特許第6326033号(P6326033)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6326033
(24)【登録日】2018年4月20日
(45)【発行日】2018年5月16日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20180507BHJP
【FI】
   A63F7/02 326Z
   A63F7/02 334
【請求項の数】1
【全頁数】45
(21)【出願番号】特願2015-227154(P2015-227154)
(22)【出願日】2015年11月19日
(65)【公開番号】特開2017-93698(P2017-93698A)
(43)【公開日】2017年6月1日
【審査請求日】2016年11月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100076048
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜幾
(74)【代理人】
【識別番号】100141645
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 健司
(72)【発明者】
【氏名】川北 雄大
(72)【発明者】
【氏名】島田 昂季
【審査官】 進藤 利哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−13058(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体を使用して遊技が行われる遊技機において、
種の検知対象を予め定めた検知条件で検知する複数の検知手段と、
前記複数の検知手段エラー状態であるか否かを判定するエラー判定処理を定められた時間毎に実行するエラー判定手段とを備え、
前記夫々の検知手段は、検知対象を検知している間のみ検知状態になると共に、該検知状態から非検知となった場合には元の通常状態へ復帰するよう構成され、
前記エラー判定手段は、
前記エラー判定処理として、前記複数の検知手段についてエラー状態を判定する際の判定順序が該エラー状態の深刻度に基づいて予め決められていると共に、前記複数の検知手段に対し、エラー状態の深刻度が最も低いエラー状態を検知する検知手段から判定を開始し、エラー処理の深刻度が最も高いエラー状態を検知する検知手段の判定を最後に行うようにエラー状態を前記判定順序に基づいて順次判定し、エラー状態を検知した検知手段がある場合は、当該エラー状態に対応したエラーコマンドを設定し、また先に設定されたエラーコマンドが既にあるときは、後から設定されたエラーコマンドを先のエラーコマンドに上書きして更新し、
記エラー判定処理の終期にエラーコマンドが設定されていない場合は、当該エラー判定処理を終了する一方、前記エラー判定処理の終期にエラーコマンドが設定されている場合は、最後に設定されているエラーコマンドをエラー処理手段へ出力して、当該エラー判定処理を終了するようになっており、
記エラーコマンドの設定に対応してセキュリティ信号を外部機器へ出力するセキュリティ信号出力手段と、
前記複数の検知手段とは別の検知手段とを備え、
前記エラー判定手段は、前記別の検知手段がエラー状態であるか否かを前記エラー判定処理とは別に判定して、該別の検知手段がエラー状態を検知した場合に前記エラー判定処理とは別にエラーコマンドを設定し、該エラー判定手段が前記エラー判定処理とは別に設定したエラーコマンドは該エラー判定処理によるエラーコマンドの設定の有無に関わらず前記エラー処理手段に入力され、
前記セキュリティ信号出力手段は、前記エラー判定手段から前記エラー処理手段へのエラーコマンドの出力に際して、前記セキュリティ信号を外部機器へ出力するようにした
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、不正行為や機器故障による検知手段のエラー状態を判定可能な遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技媒体としてパチンコ球を使用するパチンコ機や遊技媒体としてメダルを使用するスロットマシン等の遊技機は、不正行為によるエラーや機器故障によるエラーが発生することがある。このため、前記遊技機には、不正行為や機器故障に伴うエラーを検知する複数の検知手段や、これらの検知手段がエラーを検知したか否かを判定するエラー判定手段を備えている(特許文献1)。前記エラー判定手段では、前記検知手段がエラー状態を検知したか否かの判定を行うエラー判定処理を所定時間毎に実行する。
【0003】
従来のエラー判定処理では、複数の前記検知手段について、正常を検知している状態かエラー乃至トラブルを検知した状態かを順次判定している。そして、エラー状態を検知した検知手段が存在する場合に、当該エラー状態に対応したエラーフラグを挙げるようになっている。そして、当該エラー判定処理において全ての検知手段に対する判定の実行後に、挙げられたエラーフラグに基づいて、エラー判定手段に設けたデータテーブルから、該エラーフラグに係る所定のエラーコマンドを読み出し、当該エラーコマンドをエラー処理手段へ出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−58022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した従来のエラー判定処理では、各検知手段が検知したエラー状態に対応したエラーフラグの組み合わせ(バリエーション)に基づく多種類のエラーコマンドを、前記データテーブルに予め記憶しておく必要がある。従って、前記データテーブルの記憶及び処理容量が大きく嵩んで、エラー判定手段の記憶領域を占める割り合いも大きくなる難点がある。
【0006】
本発明は、従来の遊技機に内在する前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、エラー判定手段の記憶領域において、エラー判定処理に係るデータが占める割り合いを小さくし得る遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明は、
遊技媒体を使用して遊技が行われる遊技機において、
種の検知対象を予め定めた検知条件で検知する複数の検知手段(35,44,200,201,202)と、
前記複数の検知手段(35,44,200,201,202)エラー状態であるか否かを判定するエラー判定処理を定められた時間毎に実行するエラー判定手段(60a)とを備え、
前記夫々の検知手段(35,44,200,201,202)は、検知対象を検知している間のみ検知状態になると共に、該検知状態から非検知となった場合には元の通常状態へ復帰するよう構成され、
前記エラー判定手段(60a)は、
前記エラー判定処理として、前記複数の検知手段(35,44,200,201,202)についてエラー状態を判定する際の判定順序が該エラー状態の深刻度に基づいて予め決められていると共に、前記複数の検知手段(35,44,200,201,202)に対し、エラー状態の深刻度が最も低いエラー状態を検知する検知手段から判定を開始し、エラー処理の深刻度が最も高いエラー状態を検知する検知手段の判定を最後に行うようにエラー状態を前記判定順序に基づいて順次判定し、エラー状態を検知した検知手段がある場合は、当該エラー状態に対応したエラーコマンドを設定し、また先に設定されたエラーコマンドが既にあるときは、後から設定されたエラーコマンドを先のエラーコマンドに上書きして更新し、
記エラー判定処理の終期にエラーコマンドが設定されていない場合は、当該エラー判定処理を終了する一方、前記エラー判定処理の終期にエラーコマンドが設定されている場合は、最後に設定されているエラーコマンドをエラー処理手段(65a)へ出力して、当該エラー判定処理を終了するようになっており、
記エラーコマンドの設定に対応してセキュリティ信号を外部機器(HC)へ出力するセキュリティ信号出力手段(60a)と、
前記複数の検知手段(35,44,200,201,202)とは別の検知手段(60a)とを備え、
前記エラー判定手段(60a)は、前記別の検知手段(60a)がエラー状態であるか否かを前記エラー判定処理とは別に判定して、該別の検知手段(60a)がエラー状態を検知した場合に前記エラー判定処理とは別にエラーコマンドを設定し、該エラー判定手段(60a)が前記エラー判定処理とは別に設定したエラーコマンドは該エラー判定処理によるエラーコマンドの設定の有無に関わらず前記エラー処理手段(65a)に入力され、
前記セキュリティ信号出力手段(60a)は、前記エラー判定手段(60a)から前記エラー処理手段(65a)へのエラーコマンドの出力に際して、前記セキュリティ信号を外部機器(HC)へ出力するようにしたことを要旨とする。
【0008】
請求項1に係る発明によれば、定められた時間毎に実行されるエラー判定処理において、複数の検知手段のエラー状態を判定した場合は、後に設定するエラーコマンドを、先に設定されたエラーコマンドに上書きして更新する。従って、エラー判定手段からエラー処理手段へ出力するエラーコマンドは、最後に更新した1つのエラーコマンドだけとなり、多数のエラーコマンドを記憶しておくデータテーブルを設ける必要がない。これにより、容量を要するデータテーブルを設けるための大きな記憶領域をエラー判定手段の記憶領域に確保しなくてよい。また、エラー判定手段からエラー処理手段へのエラーコマンドの出力処理が簡素化され、該エラー判定手段の負荷を軽減することができる。また、各検知手段は、検知対象を検知している間のみ検知状態になるので、検知対象を所定時間に亘り連続的に検知することを検知条件とすることにも対応でき、検知手段のエラー状態を適切に判定することができる。更に、セキュリティ信号出力手段から外部機器へセキュリティ信号が出力されるので、当該遊技機でのエラー発生を該外部機器に対し適切に報知し得る。
また、別の検知手段がエラー状態となった場合には、当該エラー状態により設定されたエラーコマンドがエラー処理手段へ入力されて別個にエラー処理されるので、エラー判定処理の対象となる検知手段の数が多くなり過ぎてエラー判定処理に手間取ることを防止し得る。
更に、エラー判定処理において複数の検知手段のエラー状態を判定した場合は、判定されたエラー状態の深刻度がより高いエラー状態に対応したエラーコマンドが最終的に設定されるようになり、深刻度が高いエラー状態に対応したエラーコマンドをエラー処理手段へ適切に出力することができる。
【0009】
本願には、次のような技術的思想が含まれる。
前記セキュリティ信号出力手段(60a)から前記外部機器(HC)へ出力される前記セキュリティ信号は1種類だけが設定されており、
前記エラー判定手段(60a)から出力される前記エラーコマンドの種類に関係なく、前記1種類のセキュリティ信号が前記外部機器(HC)へ出力されることを要旨とする。
上記構成によれば、エラー判定手段において最後に設定されたエラーコマンドの種類に拘わらず、常に1種類のセキュリティ信号がセキュリティ信号出力手段から外部機器へ出力されるので、該外部機器に対して、当該遊技機で何等かのエラーが発生したことを報知し得る。
【0010】
本願には、次のような技術的思想が含まれる。
前記エラー処理手段(65a)は、前記エラー判定手段(60a)から入力されたエラーコマンドの種類に対応したエラー報知態様に基づいてエラー報知を実行するようにしたことを要旨とする。
上記構成によれば、エラーの種類に応じて、異なるエラー報知態様のエラー報知が実行されるので、エラー報知によりエラーの種類を把握することができる。
【0012】
本願には、次のような技術的思想が含まれる。
前記検知手段(35,44,200,201,202)は、特別電動入賞手段(40)または普通電動入賞手段(31)に入賞した前記遊技媒体を検知可能な遊技媒体検知手段(35,44)、機体の振動を検知可能な振動検知手段(200)、電波を検知可能な電波検知手段(201)、および磁気を検知可能な磁気検知手段(202)から選択されることを要旨とする。
上記構成によれば、特別電動入賞手段や普通電動入賞手段へ不正入賞させる不正行為によるエラーの発生、遊技機を振動させる不正行為によるエラーの発生、電波発生器を利用した不正行為によるエラーの発生、磁気発生器を利用した不正行為によるエラーの発生、等をエラー判定処理により判定し得る。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る遊技機によれば、エラー判定手段の記憶領域において、エラー判定処理に係るデータが占める割り合いを小さくすることができ、エラー状態に対応したエラーコマンドを適切に出力し得ると共に、外部機器へエラーを適切に報知し得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施例に係るパチンコ機を示す正面図である。
図2】実施例に係る遊技盤を示す概略正面図である。
図3】実施例に係るパチンコ機の制御構成を示すブロック図である。
図4】エラーの種類、判定優先順位、報知優先順位、エラー報知およびセキュリティ信号の有無を示す説明図である。
図5】実施例に係るパチンコ機の電源投入処理の流れを示すフローチャートである。
図6】メイン制御CPUが実行するエラー判定処理の流れを示すフローチャートである。
図7】表示装置の表示部に表示される各種エラー報知の画像を示す説明図であって、(a)はメイン基板エラー報知の画像を示し、(b)は磁気検知センサエラー報知の画像を示し、(c)は電波検知センサエラー報知の画像を示している。
図8】表示装置の表示部に表示される各種エラー報知の画像を示す説明図であって、(a)は振動検知センサエラー報知の画像を示し、(b)は満杯エラー報知の画像を示し、(c)は右打ちエラー報知の画像を示している。
図9】表示装置の表示部に表示される復電処理実行報知の画像を示す説明図である。
図10】メイン制御CPUから演出制御CPUへ出力される各種エラーコマンドと、該メイン制御CPUからホールコンピュータへ出力される1種類のセキュリティ信号とを示すブロック図である。
図11】メイン制御CPUから演出制御CPUへ出力される各種エラーコマンドと、該メイン制御CPUからホールコンピュータへ出力される複数のセキュリティ信号とを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、実施例では、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技を行うパチンコ機を例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
【実施例】
【0017】
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に、複数種類の図柄を変動表示可能な表示手段としての表示装置(演出手段)17が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板13bで前後に開口する窓部13aを覆うよう構成された前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前記前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。なお、実施例では、前記表示装置17としては、各種図柄を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、ドラム式の表示装置やドットマトリックス式の表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。また、実施例では、後述する各種のエラーが発生した際に、該エラーが発生したことを示すエラー報知を実行するエラー報知手段として表示装置17が機能するよう構成される。
【0018】
図1に示す如く、前記前枠13には、窓部13aを囲繞するようランプ装置(発光手段)18が配設されると共に、前枠13の上部位置に、音声や効果音を出力可能なスピーカ(音出力手段)19が配設されている。そして、ランプ装置18に設けられたLED等の発光体(図示せず)を点灯・点滅したり、前記スピーカ19から適宜の音声を出力することで、前記表示装置17で行われる各種の表示演出(図柄変動演出)に合わせて光による演出や音による演出を行い得るよう構成されている。すなわち、前記ランプ装置18やスピーカ19は、表示装置17と同様に演出手段としての機能を有している。また、ランプ装置18やスピーカ19は、エラーが発生した際にエラー報知を実行し得るよう構成されており、該ランプ装置18やスピーカ19は、表示装置17と同様にエラー報知手段としての機能を有している。なお、前記上球受け皿14は、前記前枠13と別体に形成して中枠12に対して開閉可能に組み付けるようにしてもよい。
【0019】
また、前記前枠13の右下方位置には、前記中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられている。前記操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで前記打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20に向けて発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー16aの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aを操作して回動量を調節することで、前記遊技盤20に形成された第1球流下経路75a(後述)をパチンコ球が流下する所謂「左打ち」と、該遊技盤20に形成された第2球流下経路75b(後述)をパチンコ球が流下する所謂「右打ち(ゴム打ち)」とを打ち分け得るようになっている。
【0020】
(遊技盤20について)
実施例の前記遊技盤20は、アクリルやポリカーボネート等の光透過性の合成樹脂材から所定板厚の略矩形状に形成された平板状の透明板(遊技領域形成部材)であって、該遊技盤20の裏側に前記表示装置17が着脱自在に組み付けられている。遊技盤20の前側には、図2に示す如く、前面(盤面)に配設された略円形状の案内レール21によりパチンコ球が流下可能(移動可能)な遊技領域75が画成されて、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が当該遊技領域75内に打ち出されることで遊技が行われるようになっている。また、遊技盤20には、該遊技盤20との間に収容空間を画成する設置部材(図示せず)が配設されており、収容空間には、発光により演出を行う発光演出装置や、可動体の動作により演出を行う可動演出装置等の各種演出手段が設置されている。前記表示装置17は、設置部材の裏側に取り付けられて、後述するように設置部材に設けた開口部(可視部)および枠状装飾体25(後述)の開口部25aを介して遊技盤20の前側から視認可能に臨むよう構成される。なお、遊技盤20は、ベニヤ材や合成樹脂材等の非光透過性の板部材の表面に装飾シール等を貼付したものであってもよい。
【0021】
前記遊技盤20には、前後に貫通する装着口が前記遊技領域75内に複数開設されて、各装着口に対して各種遊技構成部品が前側から取り付けられると共に、遊技領域75の最下部位置には、該遊技領域75に開口するアウト口22が開設されており、遊技領域75に打ち出されてアウト口22に入球したパチンコ球が機外に排出されるよう構成される。また、前記遊技盤20には、前記遊技領域75内に多数の遊技釘23が設けられると共に、後述する枠状装飾体25の左側方に、遊技領域75(第1球流下経路75a)を流下するパチンコ球の接触に伴って回転する回転案内部材24が回転自在に支持されており、遊技釘23や回転案内部材24との接触によりパチンコ球の流下方向が不規則に変化するよう構成されている。前記回転案内部材24は、所謂「風車」とも称される部材であって、該回転案内部材24の回転に伴ってパチンコ球を弾くように左右方向へ放出する部材である。なお、前記装着口の形成数は、遊技盤20に対して取り付けられる各種遊技構成部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜決定される。
【0022】
実施例の前記遊技盤20には、図2に示す如く、前記案内レール21で囲まれた遊技領域75の略中央の大部分が開口する装着口に、前後に開口する開口部25aが形成された枠状装飾体25が取り付けられ、該枠状装飾体25の開口部25aを介して表示装置17の表示部17aが遊技盤20の前面側に臨むよう構成されている。前記設置部材は、前記遊技盤20の外郭形状より僅かに小さな形状に形成された略矩形状の背面板と、該背面板の外周縁部から前方に突出する画壁部とから前方に開口した箱状に形成されて、該画壁部の開口前端部を遊技盤20の裏面に当接させた状態で、当該遊技盤20と設置部材とがネジにより固定される。また、前記設置部材の背面板には、前記枠状装飾体25の開口部25aと前後に整列する位置に、略矩形状の開口部が前後に開口するよう開設されると共に、該背面板の裏側に前記表示装置17が着脱自在に取り付けられて、該開口部を介して表示装置17の表示部17aが遊技盤20の前側に臨むようになっている。
