特許第6325002号(P6325002)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6325002レーザダイオードデバイスにおける熱管理
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6325002
(24)【登録日】2018年4月20日
(45)【発行日】2018年5月16日
(54)【発明の名称】レーザダイオードデバイスにおける熱管理
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/022 20060101AFI20180507BHJP
   H01S 5/40 20060101ALI20180507BHJP
【FI】
   H01S5/022
   H01S5/40
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-556088(P2015-556088)
(86)(22)【出願日】2014年1月29日
(65)【公表番号】特表2016-507160(P2016-507160A)
(43)【公表日】2016年3月7日
(86)【国際出願番号】US2014013467
(87)【国際公開番号】WO2014120697
(87)【国際公開日】20140807
【審査請求日】2017年1月6日
(31)【優先権主張番号】13/758,804
(32)【優先日】2013年2月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】314015767
【氏名又は名称】マイクロソフト テクノロジー ライセンシング,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】カヌマラ,スリドハル
(72)【発明者】
【氏名】マクナリー,スティーヴン
【審査官】 小濱 健太
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−185273(JP,A)
【文献】 特開2011−134668(JP,A)
【文献】 特開2005−317925(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第01624541(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00−5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント回路基板と、
該プリント回路基板の正面に取り付けられるレーザダイオードパッケージと、
前記プリント回路基板の背面に取り付けられるレーザダイオードドライバと、
該レーザダイオードドライバに結合させられるヒートシンクであって、前記レーザダイオードドライバからの熱を伝導する第1の熱経路をもたらすように構成されるヒートシンクと、
前記レーザダイオードパッケージに並びに前記ヒートシンクに結合させられるカプラであって、前記プリント回路基板の側面の周りで前記レーザダイオードパッケージからの熱を前記ヒートシンクに伝導する第2の異なる熱経路をもたらすように構成されるカプラとを含む、
光学アセンブリ。
【請求項2】
前記カプラは、前記カプラと前記ヒートシンクとの間に位置付けられる熱インターフェース材料を介して前記ヒートシンクに結合される、請求項1に記載の光学アセンブリ。
【請求項3】
前記カプラは、第1の部分と、第2の中間部分と、第3の部分とを有し、前記第2の中間部分は、前記第1の端部分と前記第3の端部分との間にあり、前記第1の部分よりも厚く、前記第3の部分は、前記第1の端部分とは反対の前記カプラの端にあり、前記第2の中間部分よりも厚い、請求項1に記載の光学アセンブリ。
【請求項4】
前記プリント回路基板に面する前記第1の部分の側が、前記プリント回路基板から離間し、前記レーザダイオードパッケージと接触する、請求項3に記載の光学アセンブリ。
【請求項5】
前記プリント回路基板に面する前記第2の中間部分の側が、前記プリント回路基板の前記正面と直接的に接触する、請求項3に記載の光学アセンブリ。
【請求項6】
前記第3の部分は、前記プリント回路基板の前記正面の周りに延在し、前記ヒートシンクとインターフェース接続する、請求項3に記載の光学アセンブリ。
【請求項7】
光学アセンブリを製造する方法であって、
レーザダイオードドライバをプリント回路基板の背面に取り付けることを含み、
