(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
当該制御回路は、パルス幅変調制御信号の負荷サイクルを制御することで、当該光源装置の発光サイクルを制御することを特徴とする請求項5に記載の光センサーアレー装置。
当該制御回路は、当該複数の誘導ユニットからなる当該センサーアレーにフィードバックされるエネルギー信号により、各誘導ユニットの信号ゲインを制御することを特徴とする請求項8に記載の光センサーアレー装置。
当該制御回路は、当該複数のダミー誘導ユニットが取得する光強度信号により、当該光源装置の駆動電流を調整し、当該光源装置が発生させる光強度を調整することを特徴とする請求項10に記載の光センサーアレー装置。
【背景技術】
【0002】
光センサーは、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)、CCD(電荷結合素子)等のようなセンシングデバイスにより、受光した光線を電気的信号に転換する。一般的な技術では、このようなデバイスにより特定な光源の強度(エネルギー)を取得でき、これにより、距離の判断(距離センサーとして)、及びエネルギーの時間的な変化の判断ができ、さらに映像をピックアップするデバイスともしている。
【0003】
光学ポインティング装置、例えコンピューターマウスは、光センサーを用い軌跡移動を判断する。発生される光線がオペレーション平面に入射すると、前後の時刻に受けるエネルギーの変化により、画像処理をし一つの移動ベクトルを判断することができる。
図1は光学式マウス10の内部回路を示す模式図である。光学式マウス10は表面11の上を移動し、マウスハウジング12の内部回路の主要な部品として、若干の光学部品の他に、回路部分に回路基板14が設けられ、回路基板14に発射光とセンシング光を制御及び計算するコントローラ18、及び光源16とセンサー19が設けられている。
【0004】
この光学式マウス10のハウジング12に外部表面11に向いた一つのアパーチャー(aperture)17を有し、この回路基板14がこのアパーチャー17の近傍に設けられ、回路基板14に例えレーザー又は発光ダイオード(LED)の光源16が設けられている。図面の点線のように示され、この光学式マウス10は動作する時、光源16が連続的に発射光を発生させ、特定の角度で表面11に入射し、センサー19により反射光の信号を取得し、又は反射光の強度のイメージ分布を取得し(センサー19は例えばCMOS又はCCDイメージ・センサーでいい)、そしてコントローラ18は光学式マウス10の移動方向を分析することができる。
【0005】
上記のよく知られた光学式マウス10の軌跡判断の技術には、表面11により取得される反射光の信号に強く依存するので、普通光学式マウス10の機能は表面11の形によって異なるパフォーマンスになる。
【0006】
光線追跡するために、一般的な技術では、表面11が透明な又は光を反射しにくい材料であることで、判断不能の問題があり、追跡できなくなり、係わる光学式マウス10はスムーズに操作できない。
【0007】
従来では、光線追跡装置に異なる平面でもある程度の追跡機能をキープさせようとすると、光線移動動作を取得する方式は付加の外部ポジションニング・センシング又は複雑な演算を多く使われる。しかし、これらのポジションニング・センシング又は演算は、感度の制限と、高いエネルギー消費と、複雑なアルゴリズム等の理由で、有限的な平面様態にしか適応しない。これらの普通の方式はすべての高反射の又は極めて低い反射率の平面に適応することができない。これらのよく知られた光センサーは全ての高反射又は極めて低い反射率の平面に適応するわけではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来の光線追跡装置が異なる平面で追跡機能をキープできなく、そしてすべての高反射の又は極めて低い反射率の平面に適応することができない課題を解決できる光線追跡方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、光センサーアレー装置であり、
