【実施例1】
【0018】
図1(a)は、実施例1に係る電気回路装置の平面図、
図1(b)は、
図1(a)のA−A断面図である。
図1(b)では、電気回路装置に加え外部導体を図示している。
図1(a)および
図1(b)に示すように、電気回路装置100において、バスバー12aと12bが絶縁層14を挟み平面視において重なるように積層されている。バスバー12aおよび絶縁層14には孔16aが形成されている。バスバー12aおよび12b上に電子部品20が搭載されている。電子部品20は、接続端子22aおよび接続端子22bを備えている。接続端子22aはバスバー12aに接続されている。接続端子22bは孔16aを介しバスバー12bに接続されている。これにより、電子部品20はバスバー12aおよび12bに電気的に接続される。
【0019】
外部端子18aおよび18bは、バスバー12aおよび12bを外部に電気的に接続する端子である。外部端子18aおよび18bは、バスバー12aおよび12bから突出している凸部である。外部端子18aと18bとの間には絶縁層14が設けられている。外部端子18aおよび18bは、平面視において重なっている。外部端子18aおよび18bは、それぞれ外部導体42aおよび42bを介し外部に電気的に接続される。外部導体42aおよび42bは領域40aおよび40b(
図1(a)においてクロスで示した)において外部端子18aおよび18bに接触する。これにより、外部導体42aおよび42bは外部端子18aおよび18bと電気的に接続される。
【0020】
バスバー12aおよび12b並びに外部端子18aおよび18bは、例えば銅板等の金属板である。バスバー12aと外部端子18aとは、一体に形成された金属板でもよい。バスバー12bと外部端子18bとは、一体に形成された金属板でもよい。絶縁層14は、例えば絶縁性樹脂層である。電子部品20は、例えばコンデンサまたはスイッチング素子等である。電子部品20はバスバー12aおよび12bに複数搭載されていてもよい。接続端子22aおよび22bは、例えば銅等の金属端子である。接続端子22aおよび22bは、それぞれ1本でもよく、複数でもよい。外部導体42aおよび42bは、例えば銅板等の金属部材である。外部導体42aおよび42bは、電気回路装置100に含まれていてもよいし、電気回路装置100に含まれなくてもよい。
【0021】
図2(a)は、比較例1に係る電気回路装置の平面図、
図2(b)は、実施例1に係る電気回路装置の平面図である。
図2(a)および
図2(b)において、経路50はバスバー12aおよび外部端子18a内の電流経路を模式的に示し、経路52は、バスバー12bおよび外部端子18b内の電流経路を模式的に示す。
図2(a)に示すように、外部端子18aおよび18bとは平面視において重なっていない。外部端子18aに正側の電圧、外部端子18bに負側の電圧が印加されると、電流は外部端子18aからバスバー12aを介し電子部品20に供給される。電子部品20からの電流はバスバー12bを介し外部端子18bに至る。バスバー12aおよび12b内の電子部品20側の領域60では、経路50と52とは重なりかつ逆方向である。これにより、寄生インダクタンスを抑制できる。
【0022】
しかしながら、バスバー12aおよび12b内の外部端子18aおよび18b側の領域62では、経路50と52とは重なっておらず、かつ逆方向となっていない。これにより、領域62では、寄生インダクタンスを抑制できない。
【0023】
図2(b)に示すように、外部端子18aおよび18bとは平面視において重なっている。バスバー12aおよび12b内の経路50と52とはほぼ重なりかつほぼ逆方向となる。さらに、外部端子18aおよび18b内においても経路50と52とはほぼ重なりかつほぼ逆方向となる。これにより、実施例1では、比較例1に比べ外部端子18aおよび18bの間に形成される寄生インダクタンスを抑制できる。
【0024】
実施例1によれば、
図1(a)および
図1(b)のように、外部端子18a(第1外部端子)はバスバー12a(第1バスバー)を外部に電気的に接続する。外部端子18b(第2外部端子)はバスバー12b(第2バスバー)を外部に電気的に接続する。外部端子18a内の外部に接続される領域40a(第1領域)と、外部端子18b内の外部に接続される領域40b(第2領域)と、の少なくとも一部は平面視において互いに重なる。これにより、
