特許第6326037号(P6326037)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6326037
(24)【登録日】2018年4月20日
(45)【発行日】2018年5月16日
(54)【発明の名称】レンズ駆動装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 5/00 20060101AFI20180507BHJP
   G02B 7/04 20060101ALI20180507BHJP
   G02B 7/02 20060101ALI20180507BHJP
   H02K 33/18 20060101ALI20180507BHJP
【FI】
   G03B5/00 J
   G02B7/04 E
   G02B7/02 Z
   H02K33/18 A
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-251087(P2015-251087)
(22)【出願日】2015年12月24日
(65)【公開番号】特開2017-32965(P2017-32965A)
(43)【公開日】2017年2月9日
【審査請求日】2015年12月24日
(31)【優先権主張番号】201520572259.3
(32)【優先日】2015年7月31日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515342457
【氏名又は名称】エーエーシー テクノロジーズ ピーティーイー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】AAC TECHNOLOGIES PTE.LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001704
【氏名又は名称】特許業務法人山内特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】董 楽平
(72)【発明者】
【氏名】張 海波
【審査官】 小倉 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−026085(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/015010(WO,A1)
【文献】 特開2015−107054(JP,A)
【文献】 特開2014−126668(JP,A)
【文献】 特開2009−053671(JP,A)
【文献】 特開2013−120248(JP,A)
【文献】 特開2012−177755(JP,A)
【文献】 特開2013−041026(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/069303(WO,A1)
【文献】 特開2008−015159(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/142153(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 5/00
G02B 7/02
G02B 7/04
H02K 33/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容空間を有するハウシングと、
少なくとも二つの面により囲まれて形成され、前記ハウシングの収容空間内に実装され固持された回路基板と、
レンズを収容可能なレンズチューブを有するレンズモジュールと、
内部に前記レンズモジュールが設置された支持枠と、
前記レンズモジュールと前記支持枠とを接続し、上リーフスプリング及び下リーフスプリングを有するリーフスプリングと、
前記支持枠と前記ハウシングとを接続し、前記支持枠をレンズの光軸に垂直な方向に沿って動作させる接続部品と、
前記支持枠に実装し、固持される第1の磁石鋼と、
前記レンズチューブに実装し、固持される駆動コイルと、
前記回路基板に実装し、固持される手ブレ防止コイルと、
前記回路基板に実装し、固持される位置センサと、
を備えるレンズ駆動装置であって、
前記回路基板の少なくとも2つの隣接する面に、前記手ブレ防止コイルと前記位置センサとが設けられ、各面に対応する前記位置センサは、前記手ブレ防止コイルと間隔をおいて設けられ、
前記レンズ駆動装置は、前記支持枠にそれぞれ固持されて前記第1の磁石鋼に当接し、前記位置センサ側にそれぞれ設けられる少なくとも2つの第2の磁石鋼を更に備え、
