特許第6326054号(P6326054)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6326054使用状態インジケータを備える薬剤送達デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6326054
(24)【登録日】2018年4月20日
(45)【発行日】2018年5月16日
(54)【発明の名称】使用状態インジケータを備える薬剤送達デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/31 20060101AFI20180507BHJP
   A61M 5/32 20060101ALI20180507BHJP
   A61M 5/50 20060101ALI20180507BHJP
【FI】
   A61M5/31 520
   A61M5/32 510K
   A61M5/50 530
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-536069(P2015-536069)
(86)(22)【出願日】2013年10月2日
(65)【公表番号】特表2015-534836(P2015-534836A)
(43)【公表日】2015年12月7日
(86)【国際出願番号】EP2013070582
(87)【国際公開番号】WO2014060214
(87)【国際公開日】20140424
【審査請求日】2016年9月23日
(31)【優先権主張番号】12188585.9
(32)【優先日】2012年10月15日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】397056695
【氏名又は名称】サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン・リーデル
(72)【発明者】
【氏名】シュテフェン・ラープ
(72)【発明者】
【氏名】ケルスティーネ・ヘンマン
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル・キャスパース
(72)【発明者】
【氏名】カチヤ・ヘルホルト
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・ケルコウ
【審査官】 安田 昌司
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−512195(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/092524(WO,A2)
【文献】 特表2010−501295(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0288491(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/31− 5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤送達デバイス(100、200)であって、
薬剤を備え針(300)を含む容器を保持するように適用されたケース(205)と;
該ケース(205)と嵌め込み式に連結されるニードルスリーブ(220)であって、針(300)がその位置で覆われる、ケース(205)に対する第1の伸張位置、
針(300)がその位置で露出される、ケース(205)に対する後退位置、および
針がその位置で覆われる、ケース(205)に対する第2の伸張位置
を有するニードルスリーブ(220)と;
ニードルスリーブ(220)上に配置される、第1の伸張位置および第2の伸張位置で見える第1の印(225)と;
第1の伸張位置では見えず第2の伸張位置で見える第2の印(230)と
を含み、さらに
第2の印(230)を有し、ケース(205)内に嵌め込み式に配置されたインジケータスリーブ(250)を含む、ここで、該インジケータスリーブ(250)は、その位置で見えない、ケース(205)に対する近位位置を有し、そして、その位置で見える、ケース(205)に対する遠位位置を有する、
ここで、該インジケータスリーブ(250)は、ケース(205)とニードルスリーブ(220)の間に径方向に配置され、
該ニードルスリーブ(220)が後退位置にあるとき、インジケータスリーブ(250)はニードルスリーブ(220)と係合し、
そして該ニードルスリーブ(220)が後退位置から第2の伸張位置に並進運動するとき、インジケータスリーブ(250)は近位位置から遠位位置に並進運動する、
上記デバイス。
【請求項2】
インジケータスリーブ(250)は、ケース(205)内の1つまたはそれ以上の第1の切欠き(260)と解放可能に係合するように適用された、1つまたはそれ以上の第1の弾性ラッチ(255)を含む、請求項に記載の薬剤送達デバイス(100、200)。
【請求項3】
インジケータスリーブ(250)は、ニードルスリーブ(220)内の1つまたはそれ以上の第2の切欠き(270)と係合するように適用された、1つまたはそれ以上の弾性ラッチ(265)を含む、請求項に記載の薬剤送達デバイス(100、200)。
【請求項4】