図2(b)のように外部端子18aおよび18bの間に形成されるインダクタンスを抑制できる。
【0025】
領域40aおよび40bは、例えばそれぞれ外部導体42a(第1外部導体)および外部導体42b(第2外部導体)が接触する領域である。
【0026】
バスバー12aの電気的に接続される電子部品と、バスバー12bの電気的に接続される電子部品とは、同じ電子部品でもよいし、異なる電子部品でもよい。
【0027】
図1(b)では、外部端子18aと18bとの間に絶縁層14が設けられ、バスバー12aと12bとの間に絶縁層14が設けられている。これにより、外部端子18aと18bと電気的に分離され、バスバー12aと12bとを電気的に分離できる。
【実施例2】
【0028】
実施例2は、電源間に接続される平滑コンデンサとして用いられる電気回路装置の例である。
図3は、実施例2に係る電気回路装置の回路図である。
図3に示すように、外部端子18aと18bとの間に並列に複数のコンデンサ20aが接続されている。複数のコンデンサ20aの各々の一方の接続端子22aはバスバー12aに接続されている。複数のコンデンサ20aの各々の一方の接続端子22bはバスバー12bに接続されている。バスバー12aおよび12bはそれぞれ外部端子18aおよび18bに接続されている。外部端子18aと18bの間には、例えば直流電圧が印加される。外部端子18aおよび18bは、例えばそれぞれ正側および負側の端子である。
【0029】
図4(a)は、実施例2に係る電気回路装置の平面図、
図4(b)は、
図4(a)のA−A断面図である。
図4(a)は、上面の筐体を透過して図示している。
図4(a)および
図4(b)に示すように、電気回路装置104は、平板状のバスバー12aおよび12bを備え、絶縁層14の上下にそれぞれ設けられている。バスバー12aおよび12bの上下にコンデンサ20aが接着剤26を介し搭載されている。バスバー12aおよび絶縁層14を貫通する孔16aとバスバー12bおよび絶縁層14とを貫通する孔16bとが設けられている。接続端子22aはコンデンサ20aとバスバー12aとを電気的に接続する、接続端子22bはコンデンサ20aとバスバー12bとを電気的に接続する。基板10の上側では、接続端子22bは孔16aを介しバスバー12bに接続される。基板10の下側では、接続端子22aは孔16bを介しバスバー12aに接続される。
【0030】
外部端子18a、18bおよび絶縁層14には、それぞれ孔部19a、19bおよび19cが形成されている。孔部19aから19cは少なくとも一部が重なるように形成されている。バスバー12a、12bおよびコンデンサ20aを囲むように箱状の筐体30が設けられている。外部端子18aおよび18bが筐体30の一面に設けられている。外部端子18aおよび18bはそれぞれバスバー12aおよび12bと電気的に接続されている。
【0031】
図5は、実施例2におけるバスバー12aに搭載されたコンデンサ20aの平面図である。
図6(a)から
図6(c)は、それぞれ
図5のA−A断面図、B−B断面図およびC−C断面図である。
図5から
図6(c)に示すように、コンデンサ20aの一面に形成された外部電極25aに6本の接続端子22aが接続され、他面に形成された外部電極25bに6本の接続端子22bが接続されている。外部電極25aおよび25bは、コンデンサ20aの側面のほぼ全面に形成されている。外部電極25aおよび25bは銅膜またはニッケル膜等の金属膜である。上側のコンデンサ20aの接続端子22aはバスバー12aに半田等を用い接続されている。上側のコンデンサ20aの接続端子22bは3本ずつ孔16aを介しバスバー12bに半田等を用い接続されている。下側のコンデンサ20aの接続端子22aは3本ずつ孔16bを介しバスバー12aに半田等を用い接続されている。下側のコンデンサ20aの接続端子22bはバスバー12bに半田等を用い接続されている。コンデンサ20aは、積層セラミックコンデンサである。積層セラミックコンデンサは、内部電極に挟まれた誘電体セラミックシートが積層されたコンデンサである。内部電極は外部電極25aおよび25bに電気的に接続されている。複数の接続端子22a同士は接続配線で接続されていてもよい。複数の接続端子22b同士は接続配線で接続されていてもよい。
【0032】
図3から
