【実施例】
【0013】
図1に示すように、本発明の電子打楽器に用いる振源伝導機構は、共振伝導部材3を備える。
【0014】
該共振伝導部材3は通常、電子ドラム或いは電子シンバルなどの電子打楽器のパーカッションエリアと対応するため、円形に製造される。
【0015】
該共振伝導部材3は、中心に位置する感知結合部31、及び該感知結合部31周囲に環状に設置され、連接する振動伝導部32を備える。
【0016】
さらに
図2に示すように、該感知結合部31は、該電子打楽器の圧電素子センサー(piezoelectric sensor)などのセンサー4と連接して結合される。
【0017】
通常、該センサー4はさらに、電子音響効果発生(electronic sound generation)回路5と接続する。
【0018】
本実施形態では、該感知結合部31は、
図1,2,4に示す様に、中空メッシュのような中空ではない通常の円形板体で、該振動伝導部32は、円環状で、しかも該振動伝導部32と感知結合部31両者は、同心円配置を呈する。
【0019】
該振動伝導部32には、
ハニカム構造或いは正六
角形の複数の中空メッシュ321を設置し、しかも該各中空メッシュ321は、辺を共用する方式で相互に連接し、振動伝導部32全体を満たす。
【0020】
中空メッシュ321の辺の長さを変える、或いは調整することで、使用者は実際の必要に応じて、該中空メッシュ321の数量或いは密度を増減、調整できる。
【0021】
一般的には、共振伝導部材3と感知結合部31全体の大きさが不変であるとの前提下で、該中空メッシュ321の数量が多ければ多いほど(密であればあるほど)、より優れた伝導効果を得ることができる。
【0022】
図2と
図3は、それぞれ本発明の電子ドラムの構造の構成模式図、及び側視模式図である。
【0023】
該電子ドラムは、パーカッション部材(percussion member)6、複数のダンピング部材(damping member)7、該共振伝導部材3、センサー4及び電子音響効果発生回路5を備える。
【0024】
該パーカッション部材6は、ラバーパッド61、及び該ラバーパッド61一側面に密着して設置される金属板62を備える。
【0025】
該複数のダンピング部材7は、該金属板62と該共振伝導部材3との間に密着して設置される。
【0026】
該パーカッション部材6は、パーカッションを受けると、振動(vibrations)を発生する。
【0027】
該ダンピング部材7は、具体的にはフォーム(foam)材質で、パーカッション部材6が発生した振動を該共振伝導部材3に伝送(propagate)する。
【0028】
ここで注意を要するのは、本発明の電子ドラムと従来の電子ドラムの他の構造構成は、おおよそ相同だということである。
【0029】
これにより、演奏者が該電子ドラムのパーカッション部材6を打撃すると、発生した振動は、順番に、該ダンピング部材7、該共振伝導部材3の振動伝導部32を経て、該共振伝導部材3に結合する感知結合部31のセンサー4に伝送される。
【0030】
これにより、該センサー4は、感知した振動に基づき、対応する電気信号を発生し、該電気信号を該電子音響効果発生回路5に伝送し、スピーカーなどの音響効果アウトプット装置を駆動し、対応するドラム音を発する。
【0031】
図1に示すように、本発明の共振伝導部材3の振動伝導部32には、
ハニカム構造或いは正六
角形である複数の中空メッシュ321を設置し、しかも該各中空メッシュ321は、辺を共用する方式で相互に連接し、振動伝導部32全体を満たす。
【0032】
図3及び
図4に示すように、演奏者が該電子ドラムのパーカッション部材6上のある位置でパーカッションを行い、ダンピング部材7の伝送を通して、該共振伝導部材3の相対位置において振源8を生じると、該振源8にある、或いは該振源8に近い中空メッシュ321にとっては、それが感知した振動は、「Y字状」及び/或いは「逆Y字状」のルートで、他の隣り合い、しかも該感知結合部31にもっと近い中空メッシュ321の方向へと、該感知結合部31に結合するセンサー4に伝導するまで、伝導する。
【0033】
こうして、本発明の共振伝導部材3の振動伝導部32は、より多くの伝導ルートを備えるようになる。
【0034】
同時に、前述の動作過程において、異なるルートからの振動波は、中空メッシュ321の頂点において集合(convergence)或いは重ね合わせ(superposition)の現象を形成する。
【0035】
しかも、正六
角形の中空メッシュ321の辺の長さはすべて等しいため、異なるルートの振動波は、相位が同じであるため、共振(resonance)を形成することができる。
【0036】
こうして、エネルギー伝送過程における減衰の問題を大幅に低減でき、感知の敏感度と正確性をさらに高められ、本発明はより大きなサイズの電子打楽器に適用でき、製品の実用性を劇的に高めることができる。
【0037】
この他、注意を要する点は、該中空メッシュ321を
ハニカム構造或いは正六
角形に設計するのであり、同様に多くの伝導ルートを備える五辺形、七辺形、八辺形などの他の多辺形ではない点である。
【0038】
本発明は、幾何学原理に基づき、各中空メッシュ321を、空隙或いは重なりが発生しない方式で相互に連接し、振動伝導部32全体を満たすことで、感知上の死角或いは盲点の発生を回避し、本発明はより高い信頼性を達成できる。
【0039】
上記の本発明名称と内容は、本発明技術内容の説明に用いたのみで、本発明を限定するものではない。本発明の精神に基づく等価応用或いはいは部品(構造)の転換、置換、数量の増減はすべて、本発明の保護範囲に含むものとする。