センサーアレーになり、中には複数のダミー誘導ユニットが設けられており、当該センサーアレーが表面に反射される光線を受けるのに用いられる、アレー状に配列された複数の誘導ユニットと、
各コンパレーターが一つの誘導ユニットに対応して接続され、入力される二つのエネルギー信号を比較するのに用いられ、中の一つの信号は当該誘導ユニットが生じるエネルギー信号であり、もう一つは平均値である、複数のコンパレーターと、
当該表面に入射する光線を発生させる光源装置と、
当該複数の誘導ユニットと、当該複数のコンパレーターと、当該光源装置とに電気的に接続され、当該光源装置制御し当該光線を発生さえることと、および当該複数の誘導ユニットのエネルギー信号を取得することに用いられ、当該表面に反射されてなる空間干渉のエネルギー差異を判断する制御回路とを備える。
【0010】
具体的に、当該複数の誘導ユニットの間に固定のスペースと均一な相対的な位置を有する。
【0011】
具体的に、当該アレー状に配列された複数の誘導ユニットは、集積回路内に封止される。
【0012】
具体的に、当該制御回路は、当該光源装置の露光時間を動的に調整する。
【0013】
具体的に、当該光源装置は、空間コヒーレンスのよい光源である。
【0014】
具体的に、当該光源装置は、レーザー光装置である。
【0015】
具体的に、当該制御回路は、パルス幅変調制御信号の負荷サイクルを制御することで、当該光源装置の発光サイクルを制御する。
【0016】
さらに、当該制御回路は、当該複数の誘導ユニットが出力するエネルギー信号のゲインを動的に調整する。
【0017】
具体的に、当該制御回路は、当該複数の誘導ユニットからなる当該センサーアレーにフィードバックされるエネルギー信号により、各誘導ユニットの信号ゲインを制御する。
【0018】
具体的に、当該制御回路は、当該複数の誘導ユニットのエネルギー信号を受けた後、中の全て又は一部の非ダミー誘導ユニットのエネルギー信号のみをピックアップし、当該平均値を計算する。
【0019】
具体的に、当該制御回路は、当該光源装置が発生させる光強度を調整する。
【0020】
具体的に、当該制御回路は、当該複数のダミー誘導ユニットが取得する光強度信号により、当該光源装置の駆動電流を調整し、当該光源装置が発生させる光強度を調整する。
【0021】
具体的に、当該ダミー誘導ユニットは、当該センサーアレーの周りに設けられている。
【0022】
本発明は、反射干渉により光線追跡を行う方法及び光線追跡装置であり、追跡識別の根拠として、表面で反射される光と元の発射光との建設的に干渉と相殺的に干渉するパターンを使用し、あらゆる様態の平面上での追跡機能を備え、全ての高反射又は極めて低い反射率の平面に適応することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施例の図面を参照しながら、本発明の実施例の中の技術方案を明晰、且つ完全に述べる。
【0025】
本発明は光センサーアレー装置を述べ、つまりアレー状に配列された誘導チップを有してなるセンサーアレーである。実施例の一つは、表面に反射される光線を受光し、そして複数の誘導チップが受けた反射光のエネルギーにより、反射光中の建設的又は相殺的干渉パターンを判断し、前後の時間にエネルギー変化を判断することで、一つの移動ベクトルを判断する。光ポインティング装置に適用にされると、その表面に対する移動方向を判断することができる。
【0026】
例えば、光学式マウスを例として,もし光源としてコヒーレント光(coherent light)即ち空間コヒーレンス(spatial coherence)のよい光線を使用し、これにより移動方向を検出し、感度コンペンセーション(sensitivity compensation)の方式も組み合わせ、光線追跡アルゴリズム(movement recognition algorithm)を利用するとともに、ノイズ・リダクションもできる。従って、この技術を使用する装置はあらゆる様態の平面に適応する。
【0027】