ニードルスリーブ(220)が後退位置にあり、インジケータスリーブ(250)が近位位置にあるとき、第2のラッチ(265)は第2の切欠き(270)と係合する、請求項に記載の薬剤送達デバイス(100、200)。
【請求項5】
ニードルスリーブ(220)が後退位置から第2の伸張位置に並進運動し、かつインジケータスリーブ(250)が近位位置から遠位位置に並進運動するとき、第1のラッチ(255)は第1の切欠き(260)と係合解除する、請求項に記載の薬剤送達デバイス(100、200)。
【請求項6】
インジケータスリーブ(250)の近位位置から近位の動きを防止するために、リブ(245)がケース(205)内に配置される、請求項に記載の薬剤送達デバイス(100、200)。
【請求項7】
ニードルスリーブ(220)を後退位置から遠くへ付勢するばねをさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の薬剤送達デバイス(100、200)。
【請求項8】
第1の印(225)は、第1の色、第1の記号、第1の文字および第1の図形のうちの少なくとも1つを含み、第2の印(230)は、第2の色、第2の記号、第2の文字および第2の図形のうちの少なくとも1つを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の薬剤送達デバイス(100、200)
【請求項9】
ニードルスリーブ(220)は第2の伸張位置でロックされる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の薬剤送達デバイス(100、200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用開始インジケータを備える薬剤送達デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
注射の投与は、使用者および医療専門家にとって精神的にも物理的にもいくつかの危険および課題をもたらす作業である。注射デバイスは通常、手動デバイスおよび自動注射器の2つのカテゴリーに分けられる。従来の手動デバイスでは、薬剤を針に通すために手動力が必要である。これは通常、注射時に継続して押さなければならない何らかの形のボタン/プランジャによって行われる。この手法には多数の欠点が伴う。たとえば、ボタン/プランジャがあまりにも早く解放された場合には注射が中断することになり、注射器は意図された用量を患者に送達することができない。さらに、ボタン/プランジャを押すために必要な力が使用者には大きすぎることもある(たとえば、使用者が高齢または子供である場合)。また、注射デバイスを位置合わせすること、注射すること、および注射中に注射デバイスを静止させておくことは器用さを必要とすることがあるが、この器用さが一部の患者(たとえば、高齢の患者、子供、関節炎の患者など)にはないこともある。
【0003】
自動注射器は、自己注射を患者にとってもっと容易なものにすることを目的とする。従来の自動注射器では、注射するための力をばねによって与え、トリガボタンまたは他の機構を使用して注射を起動することができる。自動注射器は、使い捨てとすることも再利用可能とすることもできる。
【0004】
従来の送達デバイスにはまた、フィードバック機構に限界があり得る。たとえば、一部の従来の送達デバイスでは、注射が開始されたときに、可聴フィードバックしか提供することができない。したがって、患者には注射が完了したときが分からないことがある。この場合、患者は、用量送達中に送達デバイスを取り去る可能性があり、これにより負傷、痛み、または不適正な用量送達を招く可能性がある。
【0005】
したがって、使用状態インジケータを備える改善された薬剤送達デバイスが依然として必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、使用状態インジケータを備える改善された薬剤送達デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
例示的な実施形態では、本発明による薬剤送達デバイスは、薬剤を備え針を有する容器を保持するように適用されたケースと、ケースと嵌め込み式に連結されるニードルスリーブであって、針がその位置で覆われる、ケースに対する第1の伸張位置、針がその位置で露出される、ケースに対する後退位置、および針がその位置で覆われる、ケースに対する第2の伸張位置を有するニードルスリーブと、第1の伸張位置および第2の伸張位置で見える、ニードルスリーブ上に配置された第1の印と、第1の伸張位置では見えず第2の伸張位置で見える、ニードルスリーブ上に配置された第2の印とを含む。
【0008】
例示的な実施形態では、ニードルスリーブの遠位端は、第1の伸張位置ではケースの遠位端を越えて第1の所定の長さだけ延び、第2の伸張位置ではケースの遠位端を越えて第2の所定の長さだけ延び、第2の所定の長さは第1の所定の長さより長い。第1の印は、ニードルスリーブの第1の所定の長さに配置され、第2の印は、第1の所定の長さの近位のニードルスリーブ上に配置される。
【0009】
