特許第6325075号(P6325075)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6325075蒸気機能強化装置を有する電子喫煙物品および関連する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6325075
(24)【登録日】2018年4月20日
(45)【発行日】2018年5月16日
(54)【発明の名称】蒸気機能強化装置を有する電子喫煙物品および関連する方法
(51)【国際特許分類】
   A24F 47/00 20060101AFI20180507BHJP
【FI】
   A24F47/00
【請求項の数】17
【全頁数】38
(21)【出願番号】特願2016-501036(P2016-501036)
(86)(22)【出願日】2014年3月10日
(65)【公表番号】特表2016-510994(P2016-510994A)
(43)【公表日】2016年4月14日
(86)【国際出願番号】US2014022683
(87)【国際公開番号】WO2014159250
(87)【国際公開日】20141002
【審査請求日】2017年2月15日
(31)【優先権主張番号】13/796,725
(32)【優先日】2013年3月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】594112886
【氏名又は名称】アール・ジエイ・レイノルズ・タバコ・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ポッター,デニス・リー
(72)【発明者】
【氏名】シアーズ,スティーブン・ベンソン
【審査官】 宮崎 光治
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−315366(JP,A)
【文献】 特表2009−537119(JP,A)
【文献】 特表2006−524494(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F27/00−47/00
A61M11/00−19/00
A24D1/00−3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子蒸気喫煙部品用の蒸気機能強化装置であって、
フィルタ材料(600)と、
内腔(610)を画定し、口係合端部(511,630B)および縦方向反対側にあるコンポーネント係合端部を有し、前記内腔(610)は、前記フィルタ材料(600)を中に受容するように構成され、前記コンポーネント係合端部は、電子蒸気喫煙物品によって生成された蒸気と関連した動作の標識を提供する1つ以上のインジケータ(19)を有する制御本体部を動作可能に係合し、前記コンポーネント係合端部は、前記コンポーネント係合端部を通して前記蒸気を受容するために適合している、管状筐体と、
前記フィルタ材料(600)と動作可能に係合され、前記筐体の前記口係合端部(511,603B)への吸引の適用によって、前記内腔(610)の内部にある前記フィルタ材料(600)を通して、そして、前記口係合端部(511,603B)を通して引き込まれた蒸気を機能強化するように構成されている蒸気機能強化要素(620)と、
を備え、
前記筐体と前記フィルタ材料(600)とのうち一方は、
前記蒸気機能強化要素(620)によって提供された蒸気の機能強化の特質と、
前記蒸気機能強化要素(620)によって提供された蒸気の機能強化の残存耐用期間と、
前記蒸気機能強化要素(620)によって提供された蒸気の機能強化の消費耐用期間と、
前記筐体と前記制御本体部との間の動作可能な係合時に、前記蒸気機能強化要素(620)、前記フィルタ材料(600)、および前記筐体のうち1つと前記制御本体部との互換性と、
のうち1つを示す標識(650)を備えることを特徴とする、蒸気機能強化装置。
【請求項2】
前記フィルタ材料(600)は、酢酸セルロースのトウ、再生セルロース繊維のトウ、ギャザー付きの紙、不織布ポリプロピレン織物、および細断織物のギャザー付きの撚り糸のうち1つを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記筐体(630)の前記コンポーネント係合端部(630A)は、前記電子蒸気喫煙物品のカートリッジ本体部(505)と取り外し可能に係合されるように構成され、前記カートリッジ本体部(505)は、前記筐体(630)が前記カートリッジ本体部(505)に関して交換可能であるように前記筐体(630)と前記制御本体部(506)との間に係合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記筐体は、前記電子蒸気喫煙物品のカートリッジ本体部(505)のコンポーネントとして構成され、前記カートリッジ本体部(505)は、前記制御本体部(506)と係合され、前記筐体の前記口係合端部(511)は、前記フィルタ材料(600)を前記内腔(610)の内部に保持するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記筐体は、前記筐体の前記口係合端部(511,603B)の周りに配置されたフランジ(640)をさらに備え、前記フランジ(640)は、前記フィルタ材料(600)を前記内腔(610)の内部に保持するように前記筐体に関して半径方向内向きに延在する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記筐体は、弾性をもつように構成され、前記蒸気機能強化要素(620)は、前記フィルタ材料(600)の中へ導入され、機能強化物質を収容する壊れやすい部材を備え、前記壊れやすい部材は、前記弾性をもつ筐体に印加された圧縮力に応答して、破裂し、前記機能強化物質を放出して前記フィルタ材料(600)と係合させるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記蒸気機能強化要素(620)は、前記カートリッジ本体部との前記蒸気機能強化要素のインターフェースの周りで前記筐体と動作可能に係合され、前記蒸気機能強化要素(620)は、前記インターフェースでの前記筐体と前記カートリッジ本体部との間の係合時に作動されるように構成されている、請求項3に記載の装置。
【請求項8】
前記蒸気機能強化要素(620)は、
前記フィルタ材料(600)と係合させられた液体と、
前記フィルタ材料(600)の内部に配置された複数の物体と、
糸、繊維、マイクロカプセル、カプセル、小粒、顆粒、香味剤、およびこれらの組み合わせのうち1つと、
複数の順次係合された物体と、
のうち1つを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記蒸気機能強化要素(620)は、電気的に作動されるように構成され、前記筐体は、前記制御本体部との動作可能な係合時に、前記蒸気機能強化要素(620)と前記制御本体部との間に導電性接続を形成するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
蒸気は、タバコ成分またはタバコ由来材料を備え、前記フィルタ材料(600)と前記蒸気機能強化要素(620)とのうち一方は、前記蒸気の特性を変えるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
コンポーネント係合端部の縦方向反対側にある口係合端部を有し、フィルタ材料を中に受容するように構成されている内腔を画定する管状筐体の前記コンポーネント係合端部を電子蒸気喫煙物品によって生成された蒸気に関連した動作の標識を提供する1つ以上のインジケータを有する制御本体部と動作可能に係合することと、
前記筐体の前記口係合端部への吸引の適用に応答して前記筐体の前記内腔を通して蒸気を受容することと、
蒸気機能強化要素が前記フィルタ材料と動作可能に係合されている状態で前記吸引によって前記フィルタ材料を通して引き込まれた蒸気を機能強化することと、
を備える、電子蒸気喫煙物品によって生成された蒸気を機能強化する方法であって、
前記筐体と前記フィルタ材料のうちの一方について標識を表示することであって、前記標識は、前記蒸気機能強化要素によって提供された蒸気の機能強化の特質と、前記蒸気機能強化要素によって提供された蒸気の機能強化の残存耐用期間と、前記蒸気機能強化要素によって提供された蒸気の機能強化の消費耐用期間と、前記筐体と前記制御本体部との間の動作可能な係合時に、前記蒸気機能強化要素、前記フィルタ材料、および前記筐体のうち1つと前記制御本体部との互換性とのうち少なくとも1つを示すことを特徴とする方法。
【請求項12】
蒸気を機能強化することは、
酢酸セルロースのトウ、再生セルロース繊維のトウ、ギャザー付きの紙、不織布ポリプロピレン織物、および細断織物のギャザー付きの撚り糸のうち1つを備える前記フィルタ材料を通して引き込まれた蒸気を機能強化することと、
前記筐体の前記口係合端部の周りに配置され、前記筐体に関して半径方向内向きに延在するフランジによって、前記内腔の中に配置され、前記内腔の中に保持された前記フィルタ材料を通して引き込まれた蒸気を機能強化することと、
液体と係合された前記フィルタ材料を通して引き込まれた蒸気を機能強化することと、
蒸気機能強化要素が前記フィルタ材料の内部に配置された複数の物体、糸、繊維、マイクロカプセル、カプセル、小粒、顆粒、香味剤、複数の順次係合された物体、およびこれらの組み合わせのうち1つを備えた状態で、前記フィルタ材料を通して引き込まれた蒸気を機能強化することと、
前記フィルタ材料と前記蒸気機能強化要素とのうち一方を用いて、タバコ成分またはタバコ由来材料を備える蒸気の特性を変えることと、
のうち1つを備える、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
管状筐体のコンポーネント係合端部を制御本体部と動作可能に係合することは、前記管状筐体の前記コンポーネント係合端部を前記電子蒸気喫煙物品のカートリッジ本体部と取り外し可能に係合することをさらに備え、前記カートリッジ本体部は、前記筐体を前記電子蒸気喫煙物品に関して交換可能の状態にするように、前記筐体と前記制御本体部との間に係合されている、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記筐体は、前記電子蒸気喫煙物品のカートリッジ本体部のコンポーネントとして構成され、前記カートリッジ本体部は、前記制御本体部と係合され、蒸気を機能強化することは、前記内腔の中に配置され、前記筐体の前記口係合端部によって前記内腔の中に保持された前記フィルタ材料を通して引き込まれた蒸気を機能強化することをさらに備える、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記蒸気機能強化要素は、前記電子蒸気喫煙物品のカートリッジ本体部との前記筐体のインターフェースの周りで前記筐体と動作可能に係合され、前記方法は、前記インターフェースでの前記筐体と前記カートリッジ本体部との間の係合時に、前記蒸気機能強化要素を作動させることをさらに備える、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記筐体は、弾性をもつように構成され、前記蒸気機能強化要素は、前記フィルタ材料の中へ導入され、機能強化物質を収容する壊れやすい部材を備え、前記方法は、前記弾性をもつ筐体に印加された圧縮力に応答して、前記壊れやすい部材を破裂させることと、前記壊れやすい部材から前記機能強化物質を放出し、前記フィルタ材料と係合させることとをさらに備える、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記蒸気機能強化要素は、電気的に作動されるように構成され、前記方法は、前記制御本体部との前記筐体の動作可能な係合時に、前記蒸気機能強化要素と前記制御本体部との間に導電性接続を形成することをさらに備える、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル送達物品およびこれの使用に関し、より詳しくは、吸入可能な形でタバコの成分およびその他の物質を生じる目的のための喫煙物品であると見なすことができる物品に関する。このような物品の非常に好ましい成分は、タバコから作られる、もしくは、タバコ由来である、または、これらの物品は、そうでなければ、食用タバコを組み込むものとして特徴付けられ得る。
【背景技術】
【0002】
多くの喫煙装置が使用のためタバコを燃やすことを必要とする喫煙製品の改良物または代替物として長年にわたって提案されている。これらの装置の大半は、タバコの燃焼から生じる多量の不完全燃焼生成物および熱分解生成物を送達することなく、巻きたばこ、葉巻、またはパイプ喫煙と関連している感覚を与えるために設計されている。このため、揮発性物質を揮発もしくは加熱するために電気エネルギーを利用する、または、タバコをかなりの程度まで燃焼させることなく、巻きたばこ、葉巻、もしくはパイプ喫煙の感覚を提供しようとする多数の喫煙製品、香味発生器、および薬物吸入具が提案されている。たとえば、参照によって本明細書に組み込まれるRobinson他に対する米国特許第7,726,320号、および2012年10月8日付けで出願された、Sears他に対する米国特許出願第13/647,000号に記載された背景技術の欄に示された様々な代替喫煙物品、エアロゾル送達装置、および熱発生源を参照のこと。
【0003】
煙もしくはエアロゾル形成のため熱を生成するために電気エネルギーを利用している特定のタバコ製品、特に、電子タバコ製品と呼ばれている特定の製品は、世界中で商業的に入手できる。従来型の巻きたばこ、葉巻またはパイプの特質の中の多くに似ている代表的な製品は、Philip Morris IncorporatedによるACCORD(R);InnoVapor LLCによるALPHTM、JOYE 510TMおよびM4TM;White Cloud CigarettesによるCIRRUSTMおよびFLINGTM;Epuffer(R) International Inc.によるCOHITATM、COLIBRITM、ELITE CLASSICTM、MAGNUMTM、PHANTOMTMおよびSENSETM;Electronic Cigarettes、Inc.によるDUOPROTM、STORMTMおよびVAPORKING(R);Egar AustraliaによるEGARTM;JoyetechによるeGo−CTMおよびeGo−TTM;Elusion UK LtdによるELUSIONTM;Eonsmoke LLCによるEONSMOKE(R);Green Smoke Inc.USAによるGREEN SMOKE(R);Greenarette LLCによるGREENARETTETM;Smoke Stik(R)によるHALLIGANTM、HENDUTM、JETTM、MAXXQTM、PINKTMおよびPITBULLTM;Philip Morris International、Inc.によるHEATBARTM;Crown7からのHYDRO IMPERIALTMおよびLXETM;LOGIC TechnologyによるLOGICTMおよびTHE CUBANTM;Luciano Smokes Inc.によるLUCI(R);Nicotek、LLCによるMETRO(R);Sottera、Inc.によるNJOY(R)およびONEJOYTM;SS Choice LLCによるNO.7TM;PremiumEstore LLCによるPREMIUM ELECTRONIC CIGARETTETM;Ruyan America, Inc.によるRAPP E−MYSTICKTM;Red Dragon Products, LLCによるRED DRAGONTM;Ruyan Group (Holdings) Ltd.によるRUYAN(R);The Smart Smoking Electronic Cigarette Company Ltd.によるSMART SMOKER(R;Coastline Products LLCによるSMOKE ASSIST(R);Smoking Everywhere,Inc.によるSMOKING EVERYWHERE(R);VMR Products LLCによるV2CIGSTM;VaporNine LLCによるVAPOR NINETM;Vapor 4 Life, Inc.によるVAPOR4LIFE(R);E−CigaretteDirect,LLCによるVEPPOTM、および、R.J.Reynolds Vapor CompanyによるVUSE(R)として市販されている。さらに、他の電動エアロゾル伝達装置と、特に、いわゆる電子タバコとして特徴付けられているこれらの装置は、BLUTM、COOLER VISIONSTM、DIRECT E−CIGTM、DRAGONFLYTM、EMISTTM、EVERSMOKETM、GAMUCCI(R)、HYBRID FLAMETM、KNIGHT STICKSTM、ROYAL BLUESTM、SMOKETIP(R)およびSOUTH BEACH SMOKETMというトレードマークで市販されている。
【0004】
タバコをかなりの程度まで燃焼させることなく、燃焼熱源を必要とすることなく、そして、多量の不完全燃焼生成物および熱分解生成物を必ずしも送達することなく、巻きたばこ、葉巻またはパイプ喫煙の感覚を提供するために電気エネルギーによって生成された熱を用いる喫煙物品を提供することが望ましいであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7,726,320号明細書
【特許文献2】米国特許出願第13/647,000号
【発明の概要】
【0006】
