(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記ボリューム調整部が調整するボリュームを所定値低下させた場合、前記所定値低下させたボリュームを、前記ボリューム調整部が調整可能な上限に設定することを特徴とする請求項1に記載の増幅装置。
【背景技術】
【0002】
AVアンプ(増幅装置)は、音声信号を増幅するパワーアンプ回路(増幅部)を備えている。従来のAVアンプは、AVアンプが備えるトランスやパワーアンプ回路等の発熱を抑えるため、パワーアンプ回路に供給する電圧を切り替えている(例えば、特許文献1参照。)。そのため、AVアンプの内部には、温度を計測するための温度センサーが設けられている。例えば、温度センサーが計測した温度が70℃になると、発熱を抑えるため、パワーアンプ回路に供給する電圧を低くする。また、例えば、パワーアンプ回路に供給する電圧を低くした後、温度センサーが計測した温度が65℃まで下がると、パワーアンプ回路に供給する電圧を高くする。
図4は、電圧の切り替えによるパワーアンプ回路の温度遷移を示す図である。上記のように電圧を切り替えることで、
図4に示す(1)のように、パワーアンプ回路の温度が遷移する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、設計で想定している出力を超えた大出力をパワーアンプ回路に出し続けた場合には、
図4の(2)に示すように、パワーアンプ回路に供給する電圧を低電圧に切り替えたにも関わらず、温度が低下しない場合がある。そうすると、温度が安全規格で定められた温度を超えたままであったり、トランスの温度ヒューズが切れてしまったりする問題が発生する。
【0005】
本発明の目的は、温度によって増幅部に供給する電圧を切り替える増幅装置において、増幅部に供給する電圧を高電圧から低電圧に切り替えても、温度が低下しない問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明の増幅装置は、音声信号のボリュームを調整するボリューム調整部と、前記ボリューム調整部がボリュームを調整した音声信号を増幅する増幅部と、前記増幅部に設けられた温度計測部と、前記増幅部に第1電圧、又は、第1電圧よりも電圧値が低い第2電圧を供給する電圧供給部と、前記ボリューム調整部、及び、前記電圧供給部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、
前記電圧供給部により、前記増幅部に前記第1電圧を供給し、
前記電圧供給部により、前記増幅部に前記第1電圧を供給した後、前記温度計測部が計測した温度
が第1所定温度よりも高い第2所定温度以上である場合に、前記電圧供給部により、前記増幅部に前記第2電圧を供給し、前記増幅部への前記第2電圧の供給後、前記温度計測部が計測した温度が前記第1所定温度よりも高い場合、前記ボリューム調整部が調整するボリュームを所定値低下させ
、前記ボリューム調整部が調整するボリュームを所定値低下させた後、前記温度計測部が計測した温度が前記第1所定温度以下である場合に、前記電圧供給部により、前記増幅部に前記第1電圧を供給することを特徴とする。
【0007】
本発明では、制御部は、増幅部への第2電圧(低電圧)の供給後、温度計測部が計測した温度が第1所定温度よりも高い場合、ボリューム調整部が調整するボリュームを所定値低下させる。これにより、増幅部に第2電圧(低電圧)を供給しても、温度が第1所定温度以下にならない場合に、温度を低下させることが可能である。
【0008】
また、本発明では、増幅部に設けられた1つの温度計測部を用いて、温度調整を行っているという利点がある。
【0009】
第2の発明の増幅装置は、第1の発明の増幅装置において、前記制御部は、前記ボリューム調整部が調整するボリュームを所定値低下させた場合、前記所定値低下させたボリュームを、前記ボリューム調整部が調整可能な上限に設定することを特徴とする。
【0010】
本発明では、制御部は、ボリューム調整部が調整するボリュームを所定値低下させた場合、所定値低下させたボリュームを、ボリューム調整部が調整可能な上限に設定する。従って、設定された上限を超えて音声信号のボリュームが調整されないため、さらに温度を低下させることが可能となる。
【0011】