【0023】
(枠状装飾体25について)
前記遊技盤20に配設される前記枠状装飾体25は、図2に示す如く、前記遊技盤20に開設された前記装着口の内側に沿って延在する環状に形成された枠状基部(図示せず)と、該枠状基部に設けられて前記遊技盤20の前面より前方に突出し、前記遊技領域75と表示装置17の表示部17aを区切って該遊技領域75の内周を画成する庇状部25bと、該庇状部25bの後縁から外方に延出する薄板状の台板部25cとを備える。そして、前記枠状基部を装着口に挿入すると共に台板部25cを遊技盤20の前面に当接した状態で、該台板部25cをネジ等の固定手段で遊技盤20に固定することで、枠状装飾体25が遊技盤20に取り付けられる。ここで、前記庇状部25bは、図2に示す如く、前記枠状装飾体25(枠状基部)の左側縁の略中間位置から上縁および右下縁に亘って連続して延在するように設けられており、開口部25a側、すなわち表示装置17における表示部17aの前面側を横切ってパチンコ球が流下(落下)するのを規制している。
【0024】
前記枠状装飾体25には、図2に示す如く、前記開口部25aの下側に、ステージ25dが設けられると共に、開口部25aの左側に、遊技領域75(第1球流下経路75a)に開口して該遊技領域75を流下するパチンコ球を取り込んでステージ25dに案内する球導入部25eが設けられている。これにより、球導入部25eからステージ25dに通出されたパチンコ球は、ステージ25d上を左右に転動した後に、後述する第1始動入賞部30が配設されている遊技領域75に排出される。またステージ25dの後端縁には、左右方向の全長に亘って上側に向けて所定高さで立上がる透明壁25fが設けられ、ステージ25d上を転動するパチンコ球が表示装置17の表示部17a側に移動するのを該透明壁25fで防止している。
【0025】
前記遊技盤20に画成された遊技領域75は、前記枠状装飾体25における庇状部25bの左側方をパチンコ球が流下する第1球流下経路75aと、該枠状装飾体25における庇状部25bの上方から右側方をパチンコ球が流下する第2球流下経路75bとに区画されている。これにより、操作ハンドル16の操作レバー16aを回動操作して打球力を調節することで、遊技領域75に打ち出されたパチンコ球が第1球流下経路75aを流下する遊技形態(左打ち)および当該パチンコ球が第2球流下経路75bを流下する遊技形態(右打ち)の何れかを遊技者が任意に選択し得るようになっている。そして、実施例に係るパチンコ機10では、前記第1球流下経路75aをパチンコ球が流下する場合(左打ちした場合)に、パチンコ球が第2球流下経路75bを流下する場合に較べて後述する第1始動入賞部30にパチンコ球が入賞する可能性が高くなるよう構成されると共に、該第2球流下経路75bをパチンコ球が流下する場合(右打ちの場合)に、パチンコ球が第1球流下経路75aを流下する場合に較べて後述するゲート部48、第2始動入賞部(普通電動入賞手段)31および特別入賞部(特別電動入賞手段)40へパチンコ球が入賞する可能性が高くなるよう構成されている。
【0026】
(入球部について)
図2に示すように、前記遊技盤20には、遊技領域75を流下するパチンコ球が入球可能な複数の入球部(具体的には、後述する第1始動入賞部30、第2始動入賞部31、ゲート部48、特別入賞部40、普通入賞部45)が設けられており、パチンコ球が入球した入球部に応じた制御が実行されることで所定の遊技を行い得るようになっている。具体的に、実施例のパチンコ機10では、前記入球部としての第1始動入賞部30が前記第1球流下経路75aを流下するパチンコ球が入球可能な位置に設けられると共に、前記入球部としての第2始動入賞部31、特別入賞部40およびゲート部48が、前記第2球流下経路75bを流下するパチンコ球が入球可能な位置に設けられている。なお、実施例の遊技盤20には、前記第1球流下経路75aに位置するよう入球部としての普通入賞部45が配置されており、第1球流下経路75aを流下させたパチンコ球が普通入賞部45に入賞し得るようになっている。
【0027】
(始動入賞部30,31について)
前記遊技盤20には、図2に示す如く、前記枠状装飾体25の下方位置に、遊技領域75に臨んで該遊技領域75(第1球流下経路75aおよび第2球流下経路75b)を流下するパチンコ球が入賞可能な第1始動入賞部30が配設されると共に、該第1始動入賞部30の右側方において遊技領域75(第2球流下経路75b)に臨んで特別入賞部40が配設されている。また、枠状装飾体25の右側方に、遊技領域75(第2球流下経路75b)に臨んで該遊技領域75(第2球流下経路75b)を流下するパチンコ球が通過可能なゲート部48が配設されている。更に、ゲート部48の下側に、第2始動入賞部31が配設されている。第1および第2始動入賞部30,31は、遊技領域75を流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞口30a,31aが設けられる。ここで、第1始動入賞部30は、第1始動入賞口30aが遊技領域75に常時開放する常時開放型の入賞部とされ、第2始動入賞部31は、所定の開放条件および閉鎖条件に従って第2始動入賞口31aが始動用開閉部材(開閉手段)31bにより開閉される開閉型の入賞部とされている。なお、第2始動入賞部31は、始動用開閉部材31bを開閉作動する始動入賞ソレノイド32(図3参照)を備え、該始動入賞ソレノイド32がパチンコ機10の裏側に配置されたメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)によって駆動制御されるよう構成される。
【0028】
前記第1および第2始動入賞部30,31は、該第1および第2始動入賞口30a,31aに入賞したパチンコ球を検知する入賞検知手段(検知手段、遊技媒体検知手段)としての始動入賞検知センサ34,35(図3参照)が設けられている。前記始動入賞検知センサ34,35は、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に配線接続されている。そして、始動入賞検知センサ34,35からの検知信号がメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に入力されると、該メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)は、始動入賞検知センサ34,35からの検知信号の入力を賞球の払出条件として払出制御基板90に制御信号を出力して球払出装置91に予め設定された数の賞球を払い出させるようになっている。また、第1および第2始動入賞検知センサ34,35によるパチンコ球の検知(すなわち第1および第2始動入賞口30a,31aへのパチンコ球の入賞)を遊技の開始条件(遊技開始条件,始動条件)として、該開始条件(遊技開始条件,始動条件)の成立を契機として前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)が各種入賞情報(大当り判定用乱数等の遊技情報)を取得して、この取得した入賞情報に基づいて特図当り抽選(当り判定)が行われるよう構成されている。そして、特図当り抽選の結果に基づいて前記表示装置17において図柄変動演出を実行するように、該表示装置17を後述するサブ制御基板65,70が制御するよう構成される。すなわち、実施例のパチンコ機10では、始動入賞検知センサ34,35がパチンコ球を検知したことを特定条件の成立として、該特定条件の成立を契機としてメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)が当り判定を行うよう構成されている。
【0029】
また、前記表示装置17での図柄変動演出の結果、該表示装置17に所定の当り表示(予め定められた特定表示)となる組み合わせ(例えば同一飾図の3つ揃い等)で図柄(飾図)が確定停止表示されることで、遊技者に有利な当り遊技(以後、大当り遊技という)が付与され、大当り遊技の発生に伴って特別入賞部40の特別入賞口40aを所定の開放条件で開放する大当り遊技が行われて、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。すなわち、実施例では、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられる大当り遊技が、遊技者に有利な有利状態となっている。
【0030】
(特別入賞部40について)
前記特別入賞部(入賞部)40は、遊技領域75(第2球流下経路75b)に開口する特別入賞口(入賞口)40aを開閉自在に閉成する特別用開閉部材(開閉手段)40bを備えており、駆動手段としての特別入賞ソレノイド42(図3参照)の駆動に伴って特別用開閉部材40bが閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。また、前記特別入賞部40には、前記特別入賞口40aに入賞したパチンコ球を検知する特別検知手段(検知手段、遊技媒体検知手段)としての特別入賞検知センサ44(図3参照)が設けられている。特別入賞検知センサ44は、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に配線接続されており、特別入賞検知センサ44がパチンコ球を検知(すなわち特別入賞口40aへのパチンコ球の入賞による検知条件の成立)すると、検知信号をメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に出力し、該メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)は、特別入賞検知センサ44からの検知信号の入力を賞球の払出条件として前記払出制御基板90に制御信号を出力して前記球払出装置91に予め設定された数の賞球を払い出させるようになっている。ここで、前記特別入賞ソレノイド42は、前記第1および第2始動入賞口30a,31aへのパチンコ球の入賞を契機として特別入賞口40aを開閉する大当り遊技が付与される場合(特定条件判定手段での判定結果が肯定の場合)に、前記表示装置17による図柄変動演出の終了後にメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)によって駆動制御される。実施例のパチンコ機10では、特別用開閉部材40bの開閉態様が異なる複数種類の大当り遊技が設定されており、メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)は、大当り遊技の種類に応じた開閉条件に従って特別入賞ソレノイド42を駆動制御するよう構成される。実施例のパチンコ機10では、特別入賞ソレノイド42が駆動制御されて特別入賞口40aが開放した状態(特別入賞ソレノイド42の作動中)が有効状態として設定されている。
【0031】
(ゲート部48について)
前記ゲート部48には、該ゲート部48をパチンコ球が通過したことを検知する検知手段としてのゲートセンサ49(図3参照)が配設される。ゲートセンサ49は、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に配線接続されており、該ゲートセンサ49からメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)への検知信号の入力、すなわちゲートセンサ49のパチンコ球の検知(ゲート部48のパチンコ球の通過による検知条件の成立)に伴って各種通過検知情報(乱数等の遊技情報)が取得され、この取得した遊技情報に基づいて普図当り判定(普図当り抽選)が行われるよう構成されている。そして、この普図当り抽選の結果、第2始動入賞口31aを開閉する普図当り遊技が付与される場合に、前記始動入賞ソレノイド32が駆動制御されて始動用開閉部材31bが開閉動作するようになっている。
【0032】
(普通入賞部45について)
図2に示すように、前記普通入賞部45は、前記遊技領域75の左下部位置(第1球流下経路75a)において、パチンコ球が入賞可能な普通入賞口45aが上方に常時開口するよう前記遊技盤20に設けられており、第1球流下経路75aを流下するパチンコ球が一定の確率で普通入賞口45aに入賞し得るようになっている。普通入賞部45は、普通入賞口45aに入賞したパチンコ球を検知する入賞検知手段としての普通入賞検知センサ47(図3参照)が設けられている。前記普通入賞検知センサ47は、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に配線接続されている。そして、普通入賞検知センサ47からの検知信号がメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に入力されることを賞球の払出条件として、該メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)が賞球の払い出しを決定し、前記払出制御基板90に制御信号を出力して前記球払出装置91に予め設定された数の賞球を払い出させるようになっている。
【0033】
実施例のパチンコ機10は、複数種類のエラーの夫々を個別に検知可能な複数のエラー検知手段(エラー検知センサ)を備えている。エラー検知手段として、振動を検知する振動検知センサ200、電波を検知する電波検知センサ201、磁気を検知する磁気検知センサ202、パチンコ球が貯留される貯留部の満杯状態を検知する満杯検知センサ203等を、実施例のパチンコ機10は備えている。なお、以下に、振動検知センサ200、磁気検知センサ202、満杯検知センサ203について説明する。また、エラー検知手段としては、その他の種類のエラーを検知可能な各種のセンサを備えることができる。
【0034】
(振動検知センサ200)
実施例のパチンコ機10は、遊技盤20の振動を検知可能な振動検知センサ(検知手段、振動検知手段)200を備えている(図3参照)。この振動検知センサ200は、例えば所定の周波数の衝撃を検知すると2つの状態系のバランスが変化するマルチバイブレータ回路を備えており、遊技者が当該パチンコ機10の前枠13や上球受け皿14等を故意に叩いた場合に、これによる振動を検知してメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)へ検知信号を出力するようになっている。これにより、パチンコ機10の前枠13や上球受け皿14等を故意に叩いて遊技盤20に衝撃を与えることで、各種入賞口30a,31a,40a,45aに入賞したパチンコ球が対応する検知センサ34,35,44,47で検知される際にチャタリング等を発生させて複数個のパチンコ球が入賞した(検知した)ものとする不正行為等を認識することが可能となっている。また、振動検知センサ200からの検知信号(振動検知信号)がメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に入力されると、該メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)は振動検知状態を示す後述するエラー情報を演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力し得るよう構成されている。
【0035】
(電波検知センサ201)
実施例のパチンコ機10は、電波出力機器から出力された電波を検知可能な電波検知センサ(検知手段、電波検知手段)201を備えている(図3参照)。この電波検知センサ201は、前記始動入賞検知センサ34,35が、遊技盤20の前側において電波出力機器から出力された電波を検知可能な場合に該電波を検知可能な姿勢、位置に配設されており、電波を検知した際にメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に対して検知信号を出力する。従って、電波出力機器を使用した始動入賞検知センサ34,35に対する不正行為を、電波検知センサ201により認識することが可能となっている。また、電波検知センサ201からの検知信号(電波検知信号)がメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に入力されると、該メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)は電波検知状態を示す後述するエラー情報を演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力し得るよう構成されている。
【0036】
(磁気検知センサ202)
実施例のパチンコ機10は、磁気発生機器から出力された磁気を検知可能な磁気検知センサ(検知手段、磁気検知手段)202を備えている(図3参照)。この磁気検知センサ202は、遊技盤20の前側において磁気発生機器から発生した磁気を、前述した各入賞検知センサ34,35,44,47が検知可能な場合に該磁気を検知可能な姿勢、位置に配設されており、磁気を検知した際にメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に対して検知信号を出力する。従って、磁気発生機器を使用した各入賞検知センサ34,35,44,47に対する不正行為を、磁気検知センサ202により認識することが可能となっている。また、磁気検知センサ202からの検知信号(電波検知信号)がメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に入力されると、該メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)は磁気検知状態を示す後述するエラー情報を演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力し得るよう構成されている。
【0037】
(満杯検知センサ203)
実施例のパチンコ機10は、前記上下の球受け皿14,15に貯留されたパチンコ球が所定量に達したか否か(満杯)を検知する満杯検知センサ(満杯検知手段)203を備えている(図3参照)。この満杯検知センサ203は、球払出装置91から払い出されたパチンコ球を上下の球受け皿14,15に案内する球通路に設けられており、上下の球受け皿14,15がパチンコ球で満杯となって球通路までパチンコ球が貯留されることで満杯検知センサ203が満杯状態を検知するよう構成される。満杯検知センサ203は、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に配線接続されており、該満杯検知センサ203が満杯状態を検知した際にメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に対して検知信号(満杯検知信号)を出力する。そして、満杯検知センサ203からの検知信号(満杯検知信号)がメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に入力されると、該メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)は満杯状態を示す後述するエラー情報を演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力し得るよう構成されている。なお、実施例では、満杯検知センサ203として機械式のスイッチが用いられており、該スイッチがON状態となったときに検知信号を出力して満杯状態を検知し、該スイッチがOFF状態となることで満杯状態を検知しなくなるよう構成されている。実施例では、上下の球受け皿14,15および球通路が、パチンコ球を貯留する貯留部とされる。
【0038】
(特図表示部50A,50Bについて)
前記パチンコ機10には、前記第1始動入賞口30aおよび第2始動入賞口31aへの入賞を契機として行われる特図当り抽選(大当り判定)の結果を示す報知用の特別図柄(以下、特図という)を特定可能に表示する特図表示部(特別表示部)50A,50Bが設けられている(図3参照)。特図表示部50A,50Bは、前記第1始動入賞口30aへの入賞(第1始動入賞検知センサ34による検知)を契機として特図の変動表示を開始する第1特図表示部50Aと、第2始動入賞口31aへの入賞(第2始動入賞検知センサ35による検知)を契機として特図の変動表示を開始する第2特図表示部50Bとからなる。そして、前記第1始動入賞口30aへのパチンコ球の入賞を契機として、第1特図表示部50Aの表示部に表示される特図が変動表示(以下特図変動表示という場合がある)が行われ、最終的に表示部に複数種類の特図の内の1つを確定的に表示するようになっている。また、第2始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞を契機として、第2特図表示部50Bの表示部に表示される特図が変動表示(以下特図変動表示という場合がある)が行われ、最終的に表示部に複数種類の特図の内の1つを確定的に表示するようになっている。
