(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記カートリッジは実質的に円筒形であり、かつ前記カートリッジの向かい合った実質的に平面の端面の一方または両方が1つ以上の壊れやすいまたは取り外し可能なバリアによってシールされる、請求項1又は2に記載のエアロゾル発生物品。
ニコチン蒸気と乳酸蒸気との間の反応化学量論については、前記第一の区画および前記第二の区画を通した空気流量の比によってバランスがとられ制御されるように、前記第一の区画および前記第二の区画が構成されている、請求項1から3のいずれか1つに記載のエアロゾル発生物品。
前記カートリッジは実質的に円筒形であり、かつ前記カートリッジの向かい合った実質的に平面の端面の一方または両方が1つ以上の壊れやすいまたは取り外し可能なバリアによってシールされる、請求項5から8のいずれか1つに記載のエアロゾル発生システム。
ニコチン蒸気と乳酸蒸気との間の反応化学量論については、前記第一の区画および前記第二の区画を通した空気流量の比によってバランスがとられ制御されるように、前記第一の区画および前記第二の区画が構成されている、請求項5から10のいずれか1つに記載のエアロゾル発生システム。
乳酸ニコチン塩粒子を含むエアロゾルの原位置(in situ)での発生のために、エアロゾル発生システム内のニコチン蒸気と乳酸蒸気との間の反応化学量論を制御する方法であって、前記方法がニコチン供与源を含む第一の区画および乳酸供与源を含む第二の区画を通した空気流量の比を制御する工程を含む、方法。
【発明の概要】
【0005】
本発明によれば、ニコチン供与源と、乳酸供与源と、およびニコチン供与源および乳酸供与源の両方を加熱するように構成された単一のヒーターとを備える、エアロゾル発生システムが提供されている。有利なことに、単一のヒーターは、ニコチン供与源および乳酸供与源を実質的に同一の温度に加熱するように構成される。
【0006】
本発明によれば、乳酸ニコチン塩粒子を含むエアロゾルの原位置(in situ)での発生のためにエアロゾル発生システム内のニコチン蒸気と乳酸蒸気の間の反応化学量論を制御する方法がさらに提供されており、その方法は、ニコチン供与源を含む第一の区画および乳酸供与源を含む第二の区画を通過する空気流量の比を制御する工程を含む。
【0007】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「実質的に同一の温度」とは、単一のヒーターに関してそれぞれの位置で測定されるニコチン供与源と乳酸供与源の温度の違いが約3℃以下であることを意味する。単一のヒーターは、ニコチン供与源および乳酸供与源を同一の温度に加熱するように構成されることが好ましい。
【0008】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「原位置(in situ)」とは、使用時に、ニコチン供与源から放出されるニコチン蒸気および乳酸供与源から放出される乳酸蒸気が、本発明によるエアロゾル発生システム内の気相内で互いに反応して、乳酸ニコチン塩粒子を含むエアロゾルを形成することを意味する。
【0009】
本発明によるエアロゾル発生システムは、ユーザーの肺に吸入可能な乳酸ニコチン塩粒子を含むエアロゾルを発生させるための肺送達システムであることが好ましい。
【0010】
本発明によるエアロゾル発生システムは、一体成形のシステムとしうる。こうした実施形態では、ニコチン供与源、乳酸供与源および単一のヒーターを含む一体成形のシステムは、使用後に廃棄される。
【0011】
有利なことに、本発明によるエアロゾル発生システムは、乳酸ニコチン塩粒子を含むエアロゾルの原位置(in situ)での発生のため、エアロゾル発生システムを形成するために互いに係合し協働するよう構成された2個以上の構成部品を含む、複数構成部品のシステムとしうる。複数構成部品のシステムは、2つ、3つまたは4つの構成部品を含むことが好ましい。こうした実施形態では、複数構成部品のシステムは、使用後に廃棄される1つ以上の消費可能な構成部品および1つ以上の再使用可能な構成部品を備えうる。例えば、複数構成部品のシステムは、ニコチン供与源および乳酸供与源を含む消費可能な構成部品および単一のヒーターを含む再使用可能な構成部品を備えうる。
【0012】
こうした実施形態では、複数構成部品のシステムは、一体成形のシステムと比較して、システムの機能性に有害な影響を及ぼすことなく、2個以上のその構成部品が互いに取り外し可能な形で接続されるようにする適切な接続手段(例えば、機械的な接続手段など)を備えうる。
【0013】
好ましい実施形態で、本発明によるエアロゾル発生システムは、ニコチン供与源および乳酸供与源を含むエアロゾル発生物品と、単一のヒーターを含むエアロゾル発生装置とを含む。こうした実施形態では、エアロゾル発生物品およびエアロゾル発生装置は、乳酸ニコチン塩粒子を含むエアロゾルの原位置(in situ)での発生のため、エアロゾル発生システムを形成するために互いに係合し協働するよう構成されている。
【0014】
好ましい実施形態で、本発明によるエアロゾル発生システムは、ニコチン供与源および乳酸供与源を含むエアロゾル発生物品と、単一のヒーターを含むエアロゾル発生装置とを含む。
【0015】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生装置」という用語は、ニコチン供与源および乳酸供与源を含むエアロゾル発生物品と相互作用して、乳酸ニコチン塩粒子を含むエアロゾルを発生するように構成されている単一のヒーターを備えた装置を意味する。
【0016】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生物品」という用語は、ニコチンを放出する能力があるニコチン供与源および乳酸を放出する能力がある乳酸供与源を含む物品を意味するが、ここでニコチンおよび乳酸は気相内で互いに反応して乳酸ニコチン塩粒子を含むエアロゾルを形成する。
【0017】
一般的に、本発明によるエアロゾル発生システムは、ニコチン供与源および乳酸供与源を含む任意のエアロゾル発生物品と、ニコチン供与源および乳酸供与源の両方を加熱するように構成された単一のヒーターを含む任意のエアロゾル発生装置との組み合わせを備えうる。
【0018】
下記にさらに説明・図示する通り、カートリッジを含むエアロゾル発生物品は、ニコチン供与源を含む第一の区画および乳酸供与源を含む第二の区画を含むことが好ましい。
【0019】
カートリッジを含むエアロゾル発生物品は、ニコチン供与源を含む第一の区画、乳酸供与源を含む第二の区画およびエアロゾル発生装置の単一のヒーターを受けるためのくぼみを含むことが特に好ましい。こうしたエアロゾル発生物品との併用には、エアロゾル発生装置は、単一のヒーターを含む本体部分と、本体部分と係合させるように構成されたマウスピース部分とを備えることが好ましく、ここでエアロゾル発生装置は、本体部分の単一のヒーターがカートリッジにあるくぼみ内に受けられるように、エアロゾル発生物品を受けるように構成される。こうした実施形態では、エアロゾル発生装置は、さらに本体部分と係合して単一のヒーターとカートリッジ内にあるくぼみとの適切な整列を促進するように構成された案内部分を備えうる。
【0020】