第3の発明の増幅装置は、第2の発明の増幅装置において、前記制御部は、前記電圧供給部により、前記増幅部に前記第1電圧、又は、前記第2電圧を供給する通常モードと、前記増幅部に電圧を供給しない、前記通常モードよりも低消費電力のスタンバイモードと、に自装置を制御し、前記通常モードにおいて、前記ボリューム調整部が調整可能なボリュームを前記上限に設定した後、自装置を前記スタンバイモードに制御した場合も、前記ボリューム調整部が調整可能なボリュームを前記上限に設定し続け、前記通常モードにおいて、前記ボリューム調整部が調整可能なボリュームを前記上限に設定した後、自装置への電源供給が遮断された場合も、前記ボリューム調整部が調整可能なボリュームを前記上限に設定し続けることを特徴とする。
【0012】
例えば、自装置への電源供給が遮断された後、増幅部の温度は低下しやすいが、電圧供給部の温度は低下しにくい。そして、自装置への電源供給が再開された場合、増幅部の温度が上昇する前に、電圧供給部の温度が高くなりすぎる場合がある。本発明では、制御部は、通常モードにおいて、ボリューム調整部が調整可能なボリュームの上限を設定した後、自装置をスタンバイモードに制御した場合も、ボリューム調整部が調整可能なボリュームの上限を設定し続ける。また、制御部は、通常モードにおいて、ボリューム調整部が調整可能なボリュームの上限を設定した後、自装置への電源供給が遮断された場合も、ボリューム調整部が調整可能なボリュームの上限を設定し続ける。従って、ボリュームの上限設定により増幅部の温度上昇が抑えられるため、自装置が通常モードに復帰した場合に、電圧供給部の温度が高くなりすぎるという問題の発生を抑制することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、温度によって増幅部に供給する電圧を切り替える増幅装置において、増幅部に供給する電圧を高電圧から低電圧に切り替えても、温度が低下しない問題を解決することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るAVアンプの構成を示すブロック図である。AVアンプ1(増幅装置)は、入力される音声信号を増幅してスピーカー100に出力するものである。
図1に示すように、AVアンプ1は、マイクロコンピュータ(以下、「マイコン」という。)2、音声入力端子3、ボリューム調整回路4、パワーアンプ回路5、音声出力端子6、電圧供給回路7、温度センサー8、EEPROM9を備えている。
【0016】
マイコン2(制御部)は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インターフェース等のハードウェアから構成されている。CPUは、ROMに格納されたプログラムに従って、AVアンプ1を構成する各部を制御する。すなわち、マイコン2は、AVアンプ1を構成する各部を制御する。RAMは、CPUが各種制御処理を実行する際にROMから読み出したプログラム、CPUが各種制御処理を実行する際に必要なデータ等を一時的に記憶する。RAMは、電源の供給が遮断されると、記憶しているデータが消失する揮発性メモリである。マイコン2が行う処理については後述する。
【0017】
音声入力端子3には、外部のCDプレーヤー等のソース機器から音声信号が入力される。ボリューム調整回路4(ボリューム調整部)は、音声入力端子2から入力された音声信号のボリュームを調整し、パワーアンプ回路5に出力する。ボリューム調整回路4は、マイコン2が決定したボリュームに音声信号を調整する。パワーアンプ回路5(増幅部)は、ボリューム調整回路4から出力された音声信号を増幅し、音声出力端子6に出力する。音声出力端子6には、スピーカー100が接続されており、音声出力端子6からスピーカー100に音声信号が出力される。スピーカー100は、AVアンプ1から入力された音声信号に基づいて、音声を再生する。
【0018】
電圧供給回路7(電圧供給部)は、AVアンプ1の各部に電圧を供給する。電圧供給回路7は、パワーアンプ回路5には、高電圧(第1電圧)、又は、低電圧(第2電圧)を供給する。例えば、電圧供給回路7は、巻数が異なる2つの二次巻線を有するトランスを備えており、2つの二次巻線を切り替えることで、パワーアンプ回路5に、高電圧、又は、低電圧を供給する(特開2008−118825号公報参照)。
【0019】
