【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る鉢植え胡蝶蘭及びその製造方法は、次のような構成を有している。
(1)鉢植え胡蝶蘭であって、その花弁には、金箔又は銀箔からなる装飾部が部分的に施されていることを特徴とする。
【0008】
本発明においては、鉢植え胡蝶蘭であって、その花弁には、金箔又は銀箔からなる装飾部が部分的に施されているので、自然に咲いた花の色をそのまま生かすことによって、鉢植え胡蝶蘭の特徴である清潔感や気品の高さを保持させることができる。また、その花弁には、金箔又は銀箔からなる装飾部が部分的に施されているので、金箔又は銀箔が醸し出す豪華さを、鉢植え胡蝶蘭の特徴である清潔感や気品の高さと調和させながら、鉢植え胡蝶蘭の花に付加させることができる。
よって、本発明によれば、鉢植え胡蝶蘭の特徴である清潔感や気品の高さを保持しつつ、さらに豪華さを備えた鉢植え胡蝶蘭を提供することができる。
【0009】
なお、白花の鉢植え胡蝶蘭であって、その花弁には、金箔又は銀箔からなる装飾部が部分的に施されていることによって、白花の清潔感や気品の高さと金箔又は銀箔の豪華さとを、より一層調和させることができる。
【0010】
(2)(1)に記載された鉢植え胡蝶蘭において、
前記金箔又は銀箔からなる装飾部は、前記金箔又は銀箔が前記花弁の表面に形成された薄膜状の接着剤層を介して前記花弁の表面に貼着されていることを特徴とする。
【0011】
本発明においては、金箔又は銀箔からなる装飾部は、金箔又は銀箔が花弁の表面に形成された薄膜状の接着剤層を介して花弁の表面に貼着されているので、大小様々な金箔又は銀箔を接着剤層に複数枚貼着させることによって、花弁の表面に金箔又は銀箔からなる装飾部を任意の大きさに形成することができる。そのため、金箔又は銀箔からなる装飾部の大小を、用途や顧客のニーズに応じて、自由に変更させることができる。
【0012】
また、金箔又は銀箔からなる装飾部の大小を、用途や顧客のニーズに応じて変化させても、大小様々な金箔又は銀箔を接着剤層に複数枚貼着させることによって、花弁の表面に金箔又は銀箔からなる装飾部を任意の大きさに形成することができるのであるから、予め金箔又は銀箔を所定の大きさに切断しておく必要がなく、簡便である。例えば、一般に市販されている食用又は装飾用のケースに入った大小様々な金箔又は銀箔をそのまま適用することができる。
【0013】
(3)(1)又は(2)に記載された鉢植え胡蝶蘭において、
前記金箔又は銀箔からなる装飾部は、前記金箔又は銀箔が薄膜状の透明な速乾性の被覆層によって保護されていることを特徴とする。
【0014】
本発明においては、金箔又は銀箔からなる装飾部は、金箔又は銀箔が薄膜状の透明な速乾性の被覆層によって保護されているので、例えば、出荷後の移送中や観賞中において、金箔又は銀箔が花弁から離脱する恐れを回避できる。そのため、鉢植え胡蝶蘭の特徴である清潔感や気品の高さを保持しつつ、さらに豪華さを備えた状態を、長期間維持することができる。
【0015】
(4)花弁に金箔又は銀箔からなる装飾部が部分的に施されている鉢植え胡蝶蘭の製造方法であって、
前記金箔又は銀箔からなる装飾部は、その花弁の表面にスプレー糊を噴霧して薄膜状の接着剤層を形成した後に、前記接着剤層の上に前記金箔又は銀箔の小片を部分的に貼着させて形成することを特徴とする。
【0016】
本発明においては、金箔又は銀箔からなる装飾部は、その花弁にスプレー糊を噴霧して薄膜状の接着剤層を形成した後に、接着剤層の上に金箔又は銀箔の小片を部分的に貼着させて形成するので、自然に咲いた花の色をそのまま生かすことによって、鉢植え胡蝶蘭の特徴である清潔感や気品の高さを保持させることができる。また、その花弁にスプレー糊を噴霧して薄膜状の接着剤層を形成するので、花弁を傷つけることなく、花弁の上に接着剤層を短時間に形成できる。また、接着剤層の上に金箔又は銀箔の小片を貼着させるので、金箔又は銀箔が醸し出す豪華さを、自然に咲いた花の上に簡単に付加させることができる。
よって、本発明によれば、鉢植え胡蝶蘭の特徴である清潔感や気品の高さを保持しつつ、さらに豪華さを備えた鉢植え胡蝶蘭を短時間で製造することができる。
【0017】
なお、花弁に金箔又は銀箔からなる装飾部が部分的に施されている白花の鉢植え胡蝶蘭の製造方法であって、前記金箔又は銀箔からなる装飾部は、その花弁の表面にスプレー糊を噴霧して薄膜状の接着剤層を形成した後に、前記接着剤層の上に前記金箔又は銀箔の小片を部分的に貼着させて形成することによって、白花の清潔感や気品の高さと金箔又は銀箔の豪華さとを、より一層調和させることができる。
【0018】
(5)(4)に記載された鉢植え胡蝶蘭の製造方法において、
前記金箔又は銀箔の小片は、人差し指又は中指の第1関節上部の指腹部表面に付着させてから前記接着剤層に貼着させることを特徴とする。
【0019】
本発明においては、金箔又は銀箔の小片は、人差し指又は中指の第1関節上部の指腹部表面に付着させてから接着剤層に貼着させるので、金箔又は銀箔の小片を指腹部の指紋によって吸着させることができ、また、指腹部の弾力を用いて金箔又は銀箔の小片を接着剤層に軽く押し付けるだけで、金箔又は銀箔の小片を指腹部から簡単に離脱させ、接着剤層に簡単に貼着させることができる。
【0020】
なお、金箔又は銀箔の小片を、例えば、筆又は刷毛を用いて接着剤層に貼着させようとすると、筆又は刷毛に接着剤がこびり付いて、金箔又は銀箔を筆又は筆又は刷毛からうまく離脱させることができない。これに対して、指腹部の場合には、接着剤が付着する可能性があるが、その接着剤は、他の指等で簡単にふき取ることができるので、次にその指腹部に金箔又は銀箔を付着させても、当該指腹部から金箔又は銀箔を簡単に離脱させ、接着剤層に簡単に貼着させることができる。
【0021】
(6)(4)又は(5)に記載された鉢植え胡蝶蘭の製造方法において、
前記接着剤層の上に前記金箔又は銀箔の小片を部分的に貼着させた後に、前記金箔又は銀箔の上から速乾性のセット樹脂成分を含むヘアスプレーを噴霧して、前記接着剤層及び前記金箔又は銀箔を薄膜状の透明な速乾性の被覆層によって被覆することを特徴とする。
【0022】
本発明においては、接着剤層の上に金箔又は銀箔の小片を部分的に貼着させた後に、金箔又は銀箔の上から速乾性のセット樹脂成分を含むヘアスプレーを噴霧して、接着剤層及び金箔又は銀箔を薄膜状の透明な速乾性の被覆層によって被覆するので、被覆層の表面は乾燥してサラサラしておりべとつくことがない。そのため、出荷時に花に被せる紙袋が金箔又は銀箔からなる装飾部に張り付いて、花を傷つけることはない。また、紙袋が金箔又は銀箔を花弁から離脱させる恐れも回避できる。その結果、花弁に金箔又は銀箔からなる装飾部が部分的に施されている鉢植え胡蝶蘭を、傷つけることなく、顧客のニーズに合わせて迅速に出荷することができる。