上記要求およびその他の要求は、一態様において、電子蒸気喫煙物品用の蒸気機能強化装置を提供する本開示によって満たされる。このような装置は、フィルタ材料と、内腔を画定する管状筐体とを備える。管状筐体は、口係合端部と、縦方向反対側のコンポーネント係合端部とを有し、内腔は、フィルタ材料を中に受容するように構成されている。コンポーネント係合端部は、電子蒸気喫煙物品と関連したカートリッジ本体部を係合し、カートリッジ本体部から蒸気を受容するために適合している。蒸気機能強化要素は、フィルタ材料と動作可能に係合させられ、筐体の口係合端部への吸引の適用によって、電子蒸気喫煙物品と関連したカートリッジ本体部から、内腔の内部にあるフィルタ材料を通して、そして、口係合端部を通して引き込まれた蒸気を機能強化するように構成されている。
【0007】
本開示の別の態様は、電子蒸気喫煙物品によって生成された蒸気を機能強化する方法を提供する。このような方法は、管状筐体のコンポーネント係合端部を電子蒸気喫煙物品と関連したカートリッジ本体部と係合することを備え、管状筐体は、コンポーネント係合端部の縦方向反対側にある口係合端部を有し、フィルタ材料を中に受容するように構成されている内腔を画定する。蒸気は、筐体の口係合端部への吸引の適用に応答して、カートリッジ本体部から筐体の内腔の中に受容され、吸引によってフィルタ材料を通して引き込まれた蒸気は、蒸気機能強化要素がフィルタ材料と動作可能に係合された状態で機能強化される。
【0008】
本開示は、このようにして、限定されることなく、以下の実施形態を含む。
【0009】
実施形態1:フィルタ材料と、フィルタ材料を中に受容するように構成されている内腔を画定し、口係合端部、および、電子蒸気喫煙物品と関連した制御本体部を動作可能に係合し、コンポーネント係合部を通して蒸気を受容するために適合している縦方向反対側にあるコンポーネント係合端部を有する管状筐体と、フィルタ材料と動作可能に係合され、筐体の口係合端部への吸引の適用によって、内腔の内部にあるフィルタ材料を通して、そして、口係合端部を通して引き込まれた蒸気を機能強化するように構成されている蒸気機能強化要素と、を備える、電子蒸気喫煙物品用の蒸気機能強化装置。
【0010】
実施形態2:フィルタ材料は、酢酸セルロースのトウ、再生セルロース繊維のトウ、ギャザー付きの紙、不織布ポリプロピレン織物、および細断織物のギャザー付きの撚り糸のうち1つを備える、いずれかの先行もしくは後続の実施形態、または、これらの組み合わせの蒸気機能強化装置。
【0011】
実施形態3:筐体のコンポーネント係合端部は、電子蒸気喫煙物品のカートリッジ本体部と取り外し可能に係合されるように構成され、カートリッジ本体部は、筐体がカートリッジ本体部に関して交換可能であるように筐体と制御本体部との間に係合されている、いずれかの先行もしくは後続の実施形態、または、これらの組み合わせの蒸気機能強化装置。
【0012】
実施形態4:筐体は、電子蒸気喫煙物品のカートリッジ本体部のコンポーネントとして構成され、カートリッジ本体部は、制御本体部と係合され、筐体の口係合端部は、フィルタ材料を内腔の内部に保持するように構成されている、いずれかの先行もしくは後続の実施形態、または、これらの組み合わせの蒸気機能強化装置。
【0013】
実施形態5:筐体は、筐体の口係合端部の周りに配置されたフランジをさらに備え、フランジは、フィルタ材料を内腔の内部に保持するように筐体に関して半径方向内向きに延在する、いずれかの先行もしくは後続の実施形態、または、これらの組み合わせの蒸気機能強化装置。
【0014】
実施形態6:筐体とフィルタ材料とのうち一方は、
蒸気機能強化要素によって提供された蒸気の機能強化の特質を示す標識と、
蒸気機能強化要素によって提供された蒸気の機能強化の残存耐用期間を示す標識と、
蒸気機能強化要素によって提供された蒸気の機能強化の消費耐用期間を示す標識と、
筐体と制御本体部との間の動作可能な係合時に、蒸気機能強化要素、フィルタ材料、および筐体のうち1つと制御本体部との互換性を示す標識と、
のうち1つを備える、いずれかの先行もしくは後続の実施形態、または、これらの組み合わせの蒸気機能強化装置。
【0015】
実施形態7:筐体は、弾性をもつように構成され、蒸気機能強化要素は、フィルタ材料の中へ導入され、機能強化物質を収容する壊れやすい部材を備え、壊れやすい部材は、弾性をもつ筐体に印加された圧縮力に応答して、破裂し、機能強化物質を放出してフィルタ材料と係合させるように構成されている、いずれかの先行もしくは後続の実施形態、または、これらの組み合わせの蒸気機能強化装置。
【0016】
実施形態8:蒸気機能強化要素は、カートリッジ本体部との蒸気機能強化要素のインターフェースの周りで筐体と動作可能に係合され、蒸気機能強化要素は、インターフェースでの筐体とカートリッジ本体部との間の係合時に、作動されるように構成されている、いずれかの先行もしくは後続の実施形態、または、これらの組み合わせの蒸気機能強化装置。
【0017】
実施形態9:蒸気機能強化要素は、
フィルタ材料と係合させられた液体と、
フィルタ材料の内部に配置された複数の物体と、
糸、繊維、マイクロカプセル、カプセル、小粒、顆粒、香味剤、およびこれらの組み合わせのうち1つと、
複数の順次係合された物体と、
のうち1つを備える、いずれかの先行もしくは後続の実施形態、または、これらの組み合わせの蒸気機能強化装置。
【0018】
実施形態10:蒸気機能強化要素は、電気的に作動されるように構成され、筐体は、制御本体部との動作可能な係合時に、蒸気機能強化要素と制御本体部との間に導電性接続を形成するように構成されている、いずれかの先行もしくは後続の実施形態、または、これらの組み合わせの蒸気機能強化装置。
【0019】
実施形態11:蒸気は、タバコ成分またはタバコ由来材料を備え、フィルタ材料と蒸気機能強化要素とのうち一方は、蒸気の特性を変えるように構成されている、いずれかの先行もしくは後続の実施形態、または、これらの組み合わせの蒸気機能強化装置。
【0020】
実施形態12:電子蒸気喫煙物品によって生成された蒸気を機能強化する方法であって、コンポーネント係合端部の縦方向反対側にある口係合端部を有し、フィルタ材料を中に受容するように構成されている内腔を画定する管状筐体のコンポーネント係合端部を電子蒸気喫煙物品に関連した制御本体部と動作可能に係合することと、筐体の口係合端部への吸引の適用に応答して筐体の内腔を通して蒸気を受容することと、蒸気機能強化要素がフィルタ材料と動作可能に係合されている状態で吸引によってフィルタ材料を通して引き込まれた蒸気を機能強化することとを備える方法。
【0021】
実施形態13:蒸気を機能強化することは、
酢酸セルロースのトウ、再生セルロース繊維のトウ、ギャザー付きの紙、不織布ポリプロピレン織物、および細断織物のギャザー付きの撚り糸のうち1つを備えるフィルタ材料を通して引き込まれた蒸気を機能強化することと、
内腔の中に配置されたフィルタ材料であって、筐体の口係合端部の周りに配置され、筐体に関して半径方向内向きに延在するフランジによってこの内腔の中に保持されたフィルタ材料を通して引き込まれた蒸気を機能強化することと、
液体と係合されたフィルタ材料を通して引き込まれた蒸気を機能強化することと、
蒸気機能強化要素がフィルタ材料の内部に配置された複数の物体、糸、繊維、マイクロカプセル、カプセル、小粒、顆粒、香味剤、複数の順次係合された物体、およびこれらの組み合わせのうち1つを備えた状態で、フィルタ部材を通して引き込まれた蒸気を機能強化することと、
フィルタ材料と蒸気機能強化要素とのうち一方を用いて、タバコ成分またはタバコ由来材料を備える蒸気の特性を変えることと、
のうち1つをさらに備える、いずれかの先行もしくは後続の実施形態、または、これらの組み合わせの方法。
【0022】
実施形態14:管状筐体のコンポーネント係合端部を制御本体部と動作可能に係合することは、管状筐体のコンポーネント係合端部を電子蒸気喫煙物品のカートリッジ本体部と取り外し可能に係合することをさらに備え、カートリッジ本体部は、筐体を電子蒸気喫煙物品に関して交換可能の状態にするように、筐体と制御本体部との間に係合されている、いずれかの先行もしくは後続の実施形態、または、これらの組み合わせの方法。
【0023】
実施形態15:筐体は、電子蒸気喫煙物品のカートリッジ本体部のコンポーネントとして構成され、カートリッジ本体部は、制御本体部と係合され、蒸気を機能強化することは、内腔の中に配置され、筐体の口係合端部によって内腔の中に保持されたフィルタ材料を通して引き込まれた蒸気を機能強化することをさらに備える、いずれかの先行もしくは後続の実施形態、または、これらの組み合わせの方法。
【0024】
実施形態16:筐体とフィルタ材料とのうち一方に関する標識を表示することをさらに備え、標識は、蒸気機能強化要素によって提供された蒸気の機能強化の特質と、蒸気機能強化要素によって提供された蒸気の機能強化の残存耐用期間と、蒸気機能強化要素によって提供された蒸気の機能強化の消費耐用期間と、筐体と制御本体部との間の動作可能な係合時に、蒸気機能強化要素、フィルタ材料、および筐体のうち1つと制御本体部との互換性とのうち少なくとも1つを示す、いずれかの先行もしくは後続の実施形態、または、これらの組み合わせの方法。
【0025】
実施形態17:蒸気機能強化要素は、カートリッジ本体部との筐体のインターフェースの周りで筐体と動作可能に係合され、この方法は、インターフェースでの筐体とカートリッジ本体部との間の係合時に、蒸気機能強化要素を作動させることをさらに備える、いずれかの先行もしくは後続の実施形態、または、これらの組み合わせの方法。
【0026】
実施形態18:筐体は、弾性をもつように構成され、蒸気機能強化要素は、フィルタ材料の中へ導入され、機能強化物質を収容する壊れやすい部材を備え、この方法は、弾性をもつ筐体に印加された圧縮力に応答して、壊れやすい部材を破裂させることと、壊れやすい部材から機能強化物質を放出し、フィルタ部材と係合させることとをさらに備える、いずれかの先行もしくは後続の実施形態、または、これらの組み合わせの方法。
【0027】
実施形態19:蒸気機能強化要素は、電気的に作動されるように構成され、この方法は、制御本体部との筐体の動作可能な係合時に、蒸気機能強化要素と制御本体部との間に導電性接続形成することをさらに備える、いずれかの先行もしくは後続の実施形態、または、これらの組み合わせの方法。
【0028】
本開示の上記およびその他の特徴と態様と利点とは、以下で簡単に説明される添付図面と一緒に以下の詳細な説明を読むとすぐに分かるであろう。本開示は、本開示に示された2つ、3つ、4つ、もしくはこれ以上の特徴または要素が明示的に組み合わされるか、そうでなければ、本明細書中の具体的な実施形態の説明において記載されているかどうかを問わずに、このような特徴または要素のいずれかの組み合わせを含む。本開示は、本開示の何らかの分離可能な特徴または要素が、本開示の文脈がそうではないことを明らかに指示しない限り、この開示の態様および実施形態のいずれかにおいて、詳しく言えば、組み合わせ可能であることが意図されていると見なされるように、総体的に読まれることが意図されている。
【0029】
以上のとおり、本開示が上記の一般的な言葉で説明されたので、次に、必ずしも正しい縮尺で描かれていない添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】内部コンポーネントを見せるために外殻部の一部が切り取られた開示による電子蒸気喫煙物品の実施形態例の斜視図である。
図2】互いに着脱可能である制御本体およびカートリッジを備える開示による電子蒸気喫煙物品の実施形態例の斜視図である。
図3】互いに着脱可能である制御本体およびカートリッジを備える開示の別の態様による電子蒸気喫煙物品の実施形態例の縦断面図である。
図4A】互いに着脱可能である制御本体およびカートリッジを備え、蒸気機能強化態様が電子蒸気喫煙物品の口端部と係合されている開示による電子蒸気喫煙物品の実施形態例の斜視図である。
図4B】互いに着脱可能である制御本体およびカートリッジを備え、蒸気機能強化態様が電子蒸気喫煙物品の口端部から係合解除されている開示による電子蒸気喫煙物品の実施形態例の斜視図である。
図5】開示の一態様による電子蒸気喫煙物品によって生成された蒸気を機能強化する方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本開示は、今度は、本開示の実施形態例を参照して以下に詳述される。これらの実施形態例は、本開示が徹底的かつ完全であり、開示の範囲を当業者に十分に伝達するように説明される。実際には、開示は、多数の異なった形式で具現化されることがあり、本明細書に示された実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、それどころか、これらの実施形態は、本開示が適用される法的要件を満たすように与えられるものである。明細書および請求項において使用されるように、単数形の冠詞「a」、「an」、「the」は、文脈がそうではないことを明らかに断らない限り、複数形の指示を含む。
【0032】
本開示は、吸入可能物質を形成するため、(好ましくは、材料を有意な程度まで燃焼することなく)材料を加熱するために電気エネルギーを使用する物品であって、最も好ましくは、「ハンドヘルド型」装置であると見なされるために十分に小型である物品について説明する。ある特定の非常に好ましい実施形態において、物品は、喫煙物品として特徴付けられ得る。本明細書において使用されるように、用語「喫煙物品」は、物品または装置の何らかの成分のかなりの程度の燃焼なしで、巻きたばこ、葉巻、またはパイプを喫煙する感覚(たとえば、決まり切った吸入および吐出、味または香味の種類、官能効果、身体的感触、決まり切った用途、可視エアロゾルによって与えられた手掛かりのような視覚的手掛かりなど)の多くを提供する物品または装置を意味することが意図されている。本明細書において使用されるように、用語「喫煙物品」は、必ずしも、動作中に、物品または装置がタバコの燃焼もしくは熱分解の副生成物の結果として生じるエアロゾルという意味で煙を生成することを意味するのではなく、むしろ、物品または装置が物品または装置のある特定の成分の揮発もしくは蒸発の結果として生じる(煙状として説明できるように考えられるかもしれない可視エアロゾルであると見なすことができるエアロゾルの内部の蒸気などの)蒸気を生じることを意味する。非常に好ましい実施形態において、喫煙物品として特徴付けられた物品または装置は、タバコおよび/またはタバコに由来する成分を組み込む。
【0033】
本開示の物品または装置は、蒸気生成物品、エアロゾル伝達物品または薬物伝達物品として特徴付けられる可能性もある。したがって、このような物品または装置は、吸入可能な形式または状態で1つ以上の物質(たとえば、香味、および/または、薬物活性含有物)を供給するために適合する可能性がある。たとえば、吸入可能な物質は、実質的に蒸気(すなわち、臨界点より低い温度で気相にある物質)の形をしている可能性がある。代替的に、吸入可能な物質は、エアロゾル(すなわち、微細固体粒子の懸濁液、または、気体中の液滴)の形をとる可能性がある。説明の分かり易さのため、本明細書において使用されるような用語「エアロゾル」は、可視であるか否かを問わずに、かつ、煙状であるとみなされかもしれない形であるか否かを問わずに、人の吸入のため適した形または種類の蒸気、ガスおよびエアロゾルを含むことになっている。
【0034】
使用中、本開示の喫煙物品は、従来型の喫煙物品(たとえば、炎で火を付けられ、その後に燃えるタバコを吸入することによって使用される巻きたばこ、葉巻またはパイプ)を用いるときに個人の身体的行為の多くに晒される。たとえば、本開示の喫煙物品の利用者は、従来型の喫煙物品とよく似ているこの物品を保持し、この物品によって生成されたエアロゾルの吸入のためこの物品の一方の端部を吸い込み、選択された時間間隔で吹かすことができる。
【0035】
本開示の喫煙用具は、概して、外殻部または本体の内部に設けられたある程度の数のコンポーネントを含む。外殻部または本体の全体的な設計は、変化する可能性があり、喫煙物品の全体的な寸法および形状を画定する外側本体の型または構成は、変化する可能性がある。典型的に、巻きたばこまたは葉巻の形状に似ている細長い本体は、単一の統一された殻部から形成される可能性があり、または、細長い本体は、2つ以上の分離可能な部品で形成される可能性がある。たとえば、喫煙物品は、形状が実質的に管状であり、したがって、従来型の巻きたばこまたは葉巻の形状に似ている可能性がある細長い殻部または本体を備える可能性がある。一実施形態において、喫煙物品の成分の全ては、1つの外側本体または殻部に格納されている。代替的に、喫煙物品は、接合され、および、分離可能である2つの殻部を備える可能性がある。たとえば、喫煙物品は、一方の端部に1つ以上の再利用可能なコンポーネント(たとえば、充電式電池およびこの物品の動作を制御する様々な電子機器)を格納する殻部を備える制御本体を有し、もう一方の端部に、そして、このもう一方の端部に取り外し可能に取り付けられた、使い捨ての部分(たとえば、使い捨ての香味含有カートリッジ)を格納している殻部を有する可能性がある。単一の殻型のユニットの内部、または、多部品分離可能な殻型のユニットの内部にあるコンポーネントのより具体的な型、構成および配置は、本明細書に設けられた更なる開示を考慮すると明白であろう。付加的に、様々な喫煙物品の設計およびコンポーネント配置は、本開示の背景技術の欄に列挙された代表的な製品のような商業的に入手可能な喫煙物品を考慮すると理解され得る。
【0036】