本発明によれば、カートリッジを含む本発明によるエアロゾル発生システムで使用するためのエアロゾル発生物品がさらに提供されており、カートリッジは、ニコチン供与源を含む第一の区画と、乳酸供与源を含む第二の区画と、ニコチン供与源および乳酸供与源を加熱するよう構成された単一のヒーターを受けるためのくぼみとを備える。
【0021】
本発明によれば、単一のヒーターを含む本体部分と、本体部分と係合させるように構成されたマウスピース部分とを含む、本発明によるエアロゾル発生システムで使用するためのエアロゾル発生装置がさらに提供されており、ここでエアロゾル発生装置は、本体部分の単一のヒーターがくぼみ内に受けられるように、ニコチン供与源を含む第一の区画と、乳酸供与源を含む第二の区画とくぼみとを含む、カートリッジを含むエアロゾル発生物品を受けるように構成されている。
【0022】
本発明の実施形態に関連して本明細書で使用されるとき、「上流」「下流」「近位」および「遠位」という用語は、本発明によるエアロゾル発生システム、エアロゾル発生物品およびエアロゾル発生装置の構成要素または構成要素の部分の相対的位置を描写するために使用される。
【0023】
本発明によるエアロゾル発生システムは、使用時にユーザーに送達するために、エアロゾルがエアロゾル発生システムを抜け出る近位端を備える。近位端は口側の端と呼ばれることもある。使用時に、エアロゾル発生システムによって発生したエアロゾルを吸い込むために、ユーザーはエアロゾル発生システムの近位端を吸い込む。エアロゾル発生システムは近位端と向かい合った遠位端を備える。
【0024】
ユーザーがエアロゾル発生システムの近位端を吸い込む時、空気はエアロゾル発生システムに引き出され、エアロゾル発生システム内を通過し、近位端でエアロゾル発生システムから出る。エアロゾル発生システムの構成要素、または構成要素の部分は、エアロゾル発生システムの近位端と遠位端との間の相対的な位置に基づき、互いに上流または下流にあるものとして描写されうる。
【0025】
本発明に関連して本明細書で使用される時、「長軸方向」という用語は、エアロゾル発生システムの近位端とそれに向かい合った遠位端との間の方向を描写するために使用され、また「横断」という用語は、長軸方向と直角をなす方向を描写するために使用される。
【0026】
本発明に関連して本明細書で使用される時、「長さ」という用語は、本発明によるエアロゾル発生システムの構成要素または構成要素の部分の遠位端と近位端との間の最大長軸方向寸法を意味する。
【0027】
温度の関数としての乳酸およびニコチンの蒸気圧力は類似している。類似した揮発性を有するこれらの2つの反応物を本発明によるエアロゾル発生システムおよびエアロゾル発生物品に含めることは、有利なことに、単一のヒーターを使用してニコチン供与源および乳酸供与源を実質的に同一の温度に加熱することにより、効率的な反応化学量論を達成する。下記にさらに説明・図示する通り、これにより、ニコチン供与源および乳酸供与源が、本発明によるエアロゾル発生システムおよびエアロゾル発生物品内の単一の構成要素内にある2つの区画内で貯蔵され加熱されることができるようになる。これは、有利なことに、ニコチン供与源および揮発性送達促進化合物供与源が、装置内の物理的に分離された構成要素内に貯蔵・加熱される従来技術の装置と比較して、エアロゾル発生システムおよび本発明によるエアロゾル発生物品を製造する複雑さおよびコストを低減する。
【0028】
単一のヒーターを使用してニコチン供与源および乳酸供与源を周囲温度よりも高い温度に加熱することで、ニコチン供与源および乳酸供与源からそれぞれ放出されるニコチン蒸気および乳酸蒸気の量の制御が許容される。これにより、有利なことに、ニコチンおよび乳酸の蒸気濃度を制御し、かつ比例的に均衡を取って効率的な反応化学量論を得ることができる。有利にも、これはエアロゾルの形成の効率、およびユーザーへのニコチン送達の一貫性を改善する。また、有利なことに、望ましくない過剰な反応物、すなわち、未反応のニコチン蒸気または未反応の乳酸蒸気がユーザーに送達されるリスクが低減される。
【0029】
本発明によるエアロゾル発生システムおよびエアロゾル発生装置は、単一のヒーターを備える。これは、有利なことに単純な装置の構造を提供する。
【0030】
単一のヒーターは、ニコチン供与源および乳酸供与源の両方を加熱するように構成されている。好ましい実施形態で、単一のヒーターは、ニコチン供与源および乳酸供与源の両方を摂氏約250度(℃)より低い温度に加熱するように構成されている。特に好ましい実施形態において、単一のヒーターは、ニコチン供与源および乳酸供与源を約80℃〜約150℃の間の実質的に同一の温度に加熱するように構成されている。
【0031】
本発明によるエアロゾル発生システムがニコチン供与源および乳酸供与源を含むエアロゾル発生物品および単一のヒーターを含むエアロゾル発生装置を備える場合、単一のヒーターは、使用時に、エアロゾル発生物品の外側に位置する外部ヒーターとして構成されうる。別の方法として、単一のヒーターは、使用時に、エアロゾル発生物品の内部に位置する内部ヒーターとして構成されうる。
【0032】
単一のヒーターは、内部ヒーターとして構成されることが好ましい。
【0033】
単一のヒーターが内部ヒーターとして構成される場合、エアロゾル発生装置は、有利なことに、内部ヒーターとエアロゾル発生物品との適切な整列を促進する案内手段を備えうる。
【0034】
本発明によるエアロゾル発生システムおよびエアロゾル発生装置は、さらに電力を単一のヒーターに供給する電源と、電源から単一のヒーターへの動力供給源電力を制御するよう構成されたコントローラとを備えうる。別の方法として、本発明によるエアロゾル発生システムおよびエアロゾル発生装置は、外部電源から単一のヒーターへの動力供給源電力を制御するよう構成されたコントローラを備えうる。
【0035】
本発明によるエアロゾル発生システムおよびエアロゾル発生装置は、単一のヒーター、ニコチン供与源および乳酸供与源のうち少なくとも一つの温度を感知するように構成された1つ以上の温度センサーをさらに備えうる。こうした実施形態では、コントローラは、感知された温度に基づき単一のヒーターへの電力供給を制御するよう構成されうる。
【0036】
単一のヒーターは、電源によって電力供給される電気発熱体を含むことが好ましい。単一のヒーターが電気発熱体を含む場合、エアロゾル発生システムおよび本発明によるエアロゾル発生装置はさらに、電源および電源から電気発熱体への電力供給を制御するよう構成された電子回路を含むコントローラを備えうる。電気発熱体への電力供給を制御するために、適切な任意の電子回路を使用してもよい。電子回路はプログラム可能なものであってもよい。
【0037】
電源はDC電圧供給源としうる。好ましい実施形態で、電源は電池である。例えば、電源はニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、またはリチウムベースの電池、例えばリチウムコバルト、リチウム鉄リン酸塩またはリチウムポリマー電池としうる。別の方法として、電源はコンデンサーなど別の形態の電荷蓄積装置としうる。電源は再充電を必要とすることがあり、またエアロゾル発生装置を1つ以上のエアロゾル発生物品とともに使用するのに十分なエネルギーの蓄積を可能にする容量を持つものとしうる。
【0038】
単一のヒーターは、電気抵抗性材料を含む電気発熱体であることが好ましい。電気発熱体は、例えば、アルミナ(Al