図6(c)のように、外部端子18aは、バスバー12aを介し複数のコンデンサ20aの接続端子22aに電気的に接続される。外部端子18bは、バスバー12bを介し複数のコンデンサ20aの接続端子22bに電気的に接続される。これにより、外部端子18aと18bとの間に複数のコンデンサ20aが並列に接続される。バスバー12aおよび12bは複数の接続端子22aおよび22bを共通に接続する。バスバー12aおよび12bにより、外部端子18aと18bと複数のコンデンサ20aとの間に形成される寄生インダクタンスを抑制できる。さらに、1つのコンデンサ20aは複数の接続端子22aおよび複数の接続端子22bを備える。これにより、バスバー12aおよび12bを流れる電流が分散し、寄生インダクタンスを抑制できる。1つのコンデンサ20aに対し複数の孔16aまたは複数の孔16bを設ける。これにより、バスバー12aおよび12bを流れる電流の経路を確保できる。1つのコンデンサ20aに対し1つの孔16aまたは1つの孔16bを設け、接続端子22aまたは22bの数を増やしてもよい。これにより、バスバー12aまたは12bとコンデンサ20aとの間の寄生インダクタンスを抑制できる。
【0033】
図7は、実施例2において外部端子が外部導体と接続する断面図である。外部端子18a、絶縁層14および外部端子18bは、孔部19a、19cおよび19bが重なるように積層されている。外部導体42aおよび42bには孔部43aおよび43bが形成されている。外部導体42aは外部端子18aの上面に接触することにより外部端子18aと電気的に接続されている。外部導体42bは外部端子18bの下面に接触することにより外部端子18bと電気的に接続されている。孔部43aが孔部19aと少なくとも一部が重なり、孔部43bは孔部19bと少なくとも一部が重なる。外部導体42aおよび42bの上下にそれぞれワッシャ44aおよび44bが設けられている。螺旋状のねじ山が形成されたボルト48は、孔部43a、19a、19b、19cおよび43bを貫通する。ボルト48の先端にナット49がねじ嵌合されている。ボルト48とナット49を締めることにより、外部端子18aおよび18bと外部導体42aおよび42bとが互いに密着し、外部端子18aおよび18bと外部導体42aおよび42bとの接触抵抗が小さくなる。
【0034】
外部導体42aおよび42bは、それぞれ接続導体46aおよび46bを介し端子47aおよび47bに接続される。接続導体46aおよび46bの周囲は絶縁被覆膜45で覆われている。接続導体46aおよび46bは例えばケーブルである。外部端子18aが外部導体42aと接触する領域40aと、外部端子18bが外部導体42bと接触する領域40bと、は平面視において重なっている。このため、実施例1の
図2(b)と同様に、外部端子18aと18bとの間の寄生インダクタンスを抑制できる。
【0035】
実施例2の電気回路装置は、例えば電気自動車の駆動用モータに用いるインバータの一次側平滑コンデンサに用いる。電気回路装置の仕様は、例えば動作電圧が200V、定格電圧が400V、静電容量が240μF、最大リップル電流が300Aおよび短絡故障時電流が1200Aである。動作電圧を例えば48V以上かつ720V以下、静電容量を例えば47μF以上かつ630μF
以下とすることができる。このように、実施例
2の電気回路装置は、インバータまたはコンバータ等の電源回路の一次側平滑コンデンサに用いることができる。
【0036】
絶縁層14としては、例えばエポキシ樹脂またはポリイミド樹脂等の耐熱性の高い絶縁樹脂を用いることができる。バスバー12aおよび12bとして、例えば銅板等の金属板を用いることができる。バスバー12aおよび12b並びに外部端子18aおよび18bの膜厚は例えば0.25mm程度以上とすることができる。これにより、バスバー12aおよび12b並びに外部端子18aおよび18bの抵抗およびインダクタンスを抑制できる。バスバー12aと外部端子18aは板状に一体に形成されていてもよい。バスバー12bと外部端子18bは板状に一体に形成されていてもよい。接続端子22aおよび22bとして、例えば銅板等の金属板を用いることができる。1本の接続端子22aおよび22bの抵抗は例えば1mΩ程度である。筐体30は、難燃性樹脂、セラミックスまたは絶縁塗装した金属などの絶縁性である。筐体30と、バスバー12aおよび12b並びに外部端子18aおよび18bと、の間にはシリコーン樹脂等の耐熱性の高い絶縁層を設けてもよい。
【0037】