ちなみに、本発明が提案した光センサーアレー装置は、コヒーレント光源統合型パッケージング技術(coherent light source package integration)が採用される。このような技術を採用する装置、例えば光学ポインティング装置は、余分の光学レンズ又は特定なイメージ・センサー、例えば相補型金属酸化膜半導体イメージ・センサー(CMOS image sensor,CIS)を、実装する必要がない。
【0028】
従来の技術では、一般的な光センサーを採用する装置(例えば光学式マウス)は、全ての高反射又は極めて低い反射率の平面に適応するわけでない。本発明は光センサーアレー装置を提案し、複数のアレー状に配列された誘導チップ及びその対応する追跡アルゴリズムを含むことで、有效な追跡の効果を奏する。中の実施例はレーザー光等の空間コヒーレンス(spatial coherence)のよい光源も備え、これにより、光学式マウス等のような装置に良好な追跡能力を提供する。追跡識別の根拠として、本発明は表面に反射される光を利用して建設的と相殺的干渉パターンを発生させる。
【0029】
先ず、
図2に示す特定な光源装置(
図2に図示せず)が入射光201を発生させ、平面に入射してから反射され複数の反射光203を形成する模式図を参照する。光源は特に例えばレーザー光のコヒーレント光(coherent light)を採用する。ここで述べた「コヒーレント光」は、空間コヒーレンスの良好な光線であること。
【0030】
図2に示す複数の光経路は、入射光201が一つの表面構造205を持つ平面に入射してから反射され反射光203を形成するのを含んでいる。表面構造205がミクロに不規則な構造であるため、反射光203は
図2のように異なる方向を持つ光線になる。
【0031】
光源装置は入射光201を連続的に発生させ平面に入射し、反射され反射光203を形成する。その中、反射光203はセンサー(
図2に図示せず)により受けられ、それぞれの光経路に建設的干渉と相殺的干渉のパターン(pattern)を生じている。ここで、特にコヒーレント光源の入射光201の使用は、この干渉効果(interference effect)を強めることができる。
【0032】
この追跡方法を行う関連回路を載せた装置がセンシング平面(X−Y平面)に対して移動する時、光センサーは反射光203の情報を受け、時間間隔(time slot)に従いその中の情報をサンプリング(sampling)し、そして反射光203の平均エネルギー値を取得し、反射光203の異なる時間で、異なる位置でのエネルギー差を計算する。本発明が開示した光センサーアレー追跡装置は、センサーアレー(sensor array)を採用し、反射光203の異なる位置のエネルギー及び、平均エネルギー値との差を取得し、移動軌跡を判断することができる。反射光203の平均値の計算は、全ての誘導ユニット(sensor cell)が取得したエネルギー平均値を使用し、又は一部の誘導ユニットが取得したエネルギー平均値を(例えば行(
図5のX方向)平均値又は列(
図5のY方向)平均値を平均値とする計算参照)使用してもいい。周辺又は中央部分のエネルギー平均値を参照平均値にすることも可能である。
【0033】
上記のセンサーアレーを採用する実施例の一つにより、コヒーレント光を光源とすると、反射光線の干渉効果を強めることができる。コヒーレント光は、波の包絡線(wave envelope)の中に極めて小さい位相遅延(phase delay)を有する光源であり、その中レーザー光は一種のコヒーレント光であり、太陽光又はLED光等の非コヒーレント光と違っている。
【0034】
コヒーレント光を本発明が開示した光センサーアレー装置に適用し、コヒーレント光は反射光の干渉をセンシングする光学センサーの感度を改善できる。コヒーレント光は極めて小さい位相差(phase difference)を有する特性から、非コヒーレント光の反射光に生じる空間干渉(spatial interference)に対し、コヒーレント光では比較的に小さい位相遅延(phase delay)を持つ。そのため、コヒーレント光を採用することで、反射光の空間干渉の長所を強めることができ、前記のセンサーアレー(光線に対し)一つの平面に光が反射される空間干渉の差異を取得できる。