2O
3)および窒化珪素(Si
3N
4)、またはプリント基板またはシリコンゴムなど、セラミック焼結材料といった非弾性材料を備えうる。別の方法として、電気発熱体は、例えば鉄合金またはニッケルクロム合金などの弾性金属材料を備えうる。
【0039】
その他の適切な電気抵抗性の材料には、添加セラミックなどの半導体、電気的に「伝導性」のセラミック(例えば、ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、合金およびセラミック材料および金属材料でできた複合材料が含まれるが、これに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含む場合がある。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープシリコン炭化物が挙げられる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族の金属が挙げられる。適切な合金の例は、ステンレス鋼、ニッケル−、コバルト−、クロミウム−、アルミニウム−チタン−ジルコニウム−、ハフニウム−、ニオビウム−、モリブデン−、タンタル−、タングステン−、スズ−、ガリウム−、マンガン−合金、およびニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)および鉄−マンガン−アルミニウム系の合金を含む。Timetal(登録商標)は、Titanium Metals Corporation(1999 Broadway Suite 4300, Denver, Colorado)の登録商標である。複合材料では、電気抵抗性の材料は、必要なエネルギー移動の動態学および外部の物理化学的性質に応じて、随意に断熱材料へ埋込、封入、または塗布されてもよく、あるいはその逆であってもよい。
【0040】
電気発熱体は、温度と比抵抗の間で明確な関係を持つ金属を使用して形成しうる。こうした実施形態で、金属は2層の適切な絶縁材の間のトラックとして形成しうる。このように形成された電気発熱体は、ヒーターおよび温度センサーのどちらとしても使用されうる。
【0041】
単一のヒーターは、ニコチン供与源および乳酸供与源の両方を加熱するのに適した任意の形状を持ちうる。好ましい実施形態で、単一のヒーターは細長い内部電気発熱体である。特に好ましい実施形態において、単一のヒーターは、細長い内部電気発熱体がヒーターブレードの形態内にあるように、その厚さよりも大きな幅を持つ細長い内部電気発熱体である。
【0042】
単一のヒーターは、エアロゾル発生装置から突き出ないことが好ましい。
【0043】
こうしたエアロゾル発生物品との併用には、エアロゾル発生装置は、単一のヒーターを含む本体部分と、本体部分と係合させるように構成されたマウスピース部分とを備えることが好ましく、ここで本体部分は、単一のヒーターがカートリッジにあるくぼみ内に受けられるように、エアロゾル発生物品を受けるように構成される。
【0044】
本発明によるエアロゾル発生システムがニコチン供与源および乳酸供与源を含むエアロゾル発生物品および単一のヒーターを含むエアロゾル発生装置を備える場合、エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品を受けるように構成されているくぼみを含むことが好ましい。
【0045】
エアロゾル発生装置のくぼみは実質的に円柱状であるのが好ましい。
【0046】
本明細書で本発明に関連して使用される時、「円柱」および「円柱状の」という用語は、実質的に一対の向かい合った実質的に平面状の端面を有する正円柱を指す。
【0047】
エアロゾル発生装置のくぼみの直径は、エアロゾル発生物品の直径と実質的に等しいかまたはわずかに大きいのが好ましい。
【0048】
エアロゾル発生装置のくぼみの長さは、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置のくぼみの中に受容される時に、エアロゾル発生物品の近位端または下流端がエアロゾル発生装置のくぼみから突出するように、エアロゾル発生物品の長さよりも短いことが好ましい。
【0049】
ニコチン供与源はニコチン、ニコチン塩基、ニコチン塩(ニコチン−HCl、ニコチン酒石酸塩、またはニコチン二酒石酸塩など)、またはニコチン誘導体のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0050】
ニコチン供与源は天然ニコチンまたは合成ニコチンを含んでもよい。
【0051】
ニコチン供与源は純粋なニコチン、水性溶剤または非水性溶剤中のニコチン溶液、あるいは液体たばこ抽出物を含んでもよい。
【0052】
ニコチン供与源は電解質形成化合物をさらに含んでもよい。電解質形成化合物はアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、およびこれらの組み合わせから成る群より選択されてもよい。
【0053】
例えば、ニコチン供与源は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、酸化リチウム、酸化バリウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、およびこれらの組み合わせから成る群より選択される電解質形成化合物を含んでもよい。
【0054】
ある特定の実施形態では、ニコチン供与源はニコチン、ニコチン塩基、ニコチン塩、またはニコチン誘導体および電解質形成化合物の水溶液を含んでもよい。
【0055】
別の方法としてまたは追加的に、ニコチン供与源は、天然風味、人工風味、および酸化防止剤が挙げられるがこれに限定されない他の構成成分をさらに含んでもよい。
【0056】
ニコチン供与源は収着要素および収着要素上に収着されたニコチンを含んでもよい。
【0057】
収着要素は任意の好適な材料または材料の組み合わせから形成されてもよい。例えば、収着要素は、ガラス、セルロース、セラミック、ステンレス鋼、アルミニウム、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリ(シクロヘキサンジメチレンテレフタラート)(PCT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)およびBAREX(登録商標)のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0058】
収着要素は、多孔性の収着要素としうる。例えば、収着要素は、多孔性プラスチック材料、多孔性高分子繊維、および多孔性ガラス繊維から成る群より選択される1つ以上の材料を含む多孔性収着要素であってもよい。
【0059】
収着要素はニコチンに関して化学的に不活性であることが好ましい。
【0060】
収着要素は任意の好適なサイズおよび形状を有していてもよい。
【0061】
ある特定の実施形態では、収着要素は実質的に円柱状のプラグとしうる。例えば、収着要素は多孔性の実質的に円筒形のプラグとしうる。
【0062】
他の実施形態では、収着要素は実質的に円柱状の中空管である。例えば、収着要素は多孔性の実質的に円筒形の中空管としうる。
【0063】
収着要素のサイズ、形状、および組成物は、所望の量のニコチンを収着要素上に収着できるように選んでもよい。