【0039】
各特図表示部50A,50Bにおいて表示し得る特図としては、当りの当選を認識し得る当り表示(大当り図柄)としての複数種類の特図と、はずれを認識し得るはずれ表示(はずれ図柄)としての1種類の特図とが、各特図表示部50A,50Bに対応して夫々設定され、特図当り抽選の結果に応じて1つの特図が決定されて、特図変動表示の結果として、決定された特図が各特図表示部50A,50Bに確定停止表示される。そして、前記特図表示部50A,50Bの何れかに、大当り表示としての特図が表示されることで、当り表示に対応した大当り遊技が引き続いて遊技者に付与されるようになっている。なお、以下の説明では、第1特図表示部50Aで行われる特図変動表示を「第1特図変動表示」と称し、該第1特図変動表示の結果、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図を特図1と称する場合がある。同様に、第2特図表示部50Bで行われる特図変動表示を「第2特図変動表示」と称し、該第2特図変動表示の結果、第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図を特図2と称する場合がある。
【0040】
(普図表示部55について)
前記パチンコ機10には、前記ゲートセンサ49のパチンコ球の検知(ゲート部48のパチンコ球の通過)を契機として行われる普図当り抽選(普図当り判定)の結果を示す報知用の普通図柄(以下、普図という)を特定可能に表示する普図表示部55が設けられている(図3参照)。普図表示部55では、ゲートセンサ49のパチンコ球の検知(ゲート部48のパチンコ球の通過)を契機として、複数種類の普図を変動させて1つの普図を導出する普図変動表示が行われるようになっている。そして、普図表示部55の最終的な表示結果から普図当りまたははずれを認識できるようになっている。
【0041】
(表示装置17について)
前記表示装置17には、図2に示すように、演出図柄としての前記飾図を変動表示可能な図柄列26a,26b,26cが複数列設定されており、前記第1始動入賞口30aまたは第2始動入賞口31aへの入賞(始動条件の成立)を契機として、各図柄列26a,26b,26cの飾図が変動開始されるようになっている。実施例の表示装置17には、図柄変動演出の結果として1つの飾図を停止表示可能な複数の有効停止位置(図柄が確定停止表示される確定停止表示領域)27が夫々設定されており、図柄変動演出により、各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27を組み合わせた停止図柄有効ラインに確定停止表示される飾図の図柄組み合わせを導出するようになっている。すなわち、表示装置17では、始動条件の成立を契機として飾図(演出図柄)を変動表示した後に、所定の飾図(演出図柄)を有効停止位置27に確定停止するよう構成される。なお、実施例の表示装置17には、3列の図柄列26a,26b,26cが左右横並び状に設定されると共に、各図柄列26a,26b,26c毎に飾図(演出図柄)の有効停止位置27が1箇所ずつ定められており、3列の飾図(演出図柄)からなる図柄変動演出が行われるようになっている。すなわち、実施例の表示装置17には、1つの停止図柄有効ラインが設定されている。
【0042】
また、前記表示装置17の各図柄列26a,26b,26cにおける飾図の表示領域は、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bに比較して大きな領域で構成されて、特図に比較して飾図が遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、表示装置17の停止図柄有効ラインに停止表示された図柄組み合わせから大当りまたははずれを認識できる。
【0043】
前記表示装置17には、図柄変動演出の開始と共に予め定めた変動方向(実施例では上から下の縦方向)に沿って飾図が移動するよう変動表示されるようになっており、予め定められた停止順序で変動表示されている飾図が各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27に確定停止表示されるようになっている。飾図の「確定停止」とは、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて有効停止位置27に飾図が所定の特図変動インターバル時間に亘って継続して停止表示された状態である。なお、実施例では、各始動入賞検知センサ34,35の検知に基づく図柄変動演出(特図変動表示)の特図変動インターバル時間として600ms(ミリ秒)が設定されている。
【0044】
ここで、第1特図表示部50Aと表示装置17では、第1特図変動表示と該第1特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図1と飾図とが確定停止表示される。同様に、第2特図表示部50Bと表示装置17では、第2特図変動表示と該第2特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図2と飾図とが確定停止表示される。
【0045】
前記表示装置17は、画像を表示可能な複数のレイヤを積層表示することで、任意の画像を表示し得るよう構成されている。すなわち、表示する画像を複数層のレイヤに分けて積層表示し、背景等を表示する不透明なレイヤの前側のレイヤに遊技者に視認させたい画像を表示すると共に、遊技者に視認させたくない画像を不透明なレイヤの後側のレイヤに表示することで、遊技者に視認させたい画像のみを表示部17aに視認可能に表示することができる。なお、このようなレイヤを用いた画像処理においては、不透明なレイヤの後側のレイヤに表示される画像は、遊技者には視認不能な状態となっていることから、遊技者にとっては実行されていないことに等しい状態となる。
【0046】
(特定可変表示部54A,54Bについて)
前記パチンコ機10には、前記特図表示部50A,50Bでの特図変動表示に同期して識別情報を可変表示させる特定可変表示部54A,54Bが設けられている。特定可変表示部54A,54Bは、前記第1特図表示部50Aでの第1特図変動表示に同期して識別情報を可変表示させる第1特定可変表示部54Aと、前記第2特図表示部50Bでの第2特図変動表示に同期して識別情報を可変表示させる第2特定可変表示部54Bとからなる。すなわち、第1特定可変表示部54Aでは、第1特図表示部50Aでの第1特図変動表示の開始に伴い識別情報の可変表示が開始され、第1特図変動表示が停止して特図1が確定停止表示されるのに伴って識別情報が停止表示される。また、第2特定可変表示部54Bでは、第2特図表示部50Bでの第2特図変動表示の開始に伴い識別情報の可変表示が開始され、第2特図変動表示が停止して特図2が確定停止表示されるのに伴って識別情報が停止表示される。なお、第1特定可変表示部54Aに表示される識別情報については、前記特図1(特別図柄)、飾図(演出図柄)および普図(普通図柄)に次ぐ第4図柄と指称する場合があり、第2特定可変表示部54Bに表示される識別情報については、前記特図2(特別図柄)、飾図(演出図柄)および普図(普通図柄)に次ぐ第5図柄と指称する場合がある。
【0047】
実施例のパチンコ機10では、前記表示装置17における表示部17aの所定位置に、第1および第2特定可変表示部54A,54Bが設けられ、当該特定可変表示部54A,54Bにおいて第4および第5図柄を可変表示し得るよう構成されている(図7,図8参照)。例えば、ランプを模した画像の点灯と消灯を一定間隔で繰り返す点滅によって第4および第5図柄(特図1,2)の可変状態(特図1,2の変動表示状態)を表し、点灯状態を継続することで第4および第5図柄(特図1,2)の停止状態(特図1,2の確定停止状態)を表わし得るよう構成されている。また、第1および第2特定可変表示部54A,54Bでは、点灯色(表示色)によって、対応する特図表示部50A,50Bに確定停止表示された大当り図柄またははずれ図柄を識別可能に表示し得るようになっている。例えば、特図表示部50A,50Bに大当り図柄が確定停止表示された場合は、特定可変表示部54A,54Bが赤色で点灯され、特図表示部50A,50Bにはずれ図柄が確定停止表示された場合は、特定可変表示部54A,54Bが白色で点灯される。すなわち、特定可変表示部54A,54Bは、特図表示部50A,50Bでの特別図柄の変動表示中および特別図柄の停止中において、識別情報の可変状態および停止状態を表示し得るよう構成されている。言い替えると、特定可変表示部54A,54Bの状態によって、特図表示部50A,50Bにおいて特別図柄の変動表示中であるのか特別図柄の停止中であるのかを認識し得るようになっている。
【0048】
前記第1および第2特定可変表示部54A,54Bは、前記表示部17aの前側を移動する可動体等の遊技部品によって覆われることのない領域に設けられており、該第1および第2特定可変表示部54A,54Bの状態を確認することで、特図変動表示中であるのか否かを認識し得るよう構成されている。
【0049】
なお、前記第1および第2特定可変表示部54A,54Bにおいて、点灯色(表示色)を一定周期で変化することで、第4および第5図柄の可変状態を表わすことができる。また、第1および第2特定可変表示部54A,54Bを、遊技盤20や枠状装飾体25等の固定部に設けたランプやLED等の発光体で構成し、該発光体の発光態様(点滅、点灯、点灯色)によって、第4および第5図柄の可変状態、停止状態および確定停止された特図の種類(大当り抽選の結果)を表示するようにしてもよい。
【0050】
(大当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ機10で付与される大当り遊技について説明する。大当り遊技は、特図変動表示の結果として第1特図表示部50Aまたは第2特図表示部50Bに大当り図柄が確定停止表示された後に開始されるよう設定されており、当選した大当り遊技(大当り図柄)の種類に応じて特別入賞部40の特別用開閉部材40bが特別入賞ソレノイド42によって開閉動作される。大当り遊技では、特別入賞部40の特別用開閉部材40bを開放するラウンド遊技を規定ラウンド数(例えば6回、10回等)だけ実行することで、大当り遊技が終了するようになっている。1回のラウンド遊技は、特別入賞口40aに規定個数(例えば9個)のパチンコ球が入賞するか、あるいは各ラウンド遊技の開始から規定時間(ラウンド時間)が経過することで終了する。なお、大当り遊技における各ラウンド遊技の間は、所定時間(ラウンド時間より短かい時間)だけ特別用開閉部材40bが閉鎖状態で保持されるラウンド間インターバル時間が設定されている。また、メイン制御CPU60aは、大当り遊技が付与されている間は、メイン制御RAM60cに記憶される大当りフラグに「1」を設定し、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている大当りフラグが「1」となっている場合に、大当り遊技中であることを認識し得るようになっている。なお、大当り遊技が終了すると、メイン制御CPU60aは、大当りフラグに「0」を設定する。
【0051】
(確変状態について)
実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第1特典遊技状態を付与する機能を備えている。第1特典遊技状態としては、前記特別入賞口40aへのパチンコ球の入賞契機が、当該第1特典遊技状態が付与されていない状態に較べて増加する状態である。具体的には、第1特典遊技状態では、特図当り確率を低確率から高確率に変動することにより特別入賞口40aへのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。以下の説明では、第1特典遊技状態を、便宜的に「確変状態」というものとする。確変機能は、確定停止表示された大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた確変図柄(特定図柄)であることを条件として、大当り遊技の終了後に大当りの抽選確率(大当り確率)を低確率から高確率に変動させる確変状態を付与する機能である。また、メイン制御CPU60aは、確変状態が付与されている間は、メイン制御RAM60cに記憶される確変フラグに「1」を設定し、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている確変フラグが「1」となっている場合に、確変状態中であることを認識し得るようになっている。なお、確変状態の終了条件が成立すると、メイン制御CPU60aは、確変フラグに「0」を設定する。
【0052】
(変短状態について)
また、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第2特典遊技状態(第2の遊技状態)を付与する機能を備えている。第2特典遊技状態としては、前記第2始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞契機が、当該第2特典遊技状態が付与されていない状態(第1の遊技状態)と較べて増加する入賞率向上状態である。具体的には、第2特典遊技状態では、(1)普図変動表示の変動時間の短縮、(2)普図当り確率を低確率から高確率に変動、(3)普図当り1回についての第2始動入賞口31aを開放する始動用開閉部材31bの開放時間を増やすこと、により第2始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。なお、第2特典遊技状態では、上記(1)〜(3)を単独または複数を組み合わせることができる。実施例では、第2特典遊技状態を変短状態と指称する。また、メイン制御CPU60aは、変短状態が付与されている間は、メイン制御RAM60cに記憶される変短フラグに「1」を設定し、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている変短フラグが「1」となっている場合に、変短状態中であることを認識し得るようになっている。なお、変短状態の終了条件が成立すると、メイン制御CPU60aは、変短フラグに「0」を設定する。
【0053】
(パチンコ機の制御構成について)
次に、パチンコ機10の制御構成について説明する。実施例のパチンコ機10には、図3に示す如く、パチンコ機10を全体的に制御する制御手段としてのメイン制御基板(メイン制御手段)60と、該メイン制御基板60からの制御信号に基づいて各制御対象を制御する制御手段としてのサブ制御基板(サブ制御手段)65,70とが設けられている。すなわち、メイン制御基板60では、パチンコ機10に備えられた各種検知センサ(検知手段)からの検知信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板65,70に出力されるようになっている。
【0054】
また、実施例のパチンコ機10には、サブ制御基板として、遊技演出を全体的に制御する演出制御基板65と、表示装置17での表示内容を制御する表示制御基板70と、パチンコ機10が備える各種発光演出手段(ランプ装置18等)の発光制御を行うランプ制御基板72と、パチンコ機10が備えるスピーカ19の音出力制御を行う音制御基板73とを備えている。すなわち、メイン制御基板60が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、前記演出制御基板65が表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄組合せ演出や発光演出、音声演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。ここで、表示制御基板70は、演出制御基板65から出力された制御コマンド(制御信号)に基づいて、表示装置17に表示される図柄(飾図)や背景画像等の図柄変動演出(図柄組合せ演出)の表示内容を制御するよう構成される。また、ランプ制御基板72は、演出制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ機10が備える各種発光演出手段の点灯・消灯のタイミングや、発光強度等を制御するものである。そして、音制御基板73は、演出制御基板65から出力された制御コマンド(制御信号)に基づき、パチンコ機10が備える各種スピーカ19からの音声出力のタイミングや出力内容等を制御する。
【0055】
(メイン制御基板60について)
前記メイン制御基板60は、図3に示す如く、制御処理を実行するメイン制御CPU60a、該メイン制御CPU60aが実行する制御プログラムを記憶するメイン制御ROM60b、当該メイン制御CPU60aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なメイン制御RAM60c等が備えられている。そして、前記第1始動入賞検知センサ34、第2始動入賞検知センサ35、特別入賞検知センサ44、普通入賞検知センサ47、ゲートセンサ49、振動検知センサ200、電波検知センサ201、磁気検知センサ202、満杯検知センサ203等の各種センサが前記メイン制御CPU60aに接続されている。また、メイン制御CPU60aには、前記第2始動入賞口31aを開閉する始動用開閉部材31bに連繋する始動入賞ソレノイド32および特別入賞口40aを開閉する特別用開閉部材40bに連繋する特別入賞ソレノイド42が接続されており、該メイン制御CPU60aでの制御処理結果に基づいて各ソレノイド32,42を駆動させることで、対応する開閉部材31b,40bが開閉するようになっている。そして、メイン制御CPU60aは、大当り遊技の種類に応じた開閉態様で特別開閉部材40bが開閉するよう前記特別入賞ソレノイド42を駆動制御するよう構成されると共に、前記普図当り抽選に当選した場合には予め定められた開閉態様で始動用開閉部材31bが開閉するよう前記始動入賞ソレノイド32を駆動制御するよう構成される。
【0056】
前記メイン制御CPU60aは、前記第1および第2始動入賞口30a,31aへパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1および第2始動入賞検知センサ34,35がパチンコ球を検知したこと)を契機として入賞情報としての各種乱数を取得するよう設定されている。そして、メイン制御CPU60aは、取得した入賞情報に基づいて特図当り抽選(当り判定)を行い、該特図当り抽選に当選した場合は、遊技者に与える価値が異なる複数種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与されるよう構成される。また、メイン制御CPU60aは、前記ゲート部48をパチンコ球が通過したこと(より具体的にはゲートセンサ49がパチンコ球を検知したこと)を契機として通過検知情報としての各種乱数を取得するよう設定されている。そして、メイン制御CPU60aは、取得した入賞情報に基づいて普図当り抽選(普図当り判定)を行い、該普図当り抽選に当選した場合は、普図当り遊技を付与するよう構成される。なお、メイン制御CPU60aは、普図当り遊技が付与されている間は、メイン制御RAM60cに記憶される普図当りフラグに「1」を設定し、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている普図当りフラグが「1」となっている場合に、普図当り遊技中であることを認識し得るようになっている。なお、普図当り遊技が終了すると、メイン制御CPU60aは、普図当りフラグに「0」を設定する。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。具体的には、大当り遊技が付与されていることを示す大当り情報(大当りフラグ)、普図当り遊技が付与されていることを示す普図当り情報(普図当りフラグ)、確変状態が付与されていることを示す確変情報(確変フラグ)、変短状態が付与されていることを示す変短情報(変短フラグ)等の遊技の進行に係る各種の遊技情報や後述するエラー情報がメイン制御RAM60cに書き換え可能に記憶される。すなわち、メイン制御RAM60cは、各種情報を書き換え可能に記憶する記憶手段としての機能を有している。
【0057】
(特図変動パターンについて)