本開示の喫煙物品は、最も好ましくは、電力源(すなわち、電源)と、少なくとも1つの制御コンポーネント(たとえば、物品の電力源から他のコンポーネントまでの電流フローを制御することなどによって、発熱のための電力を作動させる、制御する、調整する、および停止する手段)と、ヒーターもしくは発熱コンポーネント(たとえば、電気抵抗加熱素子もしくは一般に「アトマイザ」と呼ばれるコンポーネント)と、エアロゾル前駆体コンポーネント(たとえば、一般的には、一般に「スモークジュース」、「e−リキッド」および「e−ジュース」と呼ばれる含有物のような十分な熱を加えるとエアロゾルを生じる能力のある液体)と、エアロゾル吸入のための喫煙物品の吸い込みを可能にする口端部領域、口端部部分、もしくは口端部先端(たとえば、生成されたエアロゾルが吸い込み時に引き出され得るように物品の中を通る明確な空気流路)との何らかの組み合わせを備える。物品の内部でのコンポーネントの整列は、変化する可能性がある。具体的な実施形態において、エアロゾル前駆体コンポーネントは、利用者へのエアロゾル送達を最大限にするために、(たとえば、ある特定の状況において、交換可能であり、かつ、使い捨て可能であるカートリッジと共に)利用者の口の近くにある物品の端部の近くに位置する可能性がある。しかしながら、その他の構成は、排除されていない。概して、ヒーターコンポーネントは、ヒーターコンポーネントからの熱がエアロゾル前駆体(ならびに、同様に利用者への送達のため設けられることがある1つ以上の香味剤、薬剤など)を揮発させ、利用者への送達のためのエアロゾルを形成することができるように、このエアロゾル前駆体コンポーネントの十分近くに位置決めされ得る。加熱部材がエアロゾル前駆体コンポーネントを加熱するとき、エアロゾルが形成され、放出され、または、消費者による吸引のため適した物理的な形で発生させられる。ここで留意すべきことは、上記用語は、「放出する」の原形(release)、「放出する」の進行形(releasing)、「放出する」の三人称単数形(releases)または「放出する」の過去形(released)の参照が「形成するもしくは発生させる」の原形、「形成するもしくは発生させる」の進行形、「形成するもしくは発生させる」の三人称単数形、および「形成するもしくは発生させる」の過去形を含むように、どちらを使っても構わないようにされていることである。具体的には、吸入可能な物質は、蒸気もしくはエアロゾル、または、これらの混合物の形で放出される。付加的に、様々な喫煙物品コンポーネントの選択は、本開示の背景技術の欄に列挙された代表的な製品のような商業的に入手可能な電子喫煙物品を考慮すると理解され得る。
【0037】
喫煙物品は、抵抗加熱、制御システムの給電、インジケータの給電などの様々な機能性を物品に与えるために十分な電流を供給する電池またはその他の電源を組み込む。電力源は、様々な実施形態を採用することができる。様々な電力源は、エアロゾル形成を行なうために加熱部材を急速加熱するのに十分な動力を送達し、望ましい期間に亘る使用を通して物品に給電する能力がある。電力源は、好ましくは、物品が簡単に取り扱えるように、物品の内部に巧く嵌まる寸法にされ、さらに好ましくは、好ましい電力源は、望ましい喫煙体験を損なわないように十分に軽量である。
【0038】
有用な電力源の例は、好ましくは充電式であるリチウムイオン電池(たとえば、充電式二酸化マンガンリチウム電池)を含む。特に、リチウムポリマー電池は、安全性の上昇をもたらすことができるので、使用され得る。その他の種類の電池、たとえば、N50−AAA CADNICAニッケルカドミウム電池が使用されることもある。開示に従って使用され得る電池のさらなる例は、開示が全体として参照によって本明細書に組み込まれる米国特許出願第2010/0028766号に記載されている。薄膜電池は、開示のある特定の実施形態において使用されることがある。これらの電池または電池の組み合わせの何れかが電力源の中に使用され得るが、使い捨ての電池に関連したコストおよび廃棄の検討により、充電式電池が好ましい。使い捨ての電池が設けられた実施形態において、喫煙物品は、電池の取り外しおよび交換のためのアクセス手段を含む可能性がある。代替的に、充電式電池が使用される実施形態において、喫煙物品は、標準的な120ボルト交流式壁コンセント、または、USB接続部を含む自動車電気系統もしくは独立携帯型電力源のようなその他の供給源から電力を得る従来とおりの充電ユニットの中の対応する接点との相互作用のための充電接点を備える可能性がある。電池を充電する手段は、たとえば、喫煙物品の中に存在する比較的小型の電池のため複数回の充電を行うことができる比較的大型の電池ユニットを含むことができる携帯充電ケースの中に設けられる可能性がある。この物品は、物品が外部電力源に物理的に接続されることなく充電され得るように非接触誘導充電系統を設けるコンポーネントをさらに含む可能性がある。このようにして、この物品は、電磁場から物品の内部の充電式電池までのエネルギーの伝達を助けるためのコンポーネントを含む可能性がある。
【0039】
さらなる実施形態において、電力源は、1つ以上のキャパシタをさらに備える可能性がある。キャパシタは、電池より急速に放電する能力をもち、吹かしと吹かしとの間に充電される可能性があり、電池が加熱部材を直接給電するために使用された場合より低速でキャパシタへ放電することを可能にさせる。たとえば、スーパーキャパシタ、すなわち、電気二重層キャパシタ(EDLC)は、電池から分離して、または、電池と組み合わせて使用されることがある。単独で使用されたとき、スーパーキャパシタは、物品の1回ずつの使用前に充電されることがある。このようにして、開示は、スーパーキャパシタを補充するために使用と使用との間に喫煙物品に取り付けられ得る充電コンポーネントをさらに含むことがある。
【0040】
喫煙物品は、種々の電力管理ソフトウェア、ハードウェア、および/またはその他の電子制御コンポーネントをさらに含む可能性がある。たとえば、このようなソフトウェア、ハードウェア、および/または電子制御装置は、電池の充電を実行することと、電池充電および放電状態を検出することと、電力節約動作を行うことと、電池の意図的ではない、または、過剰な放電を防止することなどを含む可能性がある。
【0041】
本開示による「コントローラ」または「制御コンポーネント」は、本喫煙物品において役立つ種々の要素を包含する可能性がある。その上、開示による喫煙物品は、統一要素の中へ組み合わされ得る、または、喫煙物品の内部の別個のロケーションに存在する可能性がある1つ、2つもしくはこれ以上の制御コンポーネントを含む可能性があり、個別の制御コンポーネントは、異なった制御態様を実行するため利用される可能性がある。たとえば、喫煙物品は、電池からの電力放電を制御するために電池に一体化された、または、そうでなければ、電池と組み合わされた制御コンポーネントを含む可能性がある。喫煙物品は、独立して、物品のその他の態様を制御する制御コンポーネントを含む可能性がある。代替的に、物品の複数の制御態様または全ての制御態様を実行する単一のコントローラが設けられることがある。同様に、物品で使用されるセンサ(たとえば、吹かしセンサ)は、刺激に応答して電力源からの電力放電の作動を制御する制御コンポーネントを含む。喫煙物品は、独立して、物品のその他の態様を制御する制御コンポーネントを含む可能性がある。代替的に、単一のコントローラが、物品の複数の制御態様もしくは全ての制御態様を実行するためセンサの中に、または、そうでなければセンサに関連して設けられることがある。このようにして、コントローラの種々の組み合わせが、装置の全ての態様の望ましいレベルの制御を行うために本喫煙物品の中で組み合わされることがあることが分かる。
【0042】
喫煙物品は、電力源から物品のさらなるコンポーネント、たとえば、抵抗加熱素子までの電気エネルギーの流れを制御するために役立つ1つ以上のコントローラコンポーネントをさらに備える可能性がある。具体的には、この物品は、電力源から、たとえば、抵抗加熱素子までの電流フローを作動させる制御コンポーネントを備える可能性がある。たとえば、一部の実施形態において、この物品は、電力フローの手動制御のための制御回路に連結される可能性がある押しボタンを含む可能性があり、消費者は、物品をオンにするために、および/または、抵抗加熱素子への電流フローを作動させるために押しボタンを使用できる。物品への給電のオンおよびオフの手動操作のため、および、エアロゾル発生のための加熱を作動するため複数のボタンが設けられる可能性がある。存在している1つ以上の押しボタンは、喫煙物品の外面と実質的に同一平面である可能性がある。
【0043】
押しボタンの代わりに(または加えて)、発明の物品は、消費者の物品の吸い込み(すなわち、吹かし作動型加熱)に応答して、1つ以上の制御コンポーネントを含む可能性がある。たとえば、この物品は、消費者がこの物品を吸い込むとき、圧力変化または気流変化のいずれかに敏感であるスイッチ(すなわち、吹かし作動型スイッチ)を含むことがある。その他の適当な電流作動/作動停止機構は、温度作動型オン/オフスイッチ、または、唇圧作動型スイッチを含むことがある。このような吹かし作動能力を提供することができる典型的な機構は、イリノイ州フリーポート所在のHoneywell, Inc.,のMicroSwitch部門によって製造されたModel 163PC01D36シリコンセンサを含む。このようなセンサを用いると、抵抗加熱素子は、消費者が物品を吸い込むときに圧力の変化によって急速に作動される可能性がある。その上、熱線流速計原理を使用する装置のような流量センシング装置は、気流の変化をセンシングした後に十分に急速に抵抗加熱素子の通電を引き起こすために使用されることがある。使用されることがあるさらなる吹かし作動型スイッチは、フロリダ州フォート・ローダーデール所在のMicro Pneumatic Logic, Inc.製のModel No.MPL−502−V、レンジAのような圧力差動スイッチである。別の適当な吹かし作動型機構は、(たとえば、増幅器または利得段を装備している)感圧トランスデューサであり、この感圧トランスデューサは、次に、所定の閾値圧力を検出するコンパレータと結合される。さらに別の適当な吹かし作動型機構は、気流によって偏向させられる羽根であり、この羽根の動きは、動きセンシング手段によって検出される。さらに別の適当な作動機構は、圧電スイッチである。同様に役立つのは、イリノイ州フリーポート所在のHoneywell, Inc.のMicroSwitch部門製の適当に接続されたHoneywell MicroSwitch Microbridge Airflow Sensor, Part No.AWM2100Vである。本開示による加熱回路において用いられることがあるデマンド動作型電気スイッチのさらなる例は、全体として参照によって本明細書に組み込まれるGerth他に対する米国特許第4,735,217号に記載される。その他の適当な差動スイッチ、アナログ圧力センサ、流量センサなどは、本開示の知識をもつ当業者に明らかである。喫煙物品の内部の吹かし作動型スイッチと気流通路との間の圧力センシング管またはその他の流体供給通路接続部は、吸い込み中の圧力変化がスイッチによって簡単に識別されるように含まれる可能性がある。本喫煙物品において役立つ可能性がある電流調整回路、および、マイクロコントローラを含むその他の制御コンポーネントのさらなる説明は、いずれもがBrooks他に対する米国特許第4,922,901号、第4,947,874号および第4,947,875号と、McCafferty他に対する米国特許第5,372,148号と、Fleishhauer他に対する米国特許第6,040,560号と、Nguyen他に対する米国特許第7,040,314号に記載され、これらの米国特許の全ては、全体として参照によって本明細書に組み込まれる。
【0044】
容量センシングコンポーネントは、特に、装置の1つ以上のコンポーネントに対する多様なタイプの「電源投入」および/または「電源切断」を可能にさせるために種々の方式で装置の中に組み込まれる可能性がある。容量センシングは、近接性、位置もしくは変位、湿度、液量、圧力、または加速度を検出および/または測定するセンサを含むが、これらに限定されない容量結合に基づくいずれかのセンサ組み込み技術の使用を含む可能性がある。容量センシングは、表面容量、投影容量、相互容量、または自己容量をもたらす電子コンポーネントにより生じる可能性がある。容量センサは、概して、導電性がある、または、空気の誘電率とは異なる誘電率を有するものを何でも検出することができる。容量センサは、たとえば、機械的ボタン(すなわち、上記押しボタン)を容量代替物で置き換えることができる。このようにして、開示による容量センシングの1つの具体的な応用は、接触容量センサである。たとえば、タッチパッドは、喫煙物品の上に存在し、利用者が種々のコマンドを入力できるようにする可能性がある。最も基本的には、タッチパッドは、既に上述されたように、押しボタンとほとんど同じ方式で、加熱素子に給電を行う可能性がある。その他の実施形態において、容量センシングは、物品を吸い込むための喫煙物品への唇の圧力が電力を加熱素子に供給することを装置に信号で知らせることができるように、喫煙物品の口端部の近くで適用される可能性がある。接触容量センサに加えて、動き容量センサ、液体容量センサ、および加速度計が喫煙物品からの種々の応答を取り出すために開示に従って用いられる可能性がある。さらに、光電子センサもまた発明の喫煙物品に組み込まれる可能性がある。
【0045】
本物品において利用されたセンサは、エアロゾル前駆体を含む基材を加熱し、利用者による吸入のための蒸気もしくはエアロゾルを形成するために、加熱素子への電力フローを信号で求めることができる。センサは、さらなる機能を提供することもできる。たとえば、「ウェイクアップ」センサが含まれる可能性がある。類似した機能を提供するその他のセンシング方法は、同様に開示に従って用いられる可能性がある。
【0046】
消費者が喫煙物品の口端部を吸い込むとき、電流作動手段は、急速に発熱させるために無制限のもしくは途切れのない電流のフローが抵抗加熱部材の中を通ることを許可することができる。急速加熱であるため、(i)抵抗素子の加熱および抵抗素子に現れる温度を制御するように加熱部材の中を通る電流フローを調整するために、ならびに、(ii)エアロゾル前駆体材料および/またはその他の香味もしくは吸入可能な材料を搬送する基材もしくはその他のコンポーネントの過熱および劣化を防ぐために、電流調整コンポーネントを組み込むことは、役立つ可能性がある。
【0047】
電流調整回路は、特に、時間ベースであることがある。具体的には、このような回路は、吸い込み中の初期期間に加熱素子の中を通る途切れのない電流フローを許可する手段と、その後に、吸い込みが終了するまで電流フローを調整するタイマー手段とを含む。たとえば、後続の調整は、加熱素子を望ましい温度範囲内に維持するために電流フローの急速オン−オフ・スイッチング(たとえば、およそ1から50ミリ秒毎に1回ずつ)を含む可能性がある。さらに、調整は、単に、望ましい温度に到達するまで途切れのない電流フローを可能にすることと、その後、電流フローを完全にオフにすることとを備えることがある。加熱部材は、物品への別の吹かしを開始する(または、ヒーターを起動するため用いられた具体的なスイッチ実施形態に依存して、押しボタンを手動で作動させる)消費者によって再び活性化されることがある。代替的に、後続の調整は、加熱素子を望ましい温度範囲内に維持するために加熱素子の中を通る電流フローの調節を含む可能性がある。一部の実施形態において、望ましい投与量の吸入可能な物質を放出するために、加熱部材は、約0.2秒から約5.0秒まで、約0.3秒から約4.5秒まで、約0.5秒から約4.0秒まで、約0.5秒から約3.5秒まで、または、約0.6秒から約3.0秒までの間活性化されることがある。1つの典型的な時間ベース電流調整回路は、トランジスタ、タイマー、コンパレータ、およびキャパシタを含む可能性がある。適当なトランジスタ、タイマー、コンパレータ、およびキャパシタは、商業的に入手可能であり、当業者に明白であろう。典型的なタイマーは、C−1555CとしてNEC Electronicsから、および、ICM7555としてGeneral Electric Intersil, Inc.から入手可能なタイマーと、様々なその他の寸法および構成のいわゆる「555タイマー」である。典型的なコンパレータは、LM311としてNational Semiconductorから入手可能である。本喫煙物品において役立つ可能性があるこのような時間ベースの電流調整回路およびその他の制御コンポーネントのさらなる説明は、Brooks他に対する米国特許第4,922,901号、第4,947,874号、および第4,947,875号に記載され、これらの米国特許の全ては、これらの全体として参照によって本明細書に組み込まれる。
【0048】
制御コンポーネントは、特に、抵抗加熱素子に供給される熱の量を厳密に制御するように構成される可能性がある。一部の実施形態において、電流調整コンポーネントは、規定された温度が達成されると、抵抗加熱素子への電流フローを止めるために機能する可能性がある。このような規定された温度は、本明細書において別の方法で検討されているように、エアロゾル前駆体材料と、さらなる吸入可能な物質とを揮発させ、従来とおりの巻きたばこの典型的な吹かしと等価的な量のエアロゾルを供給するために実質的に十分に高いレンジに入る可能性がある。1回の吹かしに対して望ましい量を供給するためにエアロゾル前駆体を十分な量で揮発させるために必要とされる熱は、変わる可能性があるが、加熱部材が約120℃以上、約130℃以上、約140℃以上、または約160℃の温度まで加熱することは、特に役立つ可能性がある。一部の実施形態において、適切な量のエアロゾル前駆体材料を揮発させるために、加熱温度は、約180℃以上、約200℃以上、約300℃以上、または約350℃以上であることがある。さらなる実施形態において、エアロゾル形成のための規定された温度は、約120℃から約350℃、約140℃から約300℃、または約150℃から約250℃であることがある。加熱の温度および時間は、制御筐体内に格納された1つ以上のコンポーネントによって制御される可能性がある。電流調整コンポーネントは、同様に、規定された温度が達成されると、規定された温度を規定された期間に亘って維持するために、抵抗加熱素子への電流をオンおよびオフに循環させる可能性がある。
