充電を行う。
【0034】
図3は、組電池100に収容される電池セル150の配置を示す斜視図である。本実施形態に係る組電池100は、5個の電池セル150−1〜5を収容する。組電池100に収容される電池セル150の数量は、5つに限られない。組電池100に収容される電池セル150の数量は、電池セル150の最大出力及び車両等の被駆動機器が消費する電力等に応じて、適宜決定されうる。
【0035】
電池セル150は、6つの面を有する略直方体形状である。電池セル150の6つの面のうち2つの面は、他の4つの面よりも大きい面積を有する。電池セル150の面のうち比較的面積の大きい2つの面は、扁平面ともいう。電池セル150は、扁平面がZ軸の正の方向及び負の方向に向くように配置される。言い換えれば、電池セル150は、扁平面が組電池100の上面及び底面に略平行となるように配置される。
【0036】
本実施形態に係る組電池100において、電池セル150は、2段と3段とに分けてZ軸方向に積層される。2段に積層された電池セル150は、X軸の正の方向の側に配置される。3段に積層された電池セル150は、X軸の負の方向の側に配置される。電池セル150が積層される数量は、組電池100に収容される電池セル150の数量に応じて、適宜変更されうる。積層される電池セル150の間には、電池セル150間の絶縁をとるための絶縁シート155(
図12参照)が配置される。
【0037】
電池セル150のY軸の負の方向の側の面は、キャップ面151ともいう。電池セル150は、キャップ面151が組電池100の前面の側に向くように配置される。電池セル150は、キャップ面151に、正極端子152と、負極端子153と、安全弁154とを備える。キャップ面151は、長辺と短辺とを有する略長方形状である。正極端子152及び負極端子153は、キャップ面151の長辺方向の両端付近に設けられる。正極端子152及び負極端子153は、電池セル150から電力を出力する電極である。正極端子152及び負極端子153をまとめて電極端子ともいう。
【0038】
安全弁154は、正極端子152と負極端子153との間に設けられる。安全弁154は、電池セル150内部で発生するガスによって、電池セル150内部の圧力が所定圧力以上になった場合にガスを外部に排出するために開く。電池セル150内部の圧力は、電池セル150が経年劣化した場合又は熱暴走した場合等に、所定圧力以上になりうる。所定圧力は、電池セル150の仕様に応じて、適宜定められうる。
【0039】
図4は、電池セル150が下部ケース110及びセルホルダ120に収容された状態を示す図である。下部ケース110は、上面の側に、係合孔115を有する。下部ケース110は、図示されていない底面の側にも、係合孔115を有する。セルホルダ120は、上面の側に、係合爪128を有する。セルホルダ120は、図示されていない底面の側にも、係合爪128を有する。係合孔115及び係合爪128とは、上面の側及び底面の側それぞれで互いに嵌合することによって、下部ケース110及びセルホルダ120を係合する。
【0040】
図4において、下部ケース110及びセルホルダ120は、係合孔115が係合爪128の外側に位置するように構成される。下部ケース110及びセルホルダ120は、係合孔115が係合爪128の内側に位置するように、構成されてよい。係合孔115と係合爪128とは、交換されてよい。つまり、下部ケース110及びセルホルダ120は、係合孔115がセルホルダ120に設けられ、且つ、係合爪128が下部ケース110に設けられるように構成されてもよい。
【0041】
組電池100は、第1側面の側に、係合部材180を備える。組電池100は、図示されていない第2側面の側にも、係合部材180を備える。下部ケース110及びセルホルダ120はそれぞれ、第1側面の側に凸部112及び凸部122を有する。下部ケース110及びセルホルダ120はそれぞれ、図示されていない第2側面の側にも、凸部112及び凸部122を有する。係合部材180は、凸部112と、凸部122とを挟持することによって、下部ケース110とセルホルダ120とを係合する。係合部材180は、例えばクリップ等の弾性部材であってよい。
【0042】
セルホルダ120は、上面の側に、BATケース500と係合されるための係合孔125を有する。セルホルダ120は、図示されていない底面の側にも、係合孔125を有する。また、セルホルダ120は、前面からY軸の負の方向へ略円筒状に突設された複数の収容部129を有する。収容部129の数は、電池セル150の電極端子の数と同一である。
【0043】
組電池100は、セルホルダ120の側に、セル間バスバ160−1〜4と、総プラス端子バスバ164と、総マイナス端子バスバ165とを備える。セル間バスバ160−1〜4は、まとめてセル間バスバ160ともいう。セル間バスバ160と、総プラス端子バスバ164と、総マイナス端子バスバ165とは、まとめてバスバともいう。バスバは、電池セル150の電極端子に電気的に接続される。バスバは、電池セル150の電極端子に溶接されてよい。バスバは、電池セル150の電極端子に、圧着等の他の方法で電気的に接続されてもよい。