例示的な実施形態では、薬剤送達デバイスは、ケース内に嵌め込み式に配置されるインジケータスリーブをさらに含む。インジケータスリーブは、インジケータスリーブがその位置で見えない、ケースに対する近位位置と、インジケータスリーブがその位置で見える、ケースに対する遠位位置とを有する。ニードルスリーブが後退位置にあるとき、インジケータスリーブはニードルスリーブと係合し、ニードルスリーブが後退位置から第2の伸張位置に並進運動するとき、インジケータスリーブは近位位置から遠位位置に並進運動する。
【0010】
例示的な実施形態では、第2の印(230)はインジケータスリーブ(250)上に配置される。
【0011】
例示的な実施形態では、インジケータスリーブは、ケース内の1つまたはそれ以上の第1の切欠きと解放可能に係合するように適用された、1つまたはそれ以上の第1の弾性ラッチを含む。インジケータスリーブは、ニードルスリーブ内の1つまたはそれ以上の第2の切欠きと係合するように適用された、1つまたはそれ以上の弾性ラッチを含む。ニードルスリーブが後退位置にあり、インジケータスリーブが近位位置にあるとき、第2のラッチは第2の切欠きと係合する。ニードルスリーブが後退位置から第2の伸張位置に並進運動し、かつインジケータスリーブが近位位置から遠位位置に並進運動するとき、第1のラッチは第1の切欠きと係合解除する。
【0012】
例示的な実施形態では、インジケータスリーブの近位位置から近位の動きを防止するために、リブがケース内に配置される。
【0013】
例示的な実施形態では、薬剤送達デバイスは、ニードルスリーブを後退位置から遠くへ付勢するばねをさらに含む。
【0014】
例示的な実施形態では、第1の印は、第1の色、第1の記号、第1の文字および第1の図形のうちの少なくとも1つを含み、第2の印は、第2の色、第2の記号、第2の文字および第2の図形のうちの少なくとも1つを含む。
【0015】
例示的な実施形態では、ニードルスリーブは第2の伸張位置でロックされる。
【0016】
本明細書で使用する用語「薬物」または「薬剤」は、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで、一実施形態において、薬学的に活性な化合物は、最大1500Daまでの分子量を有し、および/または、ペプチド、タンパク質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、酵素、抗体もしくはそのフラグメント、ホルモンもしくはオリゴヌクレオチド、または上述の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、または糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、がん、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症および/または関節リウマチの処置および/または予防に有用であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病または糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の処置および/または予防のための少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリンもしくはヒトインスリン類似体もしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)もしくはその類似体もしくは誘導体、またはエキセンジン−3もしくはエキセンジン−4もしくはエキセンジン−3もしくはエキセンジン−4の類似体もしくは誘導体を含む。
【0017】
インスリン類似体は、たとえば、Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3),Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28),Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;B28位におけるプロリンがAsp、Lys、Leu、Val、またはAlaで置き換えられており、B29位において、LysがProで置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、およびDes(B30)ヒトインスリンである。
【0018】
インスリン誘導体は、たとえば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイルヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、およびB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0019】
エキセンジン−4は、たとえば、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2配列のペプチドであるエキセンジン−4(1−39)を意味する。
【0020】
エキセンジン−4誘導体は、たとえば、以下のリストの化合物:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセ
ンジン−4(1−39);または
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