前記第1の磁石鋼及び前記第2の磁石鋼は、前記位置センサの動作磁界を提供し、前記位置センサは、レンズが横方向に振れる時に少なくとも前記第1の磁石鋼の変化に誘導され、前記手ブレ防止コイルにより発生した磁界の影響を受けないように設けられ
前記第2の磁石鋼は、前記第1の磁石鋼よりも小さく、
前記位置センサの中心線は、前記第1の磁石鋼と前記第2の磁石鋼の境界線と重なり、
前記第1の磁石鋼は、平面の2極磁化磁石鋼であり、第1の極性面及び第2の極性面である二つの極性面を有し、前記第1の極性面の面積は、前記第2の極性面の面積の少なくとも4倍であり、
前記第2の磁石鋼は、単面磁化磁石鋼であり、その磁極は前記第1の極性面の磁極と逆である
ことを特徴とするレンズ駆動装置
【請求項2】
前記接続部品は、前記収容空間内に設けられ、順に接続される第1の固定部と、弾性部と、第2の固定部とを備え、前記第1の固定部は前記支持枠に接続され、前記第2の固定部は、前記ハウシングに接続され、前記支持枠をレンズの光軸に垂直な方向に沿って動作させる
ことを特徴とする請求項1に記載のレンズ駆動装置。
【請求項3】
前記接続部品の前記弾性部は、互いに接続される複数の第1の接続棒及び第2の接続棒を有し、前記第1の接続棒と前記第2の接続棒とは平行に設けられ、レンズの光軸方向に沿ってアレイ分布している
ことを特徴とする請求項に記載のレンズ駆動装置。
【請求項4】
前記レンズ駆動装置には、前記レンズモジュールに固定される磁気シールドが更に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載のレンズ駆動装置。
【請求項5】
前記ハウシングは、非磁性ハウシング、弱磁性ハウシング、反磁性ハウシングのうちのいずれか1種である
ことを特徴とする請求項1に記載のレンズ駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレンズ駆動装置に関する。さらに詳しくは、手ブレ防止可能な精度の高いレンズ駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
将来的な市場発展に伴い、ポータブルカメラ、スマートフォン、タブレットパソコンはいずれもオートフォーカスカメラを有するようになっている。従来の市場におけるオートフォーカスレンズ駆動装置は、通常、ボイスコイルモータを使用してレンズを駆動しており、その特徴は、電磁力を弾性力とバランスさせる方法を利用し、駆動電流を変化させることで、レンズの位置を変化させることにある。そして、レンズ駆動装置には、オートフォーカス機能及び光学的手ブレ防止機能が更に配置され、オートフォーカス動作に満足させる。
【0003】
レンズ駆動装置は、ハウシング、回路基板、レンズモジュール、支持枠、リーフスプリング、接続部品、駆動コイル、手ブレ防止コイル、位置センサ及び磁石鋼を有する。位置センサはレンズ位置を測定し、レンズ位置の制御に用いられる信号又は電気信号をフィードバックすることによって、レンズ調整位置を制御する。
【0004】
従来に開示されたレンズ駆動装置の構成において、位置センサは手ブレ防止コイルの中心孔内に位置し、動作する際に、当該手ブレ防止コイルが発生する交流磁界は位置センサの精度に影響し、レンズの手ブレ防止性能が悪くなってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに鑑みて、新規のレンズ駆動装置を提供して、上記課題を解決する必要がある。
【0006】
上記技術課題を解決するために、本発明は、手ブレ防止性能の良い、信頼性の高いレンズ駆動装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1発明のレンズ駆動装置は、収容空間を有するハウシングと、少なくとも二つの面により囲まれて形成され、前記ハウシングの収容空間内に実装し固持される回路基板と、レンズを収容可能なレンズチューブを有するレンズモジュールと、内部に前記レンズモジュールが設けられる支持枠と、前記レンズモジュールと前記支持枠とを接続し、上リーフスプリング及び下リーフスプリングを有するリーフスプリングと、前記支持枠と前記ハウシングとを接続し、前記支持枠をレンズの光軸に垂直な方向に沿って動作させる接続部品と、前記支持枠に実装し固持される第1の磁石鋼と、前記レンズチューブに実装し固持される駆動コイルと、前記回路基板に実装し固持される手ブレ防止コイルと、前記回路基板に実装