レーザダイオードパッケージを前記レーザダイオードドライバと正反対に前記プリント回路基板の正面に取り付けることを含み、前記レーザダイオードパッケージは、前記レーザダイオードドライバから横方向に偏った場所において前記プリント回路基板と接触するカプラを介して、前記プリント回路基板に結合させられ、前記レーザダイオードパッケージ及び前記カプラは、前記レーザダイオードドライバと正反対の場所で前記プリント回路基板から離間し、
ヒートシンクを前記レーザダイオードドライバに取り付けることを含み、
前記カプラから前記ヒートシンクへの熱経路が前記プリント回路基板の側面の周りに延在するように、前記ヒートシンクを前記カプラに結合させることを含む、
方法。
【請求項8】
複数のレーザダイオードドライバ及び複数のレーザダイオードパッケージを前記プリント回路基板に取り付けることを更に含み、各レーザダイオードパッケージは、前記ヒートシンクへの熱経路をもたらす対応するカプラを有する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ヒートシンクを前記カプラに結合させることは、前記ヒートシンクと前記カプラとの間に熱伝導性インターフェース材料を配置することを更に含む、請求項7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
レーザダイオードを様々な環境において用い得る。それらの一部はレーザダイオードを急速な連続においてオンオフ切換えすることを含む。例えば、飛行時間デプスカメラ(depth camera)は、光が物体から反射させられてカメラに戻るのにどれぐらいの時間を要するかに基づき奥行き(デプス)を測定するために、高周波でパルス化される1つ又はそれよりも多くのレーザダイオードを利用し得る。しかしながら、そのような高周波振動は、誘導損失を招き得る。更に、レーザダイオード及び関連するドライバ回路は、そのような使用中に、有意な量の熱を放散し得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
レーザダイオードを含む光学アセンブリ内の誘導損失緩和及び熱管理に関する実施態様を開示する。例えば、1つの開示の実施態様は、プリント回路基板と、プリント回路基板に取り付けられるレーザダイオードパッケージ及びレーザダイオードドライバとを含む、光学アセンブリを提供する。更に、ヒートシンクがレーザダイオードドライバに結合させられ、レーザダイオードドライバからの熱を伝導する第1の熱経路をもたらすように構成される。加えて、カプラがレーザダイオードパッケージ及びプリント回路基板に結合させられ、レーザダイオードパッケージからの熱を伝導する第2の異なる熱経路をもたらす。
【0003】
この概要は発明を実施するための形態において以下に更に記載する一揃いの着想を簡略化された形態において提示するために提供される。この概要は請求する主題の鍵となる機能又は本質的な機能を特定することを意図せず、請求する主題の範囲を限定するために用いられることを意図しない。更に、請求する主題はこの開示のいずれかの部分において記すありとあらゆる不利点を解決する実施に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】本開示の実施態様に従った例示的な光学デバイスを示す図である。
【0005】
図2】本開示の実施態様に従った光学アセンブリのプリント回路基板を示す正面図である。
【0006】
図3】本開示の実施態様に従った図2のプリント回路基板を示す背面図である。
【0007】
図4】本開示の実施態様に従った図2のレーザダイオード及びレーザダイオードパッケージを示す斜視図である。
【0008】
図5】本開示の実施態様に従った光学アセンブリを示す断面図である。
【0009】
図6】本開示の実施態様に従った光学アセンブリを製造する方法を示すフローチャートである。
【0010】
図7】本開示の実施態様に従った例示的なコンピュータシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
上述のように、レーザダイオードの高周波振動は誘導損失を引き起こし得るし、有意な熱も生成し得る。ドライバ回路とレーザダイオードとの間の距離を減少させることによって誘導損失を減少させ得る。しかしながら、レーザダイオードからの熱及びドライバ回路からの熱の両方は比較的小さな容積の空間内で放散されるので、その距離を減少させることはより高い動作温度をもたらし得る。
【0012】