温度センサー8(温度計測部)は、パワーアンプ回路5に設けられており、AVアンプ1の筐体内部の温度を計測するものである。温度センサー8は、パワーアンプ回路5に設けられているため、主に、パワーアンプ回路5の影響によるAVアンプ1の筐体内部の温度を計測することになる。温度センサー8は、計測した温度の情報をアナログの電気信号として、マイコン2のA/Dポートに出力する。本実施形態では、温度センサー8は、パワーアンプ回路5のみに1つ設けられている。
【0020】
EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)9は、AVアンプ1への電源の供給が遮断されても記憶しておくべき復元データを記憶するためのものである。EEPROM3は、電源の供給がなくとも、記憶しているデータを保持する不揮発性メモリである。
【0021】
以下、マイコン2が行う処理について説明する。マイコン2は、図示しない操作部からの操作を受け付けて、電圧供給回路7により、AVアンプ1を、通常モードと、スタンバイモードと、に制御する。通常モードは、AVアンプ1を構成する各部に電圧が供給されているモードである。スタンバイモードは、マイコン2とその周辺回路に電圧が供給されているモードであり、通常モードよりも低消費電力である。
【0022】
また、マイコン2は、温度センサー8が計測した温度に基づいて、電圧供給回路7により、パワーアンプ回路5に高電圧、又は、低電圧を供給する。具体的には、マイコン2は、温度センサー8が計測した温度T
に基づいて、図3に示すように、電圧供給回路7により、パワーアンプ回路5に
高電圧、又は、低電圧を供給する。なお、マイコン2は、温度センサー8からA/Dポートに出力される温度情報(信号)をA/D変換し、A/D変換した温度情報に基づいて、パワーアンプ回路5に供給する電圧を判断する。
【0023】
また、通常モードは、AVアンプ1を構成する各部に電圧が供給されているモードであるため、マイコン2は、通常モード時に、電圧供給回路7により、パワーアンプ回路5に高電圧、又は、低電圧を供給する。スタンバイモードは、マイコン2とその周辺回路に電圧が供給されているモードであるため、マイコン2は、スタンバイモード時に、電圧供給回路7により、パワーアンプ回路5に電圧を供給しない。
【0024】
ここで、温度センサー8が計測した温度が70℃
(第2所定温度)以上であり、パワーアンプ回路5に供給する電圧を低電圧に切り替えたにも関わらず、温度が低下しない場合がある。そのため、本実施形態では、マイコン2は、パワーアンプ回路5への低電圧の供給後、温度センサー8が計測した温度が65℃
(第1所定温度)よりも高い場合、ボリューム調整回路4が調整するボリュームを6dB(所定値)低下させる。すなわち、マイコン2は、ボリューム調整回路4に出力するボリュームを6dB低下して、ボリューム調整回路4に出力する。例えば、現在ボリュームが55dBである場合、マイコン2は、ボリューム調整回路4に出力するボリュームを、55dBから49dBに低下させることにより、ボリューム調整回路4が調整するボリュームを55dBから49dBに低下させる。
【0025】
また、マイコン2は、ボリューム調整回路4が調整するボリュームを6dB低下させた場合、6dB低下させたボリュームを、ボリューム調整回路4が調整可能な上限Aに設定する。すなわち、マイコン2は、図示しない操作部の操作を受け付けて決定したボリュームが、上限Aよりも大きい場合であっても、ボリューム調整回路4に上限Aのボリュームを出力する。例えば、マイコン2は、ボリューム調整回路4が調整するボリュームを55dBから49dBに低下させた場合、ボリューム調整回路4が調整可能な上限Aを49dBに設定する。マイコン2は、設定した上限AをRAMに記憶し、上限Aまでの範囲のボリュームをボリューム調整回路4に出力する。
【0026】
また、マイコン2は、通常モードにおいて、ボリューム調整回路4が調整可能なボリュームを上限Aに設定した後、AVアンプ1をスタンバイモードに制御した場合も、ボリューム調整回路4が調整可能なボリュームを上限Aに設定し続ける。また、マイコン2は、通常モードにおいて、ボリューム調整回路4が調整可能なボリュームを上限Aに設定した後、AVアンプ1への電源供給が遮断された場合も、ボリューム調整回路4が調整可能なボリュームを上限Aに設定し続ける。ここで、RAMに記憶されているボリューム調整回路4が調整可能な上限Aは、AVアンプ1への電源供給の遮断により、RAMから消失する。