特許第6326468号(P6326468)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6326468
(24)【登録日】2018年4月20日
(45)【発行日】2018年5月16日
(54)【発明の名称】受動光ネットワークの時刻同期化方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 7/00 20060101AFI20180507BHJP
   H04L 12/44 20060101ALI20180507BHJP
   G04G 5/00 20130101ALI20180507BHJP
【FI】
   H04L7/00 990
   H04L12/44 200
   G04G5/00 J
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-183483(P2016-183483)
(22)【出願日】2016年9月20日
(65)【公開番号】特開2018-46537(P2018-46537A)
(43)【公開日】2018年3月22日
【審査請求日】2016年9月20日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0117563
(32)【優先日】2016年9月12日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】515288373
【氏名又は名称】ダサン ネットワーク ソリューションズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】イ スンドン
(72)【発明者】
【氏名】キム ドンウ
(72)【発明者】
【氏名】ムン サンチョル
(72)【発明者】
【氏名】キム ジンホ
【審査官】 阿部 弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−119521(JP,A)
【文献】 特開2016−139846(JP,A)
【文献】 特開2008−064474(JP,A)
【文献】 特開2005−064904(JP,A)
【文献】 特開2016−119578(JP,A)
【文献】 特開2016−072851(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 7/00
G04G 5/00
H04L 12/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
OLTが、グランドマスタと連結されたONUを通じて時刻同期化する方法において、
OLTが、ONUがGMから受信した時刻情報を受信する時刻情報受信段階と、
OLTが、2つ以上のONUからそれぞれ時刻情報を受信する場合、受信した時刻情報を比較して、前記2つ以上のONUのうち1つをBMCとして選定するBMC選定段階と、
一定時間OLTが選定されたBMCのクロック品質を検証し、該検証の結果がアナウンスメッセージの品質条件と差分メッセージ品質条件とを含む一定条件を満足する場合、BMCを固定するBMCロック段階と、
OLTが、前記選定されたBMCから受信した時刻差分情報に基づいて時刻を補正して、前記選定されたBMCと時刻同期化する時刻同期化段階と、
を含む受動光ネットワークの時刻同期化方法。
【請求項2】
前記BMC選定段階は、
切り替え条件の発生時に、BMCを再選定するBMC再選定段階をさらに含む請求項1に記載の受動光ネットワークの時刻同期化方法。
【請求項3】
前記時刻同期化段階以前に、
BMCが選定されれば、OLTが選定されたONUにUTPS roleメッセージを送信して、BMCの選定を知らせる段階をさらに含む請求項1に記載の受動光ネットワークの時刻同期化方法。
【請求項4】
前記時刻同期化段階以前に、
ONUがBMCの選定を知った後に、OLTは、ONUが計算して伝送する時刻差分情報を受信する時刻差分情報受信段階を含む請求項1に記載の受動光ネットワークの時刻同期化方法。
【請求項5】
前記時刻同期化段階以後に、
OLTが、時刻同期情報をOLTに連結された下部の他のONUに伝送する時刻同期情報伝送段階をさらに含む請求項1に記載の受動光ネットワークの時刻同期化方法。
【請求項6】
前記下部の他のONUが、OLTから受信した時刻同期情報を、自体に連結されたスレーブ装置に伝送する段階をさらに含む請求項に記載の受動光ネットワークの時刻同期化方法。
【請求項7】
グランドマスタと連結されたONUを通じて時刻同期化するOLT装置において、
ONUから受信した時刻差分情報に基づいて時刻を補正して、ONUと時刻同期化する時刻同期化プロセッサを含み、
前記時刻同期化プロセッサは、OLTが、2つ以上のONUからそれぞれ時刻情報を受信する場合、受信した時刻情報を比較して、前記2つ以上のONUのうち1つをBMCとして選択するBMC選択部を含み、