(ここで、基−Lys6−NH2が、エキセンジン−4誘導体のC−末端に結合していてもよい);
【0021】
または、以下の配列のエキセンジン−4誘導体:
desPro36エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2(AVE0010)、
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desAsp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desMet(O)14,Asp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
または前述のいずれか1つのエキセンジン−4誘導体の薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物
から選択される。
【0022】
ホルモンは、たとえば、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(ソマトロピン)、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどの、Rote Liste、2008年版、50章に列挙されている脳下垂体ホルモンまたは視床下部ホルモンまたは調節性活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニストである。
【0023】
多糖類としては、たとえば、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、もしくは超低分子量ヘパリン、またはそれらの誘導体、または上述の多糖類の硫酸化形態、たとえば、ポリ硫酸化形態、および/または、薬学的に許容されるそれらの塩がある。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容される塩の例としては、エノキサパリンナトリウムがある。
【0024】
抗体は、基本構造を共有する免疫グロブリンとしても知られている球状血漿タンパク質(約150kDa)である。これらは、アミノ酸残基に付加された糖鎖を有するので、糖タンパク質である。各抗体の基本的な機能単位は免疫グロブリン(Ig)単量体(1つのIg単位のみを含む)であり、分泌型抗体はまた、IgAなどの2つのIg単位を有する二量体、硬骨魚のIgMのような4つのIg単位を有する四量体、または哺乳動物のIgMのように5つのIg単位を有する五量体でもあり得る。
【0025】
Ig単量体は、4つのポリペプチド鎖、すなわち、システイン残基間のジスルフィド結合によって結合された2つの同一の重鎖および2本の同一の軽鎖から構成される「Y」字型の分子である。それぞれの重鎖は約440アミノ酸長であり、それぞれの軽鎖は約220アミノ酸長である。重鎖および軽鎖はそれぞれ、これらの折り畳み構造を安定化させる鎖内ジスルフィド結合を含む。それぞれの鎖は、Igドメインと呼ばれる構造ドメインから構成される。これらのドメインは約70〜110個のアミノ酸を含み、そのサイズおよび機能に基づいて異なるカテゴリー(たとえば、可変すなわちV、および定常すなわちC)に分類される。これらは、2つのβシートが、保存されたシステインと他の荷電アミノ酸との間の相互作用によって一緒に保持される「サンドイッチ」形状を作り出す特徴的な免疫グロブリン折り畳み構造を有する。
【0026】
α、δ、ε、γおよびμで表される5種類の哺乳類Ig重鎖が存在する。存在する重鎖の種類により抗体のアイソタイプが定義され、これらの鎖はそれぞれ、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgM抗体中に見出される。
【0027】
異なる重鎖はサイズおよび組成が異なり、αおよびγは約450個のアミノ酸を含み、δは約500個のアミノ酸を含み、μおよびεは約550個のアミノ酸を有する。各重鎖は、2つの領域、すなわち定常領域(C)と可変領域(V)を有する。1つの種において、定常領域は、同じアイソタイプのすべての抗体で本質的に同一であるが、異なるアイソタイプの抗体では異なる。重鎖γ、α、およびδは、3つのタンデム型のIgドメインと、可撓性を加えるためのヒンジ領域とから構成される定常領域を有し、重鎖μおよびεは、4つの免疫グロブリン・ドメインから構成される定常領域を有する。重鎖の可変領域は、異なるB細胞によって産生された抗体では異なるが、単一B細胞またはB細胞クローンによって産生された抗体すべてについては同じである。各重鎖の可変領域は、約110アミノ酸長であり、単一のIgドメインから構成される。
【0028】
哺乳類では、λおよびκで表される2種類の免疫グロブリン軽鎖がある。軽鎖は2つの連続するドメイン、すなわち1つの定常ドメイン(CL)および1つの可変ドメイン(VL)を有する。軽鎖のおおよその長さは、211〜217個のアミノ酸である。各抗体は、常に同一である2本の軽鎖を有し、哺乳類の各抗体につき、軽鎖κまたはλの1つのタイプのみが存在する。
【0029】
