(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6326857
(24)【登録日】2018年4月27日
(45)【発行日】2018年5月23日
(54)【発明の名称】無電解めっき液
(51)【国際特許分類】
C23C 18/34 20060101AFI20180514BHJP
H01L 21/288 20060101ALI20180514BHJP
C23C 18/16 20060101ALN20180514BHJP
【FI】
C23C18/34
H01L21/288 E
!C23C18/16 B
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-31242(P2014-31242)
(22)【出願日】2014年2月21日
(65)【公開番号】特開2015-155566(P2015-155566A)
(43)【公開日】2015年8月27日
【審査請求日】2016年12月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004466
【氏名又は名称】三菱瓦斯化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100110663
【弁理士】
【氏名又は名称】杉山 共永
(74)【代理人】
【識別番号】100128761
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 恭子
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】平良 昌也
(72)【発明者】
【氏名】田中 圭一
【審査官】
宮本 靖史
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−164375(JP,A)
【文献】
特開昭62−246145(JP,A)
【文献】
国際公開第2014/010662(WO,A1)
【文献】
特開2013−193246(JP,A)
【文献】
特開2007−270344(JP,A)
【文献】
特開2005−082883(JP,A)
【文献】
国際公開第2007/043333(WO,A1)
【文献】
特開2012−087386(JP,A)
【文献】
国際公開第2008/123176(WO,A1)
【文献】
特開2008−248318(JP,A)
【文献】
特開2005−126734(JP,A)
【文献】
特開2008−274444(JP,A)
【文献】
米国特許第05258061(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0258847(US,A1)
【文献】
中国特許出願公開第102747344(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 18/00 − 20/08
H01L 21/28 − 21/288
H01L 21/44 − 21/445
H01L 29/40 − 29/47
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも金属源としてのコバルトイオンもしくはニッケルイオンを含み、さらに錯化剤、還元剤、アミノ酸、pH調整剤および水を含有し、アミノ酸の濃度が0.01〜0.5質量%であることを特徴とする無電解めっき液(ただし、無電解めっき液がナトリウムイオンを含有する場合を除く)。
【請求項2】
アミノ酸が、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、イソロイシン、リシン、トレオニン、フェニルアラニン、プロリン、アルギニン、メチオニン、トリプトファン、チロシン、およびβアラニンからなる郡より選択される1種以上である請求項1に記載の無電解めっき液。
【請求項3】
pH調整剤が、水酸化テトラメチルアンモニウムである請求項1に記載の無電解めっき液。
【請求項4】
pH値が7〜13である請求項1記載の無電解めっき液。
【請求項5】
半導体集積回路装置の製造に用いられる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の無電解めっき液。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のめっき液を用いるめっき方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、めっき膜の性質を変化させることなく、めっき速度を上昇させた無電解めっき液に関し、さらに具体的には無電解コバルトめっき液および無電解ニッケルめっき液に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路装置の配線材料に銅が用いられることが一般的となっている。銅は、従来使用されてきたアルミニウムと比較して導電性が高く、デザインルールの微細化に伴う配線遅延の増加に対応するのに適している。しかしながら、銅はシリコンやシリコン酸化膜、低誘電率材料へ容易に拡散する性質を有している。銅拡散を防止するため、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、
タンタル(Ta)、ルテニウム(Ru)等の金属膜をバリア膜として設けることで銅の拡散を防止することが可能となる。