【0049】
さらに、電流調整コンポーネントは、エアロゾル形成温度より低い第1の温度を維持するために、抵抗加熱素子への電流をオンおよびオフに循環させ、その後、第1の温度より高く、かつ、エアロゾル形成温度である第2の温度を達成するために、電流作動制御コンポーネントに応答して電流フローの増加を許す可能性がある。このような制御は、消費者による吹かしが開始し次第、エアロゾル形成がほぼ瞬時に始まるように、エアロゾル形成のための物品の応答時間を改良する可能性がある。一部の実施形態において、(スタンバイ温度として特徴づけられ得る)第1の温度は、上述のエアロゾル形成温度より僅かに低いだけである可能性がある。具体的には、スタンバイ温度は、約50℃から約150℃まで、約70℃から約140℃まで、約80℃から約120℃まで、または約90℃から約110℃までである可能性がある。
【0050】
上記制御要素に加えて、喫煙物品は、1つ以上のインジケータをさらに備えることがある。これらのインジケータは、発明の物品の使用の複数の態様の標識を与えることができる光源(たとえば、発光ダイオード)であることがある。さらに、LEDインジケータは、従来とおりの巻きたばこに火が付けられ、利用者によって吸い込まれたときに目に入る色変化をシミュレートするために喫煙物品の遠位端部に位置決めされることがある。その他の動作の標識も同様に包含される。たとえば、動作の視覚インジケータは、喫煙体験の進行を見せるために光色もしくは強度の変化をさらに含むことがある。動作の触覚インジケータおよび動作のサウンドインジケータは、同様に開示によって包含されている。その上、このような動作のインジケータの組み合わせは、同様に単一の物品内で使用されることがある。
【0051】
開示による喫煙物品は、利用者による吸入のためのエアロゾルを生成するためにエアロゾル前駆体成分を加熱する加熱部材をさらに備える可能性がある。様々な実施形態において、加熱部材は、電流が印加されたときに抵抗加熱を行う材料で形成される可能性がある。好ましくは、抵抗加熱素子は、電流が中を流れるときに十分な量の熱を供給するため抵抗加熱素子を有用にさせる電気抵抗を示す。エアロゾル前駆体成分/組成物との加熱部材の相互作用は、たとえば、熱伝導、熱放射、および/または熱対流によることがある。
【0052】
抵抗加熱素子として役立つ導電性材料は、低質量、低密度、および妥当な抵抗率を有し、使用中に受ける温度で熱的に安定している材料である可能性がある。有用な加熱素子は、急速に加熱および冷却し、これによって、効率的なエネルギーの使用を行う。素子の急速加熱は、この素子に近接したエアロゾル前駆体材料のほぼ即座の揮発化をもたらすために有益である可能性がある。急速冷却(すなわち、エアロゾル前駆体成分/組成物/材料の揮発温度より低い温度まで)は、エアロゾル形成が望ましくないとき、期間中にエアロゾル前駆体材料の実質的な揮発(およびそれ故に消費)を妨げる。このような加熱素子は、特に、時間ベースの電流制御が用いられるとき、エアロゾル前駆体材料が受ける温度レンジの比較的精密な制御も可能にする。有用な導電性材料は、好ましくは、生成されているエアロゾルまたは蒸気の香味または内容物に悪影響を与えないように、加熱されている材料(たとえば、エアロゾル前駆体材料およびその他の吸入可能な物質材料)との化学反応性がない。導電性材料として使用され得る典型的な、限定されることのない材料は、カーボン、グラファイト、カーボン/グラファイト複合材料、金属、金属および非金属炭化物、窒化物、ケイ化物、金属間化合物、陶性合金、金属合金、および金属箔を含む。特に、耐熱材料は、役立つことがある。様々な、異なった材料は、抵抗率、質量および熱伝導率の望ましい特性を達成するために、混合され得る。具体的な実施形態において、利用され得る金属は、たとえば、ニッケル、クロム、ニッケルおよびクロムの合金(たとえば、ニクロム)、および鋼を含む。抵抗加熱を提供するため役立つ可能性がある材料は、Counts他に対する米国特許第5,060,671号、Deevi他に対する米国特許第5,093,894号、Deevi他に対する第5,224,498号、Sprinkel Jr.他に対する第5,228,460号、Deevi他に対する第5,322,075号、Deevi他に対する米国特許第5,353,813号、Deevi他に対する米国特許第5,468,936号、Dasに対する米国特許第5,498,850号、Dasに対する米国特許第5,659,656号、Deevi他に対する米国特許第5,498,855号、Hajaligolに対する米国特許第5,530,225号、Hajaligolに対する米国特許第5,665,262号、Das他に対する米国特許第5,573,692号、およびFleischhauer他に対する米国特許第5,591,368号に記載され、これらの米国特許の開示は、全体として参照によって本明細書に組み込まれる。
【0053】
抵抗加熱素子は、箔、発泡体、円盤、螺旋、繊維、針金、膜、糸、細片、リボン、もしくは円柱と、寸法が変わる不規則な形状とのような種々の形で提供される可能性がある。一部の実施形態において、本開示による抵抗加熱素子は、2012年3月28日付けで出願された同時係属中の米国特許出願第13/432,406号に記載されているような、導電性基材である可能性があり、この米国特許出願の開示は、全体として参照によって本明細書に組み込まれる。抵抗加熱素子は、2012年9月4日付けで出願された同時係属中の米国特許出願第13/602,871号に記載されているように、マイクロヒーターコンポーネントの一部として存在することもあり、この米国特許出願の開示は、全体として参照によって本明細書に組み込まれる。
【0054】
有益であるのは、抵抗加熱素子は、加熱素子がエアロゾル前駆体材料に密接に接触して、または、極めて接近して(すなわち、たとえば、伝導、放射、または対流によって熱をエアロゾル前駆体材料に供給するために)位置決めされることを可能にする形で設けられ得ることである。その他の実施形態において、抵抗加熱素子は、エアロゾル前駆体材料がエアロゾル化のため抵抗加熱素子に送達され得るような形式で設けられ得る。このような送達は、抵抗加熱素子へのエアロゾル前駆体のウィッキングと、たとえば、弁流量調整を含むことがある毛細管を通してエアロゾル前駆体を抵抗加熱素子へ流すこととのような種々の実施形態をとることができる。したがって、エアロゾル前駆体材料は、早過ぎるエアロゾル化を防止するために、抵抗加熱素子から十分に遠く離れて位置決めされているが、エアロゾル化のため、望ましい量のエアロゾル前駆体材料の抵抗加熱素子への輸送を促進するために抵抗加熱素子に十分に接近して位置決めされている1つ以上の貯蔵部の中に液体形式で設けられることがある。
【0055】
ある特定の実施形態において、本開示による喫煙物品は、タバコ、タバコ成分、またはタバコ由来材料(すなわち、タバコから直接に単離されるか、または、合成的に調製されることがあるタバコの中に天然に見つかる材料)を含む可能性がある。用いられたタバコは、熱風乾燥されたタバコ、バーレー種タバコ、オリエント葉タバコ、メリーランドタバコ、ダークタバコ、ダーク火力乾燥タバコ、およびルスティカタバコと、その他の希少もしくは特産品タバコ、または、これらのブレンドのようなタバコを含む可能性がある、または、タバコに由来する可能性がある。様々な代表的なタバコ種類、加工されたタバコの種類、および、タバコブレンドの種類は、Lawson他に対する米国特許第4,836,224号、Perfetti他に対する米国特許第4,924,888号、Brown他に対する米国特許第5,056,537号、Brinkley他に対する米国特許第5,159,942号、Gentryに対する米国特許第5,220,930号、Blakley他に対する米国特許出願第5,360,023号、Shafer他に対する米国特許第6,701,936号、Dominguez他に対する米国特許第6,730,832号、Li他に対する米国特許第7,011,096号、Li他に対する米国特許第7,017,585号、Lawson他に対する米国特許第7,025,066号、Perfetti他に対する米国特許出願公開第2004/0255965号、Beremanに対する国際特許出願公開WO02/37990号、およびBombick他著、Fund Appl.Toxicol., 39, p.11−17(1997)に示され、これらの開示は、全体として参照によって本明細書に組み込まれる。
【0056】
喫煙物品の内部に組み込まれるタバコは、様々な形式で用いられる可能性があり、様々な形式のタバコの組み合わせが用いられる可能性があり、または異なった形式のタバコが喫煙物品の内部の異なったロケーションで用いられる可能性がある。たとえば、タバコは、タバコエキスの形式で用いられる可能性がある。たとえば、開示が全体として参照によって本明細書に組み込まれるCantrell他に対する米国特許第7,647,932号、Robinson他に対する米国特許第8,079,371号、およびCrooks他に対する米国特許出願公開第2007/0215167号を参照のこと。
【0057】
喫煙物品は、タバコ製品の製造のため従来から使用される種類のタバコ添加物を組み込む可能性がある。これらの添加物は、葉巻、巻きたばこ、パイプなどの生産のため使用されるタバコの香味および香りを機能強化するために使用される種類の材料を含むことが可能である。たとえば、これらの添加物は、様々な巻きたばこケーシング成分および/またはトップドレッシング成分を含む可能性がある。たとえば、開示が全体として参照によって本明細書に組み込まれるWochniwskiに対する米国特許第3,419,015号、Berndt他に対する米国特許第4,054,145号、Burcham Jr.他に対する米国特許第4,887,619号、Watstonに対する米国特許第5,022,416号、Strang他に対する米国特許第5,103,842号、および、Martinに対する米国特許第5,711,320号を参照のこと。好ましいケーシング材料は、水、砂糖、およびシロップ(たとえば、サッカロース、グルコースおよび高果糖コーンシロップ)と、保湿剤(たとえば、グリセリンもしくはプロピレングリコール)と、香味剤(たとえば、ココアおよび甘草)とを含む。これらの添加成分は、トップドレッシング材料(たとえば、メントールのような香味材料)をさらに含む。たとえば、開示が全体として参照によって本明細書に組み込まれるMays他に対する米国特許第4,449,541号を参照のこと。添加され得るさらなる材料は、Lawson他に対する米国特許第4,830,028号およびMarshall他に対する米国特許出願公開第2008/0245377号に開示された材料を含み、これらの開示は、全体として参照によって本明細書に組み込まれる。
【0058】
タバコを喫煙物品と、特に、喫煙物品の内部の実質的に全てのタバコを意図的に燃やさないように設計された喫煙物品とに組み込む様々な方式および方法は、Brooks他に対する米国特許第4,947,874号、Cantrell他に対する米国特許第7,647,932号、Robinson他に対する米国特許第8,079,371号、Banerjee他に対する米国特許出願公開第2005/0016549号、およびCrooks他に対する米国特許出願公開第2007/0215167号に示され、これらの開示は、全体として参照によって本明細書に組み込まれる。
【0059】
タバコアロマオイル、タバコエッセンス、噴霧乾燥タバコエキス、凍結乾燥タバコエキス、タバコの灰などのようなさらなるタバコ材料は、蒸気前駆体またはエアロゾル前駆体組成物に含まれることがある。本明細書において使用されるように、用語「タバコエキス」は、タバコ抽出処理条件および手法を使用してタバコから分離された、除去された、または、抽出された成分を意味する。タバコまたはその他の植物の精製エキスが具体的に使用される可能性がある。典型的に、タバコエキスは、水性特質を有する溶剤(たとえば、水)または有機溶剤(たとえば、エタノールのようなアルコール、もしくは、ヘキサンのようなアルカン)のような溶剤を使用して取得される。したがって、抽出されたタバコ成分は、タバコから除去され、抽出されていないタバコ成分から分離され、溶剤中に存在する抽出されたタバコ成分に対して、(i)溶剤は、抽出されたタバコ成分から除去される可能性があり、または(ii)抽出されたタバコ成分と溶剤との混合物がそのようなものとして使用される可能性がある。典型的な種類のタバコエキスと、タバコエッセンスと、溶剤と、タバコ抽出処理条件および手法と、タバコエキス収集および分離手順とは、Schachnerに対する豪州特許第276,250号、Meriroに対する米国特許第2,805,669号、Green他に対する米国特許第3,316,919号、Tughamに対する米国特許第3,398,754号、Rookerに対する米国特許第3,424,171号、Luttichに対する米国特許第3,476,118号、Osborneに対する米国特許第4,150,677号、Kiteに対する米国特許第4,131,117号、Mullerに対する米国特許第4,506,682号、Roberts他に対する米国特許第4,986,286号、Faggに対する米国特許第5,005,593号、Faggに対する米国特許第5,065,775号、White他に対する米国特許第5,060,669号、White他に対する米国特許第5,074,319号、White他に対する米国特許第5,099,862号、White他に対する米国特許第5,121,757号、Munoz他に対する米国特許第5,131,415号、Smith他に対する米国特許第5,230,354号、Sensabaughに対する米国特許第5,235,992号、Smithに対する米国特許第5,243,999号、Raymondに対する米国特許第5,301,694号、Gonzalez−Parra他に対する米国特許第5,318,050号、Clapp他に対する米国特許第5,435,325号、およびBrinkley他に対する米国特許第5,445,169号に示され、これらの開示は、全体として参照によって本明細書に組み込まれる。
【0060】
エアロゾル前駆体または蒸気前駆体材料は、1つ以上の異なった成分を備える可能性がある。たとえば、エアロゾル前駆体は、多価アルコール(たとえば、グリセリン、プロピレングリコール、またはこれらの混合物)を含む可能性がある。代表的な種類のさらなるエアロゾル前駆体材料は、Sensabaugh Jr.他に対する米国特許第4,793,365号、Jakob他に対する米国特許第5,101,839号、Biggs他に対する国際特許出願公開WO98/57556号、およびChemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instead of Burn Tobacco, R.J. Reynolds Tobacco Company Monograph(1988)に示され、これらの開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。一部の実施形態において、エアロゾル前駆体組成物は、このエアロゾル前駆体組成物に十分な熱を印加すると(必要に応じて、空冷すると)、可視エアロゾルを生成することができ、エアロゾル前駆体組成物は、「煙状」であると見なされ得るエアロゾルを生成することができる。その他の実施形態において、エアロゾル前駆体組成物は、実質的に不可視であるが、香味または質感のようなその他の特性によって存在するものとして認められ得るエアロゾルを生成することができる。このようにして、生成されたエアロゾルの特質は、エアロゾル前駆体組成物の具体的な成分に依存して変化する可能性がある。エアロゾル前駆体組成物は、タバコを燃やすことにより生成された煙の化学的性質に比べると化学的に単純である可能性がある。
【0061】
エアロゾル前駆体材料は、他の液体材料と組み合わされ得る。たとえば、エアロゾル前駆体材料形成は、グリセリンと水との混合物、またはプロピレングリコールと水との混合物、プロピレングリコールとグリセリンとの混合物、またはプロピレンギルコールとグリセリンと水との混合物を組み込むことができる。典型的なエアロゾル前駆体材料は、ブランド名E−CIGを有する電子葉巻として米国ジョージア州アクワース市所在のAtlanta Imports Inc.から入手可能であり、関連した喫煙カートリッジタイプC1a、C2a、C3a、C4a、C1b、C2b、C3bおよびC4bを使用して利用され得る装置、および、中国北京市所在のRuyan SBT Technology and Development Co., Ltd.からのRuyan Atomizing Electronic PipeおよびRuyan Electronic Cigaretteとして入手可能である装置の内部に組み込まれた種類の材料をさらに含む。
【0062】