【0064】
収着要素は、有利にもニコチンのための貯蔵部として作用する。
【0065】
乳酸供与源は収着要素および収着要素上に収着された乳酸を含んでもよい。
【0066】
収着要素は任意の好適な材料または材料の組み合わせ、例えば上記に列挙した材料から形成されうる。
【0067】
収着要素は乳酸に関して化学的に不活性であることが好ましい。
【0068】
収着要素は任意の好適なサイズおよび形状を有していてもよい。
【0069】
ある特定の実施形態では、収着要素は実質的に円柱状のプラグとしうる。例えば、収着要素は多孔性の実質的に円筒形のプラグとしうる。
【0070】
他の実施形態では、収着要素は実質的に円柱状の中空管である。例えば、収着要素は多孔性の実質的に円筒形の中空管としうる。
【0071】
収着要素のサイズ、形状、および組成物は、所望の量の乳酸を収着要素上に収着できるように選んでもよい。
【0072】
収着要素は、有利にも乳酸のための貯蔵部として作用する。
【0073】
本発明によるエアロゾル発生システムがニコチン供与源および乳酸供与源を含むエアロゾル発生物品および単一のヒーターを含むエアロゾル発生装置を含む場合、エアロゾル発生物品は、ニコチン供与源を含む第一の区画および乳酸供与源を含む第二の区画を備えうる。
【0074】
本明細書で本発明に関連して使用される場合、「第一の区画」という用語は、ニコチン供与源を含むエアロゾル発生物品内の1つ以上のチャンバーまたは容器を描写するために使用される。
【0075】
本明細書で本発明に関連して使用される場合、「第二の区画」という用語は、乳酸供与源を含むエアロゾル発生物品内の1つ以上のチャンバーまたは容器を描写するために使用される。
【0076】
第一の区画と第二の区画は互いに隣接しうる。別の方法として、第一の区画と第二の区画は互いに間隙を介しうる。
【0077】
使用時、ニコチン蒸気は第一の区画内のニコチン供与源から放出され、乳酸は第二の区画の乳酸供与源から放出される。ニコチン蒸気は、気相で乳酸蒸気と反応してエアロゾルを形成し、これがユーザーに送達される。本発明によるエアロゾル発生システムはさらに、ニコチン蒸気と乳酸蒸気の間の反応を促進するよう構成された第一の区画および第二の区画の下流にある反応チャンバーを備えることが好ましい。エアロゾル発生物品は、反応チャンバーを備えうる。別の方法として、エアロゾル発生装置が本体部分およびマウスピース部分を含む場合、エアロゾル発生装置のマウスピース部分は反応チャンバーを備えうる。
【0078】
下記にさらに説明する通り、第一の区画と第二の区画はエアロゾル発生物品内に直列または並列に配置されうる。第一の区画および第二の区画は、並列に配置されることが好ましい。
【0079】
「直列」は本明細書で使用される時、使用時にエアロゾル発生物品を通して引き出される空気の流れが、第一の区画と第二の区画のうち一方を通過してから、第一の区画と第二の区画のうちもう一方を通過するように、第一の区画と第二の区画がエアロゾル発生物品内に配置されることを意味する。ニコチン蒸気は、第一の区画内のニコチン供与源からエアロゾル発生物品を通して引き出された気流内に放出され、乳酸は第二の区画の乳酸供与源からエアロゾル発生物品を通して引き出された気流内に放出される。ニコチン蒸気は気相で乳酸蒸気と反応してエアロゾルを形成し、これがユーザーに送達される。
【0080】
一定の実施形態において、エアロゾル発生物品は、空気吸込み口と、空気吸込み口と連通するニコチン供与源を含む第一の区画と、第一の区画と連通する乳酸供与源を含む第二の区画と、空気出口とを含むハウジングを備えうるが、ここで空気吸込み口および空気出口は、空気が空気吸込み口からハウジング内に入り、ハウジングを通過し、空気出口を通してハウジングから出ることができるように、相互に連通し構成されている。
【0081】
「空気吸込み口」という用語は本明細書で使用される時、それを通して空気がエアロゾル発生物品内に引き出されうる1つ以上の開口部を描写するために使用される。
【0082】
「空気出口」という用語は本明細書で使用される時、それを通して空気がエアロゾル発生物品から引き出されうる1つ以上の開口部を描写するために使用される。
【0083】
かかる実施形態では、第一の区画と第二の区画とは、ハウジング内で空気吸込み口から空気出口まで直列に配置されている。すなわち、第一の区画は空気吸込み口の下流であり、第二の区画は第一の区画の下流であり、空気出口は第二の区画の下流である。使用時に、空気の流れは空気吸込み口を通してハウジングの中へと引き出され、第一の区画および第二の区画を通して下流に引き出された後、空気出口を通してハウジングを出るように引き出される。
【0084】
こうした実施形態において、エアロゾル発生物品は、第二の区画および空気出口と連通する第三の区画をさらに備えうる。かかる実施形態での使用時に、空気の流れは空気吸込み口を通してハウジングの中へと引き出され、第一の区画、第二の区画、および第三の区画を通して下流に引き出された後、空気出口を通してハウジングを出るように引き出される。
【0085】
こうした実施形態において、エアロゾル発生物品は、第二の区画または第三の区画(存在する場合)、および空気出口と連通するマウスピースをさらに備えうる。かかる実施形態では使用時に、空気の流れは空気吸込み口を通してハウジングの中へと引き出され、第一の区画、第二の区画、第三の区画(存在する場合)、およびマウスピースを通して下流に引き出された後、空気出口を通してハウジングを出るように引き出される。
【0086】
他の実施形態において、エアロゾル発生物品は、空気吸込み口と、空気吸込み口と連通する乳酸供与源を含む第二の区画と、第二の区画と連通するニコチン供与源を含む第一の区画と、空気出口とを含むハウジングを備えうるが、ここで空気吸込み口および空気出口は、空気が空気吸込み口からハウジング内に入り、ハウジングを通過し、空気出口を通してハウジングから出ることができるように、相互に連通し構成されている。
【0087】
こうした実施形態では、第二の区画と第一の区画とは、ハウジング内で空気吸込み口から空気出口まで直列に配置されている。すなわち、第二の区画は空気吸込み口の下流であり、第一の区画は第二の区画の下流であり、空気出口は第一の区画の下流である。使用時に、空気の流れは空気吸込み口を通してハウジングの中へと引き出され、第二の区画、次に第一の区画を通して下流に引き出された後、空気出口を通してハウジングを出るように引き出される。
【0088】
こうした実施形態において、エアロゾル発生物品は、第一の区画、および空気出口と連通する第三の区画をさらに備えうる。かかる実施形態での使用時に、空気の流れは空気吸込み口を通してハウジングの中へと引き出され、第二の区画、第一の区画、および第三の区画を通して下流に引き出された後、空気出口を通してハウジングを出るように引き出される。
【0089】
こうした実施形態において、エアロゾル発生物品は、第一の区画または第三の区画(存在する場合)、および空気出口と連通するマウスピースをさらに備えうる。かかる実施形態では使用時に、空気の流れは空気吸込み口を通してハウジングの中へと引き出され、第二の区画、第一の区画、第三の区画(存在する場合)、およびマウスピースを通して下流に引き出された後、空気出口を通してハウジングを出るように引き出される。
【0090】