し固持される位置センサと、を備え、前記第1の磁石鋼及び前記第2の磁石鋼は、前記位置センサの動作磁界を提供し、前記位置センサは、レンズが横方向に振れる時に少なくとも前記第1の磁石鋼の変化に誘導され、前記手ブレ防止コイルにより発生した磁界の影響を受けないように設けられ、前記第2の磁石鋼は、前記第1の磁石鋼よりも小さく、前記位置センサの中心線は、前記第1の磁石鋼と前記第2の磁石鋼の境界線と重なり、前記第1の磁石鋼は、平面の2極磁化磁石鋼であり、第1の極性面及び第2の極性面である二つの極性面を有し、前記第1の極性面の面積は、前記第2の極性面の面積の少なくとも4倍であり、前記第2の磁石鋼は、単面磁化磁石鋼であり、その磁極は前記第1の極性面の磁極と逆であることを特徴とする。
【0011】
発明のレンズ駆動装置は第1発明において、前記接続部品は、前記収容空間内に設けられ、順に接続される第1の固定部と、弾性部と、第2の固定部とを備え、前記第1の固定部は前記支持枠に接続され、前記第2の固定部は、前記ハウシングに接続され、前記支持枠をレンズの光軸に垂直な方向に沿って動作させることを特徴とする。
【0012】
発明のレンズ駆動装置は第発明において、前記接続部品の前記弾性部は、互いに接続される複数の第1の接続棒及び第2の接続棒を有し、前記第1の接続棒と前記第2の接続棒は平行に設けられ、レンズの光軸方向に沿ってアレイ分布していることを特徴とする。
【0013】
発明のレンズ駆動装置は第1発明において、前記レンズ駆動装置には、前記レンズモジュールに固定される磁気シールドが更に設けられていることを特徴とする。
【0014】
発明のレンズ駆動装置は第1発明において、前記ハウシングは、非磁性ハウシング、弱磁性ハウシング、反磁性ハウシングのうちのいずれか1種であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係わるレンズ駆動装置は、位置センサは手ブレ防止コイルと間隔をおいて設けられ、位置センサに対する手ブレ防止コイルが発生する磁界の影響を除去し、位置センサの誘導精度を向上させ、レンズ駆動装置の手ブレ防止性能を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明のレンズ駆動装置の斜視分解図である。
図2】本発明のレンズ駆動装置の蓋体、回路基板及び駆動コイルを除去した斜視図である。
図3図2の部品構成の局部の分解図である。
図4】本発明のレンズ駆動装置の第1の磁石鋼、第2の磁石鋼、駆動コイル、手ブレ防止コイル及び位置センサの組み立ての概略図である。
図5】本発明のレンズ駆動装置の接続部品の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係る実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1図4に示されるように、本実施形態のレンズ駆動装置は、ハウシング10、回路基板11、レンズモジュール12、支持枠13、リーフスプリング14、接続部品15、駆動コイル16、手ブレ防止コイル17、位置センサ18、第1の磁石鋼19、第2の磁石鋼20、及び磁気シールド21から構成される。
【0018】
前記ハウシング10は、ベース101と、前記ベース101に合わせて収容空間を取り囲んでなす蓋体102とを有する。前記ハウシング10は、非磁性材料や、弱磁性材料や、反磁性材料から構成される。
【0019】
前記回路基板11は、少なくとも二つの面に囲まれて形成され、前記ハウシング10の収容空間内に実装し、固持される。
【0020】
前記レンズモジュール12は、前記支持枠13内に収容され、前記レンズモジュール12は、レンズ(図示なし)と、前記レンズを固持し、収容するレンズチューブ121とを有する。
【0021】
前記支持枠13は、前記ハウシング10の収容空間内に収容される。
【0022】
前記リーフスプリング14は、前記レンズモジュール12と前記支持枠13とを接続し、上リーフスプリング141と、下リーフスプリング142とを有し、前記リーフスプリング14は、前記レンズチューブ121が運動する位置を制限するのに用いられ、前記レンズチューブ121及びレンズの安定性を確保する。
【0023】
前記接続部品15は、前記収容空間内に設けられ、順に接続される第1の固定部151と、弾性部152と、第2の固定部153とを備え、前記第1の固定部151が前記支持枠13に接続され、前記第2の固定部153が前記ハウシング10の前記ベース101に接続されることにより、前記支持枠をレンズの光軸に垂直な方向に沿って動作させる。また、製品が下落される場合にも緩衝する役目を果たし、製品の信頼性能を向上させる。本実施形態において、レンズの光軸とは、レンズセンターを通し、ミラーに垂直な線を指す。
