(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記推定部は、前記画像処理部の処理結果に基づき生コンクリートの液面高さを算出し、前記生コンクリートの液面高さに基づいて生コンクリート量を推定することを特徴とする請求項1に記載の生コンクリート量推定装置。
前記推定領域は、前記撮像画像において前記ミキサドラム内の生コンクリートが占める領域であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の生コンクリート量推定装置。
前記推定領域は、前記撮像画像において生コンクリートから露出する前記ミキサドラムの内壁面が占める領域であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の生コンクリート量推定装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態に係る生コンクリート量推定装置100について説明する。
【0012】
まず、
図1を参照して、生コンクリート量推定装置100を備えるミキサ車10の全体構成について説明する。
【0013】
ミキサ車10は、モルタルやレディミクストコンクリート等のいわゆる生コンクリート(以下、「生コン」と称する。)を架台1に搭載されたミキサドラム2にて運搬するものである。
【0014】
図1に示すように、ミキサドラム2は、架台1に回転可能に搭載される容器である。ミキサドラム2は、回転軸がミキサ車10の前後方向に延びるように搭載される。また、ミキサドラム2は、架台1の後部に向かって徐々に高くなるように、前後に傾斜して搭載される。
【0015】
ミキサドラム2の内側には、その内壁から突出し回転軸に沿って螺旋状に延びる一対のブレード3,4が設けられる。
【0016】
ミキサドラム2は、その後端に開口部2Aが形成され、開口部2Aから生コンの投入と排出とが行われる。
【0017】
ミキサドラム2の開口部2Aの上方には、生コンを投入するためのホッパー5が設けられる。ホッパー5は、外部から投入される生コンを開口部2Aを通じてミキサドラム2内に導く。
【0018】
ホッパー5の上部には、ホッパー5の開口を覆うホッパーカバー6がシャフト6Aを介して回動自在に設けられる。ホッパーカバー6がシャフト6Aを中心として回動することにより、ホッパー5が開閉される。
【0019】
ミキサドラム2は、ミキサ車10に搭載される走行用エンジン(図示省略)を動力源として駆動し、ドラム駆動装置7によって正逆転及び増減速する。ドラム駆動装置7によってミキサドラム2が正転運転される時には、ミキサドラム2内の生コンがブレード3,4によって攪拌され、また、ミキサドラム2が逆転運転される時には、ミキサドラム2内の生コンがブレード3,4によって開口部2A側へ送られ外部へと排出される。
【0020】
次に、ミキサドラム2内の生コン量を推定する生コンクリート量推定装置100について説明する。
【0021】
図2に示すように、生コンクリート量推定装置100は、ミキサドラム2内を撮像可能な撮像部としてのカメラ20と、カメラ20が撮像した撮像画像から生コン量を推定するコントローラ30と、コントローラ30が推定した生コン量を表示する表示部40と、を備える。
【0022】
カメラ20は、
図3に示すように、ホッパーカバー6がホッパー5を閉じた状態においてホッパー5内に収容されるように、ホッパーカバー6の裏側に支持部材21を介して設けられる。また、カメラ20は、ホッパーカバー6がホッパー5を閉じた状態となると、ミキサドラム2の開口部2Aを通じてミキサドラム2内を撮像できるように設けられる。このようにホッパーカバー6に設けられるカメラ20によって、
図4に示すようなミキサドラム2内の可視画像が撮像される。
【0023】
カメラ20の上部には、光を照射する光源22が設けられる(
図3参照)。光源22は、カメラ20と共にホッパーカバー6の裏側に設けられ、開口部2Aを通じてミキサドラム2内に光を照射する。このため、ミキサドラム2内に明暗が生じ、生コン、ブレード3,4、ミキサドラム2の内壁面を視認することができる。言い換えれば、光源22は、ミキサドラム2内における生コン、ブレード3,4、内壁面が視認できるように、ミキサドラム2内に光を照射する。光源22は、例えばLEDライトなどを使用することができる。光源22はカメラ20と一体化されてもよい。