第一の区画と第二の区画がエアロゾル発生物品内で直列に配置されている場合、使用時にエアロゾル発生物品を通して引き出される空気の流れが第一の区画を通過してから第二の区画を通過するように、第二の区画は第一の区画の下流であることが好ましい。
【0091】
乳酸供与源の第二の区画の位置がニコチン供与源の第一の区画の下流にあることで、エアロゾル発生システムのニコチン送達の一貫性が有利に改善される。理論によって束縛されることはないが、ニコチン供与源の下流の乳酸供与源の位置が、使用中に乳酸供与源から放出される乳酸蒸気のニコチン供与源への蒸着を低減または防止すると考えられる。これは、エアロゾル発生システム内のニコチン送達の経時的な退色を減少する。また、望ましくない未反応の乳酸蒸気がユーザーへ送達されるリスクを低減しうる。
【0092】
「並列」は本明細書で使用される時、使用時にエアロゾル発生物品を通して引き出される第一の空気の流れが第一の区画を通過し、エアロゾル発生物品を通して引き出される第二の空気の流れが第二の区画を通過するように、第一の区画と第二の区画がエアロゾル発生物品内に配置されることを意味する。ニコチン蒸気は、第一の区画内のニコチン供与源からエアロゾル発生物品を通して引き出された気流内に放出され、乳酸蒸気は第二の区画の乳酸供与源からエアロゾル発生物品を通して引き出された気流内に放出される。第一の空気の流れ内のニコチン蒸気は、第二の空気の流れ内の乳酸蒸気と気相で反応してエアロゾルを形成し、これがユーザーに送達される。
【0093】
一定の実施形態において、エアロゾル発生システムは、空気吸込み口と、空気吸込み口と連通するニコチン供与源を含む第一の区画と、空気吸込み口と連通する乳酸供与源を含む第二の区画と、空気出口とを含むハウジングを備えるが、ここで空気吸込み口および空気出口は、空気が空気吸込み口からハウジング内に入り、ハウジングを通過し、空気出口を通してハウジングから出ることができるように、相互に連通し構成されている。
【0094】
こうした実施形態では、第一の区画および第二の区画は、ハウジングの中で空気吸込み口から空気出口まで並列に配置されている。第一の区画および第二の区画は両方とも空気吸込み口の下流でありかつ空気出口の上流である。使用時に、空気の流れは空気吸込み口を通してハウジングの中へと引き出され、空気の流れの第一の部分は第一の区画を通して下流に引き出され、空気の流れの第二の部分は第二の区画を通して下流に引き出される。
【0095】
こうした実施形態では、エアロゾル発生物品は、第一の区画と第二の区画のうち片方または両方、および空気出口と連通する第三の区画をさらに備えうる。
【0096】
こうした実施形態では、エアロゾル発生物品は、第一の区画、第二の区画または第三の区画(存在する場合)、および空気出口と連通するマウスピースをさらに備えうる。
【0097】
他の実施形態では、エアロゾル発生物品は、第一の空気吸込み口と、第二の空気吸込み口と、第一の空気吸込み口と連通するニコチン供与源を備える第一の区画と、第二の空気吸込み口と連通する乳酸供与源を備える第二の区画と、空気出口とを備えるハウジングを備え、ここで第一の空気吸込み口、第二の空気吸込み口、および空気出口は、空気が第一の空気吸込み口を通過してハウジングの中へと入り、ハウジングを通過し、空気出口を通してハウジングから出てもよいように、そして空気が第一の空気吸込み口を通過してハウジングの中へと入り、ハウジングを通過し、空気出口を通してハウジングから出てもよいように、相互に連通しかつ構成されている。
【0098】
こうした実施形態では、第一の区画および第二の区画は、ハウジングの中で並列に配置されている。第一の区画は第一の空気吸込み口の下流であり、かつ空気出口の上流であり、そして第二の区画は第二の空気吸込み口の下流でありかつ空気出口の上流である。使用時に、第一の空気の流れは、第一の空気吸込み口を通してハウジングの中へと引き出され、かつ第一の区画を通して下流に引き出され、第二の空気の流れは、第二の空気吸込み口を通してハウジングの中へと引き出され、かつ第二の区画を通して下流に引き出される。
【0099】
こうした実施形態では、エアロゾル発生物品は、第一の区画と第二の区画のうち片方または両方、および空気出口と連通する第三の区画をさらに備えうる。
【0100】
こうした実施形態では、エアロゾル発生物品は、第一の区画、第二の区画または第三の区画(存在する場合)、および空気出口と連通するマウスピースをさらに備えうる。
【0101】
エアロゾル発生物品が第三の区画を備える場合、第三の区画は、1つ以上のエアロゾル修飾剤を含んでもよい。例えば、第三の区画は、活性炭などの1つ以上の吸収材、メントールなどの1つ以上の風味剤、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0102】
エアロゾル発生物品がマウスピースを備える場合、マウスピースはフィルターを備えてもよい。フィルターは、低い粒子濾過効率または非常に低い粒子濾過効率を有する場合がある。あるいは、マウスピースは中空管を備えてもよい。
【0103】
ニコチン供与源を含む第一の区画および乳酸供与源を含む第二の区画のうち一方または両方は、1つ以上の壊れやすいバリアによってシールされうる。
【0104】
1つ以上の壊れやすいバリアは適切な任意の材料で形成されうる。例えば、1つ以上の壊れやすいバリアは金属の箔またはフィルムで形成されうる。
【0105】
こうした実施形態では、エアロゾル発生装置は、第一の区画および第二の区画のうち一方または両方をシールする1つ以上の壊れやすいバリアを破壊するよう構成されている貫通部材をさらに含むことが好ましい。
【0106】
別の方法としてまたはさらに、ニコチン供与源を含む第一の区画および乳酸供与源を含む第二の区画のうち一方または両方は、1つ以上の取り外し可能なバリアによってシールされうる。例えば、ニコチン供与源を含む第一の区画および乳酸供与源を含む第二の区画のうち一方または両方は、1つ以上の剥ぎ取り式シールによってシールされうる。
【0107】
1つ以上の取り外し可能なバリアは適切な任意の材料で形成されうる。例えば、1つ以上の取り外し可能なバリアは金属の箔またはフィルムで形成されうる。
【0108】
一定の好ましい実施形態で、エアロゾル発生物品は、ニコチン供与源および乳酸供与源を含むカートリッジを含むか、またはそれにより構成される。
【0109】
カートリッジは、適切な任意の形状を持ちうる。
【0110】
カートリッジは実質的に円柱状であることが好ましい。
【0111】
カートリッジは、適切な任意のサイズを持ちうる。
【0112】
カートリッジは、例えば、約5mm〜約30mmの長さを有しうる。ある一定の実施形態では、カートリッジは約20mmの長さを持ちうる。
【0113】
カートリッジは、例えば、約4mm〜約10mmの直径を有しうる。ある一定の実施形態では、カートリッジは約7mmの直径を持ちうる。
【0114】
カートリッジは、ニコチン供与源を含む第一の区画および乳酸供与源を含む第二の区画を含むことが好ましい。
【0115】
カートリッジは、1つ以上の適切な材料から形成されうる。適切な材料には、アルミニウム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(Kapton(登録商標)など)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂およびビニル樹脂が含まれるがこれに限定されない。
