【文献】
Carlos A. Fernandez et al,Synthesis, Characterization, and Application of Metal Organic Framework Nanostructures,Langmuir,2010年,26(24),18591-18594
【文献】
Pradip Pachfule et al,Solvothermal Synthesis, Structure, and Properties of Metal Organic Framework Isomers Derived from a Partially Fluorinated Link,Cryst.Growth Des,2011年,11,1215-1222
【文献】
Pradip Pachfule et al,Structural,Magnetic,and Gas Absorption Study of a Series of Partially Fluorinated Metal−Organic Frameworks(HF-MOFs),Inorg.Chem,2011年,50,3855-3865
【文献】
Tae Kyung Kim et al,Selective CO2 Absorption in a flexible non-interpenetrated metal-organic framework,Chem.Commun.,2011年,47,4258-4260
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記HFOが、ペンタフルオロプロペン(HFO1225)、テトラフルオロプロペン(HFO1234)、トリフルオロプロペン(HFO1243)、すべてのテトラフルオロブテン異性体(HFO1354)、すべてのペンタフルオロブテン異性体(HFO1345)、すべてのヘキサフルオロブテン異性体(HFO1336)、すべてのヘプタフルオロブテン異性体(HFO1327)、すべてのヘプタフルオロペンテン異性体(HFO1447)、すべてのオクタフルオロペンテン異性体(HFO1438)、すべてのノナフルオロペンテン異性体(HFO1429)、およびそれらの混合物、からなる群より選択される、請求項1に記載の吸着媒−作動流体の組合せ。
前記HFOが、trans−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(trans−HFO−1234ze);2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)、(cisおよび/またはtrans)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロブテン(HFO−1336mzz)、およびそれらの混合物、からなる群より選択される、請求項1に記載の吸着媒−作動流体の組合せ。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、気体もしくは液体の分離のため、気体の貯蔵のため、ならびに冷却および加熱用途のための、たとえば、金属−有機構造体(MOF)、共有結合性有機構造体(COF)、多孔性芳香族構造体(PAF)または多孔性ポリマーネットワーク(PPN)のような収着剤に関する。本発明はさらに、伝熱操作のための、MOFとある種の作動流体との組合せにも関する。本発明はさらに、二重効用チラー系にも関する。MOFは、(多くの場合硬質の)有機分子と配位結合させて、多孔性となりうる、一次元、二次元または三次元構造を形成させた、金属イオンまたはクラスターからなる化合物である。いくつかの場合においては、それらの細孔が安定的にゲスト分子(多くの場合溶媒)を排除し、たとえば水素および二酸化炭素のような気体を貯蔵するのに使用することができる。MOFのその他の可能性のある用途は、気体の精製、気体の分離、触媒反応、センサーなどである。
【0008】
金属−有機構造体(MOF)
本発明の一つの好ましい実施態様においては、その金属−有機構造体(MOF)が、Zn、Fe、Al、Mg、V、Ni、Mn、Co、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Tc、Re、Ru、Os、Ir、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Hg、Sr、Ba、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Biからなる群より選択される少なくとも1種の金属成分、およびそれらの組合せを含む、多孔性の金属有機構造体またはハイブリッド有機−無機物質である。
【0009】
本発明のまた別な好ましい実施態様においては、二価の金属イオンたとえば、Ni
+2、Zn
+2、Cu
+2、Co
+2、Mg
+2、Ca
+2、Fe
+2、Mn
+2など、および三価の金属イオンたとえば、Fe
+3、Al
+3、Cr
+3、Mn
+3などが、金属有機構造体の中に組み込まれている。また別な実施態様においては、その多孔性の金属有機構造体が、Zr、Ti、Sn、V、W、MoまたはNbの四価、五価、または六価の金属イオンを用いて配位することによって形成されていてもよい。
【0010】
本発明のまた別な好ましい実施態様においては、一価の金属イオンに加えて、二価、三価の酸化状態を有する混合金属が、プルシアンブルー類似体としても知られているような、M
+33[M
+2(CN)
6]2の化学式(ここで、M
+3は、Fe
+3、CO
+3、Mn
+3などであってよく、M
+2は、Zn
+2、Ni
+2、Co
+2、Mn
+2、Cu
+2など、およびそれらの混合物であってよい)として、金属有機構造体の中に組み込まれている。
【0011】
多孔性の金属有機構造体物質の中の有機の構成単位は、リンカーまたは有機リンカーと呼ばれる。一つの実施態様においては、その有機リンカーが、配位結合を可能とする官能基を有している。それらの金属イオンと配位結合させることが可能な官能基の例としては、以下のものが挙げられるが、それらに限定される訳ではない:炭酸(−CO
3H)、炭酸のアニオンの形(−CO
3-)、カルボン酸のカルボキシルアニオン基、アミノ基(−NH
2)、イミノ基、ヒドロキシル基(−OH)、アミド基(−CONH
2)、スルホン酸基(−SO
3H)、スルホン酸のアニオンの形(−SO
3-)、シアニド(−CN)、ニトロシル(−NO)ピリジンなど。たとえば、一つの実施態様においては、ニトロプルシドとしても知られている、化学式T[Fe(CN)
5NO](ここで、T=Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、およびCd)、さらには混合組成物、Co
1-xT
x[Fe(CN)
5NO](T=Mn、Fe、Ni、Zn、およびCdなど)。
【0012】
また別な実施態様においては、混合金属と有機リンカーが金属有機構造体の中に組み込まれていて、これはHoffman包接化合物としても知られている。たとえば、化学式M(L)[M(X)
4]・nH
2O、ここでM=Ni、Cu、Co、Zn、Mn、Feなど、L=ピラジン、4,4’−ビピリジン、1,2−ビス(4−ピリジル)エタン、ジピリジルアセチレンなど、X=CNなど。
【0013】
有機配位子としては、配位のための少なくとも二つのサイト、たとえばビ−、トリ−、テトラ−、ペンタ−、ヘキサ−デンテート配位子を有する化合物を挙げることができる。それらの有機化合物の例としては以下のものが挙げられるが、これらに限定される訳ではない:中性のリンカーたとえば、ピラゼン(pyrazene)、ダブコ(dabco)、ピペラジン、ビピリデン(bypiridene)、アゾベンゼン、およびそれらの中性の配位子を官能化させた形、アニオン性の有機化合物たとえば、カルボン酸のアニオン、たとえばテレフタレート、ナフタレンジカルボキシレート、ベンゼントリカルボキシレート、ベンゼンテトラカルボキシレート、ベンゼンペンタカルボキシレート、ベンゼンヘキサカルボキシレート、ジオキソテレフタレートなど、芳香族およびその他の直鎖状のカルボン酸のアニオン、たとえば、ホルメート、オキサレート、マロネート、スクシネート、グルタメートなど、ならびに非芳香族カルボキシレートアニオンたとえば、1,2−シクロヘキサンジカルボキシレート、1,3−シクロヘキサンジカルボキシレート、1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート、および1,3,5−シクロヘキサントリカルボキシレートも、ハイブリッド有機無機物質を調製するのに使用することができる。
【0014】
各種のヘテロサイクリックな物質を含むその他の有機リンカー、たとえばフラン、インドール、ピリジン−2,3−ジカルボキシレート、ピリジン−2,6−ジカルボン酸、ピリジン−2,5−ジカルボン酸、およびピリジン−3,5−ジカルボン酸なども挙げられる。
【0015】
その他の有機リンカーで、ゼオライトイミダゾレート構造体と呼ばれる金属有機構造体のサブクラスを作成するためのものは、イミダゾール、テトラゾール、トリゾール(trizole)を使用し、Cl、Br、I、F、NH
2、NO
2などを用いて官能化させて生成させる。
【0016】