すべての抗体の一般的な構造は非常に類似しているが、所与の抗体の固有の特性は、上記で詳述したように、可変(V)領域によって決定される。より具体的には、各軽鎖(VL)について3つおよび重鎖(HV)に3つの可変ループが、抗原との結合、すなわちその抗原特異性に関与する。これらのループは、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる。VHドメインおよびVLドメインの両方からのCDRが抗原結合部位に寄与するので、最終的な抗原特異性を決定するのは重鎖と軽鎖の組合せであり、どちらか単独ではない。
【0030】
「抗体フラグメント」は、上記で定義した少なくとも1つの抗原結合フラグメントを含み、そのフラグメントが由来する完全抗体と本質的に同じ機能および特異性を示す。パパインによる限定的なタンパク質消化は、Igプロトタイプを3つのフラグメントに切断する。1つの完全なL鎖および約半分のH鎖をそれぞれが含む2つの同一のアミノ末端フラグメントが、抗原結合フラグメント(Fab)である。サイズが同等であるが、鎖間ジスルフィド結合を有する両方の重鎖の半分の位置でカルボキシル末端を含む第3のフラグメントは、結晶可能なフラグメント(Fc)である。Fcは、炭水化物、相補結合部位、およびFcR結合部位を含む。限定的なペプシン消化により、Fab片とH−H鎖間ジスルフィド結合を含むヒンジ領域の両方を含む単一のF(ab’)2フラグメントが得られる。F(ab’)2は、抗原結合に対して二価である。F(ab’)2のジスルフィド結合は、Fab’を得るために切断することができる。さらに、重鎖および軽鎖の可変領域は、縮合して単鎖可変フラグメント(scFv)を形成することもできる。
【0031】
薬学的に許容される塩は、たとえば、酸付加塩および塩基性塩である。酸付加塩としては、たとえば、HClまたはHBr塩がある。塩基性塩は、たとえば、アルカリまたはアルカリ土類、たとえば、Na+、またはK+、またはCa2+から選択されるカチオン、または、アンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)(式中、R1〜R4は互いに独立に:水素、場合により置換されたC1〜C6アルキル基、場合により置換されたC2〜C6アルケニル基、場合により置換されたC6〜C10アリール基、または場合により置換されたC6〜C10ヘテロアリール基を意味する)を有する塩である。薬学的に許容される塩のさらなる例は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」17版、Alfonso R.Gennaro(編)、Mark Publishing Company、Easton、Pa.、U.S.A.、1985およびEncyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0032】
薬学的に許容される溶媒和物は、たとえば、水和物である。
【0033】
本発明のさらなる適用可能範囲は、以下に示される詳細な説明から明らかになろう。しかし、詳細な説明および具体的な諸例は、本発明の好ましい諸実施形態を示しているが、当業者には本発明の趣旨および範囲内の様々な変更および修正がこの詳細な説明から明らかになるので、単に例示的に示されているにすぎないことを理解されたい。
【0034】
本発明は、以下に示される詳細な説明および添付の図面からより完全に理解されよう。図面は単に例証として示されており、したがって本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明による送達開始インジケータを備える使用前の薬剤送達デバイスの例示的な実施形態を示す図である。
図2】本発明による送達開始インジケータを備える使用中の薬剤送達デバイスの例示的な実施形態を示す図である。
図3】本発明による送達開始インジケータを備える使用後の薬剤送達デバイスの例示的な実施形態を示す図である。
図4】本発明による送達開始インジケータを備える使用前の薬剤送達デバイスの別の例示的な実施形態を示す図である。
図5A】本発明による送達開始インジケータを備える使用前の薬剤送達デバイスの別の例示的な実施形態を示す図である。
図5B】本発明によるインジケータスリーブの例示的な実施形態を示す図である。
図6】本発明による送達開始インジケータを備える使用中の薬剤送達デバイスの別の例示的な実施形態を示す図である。
図7】本発明による送達開始インジケータを備える使用後の薬剤送達デバイスの別の例示的な実施形態を示す図である。
図8】本発明による送達開始インジケータを備える使用後の薬剤送達デバイスの別の例示的な実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
すべての図で、対応する各部材は同じ参照記号で示される。
【0037】
図1は、本発明による薬剤送達デバイス100の例示的な実施形態を示す。送達デバイス100は、シリンジまたはカートリッジから薬剤を注射するために使用される任意のタイプの注射デバイスでよい。当業者には、このような注射デバイスには、それだけには限らないが、ペン型注射器、充填済みシリンジ、自動注射器、灌流デバイス、点滴デバイスなどが含まれることが理解されよう。
【0038】