前記メイン制御ROM60bには、複数種類の特図変動パターンが記憶されている。前記特図変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから確定停止表示されるまでの間に実行される演出内容(図柄変動演出の表示内容、発光演出態様、音声演出態様)の基本的なベースとなる内容を特定するものである。また、特図変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから特図1または特図2が確定停止表示されるまでの変動時間(図柄変動演出および特図変動表示の時間)を特定している。
【0058】
(演出制御基板について)
前記演出制御基板65には、演出制御CPU65aが備えられている。該演出制御CPU65aには、図3に示す如く、演出制御ROM65bおよび演出制御RAM65cが接続されている。また、演出制御CPU65aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を演出制御RAM65cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。すなわち、演出制御RAM65cは、各種情報を書き換え可能に記憶する記憶手段としての機能を有している。
【0059】
ここで、前記演出制御ROM65bには、図柄変動演出において実行する具体的な演出内容を特定する演出パターンが記憶されている。前記演出パターンは前記特図変動パターンに対応付けられており、メイン制御CPU60aにより決定された特図変動パターンに基づいて対応する演出パターンを演出制御CPU65aが決定するようになっている。すなわち、演出制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aが取得した入賞情報(乱数値)に基づいて、前記表示装置17で行わせる図柄変動演出の演出内容を決定する演出内容決定手段として機能するよう構成されている。また、演出パターンには、図柄変動演出において各図柄表示列26a,26b,26cの飾図の停止タイミングが定められており、該演出パターンで定められる停止タイミングに従って各列に飾図が停止されると共に、該飾図の停止に合わせてスピーカ19から適宜の効果音が出力されたり、ランプ装置18が適宜の発光を行ったりするようになっている。なお、前記演出パターンは、前記特図変動パターンに対して一対一の関係で対応付けられたものではなく、1つの特図変動パターンに対して1つまたは複数の演出パターンが対応付けられており、特図変動パターンに対応した演出パターンの中から1つの演出パターンを演出制御CPU65aが決定するよう構成されている。また、演出制御CPU65aは、表示装置17に設けられた前記特定可変表示部54A,54Bについて、前述したように対応する特図表示部50A,50Bでの特図変動表示に同期して識別情報を可変表示させるように表示装置17を制御するようになっている。
【0060】
前記演出制御ROM65bには、表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を統括的に制御するための演出制御プログラムが記憶されている。演出制御CPU65aは、各種制御コマンドを入力すると、当該演出制御プログラムに基づき各種制御を実行する。
【0061】
(表示制御基板70について)
次に、図3に基づき表示制御基板70について説明する。表示制御基板70には、表示制御CPU70aが備えられている。該表示制御CPU70aには、表示制御ROM70bおよび表示制御RAM70cが接続されている。また、表示制御基板70(表示制御CPU70a)には、表示装置17が接続されている。表示制御ROM70bには、表示装置17の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、表示制御ROM70bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。更に、表示制御RAM70cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
【0062】
ここで、前記表示制御ROM70bには、画像データとして、後述する各種エラーを報知する画像データが記憶されている。具体的には、「メイン基板エラー」に対応する「メイン基板エラー」および「係員をお呼び下さい」の文字を表示する画像データ、「磁気検知センサエラー」に対応する「磁気検知センサエラー」および「係員をお呼び下さい」の文字を表示する画像データ、「電波検知センサエラー」に対応する「電波検知センサエラー」および「係員をお呼び下さい」の文字を表示する画像データ、「振動検知センサエラー」に対応する「振動検知センサエラー」の文字を表示する画像データ、「満杯エラー」に対応する「球を抜いて下さい」の文字を表示する画像データ、「右打ちエラー」に対応する「左打ちに戻して下さい」の文字を表示する画像データの夫々が表示制御ROM70bに記憶されている(図7,図8参照)。また、表示制御ROM70bには、後述する電源断後の復電時において復電処理が実行された旨を示す復電処理実行報知に対応する画像データとして、「復電処理が実行されました」の文字を表示する画像データが記憶されている(図9参照)。
【0063】
(払出制御基板90について)
図3に示す如く、前記払出制御基板90には、外部端子板92が接続されていると共に、該外部端子板92に設けられた出力端子にホールコンピュータHCが接続されるようになっている。そして、メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)は、払出制御基板90および外部端子板92の出力端子を介してホールコンピュータHCに対して、パチンコ機10の動作状態やエラー情報等の各種の情報を出力可能に構成されている。
【0064】
(電源基板100について)
前記パチンコ機10には、遊技場の外部電源(例えば、AC24V)から各部の必要電源電圧を生成して、パチンコ機10を構成する各種構成部材に供給する電源基板100が配設されている。この電源基板100には、図3に示す如く、パチンコ機10に供給する電源のON−OFFを切り替える電源スイッチ101と、制御RAM60c,65cを初期化(クリア)させるためのクリアスイッチ102が設けられている。また電源基板100には、前記電源スイッチ101に接続し、該電源スイッチ101のON−OFFの切り替えに応じてメイン制御基板60に電源ON信号、電源OFF信号を出力する電源断監視回路103が設けられると共に、前記クリアスイッチ102に接続するクリアスイッチ回路104が設けられている。実施例では、クリアスイッチ102をON操作した状態で電源スイッチ101をON操作したときに限り、クリアスイッチ回路104からメイン制御基板60、演出制御基板65にクリア信号を出力し、該クリア信号を受けたメイン制御基板60、演出制御基板65がメイン制御RAM60c、演出制御RAM65cを初期化するクリア処理を行うよう設定される。すなわち、実施例では、電源スイッチ101、クリアスイッチ回路104およびクリアスイッチ102からクリア手段が構成される。なお、クリアスイッチ回路104とクリアスイッチ102とからクリア手段を構成し、クリアスイッチ102をON操作したときにクリアスイッチ回路104からメイン制御基板60、演出制御基板65にクリア信号を出力する構成を採用し得る。また、以後の説明において、クリア処理が実行されることを、「RAMクリア」と指称する場合がある。
【0065】
ここで、前記クリアスイッチ102をON操作した状態で電源スイッチ101をON操作することで電力供給が開始(電源投入)されてから、クリア処理が可能となるまでに所定のタイムラグ(数秒)があり、実施例では、エラーの1種類として設定された「RAMクリア」が発生した場合に、該「RAMクリア」が発生したことを報知する後述するRAMクリア報知は、前記タイムラグの経過後から予め設定された時間(実施例では30秒)の間継続するよう構成されている。なお、RAMクリア報知の開始を、電源投入時とすることができる。
【0066】
図3に示す如く、前記電源基板100には、遊技場の外部電源(AC24V)をパチンコ機10の各種電気部品へ供給される電源電圧(例えば、DC30V)に変換処理する電源回路(電源手段)105が設けられている。電源回路105には、各制御基板60,65,70,90が接続されており、該電源回路105は、変換処理された後の電源電圧を各制御基板60,65,70,90に対応する供給すベき所定の電源電圧に変換処理し、変換後の電源電圧を対応する制御基板60,65,70,90に供給するよう構成される。なお、電源回路105から各制御基板60,65,70,90に供給された電源電圧が、各制御基板60,65,70,90に配線接続される各種の電気機器に供給される。
【0067】
前記電源基板100には、前記電源回路105に接続する前記電源断監視回路103が設けられ、該電源断監視回路103は、電源回路105に供給される電源電圧(以下、監視電源電圧という場合もある)の電圧値を監視するよう構成される。具体的には、電源断監視回路103は、監視電源電圧が所定の電圧(以下、閾値電圧という場合もある)に降下したか否かを判定する。なお、この閾値電圧は、遊技に支障を来たすことなくパチンコ機10の電気部品(例えば、検知センサ)を動作させるために最低限必要な電圧(例えば、DC20V)とされる。ここで、監視電源電圧が閾値電圧に降下するのは、例えば、電源断(電源OFF)時や停電時の場合である。この場合、パチンコ機10に電力が供給されなくなってしまうため、監視電源電圧が閾値電圧に降下する。なお、閾値電圧は、電気部品が動作停止する電圧に対して所定のマージンだけ高い値に設定されている。
【0068】
前記電源基板100には、前記電源断監視回路103に接続するリセット信号回路106が設けられている。電源断監視回路103は、判定結果が肯定(すなわち、監視電源電圧が閾値電圧以下となった状態)である場合に、メイン制御基板60、演出制御基板65およびリセット信号回路106に対して監視電源電圧が閾値電圧に降下したことを示す電源断信号を出力するよう構成される。また、リセット信号回路106は、電力供給の開始時(電源投入時や停電解消による復電時)および電源断信号の入力時に、メイン制御基板60、演出制御基板65、表示制御基板70および払出制御基板90に対してリセット信号を出力し、メイン制御基板60、演出制御基板65、表示制御基板70および球払出装置91の動作を規制するようになっている。
【0069】
前記電源基板100には、コンデンサ等のバックアップ電源107が設けられ、パチンコ機10の主電源が切断されて電力の供給が停止した場合(電源スイッチ101のOFFや停電等により外部電源からの電力供給の遮断により電源断監視回路103からの電源断信号が出力された場合)には、バックアップ電源107からメイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aに電力が供給される。バックアップ電源107は、両制御CPU60a,65aが、対応する制御RAM60c,65cに記憶されている各種情報を後述するバックアップエリアに記憶(書き込み)するのに要する時間に亘って電力を供給し得るよう構成されている。また、両制御RAM60c,65cでは、電力供給が遮断された後もバックアップエリアに記憶されている各種情報は保持し得るよう構成されている。
【0070】
(復電処理に関する構成について)
前記メイン制御RAM60cおよび演出制御RAM65cには、パチンコ機10の動作中に前記各種情報を一時的に記憶するために用いられる常用記憶エリアの他に、バックアップエリアが設けられている。このバックアップエリアは、停電等によって電力供給が遮断された場合において、電力供給の開始時(復電時)にパチンコ機10の状態を電力供給の遮断時の状態に復帰させるべく、電力供給の遮断時の各種情報を記憶しておくためのエリアである。実施例では、乱数(保留内容)、保留数、特図、普図、タイマ値、フラグ(確変フラグや変短フラグ)等の遊技状態を特定可能な遊技情報やエラー情報等の各種情報(制御情報)が、パチンコ機10の動作中には常用記憶エリアに記憶されると共に、電力供給が遮断された場合においては該常用記憶エリアに記憶されている各種情報がバックアップエリアに記憶されるようになっている。また、バックアップエリアへの記憶(書き込み)は、電力供給の遮断時(電源断信号の入力時)の電源断処理において実行され、該バックアップエリアに記憶された各種情報の読み出し(常用記憶エリアへの記憶)は、電力供給の開始時(復電時)の復電処理において実行される。
【0071】
また、メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aには、電源基板100のバックアップ電源107が接続されている。そして、メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aは、監視電源電圧の遮断時(閾値電圧への降下)において、バックアップ電源107から供給される電源電圧(例えば、DC5V)によって動作が保証されている間に、メイン制御RAM60cおよび演出制御RAM65cの常用記憶エリアに記憶されている各種情報をバックアップエリアに記憶し、電源回路105からの電力供給の遮断後も各種情報を記憶保持し得るように構成されている。すなわち、電力供給の遮断時におけるパチンコ機10の遊技状態、すなわち確変状態や変短状態が付与されているか否か、大当り遊技中であるか否か、保留数等、各種情報をバックアップすることが可能となっている。実施例では、メイン制御RAM60cおよび演出制御RAM65cが、電源回路105からの電力供給が遮断されるときの遊技情報を記憶して電力供給の遮断後も保持するバックアップ手段としての機能を有している。
【0072】
(電源断処理について)
次に、電力供給が遮断された際に、メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aが実行する電源断処理について説明する。
【0073】
メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aは、電源断監視回路103からの電源断信号が入力されると、対応する制御RAM60c,65cに記憶された制御プログラムのうちの電源断処理プログラムに基づき、電源断処理を実行する。前記電源断監視回路103は、監視電源電圧が閾値電圧まで降下したタイミングにおいて、メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aおよびリセット信号回路106に電源断信号を出力する。これにより、パチンコ機10の各種構成部材が動作不能となる前に、メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aが夫々電源断処理を実行する。
【0074】
電源断処理では、電源基板100のバックアップ電源107からメイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aに電力が供給されるもとで、各制御CPU60a,65aは、対応する制御RAM60c,65cの常用記憶エリアに記憶保持されている各種制御情報を、制御RAM60c,65cのバックアップエリアに記憶保持させる。次に、各制御CPU60a,65aは、対応する制御RAM60c,65cへのアクセスを禁止し、リセット信号回路106からのリセット信号の入力を待機する。そして、各制御CPU60a,65aは、リセット信号が入力されると、制御CPU60a,65aの動作を規制する。そして、電力供給が遮断した後は、電源断処理によってバックアップエリアに記憶された各種情報がバックアップデータとして記憶保持される。
【0075】
(電源投入時の処理について)
パチンコ機10へ電源投入(電力供給の開始)された場合は、前記リセット信号回路106は、所定の規制時間が経過するまでの間、メイン制御CPU60a、演出制御CPU65aに対してリセット信号を継続出力する。メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aは、一旦入力されたリセット信号の入力が停止すると、対応する制御ROM60b,65bに記憶されている電源投入処理プログラムに基づき、電源投入処理(復電処理)を実行する。この電源投入処理では、前記クリアスイッチ102が操作されているか否かを判定し、否定の場合は対応する制御RAM60c,65cに記憶保持されている各種制御情報に基づき電力供給の遮断時(前)の状態に復帰させる。また、電源投入処理において前記クリアスイッチ102が操作されていると判定された場合は、各制御RAM60c,65cに記憶保持されていた各種制御情報を消去(RAMクリア)する。電力供給の遮断前の状態に復帰した演出制御CPU65aは、演出制御RAM65cにて記憶管理されている制御情報を指定する各種制御コマンドを表示制御CPU70aに出力する。そして、表示制御CPU70aは、演出制御CPU65aからの入力された制御コマンドに基づいて表示装置17の表示内容を制御する。
【0076】
前記電源投入処理プログラムに基づき実行される電源投入処理について、図5に基づき説明する。電源投入処理では、電力供給が開始(電源スイッチ101のON操作および停電解消による電力供給の再開)された場合(ステップA10)、制御CPU60a,65aは、ステップA11でクリアスイッチ102がONか否かを判定する。そして、ステップA11の判定結果が肯定の場合、すなわちクリアスイッチ102がON操作された場合は、制御CPU60a,65aは対応する制御RAM60c,65cに記憶保持されている各種制御情報を消去(初期化)し(ステップA12)、電源投入処理を終了する。一方、ステップA11の判定結果が否定の場合、すなわちクリアスイッチ102がON操作されていない場合には、制御CPU60a,65aは、対応する制御RAM60c,65cに記憶保持されている各種制御情報に基づき電力供給の遮断時(前)の状態に復帰させ(ステップA13)、電源投入処理を終了する。言い替えると、電源スイッチ101のON操作や停電からの復電時に外部電源からの電力供給が開始されて、電源断監視回路103から出力された電源ON信号のみが制御CPU60a,65aに入力された場合は、制御CPU60a,65aは、対応する制御RAM60c,65cに記憶保持されている各種制御情報(バックアップデータ)に基づき電力供給の遮断時(前)の状態に復帰させる一方で、前記クリアスイッチ回路104から出力されたクリア信号が制御CPU60a,65aに入力された場合は、制御CPU60a,65aは対応する制御RAM60c,65cに記憶保持されている各種制御情報を消去する初期化処理を実行する。
【0077】
(エラーについて)
次に、実施例のパチンコ機10に発生するエラーについて説明する。実施例では、図4に示す如く、9種類のエラーを例示して説明するが、該エラーの数や種類はこれに限られるものではない。図4に示す如く、各エラーは、複数の(実施例では3つ)のエラー群に分類されている。第1種エラーは、主にパチンコ機10に対して行われる不正行為の検知に基づくエラーであり、第2種エラーは、パチンコ機10の機器故障に基づくエラーであり、第3種エラーは、当該パチンコ機10での遊技中に発生する不具合に基づくエラーである。ここで、実施例では、第1種エラーとして、前記始動入賞検知センサ35のエラー状態に基づく「普通電動役物不正入賞エラー」と、「特別電動役物不正入賞エラー」と、前記特別入賞検知センサ44のエラー状態に基づく「振動検知センサエラー」と、前記電波検知センサ201のエラー状態に基づく「電波検知センサエラー」と、前記磁気検知センサ202のエラー状態に基づく「磁気検知センサエラー」の5種類のエラーが設定されている。また、第2種エラーとして、RAMエラーに基づく「RAMエラー」と、メイン基板のエラーに基づく「メイン基板エラー」とが設定されている。また、第3種エラーとして、右打ちの誤操作に基づく「右打ちエラー」と、満杯エラーの発生に基づく「満杯エラー」とが設定されている。そして、実施例のパチンコ機10には、第1種エラーの各エラーに対応した複数の検知手段と、前記第2種エラーおよび第3種エラーの各エラーに対応し、該第1種エラーのエラーに対応した複数の検知手段から独立した別の検知手段とが設けられている。
【0078】
また、実施例のパチンコ機10では、第1種エラーにおいて、メイン制御基板60のメイン制御CPU60aが、予め定められた時間毎に実行する後述のエラー判定処理において、前記5種類のエラーが発生したか否かを1つずつ判定して、最後に発生を検知したエラーに対応した1つのエラーコマンドを設定して、当該設定したエラーコマンドを演出制御基板65の演出制御CPU65aへ出力するようになっている。また、第2種エラーおよび第3種エラーにおいては、メイン制御基板60のメイン制御CPU60aが、前記4種類のエラーの発生を個別に検知すると共に、発生したエラーに対応するエラーコマンドを個別に設定して、当該設定したエラーコマンドを演出制御基板65へ出力するようになっている。すなわち、メイン制御CPU60aは、エラー判定手段としての機能を備えている。