また別な好ましい実施態様においては、その有機配位子を、ジヒドロキシテレフタレートおよびその誘導体とすることもできる。一つの例(これに限定される訳ではない)においては、ジヒドロキシテレフタレートが、クロロ、ブロモ、ヨード、フルオロ、シアノ、スルホナト、アミノ、アルデヒド、カルバミドなどを有している。同様にして、少なくとも1個または複数の、たとえばニトロ、アミノ、ブロモ、クロロ、ヨード、アミノなどの官能基を有する、ジ−、トリ−、テトラ−,ペンタ−テレフタレートを用いて有機構成単位を官能化させることも可能である。
【0017】
一つの好ましい実施態様においては、多孔性の金属有機構造体物質が、M
3X(H
2O)
2O[C
6Z
4-yZ’
y(CO
2]
3(M=Cu、Fe、Zn、Ni、Cr、Mn、V、Al、Mg、Ca、Ti;X=Cl、Br、I、F、またはOH;ZまたはZ’=H、NH
2、Br、I、NO
2、0<y<4)または水和物の化学式を有している。多孔性の金属有機構造体のまた別な実施態様では、M
3X(H
2O)
2O[C
6Z
3-yZ’
y(CO
2)
3]
2(M=Cu、Fe、Zn、Ni、Cr、Mn、V、Al、Mg、Ca、Ti;X=Cl、Br、I、F、またはOH;ZまたはZ’=H、NH
2、Br、I、NO
2、0<y<4)の化学式が含まれる。他の分子式は、M
3OX
1-y(OH)
y[C
6H
3−(CO
2)
3]
2(0<y<1;M=Cu、Fe、Mn、Cr,V、Al、Ti、Zr、またはMg;X=Cl、Br、I、F、NO
2、NH
2、CHO)として表される。M
3X
1-y(OH)
y(H
2O)
2O[C
6H
4(Co
2)
2]
3;(0<y<1;M=Cu、Zn、Al、Mg、Fe、Ge、Ru、Rh、Mn、Ni;X=Cl、Br、I、Fなど)。また別な、水和されている多孔性の金属有機構造体の化学式は、次式で表される:M
3O(H
2O)
2X
1-y(OH)
y[C
6H
3−(CO
2)
3]
2・nH
2O(0<y<1;(M=Cu、Fe、Mn、Cr,V、Al、Ti、Zr、またはMg;X=Cl、Br、I、F、NO=、NH
2、CHO;0.1<n<150)、M
3X
1-y(OH)
y(H
2O)
2O[C
6H
4(CO
2)
2]
3・nH
2O(M=Cu、Fe、Mn、Cr,V、Al、Ti、Zr、またはMg;X=Cl、Br、I、F、NO2、NH2、CHO;0.1<n<150)。
【0018】
上記の化学式の多孔性の金属有機構造体とは別に、Cl、Br、I、NH
2、NO
2、SO
3H、SO
3、ピリジル、OCH
3を用いて官能化された、単一の多孔性有機固形物、たとえばカリックス(n)アレーン、tert−ブチルカリックス(n)アレーン、チアカリックス(n)アレーン、tert−ブチルチアカリックス(n)アレーン(ここで、n=4、5、6、7、および8)、ヒドロキノン、トリス−o−フェニレンジオキシシクロトリホスファゼン(TPP)、ククル(n)ビチュリル(cucur(n)bituril、CB)(ここでn=5、6、および7)を使用することもまた可能である。
【0019】
化学式は次の通りである:カリックス[4]アレーン(C
28H
24O
4)、p−tert−ブチルカリックス[4]アレーン;C
44H
56O
4、p−tert−ブチルチアカリックス[4]アレーン;C
40H
48O
4S
4、CB[6];C
36H
36N
24O
12、CB[7]:C
42H
42N
28O
14、tert−ブチルカリックス[5]アレーン(C
55H
70O
5)、カリックス[5]アレーン(C
35H
30O
5)。
【0020】
本発明のまた別な実施態様においては、その収着媒に共有結合性有機構造体が含まれる。共有結合性有機構造体(COF)または多孔性芳香族構造体(PAF)または多孔性ポリマーネットワーク(PPN)は、多孔性で結晶質の伸長された芳香族の構造体物質であって、そこでは、その有機構成単位が、強い共有結合によってリンクされている。これらの物質が魅力的である理由は、H、B、C、NおよびOのような軽い元素をもっぱら使用していることであって、それらの元素は、強い共有結合を備えたしっかりとした物質(例:グラファイト、ダイヤモンド、窒化ホウ素など)を形成することが知られている。サイズを伸長させる、各種の官能基を有する有機構成単位を微細に調節することによって、所望の用途を有する、軽量で官能化されたミクロ/メゾ多孔性の共有結合性構造体が形成される。本発明の一つの好ましい実施態様においては、共有結合性有機構造体タイプの物質として、以下のものが挙げられるが、これらに限定される訳ではない:ジボロン酸、ヘキサヒドロキシトリフェニレン、ジシアノベンゼンおよび化学式C
9H
4BO
2のその誘導体などを縮合させることによって得られるもの、ならびに、ベンゼン−1,4−ジボロン酸(BDBA)、2,3,6,7,10,11−ヘキサヒドロキシルトリフェニレン(HHTP)、テトラキス(4−ブロモフェニル)メタン、テトラキス(4−エチニルフェニル)メタン(TEPM)、1,3,5,7−テトラキス(4−エチニルフェニル)アダマンチン(TEPA)、1,3,5,7−テトラキス(4−ブロモフェニル)アダマンチン(TBPA)から得られるもの。本発明の好ましい実施態様においては、その共有結合性有機構造体(COF)が、COF−1、COF−2、およびそれらの混合物から選択される。
【0021】
本発明によるMOFには、シアニドで橋かけされた金属有機構造体を含むことができる。そのシアニドで橋かけされた金属−有機−構造体は、式M
3II[M
III(CN)
6]2・nH2O(M
II、M
III=遷移金属)および八面体のM
III(CN)63−錯体から構成され、M2+イオンによって橋かけされて単一の立方格子となる化学物質であってよい。金属イオン(M
IIおよびM
III)を適切に選択することによって、各種の性質を有する収着媒を構築することができる。たとえば、本発明の一つの実施態様においては、M
III=Coおよび二価の金属M
II=Mn、Cu、および/またはNiを使用することによって、以下のようなMOF収着媒が得られる:Mn
3II[Co
III(CN)
6]
2・nH2O(MnCo);Cu
3II[Co
III(CN)
6]
2・nH2O(CuCo);Ni
3II[Co
III(CN)6]
2・nH
2O(NiCo);Co
3II[Co
III(CN)
6]
2・nH2O(CoCo);およびZn
3II[Co
III(CN)
6]
2・nH2O(ZnCo)。
【0022】
本発明のMOFの例としては以下のものが挙げられるが、これらに限定される訳ではない:CuBTC、MDODBC、FMOF−2CU、MIL−101(Cr)、MIL−101−X(X=NO2、NH2、Br、SO3H)、MIL−100(Fe)、MOF−74(Ni)、MOF−74(Fe)、MOF−74(Co)、MOF−74(Cu)、MOF−74(Zn)、MIL−100(Fe)、MOF−74(Ni)、MOF−74(Fe)、MOF−74(Co)、UMCM−1(University of Michigan crystaline Material−1;PCN−222、[Zn4O(BDC)(BTB)4/3])、CoCo、ZnCo、およびLZnPYC1。これらのMOFを調製する方法の例を以下に記述する。
【0023】
CuBTC:(銅ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート、Cu−BTC MOF、HKUST−1):
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸(H3BTC)および硝酸銅(II)三水和物(Cu(NO
3)
2・3H
2O)を、24mLの水/エタノールの1:1(w/w)混合物の中に溶解させ、磁気的に10分間撹拌した。そのようにして得られた反応物質の混合物を、Teflonオートクレーブに仕込み、密封し、100℃の炉の中に一夜置いておいた。水−エタノール混合物を用いてその固形の反応生成物を洗浄して、未反応のBTCを除去し、一夜かけて乾燥させた。CuBTCの単結晶X線解析から、BTC配位子がCu(II)と外輪状(paddle−wheels)に配位結合されて、三次元の多孔性構造になっていることが分かる。それらの細孔は卵形であって、直径がおよそ1.0μmである。
【0024】
MDOBDC:(M=金属、DOBDC=リンカー):
2,5−ジヒドロキシテレフタル酸(DOBDC)、相当する金属硝酸塩(M=Mg、Ni、Zn、またはCo)の固体混合物を、パイレックスガラスねじ蓋ジャーの中のDMF−エタノール−水の15:1:1(v/v/v)混合物(500mL)に加え、それをさらにPTFEねじ蓋を有するPTFEジャーの中に入れた。その懸濁液を混合し、超音波処理にかけてその反応混合物を均質にした。次いでその反応溶液を、125℃のオーブンに入れた。20時間後にそのサンプルをオーブンから取り出し、室温になるまで放冷した。その黄色の微結晶性物質から母液をデカントし、メタノール(200mL)と置換した。メタノールをデカントし、2日かけて4回補充した。真空下250℃で10時間かけてその溶媒を除去し、その物質を活性化させた。単結晶についての結晶学的測定を実施すると、そのDOBDCが三次元のハニカム様のネットワーク構造を含み、約11Åの直径を有する、一次元の円筒状のチャンネルを有していることが分かる。溶媒分子を除去した後では、その構造体の中の金属サイトは不飽和である。