一定時間OLTが選定されたBMCのクロック品質を検証し、該検証の結果がアナウンスメッセージの品質条件と差分メッセージ品質条件とを含む一定条件を満足する場合、BMCを固定する受動光ネットワークのOLT装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時刻同期化技術に係り、特に、受動光ネットワークの時刻同期化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1でGPS情報を用いた時間同期化技術を提案している。
【0003】
本技術は、GPS受信器を備えたグランドマスタノードでGPS信号を用いて1PPS(1Pulse Per Second)、TOD(Time Of Day)、10MHzクロックを抽出して、該抽出した信号を安定化し、該安定化された信号を用いて時間同期化のための同期メッセージを生成してスレーブノードに伝送する。
【0004】
そうすると、スレーブノードで同期メッセージを受信し、スレーブノードの時間同期化ブロックでタイムオフセット及び周波数分離補償を支援するOFCC(Offset&Frequency Compensation Clock)同期化技術を用いて時間同期化演算を行い、時間同期化ブロックのTOD情報を修正する。
【0005】
そして、時間同期化ブロックで修正されたTOD情報を用いて、1PPS、TOD信号を抽出し、スレーブノードの安定化ブロックに伝達して信号を安定化する。
【0006】
次いで、安定化された信号を、再び時間同期化ブロックに伝達して、時間同期化ブロックのTOD情報を更新し、該更新されたTOD情報を用いて、さらに他のスレーブノードの時間同期化のための同期メッセージを生成する。
【0007】
本発明者は、通信システムのマスタとスレーブとの時刻同期化技術についての研究を行うことになった。
【0008】
通信ネットワークの時刻同期化システムでは、IEEE802.asを通じて基地局が局舍に時刻同期化する。しかし、基地局周辺がGPS受信がさらに良好な場合が多く、統合運用基地局の場合、都心に位置して、GPS受信が難しい場合がある。また、統合運用基地局の場合、多様な通信社が管理するので、接近が難しい側面がある。これにより、局舍の内部に設けられたOLT(Optical Line Terminal)を通じて時刻を同期化するよりは、基地局のONU(Optical Network Unit)を通じてOLT、及びそれと連結されたONU、ENB(eNodeB)に対する時刻を同期化する方案が考慮されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】大韓民国登録特許第10−0876776号(2008.12.23)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前記課題を解決するために発明されたものであって、通信システムのマスタとスレーブとの時刻同期化技術を提供することをその目的とする。
【0011】
特に、受動光ネットワーク(PON:Passive Optical Network)を成すOLTとONUとの時刻同期化を効率的に行える時刻同期化方法を提供することをその目的とする。
【0012】
さらに、本技術は、ONUの二重化を支援してONUに対するフェイルオーバー(Failover)を支援することを目的とする。
【0013】
さらに、本技術は、受動光ネットワークでONUにIEEE1588グランドマスタ装置を連結して、当該ネットワーク装備の正確な時刻同期化のために、ONUとONTとの間のプロトコルを定義することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
一態様において、受動光ネットワークの時刻同期化方法は、OLTが、ONUがGMから受信した時刻情報を受信する時刻情報受信段階と、OLTが、2つ以上のONUからそれぞれ時刻情報を受信する場合、受信した時刻情報を比較して、前記2つ以上のONUのうち1つをBMC(Best Master Clock)として選定するBMC選定段階と、OLTが、前記選定されたBMCから受信した時刻差分情報に基づいて時刻を補正して、前記選定されたBMCと時刻同期化する時刻同期化段階と、を含む。
【0015】
一態様において、時刻同期化段階以前に、一定時間OLTが選定されたBMCのクロック品質を検証し、該検証の結果が一定条件を満足する場合、BMCを固定するBMCロック(Lock)段階をさらに含みうる。
【0016】
一態様において、時刻同期化段階以前にBMCが選定されれば、OLTが選定されたONUにUTPS roleメッセージを送信して、BMCの選定を知らせる段階をさらに含む。
【0017】
一態様において、時刻同期化段階以前にONUがBMCの選定を知った後に、OLTは、ONUが計算して伝送する時刻差分情報を受信する時刻差分情報受信段階を含む。
【0018】
さらに他の一態様において、時刻同期化段階以後に、OLTが、時刻同期情報をOLTに連結された下部の他のONUに伝送する時刻同期情報伝送段階をさらに含む。
【0019】
さらに他の一態様において、下部の他のONUが、OLTから受信した時刻同期情報を、自体に連結されたスレーブ装置に伝送する段階をさらに含む。
【0020】
一態様において、OLT装置は、ONUから受信した時刻差分情報に基づいて時刻を補正して、ONUと時刻同期化する時刻同期化プロセッサを含む。
【0021】