【0116】
カートリッジは、耐ニコチン性および耐乳酸性である1つ以上の材料から形成されうる。
【0117】
別の方法としてまたはさらに、ニコチン供与源を含む第一の区画は、1つ以上の耐ニコチン性材料で被覆されてもよく、また乳酸供与源を含む第二の区画は1つ以上の耐乳酸性材料で被覆されてもよい。
【0118】
好適な耐ニコチン性材料および耐乳酸性材料の例としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニル樹脂、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。
【0119】
1つ以上の耐ニコチン性材料および耐乳酸性材料を使用してカートリッジを形成するか、または第一の区画および第二の区画の内部をそれぞれ被覆することで、エアロゾル発生物品の保存期間を延長しうる。
【0120】
カートリッジは、1つ以上の熱伝導性材料から形成されうる。別の方法としてまたはさらに、第一の区画および第二の区画の内部は、1つ以上の熱伝導性材料で被覆されうる。1つ以上の熱伝導性材料を使用してカートリッジを形成するか、または第一の区画および第二の区画の内部を被覆することは、有利なことに、ヒーターからニコチン供与源および乳酸供与源への熱伝達を増大させる。
【0121】
適切な熱伝導性材料には、例えば、アルミニウム、クロミウム、銅、金、鉄、ニッケルおよび銀などの金属、黄銅および鋼などの合金、およびその組み合わせが含まれるがこれに限定されない。
【0122】
本発明によるエアロゾル発生システムおよび本発明によるエアロゾル発生物品で使用するためのカートリッジは、適切な任意の方法により形成されうる。適切な方法には、深絞り図面、射出成形、ブリスタリング、吹込み成形および押し出しが含まれるがこれに限定されない。
【0123】
第一の区画および第二の区画は、カートリッジ内で並列に配置されることが好ましい。
【0124】
カートリッジは、エアロゾル修飾剤を含む第三の区画をさらに備えうる。こうした実施形態では、第一の区画、第二の区画および第三の区画は、カートリッジ内で並列に配置されることが好ましい。
【0125】
好ましい実施形態では、カートリッジは実質的に円筒形であり、また第一の区画、第二の区画および、存在する場合には第三の区画は、カートリッジの向かい合った実質的に平面の端面間を長軸方向に延びる。
【0126】
カートリッジはさらにくぼみを含み、またエアロゾル発生装置は、くぼみ内に受けられるように構成されている単一のヒーターを含むことが好ましい。
【0127】
一定の好ましい実施形態で、エアロゾル発生装置は、単一のヒーターを含む本体部分と、本体部分と係合させるように構成されたマウスピース部分とを含み、ここでエアロゾル発生装置は、本体部分の単一のヒーターがくぼみ内に受けられるように、ニコチン供与源を含む第一の区画、乳酸供与源を含む第二の区画およびくぼみを含むカートリッジを含むエアロゾル発生物品を受けるように構成される。
【0128】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置の本体部分内に全体的に、またはエアロゾル発生装置のマウスピース部分内に全体的に、またはエアロゾル発生装置の本体部分内に部分的にかつエアロゾル発生装置のマウスピース部分内に部分的に受けられてもよい。
【0129】
エアロゾル発生装置は、単一のヒーターとエアロゾル発生物品のカートリッジ内のくぼみとの適切な整列を促進するように、本体部分との係合のために構成された案内部分を備えうる。
【0130】
一定の好ましい実施形態で、単一のヒーターは、エアロゾル発生物品のカートリッジのくぼみ内に受けられるように構成された内部電気発熱体である。ある特定の好ましい実施形態で、単一のヒーターは、エアロゾル発生物品のカートリッジのくぼみ内に受けられるように構成されたヒーターブレードの形態の細長い内部電気発熱体である。こうした実施形態では、エアロゾル発生物品のカートリッジ内のくぼみは、細長いスロットとして構成されうる。
【0131】
カートリッジが実質的に円筒形である好ましい実施形態では、カートリッジにあるくぼみは、カートリッジの向かい合った実質的に平面の端面間をカートリッジの長軸方向軸に沿って延びることが好ましい。こうした実施形態では、第一の区画、第二の区画および、存在する場合には第三の区画は、カートリッジにあるくぼみの周りに配置されることが好ましい。
【0132】
第一の区画は、カートリッジ内の1つ以上の第一のチャンバーから構成されうる。第一のチャンバーの数および寸法は、望ましい量のニコチンがカートリッジ内に含められるように選択されうる。
【0133】
第二の区画は、カートリッジ内の1つ以上の第二のチャンバーから構成されうる。第二のチャンバーの数および寸法は、好ましい量の乳酸がカートリッジ内に含められるように選択されうる。
【0134】
気相での適切な反応化学量論を達成するために必要なカートリッジ内のニコチン対乳酸の比は、第一の区画を形成する1つ以上の第一のチャンバーの数および寸法のうち一方または両方を第二の区画を形成する1つ以上の第二のチャンバーの数および寸法に対して変動させることによって制御し、バランスをとることができる。言い換えれば、適切な反応化学量論を実現するために必要なカートリッジ内のニコチン対乳酸の比は、1つ以上の第一のチャンバーの組み合わせ容量(すなわち、第一の区画の合計容量)を、1つ以上の第二のチャンバーの組み合わせ容量(すなわち、第二の区画の合計容量)に対して変動させることにより制御されうる。
【0135】
特に、適切な反応化学量論を達成するには、第一の区画を形成する1つ以上の第一のチャンバーの組み合わせ容量は、第二の区画を形成する1つ以上の第二のチャンバーの組み合わせ容量よりも小さくてもよい。例えば、1つ以上の第一のチャンバーの組み合わせ容量は、1つ以上の第二のチャンバーの組み合わせ容量のおよそ半分としうる。すなわち、ニコチン供与源を含む第一の区画の合計容量は、乳酸供与源を含む第二の区画の合計容量のおよそ半分としうる。
【0136】
別の方法としてまたはさらに、気相での適切な反応化学量論を達成するために必要なニコチン対乳酸の比は、第一の区画を形成する1つ以上の第一のチャンバーの空気流量を、第二の区画を形成する1つ以上の第二のチャンバーを通る空気流量に対して変動させることにより制御してバランスを取りうる。第一の区画を形成する1つ以上の第一のチャンバーを通る空気流量の、第二の区画を形成する1つ以上の第二のチャンバーを通る空気流量に対する比は、1つ以上の第一のチャンバーと連通する空気吸込み口の数および寸法のうち一方または両方を、1つ以上の第二のチャンバーと連通する空気吸込み口の数および寸法に対して変動させることにより制御しうる。
【0137】
カートリッジが実質的に円筒形である好ましい実施形態では、カートリッジの向かい合った実質的に平面の端面の一方または両方は、1つ以上の壊れやすいバリアによりシールされうる。
【0138】
こうした実施形態において、エアロゾル発生装置およびエアロゾル発生物品のうち少なくとも一つは、カートリッジの向かい合った実質的に平面の端面のうち一方または両方をシールする1つ以上の壊れやすいバリアを破壊するよう構成された貫通部材をさらに含むことが好ましい。
【0139】