【0025】
FMOF−2Cu:
2,20−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(CPHFP)および硝酸銅六水和物を1:2の比率で含む水溶液を、125℃で72時間加熱することにより得た。得られた結晶を結晶学的測定すると、フレキシブルなV字形の有機構成単位が、二つの銅原子に結合して、配位結合させた溶媒分子で充満された多孔性の構造体が生成していることが分かる。FMOF−2Cuには、大きなケージと、それらのケージに結合した小さな入口(もしくはネック)とが交互にある、不規則な形状のミクロチャンネルが含まれている。
【0026】
MIL−101(Cr):(クロム(III)テレフタレート):
水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAOH)を使用する塩基性の条件で作成した。1mmolのH
2BDC(166mg)を、アルカリ溶液(TMAOH、5mL、0.05mol/L)に添加し、室温で10分間撹拌した。この溶液に、1mmolのCr(NO
3)
3・9H
2O(400mg)を添加し、pHを6.0〜6.5に維持した。その反応混合物を20分間撹拌してから、23mLのPTFEでライニングしたオートクレーブに移し、180℃の温度で24時間加熱した。徐々に冷却して室温としてから、遠心分離を繰り返してその緑色の粉状物を集め、蒸留水およびメタノールを用いて完全に洗浄した。MIL−101(Cr)は、FMOF−1またはMIL−101とも呼ばれる。
【0027】
MIL−100(Fe):(鉄(III)カルボキシレート):
Fe粉体(10mmol、555g)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸(H
3BTC)(6.5mmol、1.375g)、フッ化水素酸(0.4mL、硝酸(0.76mL)、および脱イオン水(50mL)を含む溶液を、125mLのPTFE−ライナー(liner)の中に充填した。そのPTFE−ライナーをオートクレーブの中に置き、12時間以内で150℃にまで加熱した。6日後に、そのオートクレーブを24時間以内で室温にまで冷却した。その反応混合物を濾過し、固形物の淡橙色の反応生成物を、水中80℃で3時間加熱した。その反応生成物を濾過し、空気中室温で乾燥させた。そのMIL−100Feが25および29Åの細孔直径を有していることが、単結晶X線回折により確認された。MIL−100(Fe)は、FMOF−2またはMIL−100とも呼ばれる。
【0028】
CoCoおよびZnCo:
そのシアニドで橋かけされた金属有機構造体は、化学式M
3II[M
III(CN)
6]2・nH2O(M
II、M
III=遷移金属)であり、八面体のM
III(CN)
63-錯体から構成されており、それはM
2+イオンによって橋かけされた単一の立方格子となっていた。金属イオン(M
IIおよびM
III)を適切に選択することによって、各種の性質を有する収着媒を構築することができる。M
III=Coを選択し、二価の金属M
II=Mn、Cu、およびNiを変化させることによって、3種の変形体を合成した。そのようにして得られた収着媒は、Co
3II[Co
III(CN)
6]
2・nH2O(CoCo);およびZn
3II[Co
III(CN)
6]
2・nH
2O(ZnCo)であった。その合成には、K
3[Co(CN
6)]
2の0.1M水溶液と、それぞれの金属の硝酸塩/塩化物の0.18M水溶液とを激しく撹拌しながら徐々に混合し、24時間エージングすることが含まれていた。沈殿させた固形物を濾過し、脱イオン水を用いて洗浄し、空気中で乾燥させた。
【0029】
LZnPYC1:
アミノ酸から誘導された有機構成単位および塩化亜鉛を使用し、1:1の比率の水−メタノール中80℃で合成した。その結晶構造は、水分子で充満された六方晶系の多孔性のネットワーク構造を示す。
【0030】
本発明のMOFは、部分的および全面的にフルオロ化されたリンカー、たとえば4,4−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ビス(安息香酸)(HFBBA);3,5−ビス(トリフルオロメチル)−1,2,4−トリアゾレート;2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン;3−フルオロ−イソニコチン酸を含む配位子をベースとすることができる。
【0031】
本発明のMOFは、遷移金属から生成させることができる。一つの好ましい実施態様においては、その遷移金属は、Co
+2、Mn
+2、およびCu
+2から選択される。本発明のMOFは、以下のものから選択することができる:[Cu(HFBBA)(phen)
2]・2(H
2HFBBA)(H
2O)(HCO
2)]、これは、Cu(NO
3)
2・3H
2O;1,10−フェナントロリン(phen)およびHFBBAから生成させることができる。[Cu(HFBBA)
2(2,2’−Bipy)
2(H
2O)]、これは、Cu(NO
3)
2・3H2O、2,2’−ビピリジル(Bipy)から生成させることができる。[Cu(HFBBA)(4,4’dime−2,2’−Bipy)(HCO
2)]・(HFBBA)(H2O)]、これはCu(NO
3)
2・3H2O;Bipy;およびHFBBAから生成させることができる。[Cu
2(HFBBA)
2(3−mepy)
2]・(DMF)
2(3−mepy)]、これは、Cu(NO
3)
2・3H
2O;HFBBA;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、および3−メチル−ピリジン(3−mepy)から生成させることができる。[Cu(HFBBA)(Phen)]、これは、Cu(NO
3)
2・3H
2OおよびHFBBA;およびそれらの混合物から生成させることができる。
【0032】
[Co
3(INA)
4(O)−(C
2H
5OH)
3][NO
3]・C
2H
5OH・3H
2O、これは、Co(NO
3)
2・6H
2O、イソニコチン酸(INA)、およびエタノールから生成させることができる。[Co
3(FINA)
4(O)−(C
2H
5OH)
2]・H2O、これは、Co(NO
3)
2・6H
2O、3−フルオロ−イソニコチン酸(FINA)、およびエタノールから生成させることができる。[Co(INA)
2]・DMF、これは、Co(NO
3)
2・6H2O、イソニコチン酸(INA)、およびDMFから生成させることができる。[Co(FINA)
2]・H2O、これは、Co(NO
3)
2・6H2O、3−フルオロ−イソニコチン酸(FINA)、およびDMFから生成させることができる。
【0033】
本発明のさらなるMOFとしては以下のものが挙げられるが、それらに限定される訳ではない:[Ni
3(μ
3−btc)
2(μ
4−btre)
2(μ−H
2O)
2]・n−H
2O(ここでn≒22)、これは、ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート(btc)および1,2−ビス(1,2,4−トリアゾル−4−イル)エタン(btre)から生成させることができる。{[Cu
2(BPnDC)2(bpy)]・8DMF・6H
2O}n・[DHTP−Ni]。
【0034】
本発明のさらなるMOFとしては以下のものが挙げられるが、それらに限定される訳ではない:(Fe3O(BDC)3X(X=Cl、OH、BDC=1,4−ベンゼンジカルボキシレート);Fe−BTC(鉄1,3,5−ベンゼントリカルボキシレート);鉄アゾベンゼンテトラカルボキシレート;Fe6O2(Tazb)3X2(X=Cl、OH、Tazb=3,3’,5,5’−アゾベンゼンテトラカルボキシレート)。
【0035】
本発明のさらなるMOFとしては以下のものが挙げられるが、それらに限定される訳ではない:M−MOF−74の変形体(MOF−74(M))、ここで、M=Zn、Fe、Ni、Co、Mg、Mn、およびそれらの混合物であり、そのリンカーが、2,5−ジヒドロキシテレフタル酸(DHTA)である。
【0036】
本発明のさらなるMOFとしては、次のリンカーの1種または複数を使用して調製したMOFが挙げられるが、それらに限定される訳ではない:1,2,4,5−テトラキス(4−カルボキシフェニル)ベンゼン;1,2,4,5−テトラキス(4−カルボキシフェニル)ベンゼン;1,3,5−トリス(4−カルボキシフェニル)ベンゼン;2,5−ジヒドロキシテレフタル酸;2,6−ナフタレンジカルボン酸;2−ヒドロキシテレフタル酸;2−メチルイミダゾール;3,3’,5,5’−テトラカルボキシジフェニルメタン;4,4’,4”−s−トリアジン−2,4,6−トリイル−トリ安息香酸;9,10−アントラセンジカルボン酸;ビフェニル−3,3’,5,5’−テトラカルボン酸;ビフェニル−3,4’,5−トリカルボン酸;イミダゾール;テレフタル酸;トリメシン酸;[1,1’:4’,1”]テルフェニル−3,3’,5,5’−テトラカルボン酸。
【0037】
本発明のさらなるMOFとしては以下のものが挙げられるが、それらに限定される訳ではない:[Cu(Hoxonic)(4,4’−bipy)
0.5];[Cu(bdc−OH)];[Zn
2(tcom)];[Zn
2(tcom)];[Zn