一態様において、時刻同期化プロセッサは、OLTが、2つ以上のONUからそれぞれ時刻情報を受信する場合、受信した時刻情報を比較して、前記2つ以上のONUのうち1つをBMCとして選択するBMC選択部を含む。
【発明の効果】
【0022】
本技術は、通信システムのマスタとスレーブとの時刻同期化を効率的に行うことができる。特に、受動光ネットワーク(PON)を成すOLTとONUとの時刻同期化を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】一実施形態による受動光ネットワークのシステムを示す図である。
図2】一実施形態による受動光ネットワークの時刻同期化方法を示すフローチャートである。
図3】一実施形態によるサーボアルゴリズムを示すブロック図である。
図4】さらに他の一実施形態による受動光ネットワークの時刻同期化方法を示すフローチャートである。
図5】一実施形態による受動光ネットワーク装備の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照して記述される望ましい実施形態を通じて、本発明を当業者が容易に理解し、再現できるように詳しく記述する。
【0025】
本発明を説明するに当って、関連した公知の機能または構成についての具体的な説明が、本発明の実施形態の要旨を不明にする恐れがあると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【0026】
本発明の明細書の全般に亘って使われる用語は、本発明の実施形態での機能を考慮して定義された用語であって、ユーザまたは運用者の意図、慣例などによって十分に変形可能な事項なので、その用語の定義は、本明細書の全般に亘った内容に基づいて下されなければならない。
【0027】
以下、本発明は、航空用ネットワークスイッチの具現に適用可能である。
【0028】
本発明は、OLT30(以下、OLTと称する)とONU20(以下、ONUと称する)とで構成されたPON(Passive Optical Network)システムにおいて、装備の正確な時刻同期化のために、ONU20とOLT30との間で定義されるプロトコルを提示する。具体的に、GM10からONU20が時刻差分情報を収集し、その情報をUTSP(Upstream Time Sync Protocol、以下、UTSPと称する)を用いてOLT30に伝送することに関するものである。
【0029】
UTSP−Transport
一実施形態よれば、UTSPの伝送階層プロトコルは、Ethernet(登録商標)/IP/UDPを使う。ONU20がOLT30に伝送する時は、設定によってIP multicastあるいはUnicastを使う。逆に、OLT30がONU20に送信する場合には、UnicastでONU20に伝送する。IP Multicastを使う場合には、224.0.1.124を使い、TTLは、1であり、ポートは、2781を使うことができる。
【0030】
一実施形態において、ONU20からOLT30に伝達されるメッセージがIP multicastとして使う場合、ONU20とOLT30との間のVLANにモニタリングポートを追加し、当該multicast groupに参与して、ONU20がOLT30に伝送するパケットをモニタリングするか、ポートミラーリング機能を用いて送信/受信パケットを確認することができる。
【0031】
UTSP−Messages
一実施形態において、ONU20とOLT30は、伝送階層を通じて互いにそれぞれ異なるメッセージを送受信する。例えば、ONU20は、OLT30にアナウンス(Announce)、マスタスレーブオフセット(Master−slave offset)、スレーブマスタオフセット(Slave−master offset)、及びプレゼンス(Presence)を伝送する。また、例えば、OLT30は、ONU20にClock information、Grant Roleを伝送する。
【0032】
一実施形態において、ONU20とOLT30とが送受信するあらゆるメッセージは、共通のヘッダを使い、Payloadにメッセージの種類別にそれぞれ異なるデータを含む。例えば、共通のヘッダは、下記の通りである。
【0033】
【表1】
【0034】
MAGIC:UTSPを確認するためのMAGICコード
Version:UTSPバージョン
Message Type:メッセージの種類
ID:メッセージ送信/受信者の区分ID
一実施形態において、アナウンスメッセージは、ONU20からOLT30に送るSender IDがONU20 MACアドレス6bytesとPort番号2bytesとで構成され、PTP announceメッセージが含まれる。一実施形態において、アナウンスメッセージは、ONU20に連結されたIEEE1588 GM(Grand Master)が送信するアナウンスメッセージを受信時ごとにOLT30に伝送される。例えば、アナウンスメッセージのパケットは、下記の通りである。
【0035】
【表2】
【0036】