【0035】
センサーアレーは、
図3に示す本発明の光センサーアレー装置の集積回路(IC)に封入されたセンサーアレーの模式図を参照できる。
【0036】
図3には、光センサーアレー装置内に設けられた回路基板30上の一つのセンサーアレー32を示しており、光センサーアレー装置は光学式マウス又は特定のポインティング装置に適応できる。センサーアレー32はアレー状に配列された複数の誘導ユニット301を有する。この統合型パッケジング技術(integrated optical sensor array on IC)により、一実施例において、センサーアレー32と回路集積される制御回路36とを同時に作り、センサーアレー32上の複数の誘導ユニット301(特に非ダミー誘導ユニット、
図5に示すように)の間に固定のスペースと均一な相対的な位置を有し、特定な平面に反射された光線を均一に取得する。
図3に示すように、光源装置34が一つの平面に光線を発射し照射範囲303に当たって、光線が平面に反射されセンサーアレー32に入射する。中には、各誘導ユニット301はそれぞれ異なる方向の反射光を受光し、適当な光電信号変換により、装置内のコントローラ36と係わる回路が信号を取得した後、各誘導ユニット301が受けたエネルギーを足した平均値を計算できる。そして各誘導ユニット301と平均値との差を計算し、これにより関わる制御回路は平面に反射され形成した空間干渉のエネルギー差(spatial interference difference)を判断して得る。コントローラ36は時間間隔(time slot)毎の前後に累積して計算したエネルギー差により、移動方向を判断する。
【0037】
上記の実施例が開示した光線追跡装置では、空間干渉とは、光線(特にコヒーレント光であるが、本発明ではコヒーレント光に限定されない)が不規則な表面構造を有する表面に入射してから、反射され異なる方向の反射光を生じることで生じる光線の干渉(interference)である。このような光線は反射された後、建設的又は相殺的に干渉するパターンを形成し、その後、センサーアレーにより相対的運動(装置と平面との相対的運動)による平面反射の空間情報を取得し、X−Y平面上の移動資料を作り出す。
【0038】
図3に示すように、特に一実施例において、本発明が開示した光センサーアレー装置を適応した担体はレーザー光を光源とする光学ポインティング装置、例えば光学式マウスである。中には、主な回路部品として、表面に入射する光線を発生させるための回路基板30上に設けた光源装置34と、アレー状に配列された複数の誘導ユニット301を持つセンサーアレー32と、前記のコントローラ36とを有する。当該コントローラ36は光源装置34とセンサーアレー32とをカップリングし、複数の誘導ユニット301内の複数の誘導ピクセルが受けた光信号を取得し、エネルギー状態を計算し、そして時間間隔のエネルギー状態変化を計算する。
【0039】
図4は光センサーアレー装置が採用するセンサーアレーがエネルギー分布を計算する実施例を続いて示す模式図である。
【0040】
図4にセンサーアレーのレーアウトを示した。複数の誘導ユニットがX−Y平面に分布し、N×Mのセンサーアレーを形成する。センサーアレーの形は対称的な矩形、正方形、円形、楕円形等の幾何学形状に限定されなく、実際の応用によって決めればよい。アレー状に配列された複数の誘導ユニット401、402、403、404、405が、それぞれX、Y方向に設置されるが、実際の数はこの模式図に限定されない。これらの誘導ユニット401、402、403、404、405が敷設された回路基板上の主な部品は、複数のコンパレーター421、422、423、424、425もある。各コンパレーターそれぞれ対応する一つの誘導ユニットに接続し、その入力値は各誘導ユニットが生じたエネルギーの平均電圧信号Vavgであり、誘導ユニットが光線をセンシングして得た電圧信号を比較することに用いられ、比較して高い又は低い電圧の信号値が得られる。最後に、制御回路は隣接する2つのセンサー値を取得し結果を比べ、移動方向を判断する。