【0003】
バリア膜が設けられる配線部分としては、ダマシン法で多層配線を形成するために設けたビアやトレンチの側壁部分、絶縁キャップ層代替としてのメタルキャップ等があげられる。また、近時では貫通電極による半導体基板同士の積層が開発されている。シリコン貫通電極(TSV)はシリコン基板同士を積層するための技術であるが、貫通孔内に銅が充填された構造となっており、貫通孔の側壁に金属膜を成膜し、銅を拡散させないためのバリア膜として使用される。
【0004】
拡散防止膜の成膜にはPVD(物理的気相成長法:Physical Vapor Deposition)法、または、CVD(化学的気相成長法:Chemical Vapor Deposition)法など、ドライな条件で成膜する方法があるが、例えば、メタルキャップを形成する際には、銅配線上にのみ選択的にバリア膜を設ける必要があるため、PVDやCVDによる成膜は適していない。
一方、無電解めっき法によれば、銅配線上にのみバリア膜を形成することが可能であり、その目的を達成させるために、コバルトイオン、コバルトとは異なる第2の金属のイオン、キレート剤、還元剤、ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルおよび水酸化アルキルアンモニウムを含有する無電解めっき液が開示されている(特許文献1)。
【0005】
一般的に、無電解めっき法で得られるめっき膜の膜質(膜の形状、膜中の元素比率)とめっき速度は無電解めっき液の成分組成によって決定される(特許文献1)。そのため、必ずしも所望する膜質と好適なめっき速度が同時に達成されるとは限らない。
【0006】
めっき速度が遅い場合、めっき処理時間が長くなり、生産効率が低下するため好ましくない。また、めっき処理温度を上げることでめっき速度を上昇させることもできるが、還元剤の分解が促進されて、薬液寿命が短くなるため好ましくない。
特許文献2には、無電解ニッケルめっき液にヨウ素イオンおよび鉄イオン、鉛、ビスマス等を添加することによるめっき浴の安定化方法が記載されている。しかしながら、めっき膜の膜質およびめっき速度がめっき液の成分組成によって支配される点では同じである。
【0007】
以上の観点から、得られるめっき膜の膜質を変化させることなく、同一処理条件でめっき速度を向上させることができる無電解コバルトめっき液、および無電解ニッケルめっき液が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−246981号公報
【特許文献2】特開2010−132949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
すなわち、本発明は、基本となるめっき液の組成を変更させることなく、これまでにない速度調整剤を任意の割合で添加することで、コバルト膜、コバルト合金膜、ニッケル膜、ニッケル合金膜の膜質を変化させることなく、めっき速度を上昇させるめっき液を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者等は鋭意検討を行った結果、コバルトイオンもしくはニッケルイオン、並びに錯化剤、還元剤およびpH調整剤を含有し、めっき速度調整剤としてアミノ酸を加えることを特徴とするめっき液が上記課題を解決することを見出した。
即ち、本発明は以下の通りである。
1. 少なくとも金属源としてのコバルトイオンもしくはニッケルイオンを含み、さらに錯化剤、還元剤、アミノ酸、pH調整剤および水を含有することを特徴とする無電解めっき液。
2. アミノ酸が、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、イソロイシン、リシン、トレオニン、フェニルアラニン、プロリン、アルギニン、メチオニン、トリプトファン、チロシン、およびβアラニンからなる郡より選択される1種以上である第1項に記載の無電解めっき液。
3. アミノ酸の濃度が0.01〜1質量%である第1項に記載の無電解めっき液。
4. pH値が7〜13である第1項に記載の無電解めっき液。
5. 第1項〜第4項のいずれかに記載のめっき液を用いるめっき方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明のめっき液を用いることで、コバルト膜、コバルト合金膜、ニッケル膜、ニッケル合金膜の形状および膜中の構成元素の比率を変化させることなく、無電解めっき速度を上昇させることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明で使用される、コバルトイオンの供給源としてのコバルト化合物は水溶性の2価のコバルト塩を用いることができる。例えば、硫酸コバルト、塩化コバルト、酢酸コバルト、硝酸コバルト等のコバルト塩が用いられ、これらに限定されるものではなく、コバルトイオンを放出する化合物の全てを含む。
無電解めっき液に含まれるコバルトイオン濃度としては0.005〜0.5mol/lが好適であり、より好ましくは0.01〜0.4mol/lであり、特に0.02〜0.3mol/lが好ましいが、これら濃度に限定されることなく、適宜好適な濃度を決定できる。
【0013】
本発明で使用される、ニッケルイオンの供給源としてのニッケル化合物は水溶性の2価のニッケル塩を用いることができる。例えば、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、酢酸ニッケル、硝酸ニッケル等のニッケル塩が用いられ、これらに限定されるものではなく、ニッケルイオンを放出する化合物の全てを含む。