【0044】
セル間バスバ160は、電池セル150の正極端子152と、他の電池セル150の負極端子153とを電気的に接続する。例えば、セル間バスバ160−1は、電池セル150−1の正極端子152と、電池セル150−2の負極端子153とを電気的に接続する。セル間バスバ160−4は、電池セル150−4の正極端子152と、電池セル150−5の負極端子153とを電気的に接続する。セル間バスバ160−2及び3は、他のセル間バスバ160と同様に、電池セル150の電極端子を電気的に接続する。総プラス端子バスバ164は、電池セル150−5の正極端子152に、電気的に接続される。総マイナス端子バスバ165は、電池セル150−1の負極端子153に、電気的に接続される。バスバは、総プラス端子バスバ164と総マイナス端子バスバ165との間で、電池セル150を直列に接続する。
【0045】
図5は、セル間バスバ160の構造を示す図である。セル間バスバ160は、凸部161と、端子接続部162と、センサ取付端子163と、アーム部163bとを備える。セル間バスバ160は、例えば銅又はアルミニウム等の導電性の金属で構成されてよい。
【0046】
セル間バスバ160の凸部161は、セルホルダ120に設けられるリブ等の構造との接触を回避するために設けられる。端子接続部162は、電池セル150の電極端子に電気的に接続される。凸部161は、2つの端子接続部162の間に位置する。例えば
図4において、セル間バスバ160−1をX軸の正の方向から見た場合、凸部161は、2つの端子接続部162よりもY軸の負の方向に突出している。
【0047】
端子接続部162は、溶接用開口162aを有する。端子接続部162は、溶接用開口162aの周縁部において、例えばビード溶接等の溶接によって、電池セル150の各電極端子に電気的に接続される。
【0048】
センサ取付端子163は、センサ基板231(回路基板、
図7参照)が取り付けられる端子である。センサ取付端子163は、ナット163a(固定機構)を有する。ナット163aは、センサ取付端子163の中央部に穿設された貫通孔に対して圧入される。センサ基板231は、例えばナット163aに螺合するボルト等によって、センサ取付端子163に取り付けられる。センサ基板231は、各電池セル150の電極端子に電気的に接続される。
【0049】
アーム部163bは、電池セル150から離間する方向、すなわち、
図4においてY軸の負の方向に延伸する。特に、アーム部163bは、電池セル150とセル間バスバ160との溶接面から傾斜して延伸する。アーム部163bは、弾性を有する。
【0050】
図4に示すように、総プラス端子バスバ164及び総マイナス端子バスバ165は、外部接続部166と、セル間バスバ160と同様の端子接続部162とを有する。総プラス端子バスバ164及び総マイナス端子バスバ165は、セル間バスバ160と同様に、例えば銅又はアルミニウム等の導電性の金属で構成されてよい。総プラス端子バスバ164及び総マイナス端子バスバ165は、端子接続部162の溶接用開口162aの周縁部において、溶接等によって、電池セル150の電極端子に電気的に接続される。
【0051】
総プラス端子バスバ164及び総マイナス端子バスバ165は、外部接続部166によって、総プラス銅バスバ285及び総マイナス銅バスバ286(
図9及び
図10参照)にそれぞれ電気的に接続される。総プラス銅バスバ285及び総マイナス銅バスバ286は、銅バスバともいう。外部接続部166は、ねじ穴166aを有する。外部接続部166は、ねじ穴166aに挿入したボルト等によって、銅バスバに電気的に接続される。総プラス端子バスバ164及び総マイナス端子バスバ165の端子接続部162は、セル間バスバ160と同等に、センサ取付端子163を有する。センサ基板231は、センサ取付端子163を介して、総プラス端子バスバ164及び総マイナス端子バスバ165に電気的に接続される。
【0052】
図4に示すように、組電池100は、下部ケース110に締結部370を備える。締結部370は、補機台座200(
図9参照)を取り付けるために用いられる。
【0053】
図4に示すように、組電池100は、前面側に、安全弁カバー610及び611と、ガスチューブ620とを備える。安全弁カバー610及び611は、例えばPBT等の樹脂で構成されてよい。安全弁カバー610及び611は、電池セル150のキャップ面151との間にシール630(
図12参照)を挟んで、安全弁154を覆うようにキャップ面151に取り付けられる。シール630は、例えば、EPDM(Ethylene-Propylene-Diene Monomer)等のゴムで構成されてよい。安全弁カバー610及び611は、ねじ止め等によって、セルホルダ120に取り付けられてよい。