【0024】
コントローラ30は、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、及びI/Oインターフェース(入出力インターフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。RAMはCPUの処理におけるデータを記憶し、ROMはCPUの制御プログラム等を予め記憶し、I/Oインターフェースは接続された機器との情報の入出力に使用される。
【0025】
図2に示すように、コントローラ30は、生コン量を推定するための推定領域をカメラ20が撮像した撮像画像から画像処理によって抽出する画像処理部31と、画像処理部31が抽出した推定領域からミキサドラム2内の生コン量を推定する推定部32と、生コン量を推定するための情報を記憶する情報記憶部33と、を備える。
【0026】
画像処理部31は、カメラ20によって撮像された撮像画像において、ミキサドラム2内の生コンが占める領域(以下、「生コン領域」と称する。)31A、生コンからミキサドラム2の内部空間に露出するブレード3,4が占める領域(以下、「ブレード領域」と称する。)31B、生コンから露出するミキサドラム2の内壁面が占める領域(以下、「内壁領域」と称する。)31Cのいずれかを推定領域として抽出する。
図5においてハッチングを施した箇所が生コン領域31Aであり、
図6においてハッチングを施した箇所がブレード領域31Bであり、
図7においてハッチングを施した箇所が内壁領域31Cである。
【0027】
推定部32は、画像処理部31が抽出した推定領域の面積を演算によって算出して、生コンの量を推定する。
【0028】
情報記憶部33には、推定領域の面積と生コン量との関係を表すマップなどの情報が格納される。情報記憶部33では、指令に基づいて情報の記憶や取り出しが行われる。
【0029】
表示部40は、コントローラ30の推定部32が推定した生コン量を表示するモニタである。作業者は、表示部40によってミキサドラム2内の生コン量を確認することができる。
【0030】
次に、生コンクリート量推定装置100の生コン量推定方法について説明する。
【0031】
ホッパーカバー6がホッパー5を開いた状態(
図3において二点鎖線で示す状態)から、シャフト6Aを中心としてホッパーカバー6を回動しホッパー5を閉じた状態(
図3において実線で示す状態)にすると、カメラ20は、ホッパー5内に収容されて、ミキサドラム2の開口部2Aを通じてミキサドラム2内を撮像可能な状態となる。この状態において、カメラ20は、ミキサドラム2内を撮像し、撮像画像を取得する。カメラ20は、静止画を撮像してもよく、動画の中から一つのフレームを静止画として抜き出してもよい。撮像画像を取得する際には、ホッパー5の開閉を検知するセンサを設け、ホッパーカバー6がホッパー5を閉じた状態を検知すると撮像が行われるようにしてもよいし、撮像を開始するスイッチ等を設けて手動で撮像が行われるようにしてもよい。
【0032】
図2に示すように、カメラ20が撮像した撮像画像は、有線又は無線の通信手段によって、画像処理部31へ送信され、画像処理部31によって推定領域が抽出される。具体的には、画像処理部31は、光源22によって光が照射されたミキサドラム2内を撮像した撮像画像を輝度によって二値化処理し、生コン領域31A、ブレード領域31B、内壁領域31Cといった領域のいずれかを推定領域として抽出する。つまり、画像処理部31は、推定領域として抽出する領域に対応した輝度の閾値によって、撮像画像を二値化処理して推定領域を抽出する。どの領域を推定領域とするかは、生コンの性状(例えばスランプ値)などに基づいて任意に決定される。
【0033】
推定部32は、画像処理部31が抽出した推定領域に基づいて生コン量の推定を行う。具体的に説明すると、推定部32は、撮像画像内における推定領域の面積を算出する。その後、推定領域の面積とミキサドラム2内の生コンの量との関係を表すマップを情報記憶部33から読み込み、マップを用いて推定領域の面積から生コン量を読み取る。
【0034】