【0041】
例えば、
図4のコンパレーター421は誘導ユニット401とカップリングし、一つの入力信号即ち誘導ユニット401がセンシングして得たエネルギー信号は、電圧信号で表すことができる。もう一つの入力端は、平均電圧信号Vavgであり、従ってコンパレーター521がこの2つの入力信号を比較し、一つの比較結果出力する。本発明は、好ましくバイナリ特徴値(binary characteristic value)、例えば
図7に示すH又はLでその比較結果を表す。
【0042】
本発明に記載された光線追跡方法によると、センサーアレーを利用する追跡の方式は、光線(好ましくコヒーレント光)が平面に反射されて形成した建設的と相殺的に干渉するパターンに表示されるエネルギー分布(energy pattern)を利用し、異なる時間のエネルギー分布の変化により、移動ベクトルを判断することを特徴とする。実施方式では、例えば非相関視点を用い移動判断(non−relative view points to do movement judgment)を行う方式では、つまり周りの誘導ユニットのエネルギー情報を引き入れ、平均誘導エネルギーと比較し、移動方向を判断する。ちなみに、一般的に映像像素(pixel)情報を利用し移動ベクトルを判断する方式と違い、本発明は時間の採用とエネルギー変化の計算とにより移動軌跡を判断する。
【0043】
光センサーアレー装置自身に対して、実施例の一つによると、本発明の光センサーアレー装置の誘導チップレイアウトには、誘導チップがアレー状に配列された誘導ユニットを有し、これらの誘導ユニットが周りに設ける機能しない誘導ユニット(ダミー誘導ユニットという)、及び中央部分に設ける光線を受光して動作する誘導ユニットを有する。従って、光センサーアレー装置内の制御回路又は係わる計算回路は全部の誘導ユニットのエネルギー信号を取得した後、中の非ダミー誘導ユニットのエネルギー信号のみをピックアップして後に使う。
図5に示す誘導ユニットレイアウトの模式図を参照する。
【0044】
図5は一つの誘導チップにアレー状に配列された複数の誘導ユニットが設けられていることを示している。中央部分の誘導ユニットの外周りにダミーセンサー(dummy sensor)が設けられている。その目的は、誘導チップの工程を全体的に均一することであり、これにより更に均一にエネルギーをセンシングする。
図5は周りに設けられているダミー誘導ユニット511、512、513、514、515、516は動作しない誘導ユニットに設定されており、中央部分に近い誘導ユニット521、522、523、524は主な誘導光線エネルギーの誘導コンポーネントであることを示している。
【0045】
アレー状に配列された一つの誘導ユニットは同時に一つの反射光に露光されると、光線を均一に誘導できる誘導ユニットが中央部分に偏りの誘導コンポーネントであり、周りの誘導ユニットが不均一なエネルギーを受ける可能性がある。このため、全体の誘導チップが受けた総エネルギーを加算する時、ダミー誘導ユニット(511、512、513、514、515、516)を設定することで、これらの信号の不安定が生じえるエネルギー値を排除し、比較的に参照する価値のある参照エネルギー値を取得することができる。
【0046】
図5に示すように、回路に一つの加算器501が設けられ、電気的に誘導チップの各誘導ユニットに接続され、各誘導ユニットの光電流信号を取得でき、AD転換により電圧値にもなれる。しかし、誘導チップ中の各誘導ユニットが光信号を受けてなる光電流が極めて小さいので、ゲイン増幅のステージを経由し有效名参照数値を取得でき、続いて時間間隔の前後に取得したエネルギーの変化を計算する。当該実施例によると、これらの光電流信号がゲイン増幅器502に処理された後、一つの出力信号を形成して出力し、例えば、電圧Voutで表す信号を出力する。また、計算器503が有效に取得したエネルギー信号により平均値を計算して出力し、例えば平均電圧信号Vavgを出力する。