【0054】
安全弁カバー610は、3段に積層された電池セル150−1〜3の安全弁154に共通して取り付けられる。安全弁カバー611は、2段に積層された電池セル150−4〜5の安全弁154に共通して取り付けられる。安全弁カバー610及び611は、電池セル150の安全弁154から排出されるガスを内部に保持しうる。
【0055】
安全弁カバー610は、安全弁154から排出されるガスを通過させるガスダクト612を有する。ガスダクト612は、安全弁カバー610から、組電池100の前面の側に突出する。安全弁カバー611は、安全弁154から排出されるガスを通過させるガスダクト613及び614を有する。ガスダクト613及び614は、安全弁カバー611から、組電池100の前面の側に突出する。
【0056】
安全弁カバー610のガスダクト612と、安全弁カバー611のガスダクト613とは、ガスが漏洩しないようにガスチューブ620で接続される。この場合、電池セル150−1〜3から安全弁カバー610に排出されたガスは、安全弁カバー611に移動しうる。
【0057】
安全弁カバー611のガスダクト614は、ガスが漏洩しないようにガス排出管600に接続される。この場合、安全弁カバー610から安全弁カバー611に移動したガスと、電池セル150−4〜5から安全弁カバー611に排出されたガスとは、ガス排出管600に排出されうる。組電池100が車両に搭載される場合、ガス排出管600は、例えば車体の下部の外部空間にガスを排出する。
【0058】
安全弁カバー610及び611からガス排出管600まで、ガスが漏えいしないように接続されることによって、ガスが組電池100の周囲に漏洩しにくくなる。組電池100が車両に搭載される場合、ガスが車外に排出され、車内に漏洩しにくくなる。ガスダクト612及び614が組電池100の前面の側に突出することで、電池セル150から排出されたガスは、ガスダクト612及び614の方へ誘導されやすくなる。
【0059】
図6は、
図4のA−A断面図である。
図6において、安全弁カバー610及びバスバは、省略されている。電池セル150−1〜3は、絶縁シート155を挟んで、3段に積層され、下部ケース110とセルホルダ120との間に収容される。下部ケース110は、Y軸の正の方向の側に、リブ114を有するクラッシャブルゾーン113を備える。クラッシャブルゾーン113には、電池セル150が収容されていない。クラッシャブルゾーン113の剛性は、リブ114によって高められうる。クラッシャブルゾーン113は、リブ114以外の部分に空間を有する。このようにすることで、クラッシャブルゾーン113は、例えば、下部ケース110に対してY軸の負の方向に衝撃が与えられた場合に衝撃を吸収するように変形しやすくなる。結果として、電池セル150に対する衝撃が緩和されうる。また、下部ケース110が軽量化されうる。
【0060】
図7は、センサ基板231が取り付けられた組電池100の正面図である。
図4にも示されている構成についての説明は、省略する。組電池100は、前面の側に、センサ基板231−1〜2と、FPC232−1〜2(Flexible Print Circuit)とを備える。センサ基板231−1〜2は、センサ基板231ともいう。FPC232−1〜2は、FPC232ともいう。
【0061】
センサ基板231−1は、3段に積層された電池セル150−1〜3に電気的に接続されるセル間バスバ160−1〜3及び総マイナス端子バスバ165のセンサ取付端子163に、取付部材233によって取り付けられる。センサ基板231−2は、2段に積層された電池セル150−4〜5に電気的に接続されるセル間バスバ160−3〜4及び総プラス端子バスバ164のセンサ取付端子163に電気的に接続するように、取付部材233によって取り付けられる。取付部材233は、例えば、ねじ又はビス等であってよい。FPC232−1は、センサ基板231−1と、BMS基板141(
図10及び
図11参照)とを電気的に接続する。BMS基板141は、
図2のBMS140の機能を実行する回路を含む。FPC232−2は、センサ基板231−1と、センサ基板231−2とを電気的に接続する。
【0062】
センサ基板231は、
図2のセンサ230の機能を実行する回路を含む。センサ基板231は、各電池セル150の電極端子間に流れる電流、及び、電極端子間の電圧の少なくとも一方を測定しうる。センサ基板231は、BMS基板141からの測定指示に応じて、電流又は電圧を測定してよい。センサ基板231は、BMS基板141に測定結果を出力してよい。
【0063】
本実施形態に係る組電池100によれば、1枚のセンサ基板231が3段に積層された電池セル150と2段に積層された電池セル150とにまたがって取り付けられる場合と比較して、センサ基板231にかかる応力が緩和されうる。本実施形態に係る組電池100によれば、BMS基板141が電池セル150に直接取り付けられる場合と比較して、BMS基板141にかかる応力が緩和されうる。