【0024】
図5に示されるように、前記接続部品の前記弾性部152は、互いに接続される複数の第1の接続棒1521及び第2の接続棒1522を有し、前記第1の接続部1521と前記第2の接続棒1522とは平行に設けられ、レンズの光軸方向に沿ってアレイ分布されており、前記レンズ駆動装置1のレンズ伸縮方向における牽引能力を増強させ、下落を防止し、前記レンズ駆動装置1の信頼性を向上させる。
【0025】
前記駆動コイル16は、前記レンズチューブ121にセットされる。前記レンズモジュール上に磁気シールド21が設けられるのが好ましく、前記磁気シールド21は、磁束の漏れを防止でき、駆動コイルと手ブレ防止コイルとの間の電磁干渉を避け、電磁界力を向上させ、前記レンズ駆動装置1の駆動効果を増強させる。
【0026】
前記手ブレ防止コイル17及び前記位置センサ18は、前記回路基板11に固持されており、前記回路基板11の各々の面に対応する前記位置センサ18は、前記手ブレ防止コイル17と間隔をおいて設けられている。
【0027】
前記第1の磁石鋼19及び前記第2の磁石鋼20は、支持枠13上に実装し固持されており、前記第2の磁石鋼20は前記第1の磁石鋼19に当接し、前記第2の磁石鋼20は前記位置センサ18側にそれぞれ固持されている。前記第1の磁石鋼19は平面の2極磁化磁石鋼であり、同一の磁石鋼は二つの極性面を有し、それぞれ第1の極性面191及び第2の極性面192を有し、前記第1の極性面191の面積は、前記第2の極性面192の面積の少なくとも4倍である。前記位置センサ18の中心線Aは、前記第1の極性面191と前記第2の磁石鋼20との境界線Bに重なり、前記手ブレ防止コイル17の中心線Cは、前記第1の極性面191と前記第2の極性面192との境界線Dに重なる。前記第2の磁石鋼20は単面磁化磁石鋼であり、その磁極は前記第1の磁石鋼19の前記第1の極性面191の磁極と逆である。
【0028】
なお、上記構成はこれに限られていない。例えば、前記回路基板11の二つの隣接する面には、前記ブレ防止コイル17及び前記位置センサ18が設けられる。前記第2の磁石鋼20の数は、前記位置センサ18の数と同じである。その原理に応じて、同様に本発明の技術案を実現でき、いずれも本発明の特許保護範囲内に含まれている。
【0029】
本発明のレンズ駆動装置の動作原理は、以下の通りである。
【0030】
前記レンズ駆動装置1が通電して動作される場合、前記レンズチューブ121に固持された前記駆動コイル16と前記第1の磁石鋼19との間の電磁作用により、前記レンズチューブ121をレンズの光軸方向に沿って動作させる。
前記第1の磁石鋼19と前記手ブレ防止コイル17との間の電磁作用により、前記支持枠13を前記レンズの光軸に垂直な方向に沿って動作させる。
前記第1の磁石鋼19及び前記第2の磁石鋼20は、前記位置センサ18の動作磁界を提供し、前記位置センサ18は、レンズが横方向に振れる時に前記第1の磁石鋼19の変化に誘導され、前記レンズ駆動装置1の手ブレ防止の目的を達成させる。
回路基板11に設けられた前記位置センサ18は前記手ブレ防止コイル17と間隔をおいて設けられ、前記位置センサ18に対する前記手ブレ防止コイル17が発生する磁界の影響を除去し、前記位置センサ18の誘導精度を向上させ、前記レンズ駆動装置1の手ブレ防止性能を向上させる。
【0031】
本発明は、相関技術と比べると、レンズ駆動装置が実に発生する効果影響に組み合わせて、駆動装置の手ブレ防止性能が悪くなり、下落する時に損害しやすくなる技術課題を解決し、レンズ駆動装置の実用性及び信頼性を向上させている。
【0032】
上述説明したのは、本発明の実施形態に過ぎず、本発明の特許請求の範囲を限定するものではない。本発明の明細書及び図面の内容に基づいて作れる等価構成又は等価工程変換、あるいは他の関連技術分野における直接又は間接運用は、全て同様に本発明の特許請求の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0033】
10 ハウシング
11 回路基板
12 レンズモジュール
13 支持枠
14 リーフスプリング
15 接続部品
16 駆動コイル
17 手ブレ防止コイル
18 位置センサ
19 第1の磁石鋼
20 第2の磁石鋼
21 磁気フィールド
図1
図2
図3
図4
図5