【0047】
その後、前記の出力信号(例えば出力電圧Vout)と平均値(例えば平均電圧信号Vavg)は
図4に示すコンパレーターに出力し、コンパレーターに誘導ユニットのエネルギー信号と参照値(例えば全部の又は一部の誘導ユニットのエネルギー平均値)とを比較させることで、当該誘導ユニットのエネルギー状態を取得する。実際には、各誘導ユニットはデジタル方式の高(H)と低(L)でエネルギー状態を表すことができる。
【0048】
光センサーアレー装置の主な部品として、前述のアレー状に配列された誘導ユニットと、光源と制御回路以外、一実施例において、信号を増幅するゲイン増幅回路(例えばゲイン増幅器502)と、必要とする可能性があるノイズ・リダクション回路等も備える。実施例は
図6に示す本発明の光センサーアレー装置内の光源のゲイン制御とノイズ・リダクション回路のモジュール図を参照してよい。
【0049】
図6に示す回路は、本発明の光センシングアレー装置内の制御回路(例えば
図3の制御回路36)を実現する実施例である。制御回路に電圧源Vsupplyが設けられており、光センサーアレー装置の光源装置601が動作するための電力を提供し、光源装置601に給電駆動して発光させる。レーザー又は発光ダイオード(LED)には限定されないが、好ましくはレーザーがよい光源である。これは良好な空間コヒーレンスをもち、干渉効果を強めることができるからである。
【0050】
回路には電流制限器602が設置されてもいい。関わる電気信号は一定の処理制御により光源装置601の電力に提供でき、又は関わる電気信号(例えば特定な電圧又は電流信号をフィルタリングする)を電流コントローラ603にフィードバックしてもいい。これにより、電流コントローラ603は光源装置601の電圧と電流をコントロールし、光源装置601の駆動電流を制限することも含む。
【0051】
光線が光源装置601から一つの表面に入射すると、表面に反射される光は本発明が開示したセンサーアレーに受光され、
図4又は
図5に開示した光センサーアレー装置の誘導ユニットに受光された後、エネルギー信号に転換される。
【0052】
再び前述の
図5に示すセンサーアレーを参照する。中に幾つかのダミー誘導ユニットが設置され、これらのダミー誘導ユニットは移動ベクトル判断とする、エネルギー状態と変化の信号を含むエネルギー信号を提供しないが、単に光信号を判断する。
図6に示す実施例において、ダミー誘導ユニットが反射光を受光してなる光強度信号60は、回路中の第一のゲインコントローラ604により信号強度を調整され、内部マイクロプロセッサー607の参考に提供される。ダミー誘導ユニットが生じる光強度信号60を取得し電圧Voutを出力する以外、信号は適当なアナログ・ディジタル・コンバータ605に処理される。電気信号をデジタル信号に転換し、マイクロプロセッサー607にフィードバックする。その目的は、光源装置601の露光時間(exposure time)と、複数の誘導ユニットが出力するエネルギー信号の信号ゲインの調整(signal gain adjustment)とノイズ排除等である。
【0053】
前記の信号強度をマイクロプロセッサー607にフィードバックすることで、その目的の一つは、光センサーアレー装置の光源装置601の露光時間(exposure time adjustment)を自動的に調整することである。例えばマイクロプロセッサー607がパルス幅変調(PWM)制御信号を前述の電流コントローラ603に送信し、例えば信号ライン611に介して制御信号を輸送し、このパルス幅変調制御信号の負荷サイクル(duty cycle)を制御することで光源装置601の発光サイクルを制御し、露光時間の調整により装置を制御して適当な時間の光信号を発生させる。
【0054】
他の一実施例において、制御回路中のマイクロプロセッサー604は、装置が取得した光強度信号により光源装置601の最適化する措施をとる。例えば、信号ライン612に介して電流制御信号を電流コントローラ603に輸送することで、駆動電流を調整し、光源装置601は発生させる光強度を調整することができる。これにより、光源の強度/輝度及び前述の露光時間の調整により作り出されるコンペンセーション・メカニズムを調整し、センサーアレー装置は多くの情况、例えば異なる表面構造、当該表面との距離等の状況の表面に適応できる。