図1に示される例示的な実施形態では、送達デバイス100は、開いた遠位端110および閉じた近位端115を有するシリンダとすることができるケース105を含む。別の例示的な実施形態では、トリガボタンを近位端115に配置することができる。ケース105には、ニードルスリーブ120を嵌め込み式に連結することができる。ニードルスリーブ120は、送達デバイス100のシリンジまたはカートリッジ上の針300が使用前に確実に覆われるように、ケース105に対して第1の伸張位置で(たとえば、ばねによって)付勢することができる。第1の伸張位置では、ニードルスリーブ120の遠位端が、ケース105の遠位端110を越えて第1の所定の長さだけ延びる。例示的な実施形態では、第1の所定の長さは、たとえば、第1の色、第1の記号、第1の文字、第1の図形など、またはこれらの任意の組合せなどの第1の印125を含む。たとえば、第1の印125は緑色とすることができる。ニードルスリーブ120が第1の伸張位置にあるとき、第1の印125は、患者に見えると共に、送達デバイス100が以前に使用されておらず使用できる状態にあることを示すことができる。
【0039】
図1は、使用前の送達デバイス100の例示的な実施形態を示す。図2は、送達デバイス100が注射部位に置かれたときの、使用中の送達デバイス100の例示的な実施形態を示す。送達デバイス100が注射部位に置かれると、ニードルスリーブ120の遠位端は注射部位に接触し、継続的な遠位向きの力が、付勢力に対抗してニードルスリーブ120をケース105に対して近位方向に動かす。ニードルスリーブ120がケース105に対して近位方向に並進運動し、その結果、第1の印125がケース105によって実質的に覆われるようになるとき、ニードルスリーブ120は後退位置にある。例示的な実施形態では、ニードルスリーブ120が後退位置にあるとき、針300の遠位端を注射部位への挿入のために露出させることができ、またインターロック機構を起動させることができ、これにより、プランジャが(圧縮ばねの力を受けて)シリンジまたはカートリッジの中に前進して、その中のストッパを薬剤の排出のために遠位に駆動する。別の例示的な実施形態では、ニードルスリーブ120がケース105に対して後退位置に動いたとき、インターロック機構を起動させることができ、これにより、シリンジまたはカートリッジが、針300を注射部位に挿入するために第1の近位位置から第2の遠位位置に前進する。インターロック機構はまた、プランジャをシリンジもしくはカートリッジの中に前進させてストッパを、薬剤を排出するために遠位に駆動することもでき、またはトリガボタンを押してプランジャを解放することができる。さらに別の例示的な実施形態では、ニードルスリーブ120がケース105に対して後退位置へ動いたとき、インターロック機構を起動させることができ、これによりトリガボタンが解放され、またトリガボタンが押されたとき、シリンジまたはカートリッジは、針300を注射部位に挿入するために第1の近位位置から第2の遠位位置に前進し、またプランジャをシリンジもしくはカートリッジの中に前進させてストッパを、薬剤を排出するために遠位に駆動することができる。
【0040】
図3は、送達デバイス100が注射部位から取り去られたときの、使用後の送達デバイス100の例示的な実施形態を示す。付勢力を受けて、ニードルスリーブ120は、ケース105に対して遠位に、ケース105に対する第2の伸張位置に並進運動し、ニードルスリーブ120の遠位端は、ケース105の遠位端110から、第1の所定の長さより長い第2の所定の長さにある。ニードルスリーブ120の第2の所定の長さは、第1の所定の長さに配置された第1の印125を含み、さらに第1の印125の近位のニードルスリーブ120上に第2の印130を含む。第2の印130は、第1の印125と異なる第2の色、第2の記号、第2の文字、第2の図形など、またはこれらの任意の組合せとすることができる。たとえば、第1の印125が緑色である場合、第2の印130は赤色とすることができる。ニードルスリーブ120が第2の伸張位置にあるとき、第2の印130は、患者に見えると共に、送達デバイス100が使用済みであり再び使用されてはならないことを示すことができる。
【0041】
例示的な実施形態では、ニードルスリーブ120は、送達デバイス100の再使用を防止するために、第2の伸張位置でロックすることができる。
【0042】
図4は、本発明による薬剤送達デバイス200の別の例示的な実施形態を示す。送達デバイス200は、シリンジまたはカートリッジから薬剤を注射するために使用される任意のタイプの注射デバイスでよい。当業者には、このような注射デバイスには、それだけには限らないが、ペン型注射器、充填済みシリンジ、自動注射器、灌流デバイス、点滴デバイスなどが含まれることが理解されよう。
【0043】
図4に示される例示的な実施形態では、送達デバイス200は、開いた遠位端210および近位端を有するシリンダでよいケース205を含む。トリガボタンをケース205(またはケース205の他の領域)の近位端に連結することができ、または近位端を閉じることができる。ケース205には、ニードルスリーブ220を嵌め込み式に連結することができる。ニードルスリーブ220は、送達デバイス200のシリンジまたはカートリッジ上の針が使用前に確実に覆われるように、ケース205に対して第1の伸張位置で(たとえば、ばねによって)付勢することができる。第1の伸張位置では、ニードルスリーブ220の遠位端が、ケース205の遠位端210を越えて第1の所定の長さだけ延びる。例示的な実施形態では、第1の所定の長さは、たとえば、第1の色、第1の記号、第1の文字、第1の図形など、またはこれらの任意の組合せなどの第1の印225を含む。たとえば、第1の印225は緑色とすることができる。ニードルスリーブ220が第1の伸張位置にあるとき、第1の印225は、患者に見えると共に、送達デバイス200が以前に使用されておらず使用できる状態にあることを示すことができる。