よって、誘導損失を減少させると同時にレーザダイオードを含む光学アセンブリにおける熱放散を制御することに関する実施態様を開示する。例えば、一部の実施態様では、ドライバからの電流がプリント回路基板の厚み程だけ移動してレーザダイオードに達するよう、光学アセンブリがレーザダイオードドライバとは反対のプリント回路基板の側に位置付けられる、レーザダイオードパッケージを含み得る。更に、レーザダイオードパッケージはカプラに結合させられ、カプラは、プリント回路基板の縁の周りの経路内でレーザダイオードによって放散される熱を、ヒートシンクがレーザダイオードドライバからの熱を受け取る場所から離間したヒートシンク上の場所に伝導する。従って、レーザダイオードパッケージからの熱は、所望の低インダクタンスを達成するようにレーザダイオードパッケージに近接近して配置されるレーザダイオードドライバを用いてさえも、レーザダイオードドライバからの熱と異なる放散のための熱経路を実質的に辿り得る。
【0013】
回路基板の両側に取り付けられるレーザダイオード及びドライバ回路からの熱を放散する別個の熱経路の使用は、互いに近接近して配置される熱経路及び/又は結合熱経路を有する光学アセンブリと比べて、熱効率の増大をもたらすと同時にヒートシンクに対する低い熱抵抗を維持し得る。更に、レーザダイオードパッケージのリード線に対するレーザダイオードドライバの近接近は、レーザダイオードパッケージから離間したレーザダイオードドライバを有する光学アセンブリと比べて、高速信号送信及び制御のためのより低いインダクタンスをもたらし得る。その構成(コンフィギュレーション)はEMI遮蔽を更にもたらし得るし、他の構成と比べて費用効果性を増大させるための熱解決策における熱電冷却器の除去を可能にし得る。更に、光学アセンブリは、レーザダイオードパッケージ、レーザダイオードドライバ、カプラ、及びヒートシンクをプリント回路基板に取り付けること並びに/或いはそれらを互いに取り付けることを助ける要素を含み得る。従って、光学アセンブリは光学機械式ポインティングを可能にし得るし、そのような要素を省く他の構成と比べて配置精度を増大させ得る。
【0014】
図1は、デプスカメラ104(depth camera)の形態の光学デバイス102の実施態様のための例示的な使用環境100を示している。上述のように、デプスカメラは、1つ又はそれよりも多くのレーザダイオードを介して光の高周波パルスを環境内に投射して、戻り時間から奥行き(デプス)を決定し得るよう、パルスが戻るのに要する時間を測定する。一部のデプスカメラは所謂「飛行時間」奥行き感知以外の技術を利用し得ることが理解されるであろう。例えば、一部のカメラは(例えば、レーザダイオードからの光の回折を介して)構造的な光パターンを投射し、次に、画像センサによって受信されるときの構造的な光パターンの歪みから奥行きを測定し得る。ここではデプスカメラの脈絡において記載するが、レーザダイオードを利用する光学デバイスを如何なるシステムにおいても利用し得ることが理解されるであろう。実例は、電気通信システム、測定器具、走査デバイス、モニタリングデバイス、読取りデバイス等を含むが、これらに限定されない。
【0015】
図1の使用環境100に示すように、デプスカメラ104をコンピュータデバイス106(計算装置)に動作的に接続し得る。コンピュータデバイス106をビデオゲームコンソールとして図1に示しているが、光学デバイスを如何なる他の適切なコンピュータデバイスにも動作的に接続し得ることが理解されるであろう。実例は、パーソナルコンピュータ、モバイルコンピューティングデバイス、スマートフォン、タブレットコンピュータ等を含むが、これらに限定されない。
【0016】
コンピュータデバイス106を更にディスプレイデバイス108に動作的に接続し得る。コンピュータデバイス106はディスプレイデバイス108に信号を提供して、ビデオゲームコンテンツ及び/又は他のコンテンツのような可視的なコンテンツをディスプレイ110上に表示し得る。従って、ユーザ112(使用者)は、デプスカメラ104を介して検出可能な身振り、姿勢、顔認識、及び/又は他の入力を介して、コンピュータデバイス106に入力を提供し得るし、そのような入力を用いてディスプレイ110上のコンテンツの表示を制御し得る。
【0017】