4O(bdc)(btb)
4/3];[Zn
8(bhfp)
33];[Zn
2(BPnDC)
2(4,4’−bipy)];[Zn(mIm)
2];[Cu(1,4−ndc)];[Cu
2(ebtc)
3];[Cu
2(Hbtb)
2];[Ni
2(dhtp)];[Cu−BTC];[Zn(bIm)(nIm)];[Zn(cbIm)(nIm)];[Zn(Im)
1.13(nIm)
0.87];[Zn(nbIm)(nIm)];[Zn(mbIm)(nIm)];[Zn(bbIm)(nIm)];[Zn(cnIm)(nIm)];[Zn(pydc)(dma)];[Cu
3(btc)
2(H
2O)
x];[Zn
2(bttb)(dma)
2];[Zn
2(bttb)];[Zn
2(bttb)(py−CF
3)
2];[Ni
II2Ni
III(3−OH)(pba)
3(2,6−ndc)
1.5];[Al(OH)(2,6−ndc)];[Zn
4O(fma)
3];[[H
3O][Zn
7(μ
3−OH)
3(bbs)
6]];[Al
4(OH)
8[btec]];[Mg(tcpbda)];[Sc
2(bdc)
3];[Zn(bdc)(4,4’−bipy)
0.5];[Zn
3(OH)(p−cdc)
2.5];[Zn
3(OH)(p−cdc)
2.5(DMF)
4];[Cr
3F(H
2O)
3O(btc)
2];[Cr
3F(H
2O)
2O(bdc)
3];[Cu−BTC];[β−Zn(F−pymo)
2];[β−Co(F−pymo)
2];[Cu(H−pymo)
2];[Zn
2(cnc)
2(dpt)];[Zn(dtp)];[Zn
2(2,6−ndc)
2(dpni)];[Zn
2(2,6−ndc)
2(dpni)];[Ni
2(pbmp)];[Zn(abdc)(bpee)
0.5];[Cu(fma)(bpee)
0.5];[Co
3(2,4−pdc)
2(μ
3−OH)
2];[H
2[Ni
3O(H
2O)
3(tatb)
2];[Zn
3(ntb)
2];[Zn(Pur)
2];[Cr(OH)(bdc)];[Cr(OH)(bdc)(H
2O)];[Mn(2,6−ndc)];[Cr
3O(H
2O)
2F(ntc)
1.5];[Mn(HCOO)
2];[Cu(dhbc)
2(4,4’−bipy)];[Cu(tip)];[Zn
5(bta)
6(tda)
2];[Zn
4(OH)
2(1,2,4−btc)
2];[Cu(pmc)
2];[Zn(1,4−ndc)(bpe)];[Cu
2(pzdc)
2(4,4’−bipy)];[Zn(dabco)(3,3’−tpdc)];[Zn
2(tcom)];[Zn
2(tcom)];[Zn
8(bhfp)
33];[Co
2(ad)
2(OAc)
2];[Co[Fe(Tp)(CN)
3]2];[[Cu
5(Tz)
9](NO
3)];[Zn(H
2O)(BenzTB)];[Ni
2(dhtp)];[Zn(bIm)(nIm)];[Zn(cbIm)(nIm)];[Zn(Im)
1.13(nIm)
0.87];[Zn(nbIm)(nIm)];[Zn(mbIm)(nIm)];[Zn(bbIm)(nIm)];[Zn(cnIm)(nIm)];[Zn(pydc)(dma)];[Fe(pz)Ni(CN)
4];[Cu(btc)H
2O
(0.5/Cu)];[Zn
2(bttb)(dmf)
2];[Zn
2(bttb)];[Zn
2(bttb)(py−CF
3)
2];[Sc
2(bdc)
3];[H
3[(Cu
4Cl)
3(BTTri)
8]];[H
3[(Cu
4Cl)
3(BTTri)
8](en)
1.25];[Zn(bdc)(4,4’−bipy)
0.5];[Zn
2(tcom)(4,4’−bipy)];[Cu(fma)(bpee)
0.5];[Cd
3(OH)
2(apta)
4];[Cr
3O(H
2O)
2F(ntc)
1.5];[Mn(HCOO)
2];[Zn
2(Atz)(ox)];[[Ni(bpe)
2(N(CN)
2)](N(NC)
2)];[Al(OH)(bpydc)];[Al(OH)(bpydc)・0.97Cu(BF
4)
2];[Cu
3(btei)];[Cu
3(tpbtm)];ここで、これらのMOFの配位子は以下のように定義される:H
2bhfp=2,2’−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン;F−pymo=5−フルオロピリミジン−2−オレエート;H−pymo=ピリミジン−2−オレエート;pbmp=N,N’−ピペラジンビスメチレンホスホネート;Pur=プリネート;H
3oxonic=4,6−ジヒドロキシ−1,3,5−トリアジン−2−カルボン酸;H
2bdc−OH=2−ヒドロキシベンゼン−1,4−ジカルボン酸;H4tcom=テトラキス[4−カルボキシフェニル)オキサメチル]メタン;BPnDC=ベンゾフェノン 4,4’−ジカルボン酸;1,4−ndc=1,4−ナフタレンジカルボキシレート;ebtc=1,10−エチンベンゼン−3,3’,5,5’−テトラカルボキシレート;Im=イミダゾレート;mIm=2−メチルイミダゾレート;nIm=2−ニトロイミダゾレート;bIm=ベンズイミダゾレート;cbIm=5−クロロベンズイミダゾレート;nbIm=5−ニトロベンズイミダゾレート;mbIm=5−メチルベンズイミダゾレート;bbIm=5−ブロモベンズイミダゾレート;cnIm=4−シアノイミダゾレート;pydc=3,5−ピリジンジカルボキシレート;dma=N,N’’−ジメチルアセトアミド;fma=フマレート;H2bbs=4,4’−ビ安息香酸−2,2’−スルホン;btec=1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボキシレート;H2tcpbda=N,N,N’,N’−テトラキス(4−カルボキシフェニル)−ビフェニル−4,4’−ジアミン;p−cdc=1,12−ジヒドロキシジカルボニル−1,12−ジカルバクロソ−ドデ−カボランの脱プロトン化された形;cnc=4−カルボキシシンナミック;dpt=3,6−ジ−4−ピリジル−1,2,4,5−テトラアジン;dtp=2,3−ジ(テトラアゾレート−5−イル)ピラジン;abdc=4,4’−アゾベンゼンジカルボキシレート;2,4−pdc=ピリジン−2,4−ジカルボキシレート;tatb=4,4’,4’’−s−トリアジン−2,4,6−トリイル−トリベンゾエート;ntb=4,4’,4’’−ニトリロトリスベンゾエート;ntc=ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボキシレート;dhbc=2,5−ジヒドロキシベンゾエート;3,3’−tpdc=テルフェニル−3,3’−ジカルボキシレート;Tp=ヒドロトリス(ピラゾリル)ボレート;Tz=テトラアゾレート;BenzTB=N,N,N’,N’−ベンジジンテトラベンゾエート;pz=ピラジン;apta=4−アミノフェニルテトラアゾレート;bpydc=2,2’−ビピリジン−5,5’−ジカルボキシレート;btei=5,5’,5’’−ベンゼン−1,3,5−トリイルトリス(1−エチニル−2−イソフタレート);tpbtm=N,N’,N’’−トリス(イソフタレート)−1,3,5−ベンゼントリカルボキサミド;tip=5−(1H−テトラアゾル−1−イル)イソフタレート;Hbta=1,2,3−ベンゼントリアゾール;tda=チオフェン−2,5−ジカルボキシレート;1,2,4−btc=ベンゼン−1,2,4−トリカルボキシレート;pmc=ピリミジン−5−カルボキシレート;3,5−pdc=ピリジン−3,5−ジカルボキシレート。これらの配位子を使用して生成させる他のMOFもまた考えられる。
【0038】
本発明の一つの好ましい実施態様においては、そのMOFが二次的なリンクを有している。本発明のMOFは、部分的にフルオロ化されたリンカー、特には、式1および2に示されるものの1種または複数から生成させることもできる。
【化1】
【0039】
本発明のMOFは、フルオロ化されていないリンカー、特には、式3および4に示されるものの1種または複数から生成させることもできる。
【化2】
【0040】
本発明のMOFは、フルオロ化されていないリンカー、特には、式5、6および7に示されるものの1種または複数から生成させることもできる。
【化3】
【0041】
本発明のMOFは、硝酸亜鉛またはDMF(ジメチルホルムアミド)を用いて生成させることもできる。
【0042】
本発明の一つの好ましい実施態様においては、そのMOFを、硝酸亜鉛、DMF、および少なくとも1種のフルオロ化されているかもしくはフルオロ化されていないリンカー、特には、式1、2、3、4、5、6、および7に示されたものの少なくとも1種を用いて生成させる。
【0043】
本発明の一つの実施態様においては、そのCOFを、式8、9、10、11、12、13および14の1種または複数の化合物から生成させることができる。
【化4】
【化5】
【0044】
本発明のまた別な実施態様においては、そのCOFが、COF−8、COF−10、COF−12、COF−16、およびそれらの混合物からなる群より選択される。COF−8、COF−10、COF−12、およびCOF−16はそれぞれ、式15a)、b)、c)、およびd)に従って生成させることができる。
【化6】
【0045】