【0079】
(磁気検知センサエラーについて)
第1種エラーの前記「磁気検知センサエラー」は、前記磁気検知センサ(検知手段)202が、検知対象である磁気を検知した場合のエラーである。具体的には、磁気検知センサ202が、磁気を所定時間(例えば、300ms)に亘り連続して検知したことを検知条件(予め定めた検知条件)として、この検知条件が成立した場合に、メイン制御CPU60aが「磁気検知センサエラー」が発生したと判定するようになっている。そして、メイン制御CPU60aは、エラー判定処理において「磁気検知センサエラー」が発生したと判定した場合に、該「磁気検知センサエラー」に対応するエラーコマンドとして「磁気検知センサエラー指定コマンド」を設定する。
【0080】
(電波検知センサエラーについて)
第1種エラーの前記「電波検知センサエラー」は、前記電波検知センサ(検知手段)201が、検知対象である電波を検知した場合のエラーである。具体的には、電波検知センサ201が、電波を所定時間の間に所定回数(例えば、10回)検知したことを検知条件(予め定めた検知条件)として、この検知条件が成立した場合に、メイン制御CPU60aが「電波検知センサエラー」が発生したと判定するようになっている。そして、メイン制御CPU60aは、エラー判定処理において「電波検知センサエラー」が発生したと判定した場合に、該「電波検知センサエラー」に対応するエラーコマンドとして「電波検知センサエラー指定コマンド」を設定する。
【0081】
(振動検知センサエラーについて)
第1種エラーの前記「振動検知センサ」は、前記振動検知センサ(検知手段)200が、検知対象である振動を検知した場合のエラーである。具体的には、振動検知センサ200が、特定の条件下において振動を所定時間(例えば、200ms)に亘り連続して検知したことを検知条件(予め定めた検知条件)として、この検知条件が成立した場合に、メイン制御CPU60aが「振動検知センサエラー」が発生したと判定するようになっている。そして、メイン制御CPU60aは、エラー判定処理において「振動検知センサエラー」が発生したと判定した場合に、該「振動検知センサエラー」に対応するエラーコマンドとして「振動検知センサエラー指定コマンド」を設定する。
【0082】
(特別電動役物不正入賞エラーについて)
第1種エラーの前記「特別電動役物不正入賞エラー」は、大当り遊技が付与されている場合にのみ作動する特別入賞ソレノイド42が作動中でない状態で前記特別入賞検知センサ(検知手段)44が、検知対象であるパチンコ球を検知した場合の特別エラーである。この「特別電動役物不正入賞エラー」は、特別入賞ソレノイド42が作動中でない状態(メイン制御CPU60aから特別入賞検知センサ44に対して駆動信号が出力されていない状態、特別入賞ソレノイド42の非励磁状態)で、特別入賞検知センサ44がパチンコ球を検知したことを検知条件(予め定めた検知条件)として、この検知条件が成立した場合に、メイン制御CPU60aが「特別電動役物不正入賞エラー」が発生したと判定するようになっている。そして、メイン制御CPU60aは、エラー判定処理において「特別電動役物不正検知エラー」が発生したと判定した場合に、該「特別電動役物不正検知エラー」に対応するエラーコマンドとして「特別電動役物不正入賞エラー指定コマンド」を設定する。
【0083】
(普通電動役物不正入賞エラーについて)
第1種エラーの前記「普通電動役物不正入賞エラー」は、普図当り遊技が付与されている場合にのみ作動する始動入賞ソレノイド32が作動中でない状態で前記第2始動入賞検知センサ(検知手段)35が、検知対象であるパチンコ球を検知した場合のエラーである。この「普通電動役物不正入賞エラー」は、始動入賞ソレノイド32が作動中でない状態(メイン制御CPU60aから始動入賞ソレノイド32に対して駆動信号が出力されていない状態、始動入賞ソレノイド32の非励磁状態)で、第2始動入賞検知センサ35が規定個数以上のパチンコ球を検知したことを検知条件(予め定めた検知条件)として、この検知条件が成立した場合に、メイン制御CPU60aが「普通電動役物不正入賞エラー」が発生したと判定するようになっている。そして、メイン制御CPU60aは、「普通電動役物不正検知エラー」が発生したと判定した場合に、該「普通電動役物不正検知エラー」に対応するエラーコマンドとして「普通電動役物不正入賞エラー指定コマンド」を設定する。
【0084】
(RAMクリアについて)
第2種エラーの前記「RAMクリア」は、遊技の進行に係る遊技情報を記憶している記憶手段(メイン制御RAM60c、演出制御RAM65c等)の記憶情報を消去(クリア)する初期化処理を実行するために、RAMクリア操作(クリアスイッチ102を押しながら電源スイッチ101をONする操作)が行われたことを条件としてメイン制御CPU(別の検知手段)60aが発生したと判定するエラーである。そして、メイン制御CPU60aは、「RAMクリア」が発生したと判定した場合に、「RAMクリア」が発生したことを示すエラーコマンドとして「RAMクリア指定コマンド」を設定して、当該RAMクリア指定コマンドを演出制御基板65の演出制御CPU65a)に出力するよう構成されている。
【0085】
(メイン基板エラーについて)
第2種エラーの前記「メイン基板エラー」は、メイン制御基板60が備えるメイン制御CPU60aに異常が発生した場合のエラーである。具体的には、メイン制御CPU60aが備える乱数回路が乱数確認信号を正常に出力しているか否かをメイン制御CPU(別の検知手段)60aが監視し、乱数確認信号が正常に出力されていない場合に、メイン制御CPU60aが「メイン基板エラー」が発生したと判定する。そして、メイン制御CPU60aは、「メイン基板エラー」が発生したと判定した場合に、「メイン基板エラー」が発生したことを示すエラーコマンドとして「メイン基板エラー指定コマンド」を設定して、該「メイン基板エラー指定コマンド」を演出制御基板65の演出制御CPU65a)へ別個に出力するよう構成されている。
【0086】
(満杯エラーについて)
第3種エラーの前記「満杯エラー」は、前記満杯検知センサ(別の検知手段)203が上下の球受け皿14,15の満杯状態を検知した場合のエラーである。具体的には、満杯検知センサ203がON状態となり、該満杯検知センサ203からの検知信号(満杯検知信号)がメイン制御CPU60aに入力された場合に、該メイン制御CPU60aが「満杯エラー」が発生したと判定する。そして、メイン制御CPU60aは、「満杯エラー」が発生したと判定した場合に、「満杯エラー」が発生したことを示すエラーコマンドとして「満杯エラー指定コマンド」を設定して、該「満杯エラー指定コマンド」を演出制御基板65の演出制御CPU65a)へ別個に出力するよう構成されている。
【0087】
(右打ちエラーについて)
第3種エラーの前記「右打ちエラー」は、前記右打ちが推奨されない遊技状態において、パチンコ球が前記第2球流下経路75bを流下することを検知した場合のエラーである。具体的には、実施例のパチンコ機10における盤面構成では、大当り遊技や変短状態が付与されていない通常状態では、第2球流下経路75bにパチンコ球を流下させても遊技者にとってメリットがなく、通常状態において前記ゲートセンサ(別の検知手段)49が規定個数以上のパチンコ球を検知した場合に、メイン制御CPU60aが「右打ちエラー」が発生したと判定する。そして、メイン制御CPU60aは、「右打ちエラー」が発生したと判定した場合に、「右打ちエラー」が発生したことを示すエラーコマンドとして「右打ちエラー指定コマンド」を設定して、該「右打ちエラー指定コマンド」を演該出制御基板65(演出制御CPU65a)へ別個に出力するよう構成されている。
【0088】
「普通電動役物不正入賞エラー」の発生を検知する前記第2始動入賞検知センサ35、「特別電動役物不正入賞エラー」の発生を検知する前記特別入賞ソレノイド44、「振動検知センサエラー」の発生を検知する前記振動検知センサ200、「電波検知センサエラー」の発生を検知する前記電波検知センサ201、「磁気検知センサエラー」の発生を検知する前記磁気検知センサ202は、検知対象(パチンコ球、振動、電波、磁気)を検知している間のみ検知状態になり、該検知対象の検知が解除された際には非検知状態となる特性を有している。従って、第2始動入賞検知センサ35および特別入賞ソレノイド44は、パチンコ球を断続的に検知する回数を適切にカウントすることを可能とする。また、振動検知センサ200および磁気検知センサ202は、振動または磁気の連続発生時間を適切に計時することを可能とする。更に、前記電波検知センサ201は、電波を断続的に検知する回数を適切に適切にカウントすることを可能とする。
【0089】
(エラーの深刻度について)
ここで、図4に示すように、第1種エラーの前記5種類のエラーについては、エラーの判定順序におけるランク付けがなされている。このランク付けの基準は、各エラーを比較した場合のエラーの深刻度(軽微なエラーか、重大なエラーか)に基づいている。実施例では、エラーの深刻度について「1」〜「5」の数値でランク付けしており(図4参照)、深刻度が下位のエラー(軽微なエラー)ほど数値が小さく、深刻度が上位のエラー(重大なエラー)ほど数値が大きくなっている。すなわち、第1種エラーの5種類のエラーについては、「普通電動役物不正入賞エラー」が深刻度「1」、「特別電動役物不正入賞エラー」が深刻度「2」、「振動検知センサエラー」が深刻度「3」、「電波検知センサエラー」が深刻度「4」、そして「磁気検知センサエラー」が深刻度「5」に設定されている。なお、ここで規定している各エラーの深刻度は、当該パチンコ機10において遊技を行うに際して、遊技に支障を及ぼす割合に基づいて設定されるものである。また、エラー深刻度は、パチンコ機10の機種毎に独自に設定されるものであって、機種によって深刻度の順序が異なる場合もあり得る。
【0090】
(エラー判定処理について)
次に、前記第1種エラーにおける前記「普通電動役物不正入賞エラー」、「特別電動役物不正入賞エラー」、「振動検知センサエラー」、「電波検知センサエラー」および「磁気検知センサエラー」について、夫々のエラーが発生したか否かを判定するエラー判定処理について説明する。このエラー判定処理は、前記メイン制御基板60のメイン制御CPU60aが実行するようになっており、前記メイン制御ROM60bには、エラー判定処理実行プログラムが記憶されていて、該メイン制御CPU60aは、メイン制御ROM60bからエラー判定処理実行プログラムを読み出し、エラー判定処理実行プログラムに基づいてエラー判定処理を実行する。このエラー判定処理は、予め定められた時間毎(実施例では4ms(0.004秒毎))に実行される。すなわち、メイン制御CPU60aは、エラー判定処理を実行してエラーを判定するエラー判定手段としての機能を備えている。
【0091】
前記メイン制御CPU60aは、エラー判定処理実行プログラムに基づいて4ms毎に実行される各エラー判定処理において、前記「普通電動役物不正入賞エラー」、「特別電動役物不正入賞エラー」、「振動検知センサエラー」、「電波検知センサエラー」および「磁気検知センサエラー」について、1つずつ発生有無を順次判定するようになっている。すなわち、メイン制御CPU60aは、1回のエラー判定処理において前記5種類のエラーの発生有無を夫々判定して、1つまたは複数のエラーの発生を判定した場合に、発生したエラーに対応したエラーコマンドを設定する。そして、1回のエラー判定処理において、複数のエラーの発生を判定した場合には、既に先に設定したエラーコマンドが既にある場合に、後から設定されたエラーコマンドを、該先に設定したエラーコマンドに上書きして更新設定するようになっている。また、メイン制御CPU60aは、5種類のエラーの発生有無を順次判定した後の当該エラー判定処理の終期に、エラーコマンド設定されている場合には、当該設定されたエラーコマンドを前記演出制御基板65の演出制御CPU65aへ出力する処理を行うようになっている。更に、メイン制御CPU60aは、前記エラー判定処理の終期に、エラーコマンドが設定されている場合に、該エラーコマンドの出力と同時に、前記外部端子板92を介して外部機器である前記ホールコンピュータHCへセキュリティ信号を出力する処理を行うようになっている。
【0092】
(エラー判定順序について)
前記エラー判定処理では、前記第1種エラーにおける5種類のエラーについて、エラーの発生有無の判定順序が予め決められている。実施例では、各エラー毎に設定されている前記エラーの深刻度に基づいて、判定順序が予め決められている。すなわち、エラー判定処理では、エラーの深刻度が最下位のエラーから判定を開始し、以降はエラーの深刻度が最下位から2番目のエラー、最下位から3番目のエラー・・・の順で判定を行い、最後にエラーの深刻度が最上位のエラーの判定を行うように設定されている。すなわち、図6に示すように、エラーの深刻度の下位から、「普通電動役物不正入賞エラー」→「特別電動役物不正入賞エラー」→「振動検知センサエラー」→「電波検知センサエラー」→「磁気検知センサエラー」の判定順序で、5種類の各エラーの発生有無の判定を実行する。
【0093】
(エラーコマンドの設定について)
前記メイン制御CPU60aは、前記エラー判定処理において、前記判定順序に基づいて5種類のエラーの発生有無を順次判定する際にエラーの発生を判定した場合には、当該エラーの発生を判定した時点で、対応するエラーコマンドを設定するようになっている。具体的に、判定順序が1番目の「普通電動役物不正入賞エラー」の発生を判定した際には、エラーコマンドとして「普通電動役物不正入賞エラー指定コマンド」を設定する。判定順序が2番目の「特別電動役物不正入賞エラー」の発生を判定した際には、エラーコマンドとして「特別電動役物不正入賞エラー指定コマンド」を設定し、判定順序が3番目の「振動検知センサエラー」の発生を判定した際には、エラーコマンドとして「振動検知センサエラー指定コマンド」を設定する。また、判定順序が4番目の「電波検知センサエラー」の発生を判定した際には、エラーコマンドとして「電波検知センサエラー指定コマンド」を設定し、判定順序が5番目の「磁気検知センサエラー」の発生を判定した際には、エラーコマンドとして「磁気検知センサエラー指定コマンド」を設定する。
【0094】
(エラーコマンドの上書き設定について)
ここで、前記メイン制御CPU60aが実行するエラー判定処理では、発生したエラーに対応するエラーコマンドを設定する際に、既に先に判定したエラーに対応したエラーコマンドが設定されている場合には、後から設定されるエラーコマンドを、先に設定したエラーコマンドに上書きして更新設定するようになっている。具体的に、2番目の「特別電動役物不正入賞エラー」の発生を判定して「特別電動役物不正入賞エラー指定コマンド」を設定する際に、1番目の「普通電動役物不正入賞エラー」に対応した「普通電動役物不正入賞エラー指定コマンド」が既に設定されていた場合には、後から設定する該「特別電動役物不正入賞エラー指定コマンド」を、先に設定した該「普通電動役物不正入賞エラー指定コマンド」に上書きして更新設定する。また、3番目の「振動検知センサエラー」の発生を判定して「振動検知センサエラー指定コマンド」を設定する際に、1番目の「普通電動役物不正入賞エラー」に対応した「普通電動役物不正入賞エラー指定コマンド」または2番目の「特別電動役物不正入賞エラー」に対応した「特別電動役物不正入賞エラー指定コマンド」の何れかが既に設定されていた場合には、後から設定する該「振動検知センサエラー指定コマンド」を上書きして更新設定する。また、4番目の「電波検知センサエラー」の発生を判定して「電波検知センサエラー指定コマンド」を設定する際に、1番目の「普通電動役物不正入賞エラー」に対応した「普通電動役物不正入賞エラー指定コマンド」、2番目の「特別電動役物不正入賞エラー」に対応した「特別電動役物不正入賞エラー指定コマンド」または3番目の「振動検知センサエラー」に対応した「振動検知センサエラー指定コマンド」の何れかが既に設定されていた場合には、後から設定する「電波検知センサエラー指定コマンド」を上書きして更新設定する。更に、5番目の「磁気検知センサエラー」の発生を判定して「磁気検知センサエラー指定コマンド」を設定する際に、1番目の「普通電動役物不正入賞エラー」に対応した「普通電動役物不正入賞エラー指定コマンド」、2番目の「特別電動役物不正入賞エラー」に対応した「特別電動役物不正入賞エラー指定コマンド」、3番目の「振動検知センサエラー」に対応した「振動検知センサエラー指定コマンド」、または4番目の「電波検知センサエラー」に対応した「電波検知センサエラー指定コマンド」の何れかが既に設定されていた場合には、「磁気検知センサエラー指定コマンド」を上書きして更新設定する。
【0095】
すなわち、1回のエラー判定処理において複数のエラーの発生を判定した場合には、既に先に設定されているエラーコマンドに、後から設定されるエラーコマンドで上書きすることで、第1種エラーにおける5種類のエラーの判定が終了した時点では、最後に設定した1つのエラーコマンドの1つだけが、演出制御基板65へ出力されるエラーコマンドして設定される。換言すると、1回のエラー判定処理において複数のエラーの発生が判定された場合には、発生したエラーの内でエラーの深刻度が最も上位のエラーに対応したエラーコマンドが最終的に設定される。そして、メイン制御CPU60aは、エラー判定処理において、最後に設定されたエラーコマンドを演出制御基板65へ出力する処理を行い、当該エラー判定処理を終了する。一方、メイン制御CPU60aは、エラー判定処理において、前記5種類の各エラーの全てが発生していないと判定した場合に、エラーコマンドを演出制御基板65へ出力する処理を行うことなく当該エラー判定処理を終了する。
【0096】
このように、実施例では、前記メイン制御CPU60aが実行する1回のエラー判定処理において、第1種エラーにおける前記5種類のエラーの内で複数のエラーの発生を判定した場合に、より深刻度が上位のエラーに対応したエラーコマンドが最終的に設定され、より深刻度が上位のエラーのエラーコマンドを演出制御基板65へ出力することができる。また、実施例では、1回のエラー判定処理において、前記5種類のエラーの内の複数のエラーが同時に発生した場合に、既に先に設定されたエラーコマンドに、後から設定されるエラーコマンドを上書きして更新設定するようにしたので、複数のエラーの発生を同時に判定しても、エラーコマンドの容量が増加することがない。しかも、複数のエラーの発生を判定した場合に、各エラーコマンドを組み合わせたエラーコマンドを予めメイン制御ROM60bに記憶しておく必要がないから、該メイン制御ROM60bの記憶容量を占める割合が小さくなっている。
【0097】
(磁気検知センサエラーの判定について)
前記「磁気検知センサエラー」は、前述したように、前記磁気検知センサ202が所定時間(例えば、300ms)に亘り連続して検知したことを検知条件として、メイン制御CPU60aがエラーと判定する。このため、前記メイン制御基板60には、磁気検知センサ202の磁気を継続して検知する時間を計測する磁気検知タイマを備えている。この磁気検知タイマは、磁気検知センサ202が磁気の検知状態となることで作動を開始する。そして、図6に示すように、4ms毎に実行される前記エラー判定処理では、磁気検知センサ202の磁気検知開始と同時に作動開始した前記磁気検知タイマが、300msを計時したか否かを判定する。ここで、磁気検知タイマが300msを計時していない場合は、磁気検知センサ202がエラー状態となった「磁気検知センサエラー」の発生と判定されず、該磁気検知タイマが300ms以上を計時している場合は、磁気検知センサ202がエラー状態となった「磁気検知センサエラー」の発生と判定されて、前記「磁気検知センサエラー指定コマンド」が設定される。
【0098】
(電波検知センサエラーの判定について)
前記「磁気検知センサエラー」は、前述したように、前記電波検知センサ201が所定時間の間に所定回数(例えば、10回)の電波を検知したことを検知条件として、メイン制御CPU60aがエラーと判定する。このため、前記メイン制御基板60には、電波検知センサ201が電波を検知する回数を計測する電波検知回数カウンタを備えている。この電波検知回数カウンタは、電波検知センサ201が電波を検知する度にカウンタを「1」加算する。そして、図6に示すように、4ms毎に実行される前記エラー判定処理では、電波検知センサ201が検知した電波のカウント数が10回をカウントしたか否かを判定する。ここで、電波検知回数カウンタが「10」をカウントしていない場合(「10」未満の場合)は、電波検知センサ201がエラー状態となった「電波検知エラー」の発生と判定されず、該電波検知回数タイマが「10」をカウントしている場合(「10」以上の場合)は、電波検知センサ201がエラー状態となった「電波検知センサエラー」の発生と判定されて、前記「電波検知センサエラー指定コマンド」が設定される。