無電解めっき液に含まれるニッケルイオン濃度としては0.005〜0.5mol/lが好適であり、より好ましくは0.01〜0.4mol/lであり、特に0.02〜0.3mol/lが好ましが、これら濃度に限定されることなく、適宜好適な濃度を決定できる。
【0014】
さらに本発明の無電解めっき液にはタングステンイオンおよび/またはモリブデンイオンを加えることができる。
本発明で使用されるタングステンイオンの供給源としてのタングステン化合物は水溶性の2〜6価のタングステン塩を用いることができる。例えば、タングステン酸、タングステン酸ナトリウム、酸化タングステン、硫化タングステン、塩化タングステンが用いられ、これだけに限定されるものではなく、タングステンイオンを放出する化合物の全てを含む。
無電解めっき液に含まれるタングステンイオン濃度は0.005〜0.5mol/lが好適であり、より好ましくは0.01〜0.4mol/lであり、特に0.05〜0.3mol/lが好ましが、これら濃度に限定されることなく、適宜好適な濃度を決定できる。
【0015】
本発明で使用されるアミノ酸は、任意のアミノ酸を用いることができる。アミノ基とカルボキシル基が含まれていればよく、両官能基が同一炭素に結合していても異なる炭素に結合していてもかまわない。例えば、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、イソロイシン、トレオニン、フェニルアラニン、プロリン、アルギニン、メチオニン、トリプトファン、チロシン、βアラニン等が好適に使用できる。
さらに好ましくは、グリシン、セリン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、トレオニン、アルギニン、プロリンであり、特に好ましくは、グリシン、セリン、グルタミン、アスパラギン、プロリンである。
無電解めっき液に含まれるアミノ酸の濃度は、0.01〜1質量%が好適に使用され、より好ましくは0.02〜0.7質量%であり、特に0.03〜0.5質量%が好ましい。
アミノ酸の濃度が0.01〜1質量%であるとき、好適なめっき速度が得られる。
【0016】
本発明で使用されるめっき液には錯化剤を含む。錯化剤としては、コバルトイオン、ニッケルイオン、タングステンイオン、またはモリブデンイオン等の金属イオンと錯体を形成するものが用いられる。
錯化剤として特に限定されるものではないが、例えばクエン酸、酒石酸、グルコン酸、リンゴ酸の様なヒドロキシカルボン酸等が好適に用いることができる。
無電解めっき液に含まれる錯化剤濃度は、安定性の観点から、コバルトイオン、またはニッケルイオン、並びにタングステンイオンおよび/またはモリブデンイオンの濃度に対して1倍以上の濃度である必要があり、2倍以上が好適である。具体的には、0.01〜1mol/lであり、より好ましくは0.05〜0.8mol/lであり、特に0.1〜0.6mol/lが好ましい。
【0017】
本発明で使用される還元剤としては、次亜リン酸、アルキルボラン類を用いることができる。アルキルボラン類は、例えばモノアルキルアミンボラン、ジアルキルアミンボラン、トリアルキルアミンボランが用いられる。
無電解めっき液に含まれる還元剤の濃度は0.001〜0.6mol/lが好適であり、より好ましくは0.005〜0.5mol/lであり、特に0.01〜0.4mol/lが好ましい。
還元剤の濃度が0.001〜0.6mol/lであるとき、安定的にめっき操作を行うことができる。
【0018】
本発明で使用されるpH調整剤としては、アルカリ性の化合物を用いることができる。例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)が用いられる。
無電解めっき液のpH値としては、7〜13が好ましく、7.5〜12がさらに好ましく、特に8〜11が好ましい。
pH値が7〜13であるとき、安定的にめっき操作を行うことができる。
【0019】
さらに本発明のコバルトめっき液には、アルキル硫酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルスルホン酸塩等の界面活性剤、ポリエチレングリコール等の水溶性高分子を添加することができる。これらの添加剤は、めっき被膜の平滑性を向上させるレベラーとしての役割を果たす。レベラーという用語は、当業者間で周知されている用語である。
無電解めっき液に含まれる界面活性剤、水溶性高分子は1ppm〜5000ppmが好適である。
【0020】
本発明におけるめっき処理方法は、めっきされる箇所と上記めっき液が接触し、めっき液の循環がなされる手法であれば特に限定されることはなく、浸漬式でも枚様式のいずれでも構わない。浸漬式であれば、熱による対流、撹拌子による撹拌、バブリングによる撹拌などで液循環がなされる。枚様式であれば、ウェハが回転することで液循環がなされる。
【0021】
めっき処理温度は、ジメチルアミンボランを還元剤として用いるめっき液であれば35℃〜75℃、好ましくは40℃〜70℃、さらに好ましくは45℃〜65℃である。次亜リン酸を還元剤として用いる場合には、60℃〜90℃が好適である。
【実施例】
【0022】