COFの例を表Aで説明する。表Aに記載されている例示COFの構成単位を、式16〜46で説明する:たとえば、1,4−ベンゼンジボロン酸の脱水(COF−1)、1,4−ベンゼンジボロン酸(COF−1)の脱水とヘキサヒドロキシトリフェニレン(COF−5)、
【0047】
【化7】
本発明のMOFは、およそ1Å以上のキャビティを有していてもよい。本発明のまた別な実施態様においては、そのMOFが、およそ2Å以上のキャビティを有している。本発明のまた別な実施態様においては、そのMOFが、およそ3Å以上のキャビティを有している。本発明のまた別な実施態様においては、そのMOFが、およそ3.2Å以上のキャビティを有している。本発明のまた別な実施態様においては、そのMOFが、およそ3.5Å以上のキャビティを有している。本発明のまた別な実施態様においては、そのMOFが、およそ4Å以上のキャビティを有している。本発明のまた別な実施態様においては、そのMOFが、およそ5Å以上のキャビティを有している。本発明のまた別な実施態様においては、そのMOFが、およそ10Å以上のキャビティを有している。本発明のまた別な実施態様においては、およそ11Å以上のキャビティを有している。本発明のまた別な実施態様においては、そのMOFが、およそ24Å以上のキャビティを有している。本発明のまた別な実施態様においては、そのMOFが、およそ29Å以上のキャビティを有している。
【0048】
本発明の特に好ましい実施態様においては、そのMOFを、MIL−101、MIL−101の誘導体、MIL−100、MIL−100の誘導体、およびそれらの混合物から選択する。
【0049】
本発明の一つの実施態様においては、チラーによって生成される流体または空気の温度が、30゜F〜60゜Fの範囲である。本発明のまた別な実施態様においては、チラーによって生成される流体または空気の温度が、33゜F〜55゜Fの範囲である。本発明のまた別な実施態様においては、チラーによって生成される流体または空気の温度が、44゜F〜54゜Fの範囲である。本発明の一つの実施態様においては、チラーによって生成される流体または空気の温度が30゜Fよりも高い。本発明の一つの実施態様においては、チラーによって生成される流体または空気の温度が80゜Fよりも低い。
【0050】
本発明の一つの実施態様においては、その冷流体の温度が、55゜F〜180゜Fの範囲である。本発明のまた別な実施態様においては、その冷流体の温度が、65゜F〜130゜Fの範囲である。本発明のまた別な実施態様においては、その冷流体の温度が、75゜F〜120゜Fの範囲である。本発明のまた別な実施態様においては、その冷流体の温度が、80゜F〜110゜Fの範囲である。本発明のまた別な実施態様においては、その冷流体の温度が、85゜F〜100゜Fの範囲である。本発明の一つの実施態様においては、その冷流体の温度が、50゜Fよりも高い。本発明の一つの実施態様においては、その冷流体の温度が、200゜Fよりも低い。
【0051】
本発明の一つの実施態様においては、その熱流体の温度が、100゜F〜600゜Fの範囲である。本発明のまた別な実施態様においては、その熱流体の温度が、120゜F〜500゜Fの範囲である。本発明のまた別な実施態様においては、その熱流体の温度が、130゜F〜400゜Fの範囲である。本発明のまた別な実施態様においては、その熱流体の温度が、140゜F〜300゜Fの範囲である。本発明のまた別な実施態様においては、その熱流体の温度が、150゜F〜250゜Fの範囲である。本発明のまた別な実施態様においては、その熱流体の温度が、160゜F〜220゜Fの範囲である。本発明のまた別な実施態様においては、その熱流体の温度が、170゜F〜210゜Fの範囲である。本発明のまた別な実施態様においては、その熱流体の温度が、175゜F〜200゜Fの範囲である。本発明のまた別な実施態様においては、その熱流体の温度が、180゜F〜195゜Fの範囲である。本発明の一つの実施態様においては、その熱流体の温度が、90゜Fよりも高い。本発明の一つの実施態様においては、その熱流体の温度が、600゜Fよりも低い。
【0052】
本発明の伝熱系には、加熱または冷却のための、一つ、二つまたは三つ以上の個々の伝熱系を含むことができる。たとえば、多重吸着チラーユニットを並列に組み合わせてもよいが、そのような構成にする一つの動機は、冷却能力を全体として向上させるためである。本発明のまた別な実施態様においては、2段以上の吸着チラーユニットを直列に連結することもできる。本発明のまた別な実施態様においては、2段以上のステージを採用したチラー系を使用し、それらのステージの内の一つを、収着媒が本発明のMOFであり、作動流体が本発明の作動流体である吸着チラーとして使用する。多段のチラーを設計する一つの動機は、それぞれ後続のステージでの出口温度を、非限定的に挙げれば、たとえば冷蔵(refrigeration)、冷凍(freezing)、気体分離、および極低温冷却(cryogenic cooling)などの用途のためのより低い温度とするためである。本発明のまた別な実施態様においては、その一つのチラーステージから出るチルド流体を使用して、第二のチラーステージの吸着器を冷却する。本発明のまた別な実施態様においては、その第一のステージが吸着チラーユニットであって、そこでは、その収着媒を、シリカゲル、カーボンブラック、ゼオライトまたはそれらの混合物から選択し、その作動流体を二酸化炭素または水から選択している。本発明のまた別な実施態様においては、ステージ2が吸着チラーユニットであって、そこでは、収着媒が本発明のMOFであり、作動流体が本発明の作動流体、好ましくはフルオロ化作動流体である。本発明のまた別な実施態様においては、ステージ1および2が吸着チラーユニットであって、そこでは、それぞれのユニットにおける収着媒が本発明のMOFであり、作動流体が本発明の作動流体、好ましくはフルオロ化作動流体である。本発明のまた別な実施態様においては、ステージの一つまたは複数が、吸収チラー系、たとえば水−臭化リチウム系または水−アンモニア系である。本発明のまた別な実施態様においては、ステージの一つまたは複数が、蒸気圧縮チラー系である。蒸気圧縮系においては、各種のタイプの圧縮機が使用可能であり、たとえば、回転圧縮機、往復動圧縮機、スクリュー圧縮機、または特には遠心圧縮機などが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。遠心圧縮機を一つまたは複数のステージで使用することもできるし、あるいはミニ遠心圧縮機を使用することもできる。圧縮機は、電気モーターまたはガスタービン(たとえば、移動用途では車両の排気ガスから供給される)で駆動できるし、あるいはギア駆動もできる。その装置には、タービンで電気を発生させるための一連の調節器を備えていてもよい(Rankineサイクル)。本発明の一つの実施態様においては、熱再生を実施している吸脱着床(bed)から脱着された冷媒を、その冷媒を過熱させる目的のための圧縮装置を通過させた後で、熱再生を実施しているまた別な吸脱着床を通過させて、それにより圧縮熱を利用して脱着を促進させるようにしてもよい。本発明の一つの実施態様においては、熱再生されている吸脱着床から脱着された冷媒を、蒸発器またはそのサイクルの吸着部にあるまた別な収着床へ通す前の冷媒を予備チリングさせる目的で、たとえばスロットル弁またはターボエキスパンダー(これらに限定される訳ではない)のような膨張機器を通過させてもよい。膨張機器で、そのサイクルの中での補助的な電力を発生させることもまた可能である。
【0053】
ある種の金属有機構造体(MOF)化合物は、超親水性を示す。超親水性物質は、液体状態に近くなるほどの密度にまで水を吸収することができるが、ただしその条件は、液体の水が凝縮する飽和蒸気圧および温度より充分低い条件下である。これらの(または同様の)MOFについての質量担持量は、市販の吸着チラーで使用されているシリカゲルに比較して、異常なほどの改良を示し、現行のチラーの効率を改良し、サイズおよびコストを削減することが可能である。その極めて高い質量担持量は、その吸着床を30℃までしか冷却できない標準的なHVAC系の吸着サイクルでは、高すぎて有用とならない相対飽和蒸気圧でのものである。二重効用吸着チラーの設計では、チラーを、2チャンバーではなく4チャンバーに分割し、冷却負荷を二つのチャンバーの間で分担すると考えてきた。好ましい実施態様では、ステージ1において、親フッ素性の(fluorophilic)MOFと、各種適切なフッ素化学作動流体、非限定的に挙げれば、たとえばCFC、HFC、またはHFO、HCFO、HFEとを使用することになるであろう。ステージ1は、ステージ2における吸着床温度を30℃の標準温度より低い温度に下げるであろう。ステージ2における吸着床を下げるかまたは予備冷却することによって、吸着モードにおけるP/Poを十分に高くして、ステージ2チラーのために選択された、超親水性収着媒の中の水またはその他の収着媒−冷媒の組合せの最適な質量担持量を達成することが可能となる。その二重効用吸着チラーは、超親水性MOFの中の水、および親フッ素性のMOF収着媒と共に用いたフッ素化学冷媒の質量担持量を極端に高くするという利点を有することが可能であるが、このことは、現行の単一効用吸着チラー設計では不可能である。
【0054】