【0099】
(振動検知センサエラーの判定について)
前記「振動検知センサエラー」は、前述したように、前記振動検知センサ200が特定の条件下(実施例では、特別入賞部40の特別入賞ソレノイド42の作動中)において振動を所定時間(例えば、200ms)に亘り連続して検知したことを検知条件として、メイン制御CPU60aがエラーと判定する。このため、前記メイン制御基板60には、振動検知センサ200が振動を継続して検知する時間を計測する振動検知タイマを備えている。この振動検知タイマは、振動検知センサ200が振動の検知状態となることで作動を開始する。そして、図6に示すように、4ms毎に実行される前記エラー判定処理では、振動検知センサ200の振動検知開始と同時に作動開始した前記振動検知タイマが200msを計時したか否かを判定して、該磁気検知タイマが200msを計時していない場合は、振動検知センサ200がエラー状態となった「振動検知センサエラー」の発生と判定されず、該振動検知タイマが200ms以上を計時している場合は、振動検知センサ200がエラー状態となった「振動検知センサエラー」の発生と判定されて、前記「振動検知センサエラー指定コマンド」が設定される。
【0100】
(特別電動役物不正入賞エラーの判定について)
前記「特別電動役物不正入賞エラー」は、前述したように、大当り遊技が付与されている場合にのみ作動する特別入賞ソレノイド42が作動中でない状態で前記特別入賞検知センサ44がパチンコ球を所定回数(実施例では3回以上)検知したことを検知条件として、メイン制御CPU60aがエラーと判定する。従って、図6に示すように、4ms毎に実行される前記エラー判定処理では、特別入賞ソレノイド42が作動中でない状態で、特別入賞検知センサ44が検知状態となって前記検知条件が成立したか否かを判定して、該特別入賞検知センサ44が検知状態となっていない場合は、「特別電動役物不正入賞エラー」の発生と判定されず、該特別入賞検知センサ44が検知状態となっている場合は、「特別電動役物不正入賞エラー」の発生と判定されて、前記「特別電動役物不正入賞エラー指定コマンド」が設定される。
【0101】
(普通電動役物不正入賞エラーの判定について)
前記「普通電動役物不正入賞エラー」は、前述したように、普図当り遊技が付与されている場合にのみ作動する始動入賞ソレノイド32が作動中でない状態で、前記第2始動入賞検知センサ35がパチンコ球を所定回数(実施例では3回以上)検知したことを検知条件として、メイン制御CPU60aがエラーと判定する。従って、図6に示すように、4ms毎に実行される前記エラー判定処理では、始動入賞ソレノイド32が作動中でない場合に、第2始動入賞検知センサ35が検知状態となって前記検知条件が成立したか否かを判定して、該第2始動入賞検知センサ35が検知状態となっていない場合は、「普通電動役物不正入賞エラー」の発生と判定されず、該第2始動入賞検知センサ35が検知状態となっている場合は、「特別電動役物不正入賞エラー」の発生と判定されて、前記「普通電動役物不正入賞エラー指定コマンド」が設定される。
【0102】
(エラー判定処理の内容について)
図6に示すように、前記第1種エラーの5種類のエラーを対象として4ms毎に実行される前記エラー判定処理では、エラー判定処理が開始されると、先ず、前記始動入賞ソレノイド32が作動中でない場合に前記第2始動入賞検知センサ35がパチンコ球を3回以上検知した検知条件が成立したか否かを判定して、普通電動役物不正入賞エラーの発生を判定する(ステップB10)。このステップB10において、普通電動役物不正入賞エラーが発生していないと判定した場合には、ステップB12へ移行する。一方、ステップB10において、普通電動役物不正入賞エラーの発生を判定した場合には、普通電動役物不正入賞エラー指定コマンドを設定した後(ステップB11)、ステップB12へ移行する。
【0103】
次に、ステップB12において、前記特別入賞ソレノイド42が作動中でない場合に特別入賞検知センサ44がパチンコ球を3回以上検知した検知条件が成立したか否かを判定して、特別電動役物不正入賞エラーの発生を判定する。このステップB12において、特別電動役物不正入賞エラーが発生していないと判定した場合には、ステップB14へ移行する。一方、ステップB12において、特別電動役物不正入賞エラーの発生を判定した場合には、特別電動役物不正入賞エラー指定コマンドを設定した後(ステップB13)、ステップB14へ移行する。ここで、ステップB13において、特別電動役物不正入賞エラー指定コマンドを設定する際に、既に普通電動役物不正入賞エラー指定コマンドが設定されていた場合には、特別電動役物不正入賞エラー指定コマンドを上書きして更新設定する。
【0104】
次に、ステップB14において、特別入賞部40の特別入賞ソレノイド42の作動中において振動検知センサ200が200msに亘って連続して振動を検知した検知条件が成立したか否かを判定して、振動検知センサエラーの発生を判定する。このステップB14において、振動検知センサエラーが発生していないと判定した場合には、ステップB16へ移行する。一方、ステップB14において、振動検知センサエラーの発生を判定した場合には、振動検知センサエラー指定コマンドを設定した後(ステップB15)、ステップB16へ移行する。ここで、ステップB15において、振動検知センサエラー指定コマンドを設定する際に、既に普通電動役物不正入賞エラー指定コマンドまたは普通電動役物不正入賞エラー指定コマンドが設定されていた場合には、振動検知センサエラー指定コマンドを上書きして更新設定する。
【0105】
次に、ステップB16において、電波検知センサ201が電波を10回以上検知した検知条件が成立したか否かを判定して、電波検知センサエラーの発生を判定する。このステップB16において、電波検知センサエラーが発生していないと判定した場合には、ステップB18へ移行する。一方、ステップB16において、電波検知センサエラーの発生を判定した場合には、電波検知センサエラー指定コマンドを設定した後(ステップB17)、ステップB18へ移行する。ここで、ステップB17において、電波検知センサエラー指定コマンドを設定する際に、既に普通電動役物不正入賞エラー指定コマンド、普通電動役物不正入賞エラー指定コマンドまたは振動検知センサエラー指定コマンドが設定されていた場合には、電波検知センサエラー指定コマンドを上書きして更新設定する。
【0106】
次に、ステップB18において、磁気検知センサ201が300msに亘って連続して磁気を検知した検知条件が成立したか否かを判定して、磁気検知センサエラーの発生を判定する。このステップB18において、磁気検知センサエラーが発生していないと判定した場合には、ステップB20へ移行する。一方、ステップB18において、磁気検知センサエラーの発生を判定した場合には、磁気検知センサエラー指定コマンドを設定した後(ステップB19)、ステップB20へ移行する。ここで、ステップB19において、磁気検知センサエラー指定コマンドを設定する際に、既に普通電動役物不正入賞エラー指定コマンド、普通電動役物不正入賞エラー指定コマンド、振動検知センサエラー指定コマンドまたは電波検知センサエラー指定コマンドが設定されていた場合には、磁気検知センサエラー指定コマンドを上書きして更新設定する。
【0107】
前記磁気検知エラーの発生の判定が完了することで5種類のエラーの発生有無の判定が終了したら、何れかのエラーコマンド(普通電動役物不正入賞エラー指定コマンド、普通電動役物不正入賞エラー指定コマンド、振動検知センサエラー指定コマンド、電波検知センサエラー指定コマンド、磁気検知センサエラー指定コマンド)が設定されているか否かを判定する(ステップB20)。ステップB20において、エラーコマンドが設定されていない場合は、当該エラー判定処理を終了する。一方、ステップB20において、前記5種類の何れかのエラーコマンドが設定されている場合には、当該設定されているエラーコマンドを、前記演出制御基板65の演出制御CPU65aへ出力する処理を行う(ステップB21)と共に、セキュリティ信号を、前記ホールコンピュータHCへ出力する処理を行い(ステップB22)、出力処理が完了することで当該エラー判定処理を終了する。
【0108】
(エラー処理について)
次に、前記演出制御基板65(演出制御CPU65a)が、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)から出力されたエラーコマンドの入力に基づいて実行するエラー処理について説明する。演出制御基板65(演出制御CPU65a)は、前記各エラー毎に異なるエラーコマンドの内容に基づいて、前記表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19等のエラー報知手段によりエラーが発生したことを報知する処理を行う。すなわち、演出制御CPU65aは、エラーを処理するエラー処理手段としての機能を備えている。ここで、エラー報知の実行に際しては、発生したエラーの種類に応じて報知優先順位が設定されている。これにより、例えばエラー報知を実行中のエラーよりも報知優先順位が上位のエラーが後から発生した場合には、当該エラー報知を中断して報知優先順位が上位のエラーのエラー報知態様に切り替わるようになっている。一方、エラー報知を実行中のエラーよりも報知優先順位が下位のエラーが後から発生した場合には、当該エラー報知を中断せずに継続して、後に発生した報知優先順位が下位のエラーのエラー報知を実行しないようになっている。そして、報知優先順位が異なる複数のエラーが重複して発生した場合は、報知優先順位が上位のエラーが発生したことを示すエラー報知が優先して実行されるようになっている。
【0109】
実施例では、図4に示すように、最も優先度が上位の報知優先順位1として、第2種エラーの「RAMクリア」が設定されている。そして、報知優先順位2として、第2種エラーの「メイン基板エラー」、第1種エラーの「磁気検知センサエラー」、第1種エラーの「電波検知センサエラー」が設定されている。また、報知優先順位3として、第1種エラーの「振動検知センサエラー」が設定されていると共に、報知優先順位4として、第1種エラーの「特別電動役物不正入賞エラー」が設定されている。更に、報知優先順位5として、第1種エラーの「普通電動役物不正入賞エラー」が設定され、報知優先順位6として、第3種エラーの「満杯エラー」が設定されていると共に、報知優先順位7として、第3種エラーの「右打ちエラー」が設定されている。
【0110】
(RAMクリアに基づくRAMクリアエラー報知について)
前記メイン制御CPU60aが第2種エラーの「RAMクリア」が発生したと判定した場合は、該メイン制御CPU60aは、該「RAMクリア」が発生したことを特定するRAMクリア指定コマンドを、演出制御基板65(演出制御CPU65a)へ出力する。これにより、演出制御基板65(演出制御CPU65a)は、表示制御基板70、ランプ制御基板72、音制御基板73の夫々に、RAMクリア指定コマンドに基づいた制御コマンドを出力する。表示制御基板70、ランプ制御基板72、音制御基板73は、入力された制御コマンドに基づいて、表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19を制御してRAMクリア報知(エラー報知)を実行させる。具体的には、図4に示すように、パチンコ機10の前枠正面に設けられたランプ装置18を全点灯し、スピーカ19からは、「RAMクリア」を特定可能に予め設定されたRAMクリア音が出力される。このRAMクリア音は、電源を切断(OFF)にでもしない限り30秒間に亘り継続して出力される。その間、表示装置17の表示部17aには、特に「RAMクリア」を特定する画像等は表示されず、パチンコ機10に設定される初期画像(初期図柄)が表示される。そして、報知開始から所定時間(例えば30秒)が経過すると「RAMクリア」の報知は解除される。すなわち、RAMクリア報知の解除条件は、報知開始からの経過時間となっている。
【0111】
(メイン基板エラーに基づくメイン基板エラー報知について)
前記メイン制御CPU60aが第2種エラーの「メイン基板エラー」が発生したと判定した場合は、該メイン制御CPU60aは、「メイン基板エラー」が発生したことを示すメイン基板エラー指定コマンドを、演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力する。これにより、演出制御基板65の演出制御CPU65aは、表示制御基板70(表示制御CPU70a)、ランプ制御基板72、音制御基板73の夫々に、メイン基板エラー指定コマンドに基づく制御コマンドを出力する。表示制御基板70、ランプ制御基板72、音制御基板73は、入力された制御コマンドに基づいて、表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19を制御してメイン基板エラー報知(エラー報知)を実行させる。具体的には、図4および図7(a)に示すように、表示装置17によるメイン基板エラー表示は、表示部17aの全画面を用いて実行される。具体的には、表示部17aの全面を同一色(例えば不透明な黄色)で表示した状態で、「メイン基板エラー」の文字および「係員をお呼び下さい」の文字を表示する。すなわち、メイン基板エラー報知では、エラー発生前までに表示装置17の表示部17aに表示されていた飾図(図柄)や背景等は全てメイン基板エラー表示の表示によって隠れて遊技者から見えなくなる。また、ランプ装置18によるメイン基板エラー報知は、前枠前面に設けたランプ装置18を赤色で点灯する。更に、スピーカ19によるメイン基板エラー報知は、「メイン基板に異常を検知しました」の音声を出力する。そして、表示装置17、ランプ装置18およびスピーカ19によるメイン基板エラー報知は、電源が切断(OFF)されるまで継続するよう構成される。すなわち、メイン基板エラー報知の解除条件は、電源の切断(OFF)となっている。
【0112】
(磁気検知センサエラーに基づく磁気検知センサエラー報知について)
前記メイン制御CPU60aが実行する前記エラー判定処理において、第1種エラーである「磁気検知センサエラー」の発生の判定により磁気検知センサエラー指定コマンドが最終的に設定された場合は、該メイン制御CPU60aは、「磁気検知センサエラー」が発生したことを示す該磁気検知センサエラー指定コマンドを、演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力する。これにより、演出制御基板65の演出制御CPU65aは、表示制御基板70(表示制御CPU70a)、ランプ制御基板72、音制御基板73の夫々に、磁気検知センサエラー指定コマンドに基づいた制御コマンドを出力する。表示制御基板70、ランプ制御基板72、音制御基板73は、入力された制御コマンドに基づいて、表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19を制御して磁気検知センサエラー報知(エラー報知)を実行させる。ここで、表示装置17による磁気検知センサエラー報知は、表示部17aの全画面を用いて実行される。具体的には、図4および図7(b)に示すように、表示部17aの全面を同一色(例えば不透明な黄色)で表示した状態で、「磁気検知センサエラー」の文字および「係員をお呼び下さい」の文字を表示する。すなわち、磁気検知センサエラー報知では、エラー発生前までに表示装置17の表示部17aに表示されていた飾図(図柄)や背景等は全て磁気検知センサエラー報知の表示によって隠れて遊技者から見えなくなる。また、ランプ装置18による磁気検知センサエラー報知は、前枠前面に設けたランプ装置18を黄色で点灯する。更に、スピーカ19による磁気検知センサエラー報知は、「磁気検知センサが反応しました」の音声を出力する。そして、表示装置17、ランプ装置18およびスピーカ19による磁気検知センサエラー報知は、電源が切断(OFF)されるまで継続するよう構成される。すなわち、磁気検知センサエラー報知の解除条件は、電源の切断(OFF)となっている。
【0113】
(電波検知センサエラーに基づくエラー報知について)
前記メイン制御CPU60aが実行する前記エラー判定処理において、第1種エラーである「電波検知センサエラー」の発生の判定により電波検知センサエラー指定コマンドが最終的に設定された場合に、該メイン制御CPU60aは、「電波検知センサエラー」が発生したことを示す該電波検知センサエラー指定コマンドを、演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力する。これにより、演出制御基板65の演出制御CPU65aは、表示制御基板70(表示制御CPU70a)、ランプ制御基板72、音制御基板73の夫々に、電波検知センサエラー指定コマンドに基づく制御コマンドを出力する。表示制御基板70、ランプ制御基板72、音制御基板73は、入力された制御コマンドに基づいて、表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19を制御して電波検知センサエラー報知を実行させる。表示装置17による電波検知センサエラー報知は、表示部17aの全画面を用いて実行される。具体的には、図4および図7(c)に示すように、表示部17aの全面を同一色(例えば不透明な黄色)で表示した状態で、「電波検知センサエラー」の文字および「係員をお呼び下さい」の文字を表示する。すなわち、電波検知センサエラー報知では、エラー発生前までに表示装置17の表示部17aに表示されていた飾図(図柄)や背景等は全て電波検知センサエラー報知の表示によって隠れて遊技者から見えなくなる。また、ランプ装置18による電波検知センサエラー報知は、前枠前面に設けたランプ装置18を緑色で点灯する。更に、スピーカ19による電波検知センサエラー報知は、「異常を検知しました」の音声を出力する。そして、表示装置17、ランプ装置18およびスピーカ19による電波検知センサエラー報知は、電源が切断(OFF)されるまで継続するよう構成される。すなわち、電波検知センサエラー報知の解除条件は、電源の切断(OFF)となっている。
【0114】
(振動検知センサエラーに基づく振動検知センサエラー報知について)
前記メイン制御CPU60aが実行する前記エラー判定処理において、第1種エラーである「振動検知センサエラー」の発生の判定により振動検知センサエラー指定コマンドが最終的に設定された場合に、該メイン制御CPU60aは、「振動検知センサエラー」が発生したことを示す該振動検知センサエラー指定コマンドを、演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力する。これにより、演出制御基板65の演出制御CPU65aは、表示制御基板70(表示制御CPU70a)、ランプ制御基板72、音制御基板73の夫々に、振動検知センサエラー指定コマンドに基づく制御コマンドを出力する。表示制御基板70、ランプ制御基板72、音制御基板73は、入力された制御コマンドに基づいて、表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19を制御して振動検知センサエラー報知(エラー報知)を実行させる。表示装置17による振動検知センサエラー報知は、表示部17aの一部分を用いて実行される。具体的には、図4および図8(a)に示すように、表示部17aの全面に対して小さな振動エラー用表示領域204に、「振動検知センサエラー」の文字を表示する。この振動エラー用表示領域204は、表示部17aに設定されている前記有効停止位置27に重ならない位置に設定されており、有効停止位置27に確定停止表示された飾図が振動検知センサエラー報知の表示によって隠れることがないよう構成される。なお、表示装置17による振動検知センサエラー報知では、表示部17aにおいて進行中の遊技に係る有効停止位置27以外の領域に表示されている演出画像を背景にして、その前面に「振動検知センサエラー」の文字画像が表示される。また、ランプ装置18による振動検知センサエラー報知は、前枠前面に設けたランプ装置18を白色で点灯する。更に、スピーカ19による振動検知センサエラー報知は、「振動検知センサが反応しました」の音声を出力する。そして、表示装置17、ランプ装置18およびスピーカ19による振動検知センサエラー報知は、報知開始から所定時間(例えば30秒)後に自動的に解除される。すなわち、振動検知センサエラー報知の解除条件は、報知開始(振動検知センサエラーの発生)からの経過時間となっている。
【0115】
(特別電動役物不正入賞エラーに基づく特別電動役物不正入賞エラー報知について)