このため、例えば、マイコン2は、RAMに記憶した上限AをEEPROM9にも記憶する。そして、AVアンプ1への電源供給の遮断後、AVアンプ1への電源供給が再開された後、マイコン2は、EEPROM9に記憶した上限AをEEPROM9から読み出し、再度、RAMに記憶する。これにより、マイコン2は、通常モードにおいて、ボリューム調整回路4が調整可能なボリュームを上限Aに設定した後、AVアンプ1への電源供給が遮断された場合も、ボリューム調整回路4が調整可能なボリュームを上限Aに設定し続けることが可能である。なお、スタンバイモードにおいては、マイコン2に電圧が供給されているため、RAMに記憶されている上限Aは、消失しない。
【0027】
次に、マイコン2が行う温度調整処理について、
図2に示すフローチャートに基づいて説明する。マイコン2は、スタンバイモードから通常モードにAVアンプ1を制御した後、又は、AVアンプ1への電源供給が再開され、通常モードにAVアンプ1を制御した後、以下の処理を実行する。
【0028】
マイコン2は、温度センサー8が計測した温度Tが45℃以下であるか否かを判断する(S1)。マイコン2は、温度センサー8が計測した温度Tが45℃以下でない、すなわち、45℃よりも高いと判断した場合(S1:No)、ボリューム調整回路4が調整可能なボリュームを上限Aに設定する(S2)。ここで、上限Aは、スタンバイモード、又は、AVアンプ1に電源供給が遮断される前にRAMに記憶された値である。マイコン2は、上限Aの範囲内で、ボリューム調整回路4にボリュームを出力する。
【0029】
マイコン2は、温度センサー8が計測した温度Tが45℃以下であると判断した場合(S1:Yes)、ボリューム調整回路4が調整可能なボリュームの上限Aを消去する(S3)。これにより、RAMに上限Aが記憶されていない状態となり、マイコン2は、操作部からの操作を受け付けて決定したボリュームを、ボリューム調整回路4に出力する。S2、又は、S3の処理の後、マイコン2は、温度センサー8が計測した温度Tが70℃以上であるか否かを判断する(S4)。マイコン2は、温度Tが70℃よりも低いと判断している間は(S4:No)、S4の処理を繰り返し実行する。
【0030】
マイコン2は、温度Tが70℃以上であると判断した場合(S4:Yes)、電圧供給回路7により、パワーアンプ回路5に供給する電圧を、高電圧から低電圧に切り替える(S5)。次に、マイコン2は、RAMのソフトウェアタイマーをスタートさせる(S6)。次に、マイコン2は、温度センサー8が計測した温度Tが65℃以下であるか否かを判断する(S7)。
【0031】
マイコン2は、温度Tが65℃以下でない、すなわち、65℃よりも高いと判断した場合(S7:No)、ソフトウェアタイマーに基づいて、パワーアンプ回路5に低電圧を供給してから、30分経過しているか否かを判断する(S8)。マイコン2は、パワーアンプ回路5に低電圧を供給してから、30分経過していないと判断している間は(S8:No)、S7、S8の処理を繰り返し実行する。マイコン2は、パワーアンプ回路5に低電圧を供給してから30分経過するまでに、温度Tが65℃以下であると判断した場合(S7:Yes)、電圧供給回路7により、パワーアンプ回路5に供給する電圧を、低電圧から高電圧に切り替える(S9)。そして、マイコン2は、ソフトウェアタイマーをリセットし(S10)、S4の処理を実行する。
【0032】
マイコン2は、パワーアンプ回路5に低電圧を供給してから、30分経過したと判断した場合(S8:Yes)、ボリューム調整回路4が調整するボリュームを6dB低下させる(S11)。次に、マイコン2は、6dB低下させたボリュームを、ボリューム調整回路4が調整可能な上限Aに設定する(S12)。そして、マイコン2は、ソフトウェアタイマーをリセットし(S13)、S7の処理を実行する。
【0033】
図3は、電圧の切り替え、ボリューム調整による温度遷移を示す図である。マイコン2は、温度Tが70℃以上であるため、時間t1で、電圧供給回路7により、パワーアンプ回路5に供給する電圧を、高電圧から低電圧に切り替えている。その後、30分経過しても、温度Tが65℃以下にならないため、マイコン2は、時間t2で、ボリューム調整回路4が調整するボリュームを6dB低下させている。さらに30分経過しても、温度Tが65℃以下にならないため、マイコン2は、時間t3で、ボリューム調整回路4が調整するボリュームをさらに6dB低下させている。時間t4で温度Tが65℃以下となったため、マイコン2は、電圧供給回路7により、パワーアンプ回路5に供給する電圧を、低電圧から高電圧に切り替えている。以後、マイコン2は、温度Tに応じて、電圧供給回路7により、パワーアンプ回路5に高電圧、又は、低電圧を供給する。