別の方法としてまたはさらに、カートリッジの向かい合った実質的に平面の端面のうち一方または両方は、1つ以上の取り外し可能なバリアによってシールされうる。例えば、カートリッジの向かい合った実質的に平面の端面のうち一方または両方は、1つ以上の剥ぎ取り式シールによってシールされる。
【0140】
ここで、本発明による実施形態をさらに図解する添付図面を参照しながら本発明に関してさらに説明する。
【発明を実施するための形態】
【0142】
図1に示す本発明の第一の実施形態によるエアロゾル発生システムは一般的に、本発明によるエアロゾル発生物品2の第一の実施形態、およびエアロゾル発生装置4を含むが、これらはエアロゾル発生システムを形成するため互いに係合し協働するよう構成されている。
【0143】
エアロゾル発生物品2は、使用後に廃棄される一体成形の消費可能なものとして構成される。エアロゾル発生物品2は、ニコチン供与源8を含む第一の区画、乳酸供与源10を含む第二の区画およびマウスピース12を含むカートリッジ6を含む。カートリッジは、例えば、約20mmの長さおよび約7.1mmの直径を持ちうる。
【0144】
ニコチン供与源8を含む第一の区画および乳酸供与源10を含む第二の区画は、エアロゾル発生物品2の遠位端にカートリッジ6内に並列に配置されている。マウスピース12は、ニコチン供与源8を含む第一の区画および乳酸供与源10を含む第二の区画の下流に、エアロゾル発生物品2の近位端に位置する。
【0145】
エアロゾル発生物品2のカートリッジ6はくぼみ18を含み、例えばスロットとして構成されている。
図1および3に示す通り、くぼみ18は、ニコチン供与源8を含む第一の区画と乳酸供与源10を含む第二の区画の間をカートリッジ6の主軸に沿って延びる。くぼみ18は、例えば、約15mmの長さ、約6mmの幅および約0.8mmの高さを持ちうる。
【0146】
図3に示す通り、カートリッジ6は、くぼみ18の両側に配置された半円形の横断断面の2つのチャンバーを含む。チャンバーは、カートリッジ6の向かい合った実質的に平面の端面間を長軸方向に延びる。2つのチャンバーのうち一方がニコチン供与源8を含む第一の区画を形成し、2つのチャンバーの他方が乳酸供与源10を含む第二の区画を形成する。チャンバーおよびくぼみ18の間の距離は、例えば約0.3mmとすることができ、またチャンバーは、例えば約2.6mmの半径を持ちうる。
【0147】
ニコチン供与源8は、その上にニコチンが吸着され、第一の区画を形成するチャンバー内に挿入され収着要素(PTFE芯など)を含む。乳酸供与源10は、その上に乳酸が吸着され、チャンバー内に挿入され第二の区画を形成する収着要素(PTFE芯など)を含む。
【0148】
エアロゾル発生装置4は、エアロゾル発生物品2のカートリッジ6を中に受容する円柱状のくぼみを備えるハウジングを備える。
図1に示すように、エアロゾル発生物品2のカートリッジ6がエアロゾル発生装置4の中へと挿入された時に少なくともエアロゾル発生物品2の近位端にあるマウスピース12でくぼみから突出するように、くぼみの長さはエアロゾル発生物品2の長さよりも短い。
【0149】
エアロゾル発生装置4は、エアロゾル発生物品2のニコチン供与源8および乳酸供与源10の両方を加熱するように構成された単一のヒーターを備えるが、これはエアロゾル発生装置4のくぼみ内の中央に位置し、かつくぼみの主軸に沿って延びる。単一のヒーターは、ヒーターブレードの形態の細長い電気発熱体14である。
図2aに示す通り、細長い電気発熱体14は、エアロゾル発生装置4のハウジングから突き出る。ところが、代替的な実施形態(図示せず)では、単一のヒーターがエアロゾル発生装置4のハウジングから突き出ないように、単一のヒーターの長さはくぼみの長さよりも短くてもよい。エアロゾル発生装置4はさらに、電池の形態の電源16と、電源16および細長い電気発熱体14に接続されている電子回路を含むコントローラ(図示せず)とを備える。
【0150】
エアロゾル発生物品2のカートリッジ6がエアロゾル発生装置4のくぼみに挿入される前に取り外されて、ユーザーがニコチン供与源8を含む第一の区画および乳酸供与源10を含む第二の区画を通り、その近位端でマウスピース12を通ってエアロゾル発生物品2を出る空気を吸い込めるようになる前に、カートリッジ6の向かい合った実質的に平面の端面は、剥ぎ取り式シール(図示せず)などの取り外し可能なバリアによってシールされうる。
【0151】
別の方法として、カートリッジ6の向かい合った実質的に平面の端面は、壊れやすいバリア(図示せず)によってシールされうる。使用時に、エアロゾル発生物品2のカートリッジ6がエアロゾル発生装置4のくぼみに挿入されると、エアロゾル発生装置4内に提供された1つ以上の貫通部材は壊れやすいバリアを貫通し、ユーザーがニコチン供与源8を含む第一の区画および乳酸供与源10を含む第二の区画を通り、その近位端にあるマウスピース12を通ってエアロゾル発生物品2を出る空気を吸い込めるようになりうる。
【0152】
図1に示す通り、エアロゾル発生装置4の細長い電気発熱体14は、カートリッジ6がエアロゾル発生装置4のくぼみ内に挿入された時、エアロゾル発生装置4のカートリッジ6のくぼみ18に受けられる。エアロゾル発生装置4の細長い電気発熱体14は、こうして使用時にエアロゾル発生物品2の内側に位置する内部ヒーターとして構成される。
【0153】
エアロゾル発生物品2のカートリッジ6がエアロゾル発生装置4に挿入されると、エアロゾル発生装置4の細長い電気発熱体14は、カートリッジ6内のニコチン供与源8および乳酸供与源10を実質的に同一の温度の約100℃に加熱する。
【0154】
使用時、ユーザーは、近位端にあるエアロゾル発生物品2のマウスピース12を吸って、ニコチン供与源8を含む第一の区画および乳酸供与源10を含む第二の区画を通して空気を吸い込む。吸い込まれた空気がカートリッジ6を通過すると、ニコチン蒸気が第一の区画内でニコチン供与源8から放出され、また乳酸蒸気が第二の区画内で乳酸供与源から放出される。ニコチン蒸気は気相で乳酸蒸気と反応して、乳酸ニコチン塩粒子のエアロゾルを形成し、これがエアロゾル発生物品2の近位端にあるマウスピース12を通してユーザーに送達される。
【0155】
図2bに示す本発明の第二の実施形態によるエアロゾル発生システムは一般的に、本発明の第二の実施形態によるエアロゾル発生物品2’、および本発明の第一の実施形態によるエアロゾル発生装置4’を含むが、これらはエアロゾル発生システムを形成するために互いに係合し協働するよう構成される。
【0156】
エアロゾル発生物品2’は、
図1、2aおよび3に示す本発明の第一の実施形態によるエアロゾル発生システムのエアロゾル発生物品2のカートリッジ6と同一構造の、ニコチン供与源8を含む第一の区画および乳酸供与源10を含む第二の区画を含むカートリッジ6を備える。ところが、本発明の第一の実施形態によるエアロゾル発生システムのエアロゾル発生物品2とは異なり、
図2bに示す本発明の第二の実施形態によるエアロゾル発生システムのエアロゾル発生物品2’はマウスピースを含まない。
【0157】
エアロゾル発生装置4’は、
図1、2aおよび3に示す本発明の第一の実施形態によるエアロゾル発生システムのエアロゾル発生装置4と同一構造の単一のヒーター14を含む本体部分4aを含む。ところが、本発明の第一の実施形態によるエアロゾル発生システムのエアロゾル発生装置4とは異なり、