例えば、画像処理部31が推定領域として生コン領域31Aを抽出した場合には、推定部32は撮像画像における生コン領域31Aの面積を算出する。つまり、
図8において、ハッチングが施された領域の面積を算出する。この際の面積をS1とすると、推定部32は、
図9に示すように、予め情報記憶部33に記憶されるマップから面積S1に相当する生コン量V1を読み取り、ミキサドラム2内の生コン量を推定する。画像処理部31が、推定領域としてブレード領域31Bや内壁領域31Cを抽出した場合も同様に、推定領域ごとに面積と生コン量との関係を表すマップを予め情報記憶部33に記憶しておき、マップから生コン量を推定する。
【0035】
ミキサドラム2の回転中においては、
図10に示すように、ミキサドラム2内でミキサ車の左右方向の一方(
図10では左方向)に偏り、ミキサドラム2内における生コンの液面高さが一定ではなくなる場合がある。これに対し、ミキサドラム2が回転して生コンが偏った場合にも、撮像画像における推定領域の面積は大きく変化しないため、推定領域の面積から生コン量を推定することができる。このように、生コンクリート量推定装置100は、ミキサドラム2の回転中においても、生コン量を推定することができる。
【0036】
また、ミキサ車10が前後方向に傾いて停車している場合には、撮像画像における生コン領域31Aの面積が大きく変化する場合がある。このような場合には、画像処理部31は、ブレード領域31Bを推定領域として抽出すればよい。ミキサ車10が前後方向に傾いて停車している場合でも、ブレード領域31Bの面積は大きく変化しないため、ブレード領域31Bの面積から生コン量を推定することができる。
【0037】
以上のように、生コンクリート量推定装置100によれば、作業者の目視によらずミキサドラム2内の生コン量を推定することができる。
【0038】
ここで、例えば、作業者が目視によって生コン量の推定を行い、ミキサドラム2内の生コン量を実際の生コン量より多く推定した場合には、ミキサドラム2内の生コンを全て排出するまで、生コンの不足に気が付かないおそれがある。この場合には、追加の生コンの発注が遅れて作業遅延を招き、その分打設作業におけるコストが増加する。作業者が目視によってミキサドラム2内の生コン量を実際の量より少なく推定して、必要量に対して生コンが不足していると判断してしまった場合には、追加する必要のない余分な生コンを発注してしまう。余分に発注された生コンは廃棄しなければならないため、その分運搬作業におけるコストが増加する。
【0039】
これに対し、生コンクリート量推定装置100によれば、作業者の目視によらず生コンの量を推定することができるため、作業者の熟練に関わらずミキサドラム2内の生コンの量を推定することができる。したがって、未熟な作業者の目視により生コン量の推定に大きな誤差が生じることが防止され、生コンの運搬作業や打設作業におけるコストの増加を防止することができる。
【0040】
また、上記第1実施形態では、ミキサドラム2内の生コン量を推定する場合について説明したが、生コンクリート量推定装置100によれば、生コン以外の内容物について、その内容量を推定することもできる。一般に、打設現場において、ミキサドラム2から排出された生コンは、コンクリートポンプ車によって型枠へ圧送される。このような、コンクリートポンプ車は、打設作業が終了すると、打設現場において水を使用して洗浄される。洗浄に使用された水は、残った生コンと共にミキサドラム2に入れて持ち帰った後に処理される。生コンクリート量推定装置100によれば、このように持ち帰って処理されるミキサドラム2内の水の量を推定することもできる。コンクリートポンプ車の洗浄費用は、持ち帰った水の量を基に決定されるため、ミキサドラム2内の水の量を推定することにより、洗浄費用の算定をより正確に行うことができる。
【0041】
以上の第1実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
【0042】
生コンクリート量推定装置100によれば、カメラ20が撮像した撮像画像を画像処理部31によって処理し、処理結果を基に推定部32がミキサドラム2内の生コン量を推定する。このように、作業者の目視によらずカメラ20が撮像した撮像画像から生コン量を推定することができるため、作業者の熟練に関わらずミキサドラム2内の生コン量を推定することができる。