デプスカメラ104は、上述の機能性のうちの1つ又はそれよりも多くをもたらす光学アセンブリを含み得る。図2は、プリント回路基板202(PCB)を含む光学アセンブリ200の実施態様を示している。図2は、プリント回路基板202の前側(正面)又は前面を示しており、「前」という用語は、1つ又はそれよりも多くのレーザダイオードが配置される側を示している。光学アセンブリ200は、プリント回路基板202に取り付けられる複数のカプラ204を更に含み、各カプラ204は、レーザダイオードをプリント回路基板202の後側(背面)上に配置されるヒートシンクに熱的に結合する。各カプラ204は開口206を含み、図4を参照して詳細に記載するように、レーザダイオードパッケージが開口206内に配置される。開口206は、レーザダイオードパッケージによって放射される光が光学アセンブリから出る出口をもたらす。
【0018】
図2に示すように、カプラ204は、比較的近接近して互いに隣接してプリント回路基板202の正面に取り付けられる。他の実施態様では、如何なる他の適切な配置においてもカプラ204をプリント回路基板に取り付け得る。接着剤、機械的コネクタ、圧力嵌め/摩擦嵌め等のような、任意の適切な機構又は機構の組み合わせによって、カプラ204をプリント回路基板に取り付け或いはその他の方法において付着させ得る。
【0019】
図3は、本開示の実施態様に従ってプリント回路基板202の背面に取り付けられるレーザダイオードドライバ302を示している。図3は、プリント回路基板202の側面の周りに延びるカプラ204も示しており、「側面」という用語は、プリント回路基板202の正面と背面との間に延在するプリント回路基板のあらゆる表面を示す。描写の実施態様において、カプラ204は、側縁に形成されるノッチを通じて延在することによってプリント回路基板202の側縁の周りに延在する。他の実施態様において、カプラは、プリント回路基板の内部に形成される孔又は開口の形態においてプリント回路基板の側面を通じて延在し得る。プリント回路基板202はカプラ204を適合させる如何なる適切な構造をも含み得る。プリント回路基板202は、カプラ204、ヒートシンク、又は他の構造を取り付けるための、孔及び/又は他のレセプタクル304(receptacle)を更に含み得る。
【0020】
図4は、カプラ204とレーザダイオードパッケージ404とを含む光学アセンブリ400の実施態様の斜視図を例示している。ここではレーザダイオードパッケージを保持するものとして記載するが、カプラは発光ダイオードのような如何なる他の適切な熱生成要素をも保持し得ることが理解されるであろう。
【0021】
レーザダイオードパッケージ404は、カプラ204の第1の部分内に位置付けられるレセプタクル408内に挿入され、レセプタクル408は、光が光学アセンブリから投射されて使用環境内に至るのを可能にする開口を含む。レーザダイオードパッケージ404は、レーザダイオードパッケージ404を図3のレーザダイオードドライバ302のようなレーザダイオードドライバに電気的に接続する電気リード線406を更に含む。
【0022】
カプラ204の第1の部分410は、カプラがプリント回路基板に取り付けられるときにプリント回路基板から離間するように構成され、プリント回路基板から離間するレーザダイオードパッケージを保持するのを助けるようにも構成される。第1の部分410は、カプラ204をプリント回路基板に締め付けてカプラ204の第1の部分410とプリント回路基板との間の所望の間隔を維持する締結要素412も含み得る。図3のレセプタクル304に挿入され或いはその他の方法において固定されるように締結要素412を構成し得る。
【0023】
カプラ204は、第2の部分414がプリント回路基板と接触してプリント回路基板から離間する第1の部分410を保持するように構成される段部415を含む。例えば、第2の部分414は第1の部分410よりも厚く、第1の部分410と第2の部分414との間の異なる厚さの故に段部415を形成し得るし、或いは段部415を形成する如何なる他の適切な構成を有し得る。描写の実施態様において、第2の部分414は、レセプタクル416と、プリント回路基板上の対応する構造とインターフェース接続するファスナ418とを含むが、カプラはプリント回路基板とインターフェース接続する如何なる他の適切な構造をも含み得ることが理解されるであろう。
【0024】