喫煙物品は、1つ以上の香味料、薬剤、またはその他の吸入可能な材料をさらに備える可能性がある。たとえば、液体ニコチンが使用される可能性がある。このようなさらなる材料は、エアロゾル前駆体または蒸気前駆体材料と組み合わされることがある。このようにして、エアロゾル前駆体または蒸気前駆体材料は、エアロゾルに加えて吸入可能な物質を備えるものとして説明されることがある。このような吸入可能な物質は、本明細書において検討されているように、香味料、薬剤、およびその他の材料を含む可能性がある。特に、本開示による喫煙物品を使用して送達された吸入可能な物質は、タバコ成分またはタバコ由来材料を備えることができる。たとえば、エアロゾル前駆体材料は、タバコもしくはタバコ成分を含むスラリー中に、または、タバコ由来材料を含む溶液中にある可能性がある。代替的に、香味料、薬剤、またはその他の吸入可能な材料は、たとえば、貯蔵部内に、エアロゾル前駆体から切り離して設けられる可能性がある。したがって、規定された分量の香味料、薬剤、またはその他の吸入可能な材料は、エアロゾル前駆体または蒸気前駆体材料と共に香味料、薬剤、またはその他の吸入可能な材料を利用者によって吸入される気流の中へ放出するために、抵抗加熱素子とは別々に、または、同時に送達されることがある。代替的に、香味料、薬剤、またはその他の吸入可能な材料は、喫煙物品の別々の部分、または、喫煙物品のコンポーネントに設けられることがある。具体的な実施形態において、香味料、薬剤、またはその他の吸入可能な材料は、抵抗加熱素子に近接して位置している基材(たとえば、紙またはその他の多孔性材料)に堆積させられる可能性がある。この近接性は、好ましくは、抵抗加熱素子の加熱が香味料、薬剤、またはその他の吸入可能な材料を基材から揮発させ、放出するために十分な熱を基材に供給するために十分である。
【0063】
喫煙物品の本流エアロソルの知覚特性もしくは性質または官能特性もしくは性質を変える多種多様の香味剤または材料が用いられる可能性がある。このような香味剤は、タバコ以外の源から供給される可能性があり、本来天然または人工である可能性があり、濃縮物または香味パッケージとして用いられる可能性がある。特に関心があるのは、エアロゾルが発生させられる喫煙物品の領域に加えられる、または、領域の内部に組み込まれる香味剤である。この場合も、香味剤は、抵抗加熱素子に直接的に供給される可能性があり、または、既に上記のとおり基材に設けられることがある。典型的な香味剤は、バニリンと、エチルバニリンと、クリームと、紅茶と、珈琲と、果物(たとえば、リンゴ、サクランボ、イチゴ、桃およびライムとレモンとを含む柑橘系香味)と、メープルと、メントールと、ミントと、ペパーミントと、スペアミントと、ウィンターグリーンと、ナツメグと、クローブと、ラベンダーと、カルダモンと、生姜と、蜂蜜と、アニスと、セージと、シナモンと、白檀と、ジャスミンと、カスカリラと、ココアと、甘草と、巻きたばこ、葉巻およびパイプたばこのため従来とおり使用される種類および特性の香味料および香味パッケージとを含む。高果糖コーンシロップのようなシロップも使用される可能性がある。香味料剤は、酸特性または塩基特性(たとえば、レブリン酸、コハク酸、ピルビン酸のような有機酸)をさらに含む可能性がある。香味料剤は、必要に応じて、エアロゾル発生材料と組み合わされる可能性がある。使用されることがある典型的な植物由来の組成物は、Dube他に対する米国特許出願第12/971,746号、および、Dube他に対する米国特許出願第13/015,744号に開示され、これらの開示は、全体として参照によって本明細書に組み込まれる。このようなさらなる成分の選択は、本物品のため望ましい知覚特性のような要因に基づいて変化する可能性があり、本開示は、タバコおよびタバコに関連した、もしくは、タバコ由来の製品の技術分野における当業者にとって明白であることがあるこのようなさらなる成分を包含することが意図されている。開示が全体として参照によって本明細書に組み込まれるGutcho著,Tobacco Flavoring Substances and Methods, Noyes Data Corp.(1972)およびLeffingwell他著,Tobacco Flavoring for Smoking Products(1972)を参照のこと。本明細書において既に上記されたような官能特性を含むタバコ材料の知覚特性に影響を与えるためにタバコ材料と組み合わせて役立つ可能性がある香味料、ケーシングなどのような材料のいずれかは、エアロゾル前駆体材料と組み合わされることがある。有機酸は、特に、エアロゾル前駆体組成物と組み合わされることがあるニコチンのような薬剤の香味、知覚、または官能特性に影響を与えるためにエアロゾル前駆体組成物の中に組み込まれることがある。たとえば、レブリン酸、コハク酸、ピルビン酸のような有機酸は、(総有機酸含有量に基づいて)ニコチンと等モルになるまでの量でニコチンと共にエアロゾル前駆体組成物の中に含まれることがある。いずれかの有機酸の組み合わせが使用される可能性がある。たとえば、エアロゾル前駆体組成物は、ニコチン1モル当たり約0.1から約0.5モルのレブリン酸、ニコチン1モル当たり約0.1から約0.5モルのピルビン酸、ニコチン1モル当たり約0.1から約0.5モルのコハク酸、または、存在する有機酸の総量がエアロゾル前駆体組成物中に存在するニコチンの総量に等モルである濃度まで、これらの組み合わせを含む可能性がある。
【0064】
エアロゾル前駆体材料は、この中に利用された様々な材料の量に基づいて種々の配置構造をとることがある。たとえば、有用なエアロゾル前駆体材料は、最大で約98重量%、最大で約95重量%、または最大で約90重量%のポリオールを備えることがある。この総量は、2つ以上の異なったポリオールの間のいずれかの組み合わせに分割される可能性がある。たとえば、一方のポリオールは、約50重量%から約90重量%まで、約60重量%から約90重量%まで、または約70重量%から約90重量%までのエアロゾル前駆体材料を備える可能性があり、もう一方のポリオールは、約2重量%から約45重量%まで、約2重量%から約25重量%まで、または約2重量%から約10重量%までのエアロゾル前駆体材料を備える可能性がある。有用なエアロゾル前駆体材料は、最大で約25重量%、最大で約20重量%、または最大で約15重量%の水、特に、約2重量%から約25重量%まで、約5重量%から約20重量%まで、または約7重量%から約15重量%までの水をさらに備える可能性がある。(ニコチンのような薬剤を含む可能性がある)香味などは、最大で約10重量%、最大で約8重量%、または最大で約5重量%のエアロゾル前駆体材料を備える可能性がある。一部の態様において、エアロゾル前駆体材料は、エアロゾル形成の手配に追加された沸騰性材料をさらに含むことがあり、沸騰性材料の分解がエアロゾル形成を促進することがある。
【0065】
限定されない例として、開示によるエアロゾル前駆体材料は、グリセロール、プロピレングリセロール、水、ニコチン、および1つ以上の香味料を備える可能性がある。具体的には、グリセロールは、約70重量%から約90重量%まで、約70重量%から約85重量%まで、または約75重量%から約85重量%までの量で存在する可能性があり、プロピレングリコールは、約1重量%から約10重量%まで、約1重量%から約8重量%まで、または約2重量%から約6重量%までの量で存在する可能性があり、水は、約10重量%から約20重量%まで、約10重量%から約18重量%まで、または約12重量%から約16重量%までの量で存在する可能性があり、ニコチンは、約0.1重量%から約5重量%まで、約0.5重量%から約4重量%まで、または約1重量%から約3重量%までの量で存在する可能性があり、香味料は、最大で約5重量%まで、最大で約3重量%まで、または最大で約1重量%までの量で存在する可能性があり、全ての量は、エアロゾル前駆体材料の総量に基づいている。エアロゾル前駆体材料1つの具体的な、限定されない例は、約75重量%から約80重量%までのグリセロールと、約13重量%から約15重量%までの水と、約4重量%から約6重量%までのプロピレングリコールと、約2重量%から約3重量%までのニコチンと、約0.1重量%から約0.5重量%までの香味料とを備える。ニコチンは、たとえば、高ニコチン含有量タバコエキスである可能性がある。
【0066】
タバコから得られた医薬品グレードニコチンを含むタバコエキスを含有するエアロゾル前駆体材料の実施形態において、タバコエキスが、たとえば、N’−ニトロソノルニコチン(NNN)、(4−メチルニトロソアミノ)−1−(3−ピリジル)−1−ブタノン(NHK)、N’−ニトロソアナタビン(NAT)、およびN’−ニトロソアナバシン(NAB)を含むタバコ特異ニトロソアミン(TSNAs)と、ベンズ[a]アントラセン、ベンゾ[a]ピレン、ベンゾ[b]フルオランテン、クリセン、ジベンズ[a,h]アントラセン、およびインデノ[1,2,3−cd]ピレンを含む多環芳香族炭化水素(PAHs)と、同類のものとを含むホフマン検体として総称的に知られている化合物を実質的に含まないものとして特徴付けられることは有利である。ある特定の実施形態において、エアロゾル前駆体材料は、TSNAsおよびPAHsといったホフマン検体を全く含まないものとして特徴付けられる可能性がある。エアロゾル前駆体材料の実施形態は、約5ppm未満、約3ppm未満、約1ppm未満、もしくは約0.1ppm未満、または検出可能限界よりも低い範囲でTSNAレベル(またはその他のホフマン検体レベル)を有することがある。ある特定の抽出プロセスまたは処理プロセスは、ホフマン検体濃度の減少を達成するために使用される可能性がある。たとえば、タバコエキスは、たとえば、いずれも参照によって本明細書に組み込まれる、Bhattacharyya他に対する米国特許出願公開第2007/0186940号、Rees他に対する第2011/0041859号、およびJonsson他に対する第2011/0159160号と、2011年5月19日付けで出願されたByrd他による米国特許出願第13/111,330号とに記載されているように、インプリントポリマーまたはノンインプリントポリマーと接触させられる可能性がある。さらに、タバコエキスは、ある特定のアルデヒドおよびその他の化合物を取り除くことができるアミン官能性を有するイオン交換材料と共に処理されることがあり得る。たとえば、参照によって本明細書に組み込まれるHorsewell他に対する米国特許第4,033,361号、および、Figlar他に対する第6,779,529号を参照のこと。
【0067】
喫煙物品の内部で使用されるエアロゾル前駆体材料の量は、物品が許容可能な知覚特性および官能特性と、望ましい性能特性とを示す程度である。たとえば、グリセリンおよび/またはプロピレングリコールのような十分なエアロゾル前駆体材料が、多くの観点でタバコ煙の見かけに似ている可視主流エアロゾルを発生させるために用いられることが非常に好ましい。典型的に、喫煙物品の中に組み込まれるエアロゾル発生材料の量は、約1.5g以下、約1g以下、または約0.5g以下の範囲に入る。エアロゾル前駆体材料の量は、喫煙物品と共に使用されるカートリッジ1本当たりの望ましい吹かしの回数のような要因に依存する可能性がある。エアロゾル発生組成物は、かなりの程度の許容できない味のずれ、薄い口当たり、または、タバコカットフィルタを燃やすことにより主流煙を発生させる従来タイプの巻きたばこの知覚体験とは著しく異なる全体的な知覚体験を導入しないことが望ましい。特有のエアロゾル発生材料および貯蔵部材料の選択と、使用されるこれらの成分の量と、使用されるタバコ材料の種類とは、喫煙物品によって生成される主流エアロゾルの全体的な化学組成を制御するために変えられる可能性がある。
【0068】
発明の物品によって放出されるエアロゾルの量は、変わる可能性がある。好ましくは、物品は、十分な量のエアロゾル前駆体材料を用いて、十分な量の何らかのさらなる吸入可能な物質を用いて、そして、使用の間にエアロゾル化された材料の望ましい含有量を放出するために十分な時間に亘って十分な温度で機能するように構成されている。この含有量は、物品からの1回の吸入で供給されることがあり、または、比較的短期間(たとえば、30分未満、20分未満、15分未満、10分未満、または5分未満)に亘る物品からのある程度の回数の吹かしによって供給されるように分割されることがある。たとえば、物品は、物品の吹かし1回当たりに約0.01mgから約0.5mgまで、約0.05mgから約0.3mgまで、または約0.1mgから約0.2mgまでの量でニコチンを供給することがある。計算の目的のため、約2秒の平均吹かし時間は、約5mlから約100mlまで、約15mlから約70mlまで、約20mlから約60mlまで、または約25mlから約50mlまでの吹かし量を送達することができる。開示による喫煙物品は、吹かし1回当たりに送達される量によって除算された送達されるエアロゾルまたはその他の吸入可能な物質の総量から計算可能である任意の回数の吹かしを提供するように構成され得る。1つ以上の貯蔵部は、望ましい回数の吹かしおよび/または送達される材料の望ましい総量を達成するために、適切な量のエアロゾル前駆体またはその他の吸入可能な物質で充填され得る。
【0069】
さらなる実施形態において、加熱は、発生させられるエアロゾルの量に関して特徴付けられ得る。具体的には、物品は、規定された体積(たとえば、約5mlから約100mlまで、または、本明細書において別の方法で記載されているような喫煙物品において役立つと考えられるその他の体積)のエアロゾルを発生させるために必要な量の熱を供給するために構成され得る。発生させられた熱の量は、約290℃のヒーター温度で約35mlのエアロゾルを供給する2秒間の吹かしに関して測定され得る。一部の実施形態において、物品は、好ましくは、毎秒約1から約50ジュール(J/s)まで、約2J/sから約40J/sまで、約3J/sから約35J/sまで、または約5J/sから約30J/sまでの熱を供給することができる。
【0070】
抵抗加熱素子は、好ましくは、電気エネルギーが熱を生成し、その次に、喫煙物品によって供給されたエアロゾル前駆体材料およびその他の吸入可能な物質をエアロゾル化するために抵抗加熱素子に供給され得るように、喫煙物品の電力源と電気接続している。このような電気接続は、永久(配線接続)である可能性があり、または、取り外し可能である(たとえば、抵抗加熱素子は、電力源を含む制御本体に取り付けることができ、制御本体から取り外すことができるカートリッジに設けられる)可能性がある。
【0071】
本開示による喫煙物品で用いられる種々の材料、たとえば、ヒーター、電池、キャパシタ、スイッチングコンポーネント、エアロゾル前駆体などは、上述されているが、この開示は、例示された実施形態だけに限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、当業者は、本開示に基づいて、本開示のいずれかの具体的なコンポーネントと置き換えられることがある当該分野における同様のコンポーネントを理解することができる。たとえば、Spinkel, Jr.に対する米国特許第5,261,424号は、吸い込みに関連した利用者唇動作を検出し、その後に加熱を始動させるために装置の口端部に関連付けられ得る圧電センサを開示し、McCaffertty他に対する米国特許第5,372,148号は、マウスピースを通る圧力降下に応答して加熱負荷アレイへのエネルギー流を制御する吹かしセンサを開示し、Harris他に対する米国特許第5,967,148号は、コンポーネントが貯蔵部の中へ挿入されたとき、挿入されたコンポーネントの赤外線透過率の不均一性を検出する識別器と、検出ルーチンを実行するコントローラと、を含む喫煙装置内の貯蔵部を開示し、Fleischhauer他に対する米国特許第6,040,560号は、複数の相を含む規定された実行可能な電力サイクルについて記載し、Watkins他に対する米国特許第5,934,289号は、フォトニック−オプトエレクトロニックコンポーネントを開示し、Counts他に対する米国特許第5,954,979号は、喫煙装置による吸い込み抵抗を変える手段を開示し、Blake他に対する米国特許第6,803,545号は、喫煙装置で用いられる具体的な電池構造を開示し、Griffen他に対する米国特許第7,293,565号は、喫煙装置と共に用いられる様々な充電システムを開示し、Fernando他による米国特許出願公開第2009/0320863号は、喫煙装置が充電を促進し、装置のコンピュータ制御を可能にするコンピュータ連結手段を開示し、Fernando他による米国特許出願公開第2010/0163063号は、喫煙装置のための識別システムを開示し、Flickによる国際特許出願公開WO2010/003480号は、エアロゾル発生システムにおける吹かしを示す流量センシングシステムを開示し、上記開示の全ては、全体として参照によって本明細書に組み込まれる。電子エアロゾル送達物品に関係するコンポーネントと、本喫煙物品において用いられることがある材料または成分を開示するさらなる例は、Gerth他に対する米国特許第4,735,217号、Morgan他に対する米国特許第5,249,586号、Higgins他に対する米国特許第5,666,977号、Adams他に対する米国特許第6,053,176号、Whiteに対する米国特許第6,164,287号、Vogesに対する米国特許第6,196,218号、Felter他に対する米国特許第6,810,883号、Nicholsに対する米国特許第6,854,461号、Honに対する米国特許第7,832,410号、Kobayashiに対する米国特許第7,513,253号、Hamanoに対する米国特許第7,896,006号、Shayanに対する米国特許第6,772,756号、Honに対する米国特許出願公開第2009/0095311号、第2006/0196518号、第2009/0126745号、および第2009/0188490号、Thorens他に対する米国特許出願公開第2009/0272379号、Monsees他に対する米国特許出願公開第2009/0260641号および第2009/0260642号、Oglesby他に対する米国特許出願公開第2008/0149118号および第2010/0024834号、Wangに対する米国特許出願公開第2010/0307518号、およびHonに対する国際特許出願公開WO2010/091593号を含む。上記文献によって開示された種々の材料は、様々な実施形態における本装置に組み込まれることがあり、上記開示の全ては、全体として参照によって本明細書に組み込まれる。
【0072】