空気中の絶縁耐力は3kV/mm程度である。これは、外部端子18aと18bとの間に630Vが印加される場合、0.21mmに相当する。温度、湿度および気圧により空気中の絶縁耐力が変化する。絶縁耐力の変化のマージンを考慮し、外部端子18aと18bとの間が空気の場合、その間隔を0.5mm程度以上とすることが好ましい。外部端子18aと18bとの間に絶縁層14を設ける場合、絶縁層14を絶縁性の高いエポキシ樹脂(例えばFR−4)またはポリイミド樹脂とすることで、外部端子18aと18bとの間隔を0.1mm程度にできる。絶縁層14の端面は外部端子18aおよび18bの端面から0.5mm程度以上突出している。これにより、外部端子18aおよび18bの端面における絶縁破壊をより抑制できる。バスバー12aと12bとの間に設けられた絶縁層14についても外部端子18aと18bとの間に設けられた絶縁層14と同じ材料および膜厚とすることができる。
【0038】
ボルト48およびナット49は絶縁性であることが好ましい。ボルト48およびナット49の材料として、例えばポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、ポリビニリデンジフロライド樹脂、酸化アルミニウム、窒化珪素、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、全芳香族ポリイミド樹脂、硬質ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンサルファイド樹脂、RENY(ガラス繊維50%強化ポリアミドMXD6)、ポリアセタール樹脂、またはガラスエポキシ樹脂等を用いることが好ましい。
【0039】
外部端子18aと18bとの間の平面視での距離を変え、外部端子18aと18bとの間のインダクタンスをシミュレーションした。
図8は、外部端子間の距離に対するインダクタンスを示す図である。
図8において、距離が0のときは、実施例2に相当し、孔部19aと19bが重なっている。外部端子18aおよび18bは、平面視で約15mm×15mmとし、外部端子18aと18bが最も離れたとき(
図2(a)のような配置)の距離は45mmとなる。コンデンサ20aを6個設け、各コンデンサ20aの等価並列インダクタンスを13nHとした。図
8に示すように、外部端子18aと18bとの距離が大きくなると、インダクタンスが大きくなる。外部端子18aおよび18bは完全に重なっていなくても少なくとも一部が重なっていればインダクタンスは小さくなる。
【0040】
実施例2によれば、外部端子18aに孔部19a(第1孔部)が設けられ、外部端子18bに孔部19b(第2孔部)が設けられている。孔部19aと19bの少なくとも一部は重なる。これにより、例えばボルト
48を同軸に設けることができる。外部端子18aが外部導体42aと接触する領域40aと、外部端子18bが外部導体42bと接触する領域40bと、を平面視において重ねるように設けることができる。よって、寄生インダクタンスをより抑制できる。外部端子18aおよび18bは、バスバー12aおよび12bの一辺の中央以外に設けられていてもよい。
【0041】
ボルト
48とナット
49(接触用部材)をねじ嵌合することで,外部端子18a内の領域に外部導体
42aを接触させ、外部端子18b内の領域に外部導体
42bを接触させることができる。よって、外部端子18aおよび18bと外部導体
42aおよび
42bとの接触抵抗を抑制し、かつ、寄生インダクタンスを抑制できる。接触用部材としてはボルト
48とナット
49以外の部材を用いてもよい。
【0042】
外部端子18aと外部端子18bとの間に絶縁層14を設ける。これにより、外部端子18aと外部端子18bとの間の絶縁性を確保し、かつ外部端子18aと外部端子18bとの間の距離を小さくできる。バスバー12aと12bとの間に絶縁層14が設けられていてもよい。
【0043】
バスバー12aは、複数のコンデンサ20aの各々接続端子22a(第1端子)を共通に電気的に接続する。バスバー12bは、複数のコンデンサ20aの各々接続端子22b(第2端子)を共通に電気的に接続する。このように、複数の電子部品を設ける場合、バスバー12aおよび12bにおけるインダクタンスが大きくなる。そこで、外部端子18aおよび18bを重ねて設けることが好ましい。
【0044】