カプラ204は、第3の部分420を更に含み、第3の部分420は、第3の部分420がプリント回路基板の側面の周りに延在し得るように他の段部422を含む。段部422は如何なる適切な構成(例えば、隣接する表面に対して直角、隣接する表面に対して傾斜した構成等)を有してもよく、プリント回路基板の側面と接触し或いはそこから離間してもよい。例えば、一部の実施態様において、第3の部分420は第2の部分414よりも厚く、第2の部分414と第3の部分420との間の異なる厚さの故に段部422を形成し得る。他の実施態様では、段部構造を如何なる他の適切な方法において形成してもよい。第3の部分420は、プリント回路基板上の相補的な構造とインターフェース接続するレセプタクル424又は他の適切な構造を更に含み得る。あらゆる適切な構成及び数のレセプタクル、ファスナ、及び/又は他の接続構造をここに記載する要素の1つ又はそれよりも多くに設け得ることが再び理解されるであろう。
【0025】
カプラ204の段付き構成は、プリント回路基板を直接的に通じてレーザダイオードドライバによって利用される熱経路に至るよりむしろ、プリント回路基板の側面の周りに延在する、レーザダイオードパッケージ404から放射される熱のための熱経路をもたらす。レーザダイオードパッケージ404とプリント回路基板との間の目標とする熱絶縁の量をもたらすように、第1の部分410と第2の部分414との間の段の高さ並びにレーザダイオードパッケージ404と第1の部分410及び第2の部分414を分離する段部415との間の距離を設計し得る。
【0026】
図5は、光学アセンブリ500の実施態様の断面を示している。光学アセンブリ500は、プリント回路基板502と、プリント回路基板502に取り付けられるカプラ504と、カプラ504内に配置されるレーザダイオードパッケージ506とを含む。上述のように、カプラ504は、破線の間のそれぞれの領域によって示される、第1の部分510と、第2の部分512と、第3の部分514とを含む。単一片の材料から3つの部分を形成し得るし或いはその他の方法において1つに統合し得ることが理解されるであろう。
【0027】
図5に示すように、第1の部分510は、レーザダイオードパッケージ506を収容するレセプタクル516を含み、間隙518を介してプリント回路基板502から離間して、プリント回路基板502及びレーザダイオードドライバ520をカプラ504内に取り付けられるレーザダイオードパッケージ506から熱的に絶縁する。レセプタクル516は、カプラ504を通じてレセプタクル516から延びる開口521を含み、レーザダイオードによって放射される光を通す。レーザダイオードパッケージ506と形状において密接に整合するようにレセプタクル516を構成して、レーザダイオードパッケージ506とカプラ504との間の良好な熱伝導率を保証するのを助け得る。レーザダイオードパッケージ506の電気リード線522は、プリント回路基板502とレーザダイオードパッケージ506との間の間隙518を通じて延びて、レーザダイオードドライバに電気的に繋がり得る。間隙518は、レーザダイオードパッケージ506をプリント回路基板502から熱的に分断する任意の適切な材料を含み得る。一部の実施態様において、間隙518は、空気間隙であり得る。他の実施態様では、他の熱絶縁材料を間隙518内に含め得る。
【0028】
例示するように、レーザダイオードパッケージ506は、レーザダイオードドライバ520とは反対のプリント回路基板502の側に位置付けられる。一部の実施態様では、レーザダイオードパッケージ506及び/又はカプラ504をレーザダイオードドライバの正反対に位置付けて、電気リード線522を短くさせ且つレーザダイオードパッケージ506の他の配置に対するインダクタンスを減少させるのを助け得る。他の実施態様では、レーザダイオードドライバ及びレーザダイオードパッケージを適切な量だけ横方向に偏らせ得る(オフセットさせ得る)。
【0029】
ヒートシンク524とレーザダイオードドライバ520との間に位置付けられる熱伝導性インターフェース材料526を介してレーザダイオードドライバ520をヒートシンク524に結合させ得る。熱伝導性インターフェース材料526は、レーザダイオードドライバ520とヒートシンク524との間の熱伝導性経路をもたらす如何なる適切な材料をも含み得る。光学アセンブリ500から離れる放散のために、レーザダイオードドライバ520からの熱をヒートシンク524のフィン528に向かって伝導し得る。
【0030】
ヒートシンク524は、プリント回路基板502の背面上の1つ又はそれよりも多くの場所と直接的に接触し且つ/或いはインターフェース接続し得る。一部の実施態様において、プリント回路基板502と接触するヒートシンク524の一部は、第1の間隙530を介して、レーザダイオードドライバ520から熱を受け取るヒートシンク524の部分から離間し、よって、レーザダイオードドライバ520から離間した第1の場所でプリント回路基板502と接触し得る。レーザダイオードドライバ520を第1の間隙530と第2の間隙532との間に位置付け得るよう、ヒートシンク524は、第2の間隙532を介して、レーザダイオードドライバ520から離間した第2の場所でプリント回路基板502とも接触し得る。第1の間隙530及び第2の間隙532は、レーザダイオードドライバ520をプリント回路基板502及び/又は光学アセンブリ500の他の要素から熱的に分断する、空気を非限定的に含む如何なる適切な材料をも含み得る。