【0044】
図5Aに示された例示的な実施形態に示されるように、ニードルスリーブ220は、ばね235によって第1の伸張位置で付勢されている。ニードルスリーブ220の近位端のフランジ240は、ケース205上に形成されたリブ245の近位部分に当接して、ニードルスリーブ220が、ばね235の付勢力を受けて第1の伸張位置を越えてケース205に対し遠位に動くことを防止することができる。
【0045】
図5Aに示された例示的な実施形態では、第2の印230を有するインジケータスリーブ250は、ケース205の遠位端210に嵌め込み式に配置することができる。例示的な実施形態では、インジケータスリーブ250は、ケース205とニードルスリーブ220の間に径方向に配置することができる。例示的な実施形態では、第2の印230は、たとえば、第2の色、第2の記号、第2の文字、第2の図形など、またはこれらの任意の組合せとすることができる。たとえば、第2の印225は赤色とすることができる。
【0046】
例示的な実施形態では、インジケータスリーブ250は、1つまたはそれ以上の第1の弾性ラッチ255を含むことができ、これは、非偏向位置で(図5Aに示す)、ケース205内に形成された1つまたはそれ以上の第1の切欠き260と係合して、インジケータスリーブ250をケース205に対して後退位置にロックするように適用されている。第1のラッチ225は、インジケータスリーブ250の近位端に配置することができる。後退位置では、インジケータスリーブ250はケース205の中に完全に含まれ、したがって患者には見えない。偏向位置では、第1のラッチ255は、第1の切欠き260と係合解除するように径方向に偏向することができる。
【0047】
例示的な実施形態では、インジケータスリーブ250は、1つまたはそれ以上の第2の弾性ラッチ265を含むことができ、これは、偏向位置でニードルスリーブ220に当接するように適用されている。ニードルスリーブ220が近位方向に並進運動し、ニードルスリーブ220上の1つまたはそれ以上の第2の切欠き270が第2のラッチ265と位置合わせするとき、第2のラッチ265は非偏向位置に移行し、第2の切欠き270と係合して、インジケータスリーブ250をニードルスリーブ220にロックする。第2のラッチ265は、インジケータスリーブ250の遠位端に配置することができる。インジケータスリーブ250がニードルスリーブ220にロックされると、これらは一緒に並進運動する。したがって、ニードルスリーブ220が第2の伸張位置にあるとき(たとえば、送達デバイス200が注射部位から取り去られた後)、インジケータスリーブ250および第2の印230は患者に見えるようになる。
【0048】
図6は、使用中の送達デバイス200の別の例示的な実施形態を示す。送達デバイス200は注射部位に押し付けられていて、ニードルスリーブ220が、ばね235の付勢力に対抗して第1の伸張位置から後退位置に動くことになる。ニードルスリーブ220とインジケータスリーブ250の間の何らかの摩擦力により、インジケータスリーブ250がニードルスリーブ220と共に近位方向に並進運動することになり得る範囲内で、インジケータスリーブ250の近位端がリブ245の遠位面に当接することができる。したがって、リブ245により、ニードルスリーブ220が第1の伸張位置から後退位置に動くときにインジケータスリーブ250がニードルスリーブ220に対して並進運動しないことが保証される。
【0049】
ニードルスリーブ220が後退位置に達すると、第2の切欠き270は第2のラッチ265と位置合わせされて、第2のラッチ265が径方向で非偏向位置に偏向し、かつ第2の切欠き270と係合することが可能になる。
【0050】
図7は、使用後の送達デバイス200の別の例示的な実施形態を示す。送達デバイス200が注射部位から取り去られると、ばね235の付勢力により、ニードルスリーブ220が後退位置から第2の伸張位置にケース205に対して遠位に並進運動する。ばね235の付勢力により、第1のラッチ255は第1の切欠き260と係合解除する。また、第2のラッチ265が第2の切欠き270と係合しているので、インジケータスリーブ250は、ニードルスリーブ220と共に後退位置から伸張位置に並進運動する。
【0051】
図8は、使用後の送達デバイス200の別の例示的な実施形態を示す。インジケータスリーブ250が伸張位置にあるとき、第2の印230は患者に見え、したがって、送達デバイス200が使用済みであり再使用されてはならないという視覚フィードバックを与える。
【0052】
装置、方法および/またはシステムの様々な構成要素ならびに本明細書に記載の諸実施形態の修正(追加および/または除去)を、このような修正、およびそのあらゆる均等物を包含する本発明の全範囲および趣旨から逸脱せずに加えることができることが、当業者には理解されよう。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8