コンデンサ20aがバスバー12aおよび12bと重なるように設けられている場合、コンデンサ20aとバスバー12aおよび12bとのインダクタンスを小さくできる。よって、外部端子18aおよび18b並びにバスバー12aおよびバスバー12b内を流れる電流に起因したインダクタンスの影響がより大きくなる。よって外部端子18aおよび18bを重ねて設けることが好ましい。
【0045】
図6(a)から
図6(c)のように、上側のコンデンサ20a(バスバー12aに対しバスバー12bとは反対側に設けられた第1電子部品)と、下側のコンデンサ20a(バスバー12bに対しバスバー12aとは反対側に設けられた第2電子部品)が設けられている。上側と下側のコンデンサ20aの接続端子22aがバスバー12aに接続する位置は平面視において重なっている。上側と下側のコンデンサ20aの接続端子22bがバスバー12bに接続する位置は平面視において重なっている。接続端子22aおよび22bがバスバー12aおよび12bに接続されると、バスバー12aとバスバー12b間の応力のバランスが崩れる。上下の接続端子22a(または22b)がバスバー12a(または12b)に接続する位置を重ならせる。これにより、バスバー12aおよび12bには接続端子22aおよび22bに起因した応力による歪みが発生しにくい。また、バスバー12aおよび12bの温度が上昇したときでも、バスバー12aおよび12bには接続端子22aおよび22bに起因した熱応力による歪みが発生しにくい。
【実施例3】
【0046】
実施例3はインバータの例である。
図9は、実施例3に係る電気回路装置の回路図である。
図9に示すように、外部端子18aと18bとの間に3つの経路56aから56cが並列設けられている。各経路56aから56cには、2つのスイッチング素子21が直列に接続されている。経路56aから56c内のスイッチング素子21間のノードにはそれぞれ端子58aから58cが接続されている。複数の経路56の各々の一端は、バスバー12aに共通に接続され、複数の経路56の各々の他端は、バスバー12bに共通に接続される。バスバー12aおよび12bはそれぞれ外部端子18aおよび18bに接続される。外部端子18aおよび18bは一次側の端子であり、端子58aから58cは2次側の端子である。
【0047】
スイッチング素子21は、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、SiCFETまたはGaNFETである。また、スイッチング素子21は、ダイオードまたはサイリスタでもよい。
【0048】
外部端子18aおよび18bには直流電力が供給される。スイッチング素子21が適正に制御されることにより、端子58aから58cから3相交流電力が出力される。このように、実施例3はインバータとして機能する。
【0049】
電気自動車またはエアコンプレッサ等のハイパワーのモータでは、扱う電流が大きくなるため、放熱性および低抵抗化が重要となる。このため大型のバスバーが用いられる。スイッチング素子を用いた電源回路では、スイッチング素子を適切に制御することによって、瞬時に電流を遮断したりあるいは通流させたりすることができる。スイッチング素子が電流を遮断すると、バスバー12aおよび12b並びに外部端子18aおよび18bの寄生インダクタンスによって、スイッチング素子にスパイク状のサージ電圧が発生する。
【0050】
このサージ電圧がスイッチング素子の耐電圧を超えるとスイッチング素子の故障を招くため、スイッチング素子を用いた電源回路に用いられる電気回路装置は寄生インダクタンスを抑制することが重要である。そこで、実施例3の電気回路装置において、外部端子18aおよび18bを実施例1および2と同様に重ねて設ける。これにより、寄生インダクタンスを抑制できる。
【0051】
スイッチング素子を用いた電源回路としては、インバータ以外にも交流直流変換コンバータまたはDC−DCコンバータなどに用いることができる。
【0052】
以上のように、電子部品は、実施例2のようにコンデンサでもよいし、実施例3のようにスイッチング素子でもよい。その他の電子部品でもよい。実施例2のように、バスバー12aとバスバー12bに同じ電子部品の接続端子22aと22bが接続されていてもよい。実施例3のように、バスバー12aとバスバー12bに異なる電子部品が接続されていてもよい。
【0053】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。