【0031】
カプラ504とヒートシンク524との間に位置付けられる熱インターフェース材料534を介して、ヒートシンク524をカプラ504に結合させ得る。一部の実施態様において、ヒートシンク524は、ヒートシンク524とプリント回路基板502との間の接触の第2の場所に隣接してカプラ504と結合し得る。描写の実施態様において、カプラ504の第3の部分は、プリント回路基板502の側面の周りに延在し、ヒートシンク524とインターフェース接続して、レーザダイオードパッケージ506からの熱を伝導するための第1の熱経路と異なる第2の熱経路を提供する。レーザダイオードドライバ及びレーザダイオードパッケージからヒートシンクへの熱経路を熱的に隔離するのを助けるよう、第2の間隙532は第1の間隙530よりも大きくあり得る。図5は明瞭性のために1つのカプラアセンブリ及び対応するレーザダイオードドライバを例示するが、一部の実施態様はプリント回路基板に取り付けられる複数のカプラアセンブリ及び対応するレーザダイオードを含み得ることが理解されるであろう。
【0032】
図6は、光学アセンブリを製造する方法600の実施態様を示している。方法600は、602で、レーザダイオードドライバをプリント回路基板に取り付けること、そして、604で、レーザダイオードパッケージをプリント回路基板に取り付けることを含む。例えば、レーザダイオードドライバをプリント回路基板の背面に取り付け得るのに対し、レーザダイオードパッケージはプリント回路基板の正面に取り付けられる。方法は、606で示すように、プリント回路基板に接触するカプラを介して、レーザダイオードパッケージをプリント回路基板に結合させることを更に含む。カプラは、608で示すように、レーザダイオードドライバから横方向に偏った場所でプリント回路基板と接触し得るし、610で示すように、レーザダイオードパッケージをプリント回路基板から離間させるのに役立ち得る。
【0033】
方法600は、612で、ヒートシンクをレーザダイオードドライバに結合させることを更に含み得る。これは放散のためにレーザダイオードドライバからの熱を伝導する第1の熱経路をもたらし得る。更に、614で示すように、方法600は、ヒートシンクをカプラに結合させて、図5に関して上述したように、プリント回路基板の側面の周りに延在する第2の熱経路をもたらすことを更に含み得る。加えて、616で示すように、方法600は、任意的に、ヒートシンクとカプラとの間に熱インターフェース材料を配置することを含み得る。例えば、熱インターフェース材料は、熱がレーザダイオードパッケージからプリント回路基板を回ってヒートシンクまで伝導させられるのを可能にするために、カプラからヒートシンクへの低い熱抵抗の経路を保証し得る。複数のレーザダイオードドライバ並びに複数の対応するレーザダイオードパッケージ及びカプラをプリント回路基板に取り付けるために、方法600を反復し得る。各レーザダイオードパッケージは、ヒートシンクへの熱経路をもたらす対応するカプラを有し得る。
【0034】
よって、ここに記載する実施態様は、レーザダイオードパッケージ及びレーザダイオードドライバのための別個の熱経路をもたらす。これらの経路を分離すると同時に、これらの要素の電気的に接続される構成部品の間の近接近を維持することによって、熱効率を維持し得ると同時に、誘導損失を軽減し得る。その構成は、近接して位置付けられるレーザダイオードパッケージ及び対応するレーザダイオードドライバのための別個の熱経路を含まない構成と比較すると、より少ない熱電冷却器の使用又は熱電冷却器を使用しないこと及びより高速な性能を可能にし得る。
【0035】
一部の実施態様では、ここに記載する方法及びプロセスを1つ又はそれよりも多くのコンピュータデバイスのコンピュータシステム(計算システム)に関連付け得る。具体的には、そのような方法及びシステムを、コンピュータ−アプリケーションプログラム又はサービス、アプリケーション−プログラミングインターフェース(API)、ライブラリ、及び/又は他のコンピュータ−プログラム製品として実施し得る。
【0036】