超親水性を示す金属有機構造体(MOF)化合物は、液体状態に近くなるほどの密度にまで水を吸収することができるが、ただしその条件は、液体の水が凝縮する飽和蒸気圧および温度より充分低い条件下である。
図3に、2種の超親水性MOFと、それらの室温における吸着等温線の例を示している。比較のために、シリカゲルの吸着等温線も示している。これら(または類似の)MOFでの質量担持量は、市販の吸着チラーで使用されているシリカゲルに比較して、異常なほどの改良を示す。
図4に、MIL−100について測定した、等温線の一連の温度依存性を示している。チラー内の吸着床は、吸着サイクルの最後近くでは、約30℃の最低温度に達する。吸着床は、ちょうど10mbarの飽和蒸気圧の下では、7℃の温度と9mbarの圧力で蒸発器から水を引き抜かなくてはならない。30℃では、飽和蒸気圧は42.5mbarである。したがって、P/Po=9/42.5=0.21で収着媒は、水の高い質量担持量に達していなければならない。
図3および4に示したように、等温線の肩が0.21よりも高いP/Poにあり、それによって、これらの条件下では、それらの物質がシリカゲルよりもほんのわずかだが良好となっている。
【0055】
二重効用吸着チラーの設計では、チラーを、2チャンバーではなく4チャンバーに分割し、冷却負荷を二つのチャンバーの間で分担すると考えてきた。チラーの一つの設計を
図5aに示す。一つの実施態様においては、ステージ1のチラーが、親フッ素性のMOF収着媒と、フルオロ化作動流体、非限定的に挙げれば、たとえばCFC、HFC、またはHFO、HCFO(たとえばHFO−1234yf、HFO−1234ze、HFO−1336mzz、HCFO−1233zd)、またはHFEとを用いて運転される。たとえば、冷媒R−123を、ステージ1のために選択することができる。蒸発器は、20℃で状態点2のところの冷媒を送達して、ステージ2のための初期冷却をするには十分な、およそ0.75barの圧力で運転されるであろう。凝縮器は、30℃およびPo=1.1barの標準的な条件で運転されるであろう。したがって、吸着モードの際のP/Poは、P/Po=0.75/1.1=0.68ということになるであろう。脱着は、収着媒から冷媒を脱離させるのに十分であれば、事実上いかなる温度でも行わせることができよう。90℃の標準的な運転条件では、Po=6.24barである。したがって、脱着床ではP/Po=1.1/6.24=0.18である。ステージ1では、ステージ2中の吸着床の温度を30℃の標準温度より低くするための、各種適切な収着媒と冷媒の組合せを選択することができよう。ステージ2における吸着床を下げるかまたは予備冷却することによって、吸着モードにおけるP/Poを十分に高くして、ステージ2チラーのために選択された、超親水性収着媒の中の水またはその他の収着媒−冷媒の組合せの最適な質量担持量を達成することが可能となる。
【0056】
多段のチラーの発明のまた別な実施態様においては、
図5bに示したように、吸着モジュールをチェーン的な構成で一体化することもできる。その設計は、八角形のそれぞれの辺が吸着床を表している熱機関である。蒸発器/凝縮器との間、熱源/冷却源の間の出入りを切り替える弁を使用することによって、熱が、たとえば時計回りの方向に流れる。この実施態様が吸脱着床の仮想的なローテーションを生み出し、温度が上昇すると床が位置5から位置1へと「移動」し、温度が低下すると位置1から位置5に戻る。複数の床の中を連続的に流れている伝熱流体を介して、加熱されている床から冷却されている床へと効果的に熱が回収される。熱は、位置1の前で流体に加えられ、位置5の前で除去される。
図5bには、八つの床を有する構成を示しているものの、各種の偶数の床で実施できるが、ただし、連続的に冷媒を流すには、最低で六床が必要である。吸着床にマイクロチャンネル熱交換器の設計を利用して、伝熱性を改良してもよい。さらに、その装置が同一の収着媒−冷媒の組合せ、または収着媒−冷媒の組の異なった組合せを用いた床を含んでいて、その装置から異なった出口温度が得られるようにしてもよい。
【0057】
本発明の発明者らは、特定のMOFと特定の作動流体とのある種の組合せが、吸着チリングまたは加熱のような伝熱操作に特に有用であることを見いだした。いかなる特定の科学的理論に捕らわれることを望むものではないが、作動流体とMOFとのある種の組合せを用いて可能となる極めて高い質量担持量および比較的に低い吸着熱が、比較的に高い成績係数(COP=coefficient of performance)を有する、加熱または冷却のための高効率な吸着伝熱系を可能とすると考えられる。ある種の系においては、収着媒の容積あたりの質量担持量を高くすることが可能であれば、その系のサイズを小さくすることが可能となる。
【0058】
本発明のいくつかの実施態様においては、その吸着伝熱系が、循環伝熱流体を使用して外部熱源に連結されている。外部熱源の例としては以下のものが挙げられるが、それらに限定される訳ではない:太陽集熱器、ボイラー、炉、給湯器、内燃機関、電気モーター、圧縮機、地熱の熱源、反応器、蒸留塔、精製所、ソーラーポンド、蒸気機関、発電所、データセンター、バイオマス炉、セメントプラント、プレヒーター、ロータリーキルン、食品乾燥機、焼却炉、製紙工場、スチーム、加熱オイルなど。
【0059】
本発明の作動流体には、以下のものの1種または複数を含むことができる:ヒドロフルオロカーボン(HFC)、ヒドロフルオロオレフィン(HFO)、炭化水素、ヒドロクロロフルオロオレフィン(HFCO)、クロロフルオロカーボン(CFC)、ヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、ヒドロフルオロエーテル(HFE)、C1〜C5アルコール、C1〜C4アルデヒド、C1〜C4ケトン、C1〜C4エーテルおよびジエーテル、ジメチルエーテル、ギ酸メチル、メチラール、二酸化炭素、trans−1,2−ジクロロエチレン、R−14、水、大気ガス(窒素および酸素を含む)、およびそれらの混合物。作動流体のより具体的な例としては、以下のものが挙げられる:
(a)ヒドロフルオロカーボン(HFC)としては以下のものが挙げられるが、それらに限定される訳ではない:少なくとも1個のフッ素および少なくとも1個の水素を有するC1〜C5アルカン、トリフルオロメタン(HFC−23);ジフルオロメタン(HFC−32);1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン(HFC−125);1,1,2,2−テトラフルオロタン(HFC−134);1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a);1,1,1−トリフルオロエタン(HFC−143a);1,1,2−トリフルオロエタン(HFC−143);1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a);1,2−ジフルオロエタン(HFC−152);フルオロエタン(HFC−161);1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC−227ea);1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa);1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245eb);1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245ca);1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(HFC−236fa);1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC−365mfc)および1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロペンタン(HFC−4310mee)、ならびにそれらの混合物。HFCが不燃性であるのが好ましく、たとえば、HFC−134a、HFC−245fa、HFC−227ea、HFC−125、HFC−4310mee、HFC−236fa、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定される訳ではない。HFCがHFC−134a、HFC−245fa、およびそれらの混合物であれば、さらにより好ましい。
(b)ヒドロフルオロオレフィンとしては以下のものが挙げられるが、それらに限定される訳ではない:ペンタフルオロプロペン(HFO1225)、テトラフルオロプロペン(HFO1234)、トリフルオロプロペン(HFO1243)、すべてのテトラフルオロブテン異性体(HFO1354)、すべてのペンタフルオロブテン異性体(HFO1345)、すべてのヘキサフルオロブテン異性体(HFO1336)、すべてのヘプタフルオロブテン異性体(HFO1327)、すべてのヘプタフルオロペンテン異性体(HFO1447)、すべてのオクタフルオロペンテン異性体(HFO1438)、すべてのノナフルオロペンテン異性体(HFO1429)、およびそれらの混合物;好ましくは(cisおよび/またはtrans)−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(HFO−1225ye)、3,3,3−トリフルオロプロペン(HFO−1243zf)、(cisおよび/またはtrans)−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze)、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)、(cisおよび/またはtrans)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロブテン(HFO−1336mzz)。本発明の一つの好ましい実施態様においては、その作動流体が好ましくは、HFO−1234yf、HFO−1234ze(特にtrans−異性体)またはHFO−1336mzzである。