【0034】
以上説明したように、本実施形態では、マイコン2は、パワーアンプ回路5への低電圧の供給後、温度センサー8が計測した温度Tが65℃よりも高い場合、ボリューム調整回路4が調整するボリュームを6dB低下させる。これにより、パワーアンプ回路5に低電圧を供給しても、温度Tが65℃以下にならない場合に、温度を低下させることが可能である。
【0035】
また、本実施形態では、パワーアンプ回路5に設けられた1つの温度センサー8を用いて、温度調整を行っているという利点がある。
【0036】
また、本実施形態では、マイコン2は、ボリューム調整回路4が調整するボリュームを6dB低下させた場合、6dB低下させたボリュームを、ボリューム調整回路4が調整可能な上限Aに設定する。従って、設定された上限Aを超えて音声信号のボリュームが調整されないため、さらに温度を低下させることが可能となる。
【0037】
また、例えば、AVアンプ1への電源供給が遮断された後、パワーアンプ回路5の温度は低下しやすいが、電圧供給回路7の温度は低下しにくい。そして、AVアンプ1への電源供給が再開された場合、パワーアンプ回路5の温度が上昇する前に、電圧供給回路7の温度が高くなりすぎる場合がある。本実施形態では、マイコン2は、通常モードにおいて、ボリューム調整回路4が調整可能なボリュームの上限を設定した後、AVアンプ1をスタンバイモードに制御した場合も、ボリューム調整回路4が調整可能なボリュームの上限を設定し続ける。また、マイコン2は、通常モードにおいて、ボリューム調整回路4が調整可能なボリュームの上限を設定した後、AVアンプ1への電源供給が遮断された場合も、ボリューム調整回路4が調整可能なボリュームの上限を設定し続ける。従って、ボリュームの上限設定によりパワーアンプ回路4の温度上昇が抑えられるため、AVアンプ1が通常モードに復帰した場合に、電圧供給回路7の温度が高くなりすぎるという問題の発生を抑制することができる。
【0038】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明を適用可能な形態は、上述の実施形態には限られるものではなく、以下に例示するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることが可能である。
【0039】
上述の実施形態においては、マイコン2は、所定の条件を満たす場合に、ボリューム調整回路4が調整するボリュームを6dB低下させるようになっているが(
図2:S11)、低下させるボリュームは、6dBに限られず、5dB以下、7dB以上であってもよい。
【0040】
上述の実施形態においては、マイコン2は、温度センサー8が計測した温度が70℃以上である場合に、電圧供給回路7により、パワーアンプ回路5に低電圧を供給するようになっている(
図2:S4,S5)。マイコン2が、電圧供給回路7により、パワーアンプ回路5に低電圧を供給するか否かを判断する閾値は、70℃に限られない。
【0041】
上述の実施形態においては、マイコン2は、温度センサー8が計測した温度が65℃以下である場合に、電圧供給回路7により、パワーアンプ回路5に高電圧を供給するようになっている(
図2:S7,S9)。マイコン2が、電圧供給回路7により、パワーアンプ回路5に高電圧を供給するか否かを判断する閾値は、65℃に限られない。
【0042】
上述の実施形態においては、マイコン2は、パワーアンプ回路5に低電圧を供給してから、30分経過した場合に、ボリューム調整回路4が調整するボリュームを低下させるようになっている(
図2:S8,S11)。マイコン2が、ボリューム調整回路4が調整するボリュームを低下させるか否かを判断する閾値は、30分に限られない。
【0043】
上述の実施形態においては、マイコン2は、温度センサー8が計測した温度Tが45℃以上である場合に、ボリューム調整回路4が調整可能なボリュームを上限Aに設定するようになっている(
図2:S1,S2)。マイコン2が、ボリューム調整回路4が調整可能なボリュームを上限Aに設定するか否かを判断する閾値は、45℃に限られない。