一実施形態において、マスタスレーブオフセットメッセージは、Source Port IdentityをGM10のsource port identityを使う。ONU20 timestampは、差分情報を送信したONU20の時刻である。Master−slave offsetは、SyncやSync follow upメッセージから計算した差分値である。Sync messageの周期である。例えば、マスタスレーブオフセットメッセージのパケットは、下記の通りである。
【0037】
【表3】
【0038】
一実施形態において、スレーブマスタオフセットメッセージでSource Port Identityは、GM10のsource port identityを使う。ONU timestampは、差分情報を受信したONU20の時刻である。Master−slave offsetは、Delay responseメッセージから計算した差分値である。Delay request messageの周期である。例えば、スレーブマスタオフセットメッセージのパケットは、下記の通りである。
【0039】
【表4】
【0040】
一実施形態において、プレゼンスメッセージは、ONU20のPresenceメッセージtimeoutであり、単位は、‘秒’である。その時間内にPresenceメッセージを受けることができなければ、それ以上有効ではないONU20と判断する。Timeout以前でも、それ以上ONU20で動作を行わないとする場合、0に設定する。例えば、プレゼンスメッセージのパケットは、下記の通りである。
【0041】
【表5】
【0042】
一実施形態において、Clock informationは、GM10が連結されたONU20のSource IDはONU MACアドレス6bytesとPort番号2bytesとで構成される。BMCとして選定されたClockのPTP announceメッセージが含まれる。アナウンスメッセージは、OLT30がONU20からアナウンスメッセージを受信時ごとにONU20に伝送される。例えば、Clock informationのパケットは、下記の通りである。
【0043】
【表6】
【0044】
一実施形態において、Grant Roleは、Receiver IDが当該メッセージを受信するONU20のIDである。source Port Identityは、対象ClockのIDである。Roleは、Masterである場合、BMCとして役割を行い、Slaveである場合、BMCの役割を放棄する。例えば、Grant Roleのパケットは、下記の通りである。
【0045】
【表7】
【0046】
UTSP−Operation
図1は、一実施形態による通信ネットワークの時刻同期化システムを示す。
【0047】
示したように、IEEE1588 GM10は、ONU20と連結され、ONU20は、IEEE1588のBCやTCとして設定しうる。IEEE1588 GM10には、周期的に自体のクロック情報を知らせるAnnounceメッセージとTimestamp情報を含むSync/Follow−UpメッセージとをONU20に送信する。
【0048】
図2は、一実施形態による受動光ネットワークの時刻同期化方法の一実施形態の構成を示すフローチャートである。
【0049】
示したように、本発明による時刻同期化方法は、時刻情報受信段階と、BMC選定段階と、時刻同期化段階と、を含む。
【0050】
一態様において、時刻情報受信段階では、OLT30が、ONU20がGM10から受信した時刻情報を受信する。一実施形態において、ONU20は、GM10から受信したアナウンスメッセージをUTSP announceメッセージ内に格納させてOLT30に伝送する。OLT30は、受信したメッセージから如何なるONU20が如何なるクロックと連結されているかが分かる。
【0051】
一態様において、BMC選定段階では、OLT30が、2つ以上のONU20からそれぞれ時刻情報を受信する場合、受信した時刻情報を比較して、前記2つ以上のONU20のうち1つをBMCとして選定する。
【0052】
一実施形態において、OLT30は、UTSP announceメッセージに含まれたSFを比較して、1つのBMCを選定することができる。一実施形態において、ONU20がOLT30に伝送するアナウンスメッセージは、priority1、clockClass、clockAccuracy、offsetScaledLogVariance、priority2、Source Port Id、Grandmaster Id、Steps removedの順に優先順位を有するSF(Selection Factor)を含む。OLT30は、このような優先順位を有するアナウンスメッセージのSFを比較して、BMCを選定する。
【0053】
さらに他の一実施形態において、OLT30は、2つのONU20から受信したメッセージの同一の構成が同一である場合、ONU20のMAC addressと受信されたPort numberとを比較して、BMCを選定する。
【0054】
一態様において、時刻同期化段階で、OLT30は、選定されたBMCから受信した時刻差分情報に基づいて時刻を補正して、選定されたBMCと時刻同期化する。具体的な時刻補正方法は、後述する。
【0055】
一態様において、受動光ネットワークの時刻同期化方法は、時刻同期化段階以前にBMCラック段階をさらに含みうる。BMCラック段階で、OLT30は、一定時間選定されたBMCのクロック品質を検証し、該検証の結果が一定条件を満足する場合、BMCを固定する。