【0055】
また、制御回路中のマイクロプロセッサー607は、センサーアレーにフィードバックされるエネルギー信号により、各誘導ユニットが出力する信号ゲインを制御する。例えば、信号ライン613に介して制御信号を輸送することと、ゲインコントローラ608により各誘導ユニットの信号ゲインを制御することと、そして各誘導ユニットの比較ユニット609を電気的に接続することより各誘導ユニットが受けるエネルギー信号と参照平均値とを比較することができる。
【0056】
マイクロプロセッサー607がダミー誘導ユニットに取得される光強度信号を取得した後、(制御信号が信号ライン614に介して)比較ユニット609に設定されるノイズ排除の閾値を調整することで、動的に誘導ユニットの固有ノイズを低減する(noise reduction)ことができる。
【0057】
光センサーアレー装置は異なる時間のエネルギー変化により、装置と表面との移動方向を判断する。装置は先ず各誘導ユニットが前後時刻(t0, t1)に受けたエネルギーを取得する。次に、前後時刻のエネルギーの全て又は一部の誘導ユニットが受けたエネルギーの平均値を計算する。各誘導ユニットは、異なる時間に取得したエネルギーの数値(電圧信号で表示できる)を平均数値と比較した後、前後時刻のエネルギー変化を計算することができる。そして異なる時刻(t0, t1)の隣接する誘導ユニットのエネルギー変化を参照することで、前後時刻のエネルギー変化の方向を判断することができる。最後に、複数の誘導ユニットのエネルギー変化方向により、全体的な移動ベクトルを判断する。
【0058】
移動ベクトルの判断は、
図7に示す本発明が開示した装置中の複数の誘導ユニットが行う光線追跡の模式図の一つをすればいい。
【0059】
図7は、複数のアレー状に配列された誘導ユニットの組み合わせ701、702、703、704、705、706を示したが、本例は隣接する誘導ユニットが異なる時刻(例えば第1の時刻t0、第2の時刻t1)にセンシングしたエネルギー変化により移動ベクトルを識別する例を挙げるのみである。
【0060】
中には、t0とt1は前後の二つのサンプリング時刻であり、HとLはそれぞれ前記のコンパレーターが出力する高い又は低い電圧信号を意味し、すなわちエネルギー状態(平均エネルギーに対し、一つのエネルギー状態であり)に視される。主に前後時刻の電圧信号転換により一つの全体的な移動ベクトルを判断する。
図7は、個別の誘導ユニットの前後二つの異なる時刻のエネルギー変化を示している。
【0061】
例えば、誘導ユニットの組み合わせ601の中に幾つか(少なくとも二つ)の誘導ユニットを模式的に示している。中には、左側が第1の時刻t0の時、二つの誘導ユニットが別々にLとHの二つのエネルギー状態を誘導したことを示している。第2の時刻t1になると、二つの誘導ユニットのエネルギー変化はHとHに変換される。L、H(t0)がH、H(t1)に変わる時、中の一つの誘導ユニットのエネルギー状態はLからHに変わり、右側のHが左側の位置にシフトを示している。従って、この時間間隔では、有效誘導の移動方向は左であることを初歩的に判断できる。
【0062】
この誘導ユニット組み合わせ701のもう一組の誘導ユニットは、第1の時刻のt0において、エネルギー状態がHとLである。第2の時刻のt1になると、エネルギー状態はLとLになる。中の一つの誘導ユニットのエネルギー状態はHからLに変わり、つまり右側のLが左側の位置にシフトを示している。従って、左への移動方向があると判断できる。
【0063】
また、例えば誘導ユニットの組み合わせ702中の左側の二つの誘導ユニットは、第1の時刻のt0におけるエネルギー状態がLとHであり、第2の時刻のt1になると、LとLに変わり、中のHが左側のLを介して右へLにシフトしたことがわかる。従って、右への移動ベクトルがあると判断できる。
【0064】