【0064】
図8は、
図7のB−B矢線に沿った断面において1つのセル間バスバ160−4のみに着目した拡大断面図である。セル間バスバ160−4の片側は、セルホルダ120の前面から突出させた状態で保持されている電池セル150−5の負極端子153に溶接されている。上述したとおり、アーム部163bは、電池セル150−5とセル間バスバ160−4との溶接面からY軸の負の方向に延伸しつつ、X軸方向に傾斜する。アーム部163bの先端に連続して形成されるセンサ取付端子163には、センサ基板231−2が載置されている。センサ基板231−2は、ナット163aに螺合する取付部材233によって、センサ取付端子163に固定されている。より具体的には、セル間バスバ160−4は、センサ取付端子163とナット163aとにより、センサ取付端子163の裏面側からセンサ基板231−2を固定する。この時、ナット163aの一部は、セルホルダ120の前面に突設された収容部129の内部に収容される。なお、ここではセル間バスバ160−4のみを図示しているが、セル間バスバ160−1〜160−3についても同様の態様でセンサ基板231に取り付けられ、またナット163aの一部がセルホルダ120の収容部129の内部に収容される。
【0065】
このような状態で、セルホルダ120とセル間バスバ160とは、離間する。より具体的には、センサ取付端子163の裏面と収容部129の縁部129aとが離間する。同様に、ナット163aは、収容部129の縁部129aと離間する。すなわち、セルホルダ120とセル間バスバ160とは、直接接触しない。
【0066】
本実施形態において、組電池100は、セル間バスバ160の寸法の公差に応じてセンサ基板231の固定を可能にする。すなわち、組電池100において、センサ基板231をセル間バスバ160に取り付けるための固定機構(ナット163a)がセル間バスバ160自体に設けられたことで、セル間バスバ160は、セルホルダ120と完全に離間する。これにより、両者の間に空間が形成され、組電池100は、セル間バスバ160の寸法の公差を許容できる。また、セルホルダ120が収容部129を有することによって、セル間バスバ160のナット163aが収容される空間が形成されるので、セル間バスバ160の寸法に対する公差の組電池100による許容度はより大きくなる。さらに、アーム部163bが傾斜し、センサ取付端子163がX軸方向及びY軸方向へと変位可能になるので、セル間バスバ160の寸法に対する公差の組電池100による許容度はさらに大きくなる。以上により、組電池100は、センサ基板231の位置合わせを容易にする。
【0067】
また、アーム部163bが弾性を有し、かつ、傾斜することで、アーム部163bは、応力を吸収しやすくなる。これにより、衝撃に対するセル間バスバ160の耐性が向上する。一方で、収容部129によって、アーム部163bの過度の弾性変形が規制される。すなわち、
図8に示すとおり、アーム部163bが何らかの原因により大きく弾性変形すると、センサ取付端子163が収容部129の縁部129aと接触する。これにより、組電池100は、アーム部163bの破損を防止する。以上の2つの点から、組電池100の信頼性が向上する。
【0068】
さらに、組電池100は、固定機構(ナット163a)をセルホルダ120に設ける必要がなく、セルホルダ120の強度をさほど必要としないので、セルホルダ120の厚みを薄くすることもできる。
【0069】
図9は、BATケース500と補機台座200とが取り付けられた組電池100を示す図である。BATケース500は、セルホルダ120に係合される。セルホルダ120及びBATケース500はそれぞれ、第1側面の側に凸部122及び凸部502を有する。セルホルダ120及びBATケース500はそれぞれ、図示されていない第2側面の側にも、凸部122及び凸部502を有する。係合部材180は、第1側面及び第2側面で凸部122と凸部502とを挟持することによって、セルホルダ120とBATケース500とを係合する。
【0070】
BATケース500は、上面の側及び底面の側に、
図4に示すセルホルダ120の係合孔125に嵌合する爪を有する。BATケース500とセルホルダ120とは、上面及び底面の側それぞれで、セルホルダ120の係合孔125と、BATケース500の爪とが嵌合することによっても係合される。セルホルダ120の係合孔125は、BATケース500の爪の外側に位置してよいし、内側に位置してよい。BATケース500の爪とセルホルダ120の係合孔125とは、交換されてよい。
【0071】
BATケース500がセルホルダ120に係合されることによって、電池セル150のキャップ面151の側に設けられるセンサ基板231等の構成がBATケース500によってカバーされる。BATケース500は、組電池100に正面側から加わる衝撃を緩和しうる。