【0043】
また、作業者の目視によらずミキサドラム2内の生コン量を推定することができるため、未熟な作業者の目視により生コン量の推定に大きな誤差が生じることが防止され、生コンの運搬作業や打設作業におけるコストの増加を防止することができる。
【0044】
また、カメラ20は、ホッパーカバー6の裏側に設けられ、ホッパーカバー6がホッパー5を閉じた状態において、ホッパー5内に収容されるものである。ホッパー5を通じてミキサドラム2内に生コンを投入する際には、ホッパーカバー6はホッパー5を開いた状態、つまり、カメラ20はホッパー5内には収容されず退避した状態であるため、カメラ20が投入される生コンと接触することはない。このようにカメラ20をホッパーカバーの裏側に設けることにより、カメラ20と生コンとの接触を防止することができる。
【0045】
また、カメラ20は、ミキサドラム2内を撮像可能なものであればよく、上記第1実施形態ではホッパーカバー6の裏側に設けられる。つまり、カメラ20は、ミキサドラム2に対して取り付ける必要はなく、既存のミキサ車10にも容易に取り付けることができる。したがって、既存のミキサ車10においても、生コンクリート量推定装置100によって容易にミキサドラム2内の生コン量を推定することができる。
【0046】
次に、第1実施形態の変形例について説明する。
【0047】
上記第1実施形態では、画像処理部31は、撮像画像を二値化処理した結果から推定領域を抽出する。これに対し、画像処理部31は、撮像画像と、生コンが投入される前の空の状態のミキサドラム2内を撮像した画像(以下、「基準画像」と称する。)と、を比較した結果から推定領域を抽出してもよい。具体的には、二値化処理された撮像画像と二値化処理された基準画像を比較して、2つの画像の差を算出する。2つの画像の変化は生コンの有無による変化であるため、特に生コン領域を推定領域とする場合には、2つの画像を比較することにより容易に生コン領域の抽出を行うことができる。基準画像は、予め空のミキサドラム2内を撮像し、情報記憶部33に格納しておけばよい。
【0048】
また、上記第1実施形態では、推定部32は、画像処理部31が抽出した推定領域から面積を算出してミキサドラム2内の生コン量を推定する。これに代えて、推定部32は、推定領域からミキサドラム2内における生コンの液面高さを算出してミキサドラム2内の生コン量を推定してもよい。例えば、生コン領域31Aを推定領域として抽出した場合には、推定部32は、生コン領域31Aにおける境界線L1(
図8参照)の位置から、ミキサドラム2内における生コンの液面高さを算出する。液面高さは、撮像画像内における生コン領域31Aの境界線L1の位置に加え、カメラ20による撮像の拡大倍率、カメラ20の撮像角度、ミキサドラム2の形状といった既知の値を基に演算することにより算出される。ミキサドラム2内の生コン量は、このように算出された液面高さとミキサドラム2の形状に基づいて演算され推定される。推定部32は、生コン領域31Aの境界線L2やL3の位置から生コンの液面高さを算出し、生コン量を推定してもよい。また、ブレード領域31Bや内壁領域31Cを推定領域と抽出する場合には、ブレード領域31Bや内壁領域31Cにおける生コン領域31Aとの境界線の位置から、ミキサドラム2内における生コンの液面高さを算出すればよい。
【0049】
また、上記第1実施形態では、カメラ20は、ホッパーカバー6の裏側に設けられ、ホッパーカバー6がホッパー5を閉じた状態において、ホッパー5内に収容されるものである。カメラ20と生コンとの接触を防止するためには、カメラ20はホッパーカバー6の裏側に設けられることが好ましいが、ミキサドラム2内を撮像可能であれば、その他の場所に設けられてもよい。
【0050】
また、上記第1実施形態では、カメラ20が撮像した単一の撮像画像から生コン量を推定する。これに対し、カメラ20は連続して撮像した複数の撮像画像を取得して、複数の撮像画像から生コン量を推定してもよい。例えば、複数の撮像画像それぞれから推定した生コン量を平均して、この平均値を推定結果として表示部40に表示してもよい。また、複数の撮像画像それぞれから算出した推定領域の面積を平均して、平均した面積からマップを使用して生コン量を推定してもよい。このように、複数の撮像画像から生コン量を推定することにより、生コン量推定の精度を向上させることができる。