前記メイン制御CPU60aが実行する前記エラー判定処理において、第1種エラーである「特別電動役物不正入賞エラー」の発生の判定により特別電動役物不正入賞エラー指定コマンドが最終的に設定された場合に、該メイン制御CPU60aは、「特別電動役物不正入賞エラー」が発生したことを示す該特別電動役物不正入賞エラー指定コマンドを、演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力する。これにより、演出制御基板65の演出制御CPU65aは、図4に示すように、ランプ制御基板72および音制御基板73に、特別電動役物不正入賞エラー指定コマンドに基づく制御コマンドを出力する。ランプ制御基板72および音制御基板73は、入力された制御コマンドに基づいて、ランプ装置18、スピーカ19を制御して特別電動役物不正入賞エラー報知を実行させる。ランプ装置18による特別電動役物不正入賞エラー報知は、前枠前面に設けたランプ装置18を赤色で点灯する。更に、スピーカ19による特別電動役物不正入賞エラー報知は、エラー音(例えば、ブーブーという音)を連続で出力する。そして、ランプ装置18およびスピーカ19による特別電動役物不正入賞エラー報知は、報知開始から所定時間(例えば30秒)後に自動的に解除される。すなわち、特別電動役物不正入賞エラー報知の解除条件は、報知開始(特別電動役物不正入賞エラーの発生)からの経過時間となっている。
【0116】
(普通電動役物不正入賞エラーに基づく普通電動役物不正入賞エラー報知について)
前記メイン制御CPU60aが実行する前記エラー判定処理において、第1種エラーである「普通電動役物不正入賞エラー」の発生の判定により普通電動役物不正入賞エラー指定コマンドが最終的に設定された場合は、該メイン制御CPU60aは、「普通電動役物不正入賞エラー」が発生したことを示す該普通電動役物不正入賞エラー指定コマンドを、演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力する。これにより、演出制御基板65の演出制御CPU65aは、図4に示すように、ランプ制御基板72に、普通電動役物不正入賞エラー指定コマンドに基づく制御コマンドを出力する。ランプ制御基板72は、入力された制御コマンドに基づいて、ランプ装置18を制御して普通電動役物不正入賞エラー報知を実行させる。ランプ装置18による普通電動役物不正入賞エラー報知は、前枠前面に設けたランプ装置18を緑色で点灯する。そして、ランプ装置18による普通電動役物不正入賞エラー報知は、報知開始から所定時間(例えば30秒)後に自動的に解除される。すなわち、普通電動役物不正入賞エラー報知の解除条件は、報知開始(普通電動役物不正入賞エラーの発生)からの経過時間となっている。
【0117】
(満杯エラーに基づく満杯エラー報知について)
前記メイン制御CPU60aは、第3種エラーの「満杯エラー」が発生したと判定した場合に、「満杯エラー」が発生したことを示す満杯エラー指定コマンドを、演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力する。これにより、演出制御基板65の演出制御CPU65aは、表示制御基板70(表示制御CPU70a)および音制御基板73に、満杯エラー指定コマンドに基づく制御コマンドを出力する。表示制御基板70および音制御基板73は、図4および図8(b)に示すように、入力された制御コマンドに基づいて、表示装置17、スピーカ19を制御して満杯エラー報知を実行させる。表示装置17による満杯エラー表示は、表示部17aの一部分を用いて実行される。具体的には、表示部17aの全面に対して小さな満杯エラー用表示領域205に、「球を抜いて下さい」の文字を表示する(図8(b)参照)。この満杯エラー用表示領域205は、表示部17aに設定されている前記有効停止位置27に重ならない位置に設定されており、有効停止位置27に確定停止表示された飾図が満杯エラー報知の表示によって隠れることがないよう構成される。また、満杯エラー用表示領域205は、前記振動エラー用表示領域204とも重ならない位置に設定されており、前記「振動検知センサエラー」および「満杯エラー」が重複して発生した場合に、実施例のパチンコ機10では両エラーのエラー表示を表示装置17の表示部17aに同時に表示し得るようになっている。なお、表示装置17による満杯エラー報知では、表示部17aにおいて進行中の遊技に係る有効停止位置27以外の領域に表示されている演出画像を背景にして、その前面に「球を抜いて下さい」の文字画像が表示される。また、スピーカ19による満杯エラー報知は、「球を抜いて下さい」の音声を出力する。そして、表示装置17による満杯エラー表示は、満杯エラーが解消(解除)されること(すなわち満杯検知センサ203がOFF状態となること)を条件として解除される。
【0118】
(右打ちエラーに基づく右打ちエラー報知ついて)
前記メイン制御CPU60aは、第3種エラーの「右打ちエラー」が発生したと判定した場合に、「右打ちエラー」が発生したことを示す右打ちエラー指定コマンドを、演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力する。これにより、演出制御基板65の演出制御CPU65aは、表示制御基板70(表示制御CPU70a)および音制御基板73に、右打ちエラー指定コマンドに基づく制御コマンドを出力する。表示制御基板70および音制御基板73は、図4および図8(c)に示すように、入力された制御コマンドに基づいて、表示装置17、スピーカ19を制御して右打ちエラー報知(エラー報知)を実行させる。表示装置17による右打ちエラー表示は、表示部17aの一部分を用いて実行される。具体的には、表示部17aの全面に対して小さな右打ちエラー用表示領域206に、図8(c)に示す如く、「左打ちに戻して下さい」の文字を表示する。この右打ちエラー用表示領域206は、表示部17aに設定されている前記有効停止位置27に重ならない位置に設定されており、有効停止位置27に確定停止表示された飾図が右打ちエラー表示の表示によって隠れることがないよう構成される。また、右打ちエラー用表示領域206は、前記振動エラー用表示領域204および満杯エラー用表示領域205とも重ならない位置に設定されており、前記「振動検知センサエラー」や「満杯エラー」と「右打ちエラー」とが重複して発生した場合に、実施例のパチンコ機10では各エラーのエラー表示を表示装置17の表示部17aに同時に表示し得るようになっている。なお、表示装置17による右打ちエラー表示では、表示部17aにおいて進行中の遊技に係る有効停止位置27以外の領域に表示されている演出画像を背景にして、その前面に「左打ちに戻して下さい」の文字画像が表示される。また、スピーカ19による右打ちエラー報知は、「左打ちに戻して下さい」の音声を出力する。そして、表示装置17およびスピーカ19による右打ちエラー報知は、報知開始から所定時間(例えば10秒)後に自動的に解除される。すなわち、右打ちエラー報知の解除条件は、報知開始(右打ちエラーの発生)からの経過時間となっている。
【0119】
(外部機器へのセキュリティ信号の出力について)
実施例のパチンコ機10では、前記各種エラーの発生を判定したメイン制御CPU60aが、エラーコマンド(エラー情報)を前記演出制御基板60(演出制御CPU65a)に出力する際に、同時にエラー発生を示すセキュリティ信号(異常報知信号)を、前記外部端子板92に設けられた出力端子を介してホールコンピュータ(外部機器)HCに出力可能となっている。すなわち、メイン制御CPU60aは、セキュリティ信号をホールコンピュータHCに出力するセキュリティ信号出力手段としての機能を備えている。ここで、前記9種類の各エラーについては、セキュリティ信号をホールコンピュータHCに出力するエラー(以降「特別エラー」と云う)と、セキュリティ信号をホールコンピュータHCに出力しないエラー(以降「通常エラー」と云う)とに区分されている。実施例では、前記5種類の第1種エラー(「磁気検知センサエラー」、「電波検知センサエラー」、「振動検知センサエラー」、「特別電動役物不正入賞エラー」、「普通電動役物不正入賞エラー」)および前記2種類の第2種エラー(「RAMクリア」、「メイン基板エラー」)が前記特別エラーとして設定され、前記2種類の第3種エラー(「満杯エラー」、「右打ちエラー」)が前記通常エラーとして設定されている。すなわち、前記報知優先順位1、2に設定されている第2種エラーの「RAMクリア」および「メイン基板エラー」と、前記報知優先順位2〜5に設定されている第1種エラーの「磁気検知センサエラー」、「電波検知センサエラー」、「振動検知センサエラー」、「特別電動役物不正入賞エラー」および「普通電動役物不正入賞エラー」との内の何れかの発生を判定した場合には、メイン制御CPU60aは、演出制御基板65へエラーコマンドを出力する際に、セキュリティ信号をホールコンピュータHCへ出力する。一方、前記報知優先順位6〜7に設定されている前記第3種エラーの「満杯エラー」および「右打ちエラー」の何れかの発生を判定した場合には、メイン制御CPU60aは、演出制御基板65へエラーコマンドを出力する際に、セキュリティ信号をホールコンピュータHCへ出力しない。但し、前記9種類の各種エラーについて、前記セキュリティ信号をホールコンピュータHCに出力するようにしてもよい。
【0120】
(セキュリティ信号の種類について)
実施例では、前記メイン制御CPU60aから前記ホールコンピュータHCへ出力されるセキュリティ信号は、1種類だけが設定されている。すなわち、メイン制御CPU60aが実行するエラー判定処理において、前記第1種エラーである5種類のエラー(「磁気検知センサエラー」、「電波検知センサエラー」、「振動検知センサエラー」、「特別電動役物不正入賞エラー」および「普通電動役物不正入賞エラー」)の何れかのエラーの発生をメイン制御CPU60aが判定した際と、前記第2種エラーである2種類のエラー(「RAMクリア」、「メイン基板エラー」)の内の何れかのエラーが発生した場合には、1種類の同じセキュリティ信号がホールコンピュータHCに出力にされる。これにより、実施例のパチンコ機10において、前記7種類の特別エラーの何れかが発生した場合に、該7種類のエラーの何れかが発生したことがホールコンピュータHCで認識可能である。また、メイン制御基板60のメイン制御ROM60bは、1種類のセキュリティ信号に基づくデータだけが記憶されているので、セキュリティ信号に関連する記憶領域を占める割合が少なくなっている。
【0121】
ここで、前記7種類の特別エラーの内で、前記第1種エラーの内の何れかのエラーと前記第2種エラーの内の何れかのエラーとが重複して発生した場合には、メイン制御CPU60aから、各々のエラーに対応して設定された各々のエラーコマンドを演出制御CPU65aへ出力する処理を行うと共に、各々のセキュリティ信号を夫々ホールコンピュータHCへ個別に出力する処理を行う。これにより、ホールコンピュータHCは、実施例のパチンコ機10において、複数の特別エラーが重複して発生したことが認識可能となっている。また、前記7種類の特別エラーの内の何れかのエラーおよび前記2種類の通常エラーの内の何れかのエラーが重複して発生した場合には、メイン制御CPU60aから、特別エラーに対応して設定されたエラーコマンドおよび通常エラーに対応して設定されたエラーコマンドを演出制御CPU65aへ出力する処理を行うと共に、特別エラーに対応して設定されたセキュリティ信号をホールコンピュータHCへ出力する処理を行う。
【0122】
ここで、前記第1種エラーの内の何れかのエラーと前記第2種エラーの内の何れかのエラーとが略同時に重複して発生し、各々のエラーに対応したセキュリティ信号をホールコンピュータHCへ個別に出力する処理においては、各々のセキュリティ信号の出力タイミングは様々に設定可能である。例えば、先に発生したエラーに対応したセキュリティ信号を出力中に、後に発生したエラーに対応したセキュリティ信号の出力タイミングについては、先のセキュリティ信号に後のセキュリティ信号を重ねて出力するようにしてもよい。また、先のセキュリティ信号の出力が完了するまで待機した後に、後のセキュリティ信号の出力を開始するようにしてもよい。更に、第1種エラーに対応したセキュリティ信号を後から出力する場合は、先のセキュリティ信号の出力が完了した後に実行されるエラー判定処理でのセキュリティ信号出力処理に際して、後のセキュリティ信号を出力するようにしてもよい。なお、前記ホールコンピュータHCへのセキュリティ信号の出力は、前記第1種〜第3種の9種類全てのエラーの判定時に出力するようにしてもよい。また、第1種〜第3種エラー内において、セキュリティ信号を出力するエラーと、セキュリティ信号を出力しないエラーとを設定してもよい。
【0123】
(実施例の作用)
次に、実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
【0124】
前記前枠13の前面側に設けられた前記操作ハンドル16の操作レバー16aを遊技者が回転操作すると、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が前記遊技領域75内に打ち出される。このとき、前記操作レバー16aの回動量に応じてパチンコ球の打ち出し位置が変化し、打ち出し位置に応じて遊技領域75の第1球流下経路75aまたは第2球流下経路75bをパチンコ球が流下する。そして、球流下経路75a,75bを流下するパチンコ球が、前記第1始動入賞口30aまたは第2始動入賞口31aに入賞すると、前記第1始動入賞検知センサ34または第2始動入賞検知センサ35による球検知を契機として、前記メイン制御CPU60aが各種情報(各種乱数情報)を取得して、この取得した入賞情報に基づいて大当り判定が行われる。
【0125】
前記大当り判定が当りの判定結果の場合は、前記メイン制御CPU60aは入賞情報に基づいて当り用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する。また、メイン制御CPU60aは、大当り判定が当りの判定結果の場合には前記メイン制御RAM60cに記憶される大当りフラグに「1」を設定する。そして、メイン制御CPU60aは、図柄変動の開始を指示する特図変動パターン指定コマンドを出力する。前記演出制御CPU65aは、特図変動パターン指定コマンドが入力されると、対応する演出パターンコマンドを表示制御基板70(表示制御CPU70a)に出力し、これによって前記表示装置17の表示部17aでの図柄変動演出が開始される。そして、特図変動パターンに定められた変動時間が経過すると、メイン制御CPU60aは特図指定コマンドおよび全図柄停止コマンドを出力し、これによって前記特図表示部50A,50Bに予め決められた大当りの特図が停止表示されると共に表示装置17の表示部17aにおける有効停止位置27に飾図が当り表示で確定停止表示される。また、表示装置17の表示部17aに設定された特定可変表示部54A,54Bでは、前記演出制御CPU65aおよび表示制御CPU70aの制御下に、対応する特図表示部50A,50Bでの特図変動表示中は第4または第5図柄を可変状態で表示し、対応する特図表示部50A,50Bでの特図変動表示の停止と共に該特定可変表示部54A,54Bでは第4または第5図柄が停止表示される。そして、表示装置17の表示部17aに当り表示が表示されると、大当り遊技が開始される。
【0126】
前記大当り遊技では、前記特別入賞部40の特別用開閉部材40bを開放するラウンド遊技が規定ラウンド数だけ実行され、各ラウンド遊技中に特別入賞口40aにパチンコ球が入賞することで多くの賞球を獲得することができる。そして、ラウンド遊技が規定ラウンド数だけ実行されると、大当り遊技が終了する。また、メイン制御CPU60aは、大当り遊技の終了に伴って前記メイン制御RAM60cに記憶される大当りフラグに「0」を設定する。
【0127】
前記大当り判定がはずれの判定結果の場合は、前記メイン制御CPU60aは入賞情報に基づいてはずれ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する。なお、大当り判定がはずれの判定結果の場合は、前記メイン制御RAM60cに記憶されている大当りフラグは「0」のままとなる。そして、メイン制御CPU60aは、前記大当り判定が当りの判定結果の場合と同様に、図柄変動の開始を指示する特図変動パターン指定コマンドを出力する。前記演出制御CPU65aは、特図変動パターン指定コマンドが入力されると、対応する演出パターンコマンドを表示制御基板70(表示制御CPU70a)に出力し、これによって前記表示装置17の表示部17aでの図柄変動演出が開始される。そして、特図変動パターンに定められた変動時間が経過すると、メイン制御CPU60aは特図指定コマンドおよび全図柄停止コマンドを出力し、これによって前記特図表示部50A,50Bに予め決められたはずれの特図が停止表示されると共に、表示装置17の表示部17aにおける有効停止位置27に飾図がはずれ表示で確定停止表示される。また、表示装置17の表示部17aに設定された特定可変表示部54A,54Bは、前記大当り判定が当りの判定結果の場合と同様に、前記演出制御CPU65aおよび表示制御CPU70aの制御下に、対応する特図表示部50A,50Bでの特図変動表示中は第4または第5図柄を可変状態で表示し、対応する特図表示部50A,50Bでの特図変動表示の停止と共に該特定可変表示部54A,54Bでは第4または第5図柄が停止表示される。
【0128】
実施例のパチンコ機10においては、電源投入処理後に、前記第1種エラーに設定された5種類のエラー(「普通電動役物不正入賞エラー」、「特別電動役物不正入賞エラー」、「振動検知センサエラー」、「電波検知センサエラー」、「磁気検知センサエラー」)と、前記第2種エラーに設定された2種類のエラー(「RAMクリア」、「メイン基板エラー」)と、前記第3種エラーに設定された2種類のエラー(「満杯エラー」、「右打ちエラー」)との発生を監視する。第1種エラーの各エラーについては、前記メイン制御基板60のメイン制御CPU60aが、所定時間毎(4ms)にエラー判定処理を実行することで、始動入賞検知センサ35、特別入賞検知センサ44、振動検知センサ200、電波検知センサ201および磁気検知センサ202が所定の検知条件となってエラー状態が発生したか否かを判定する。また、第2種エラーおよび第3種エラーについては、メイン制御基板60のメイン制御CPU60aが、エラーエラー状態が発生したか否かを常に検知可能となっている。
【0129】
(第1種エラーに対するエラー判定処理)
前記第1種エラーに設定された5種類のエラーを対象として4ms毎に実行される前記エラー判定処理においては、エラーが発生したか否かを判定する判定順序(判定優先順位)が設定されており、実施例では、「普通電動役物不正入賞エラー」、「特別電動役物不正入賞エラー」、「振動検知センサエラー」、「電波検知センサエラー」、「磁気検知センサエラー」の順序で、メイン制御基板60のメイン制御CPU60aがエラーが発生したか否かの判定を行う。図6に示すように、メイン制御CPU60aは、先ず、普通電動役物不正入賞エラーが発生したか否かを判定し、普通電動役物不正入賞エラーの発生を判定した場合には、普通電動役物不正入賞エラー指定コマンド(エラーコマンド)を設定する。次に、特別電動役物不正入賞エラーが発生したか否かを判定し、特別電動役物不正入賞エラーの発生を判定した場合には、特別電動役物不正入賞エラー指定コマンド(エラーコマンド)を設定する。次に、振動検知センサエラーが発生したか否かを判定し、振動検知センサエラーの発生を判定した場合には、振動検知センサエラー指定コマンド(エラーコマンド)を設定する。次に、電波検知センサエラーが発生したか否かを判定し、電波検知センサエラーの発生を判定した場合には、電波検知センサエラー指定コマンド(エラーコマンド)を設定する。最後に、磁気検知センサエラーが発生したか否かを判定し、磁気検知センサエラーの発生を判定した場合には、磁気検知センサエラー指定コマンド(エラーコマンド)を設定する。
【0130】
ここで、実施例では、前記5種類のエラーの発生有無の判定が完了した前記エラー判定処理の終期において、エラーコマンドを設定する際に、既にエラーコマンドが設定されている場合には、既に先に設定されたエラーコマンドを、後から設定されたエラーコマンドにより上書きして更新設定する。すなわち、図6に示すように、特別電動役物不正入賞エラー指定コマンドを設定する際に、普通電動役物不正入賞エラー指定コマンドが設定されていた場合には、普通電動役物不正入賞エラー指定コマンドを特別電動役物不正入賞エラー指定コマンドにより上書きして、該特別電動役物不正入賞エラー指定コマンドを更新設定する。また、振動検知センサエラー指定コマンドを設定する際に、普通電動役物不正入賞エラー指定コマンドまたは特別電動役物不正入賞エラー指定コマンドが設定されていた場合には、設定されていたエラーコマンドを振動検知センサエラー指定コマンドにより上書きして、該振動検知センサエラー指定コマンドを更新設定する。また、電波検知センサエラー指定コマンドを設定する際に、普通電動役物不正入賞エラー指定コマンド、特別電動役物不正入賞エラー指定コマンドまたは振動検知センサエラー指定コマンドが設定されていた場合には、設定されていたエラーコマンドを電波検知センサエラー指定コマンドにより上書きして、該電波検知センサエラー指定コマンドを更新設定する。また、磁気検知センサエラー指定コマンドを設定する際に、普通電動役物不正入賞エラー指定コマンド、特別電動役物不正入賞エラー指定コマンド、振動検知センサエラー指定コマンドまたは電波検知センサエラー指定コマンドが設定されていた場合には、設定されていたエラーコマンドを磁気検知センサエラー指定コマンドにより上書きして、該磁気検知センサエラー指定コマンドを更新設定する。