【0056】
一実施形態において、BMCが固定される一定条件は、1)アナウンスメッセージの品質条件と、2)差分メッセージの品質条件と、を含む。例えば、1)アナウンスメッセージ品質条件は、アナウンスメッセージを受信する時間をアナウンスインターバルに対する倍数として決定する(基本3、範囲:2〜8倍)。また、例えば、2)差分メッセージの品質条件は、差分メッセージを指定された時間内に安定して受信するか否かをSyncインターバルに対する倍数として決定する(基本5、範囲:3〜128倍)。
【0057】
前述した1)、2)の2つの条件をいずれも満足した時点で、BMCが固定され、後述する切り替え条件が発生しない以上、固定されたBMCは変更されない。
【0058】
さらに他の一態様において、OLT30は、切り替え条件の発生時に、BMCを再選定するBMC再選定段階をさらに含みうる。
【0059】
一実施形態において、切り替え条件は、OLT30がマスタとして選択されたONU20とリンクが断絶される場合、CLIを通じるユーザの強制切り替え、アナウンスメッセージ及び差分情報受信のタイムアウト(例えば、基本5回、範囲:3〜16)、指定された差分値よりも大きな値が一定時間以上保持される場合などであり得る。OLT30は、このような切り替え条件が発生する場合、再び受信したアナウンスメッセージのSFを比較して、BMCを再選定する。
【0060】
一態様において、OLT30は、時刻同期化段階以前にBMCが選定されれば、OLT30が選定されたONU20にUTPS roleメッセージを送信して、BMCの選定を知らせる段階をさらに含む。一実施形態において、特定の理由として、ONU20が、roleメッセージを受信することができない場合が発生することがある。例えば、ONU20が、Master roleを受信していない場合、ONU20は、BMCとして役割を行わないので、品質検証に失敗し、再びBMCの選定過程を経る。また他の例を挙げれば、ONU20が、Slave roleを受信していない場合、ONU20は、持続的に差分情報をOLT30に送信し、OLT30は、当該差分情報を無視し、Slave roleメッセージを再び伝送する。
【0061】
一態様において、ONU20がBMCの選定を知った後に、ONU20が計算して伝送する時刻差分情報をOLT30が受信する時刻差分情報受信段階を含む。
【0062】
一実施形態において、ONU20は、GM10から周期的に受信するSync/Sync Follow−upメッセージからMaster−Slave差分情報を計算する。さらに他の一実施形態において、ONU20は、GM10にDelay requestメッセージを送信し、GM10からDelay responseメッセージを受信して、該受信したDelay responseからSlave−Master差分情報を計算する。ONU20は、計算した2つの差分情報をOLT30に伝送し、OLT30は、それを受信する。
【0063】
図3は、Clock servoアルゴリズムを示すフローチャートである。
【0064】
具体的な一態様において、時刻同期化段階は、前述したMaster−Slave差分情報とSlave−Master差分情報とを用いて時刻同期化する。一実施形態において、OLT30は、2つの差分情報とサーボ(servo)アルゴリズムとを用いて時刻同期化する。
【0065】
サーボアルゴリズムは、2つの差分情報を通じてOffset及びDelayを計算することができる。サーボアルゴリズムは、PI(Proportional−Integral)の制御によって単位時間によるoffset差ほど周波数を補正するものであって、OLT30の時刻がMaster Clockを従いながら収斂する。ここで、使われるDelay及びoffsetは、受信された2つの差分情報から低域通過フィルターを経て安定した値にする。
【0066】
一実施形態において、Clock servoアルゴリズムは、オープンソースプロジェクトPTPdを用いる。
【0067】
一態様において、OLT30は、時刻同期化段階以後に、時刻同期情報をOLT30に連結された下部の他のONU20に伝送する時刻同期情報伝送段階を含む。例えば、802.1as精密時間プロトコルを用いて時刻同期情報を下部の他のONU20に伝送しうる。
【0068】
さらに他の一態様において、下部の他のONU20は、OLT30から受信した時刻同期情報を、自体に連結されたスレーブ装置に伝送しうる。例えば、1588PTPパケットを通じて時刻同期情報がスレーブ装置に伝送することができる。
【0069】
このように具現することによって、本発明は、受動光ネットワーク(PON)を成すOLT30とONU20との時刻同期化を効率的に行うことができる。
【0070】
本発明は、添付図面によって参照される望ましい実施形態を中心に記述されたが、このような記載から後述する特許請求の範囲によって包括される範囲内で、本発明の範疇を外れずに多様な変形が可能であるということは明白である。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、受動光ネットワークの時刻同期化方法関連の技術分野に適用可能である。
図1
図2
図3
図4
図5