【0051】
また、上記第1実施形態では、撮像画像を輝度によって二値化処理して推定領域を抽出するものである。これに代えて、例えば明度によって二値化処理するなど、その他の画像処理方法によって撮像画像から推定領域を抽出してもよい。
【0052】
(第2実施形態)
次に、
図11を参照して、本発明の第2実施形態に係る生コンクリート量推定装置200について説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、上記第1実施形態に係る生コンクリート量推定装置100と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0053】
上記第1実施形態では、撮像部は、ミキサドラム2内の可視画像を撮像するカメラ20であった。これに対して、第2実施形態に係る生コンクリート量推定装置200では、撮像部がミキサドラム2内の熱分布を可視化した熱画像を撮像可能なサーモカメラ120である点において、第1実施形態に係る生コンクリート量推定装置100と相違する。
【0054】
サーモカメラ120は、ミキサドラム2内から放射される赤外線を検出しミキサドラム2内の熱分布を可視化した熱画像(サーモグラフィー)を撮像可能なものである。サーモカメラ120は赤外線を検出して熱画像を撮像するものであるため、生コンクリート量推定装置200は第1実施形態のように光源22を備えていなくてもよい。
【0055】
画像処理部31は、サーモカメラ120がミキサドラム2内を熱撮像として撮像した撮像画像から推定領域を抽出する。具体的に説明すると、ミキサドラム2内においては、生コン領域31A、ブレード領域31B、内壁領域31Cは互いに温度が異なるため、熱画像として撮像される撮像画像においては、それぞれの領域が異なる色彩によって表示される。このため、画像処理部31は、色抽出によって撮像画像を二値化処理する。画像処理部31は、二値化処理された撮像画像から推定領域を抽出する。
【0056】
推定部32は、上記第1実施形態と同様に、画像処理部31が抽出した推定領域を基に生コン量の推定を行う。
【0057】
以上の第2実施形態に係る生コンクリート量推定装置200によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0058】
また、生コンクリート量推定装置200では、撮像部が熱画像を撮像可能なサーモカメラ120であり、ミキサドラム2内の熱画像を基に生コン量を推定する。このため、ミキサドラム2の生コン量を推定することができると共に、生コンの温度も測定することができる。
【0059】
また、ミキサドラム2内の各領域の温度差が大きいほど、撮像画像における色彩の違いも大きくなる。このため、ミキサドラム2内に光を照射しても各領域の境界が視認できず、可視画像から推定領域の抽出が困難な場合においても、サーモカメラ120を備える生コンクリート量推定装置200によれば、容易に推定領域を抽出することができ、生コン量を推定することができる。
【0060】
また、サーモカメラ120は熱画像を撮像可能であると共に、可視画像を撮像可能なものでもよい。この場合には、サーモカメラ120と共に光源22を備えればよい。可視画像を撮像可能な場合には、例えば、生コンとミキサドラム2内のブレード3,4及び内壁面との温度差が比較的大きくなる時期には、熱画像を基に生コン量の推定を行い、生コンとミキサドラム2内のブレード3,4及び内壁面との温度差が比較的小さくなる時期には、可視画像を基に生コン量の推定を行うことで、より精度よく生コン量を推定することができる。
【0061】
また、サーモカメラ120は熱画像及び可視画像の両方を撮像し、画像処理部31は熱画像及び可視画像それぞれにおいて推定領域を抽出してもよい。例えば、生コン領域31Aを推定領域として抽出する場合において、熱画像から抽出した生コン領域31Aの面積と可視画像から抽出した生コン領域31Aの面積とを平均した値を用いてマップから生コン量を推定することにより、生コン量の推定精度を向上させることができる。
【0062】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。