開示による物品は、以下に詳述されるように種々の実施形態をとることがあるが、消費者による物品の使用は、同様の範囲であろう。特に、物品は、単一のユニットとして、または、用いるために消費者によって組み合わされ、その後、消費者によって分解される複数のコンポーネントとして設けられる可能性がある。概して、開示による喫煙物品は、第2のユニットと係合可能であり、かつ、係合解除可能である第1のユニットを備える可能性があり、第1のユニットは、抵抗加熱素子を備え、第2のユニットは、電源を備える。一部の実施形態において、第2のユニットは、電源からの電流フローを作動させる、または、調節する1つ以上の制御コンポーネントをさらに備えることができる。第1のユニットは、第2のユニットを係合する遠位端部と、近位端部に開口部があるマウスピース(または単に口端部)を含み、反対側にある近位端部とを備える可能性がある。第1のユニットは、第1のユニットのマウスピースの方に開口している気流通路を備える可能性があり、気流通路は、抵抗加熱素子から形成されたエアロゾルのためのマウスピースへの通路を設けることができる。好ましい実施形態において、第1のユニットは、使い捨てである可能性がある。同様に、第2のユニットは、再利用できる可能性がある。
【0073】
より具体的には、開示による喫煙物品は、接続端部と、反対側にある閉端部とを有し、実質的に円柱状の形状である再利用可能な制御本体を有する可能性がある。制御筐体の閉端部は、物品の能動的な使用の1つ以上のインジケータを含むことがある。物品は、制御本体の接続端部を係合する接続端部と、反対側の口端部とを含むカートリッジをさらに備える可能性がある。物品を使用するために、消費者は、物品が本明細書に記載されているように動作可能であるように、カートリッジの接続端部を制御本体の接続端部に接続する、または、そうでなければ、カートリッジを制御本体と組み合わせることができる。一部の実施形態において、制御本体およびカートリッジの接続端部は、ネジ型係合のためネジ山を付けられ得る。他の実施形態において、接続端部は、圧入係合部を有する可能性がある。
【0074】
使用中に、消費者は、抵抗加熱素子の加熱を開始し、抵抗加熱素子によって生成された熱は、エアロゾル前駆体材料と、選択的にさらなる吸入可能な物質とをエアロゾル化する。このような加熱は、(一緒に含まれている何らかの更なる吸入可能な物質を含むことができる)エアロゾルの形式でエアロゾル前駆体材料の少なくとも一部分を放出し、このようなエアロゾルは、カートリッジの口端部と流体連通しているカートリッジの内部の空間の中に設けられる。消費者がカートリッジの口端部を吸入するとき、空気がカートリッジを通して引き出され、引き出された空気とエアロゾルとの組み合わせは、引き出された材料がカートリッジの口端部(および存在する何らかの選択的なマウスピース)を出て消費者の口の中へ入るとき、消費者によって吸入される。加熱を開始するために、消費者は、抵抗加熱素子に電池または(キャパシタのような)その他のエネルギー源から電気エネルギーを受け取らせる押しボタン、容量センサ、または類似するコンポーネントを作動させることがある。電気エネルギーは、予め定められた時間の長さに亘って供給されることがあり、または、手動制御されることがある。好ましくは、電気エネルギーのフローは、物品の吹かしと吹かしとの間に実質的に進行しない(但し、エネルギーフローは、気温より高い基準温度−たとえば、活発な加熱温度までの急速加熱を促進する温度を維持するために進行することがある)。さらなる実施形態において、加熱は、本明細書において別の方法で説明されているように、様々なセンサを使って消費者の吹かし行為によって開始されることがある。吹かしが中止されると、加熱は、停止するか、または、弱められるであろう。消費者が十分な量(たとえば、典型的な喫煙体験と同じであるために十分な量)の吸入可能な物質が放出されるように十分な回数の吹かしを行うとき、カートリッジは、制御筐体から取り外され、廃棄される可能性がある。カートリッジが使用済みである(すなわち、エアロゾル前駆体材料が消費者によって実質的に取り除かれた)という表示が与えられる可能性がある。一部の実施形態において、1個のカートリッジは、2回以上の喫煙体験を提供することができるので、従来の巻きたばこの1箱全部と同じ量、または、これ以上の量をシミュレートするために十分な含有量のエアロゾル前駆体材料を供給することがある。同様に、複数の個別の貯蔵部がある程度の規定された回数の吹かし、従来の巻きたばこ同等品などを提供するために、単一の喫煙物品の中に設けられる可能性がある。
【0075】
物品の使用についての上記説明は、本明細書に記載された更なる開示を考慮すると当業者に明白になる可能性がある若干の変更を済ませて説明された様々な実施形態に適用できる。上記使用の説明は、しかしながら、発明の物品の使用を限定することを意図するものではなく、本開示の全ての必要な開示要件に適合するように記載されている。
【0076】
次に、図1を参照すると、開示による喫煙物品10は、概して、外殻部15と、外殻部の内部に設けられた複数のコンポーネントとを備える可能性がある。物品は、口端部11(すなわち、消費者が物品からエアロゾルを吸入するために吸い込むことができる端部)と、遠位端部12とを有するものとして特徴付けられる可能性がある。例示された物品は、単一の統一装置として規定されている(しかしながら、線Aは、選択的な境界を示し、その結果、この装置は、たとえば、接着によって、取り外し可能に、または、永久的に一体として接合された2つの別個のコンポーネントである可能性がある)。本明細書におけるさらなる開示から明白であるように、物品のさらなる実施形態は、各々が物品の別個のコンポーネントを収容する2つ以上の取り外し可能なユニットで形成されることが好ましい。図1の実施形態に表された様々なコンポーネントは、複数のユニットで形成された実施形態を含む他の実施形態においても存在する可能性がある。
【0077】
開示による物品10は、実質的に棒状もしくは実質的に管状形状、または、実質的に円柱形状として画定されることがある全体的な形状を有する可能性がある。図1に示されるように、物品は、実質的に円形断面を有するが、その他の断面形状(たとえば、楕円形、四角形、三角形など)もまた本開示によって包含されている。物品の物理的形状を説明するこのような言葉は、制御本体およびカートリッジのような複数のユニットを備える実施形態における物品の個別のユニットにも適用されることがある。
【0078】
喫煙物品10の外殻部15は、管状形状のような適切な配置構造を形成し維持するため適し、および、物品の適当なコンポーネントをこの外殻部の中に保持するため適するいずれかの材料で形成される可能性がある。外殻部は、図1に表されるように、単一の壁で形成される可能性がある。一部の実施形態において、外核部は、本明細書においてさらに検討されるように、少なくとも抵抗加熱素子によって供給された加熱温度である温度で、この外殻部の構造的完全性を保持するように、たとえば、劣化しないように、耐熱性である材料(天然または合成)で形成される可能性がある。一部の実施形態において、耐熱性ポリマーが使用されることがある。他の実施形態において、外殻部は、実質的にストロー形状である紙から形成される可能性がある。本明細書においてさらに説明されているように、紙製管のような外殻部は、この外殻部に関連し、中を通る蒸気の実質的な動きを阻止するために機能する1層以上を有することがある。一例において、アルミ箔層は、外殻部の一方の表面に積層されることがある。セラミック材料も使用されることがある。
【0079】
外殻部15は、単一の層で形成されるとき、約0.2mmから約5.0mmまで、約0.5mmから約4.0mmまで、約0.5mmから約3.0mmまで、または約1.0mmから約3.0mmまでの厚さを有する可能性がある。上記機能を提供するために使用される、または上述の材料および成分の代替として使用されることがあるさらなる典型的な種類の成分および材料は、開示が全体として参照によって本明細書に組み込まれる、Crooks他に対する米国特許出願公開第2010/00186757号、Crooks他
に対する米国特許出願公開第2010/00186757号、およびSebastian他に対する米国特許出願公開第2011/0041861号に示された種類の成分および材料である可能性がある。
【0080】
図1の実施形態において分かるように、喫煙物品1は、概して、電子制御コンポーネント20と、流量センサ30と、電池40とを含み、これらのコンポーネントは、物品の内部に種々の順序で設置される可能性がある。明示的に表されていないが、物品10は、電池40からさらなるコンポーネントに電力を供給するために、および、物品によって提供された必要な機能の適切な動作のためコンポーネントを相互接続するために、必要に応じて、配線を含むことができることが分かる。物品10は、本明細書に記載されるように、抵抗加熱素子50をさらに含む。例示された実施形態において、抵抗加熱素子50は、加熱素子を通る電流フローを含む閉電気回路の形成を促進するために、端子51の適切な配線を通して電池40に電気接続され得る金属コイルである。さらなる配線(図示せず)は、物品の内部に必要な電気接続を提供するために組み込まれる可能性がある。具体的な実施形態において、物品10は、制御コンポーネント20が既に上述されたような1つ以上の規定されたアルゴリズムに従って抵抗加熱素子50にエネルギーを与えるため電池40からの電力を送達、制御、またはそうでなければ変調するように、電気回路と配線される可能性がある。このような電気回路は、具体的には、物品10が消費者による使用の時に限りアクティブ状態であるように流量センサ30を組み込む可能性がある。たとえば、消費者が物品10を吹かすとき、流量センサは、吹かしを検出し、制御コンポーネント20は、次に、抵抗加熱素子50が熱を生成し、これによって、消費者による吸入のためのエアロゾルを供給するように、電力を物品に通すために起動させられる。制御アルゴリズムは、抵抗加熱素子50への電力が循環することを要求し、これによって、規定された温度を維持することがある。制御アルゴリズムは、その結果、消費者による吹かしなしで規定された時間経過後に、物品10を自動的に動作停止させ、物品を通る電力フローを停止するためにプログラムされる可能性がある。その上、物品は、制御コンポーネントにフィードバックを供給するために温度センサを含む可能性がある。このようなセンサは、たとえば、抵抗加熱素子50と直接的に接触していることがある。代替的な温度センシング手段は、同様に、たとえば、抵抗加熱素子を通して抵抗を評価し、このような抵抗を素子
の温度に相関させるために論理制御コンポーネントに依存して、使用されることがある。他の実施形態において、流量センサ30は、本明細書において別の方法で説明されているように、容量センシングのような代替的なセンシング手段を設けるために、適切なコンポーネントによって置き換えられることがある。種々のセンサおよびこれらの組み合わせはどれでも、本明細書において既に説明されているように、組み込まれる可能性がある。さらに、1つ以上の制御ボタン16は、物品10への電源を供給および停止する、吸入のための蒸気またはエアロゾルを発生させるために加熱素子50をオンにするなどの種々の機能を引き起こすために消費者による手動作動を許すように含まれる可能性がある。
【0081】
付加的に、物品は、外殻部15に位置決めされた1つ以上の状態インジケータ19を含む可能性がある。上記のとおり、このようなインジケータは、物品から取り出された、または、残存する吹かしの回数を表すこと、アクティブまたは非アクティブ状態を示すこと、吹かしに応答して点灯することなどが可能である。6個のインジケータが示されているが、存在するインジケータの個数は増減する可能性があり、インジケータは、異なる形状をとる可能性があり、(たとえば、このようなインジケータが存在するときに音の放出のための)外殻部内の単なる開口部である可能性もある。
【0082】
図1の実施形態に示されるように、貯蔵部205は、加熱素子50に近接して表され、芯300は、貯蔵部205から抵抗加熱素子50のコイルの中へ延在する。貯蔵部は、エアロゾル前駆体材料を蓄積する手段を示す一実施形態である。芯は、貯蔵部から、金属線コイルの形をした金属抵抗加熱素子50の中および周りのエリアによって画定された加熱ゾーンの中へエアロゾル前駆体材料を引き出すために毛細現象を利用する。したがって、抵抗加熱素子によって生成された熱は、エアロゾル前駆体材料をエアロゾル化させる。形成されたエアロゾルは、その後、喫煙物品10の口端部11を通して利用者によって吸い込まれる。加熱ゾーン内のエアロゾル前駆体材料は、抵抗加熱素子の加熱によってエアロゾル化されるので、さらなるエアロゾル前駆体材料がエアロゾル化のため貯蔵部205から加熱ゾーンまで逃がされる。このサイクルは、エアロゾル前駆体材料の実質的に全てがエアロゾル化されるまで継続する。
【0083】
図1の実施形態において分かるように、物品10の口端部11は、実質的に、抵抗加熱素子50および貯蔵部205が中に配置されている開口空洞である。このような開口空洞は、エアロゾルが貯蔵部から引き出され、抵抗加熱素子によって加熱されるのにつれて、芯300からのエアロゾルの放出のための容積を提供する。物品は、抵抗加熱素子50の周りの空洞からエアロゾルの引き出しを可能にさせる口端部11の中に口部開口部18をさらに含む。物品を通る気流を促進するために、空気取り入れ口17が設けられる可能性があり、外殻部15の中に、物品の内部への空気の流れを可能にするためにアパーチャを実質的に備える可能性がある。複数の空気取り入れ口が設けられる可能性があり、空気取り入れ口は、空気取り入れ口からの空気が、形成されたエアロゾルと混ざり、物品の口端部内の開口部を通して抵抗加熱素子/基材の周りの空洞からのエアロゾルの除去を促進することができるように、物品の口端部から上流のいずれのロケーションにも位置決めされる可能性がある。図示されていないが、必要に応じて、構造要素が物品の内部の1つ以上の成分を空気取り入れ口から口端部内の開口部まで流れる空気から効率的に分離するように物品の内部に設けられる可能性がある。換言すると、規定された気流通路が設けられる可能性があり、このような規定された気流通路は、気流通路を通って流れる空気が電池40および制御コンポーネント20の一方または両方と物理的に接触することを実質的に防ぐことができる。図1に示されるように、空気取り入れ口17を通して取り入れられた空気は、本明細書において別の方法で記載されているように、流量センサの作動が加熱素子の加熱を促進するように加熱素子/基材を取り囲む空洞に入る前に流量センサ30を通過する。
【0084】
好ましい実施形態において、物品10は、巻きたばこまたは葉巻形状に匹敵する寸法をとることがある。このようにして、物品は、約5mmから約25mmまで、約5mmから約20mmまで、約6mmから約15mmまで、または約6mmから約10mmまでの直径を有することがある。このような寸法は、外殻部15の外形に特に一致することがある。
【0085】
図1に示された実施形態における喫煙物品10は、使い捨ての物品として特徴付けられる可能性がある。その結果、このような実施形態におけるエアロゾル前駆体材料を格納している貯蔵部は、消費者が物品を2回以上使用できるように十分な量のエアロゾル前駆体材料を含むことが望ましいという可能性がある。たとえば、物品は、物品が複数の従来の巻きたばこによって利用できる(持続時間約2秒の)吹かしの回数、たとえば、2本以上、5本以上、10本以上、または20本以上の従来の巻きたばこと実質的に等しいある程度の回数の吹かしを行えるように、十分なエアロゾル化可能な、および/または、吸入可能な材料を含む可能性がある。より詳しくは、図1の実施形態による使い捨ての単一ユニット物品は、約20回以上、約50回以上、または約100回以上の吹かしを提供する可能性があり、1回の吹かしは、本明細書において既に説明されているように測定される
【0086】
特に好ましい実施形態において、開示による物品は、互いに取り付け可能および取り外し可能である2つのユニットを備える可能性がある。たとえば、図2は、制御本体80およびカートリッジ90で形成された一実施形態による喫煙物品10を表す。具体的な実施形態において、制御本体は、再利用可能と呼ばれることがあり、カートリッジは、使い捨てと呼ばれることがある。一部の実施形態において、物品全体は、制御本体が限定された個数のカートリッジを使って限定された使用回数(たとえば、電池電力コンポーネントが十分な電力を物品に供給しなくなるまで)だけのため構成され、その後、制御本体を含む物品10の全体が廃棄されることがあるので、使い捨てであるとして特徴付けられることがある。他の実施形態において、制御本体は、制御本体がある程度の回数の電池交換によって、かつ、多数のカートリッジを用いて再利用され得るように、交換可能な電池を有することがある。同様に、物品10は、充電可能であり、それによって、典型的な電源コンセントへの接続、車載充電器(すなわち、シガレットライターレセプタクル)への接続、および、たとえば、USBケーブルを介するようなコンピュータへの接続を含むいずれかの種類の充電技術と組み合わされることがある。
【0087】
制御本体80およびカートリッジ90は、互いに係合し、相互接続された機能的な装置を形成するように具体的に構成されている。図2に示されるように、制御本体80は、制御本体との関連で直径が縮小されている突出部82を含む近位アタッチメント端部13を含む。カートリッジは、機能的な使用可能な形をした喫煙物品10を提供するために制御本体80の近位係合端部を係合する遠位アタッチメント端部14を含む。図2において、制御本体突出部82は、カートリッジ90がカートリッジの遠位アタッチメント端部内の対応するネジ(図2において見えない)を用いて制御本体80をネジ留めすることを可能にさせるネジを含む。このようにして、カートリッジ90の遠位アタッチメント端部は、制御本体突出部82を受容する開口空洞を含む可能性がある。ネジ係合が図2に示されるが、圧入係合、磁気的係合などのようなさらなる係合の手段が包含されることが分かる。