【0072】
下部ケース110とセルホルダ120とBATケース500とが係合して構成されるモジュールは、電池モジュールともいう。電池モジュールは、電池セル150が3段に積層されている側と、電池セル150が2段に積層されている側とを有する。電池セル150が3段に積層されている側は、3段側ともいう。電池セル150が2段に積層されている側は、2段側ともいう。言い換えれば、電池モジュールは、2段側と3段側とを有する。下部ケース110、セルホルダ120及びBATケース500は、電池モジュールと同様に、2段側と3段側とを有する。
【0073】
BATケース500は、3段側の上面に、ヒュージブルリンク240を備える。ヒュージブルリンク240は、一端において、総マイナス銅バスバ286及び総マイナス端子バスバ165を介して、電池セル150−1の負極端子153に電気的に接続される。ヒュージブルリンク240は、他端において、GND銅バスバ280を介して、GND端子270に電気的に接続される。
【0074】
下部ケース110は、電池モジュールの3段側の上面に、BMS基板141を取り付けるためのナット穴146と、BMS基板141に設けられる嵌合孔144(
図11参照)に嵌合するためのピン147とを備える。下部ケース110は、組電池100の背面の側に、リブ114を備える。下部ケース110は、組電池100の背面の側に、固定部116を備える。組電池100は、固定部116をボルト等で固定することで、車体等に固定されうる。下部ケース110は、固定部116から上面側に延在するピラー117を備える。ピラー117は、下部ケース110の他の部分より厚く、高い剛性を有しうる。下部ケース110は、ピラー117が高い剛性を有することによって、固定部116に加わる外力によって変形しにくくなる。
【0075】
補機台座200は、締結部370にボルト340で締結される。締結部370は、電池モジュールの2段側の上面の4箇所に設けられる。組電池100は、締結部370が電池モジュールの3段側の上面に設けられる場合と比較して、Z軸方向の寸法を小さくされうる。補機台座200の締結部370が設けられる箇所は、4箇所に限られず、3箇所以下であってよいし、5箇所以上であってもよい。補機台座200は、少なくとも3箇所の締結部370で電池モジュールに締結されることによって、電池モジュールに対して、より安定して取り付けられうる。
【0076】
図9に例示される補機台座200は、BATケース500の2段側の上面に設けられる締結部370と、下部ケース110の2段側の上面に設けられる締結部370とに、ボルト340で締結される。言い換えれば、
図9に例示される補機台座200は、電池モジュール全体にまたがって締結される。補機台座200が電池モジュール全体にまたがって締結される場合、例えば補機台座200が下部ケース110だけに締結される場合と比較して、電池モジュールの剛性が高められうる。
【0077】
電池モジュールの剛性は、下部ケース110とセルホルダ120とBATケース500との間の相対的な変位が規制されることによって高められうる。補機台座200が電池モジュール全体にまたがって締結される場合、下部ケース110とセルホルダ120とBATケース500との間の相対的な変位は規制されうる。補機台座200は、電池モジュール全体にまたがって締結されるだけでなく、下部ケース110とセルホルダ120とBATケース500との間の相対的な変位が規制されるように、電池モジュールに締結されてよい。補機台座200は、例えば上部ケース300の少なくとも1箇所と締結されてよい。上部ケース300が電池モジュールの外側に組み付けられる場合、補機台座200と上部ケース300の少なくとも1箇所が締結されることで、電池モジュールの各構成部の相対的な変位が規制されうる。
【0078】
補機台座200は、リレー220を取り付けるためのリレー締結部360を備える。リレー締結部360は、
図9に例示される3個に限られず、2個以下であってよいし、4個以上であってもよい。補機台座200のリレー締結部360を備える部分の厚みは、補機台座200の他の部分の厚みよりも、厚くされてよい。このようにすることで、リレー220が取り付けられる部分の剛性が高められうる。また、リレー220の動作による振動が、周囲に伝搬しにくくなる。
【0079】
図10は、リレー220とMOS基板212とBMS基板141とが取り付けられた組電池100を示す図である。
図9にも示されている構成についての説明は、省略する。
【0080】
MOS基板212は、MOSFET210を実装する。MOS基板212は、補機台座200に取り付けられる。MOS基板212は、LOAD銅バスバ282を介して、LOAD端子260に電気的に接続される。
【0081】
リレー220は、補機台座200に設けられたリレー締結部360(