以下に本発明の実施例と比較例により、その実施形態と効果について具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1〜18
【0023】
<無電解コバルトめっき液の調整>
硫酸コバルト2質量%、クエン酸6質量%、タングステン酸5質量%、ジメチルアミンボラン(DMAB)0.3質量%を含有し、表1に示したアミノ酸を添加し、TMAHでpH値を9.5の水溶液を調製した。
<無電解コバルトめっき処理条件>
被めっき対象:表面をパラジウムで被覆したシリコンウェハ
めっき液温度:60℃
めっき処理時間:10分間
めっき方法:被めっき対象をめっき液に浸漬
<めっき膜厚の測定>
蛍光X線分析装置(型式:EA1200VX、株式会社日立ハイテクサイエンス製)を用い、測定条件:チップサイズ(2cm×2cm)、管電圧(50Kv)、管電流(50μA)、測定時間(100秒)、室温下に行った。
<めっき速度の評価方法>
蛍光X線分析装置を用いて、コバルト合金膜もしくはニッケル合金膜の膜厚(nm)を測定した。式1により、無電解めっき速度(nm/分)を計算した。
<膜中の元素分析方法>
X線電子分光法(XPS分析、Thermo Scientific社製 K−alpha)を用いて、コバルトめっき膜中の原子(Co、W、B)の割合を測定した。表層は大気中の酸素によりコバルト原子が酸化されているため、アルゴンイオン(出力3000eV、低電流)で250秒間、表層をエッチングした後に元素分析を行った。
【0024】
比較例1
実施例1の無電解コバルトめっき液にアミノ酸を添加しない以外は、実施例1と同様の評価を行った。
【0025】
比較例2〜4
実施例1の無電解コバルトめっき液に添加する速度調整剤が、表1(比較例2〜4)記載の速度調整剤(カルボン酸基を有する物質添加、アミノ酸を除くアミン基を有する物質を添加)である以外は、実施例1と同様の評価を行った。
【0026】
比較例5
実施例1の無電解コバルトめっき液にアミノ酸を添加せずに、ジメチルアミンボランの含有量を0.9質量%に増量した以外は、実施例1と同様の評価を行った。
【0027】
実施例1〜18、比較例1〜5のめっき速度測定結果を表1に、元素比率測定結果(原子組成百分率)を表2に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
比較例1に対し、実施例1〜18では元素比率は変化せずにめっき速度の上昇が認められた。また、比較例2〜4ではめっき速度の上昇は認められず、比較例5ではめっき速度は上昇したが、コバルトが減少し、酸素が増加し、めっき膜組成が大きく変化した。
【0031】
実施例19〜35
<無電解コバルトめっき液>
硫酸コバルト1質量%、クエン酸4質量%、タングステン酸3質量%、次亜リン酸2質量%を含有し、表3に示したアミノ酸を添加し、TMAHでpH値を9.5の水溶液を調製した。
<無電解コバルトめっき処理条件>
被めっき対象:表面をパラジウムで被覆されたシリコンウェハ
めっき液温度:70℃
めっき処理時間:10分間
めっき方法:被めっき対象をめっき液に浸漬
<めっき膜厚の測定>
実施例1と同様に行った。
<めっき速度評価>
実施例1と同様に行った。
<膜中の元素分析>
実施例1と同様に行ったが、原子組成に大きな変化はなかった。
【0032】
比較例6
実施例19の無電解コバルトめっき液にアミノ酸を添加しない以外は、実施例19と同様の評価を行った。
【0033】
比較例7〜9
実施例19の無電解コバルトめっき液に添加する速度調整剤が、表3(比較例7〜9)記載の速度調整剤(カルボン酸基を有する物質添加、アミン基を有する物質を添加)である以外は、実施例19と同様の評価を行った。
【0034】
実施例19〜35、比較例6〜9におけるめっき速度の評価結果を表3に、元素比率測定結果(原子組成百分率)を表4に示す。
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】
比較例6に対し、実施例19〜35ではめっき速度の上昇が認められたのに対し、比較例7〜9ではめっき速度の上昇は認められなかった。
【0038】
実施例36〜52
<無電解ニッケルめっき液>
硫酸ニッケル2質量%、クエン酸4質量%、ジメチルアミンボラン0.3質量%を含有し、表5に示したアミノ酸を添加し、TMAHでpH値を8.5の水溶液を調製した。
<無電解ニッケルめっき処理条件>
被めっき対象:パラジウムで被覆されたシリコンウェハ
めっき液温度:60℃
めっき処理時間:10分間
めっき方法:浸漬(熱による対流)
(めっき速度評価)
実施例1と同様に行った。
(膜中の元素分析)
実施例1と同様に行ったが、原子組成に大きな変化はなかった。
【0039】
比較例10
実施例36の無電解ニッケルめっき液にアミノ酸を添加しない以外は、実施例36と同様の評価を行った。
【0040】
比較例11〜13
実施例36の無電解コバルトめっき液に添加する速度調整剤が、表5(比較例11〜13)記載の速度調整剤(カルボン酸基を有する物質添加、アミン基を有する物質を添加)である以外は、実施例36と同様の評価を行った。
【0041】
実施例36〜52、比較例10〜13におけるめっき速度の評価結果を表5に、元素比率測定結果(原子組成百分率)を表6に示す。
【0042】
【表5】
【0043】
【表6】
【0044】
比較例10に対し、実施例36〜52ではめっき速度の上昇が認められたのに対し、比較例11〜13ではめっき速度の上昇は認められなかった。