【0088】
制御本体80とカートリッジ90との間の機能的な関係は、2つの取り外されたユニットを断面で表す図3にさらに見られる。制御本体80は、制御コンポーネント20、流量センサ30、および電池40を含む。これらのコンポーネントは、具体的な並びで示されているが、コンポーネントの様々な並びが開示によって包含されることが分かる。制御本体80は、制御本体外殻部81に複数のインジケータ19および空気取り入れ口17をさらに含む。1つ以上の空気取り入れ口の種々の位置は、開示によって包含される。図示されるように、空気取り入れ口17は、取り入れ口を通って引き込まれた空気が流量センサ30を作動させるためにセンサと十分に接触するように位置決めされる(但し、特に、異なったセンシング手段が設けられる場合、または、押しボタンを用いるような手動作動が設けられる場合、その他の位置も包含される)。他の実例では、空気取り入れ口17は、たとえば、遠位端部12に向かって位置決めされることがあり、流量センサ30は、近位アタッチメント端部13に向かって、遠位端部12に近接して配置される。このような実例において、たとえば、遠位端部12に向かった空気取り入れ口の配置は、加熱素子50が作動されるために吹かし検出から付加的なリードタイムを設けることがあり、それによって、吹かしに反応して、より速い応答(すなわち、エアロゾルの送達)を提供する。外殻部81は、図1の実施形態に関連して本明細書において既に説明された材料で形成される可能性がある。レセプタクル60は、制御本体80の近位アタッチメント端部13にさらに含まれ、カートリッジ90が制御本体に取り付けられたときに抵抗加熱素子50との電気接続を簡単にするため制御本体突出部82の中に延在する。例示された実施形態において、レセプタクル60は、物品10の使用中に制御本体内の空気取り入れ口からカートリッジの中への気流を促進するために中央開口通路を含む。
【0089】
カートリッジ90は、このカートリッジから物品10の吸い込み中の消費者への空気および同伴蒸気(ならびに、存在する場合には、さらなる吸入可能な材料)の通過を可能にさせるためにこのカートリッジの口端部11に口部開口部18を含むカートリッジ外殻部91を含む。カートリッジ外殻部91は、このような目的のため役立つものとして本明細書において既に説明されたような材料で形成され得る。カートリッジ90は、金属線コイルの形をした抵抗加熱素子50をさらに含む。抵抗加熱素子は、これの両側の端部に、抵抗加熱素子を通る電流フローを促進し、カートリッジが制御本体80に接続されたときに電池40との電気接続部を抵抗加熱素子に形成するために適切な配線(図示せず)を取り付けるための端子51(たとえば、正極および負極)を含む。具体的には、プラグ65がカートリッジの遠位アタッチメント端部14に位置決めされる。カートリッジ90が制御本体80に接続されたとき、プラグ65は、レセプタクル60と係合し、電流が電池40から、レセプタクルおよびプラグを通して、抵抗加熱素子50まで制御可能に流れるように電気接続部を形成する。カートリッジ外殻部91は、このカートリッジの端部がここから突出するプラグを用いて実質的に閉じられるように遠位アタッチメント端部を越えて途切れることなく続くことができる。図3に示されるように、プラグ65は、レセプタクル60の中の開口中央通路と一直線になる開口中央通路を含み、空気が制御本体80からカートリッジ90の中へ流れることを可能にさせる。
【0090】
本開示による使用のための貯蔵部は、エアロゾル前駆体材料の1つ以上の成分を蓄積し放出するために機能するどのようなコンポーネントもよい。図1に示されるような一部の実施形態において、貯蔵部は、エアロゾル前駆体材料が蓄積される容器でもよい。この容器は、材料が容器の壁を通って逃げることができないようにエアロゾル前駆体に関して実質的に不浸透性である。このような実施形態において、開口部は、エアロゾル前駆体材料が容器を通過するため設けられる可能性がある。たとえば、図1において、貯蔵部205内の開口部を満たす芯300が表されている。一部の実例において、貯蔵部205は、概して、壁と少なくとも1つの開口部とを有するあらゆる容器を包含することがある「瓶」を備えることがある。貯蔵部内のエアロゾル前駆体材料は、このようにして、芯を用いる毛細現象により貯蔵部から抜け出す。貯蔵部からエアロゾル前駆体材料が通過するためのその他のシステムは、同様に開示によって包含される。たとえば、管またはその他の導管は、貯蔵部から、管またはその他の導管を通って、エアロゾル前駆体材料が通過するため使用され得る。このような通過は、毛細現象によっても起こる可能性がある。代替的に貯蔵部からの液体の受動的な流れは、喫煙物品が使用中であるときにエアロゾル前駆体材料の流れを許可し、喫煙物品が使用中でないときにエアロゾル前駆体材料の流れを阻止するために開かれる適切な弁機構部を用いて制御され得る。マイクロポンプ装置を組み込む能動的な流れ機構部もまた本開示による使用のため想定される。このような貯蔵部は、エアロゾル前駆体材料のいずれの成分とも実質的に反応することなく、熱的および機械的に安定しているいずれかの適当な材料、たとえば、ガラス、金属、微孔性もしくは無孔性セラミック、プラスチックなどで形成され得る。
【0091】
一部の実施形態において、貯蔵部は、開口部なしで設けられた容器である可能性があるが、容器の壁の一部もしくは全部は、多孔性である可能性があり、これによって、容器から、この容器の壁を通して出るエアロゾル前駆体材料の浸透を可能にさせる。たとえば、多孔性セラミックがこのような観点で役立つ可能性がある。同様の適当な多孔性をもつ他の材料が使用されることがあり得る。
【0092】
特有の実施形態において、貯蔵部は、(たとえば、吸収、吸着などによって)エアロゾル前駆体材料を保持し、加熱ゾーンへの輸送のためエアロゾル前駆体材料の逃げを可能にさせるため適した織布もしくは不織布、または、別の繊維のかたまりでもよい。たとえば、図3は、エアロゾル前駆体材料の1つ以上の成分を保持する貯蔵部層201を示す。貯蔵部層は、基本的に、カートリッジ外殻部91の内面の一部と裏打ちする管の形に丸められた不織布層である。このような貯蔵部層は、天然繊維、合成繊維、またはこれらの組み合わせで形成される可能性がある。有用な材料の限定されることのない例は、綿、セルロース、酢酸セルロース、ポリエステル、ポリアミド、ポリ乳酸、これらの組み合わせなどを含む。同様に、貯蔵部層は、セラミックで形成され得る。
【0093】
本開示による使用のための(図3に見られるように)芯301は、貯蔵部から、抵抗加熱素子がエアロゾル前駆体材料をエアロゾル化し、これによって、エアロゾルを形成する喫煙物品内の加熱ゾーンに1つ以上のエアロゾル前駆体材料を輸送するために機能するいずれのコンポーネントでもよい。芯は、特に、液体の輸送の際に毛細現象を利用するコンポーネントでもよい。本開示により用いられる芯は、このようにして、エアロゾル前駆体材料の1つ以上の成分を加熱ゾーンに輸送するために十分な逃がし現象を提供するいずれかの材料である可能性がある。限定されることのない例は、綿、セルロース、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリ乳酸、ガラス繊維、これらの組み合わせなどのような天然繊維および合成繊維を含む。芯は、さらに、繊維の毛細現象を変える材料で被覆される可能性があり、芯を形成するときに使用される繊維は、特定の断面形状を有する可能性があり、繊維の毛細現象を変えるように溝を付けられる可能性がある。芯を形成する際に使用される繊維は、束にされる、織布として提供される、または不織布として提供される可能性がある。
【0094】
図4Aおよび図4Bは、本開示による喫煙物品500の代替的な態様を概略的に示す。このような態様において、喫煙物品500は、概して、口端部511(すなわち、消費者が物品からエアロゾルを吸入するために吸い込むことができる端部)と、反対側にある遠位端部512とを有する外殻部510を備えることがある。このような喫煙物品500は、一部の態様において、たとえば、必要に応じて、喫煙物品の構造的完全性を高めるために、および/または、フィルタリング能力を提供するために、および/または、吸い込みに対する抵抗を与えるために、喫煙物品の口端部511の中に(たとえば、図4Aを参照のこと)、口端部511と係合された(たとえば、図4Bを参照のこと)、または、そうでなければ、口端部511に関連した(酢酸セルロースまたはポリプロピレンのような)フィルタ材料600を含む可能性がある。一部の実例において、フィルタ材料600は、口端部511を通して吸い込まれる蒸気/エアロゾルに機能強化効果を与えるように構成されることがある。たとえば、一部の態様において、フィルタ材料600は、利用者によってエアロゾル前駆体材料または蒸気前駆体材料と共に吸入されるように香味剤、薬剤、またはその他の吸入可能な材料を気流の中へ選択的に向かわせるために、適当な方式で埋め込まれた香味剤、薬剤、またはその他の吸入可能な材料を含むことがある。
【0095】
一態様において、このような蒸気機能強化態様は、上記フィルタ材料600と、内腔610を画定する管状筐体とを含み、筐体は、口係合端部および縦方向反対側にあるコンポーネント係合端部とを有する。内腔610は、フィルタ材料600を中に受容するように構成されることがあり、筐体がカートリッジ本体部505自体のコンポーネントを備える場合(すなわち、筐体が外殻部510によって少なくとも部分的に画定される、たとえば、図4Aを参照のこと)、コンポーネント係合端部は、喫煙物品500に関連した制御本体部506を動作可能に係合するように適合することがあり、または、筐体がカートリッジ本体部505および制御本体部506に関して別々のコンポーネントである場合(たとえば、図4Bを参照のこと)、コンポーネント係合端部は、カートリッジ本体部505を係合するために適合することがある。いずれの実例でも、蒸気機能強化態様は、この蒸気機能強化態様によって画定された内腔を通して蒸気/エアロゾルを受容するように構成されることがある。特有の態様において、蒸気機能強化態様は、フィルタ材料600と動作可能に係合され、蒸気機能強化態様の筐体の口係合端部への吸引の適用によって、内腔610の内部にフィルタ部材600を通して、そして、口係合端部を通して、引き込まれた蒸気を機能強化するように構成された蒸気機能強化要素(たとえば、図4Aおよび図4Bにおける要素620)を含むことがある。
【0096】
一部の態様において、フィルタ部材600は、たとえば、酢酸セルロースのトウ、再生セルロース繊維のトウ、ギャザー付きの紙、不織布ポリプロピレン織物、細断織物のギャザー付きの撚り糸、その他の適当な繊維状トウ材料、および/または、これらの組み合わせのような適当なフィルタ材料、および/または、コーティングもしくは膜(反応性または非反応性)が塗布された何らかのこのような適当なフィルタ材料を備えることがある。適当なフィルタ材料は、たとえば、吸い込み(吸引)に対する望ましい抵抗を示すことがあり、期待された味覚またはその他の知覚を与えることがあり、および/または、生物分解可能であることがある。このような例は、しかし、このようなフィルタ材料のその他の望ましい特性を除外するものではない。
【0097】
一態様において、図示されるように、たとえば、図4Aにおいて、筐体は、電子蒸気喫煙物品500のカートリッジ本体部505のコンポーネントとして構成され(すなわち、外殻部510によって少なくとも部分的に画定され)、本明細書に開示されるように、カートリッジ本体部505は、制御本体部506と係合される。このような実例において、筐体511の口係合端部は、内腔610の内部にフィルタ材料600を、選択的に蒸気機能強化要素620を保持するように構成されている。別の態様において、たとえば、図4Bに表されるように、筐体630のコンポーネント係合端部630Aは、電子蒸気喫煙物品500のカートリッジ本体部505と取り外し可能に係合されるように構成され、カートリッジ本体部505は、筐体630がカートリッジ本体部505に関して交換可能であるように筐体630と制御本体部506との間に係合される。すなわち、筐体630は、カートリッジ本体部505および制御本体部506に関して別々のコンポーネントを備えることがある。このような別々の筐体630は、蒸気機能強化要素620を収容するようにさらに構成されることがある。いずれの実例でも、筐体630は、筐体の口係合端部630Bの周りに配置されたフランジ640をさらに備えることがあり、フランジ640は、フィルタ材料600を内腔610の内部に保持するように筐体630に関して半径方向内向きに延在する。
【0098】
一部の態様において、筐体630(または外殻部510が筐体630を少なくとも部分的に画定する外殻部510)および/またはフィルタ材料600は、これらに関連した蒸気機能強化要素620によって提供された蒸気の機能強化の特質を示す標識(たとえば、図4Aおよび図4Bにおける要素650を参照のこと)を備えることがある。たとえば、筐体630および/またはフィルタ材料600は、香味機能強化に対応する特有の色を有することがある。その他の実例において、たとえば、グラフィックは、蒸気機能強化要素620によって供給された香味またはその他の機能強化を示すために筐体630に設けられることがある。その他の実例において、筐体630および/またはフィルタ材料600は、蒸気機能強化要素620によって提供された蒸気の機能強化の残存耐用期間を示す標識(たとえば、図4Aおよび図4Bにおける要素650を参照のこと)を備えることがある。たとえば、香味機能強化に対応するフィルタ材料600の特有の色は、蒸気機能強化要素の耐用期間が消費されるのにつれて白色に消えていくことがある。その他の実例において、たとえば、筐体は、蒸気機能強化要素の耐用期間が消費されるのにつれて連続的に消えていく、もしくは、消える一連のマーカーを含んでいる徐々に変わるレベルを含むことがある。代案において、残存耐用期間を示す代わりに、標識(たとえば、図4Aおよび図4Bにおける要素650を参照のこと)は、蒸気機能強化要素によって提供された蒸気の機能強化の消費耐用期間を示すことがある。たとえば、筐体630は、蒸気機能強化要素の耐用期間が消費されるのにつれて数が増加する数値標識を含むことがある。さらに他の実例において、筐体および/またはフィルタ材料は、筐体630と制御本体部506との間の動作可能な係合時に(または、蒸気機能強化態様がカートリッジ本体部505と一体であるとき、カートリッジ本体部505と制御本体部506との間の動作可能な係合時に)、蒸気機能強化要素、フィルタ材料、および筐体のうち1つと制御本体部506との互換性を示す標識を備えることがある。たとえば、筐体630は、筐体630と制御本体部506との間の動作可能な係合時に緑色に点滅する電動標識を含むことがあり、筐体が制御本体部と互換性がない、または、制御本体部との使用が許可されていない場合、緑色光は、点滅することがないか、または、点滅する赤色標識で置き換えられることがある。したがって、当業者は、このような標識が必要に応じて、または、相応しいように、多くの異なった形式をとることがあるので、本明細書に提示された例がいかなる方法によっても限定的であることが意図されていないことを認めるであろう。
【0099】
蒸気機能強化要素620は、多くの異なった形式をとることがある。たとえば、蒸気強化要素は、フィルタ材料と係合した液体を備えることがある。すなわち、フィルタ材料は、筐体の中へ取り入れられる前に、液体で処理されることがある。他の実例において、液体は、フィルタ材料が筐体の中へ挿入されると、フィルタ材料に導入されることがある。他の態様において、筐体630(または、蒸気機能強化態様がカートリッジ本体部505と一体になっているとき、カートリッジ本体部505の外殻部510)は、弾性をもつように構成され、蒸気機能強化要素620は、フィルタ材料の中へ導入される壊れやすい部材を備えることがある。壊れやすい部材620は、機能強化物質を収容する、またはそうでなければ含むように構成されることがある。このような実例において、壊れやすい部材は、弾性をもつ筐体に印加された圧縮力(すなわち、圧迫またはねじりのような機械力)に応答して、破裂し、機能強化物質を放出してフィルタ材料と係合させるように構成されている。すなわち、一例において、壊れやすい部材620は、たとえば、カプセル部材または複数のカプセル部材(もしくはマイクロカプセル部材)を備えることがあり、各カプセル部材は、たとえば、液体香味剤を備える機能強化物質を含むことがある。このような実例において、弾性のある筐体の圧縮またはその他の機械的操作は、壊れやすい部材を破裂させ、壊れやすい部材に液体ペイロード(すなわち、香味剤)をフィルタ材料600の中へ放出させることがある。
【0100】
蒸気機能強化要素620は、一部の態様において、1つの要素/物体、複数の要素/物体、または要素/物体の組み合わせを備えることがある。他の態様において、蒸気機能強化要素620は、糸、繊維、マイクロカプセル、カプセル、小粒、顆粒、香味剤、およびこれらの組み合わせのうち1つを備えることがある。一部の実例において、蒸気強化要素620は、複数の順次結合された物体を備えることがある。蒸気がタバコ成分またはタバコ由来成分を備える実例において、1つ以上の要素/物体または要素/物体の組み合わせの形をしたフィルタ材料および/または蒸気機能強化要素は、蒸気の特性を変えるように形成されることがある。たとえば、各々が全体として参照によって本明細書に組み込まれるSmith他に対する米国特許第5,724,997号、Andresen他に対する第8,079,369号、Stokes他に対する第7,972,254号、Barnes他に対する第8,262,550号、Barnes他に対する第7,740,019号、Dube他に対する第7,836,895号、Dube他に対する第7,793,665号、Dube他に対する第7,984,719号、Clark他に対する第8,066,011号、Dealに対する第7,115,085号、Dealに対する第7,654,945号、Dealに対する第7,833,146号、およびThomas他に対する第7,479,098号と、Barnes他に対する米国特許出願公開US2010/0192962号、Clark他に対するUS2012/0037173号、Faggに対するUS2008/0142028号、Nelson他に対するUS2010/0101589号、およびCarpenter他に対するUS2011/0271968号と、Nobak,III他に対する米国特許出願第13/248,847号、およびAdeme他に対する米国特許出願第13/675,187号と、を参照のこと。