図9参照)にボルト350で締結される。リレー220が締結される箇所は、3箇所に限られず、2箇所以下であってよいし、4箇所以上であってもよい。リレー220は、少なくとも3箇所で補機台座200に締結される場合、補機台座200に対して、より安定して取り付けられうる。
【0082】
リレー220は、一端において、総プラス銅バスバ285及び総プラス端子バスバ164を介して、電池セル150−5の正極端子152に電気的に接続される。リレー220は、他端において、SSG銅バスバ281を介して、SSG端子250と、MOS基板212とに電気的に接続される。
【0083】
図11は、BMS基板141の構成を示す図である。BMS基板141は、回路部品142と、取付孔143と、嵌合孔144とを備える。回路部品142の少なくとも一部は、BMS140の機能を実行する回路に対応する。下部ケース110の3段側の上面には、ナット穴146とピン147とが設けられる。BMS基板141は、ピン147と嵌合孔144とが嵌合するように、ナット穴146に取付部材145によって取り付けられる。取付部材145は、例えば、ねじ又はビス等であってよい。ピン147と嵌合孔144とが嵌合することによって、電池モジュールへのBMS基板141の取り付けの精度が向上しうる。また、電池モジュールへのBMS基板141の取り付けが容易になりうる。
【0084】
BMS基板141は、FPC232−1によって、センサ基板231に通信可能に接続される。BMS基板141は、MOSケーブル312によって、MOS基板212に通信可能に接続される。BMS基板141は、コネクタケーブル314によって、コネクタ310に通信可能に接続される。BMS基板141は、コネクタ310を介して、電源システム400の制御部460に通信可能に接続されうる。BMS基板141は、制御部460に限られず、他の装置に通信可能に接続されてもよい。
【0085】
補機台座200と、リレー220と、MOS基板212と、BMS基板141とで構成されるモジュールは、補機モジュールともいう。
【0086】
図12は、
図1に示す組電池100の分解斜視図である。電池モジュールは、以下のように組み立てられてよい。電池セル150は、絶縁シート155を挟んで3段と2段とに積層され、下部ケース110とセルホルダ120との間に収容される。下部ケース110とセルホルダ120とは、係合部材180によって係合される。電池セル150の電極端子に、バスバが取り付けられる。電池セル150のキャップ面151の側にシール630を挟んで安全弁カバー610及び611が取り付けられる。安全弁カバー610及び611は、ガスチューブ620で接続される。バスバのセンサ取付端子163に、センサ基板231が取り付けられる。BATケース500が電池セル150のキャップ面151の側をカバーするように、セルホルダ120に、係合部材180によって係合される。安全弁カバー611のガスダクト614に、ガス排出管600が取り付けられる。BATケース500の上面に、GND銅バスバ280と、総マイナス銅バスバ286と、ヒュージブルリンク240とが取り付けられる。
【0087】
補機モジュールは、以下のように組み立てられてよい。補機台座200は、電池モジュールの2段側の上面にボルト340で取り付けられる。補機台座200の上に、SSG銅バスバ281と、LOAD銅バスバ282と、総プラス銅バスバ285と、MOS基板212とが取り付けられる。リレー220は、補機台座200に、ボルト350で取り付けられる。BMS基板141は、電池モジュールの3段側の上面に取り付けられる。補機台座200は、リレー220等が取り付けられた後に、電池モジュールに取り付けられてよい。補機台座200が電池モジュールに取り付けられる前に、補機台座200にリレー220又はMOS基板212等が取り付けられる場合、組電池100の組み立てがより容易になりうる。
【0088】
上部ケース300は、電池モジュールと補機モジュールとが組み合わされた後、全体をカバーするように取り付けられる。上部ケース300は、例えば、爪と穴との嵌合によって電池ケースに係合されてよい。組電池100は、以上説明してきた手順例によって、組み立てられうる。
【0089】
電池モジュールの組み立てにおいて、電池セル150は、接着剤によってセルホルダ120に接着されてよい。接着剤は、電池セル150とセルホルダ120とを接着可能な任意の接着剤であってよい。接着剤は、例えばアクリル系接着剤又はエポキシ系接着剤等であってよい。接着剤は、セルホルダ120に塗布されてよい。接着剤は、セルホルダ120の、電池セル150のキャップ面151に対向する部分に塗布されてよい。電池セル150は、セルホルダ120に接着剤が塗布された後に、セルホルダ120に挿入されてよい。
【0090】