(c)炭化水素としては以下のものが挙げられるが、それらに限定される訳ではない:ヘキサン、ペンタン異性体、ブタン異性体、プロパン;好ましくはn−ペンタン、シクロペンタン、iso−ペンタン。ブタンは、好ましくはiso−ブタンまたはn−ブタンである。それらは高い可燃性を有しているので、本用途においては好ましいものではないが、炭化水素が存在していてもよい。
(d)C1〜C5アルコール、C1〜C4アルデヒド、C1〜C10ケトンおよびフルオロケトン、C1〜C4エーテルおよびジエーテル。代表的なフルオロケトンは、1,1,1,2,2,4,5,5,5−ノナフルオロ−4(トリフルオロメチル)−3−ペンタノンである。
(e)HCFOとしては以下のものが挙げられるが、それらに限定される訳ではない:(cisおよび/またはtrans)1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、特にtrans−異性体、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233xf)、およびジクロロトリフルオロプロペン(HCFO1223);ならびにそれらの混合物。本発明の一つの好ましい実施態様においては、その作動流体が好ましくはHCFO−1233zd、特に好ましくはそのtrans−異性体である。
(f)CFCとしては以下のものが挙げられるが、それらに限定される訳ではない:R−11、R−12、R−13、R−113、R114、R115、およびそれらの混合物。
(g)HCFCとしては以下のものが挙げられるが、それらに限定される訳ではない:R−123(2,2−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロエタン)、R−124、R−141b、R−142b、R−22(クロロジフルオロメタン)、およびそれらの混合物。
(h)HFEとしては以下のものが挙げられるが、それらに限定される訳ではない:CF3OCHF2、CHF2OCH2F3、CHF2OCHF2、式Rf−O−RhのHFE(ここで、Oは酸素であり、Rfはペルフルオロアルキル基であり、Rhは、飽和、非置換のアルキル基、特にC2F5OCH3、C4F9OC2H5、C4F9OCH3、C3F7OCH3、およびそれらの混合物。
(i)trans−1,2−ジクロロエチレン
(j)水
(k)二酸化炭素
(l)大気ガス(窒素、酸素、およびそれらの混合物を含むが、それらに限定される訳ではない)。
【0060】
本発明の組成物は、当業者に公知の各種の手段によって調製または創出することができるが、そのような手段としては以下のものが挙げられるが、それらに限定される訳ではない:ブレンド法、偶然の(inadvertent)混合、製造の際の共生成物または不純物、装置または容器からの汚染によるもの、同一の装置に別々に仕込まれた成分など。
【0061】
本発明の一つの実施態様においては、その作動流体が二酸化炭素である。
【0062】
本発明の高度に好ましい実施態様においては、その作動流体が、trans−HCFO−1233zd、trans−HFO−1234ze、HFO−1234yf、HFC−245fa、およびそれらの混合物から選択される。
【0063】
可燃性は、多くの用途において重要な性質であり、それは、不燃性であるべき組成物の場合、とくに冷媒および伝熱用途では、極めて重要または本質的に重要である。化合物および組成物の可燃性を測定するには各種の方法、たとえば、引火点を測定するか、または適用できのであれば、ASHARE Addendum,34p−92で規定されているASTM E681−01による方法が存在する。好ましくは、その不燃性組成物が周囲温度およびそれ以下で不燃性であり、60℃以下で不燃性であるのが好ましく、100℃以下で不燃性であれば、さらにより好ましい。非可燃性である範囲がより広い方が、使用、取扱い、または輸送の際の安全度が高くなり、有益である。
【0064】
本発明の作動流体は低毒性であるのが好ましく、非毒性であればより好ましい。本発明の作動流体は、中〜低程度の蒸気圧を有しているのが好ましく、25℃で70bar未満の蒸気圧が好ましく、25℃で20bar未満の蒸気圧ならばより好ましい。
【0065】
本発明の組成物には、フリーラジカル捕捉剤、酸捕捉剤、酸素捕捉剤、重合禁止剤、腐食抑制剤およびそれらの組合せからの1種または複数の安定剤が含まれていてもよい。本発明の安定剤は、ヒドロフルオロオレフィンおよび/またはヒドロクロロフルオロオレフィンを大気に放出したときに、それらの分解への影響が最小限になるのが好ましい。安定剤の例としては、以下のものが挙げられるが、それらに限定される訳ではない:1,2−エポキシブタン;グリシジルメチルエーテル;d,l−リモネン;d,l−リモネンオキシド;1,2−エポキシ−2−メチルプロパン;ニトロメタン;ジエチルヒドロキシルアミン;アルファ−メチルスチレン;イソプレン;p−メトキシフェノール;3−メトキシフェノール;ヒドラジン;2,6−ジ−t−ブチルフェノール、およびヒドロキノン。
【0066】
本発明の作動組成物(working composition)は、金属−有機−構造体および作動流体を含む吸着媒作動組成物である。
【0067】
本発明は、作動流体を金属−有機−構造体に吸着させて、吸着媒作動組成物を得ることによる、作動流体を貯蔵し、場合によっては輸送するための方法を目的としていてもよい。貯蔵された作動流体は、次いで、収着媒または吸着媒作動組成物を加熱するかおよび/またはその圧力を低下させることによって、放出または除去することができる。
【0068】
本発明は、本発明の作動流体を含む、混合気体および/または液体を分離するための方法を目的としている。気体および/または液体の混合物を分離するその方法は、バッチプロセス、連続プロセス、あるいはそれらの組合せであってよい。本発明の実施態様は、作動流体を含む気体および/または液体の混合物を分離する方法であって、作動流体を含む気体および/または液体の混合物を金属有機構造体と接触させ、それによって、その作動流体を金属有機構造体に吸着させることによって、気体および/または液体の混合物の中の作動流体の濃度を低下させることが含まれる。本発明の実施態様は、作動流体を貯蔵する方法であって、金属有機構造体を作動流体と接触させ、それによって、前記作動流体を前記金属有機構造体に吸着させて吸着媒作動組成物を形成させることが含まれる。
【0069】
本発明においては、作動流体、または作動流体の成分のMOFに対する収着は、低温および/または高圧で起こすことができる。本発明の一つの実施態様においては、作動流体、または作動流体の成分のMOFに対する収着は、相対圧力P/Poが0.0を超えるところで起き;また別な実施態様においては0.01を超える;また別な実施態様においては0.05を超える;また別な実施態様においては0.1を超える;また別な実施態様においては0.2を超える;また別な実施態様においては0.3を超える;また別な実施態様においては0.4を超える;また別な実施態様においては0.5を超える;また別な実施態様においては0.6を超える;また別な実施態様においては0.7を超える;また別な実施態様においては0.8を超える;また別な実施態様においては0.9を超えるところで起きる。
【0070】
本発明においては、作動流体、または作動流体の成分のMOFからの脱着は、高温および/または低圧で起こすことができる。本発明の一つの実施態様においては、作動流体、または作動流体の成分のMOFからの脱着は、相対圧力P/Poが1.0未満のところで起き;また別な実施態様においては0.9を超える;また別な実施態様においては0.8を超える;また別な実施態様においては0.7を超える;また別な実施態様においては0.6を超える;また別な実施態様においては0.5を超える;また別な実施態様においては0.4を超える;また別な実施態様においては0.3を超える;また別な実施態様においては0.2を超える;また別な実施態様においては0.1を超える;また別な実施態様においては0.05を超える;また別な実施態様においては0.02を超える;また別な実施態様においては0.01を超える;また別な実施態様においてはおよそ0のところで起きる。
【0071】
本発明の好ましい実施態様は、フルオロ化作動流体を含む気体および/または液体の混合物を分離するためのプロセスであり、ここでそのMOFにはNiDOBDCが含まれる。
【0072】
本発明にはさらに、MOFと同時に使用されるか、または別途に使用されるさらなる収着媒が含まれていてもよい。さらなる収着媒の例としては、以下のものが挙げられるが、それらに限定される訳ではない:シリカゲル、活性炭、ゼオライト、乾燥剤(desiccant)、およびそれらの混合物。