図7は、上述の方法及びプロセスのうちの1つ又はそれよりも多くを演じ得るコンピュータシステム700の非限定的な実施態様を図式的に示している。コンピュータシステム700を簡略化された形態において示している。コンピュータシステム700は、1つ又はそれよりも多くのゲームコンソール、パーソナルコンピュータ、コントロールデバイス、サーバコンピュータ、タブレットコンピュータ、ホームエンターテインメントコンピュータ、ネットワークコンピューティングデバイス、モバイルコンピューティングデバイス、モバイル通信デバイス(例えば、スマートフォン)、及び/又は図1のコンピュータデバイス106を非限定的に含む他のコンピュータデバイスの形態を取り得る。
【0037】
コンピュータシステム700は、論理マシン702(ロジックマシン)(logic machine)及び記憶装置マシン704(ストレージマシン)(storage machine)を含む。コンピュータシステム700は、任意的に、ディスプレイサブシステム706、入力サブシステム708、通信サブシステム710、及び/又は図7に示さない他の構成部品を含み得る。
【0038】
論理マシン702は、命令を実行するように構成される1つ又はそれよりも多くの物理的デバイスを含む。例えば、1つ又はそれよりも多くのアプリケーション、サービス、プログラム、ルーチン、ライブラリ、オブジェクト、コンポーネント、データ構造、又は他の論理構造の一部である命令を実行するように、論理マシンを構成し得る。そのような命令を実施して、タスクを遂行し、データ型を実行し、1つ又はそれよりも多くのコンポーネントの状態を変換し、技術的な効果を達成し、或いはその他の方法において所望の結果に到達し得る。
【0039】
論理マシンは、ソフトウェア命令を実行するように構成される1つ又はそれよりも多くのプロセスを含み得る。追加的に又は代替的に、論理マシンは、ハードウェア又はファームウェア命令を実行するように構成される1つ又はそれよりも多くのハードウェア又はファームウェア論理マシンを含み得る。論理マシンのプロセッサは、シングルコア又はマルチコアであり得るし、その上で実行される命令を順次処理、並列処理、及び/又は分散処理のために構成し得る。論理マシンの個別のコンポーネントを、遠隔に配置し得る並びに/或いは協調処理のために構成し得る2つ又はそれよりも多くの別個のデバイス中に分散させ得る。クラウドコンピューティングコンフィギュレーションにおいて構成される遠隔にアクセス可能なネットワークコンピュータデバイスによって論理マシンの特徴を仮想化し且つ実行し得る。
【0040】
記憶装置マシン704は、ここに記載する方法及びプロセスを実施する論理マシンによって実行可能な機械読取り可能な命令を保持し且つ/或いは格納するように構成される1つ又はそれよりも多くの物理的デバイスを含む。例えば、論理マシン702は、記憶装置マシン704と動作的に連絡し得る。そのような方法及びプロセスが実施されるときには、記憶装置マシン704の状態を変換させて、例えば、異なるデータを保持し得る。
【0041】
記憶装置マシン704は、取外し可能な及び/又は内蔵式のデバイスを含み得る。記憶装置マシン704は、とりわけ、光学式メモリ(例えば、CD、DVD、HD−DVD、ブルーレイディスク等)、半導体メモリ(例えば、RAM、EPROM、EEPROM等)、及び/又は磁気式メモリ(例えば、ハードディスクドライブ、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、テープドライブ、MRAM等)を含み得る。記憶装置マシン704は、機械読取り可能な揮発性、不揮発性、ダイナミック、スタティック、読み/書き(read/write)、読出し専用(read only)、ランダムアクセス、順次アクセス、位置アドレス指定可能(location-addressable)、ファイルアドレス指定可能(file-addressable)、及び/又はコンテンツアドレス指定可能(content-addressable)デバイスを含み得る。
【0042】
記憶装置マシン704は1つ又はそれよりも多くの物理的デバイスを含むことが理解されるであろう。しかしながら、有限の持続時間に亘って物理的デバイスによって保持されない通信媒体(例えば、電磁信号、光学信号等)によってここに記載する命令の特徴をプログラムし得る。
【0043】