電池セル150とセルホルダ120とが接着された後、電池セル150の電極端子には、バスバが溶接されてよい。電極端子とバスバとが溶接される際、電極端子とバスバとの位置関係には、高い精度が要求されることがある。この場合、電池セル150とセルホルダ120とを接着する接着剤の塗布位置の精度を高めることによって、電極端子とバスバとの溶接が容易になりうる。また、電池セル150にバスバが溶接される前に電池セル150とセルホルダ120とが接着されることによって、電池モジュールの生産性が向上しうる。
【0091】
本実施形態において、電池モジュール及び補機モジュールは、それぞれ別に組み立てられうる。このようにすることで、電池モジュール及び補機モジュール、並びに、組電池100の生産性が向上しうる。
【0092】
本実施形態において、組電池100は、第1側面の側にSSG端子250及びLOAD端子260を備え、前面の側にGND端子270を備える。GND端子270は、SSG端子250及びLOAD端子260が配置される面と異なる面に配置されることによって、識別されやすくなる。また、組電池100は、第1側面の側に、コネクタ310を備える。GND端子270は、コネクタ310と異なる側に配置されることによって、識別されやすくなる。このようにすることで、組電池100を車両に搭載する際における誤配線が防止されやすくなる。
【0093】
GND端子270に電気的に接続されるケーブルの長さは、SSG端子250及びLOAD端子260に電気的に接続されるケーブルの長さと異なるように構成されてよい。このようにすることで、組電池100を車両に搭載する際における誤配線がさらに防止されやすくなる。
【0094】
図13は、
図9に示す組電池100を第1側面の側から見た図である。組電池100は、下部ケース110とセルホルダ120とBATケース500とを含む電池モジュールの2段側に、補機台座200を備える。電池モジュールの2段側は、X軸の正の方向の側に対応する。補機台座200は、締結部370に締結される。
図13において、締結部370は、補機台座200で見えないため、破線で示される。締結部370は、
図9に示すボルト340に対応する位置に4箇所設けられる。締結部370が設けられる箇所は、3箇所以下であってよいし、5箇所以上であってもよい。締結部370は、電池モジュールの3段側に設けられてよいし、他の部分に設けられてもよい。
【0095】
電池セル150−4及び150−5は、下部ケース110に収容される。
図13において、電池セル150−4及び150−5は、下部ケース110で見えないため、破線で示される。
【0096】
下部ケース110は、電池セル150が収容されている部分の背面側に、セル背面板118を有する。セル背面板118は、下部ケース110の側面で見えないため、破線で示される。下部ケース110は、セル背面板118よりも背面側に、クラッシャブルゾーン113のリブ114を有する。
【0097】
図13において、締結部370は、リブ114の上に設けられる。締結部370は、リブ114とセル背面板118との交点114aの上に設けられてよい。交点114aの上に設けられる締結部370は、交点114aからY軸の正方向に移動した点に設けられる締結部370と比較して、より高い剛性で補機台座200を締結しうる。締結部370は、交点114aの近傍に設けられてよい。締結部370が設けられる位置が交点114aに近いほど、締結部370は、より高い剛性で補機台座200を締結しうる。
【0098】
リレー220は、補機台座200に載置される。リレー220は、補機台座200の上の、下部ケース110よりもBATケース500に近い側に載置されてよい。リレー220は、BATケース500に近い側に載置されることによって、電池セル150から遠ざけられる。このようにすることで、リレー220の動作によって発生する振動が、電池セル150に伝搬しにくくなる。
【0099】
図14は、
図9に示す組電池100を背面の側から見た図である。締結部370は、リブ114の上に設けられる。締結部370は、リブ114とリブ114との交点114bの上に設けられてよい。交点114bの上に設けられる締結部370は、交点114bからX軸の正又は負の方向に移動した点に設けられる締結部370と比較して、より高い剛性で補機台座200を締結しうる。締結部370は、交点114bの近傍に設けられてよい。締結部370が設けられる位置が交点114bに近いほど、締結部370は、より高い剛性で補機台座200を締結しうる。
【0100】
(第2実施形態)
以下では、第2実施形態に係る組電池100について説明する。第2実施形態に係る組電池100は、保護カバー700をさらに有する点で、第1実施形態と異なる。以下では、第1実施形態と同じ構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。また、第1実施形態と異なる点について主に説明する。
【0101】
図15は、保護カバー700単体を示した図である。