【0073】
本発明の一つの実施態様においては、吸着媒作動組合せには、本発明の作動流体、および本発明の金属有機構造体または共有結合性有機構造体が含まれる。本発明の一つの好ましい実施態様においては、その吸着媒作動組合せには、m
3の金属有機構造体または共有結合性有機構造体に対して、約10〜約1000kgの作動流体が含まれる。
【0074】
本発明の一つの実施態様においては、その吸着媒作動組合せが、約10重量%を超える、好ましくは約20重量%を超える、より好ましくは約50重量%を超える、より好ましくは約100重量%を超える、より好ましくは約150重量%を超える、作動流体の取込み量で達成される。
【実施例】
【0075】
実施例1
CuBTCおよびMDOBDCを合成してから、インテリジェント重力式ガス分析計(intelligent gravimetric gas analyzer=IGA)を使用して水吸着の測定を実施した。質量取込み量は、圧力の関数として測定し、平衡までのアプローチをリアルタイムにモニターした。平衡に達してから、蒸気圧を次の設定圧力値にまで上げ、平衡に達するまで、後続の取込み量を測定した。それぞれの圧力ステップについて吸着による重量増加を、圧力に対してプロットした。CuBTCの中への水の吸着が、P/P0=0.3または圧力10mbarで50重量%であり、脱着ヒステリシスがほとんど無いことが見いだされた。これらの結果は、CuBTCの中に担持された水は、追加の熱の入力がほとんど無くても、部分真空下で脱着させることができるということを示唆している。
【0076】
上述の方法を使用して、MgDOBDC、NiDOBDCおよびCoDOBDCについての水吸着の測定を、個別に室温で実施した。P/P0=0.4のところでは、これら3種のMOFにおける水取込み量が、24重量%(NiDOBDC)、45重量%(CoDOBDC)、および10重量%(MgDOBDC)であることが見いだされた。MgDOBDCにおける水取込み量は、P/Po=1では、60重量%に近づく。それらの結果を、
図6a、6b、6cおよび6dにまとめた。
【0077】
実施例2
MIL−101(Cr)、MIL−100(Fe)、およびCoCoについての水吸着実験を実施した。MIL−100Feの中への水の収着は、P/P
0=0.9で80重量%であり、水分子を可逆的に吸着および脱着することが見いだされた。そのMIL−100Feが25および29Åの細孔直径を有していることが、単結晶X線回折により確認された。MIL−101Crは、29および34Åのメソ多孔性ケージ直径を有していることが見いだされた。MIL−100(Fe)およびMIL−101(Cr)の水収着は、P/P
0=0.9で80〜150重量%の取込み量を示している。LZnPyClは、P/P
0=0.95で12重量%の水の更新を示した。CoCoについての水収着試験は、20重量%の水の取込み量を示している。それらの結果を、
図7a、7b、7cおよび7dにまとめた。
【0078】
実施例3
MIL−101(Cr)(FMOF−1)と、R−12(ジクロロジフルオロメタン)、R−125(ペンタフルオロエタン)、R−143a(1,1,1−トリフルオロエタン)、およびR−22(クロロジフルオロメタン)との組合せについての収着実験を実施した。収着実験を、MIL−100(Fe)(FMOF−2)とR−22(クロロジフルオロメタン)との組合せについて実施した。結果を
図8にまとめた。
【0079】
実施例4
NiDOBDC(FMOF−3)と、R−12(ジクロロジフルオロメタン)およびR−143a(1,1,1−トリフルオロエタン)との組合せについて、収着実験を実施した。結果を
図9にまとめた。
【0080】
実施例5
MIL−101(Cr)(FMOF−1)とR−12およびR−22との組合せについて、収着/脱着試験を実施した。結果を
図10にまとめた。
【0081】
比較例6
吸着サイクルの理論的COPは、蒸発熱(ΔHv)と吸着熱(ΔHa)との比率から近似させることができる。いくつかの公知の吸着媒/冷媒のペアについての理論的COP(Coefficient of Performance=成績係数)を、表1に列記した。COPは1.0未満である。
【0082】
【表2】
【0083】
実施例7:
二酸化炭素、ブタン、およびR−134aと、2種のMOF、DHTP−NiおよびCu−BTCとのペアの理論的COPを表2に示す。2.0よりも高いCOPを達成することが可能である。
【0084】
【表3】
【0085】
実施例8
冷媒として水を使用し、各種の収着媒を使用した典型的な条件下で運転した吸着チラーについてのCOPおよび吸脱着床のサイズ(シリカゲルに対する容積%)の比較を表3に示す。
【0086】
【表4】
【0087】
実施例9
MIL−101、NH2−Fe−MIL101、Fe−MIL100、NiDOBDC、CoDOBDC、HKUST−1、およびNiCOと、R−12(ジクロロジフルオロメタン)との組合せで、収着実験を実施した。結果を
図11にまとめた。
【0088】
実施例10
MIL−101とR−12(ジクロロジフルオロメタン)との組合せについての収着実験を、25℃、50℃、および70℃で実施した。結果を
図12にまとめた。
【0089】
実施例11
MIL−101とR−12(ジクロロジフルオロメタン)との組合せについての収着実験を、25℃、50℃、および70℃で実施した。結果を
図12にまとめた。
【0090】
実施例12
MIL−101と、R−12(ジクロロジフルオロメタン)、R−22(クロロジフルオロメタン)、およびR−32(ジフルオロメタン)との組合せについて、収着実験を25℃、40℃、および60℃で実施した。結果を
図13にまとめ、等量熱を
図14に示す。
【0091】
実施例13
MIL−101と、R1233ZD(trans−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン)、R1234ZE(trans−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン)、R1234YF(2,3,3,3−テトラフルオロプロペン)、およびR1243zf(3,3,3−トリフルオロプロペン)との組合せについて、収着実験を、25℃および60℃で実施した。収着の結果を
図15に示し;R1233ZD、R1234ZE、およびR1243ZFについての収着の結果をそれぞれ、
図16、17、および18に示し、R1233ZD、R1234ZE、およびR1243ZFの等量熱をそれぞれ、
図19、20、および21に示した。
【0092】
実施例14
MIL−101と、R123(2,2−ジクロロ 1,1,1−トリフルオロエタン)、R245fa(HFC−245fa;1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン)、R134a(HFC−134a;1,1,1,2−テトラフルオロエタン)、およびR143a(HFC−143a;1,1,1−トリフルオロエタン)との組合せについて、収着実験を、25℃で実施した。結果を
図22にまとめた。
【0093】
実施例15
MIL−101と、R12(ジクロロジフルオロメタン)、R13(クロロトリフルオロメタン)、およびR14(テトラフルオロメタン)との組合せについて、収着実験を25℃で実施した。結果を
図23にまとめた。
【0094】
実施例16
MIL−101と、R12(ジクロロジフルオロメタン)、R13(クロロトリフルオロメタン)、R22(クロロジフルオロメタン)、およびR32(ジフルオロメタン)との組合せについて、収着実験を25℃で実施した。結果を
図24にまとめた。
【0095】
実施例17
MIL−101とR22(クロロジフルオロメタン)との組合せについて、収着速度論実験を25℃で実施した。結果を
図25にまとめた。
【0096】
実施例18
R−12と、MOF−74(Fe)、MOF−74(Ni)、およびMOF−74(Co)との組合せについて、収着速度論実験を25℃で実施した。MOF−74(Ni)との組合せの結果は、低いP/Poで高い取込み量を示した。
【0097】
実施例19
冷媒としてtrans−HCFO−1233zdを、収着媒としてMIL−101を使用して、吸着チラーを運転して、約50゜Fでチルド水を得る。そのCOPは0.6よりも高い。
【0098】
実施例20
冷媒としてtrans−HFO−1234zeを、収着媒としてMIL−101を使用して、吸着チラーを運転して、約50゜Fでチルド水を得る。そのCOPは0.6よりも高い。
【0099】
実施例21
冷媒としてtrans−HFO−1234yfを、収着媒としてMIL−101を使用して、吸着チラーを運転して、約50゜Fでチルド水を得る。そのCOPは0.6よりも高い。
【0100】
実施例22
冷媒としてHFC−245faを、収着媒としてMIL−101を使用して、吸着チラーを運転して、約50゜Fでチルド水を得る。そのCOPは0.6よりも高い。
【0101】
実施例23
R−12を使用し、共有結合性有機構造体COF−1、共有結合性有機構造体COF−2、UMCM−1、PCN222、MIL−100(MIL100Fe)、およびMIL−101(MIL100)の上で収着実験を実施した。結果を
図26および
図27に示した。