【0101】
一態様において、蒸気機能強化要素620は、電気的に作動されるように構成されている。このような実例において、筐体630(または蒸気機能強化態様がカートリッジ本体部505と一体となった実例におけるカートリッジ本体部505)は、制御本体部との筐体の動作可能な係合時に、蒸気機能強化要素620と制御本体部506との間に導電性接続を形成するように構成されることがある。たとえば、筐体は、筐体に関連した伝導性要素を有することがあり、制御本体部に関連付けられ、電池40との電気的係合まで延びる対応する伝導性要素と相補的に係合するように構成されることがある。さらに、筐体の伝導性要素は、蒸気機能強化要素を作動することができるように蒸気機能強化要素との電気的係合まで延びることがある。たとえば、蒸気機能強化要素は、この蒸気機能強化要素に関連した抵抗コイルを有することがあり、このような実例において、抵抗要素の電気的作動は、次に、蒸気機能強化要素(すなわち、熱機構)を加熱し、蒸気機能強化態様を作動させる。他の実例において、たとえば、導電性接続部は、蒸気機能強化要素620から蒸気機能強化態様を放出する物理的機構を作動させるために実装されることがある。より詳しくは、一部の実例において、蒸気機能強化態様は、放出ポートを有する収容部材(図示せず)の中に蓄積された液体、蒸気、または気体を備えることがあり、放出ポートは、フィルタ部材60を通して引き込まれた蒸気との相互作用のため蒸気機能強化態様をフィルタ部材60の中へ放出するために、必要に応じて、または、要求とおりに、電気的に作動される可能性がある
【0102】
要約すると、またはそうでなければ本明細書に付加的に開示されることがあるように、蒸気機能強化要素620が関連したフィルタ部材600を組み込む電子蒸気喫煙物品500の態様は、利用者によって吸い込まれた蒸気が中を通るフィルタ要素を用いて蒸気機能強化効果(すなわち、香味)を提供するように部分的に構成されることがある。たとえば、メントールまたはその他の揮発性香味は、電子蒸気喫煙物品500の口端部を介して引き込まれた蒸気に添加されることがある。一態様において、蒸気機能強化要素620は、たとえば、フィルタ要素を製造するプロセスの間に酢酸セルロースフィルタ材料600(またはその他の適当な材料もしくは材料の組み合わせのフィルタ材料600)の中に注入された、点滴注入された、流し込まれた、またはそうでなければ導入された液体メンソールまたはその他の液体香味であることがある。特有の態様において、蒸気の最大スループットを促進するために、繊維1本当たりデニール(DPF)が比較的高いフィルタトウ、または、その他の適当なフィルタ材料(すなわち、約4DPFと約8DPFとの間)(すなわち、最小除去効率のため構成されたフィルタ材料)を実装することが望ましいということがある。
【0103】
前述のとおり、フィルタ要素は、たとえば、電子蒸気喫煙物品500(または「蒸気生成装置」)の一体的なコンポーネントであるように構成され、または、そうでなければ、既存の電子蒸気喫煙物品500への追加もしくは補助コンポーネントであるように構成されることがある。たとえば、一体構造において、フィルタ要素(すなわち、フィルタ材料600および蒸気機能強化要素620)は、電子蒸気喫煙物品500の管状筐体の中へ挿入されることがある。2部品構造において、フィルタ要素は、このフィルタ要素が蒸気源と連通し、蒸気源と電子蒸気喫煙物品500の口端部との間にある蒸気通路の内部に配置されるように、必要に応じて、または、要求とおりに、カートリッジ本体部505または制御本体部506の中へ挿入されることがある。一部の実例において、フィルタ要素は、電子蒸気喫煙物品500の管状筐体の中へ直接的に挿入されることがあり、フィルタ要素は、適切な保持要素によって縦方向に保持されている。たとえば、フィルタ要素は、フィルタ要素と蒸気源との間の蒸気通路に配置された多孔性要素によって蒸気源から分離されることがある。適切な多孔性要素は、望ましくは、筐体に沿って縦方向位置にフィルタ要素を保持するように構成されているが、蒸気が筐体の中を通過することを可能にさせ、たとえば、O−リング、有孔円盤、または、フィルタ要素を蒸気源、気化器、または気化する液体から分離するその他の適当な多孔性要素を備えることがある。口端部に向かって、フィルタ要素は、たとえば、筐体と係合された端部キャップ、フランジ、または筐体内の襞のような適切な機構によって縦方向に保持される。
【0104】
さらに他の一体構造態様において、フィルタ要素は、フィルタ要素筐体内に内蔵されることがあり、フィルタ要素筐体は、蒸気源の方へ配置されるように構成された多孔性または有孔端部と、口端部の方へ配置されるように構成された対向する襞付き、フランジ付き、またはキャップ付き端部とを含むことがある。このような実例において、フィルタ要素筐体は、当業者に分かるように、管状筐体の中へ挿入され、適切な機構によって、または、さらに摩擦嵌合で望ましい縦方向位置に維持されるように構成されることがある。
【0105】
さらなる態様において、フィルタ要素は、補助または追加アクセサリとして電子蒸気喫煙物品と係合するように構成されることがある。より詳しくは、フィルタ要素は、蒸気源の方へ配置されるように構成された多孔性または有孔端部と、口端部の方へ配置されるように構成された対向する襞付き、フランジ付き、またはキャップ付き端部とを有するフィルタ要素筐体内に内蔵されることがある。フィルタ要素筐体は、たとえば、前述のとおり筐体630としてさらに構成されることがあり、または、そうでなければ、カートリッジ本体部505または制御本体部506の一方の端部に付着するように構成されることがある。たとえば、フィルタ要素筐体は、前述のとおり、カートリッジ本体部505の口端部に取り付けられるように構成されることがある。当業者は、しかしながら、フィルタ要素筐体が適切に構成された電子蒸気喫煙物品の中でカートリッジ部505と制御本体部506との間に取り付けられるように構成されることがあることが分かるであろう。フィルタ要素筐体が外部にむき出しにされた実例、特に、フィルタ要素筐体が電子蒸気喫煙物品500の口端部と係合された実例において、フィルタ要素筐体は、柔らかな感触、または、そうでなければ、心地良い触覚質感を利用者の唇、歯、および/または指に提供もしくは感じさせるように構成されるか、または、そうでなければ、適した材料で構成されることがある。
【0106】
フィルタ要素筐体が外部にむき出しにされた実例において、特に、フィルタ要素筐体が電子蒸気喫煙物品500の口端部と係合された実例において、蒸気機能強化要素620は、心地良い知覚を利用者に与えるようにさらに構成されることがある。たとえば、上記開示のとおり、蒸気機能強化要素620は、電気的に作動されるように構成されることがある。その結果、電気伝導が物理的機構を作動させるために実施されるか、または、熱的機構(すなわち、分解なしの加熱)を提供するために実施されるかを問わずに、蒸気機能強化態様を提供するため、熱が発生させられることがある。したがって、これらの実例において、フィルタ要素筐体は、熱を発生させる方式での蒸気機能強化要素620の作動時に、比較的低レベルの熱がフィルタ要素筐体を介して利用者に感じられる程度で、蒸気機能強化要素620を受容するように構成されることがある。たとえば、加熱メントールは、フィルタ材料の内部の蒸気機能強化要素のように、比較的低い温度で遂行されることがあり、この温度は、次に、たとえば、約250℃と約60℃との間の温度までフィルタ要素筐体を加熱することがある。このような実例において、「暖かい」フィルタ要素筐体は、利用者に心地良いということがあるが、フィルタ要素筐体の昇温は、蒸気機能強化要素620の作動に関連した電気的/熱的プロセスがより高い温度で動作することを可能にさせ、それによって、蒸気機能強化態様の解除/作動を機能強化するかもしれない。
【0107】
フィルタ要素筐体が電子蒸気喫煙物品500の口端部と係合された実例において、蒸気機能強化要素620は、フィルタ要素筐体と口端部との間の係合時に作動されるようにさらに構成されることがある。たとえば、蒸気機能強化要素620は、フィルタ要素筐体と口端部との間の係合がこの蒸気機能強化要素620を物理的に作動させるように、フィルタ要素筐体と口端部との間の相互作用部/インターフェース部の周りに配置される、さもなければ、配列されることがある。より詳しくは、蒸気機能強化要素は、カプセルまたはその他の壊れやすい貯蔵部を備えることがあり、フィルタ要素筐体および口端部は、フィリタ要素筐体と口端部との間のネジ係合のため構成されることがある。このような構造において、フィルタ要素筐体と口端部との間のネジ係合は、カプセル/貯蔵部を絞る、挟む、捻る、またはそうでなければ、カプセル/貯蔵部に作用し、カプセル/貯蔵部の破裂、またはそうでなければ、機械的破壊を引き起こすことがあり、それによって、蒸気との相互作用のため蒸気機能強化態様をフィルタ材料の中へ放出する。
【0108】
付加的な態様において、蒸気機能強化要素620は、たとえば、香味料物質を含有する押し潰し可能なカプセル、各々が香味料物質を格納する複数のマイクロカプセル、香味料(液体)物質で飽和させられた酢酸セルロース、綿、レーヨンもしくはその他の適当な吸収材料の1つ以上の糸を備えることがある。
【0109】
他の態様において、フィルタ材料は、その他の超多孔性繊維、トウ、膜、小粒、糸、または、たとえば、酢酸セルロースに加えて、もしくは、酢酸セルロースに変えて、レーヨン、ポリエステル、ポリプロピレンのような不織布材料を備えることがあり、超多孔性繊維は、液体香味剤を収集し保持するように構成されることがある。他の実例において、たとえば、香味剤を備える蒸気機能強化要素620は、低密度もしくは高密度ポリエチレンのようなプラスチック材料に混ぜ合わされることがあり、香味剤は、緩やかな、または長期放出の対象となるであろう。混ぜ合わさされた蒸気機能強化要素620は、たとえば、小粒として供給されることがあり、または、作られているプラスチック(すなわち、不織布材料)より前に混ぜ合わされることがある。
【0110】
さらに他の態様において、フィルタ要素は、酢酸セルロースで構成されることがあり、このフィルタ要素の中の中空中央部は、香味剤のような蒸気機能強化要素620を蒸気に依然として注入している間に、この中空中央部の中を通る蒸気の流れを促進するように成形され、またはそうでなければ、構成されることがある。蒸気機能強化要素620は、前述のとおり、フィルタ材料600に関連付けられることがあり、またはフィルタ要素の中空中央部の内部に配置されることがある。さらに、蒸気機能強化要素620は、この蒸気機能強化要素との係合に引き込まれた蒸気中の化学物質もしくは水分に反応するように、または化学物質もしくは水分によって作動されるように構成されることがある。たとえば、蒸気は、蒸気機能強化要素と化学反応することがあり、化学反応は、望ましい蒸気機能強化効果を提供し、または蒸気中の水分は、蒸気機能強化要素を蒸気の中に溶解させる、または、そうでなければ、引き込むことがある。
【0111】
他の態様において、フィルタは、たとえば、フィルタ材料600の中への蒸気機能強化剤(すなわち、香味剤)の放出を促進するために、蒸気機能強化要素620と相互作用するように構成され、配置された別個の加熱素子を含むように構成されることがある。
【0112】
さらに他の態様において、フィルタ要素(すなわち、フィルタ材料および/または蒸気機能強化要素620)は、たとえば、熱を生み出すため蒸気と反応するように構成された発熱化学反応剤を含むことがあり、この熱は、次に、フィルタ材料600への蒸気機能強化剤(すなわち、香味剤)の放出を促進することがある。
【0113】
一部の態様において、蒸気機能強化要素620は、たとえば、活性炭、粘度、またはその他の適当な吸着性材料のような機能強化剤含浸吸着剤を備えることがあり、吸着剤に含浸された機能強化剤は、たとえば、香味剤を備えることがある。
【0114】
他の実例において、蒸気機能強化要素620は、たとえば、貯蔵部内に含有されるか、またはそうでなければ収容された液体香味剤もしくはその他の蒸気機能強化物質を備えることがある。このような実例において、液体香味剤もしくはその他の蒸気機能強化物質は、最初にフィルタ材料600を処理する、または、フィルタ材料600内に既に含まれている香味剤を回復させる、補充する、もしくは詰めるために貯蔵部からフィルタ材料600の中へ逃げる、またはそうでなければ、送達されるように構成されることがある。さらに、このような実例において、液体香味剤もしくはその他の蒸気機能強化物質は、要求に応じて、たとえば、直接的に、または、フィルタ材料600の圧縮もしくは電子蒸気喫煙物品500の収容を介して、貯蔵部に加えられた絞りまたはポンプ動作のような適切な機構の利用者作動によって、貯蔵部からフィルタ材料600まで手動送達されることがある。
【0115】
さらに他の実例において、蒸気機能強化要素620は、たとえば、機能強化された蒸気が利用者の口に入る前に、利用者によってフィルタ要素を通して吸い込まれた蒸気との相互作用時に蒸気分散または蒸気冷却を促進するように構成されることがある。
【0116】
さらなる態様において、蒸気機能強化要素620は、たとえば、フィルタ材料600に塗布された酸性コーティング、または、フィルタ材料600に添加された酸性粒子を備える、またはそうでなければ、組み込むことがあり、酸性物質は、ニコチンをプロトン化し、より滑らかな蒸気知覚もしくは香味特性を蒸気に加えるように構成されている。このような実例において、適当な酸性物質は、たとえば、レブリン酸、ピルビン酸、および/またはクエン酸を含むことがある。
【0117】
当然ながら、当業者は、本明細書における開示が対応する方法とも関連付けられることがあることをさらに認識するであろう。一態様において、図5に表されるように、このような方法は、電子蒸気喫煙物品(要素700)によって生成された蒸気を機能強化する方法を備えることがあり、この方法は、コンポーネント係合端部の縦方向反対側にある口係合端部を有し、フィルタ材料を中に受容するように構成されている内腔を画定する管状筐体のコンポーネント係合端部を電子蒸気喫煙物品に関連した制御本体部と動作可能に係合すること(ブロック720)を備えることがある。蒸気は、筐体の口係合端部への吸引の適用に応答して筐体の内腔を通して受容される(ブロック740)。そうすることで、蒸気機能強化要素がフィルタ材料と動作可能に係合されている状態で、吸引によってフィルタ材料を通して引き込まれた蒸気が機能強化される(ブロック760)。フィルタ材料は、酢酸セルロースのトウ、再生セルロース繊維のトウ、ギャザー付きの紙、不織布ポリプロピレン織物、細断織物のギャザー付きの撚り糸、その他の適当な繊維状トウ材料、または、これらの組み合わせのうち1つを備えることがある。
【0118】
一部の態様において、これらの方法は、筐体とフィルタ材料とのうち一方に関する標識を表示することをさらに備え、標識は、蒸気機能強化要素によって提供された蒸気の機能強化の特質と、蒸気機能強化要素によって提供された蒸気の機能強化の残存耐用期間と、蒸気機能強化要素によって提供された蒸気の機能強化の消費耐用期間と、筐体と制御本体部との間の動作可能な係合時に、蒸気機能強化要素、フィルタ材料、および筐体のうち1つと制御本体部との互換性と、のうち少なくとも1つを示すことがある。蒸気機能強化要素は、たとえば、フィルタ材料と係合した液体を備えることがある。他の実例において、筐体は、弾性をもつように構成され、蒸気機能強化要素は、フィルタ材料の中へ導入され、機能強化物質を収容する壊れやすい部材を備え、この方法は、弾性をもつ筐体に印加された圧縮力に応答して、壊れやすい部材を破裂させることと、壊れやすい部材から機能強化物質を放出し、フィルタ部材と係合させることとをさらに備える。
【0119】
様々な態様において、フィルタ材料を通して引き込まれた蒸気は、フィルタ材料の内部に配置された複数の物体、糸、繊維、マイクロカプセル、カプセル、小粒、顆粒、香味剤、複数の順次係合された物体、およびこれらの組み合わせのうち1つを備える蒸気機能強化要素を用いて機能強化されることがある。特有の実例において、蒸気は、フィルタ材料および/または蒸気機能強化要素を用いて、タバコ成分またはタバコ由来材料を備える蒸気の特性を変えることによって機能強化されることがある。たとえば、酢酸セルロースを備えるフィルタ材料は、たとえば、タバコ成分もしくはタバコ由来材料の風味を変えることによって、従来の喫煙物品(すなわち、巻きたばこ)の使用によって期待された知覚体験を提供することがある。
【0120】
本開示の多くの変更および他の実施形態は、上記説明および添付図面において提示された教示の利益を受ける本開示が属する技術分野における当業者が想到するであろう。したがって、開示は、本明細書に開示された具体的な実施形態に限定されるべきではないこと、および、変更および他の実施形態は、請求項の範囲に含まれるべきであることが理解されるべきである。具体的な用語が本明細書において用いられるが、これらの用語は、限定の目的のためではなく、包括的かつ記述的な意味だけで使用される。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5