図15(a)は、保護カバー700の上面視による斜視図である。
図15(b)は、保護カバー700の下面視による斜視図である。
図15(c)は、保護カバー700の正面図である。
図15(d)は、保護カバー700の背面図である。
図16は、保護カバー700を上部ケース300に取り付ける様子を示す拡大図である。
図16(a)は、取り付け前の保護カバー700と上部ケース300とを示した斜視図である。
図16(b)は、
図15(a)のC−C矢線に沿う断面により保護カバー700を示した拡大斜視図である。
図16(c)は、
図16(b)のD−D矢線に沿う断面により保護カバー700全体を示した拡大断面図である。
【0102】
保護カバー700は、その正面と上面とがR面を介して連続するように形成されている。保護カバー700は、その下端部に設けられる開口部710を有する。保護カバー700は、その正面に平行な方向に沿って対称的に設けられ、開口部710の両端から斜め上方に向かって外側に傾斜する、1対の傾斜部720を有する。すなわち、保護カバー700は、正面の下縁部から開口部710に向かうに従って、幅が狭くなるように構成される。また、保護カバー700は、内面、特に上面の裏側から突出するように形成されるカバーリブ730を有する。
【0103】
図16(b)に示すとおり、保護カバー700は、外側から組電池100の略全体を覆う上部ケース300に取り付けられた状態で、上部ケース300の上面の一部と第1側面の一部とを覆う。同時に、保護カバー700は、凹部301及び凹部302を覆う。すなわち、保護カバー700は、凹部301及び凹部302から露出するSSG端子250(外部接続端子)及びLOAD端子260(外部接続端子、
図1参照)を覆う。また、保護カバー700は、上部ケース300の第1側面側に取り付けられた、ハーネス800を接続するためのコネクタ310を覆う。すなわち、保護カバー700は、外部接続端子、すなわち、SSG端子250及びLOAD端子260、並びにコネクタ310の全体を覆うように上部ケース300に取り付けられる。
【0104】
また、本実施形態において、上部ケース300は、第1側面から突設されるケースリブ305を有する(
図16(a)参照)。
図16(b)に示すように、保護カバー700の内面に形成されるカバーリブ730と上部ケース300の第1側面から突設されるケースリブ305とは、コネクタ310を囲繞する。ここで、コネクタ310に接続されたハーネス800は、ケースリブ305とカバーリブ730との間に形成された隙間を通って、開口部710より外部へと導かれる。より具体的には、ケースリブ305の先端は、Z軸方向に開口している。また、カバーリブ730の先端は、X軸方向に開口している。保護カバー700が上部ケース300に取り付けられると、ハーネス800は、ケースリブ305及びカバーリブ730のそれぞれの開口によって形成される隙間から、開口部710へと導かれる。
【0105】
以上のような保護カバー700の構成により、第2実施形態に係る組電池100は、スペースを効率良く利用しつつ、外部接続端子等に対する外部環境の影響を低減できる。すなわち、保護カバー700は、SSG端子250及びLOAD端子260、並びにコネクタ310の周囲のみを覆うので、最低限必要な大きさで成形できる。さらに、保護カバー700は、SSG端子250及びLOAD端子260、並びにコネクタ310の全体を覆うので、粉塵又は水滴等の侵入を抑制できる。特に、組電池100は、カバーリブ730とケースリブ305とによって、コネクタ310の周囲の隙間を低減し、粉塵又は水滴等の侵入をさらに抑制できる。さらに、保護カバー700は、例えば車両の乗員がSSG端子250、LOAD端子260、コネクタ310、又はハーネス800等の組電池100の各構成部に触れないようにするための、安全対策部品としての役割も果たす。
【0106】
また、組電池100は、開口部710を有することで、コネクタ310に接続されたハーネス800を外部へと逃がすことができる。一方で、組電池100は、開口部710の両端から形成される1対の傾斜部720によって開口領域を狭め、下方からの水はねによる水滴などの侵入を抑制できる。
【0107】
本開示に係る一実施形態について、諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段等を1つに組み合わせたり、あるいは分割したりすることが可能である。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る組電池100は、上部ケース300と、上部ケース300の外面に凹設された凹部301及び302から露出する外部接続端子250及び260と、上部ケース300に取り付けられた、ハーネス800を接続するためのコネクタ310と、外部接続端子250、260及びコネクタ310の全体を覆うように上部ケース300に取り付けられる保護カバー700と、を備える。