論理マシン702及び記憶装置マシン704の特徴を1つ又はそれよりも多くのハードウェア−論理コンポーネントに1つに統合し得る。そのようなハードウェア−論理コンポーネントは、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定プログラム向け及び特定用途向け集積回路(PASIC/ASIC)、特定プログラム向け及び特定用途向け規格品(PSSP/ASSP)、システムオンチップ(SOC)、及びコンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD)を含み得る。
【0044】
ディスプレイサブシステム706を含むときには、ディスプレイサブシステム706を用いて記憶装置マシン704によって保持されるデータの視覚的な表示を提示し得る。この視覚的な表示は、グラフィックユーザインターフェース(GUI)の形態を取り得る。ここに記載する方法及びプロセスは記憶装置マシンによって保持されるデータを変更し、よって、記憶装置マシンの状態を変換するので、ディスプレイサブシステム706の状態も同様に変換させられて、基礎となるデータにおける変更を視覚的に提示し得る。ディスプレイサブシステム706は、実質的にあらゆる種類の技術を利用する1つ又はそれよりも多くのディスプレイデバイスを含み得る。そのようなディスプレイデバイスを共用筐体内で論理マシン702及び/又は記憶装置マシン704と組み合わせ得るし、或いはそのようなディスプレイデバイスは周辺ディスプレイデバイスであり得る。例えば、ディスプレイサブシステム706は、図1のディスプレイデバイス108を含み得る。
【0045】
入力サブシステム708を含むとき、入力サブシステム708は、キーボード、マウス、タッチスクリーン、マイクロホン、又はゲームコントローラのような、1つ又はそれよりも多くのユーザ入力デバイスを含み得るし、或いはそれらとインターフェース接続し得る。例えば、入力サブシステム708は、図1のコンピュータデバイス106を含み得るし、或いはそれとインターフェース接続し得る。一部の実施態様において、入力サブシステム708は、選択自然ユーザ入力 (NUI)コンポーネント構成(componentry)を含み得るし、或いはそれとインターフェース接続し得る。そのようなコンポーネント構成を集積し得るし、或いはそのようなコンポーネント構成は周辺機器であり得る。入力行為の変換及び/又は処理をボード上で又はボード外で処理し得る。例示的なNUIコンポーネント構成は、発話及び/又は音声認識のためのマイクロホン、マシンビジョン(machine vision)及び/又は身振り認識のための赤外、色、立体、及び/又はデプスカメラ、動作検出及び/又は意図認識のための頭追跡装置(head tracker)、目追跡装置(eye tracker)、加速度計、及び/又はジャイロスコープ、並びに脳活動を評価するための電界感知コンポーネント構成を含み得る。
【0046】
通信サブシステム710を含むときには、コンピュータシステム700を1つ又はそれよりも多くの他のコンピュータシステムと通信的に結合させるように通信サブシステム710を構成し得る。通信サブシステム710は、1つ又はそれよりも多くの異なる通信プロトコルと互換性を有する有線及び/又は無線通信デバイスを含み得る。非限定的な実施例として、無線電話ネットワークを介した或いは有線又は無線構内又は広域ネットワークを介した通信のために通信サブシステム710を構成し得る。一部の実施態様において、通信サブシステムはコンピュータシステム700がインターネットのようなネットワークを介して他のデバイスにメッセージを送信し且つ/或いは他のデバイスからメッセージを受信することを可能にし得る。
【0047】
数多くの変形が可能であるので、ここに記載する構成及び/又はアプローチは本質的に例示的であること並びにこれらの特定の実施態様又は実施例は限定的な意味において考察されてはならないことが理解されるであろう。ここに記載する特定のルーチン又は方法は、如何なる数の処理方針のうちの1つ又はそれよりも多くをも提示し得る。よって、例示し且つ/或いは記載する様々な行為を、例示し且つ/或いは記載する順序において、他の順序において、或いは並列的に遂行してよく、省略してもよい。同様に、上述のプロセスの順番を変更し得る。
【0048】
本開示の主題は、様々なプロセス、システム、及び構成、ここに開示する他の特徴、機能、行為、及び/又は特性、並びにそれらのありとあらゆる均等物の、全ての新規で非自明な組み合わせ(combinations)及び小結合(sub-combinations)を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7