図2bに示す本発明の第二の実施形態によるエアロゾル発生システムのエアロゾル発生装置4’は、本体部分4aと係合するよう構成されたマウスピース部分4bをさらに含む。
図2bに示す通り、エアロゾル発生物品2’のカートリッジ6は、本体部分の単一のヒーター14がカートリッジ6にあるくぼみ18に受けられるように、エアロゾル発生装置4’に挿入される。
【0158】
使用時に、ユーザーは、エアロゾル発生装置4’のマウスピース部分4bを吸い、エアロゾル発生物品のカートリッジ6を通して空気を引き出す。吸い込まれた空気がカートリッジ6を通過すると、ニコチン蒸気が第一の区画内でニコチン供与源8から放出され、また乳酸蒸気が第二の区画内で乳酸供与源から放出される。ニコチン蒸気は気相で乳酸蒸気と反応して乳酸ニコチン塩粒子のエアロゾルを形成し、これがエアロゾル発生装置4’のマウスピース部分4bを通してユーザーに送達される。
【0159】
図4に示す本発明の第三の実施形態によるエアロゾル発生物品のカートリッジ6’は、
図2bおよび3に示す本発明の第二の実施形態によるエアロゾル発生物品のカートリッジ6と概して類似した構造である。ところが、
図4に示す通り、本発明の第三の実施形態によるエアロゾル発生物品のカートリッジ6’は、カートリッジ6’の向かい合った実質的に平面の端面間を長軸方向に延びる実質的に円形の横断断面の4つのチャンバーを含む。4つのチャンバーのうち1つがニコチン供与源8を含む第一の区画を形成し、4つのチャンバーのうち2つが乳酸供与源10を含む第二の区画を形成する。残りのチャンバーは、風味供与源20を含む第三の区画を形成する。
【0160】
ニコチン供与源8は、その上にニコチンが吸着され、第一の区画を形成するチャンバー内に挿入され収着要素(PTFE芯など)を含む。乳酸供与源10は、その上に乳酸が吸着され、2つのチャンバー内に挿入され第二の区画を形成する収着要素(PTFE芯など)を含む。風味供与源20は、その上にメントールなどの風味剤が吸着され、チャンバー内に挿入され第三の区画を形成する収着要素(PTFE芯など)を含む。
【0161】
エアロゾル発生物品2のカートリッジ6がエアロゾル発生装置に挿入されると、エアロゾル発生装置の細長い電気発熱体14はカートリッジ6’内のニコチン供与源8、乳酸供与源10および風味供与源20を実質的に同一の温度の約100℃に加熱する。
【0162】
使用時に、ユーザーは、エアロゾル発生装置4’のマウスピース部分4bを吸い、エアロゾル発生物品のカートリッジ6’を通して空気を引き出す。吸い込まれた空気がカートリッジ6’を通過すると、ニコチン蒸気は第一の区画を形成するチャンバー内のニコチン供与源8から放出され、乳酸蒸気は第二の区画を形成する2つのチャンバー内の乳酸供与源から放出され、風味剤は第三の区画を形成するチャンバー内の風味供与源から放出される。ニコチン蒸気は気相で乳酸蒸気と反応して乳酸ニコチン塩粒子のエアロゾルを形成し、これがエアロゾル発生装置4’のマウスピース部分4bを通して、風味剤と共にユーザーに送達される。
【0163】
カートリッジ6’は、例えば約20mmの長さおよび約7.1mm直径を、くぼみ18は、例えば約15mmの長さ、約6mmの幅および約0.8mmの高さを、また4つのチャンバーは、約2mmの直径を持ちうる。
【0164】
図5に示す本発明の第四の実施形態によるエアロゾル発生物品のカートリッジ6’’は、
図2bおよび3に示す本発明の第二の実施形態によるエアロゾル発生物品のカートリッジ6と概して類似した構造である。ところが、
図5に示す通り、本発明の第四の実施形態によるエアロゾル発生物品のカートリッジ6’’は、直径d
2の空気吸込み口を持つニコチン供与源8を含む第一の区画と、直径d
1の空気吸込み口を持つ乳酸供与源10を含む第二の区画とを含む。第一の区画の空気吸込み口の直径d
2は、第一の区画を通した空気流量を制御し、第二の区画の空気吸込み口の直径d
1は、第二の区画を通した空気流量を制御する。使用時に、乳酸蒸気に対するニコチン蒸気の反応化学量論については、第一の区画の空気吸込み口の直径d
2の第二の区画の空気吸込み口の直径d
1に対する比を適切に選択することにより制御しバランスをとることができる。
【0165】
図5に示す通り、本発明の第四の実施形態によるエアロゾル発生物品のカートリッジ6’’は、直径d
3の3つの換気孔をさらに備える。ユーザーは、適切な選択メカニズムを使用して、例えばカートリッジ6’’の捻じりまたは回転によって、例えば、1つ、2つまたは3つの換気孔を使用することにより、気相でのニコチン蒸気と乳酸の反応によって形成される乳酸ニコチン塩粒子のエアロゾルの換気レベル(質量希釈)を選択しうる。
【0166】
図6に示す本発明の第五の実施形態によるエアロゾル発生物品のカートリッジ6’’’は、
図5に示す本発明の第四の実施形態によるエアロゾル発生物品のカートリッジ6’’と概して類似した構造である。ところが、
図6に示す通り、本発明の第五の実施形態によるエアロゾル発生物品のカートリッジ6’’は、直径d
4の空気吸込み口を持つニコチン供与源8を含む第一の区画と、直径d
4の複数の空気吸込み口を持つ乳酸供与源10を含む第二の区画とを含む。第一の区画の直径d
4の空気吸込み口の数は、第一の区画を通した空気流量を制御し、第二の区画の直径d
4の空気吸込み口の数は、第二の区画を通した空気流量を制御する。使用時に、乳酸蒸気に対するニコチン蒸気の反応化学量論については、第一の区画の直径d
4の空気吸込み口の数の第二の区画の直径d
4空気吸込み口の数に対する比を適切に選択することにより制御しバランスをとることができる。
【0167】
図7(i)−(iii)に示す本発明の第二の実施形態によるエアロゾル発生システムは一般的に、上述した本発明の第二の実施形態によるエアロゾル発生物品、および本発明の第二の実施形態によるエアロゾル発生装置を含むが、これらは互いにエアロゾル発生システムを形成するために係合し協働するよう構成される。
【0168】
本発明の第二の実施形態によるエアロゾル発生装置は、
図2bに示す本発明の第一の実施形態によるエアロゾル発生装置4’と概して類似した構造である。ところが、
図7(i)に示す通り、本体部分4aおよびマウスピース部分4bに加えて、本発明の第二の実施形態によるエアロゾル発生装置4’’は、本体部分4aと係合するよう構成された案内部分4cをさらに備える。
図7(ii)に示す通り、案内部分4cは、カートリッジ6をエアロゾル発生装置の本体部分4aに挿入する間、エアロゾル発生装置の本体部分4aにある単一のヒーター14とエアロゾル発生物品のカートリッジ6内のくぼみ18との適切な整列を促進する。
【0169】
図7(iii)および(iv)に示す通り、本発明の第二の実施形態によるエアロゾル発生装置の案内部分4cはそれぞれ、カートリッジ6の向かい合った実質的に平面の端面をシールする壊れやすいバリアを貫通して、空気がそれぞれニコチン供与源8を含む第一の区画および乳酸供与源10を含むカートリッジの第二の区画を通して引き出されるようにするための一対の貫通要素22a、22bを含む。
【0170】
本発明は、エアロゾル発生物品の中に並列に配列されるニコチン供与源および乳酸供与源を備えるエアロゾル発生物品を含むエアロゾル発生システムも参照することで上記に例示してきた。ところが当然のことながら、その他の実施形態ではニコチン供与源および乳酸供与源は、本発明によるエアロゾル発生システムおよびエアロゾル発生物品内で直列に配置されうる。