同じように、誘導ユニット組み合わせ702の中、右側の二つの誘導ユニットは、第1の時刻t0におけるエネルギー状態がHとLであり、その後、第2の時刻t1に、HとHに変わり、中の右側のLが左側のHを介して、Hにシフトした。従って、右への移動ベクトルがあると判断できる。
【0065】
図には、誘導ユニット組み合わせ705と706は、矢印で方向を示していない。判断した結果、この例では、複数の誘導ユニットは、第1の時刻t0と第2の時刻t1の時間間隔に、エネルギー変化はない、またはエネルギー変化より移動方向を判断することができない。例えば、誘導ユニット組み合わせ706は、第1の時刻t0にエネルギー状態はLとHであり、第2の時刻t1になると、エネルギー状態はHとLに変わった。これはエネルギー状態変化により移動方向を判断することができない。従って、この二つの様態は、有效出力信号がない。
【0066】
前後2つの時刻の全ての誘導ユニットが各々のエネルギー変化の方向を判断した時、一つの総移動ベクトルを全体的に判断できる。
【0067】
他の一つの移動方向の判断方式は、
図8に示すように、本発明が開示した装置の中誘導・チップが行う光線追跡方法の模式図も一つである。この例は、異なる時刻の誘導ユニットのエネルギー状態の転換方向により、移動ベクトルの方法を識別する模式図であり、中には、Xは気にしない値,@はt0とt1センシングした信号の比、これにより移動ベクトルを判断する。
【0068】
誘導チップが反射光を受光した時、誘導チップ内の複数の誘導ユニットが異なる時刻に受けた信号エネルギーと平均エネルギーとを比較する時、高い又は低い異なる電圧信号を生じ、
図8に示すように、誘導信号"@"を生じている;ある場合、一部の誘導ユニットにエネルギー変化がなく、又は電圧信号のレベルと関係ない。この時、
図8のように、気にしない値"X"を示す。
【0069】
図8に示す実施例によると、誘導ユニットの組み合わせ801の中、前記のコンパレーターが第1の時刻t0に隣接する誘導ユニットのエネルギー変化を取得し、状態"X@@"で示す。中の"X"は気にしない値であり、"@"は電圧変化があることを示す。第2の時刻t1に複数の隣接する誘導ユニットのエネルギー変化を取得し、状態"@@X"で示す。第1の時刻t0と第2の時刻t1の各誘導ユニットのエネルギー状態変化により、本例は状態"X@@"から"@@X"に変わることを示している。"@@"が左へシフト(shift)することが判断できるので、
図8の中の矢印で示すように、この誘導ユニットの組み合わせ801には左への移動の変化があると判断できる。
【0070】
誘導ユニットの組み合わせ802では、その隣接する誘導ユニットの第1の時刻t0のエネルギー変化を状態"@@X"に示し、第2の時刻t1の時、エネルギー状態を"X@@"に示している。この時、時間転換(t0からt1へ)の後、状態"@@"は右へのシフトトレンドがあると示す。したがって、本発明が開示した発明はこの前後時刻のエネルギー変化により、全体の装置の移動方向を判断する。
【0071】
ちなみに、移動方向を判断する時、本発明はセンサーアレーを採用するため、微小な誤差が全体の判断の結果に影響を及ぼさない。追跡方法はコンピュータの光学式マウスに適用されると、一般の使用者がマウスを操作し移動する頻度は、例えば中の制御回路の処理速度により遥かに低いので、スローに変わる参照数値は全体の判断に影響を及ぼさない。
【0072】
以上をまとめ、本発明が提供する光センサーアレー装置は、半導体パッケージ内に統合し、これにより、内部に固有する雑音(intrinsic noise)を効率的に抑制することができる。そして、光源の強度又は輝度、そして露光時間の調整により作り出されるコンペンセーション・メカニズムを動的に調整し、センサーアレー装置は多くの誘導表面に適応できる。
【0073】
以上のように述べられたのは、本発明の好ましい実施方式であるが、説明すべくことは、本技術分野の普通の従業者にとって、本発明の原理を背離しない限り、若干の改善と修正もできる。これらの改善と修正は、本発明の保護範囲に入ることと視される。