【0131】
従って、エラー判定処理においては、前記普通電動役物不正入賞エラー指定コマンド、特別電動役物不正入賞エラー指定コマンド、振動検知センサエラー指定コマンド、電波検知センサエラー指定コマンドまたは磁気検知センサエラー指定コマンドの内の何れか1つのエラーコマンドが設定されるか、または何れのエラーコマンドも設定されないかの何れかの結果となる。従って、メイン制御CPU60aは、図10示すように、前記普通電動役物不正入賞エラー指定コマンド、特別電動役物不正入賞エラー指定コマンド、振動検知センサエラー指定コマンド、電波検知センサエラー指定コマンドまたは磁気検知センサエラー指定コマンドの内の何れかのエラーコマンドが設定された場合には、当該設定されたエラーコマンドを、演出制御基板65の演出制御CPU65aへ出力する処理を実行した後、エラー判定処理を終了する。一方、メイン制御CPU60aは、前記5種類のエラーコマンドの何れも設定されていない場合は、エラーコマンドを出力する処理を実行せずに、エラー判定処理を終了する。
【0132】
また、メイン制御CPU60aは、図10に示すように、前記普通電動役物不正入賞エラー指定コマンド、特別電動役物不正入賞エラー指定コマンド、振動検知センサエラー指定コマンド、電波検知センサエラー指定コマンドまたは磁気検知センサエラー指定コマンドの内の何れかのエラーコマンドを、前記演出制御基板65の演出制御CPU65aに出力処理するタイミングで、セキュリティ信号を前記ホールコンピュータHCへ出力する処理を止行う。ここで、ホールコンピュータHCへ出力されるセキュリティ信号は、前記普通電動役物不正入賞エラー指定コマンド、特別電動役物不正入賞エラー指定コマンド、振動検知センサエラー指定コマンド、電波検知センサエラー指定コマンドまたは磁気検知センサエラー指定コマンドの種類に関係なく、同じセキュリティ信号がホールコンピュータHCへ出力される。
【0133】
(第2種エラーおよび第3種エラーの発生時)
前記メイン制御基板60のメイン制御CPU60aは、前記第2種エラーのRAMクリアエラーまたはメイン基板エラーを該メイン制御CPU60aが判定した場合には、該エラーを判定したタイミングでRAMクリアエラー指定コマンドまたはメイン基板エラー指定コマンドを設定する。そして、図10に示すように、メイン制御CPU60aは、演出制御基板65の演出制御CPU65aへ当該RAMクリアエラー指定コマンドまたはメイン基板エラー指定コマンドを出力する処理を行う。またメイン制御CPU60aは、RAMクリアエラー指定コマンドまたはメイン基板エラー指定コマンドの出力処理に際して、セキュリティ信号を前記ホールコンピュータHCへ出力する処理も行う。一方、メイン制御CPU60aは、満杯検知センサ203が検知状態となった際またはゲートセンサ49が所定の検知条件を満たした場合に、前記第3種エラーの満杯エラーまたは右打ちエラーの発生を判定して、該エラーを検知したタイミングで満杯エラー指定コマンドまたは右打ちエラー指定コマンドを設定する。そして、図10に示すように、メイン制御CPU60aは、演出制御基板65の演出制御CPU65aへ当該満杯エラー指定コマンドまたは右打ちエラー指定コマンドを出力する。
【0134】
(エラー処理によるエラー報知)
前記演出制御基板65の演出制御CPU65aは、前記メイン制御基板60のメイン制御CPU60aからのエラーコマンド(普通電動役物不正入賞エラー指定コマンド、特別電動役物不正入賞エラー指定コマンド、振動検知センサエラー指定コマンド、電波検知センサエラー指定コマンド、磁気検知センサエラー指定コマンド、RAMクリアエラー指定コマンド、メイン基板エラー指定コマンド)が入力されると、該エラーコマンドに基づいて、表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73へ、所定の制御コマンドを選択的に出力する。そして、表示制御基板70は、入力された制御コマンドに基づいて表示装置17による所定のエラー報知を実行し、ランプ制御基板72は、入力された制御コマンドに基づいてランプ装置18による所定のエラー報知を実行し、音制御基板73は、入力された制御コマンドに基づいてスピーカ19による所定のエラー報知を実行する。
【0135】
従って、実施例のパチンコ機10では、定められた時間毎にメイン制御基板60のメイン制御CPU60aが実行するエラー判定処理において、第2始動入賞検知センサ35のエラー状態に基づく「普通電動役物不正入賞エラー」、特別入賞ソレノイド42のエラー状態に基づく「特別電動役物不正入賞エラー」、振動検知センサ200のエラー状態に基づく「振動検知センサエラー」、電波検知センサ201のエラー状態に基づく「電波検知センサエラー」および磁気検知センサ202のエラー状態に基づく「磁気検知センサエラー」の内の複数のエラーを該メイン制御CPU60aが判定した場合は、後に設定するエラーコマンドを、先に設定されたエラーコマンドに上書きして更新する。従って、メイン制御CPU60aから演出制御基板65の演出制御CPU65aへ出力するエラーコマンド(「普通電動役物不正入賞エラー指定コマンド」「普通電動役物不正入賞エラー指定コマンド」「振動検知センサエラー指定コマンド」「電波検知センサエラー指定コマンド」「磁気検知センサエラー指定コマンド」)は、最後に更新した1つのエラーコマンドだけとなり、多数のエラーコマンドを記憶しておくデータテーブルを、メイン制御基板60の記憶領域であるメイン制御ROM60bに設ける必要がない。これにより、容量を要するデータテーブルを設けるための大きな記憶領域をメイン制御基板60のメイン制御ROM60bに確保しなくてよい。また、メイン制御CPU60aから演出制御基板65の演出制御CPU65aへのエラーコマンドの出力処理が簡素化され、該メイン制御CPU60aの負荷を軽減することができる。
【0136】
そして、実施例のパチンコ機10では、メイン制御基板60のメイン制御CPU60aが実行するエラー判定処理におけるエラーの判定順序が、エラー状態の深刻度に基づいて、深刻度が最下位のエラーから判定を開始し、次いで深刻度が徐々に上位となるエラーを順次判定して、最後に深刻度が最上位となるエラーの判定を行うようにした。これにより、複数のエラーが重複して発生した場合には、深刻度がより上位のエラー状態に対応したエラーコマンドが最終的に上書きして更新設定されるようになり、深刻度が上位のエラー状態に対応したエラーコマンドを、演出制御基板65の演出制御CPU65aへ適切に出力することができる。
【0137】
また、実施例のパチンコ機10は、第2種エラーである「RAMクリア」および「メイン基板エラー」の内の何れかのエラー、または第3種エラーである「満杯エラー」および「右打ちエラー」の内の何れかのエラーが発生した場合には、メイン制御CPU60aがエラーコマンド(「RAMクリア指定コマンド」、「メイン基板エラー指定コマンド」、「満杯エラー指定コマンド」、「右打ちエラー指定コマンド」)を個別に設定して演出制御基板65の演出制御CPU65aへ出力するので、該演出制御CPU65aでは、これにエラーに係るエラー処理を個別に行う。このため実施例では、主にパチンコ機10に対して行われる不正行為に基づく第1種エラーだけを、メイン制御CPU60aで実行されるエラー判定処理の対象としたため、エラー判定処理の対象となる検知手段の数が多くなり過ぎてエラー判定処理に手間取ることを防止し得る。
【0138】
そして、実施例のパチンコ機10では、第2始動入賞部31の始動入賞口31aにパチンコ球を不正入賞させる不正行為によるエラーの発生、特別入賞部40の特別入賞口40aにパチンコ球を不正入賞させる不正行為によるエラーの発生、パチンコ機10(遊技盤20)を振動させる不正行為によるエラーの発生、電波発生器を利用した不正行為によるエラーの発生、磁気発生器を利用した不正行為によるエラーの発生を、メイン制御CPU60aが実行するエラー判定処理により好適に判定し得る。
【0139】
また、「普通電動役物不正入賞エラー」の発生を検知する前記第2始動入賞検知センサ35、「特別電動役物不正入賞エラー」の発生を検知する前記特別入賞ソレノイド42、「振動検知センサエラー」の発生を検知する前記振動検知センサ200、「電波検知センサエラー」の発生を検知する前記電波検知センサ201、「磁気検知センサエラー」の発生を検知する前記磁気検知センサ202は、検知対象(パチンコ球、振動、電波、磁気)を検知している間のみ検知状態になり、該検知対象の検知が解除された際には非検知状態となる特性を有している。このため、第2始動入賞検知センサ35および特別入賞ソレノイド42では、パチンコ球を断続的に検知する回数(3回)を適切にカウントすることができる。また、振動検知センサ200および磁気検知センサ202では、振動または磁気を所定時間に亘って連続的に検知することを適切に計時することができる。更に、前記電波検知センサ201では、電波を検知する回数(10回)を適切にカウントすることができる。
【0140】
更に、実施例のパチンコ機10では、前記第1種エラーおよび第2種エラーの各エラーを判定した際に、メイン制御基板60のメイン制御CPU60aから演出制御基板65の演出制御CPU65aへエラーコマンドを出力する際に、該メイン制御CPU60aからホールコンピュータHCへセキュリティ信号が出力されるので、当該パチンコ機10でのエラー発生を該ホールコンピュータHCに対し適切に報知し得る。しかも、セキュリティ信号は1種類だけが設定されているので、メイン制御CPU60aが実行するエラー判定処理において最後に設定されたエラーコマンドの種類に関係なく、常に1種類のセキュリティ信号がホールコンピュータHCへ出力されるので、当該パチンコ機10で何等かのエラーが発生したことを該ホールコンピュータHCへ適切に報知し得る。また、メイン制御基板60のメイン制御ROM60aにはセキュリティ信号が1種類だけ設定されるので、該メイン制御ROM60aに対してセキュリティ信号に係る記憶容量を小さくすることができる。
【0141】
(別実施例)
次に、別実施例に係るパチンコ機について説明する。別実施例のパチンコ機は、前記実施例のパチンコ機10と、エラー判定手段から外部機器へ出力されるセキュリティ信号の設定数が異なるのみで、その他の構成は同じである。従って、別実施例のパチンコ機については、実施例と異なる部分についてのみ説明し、実施例に既出の同じまたは同種の構成部材には同じ符号を付して詳細説明は省略する。
【0142】
別実施例のメイン制御基板60におけるメイン制御ROM60bには、図11に示すように、外部端子板92を介してホールコンピュータ(外部機器)HCへ出力されるセキュリティ信号が、複数種類(別実施例では9種類)設定されている。すなわち、別実施例では、前記9種類の各エラーコマンド毎に対応した第1〜第9のセキュリティ信号が、メイン制御ROM60bに設定されている。すなわち、「普通電動役物不正入賞エラー指定コマンド」に対応して第1セキュリティ信号が設定され、「普通電動役物不正入賞エラー指定コマンド」に対応して第2セキュリティ信号が設定され、「振動検知センサエラー指定コマンド」に対応して第3セキュリティ信号が設定され、「電波検知センサエラー指定コマンド」に対応して第4セキュリティ信号が設定され、「磁気検知センサエラー指定コマンド」に対応して第5セキュリティ信号が設定されている。また、「RAMクリア指定コマンド」に対応して第6セキュリティ信号が設定され、「メイン基板エラー指定コマンド」に対応して第7セキュリティ信号が設定され、「満杯エラー指定コマンド」に対応して第8セキュリティ信号が設定され、「右打ちエラー指定コマンド」に対応して第9セキュリティ信号が設定されている。従って、例えば、メイン制御CPU60aがエラーコマンドを設定した際に、該設定したエラーコマンドに対応するセキュリティ信号のデータがメイン制御ROM60bから読み出される。従って、メイン制御CPU60aは、「普通電動役物不正入賞エラー指定コマンド」を演出制御CPU65aへ出力する場合に、第1セキュリティ信号をホールコンピュータHCへ出力し、「磁気検知センサエラー指定コマンド」を演出制御CPU65aへ出力する場合に、第5セキュリティ信号をホールコンピュータHCへ出力し、「右打ちエラー指定コマンド」を演出制御CPU65aへ出力する場合に、第9セキュリティ信号をホールコンピュータHCへ出力する。
【0143】
従って、別実施例のパチンコ機10では、判定されたエラーの種類に基づいてメイン制御CPU60aから演出制御CPU65aへ出力されるエラーコマンドの種類に対応した複数種類のセキュリティ信号が、該メイン制御CPU60aからホールコンピュータHCへ出力されるので、該ホールコンピュータHCに対し、当該パチンコ機10でエラーが発生したことを報知するだけでなく、該エラーの種類についても報知し得る。
【0144】
〔変更例について〕
なお、本発明に係る遊技機の構成としては、前述した各実施例に示したものに限らず、種々の変更が可能で、例えば以下のものを採用可能である。
(1) エラー判定手段が実行するエラー判定処理における対象エラー数は、実施例で例示した5種類に限るものではなく、4種類以下または6種類以上であってもよい。
(2) エラー判定手段が実行するエラー判定処理における複数のエラーに対する判定順序(判定優先順位)は、個々のエラーの深刻度を基準として決めることに限るものではない。例えば、実施例で例示したエラー報知の報知優先順位を基準として設定してもよい。すなわち、エラー報知の報知優先順位が最下位のエラーからエラーの発生を判定を開始して、以降は報知優先順位が次に下位のものから順次上位となる順でエラーの発生を判定して、最後に報知優先順位が最上位のエラーの発生を判定するようにしてもよい。この場合には、複数のエラーが重複して発生した場合に、報知優先順位が上位のエラーに対応したエラーコマンドが最終的に設定されるので、報知優先順位が上位のエラー報知を適切に実行することができる。
(3) 各実施例では、エラー報知手段(報知手段)として図柄変動演出が実行される表示装置を挙げたが、表示装置とは別に設けたサブ表示装置にエラー表示(エラー報知)を表示させる構成を採用し得る。すなわち、表示装置で図柄変動演出を表示すると共に、サブ表示装置でエラー表示を表示するようにすれば、図柄変動演出中に発生したエラーに対応するエラー表示によって図柄変動演出の視認性が低下するのを防止し得るもとで、エラーの発生を確実に報知することができる。
(4) 別実施例では、セキュリティ信号の設定数を、エラーの種類と同数とした場合を例示したが、セキュリティ信号の設定数は、エラーの種類より少ない複数種類に設定してもよい。
(5) セキュリティ信号を出力する外部機器は、ホールコンピュータに限らず、遊技店のホール係員が携帯する無線端末等であってもよい。
(6) セキュリティ信号は、メイン制御基板から外部へ出力する際の出力時間の長さを、エラーの種類毎に異なるように設定してもよい。これにより、前記第1種の5種類のエラー毎に、セキュリティ信号の出力時間を異ならせることで、セキュリティ信号が1種類のみであっても、該セキュリティ信号の出力時間を計測することにより、何れのエラーが発生したのかを判別することができる。また、第1種エラーと第2種エラーとで、セキュリティ信号の出力時間の設定を異ならせることで、セキュリティ信号が1種類のみであっても、該セキュリティ信号の出力時間を計測することにより、第1種エラーが発生したのか第2種エラーが発生したのかを判別することができる。
(7) 複数のエラーが略同時に発生することで複数のセキュリティ信号をホールコンピュータHCへ出力する処理においては、先に出力したセキュリティ信号の出力状態に関係なく、予め設定した所定時間が経過した後に、後のセキュリティ信号を出力するようにしてもよい。これにより、先のセキュリティ信号の出力中であっても、所定時間をあけて後のセキュリティ信号が出力されるため、先のセキュリティ信号と後のセキュリティ信号とを区別することが可能である。
(8) 各実施例では、各エラーに対応するエラー報知を、表示装置、ランプ装置、スピーカの複数のエラー報知手段のうちの複数を用いて実行するよう構成したが、エラーの種類に応じてエラー報知手段の組み合わせを変えたり、または何れか一つのエラー報知手段でのみエラー報知を実行するようにしてもよい。
【0145】
(9) 各実施例においてメイン制御手段(メイン制御CPU)が備える機能の全部または一部をサブ制御手段(演出制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対にサブ制御手段が備える機能の全部または一部をメイン制御手段が備えるようにしてもよい。そして、各実施例では、メイン制御基板とサブ制御基板(演出制御基板)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、各実施例におけるメイン制御手段およびサブ制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。更に、別途制御基板を備えて、各実施例のメイン制御手段やサブ制御手段が備える機能の全部または一部を、別の制御手段に備えさせてもよい。
(10) 実施例においてメイン制御基板が備える機能の全部または一部を払出制御基板が備えるようにしてもよく、反対に払出制御基板が備える機能の全部または一部をメイン制御基板が備えるようにしてもよい。そして、実施例では、メイン制御基板と払出制御基板とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。
(11) また、各実施例において演出制御手段(演出制御CPU)が備える機能の全部または一部を表示制御手段(表示制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対に表示制御手段が備える機能の全部または一部を演出制御手段が備えるようにしてもよい。そして、各実施例では、演出制御基板(演出制御CPU)と表示制御基板(表示制御CPU)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、各実施例における演出制御手段および表示制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。また、発光制御を行うランプ制御手段や音出力制御を行う音制御手段に関しても同様に、演出制御手段が兼用することができる。
(12) 遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。
【0146】
遊技機については、実施例から以下の技術的思想を把握することができる。
(付記1)
前記セキュリティ信号出力手段(60a)から前記外部機器(HC)へ出力される前記セキュリティ信号は複数種類が設定されており、
前記エラー判定手段(60a)から出力される前記エラーコマンドの種類に対応した前記複数種類のセキュリティ信号が前記外部機器(HC)へ出力される。
付記1に係る発明によれば、エラー判定手段において最後に設定されたエラーコマンドの種類に対応したセキュリティ信号が外部機器へ出力されるので、該外部機器に対して、当該遊技機でエラーが発生したことを報知し得ると共に該エラーの種類も報知し得る。
(付記2)
前記外部機器(HC)はホールコンピュータである。
付記2に係る発明によれば、エラー判定手段から出力されたセキュリティ信号がホールコンピュータへ入力されるので、当該遊技機でエラーが発生したことを該ホールコンピュータで適切に認識し得る。
【符号の説明】
【0147】
31 第2始動入賞部(普通電動入賞手段)
35 第2始動入賞検知センサ(検知手段、遊技媒体検知手段)
40 特別入賞部(特別電動入賞手段)
44 特別入賞検知センサ(検知手段、遊技媒体検知手段)
49 ゲートセンサ(別の検知手段)
60a メイン制御CPU(エラー判定手段、別の検知手段、セキュリティ信号出力手段)
65a 演出制御CPU(エラー処理手段)
200 振動検知センサ(検知手段、振動検知手段)
201 電波検知センサ(検知手段、電波検知手段)
202 磁気検知センサ(検知手段、磁気検知手段)
203 満杯検知センサ(別の検知手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11