特許第6326870号(P6326870)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6326870
(24)【登録日】2018年4月27日
(45)【発行日】2018年5月23日
(54)【発明の名称】シュリンクフィルム付台紙
(51)【国際特許分類】
   B65D 73/00 20060101AFI20180514BHJP
【FI】
   B65D73/00 L
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-43025(P2014-43025)
(22)【出願日】2014年3月5日
(65)【公開番号】特開2015-168446(P2015-168446A)
(43)【公開日】2015年9月28日
【審査請求日】2017年2月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100152146
【弁理士】
【氏名又は名称】伏見 俊介
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 志歩
(72)【発明者】
【氏名】中山 博史
【審査官】 加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−025483(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3124883(JP,U)
【文献】 特開2012−153396(JP,A)
【文献】 特開昭53−023784(JP,A)
【文献】 特開平08−324636(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 73/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
枚葉の台紙前面に設けられた筒状シュリンクフィルムにより被包装物が保持されるシュリンクフィルム付台紙であって、
前記筒状シュリンクフィルムがその軸線と平行な前記台紙の中心線の位置に設けられ、
前記台紙には、前記中心線の両側位置に所定の間隔を持って設けられた2本の折り線と、前記中心線側からこの中心線と直交する幅方向外側に向かって前記中心線方向における前記台紙の長さ寸法が減少するように傾斜された輪郭形状を有する支持脚部と、が設けられ、
前記折り線の前記支持脚部側となる端部には、前記折り線端部同士を結ぶように前記幅方向の横折り線が設けられ、前記折り線と前記横折り線との交点から、前記中心線方向の前記支持脚部側に向かうとともに前記幅方向の前記中心線側に向かって傾斜する中傾斜折り線と、前記中心線方向の前記支持脚部側に向かうとともに前記幅方向の前記外側に向かって傾斜する外傾斜折り線とが設けられ、
2本の前記外傾斜折り線の前記幅方向外側となる下端部が後脚部とされ、
前記折り線から前記台紙の両外側を前記台紙後面側に折り曲げることで、前記横折り線と前記中傾斜折り線とで囲まれた部分が、前記台紙における2本の前記折り線間の部分よりも傾斜が大きい傾斜面となるとともに、前記台紙下端部となる前記支持脚部および前記後脚部によって支持され、前記台紙上端側が下端側よりも前記台紙後面側に傾斜した状態で自立可能なことを特徴とするシュリンクフィルム付台紙。
【請求項2】
前記折り線の前記中心線方向における中間部分には、前記幅方向で前記中心線側に突出する輪郭形状の切り込みが設けられ、
前記折り線から前記台紙の両外側を前記後面側に折り曲げた際に、前記切り込みで囲まれた固定部が前記前面側に突出することを特徴とする請求項1記載のシュリンクフィルム付台紙。
【請求項3】
前記台紙の前記折り線よりも前記幅方向外側位置には、前記幅方向に延在する横切り込みが設けられ、前記折り線が前記横切り込みよりも下側位置に設けられることを特徴とする請求項1または2記載のシュリンクフィルム付台紙。
【請求項4】
前記支持脚部が、前記折り線よりも前記幅方向の前記中心線側に設けられることを特徴とする請求項1から3のいずれか記載のシュリンクフィルム付台紙。
【請求項5】
前記中傾斜折り線と前記外傾斜折り線とで囲まれた部分に前記支持脚部が位置することを特徴とする請求項1記載のシュリンクフィルム付台紙。
【請求項6】
枚葉の台紙前面に設けられた筒状シュリンクフィルムにより被包装物が保持されるシュリンクフィルム付台紙であって、
前記筒状シュリンクフィルムがその軸線と平行な前記台紙の中心線の位置に設けられ、
前記台紙には、前記中心線の両側位置に所定の間隔を持って設けられた2本の折り線と、前記中心線側からこの中心線と直交する幅方向外側に向かって前記中心線方向における前記台紙の長さ寸法が減少するように傾斜された輪郭形状を有する支持脚部と、が設けられ、
前記折り線から前記台紙の両外側を前記台紙後面側に折り曲げることで、前記台紙下端部となる前記支持脚部によって支持され、前記台紙上端側が下端側よりも前記台紙後面側に傾斜した状態で自立可能なとされ、
前記折り線の前記支持脚部側には、前記折り線の下端から前記幅方向の前記中心線側へと傾斜する傾斜切り込みが設けられ、この傾斜切り込みより前記幅方向外側に前記支持脚部が位置されることを特徴とするシュリンクフィルム付台紙。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシュリンクフィルム付台紙に係り、特に被包装物そのものでは自立できない形状の被包装物であっても自立可能にできるシュリンクフィルム付台紙に用いて好適な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
表示やデザインを印刷した台紙とともに、商品となる被包装物を、見えるように収納した包装には、熱成形したプラスチックシートに被包装物を収納して、台紙で塞ぐ、ブリスター包装や、台紙の上に被包装物を載せて、上から加熱したフィルムで直接包装する、スキンパックがある。
【0003】
また、紙、合成樹脂、或いは金属板からなる台紙に被包装物を当接してこれらを、合成樹脂の熱収縮性の皮膜で被覆し、皮膜を過熱して熱収縮せしめ全体を緊密一体的に被着させた、カード包装がある。その一例として、台紙に塗布した粘着剤により熱収縮性チューブ(筒状のシュリンクフィルム)を接着させてシュリンクフィルム付台紙とし、被包装物を収納した状態で、シュリンクフィルムを熱収縮させて、被包装物を台紙に取り付けた包装体が知られている(特許文献1)。
【0004】
さらに、ブリスターパックに代えたシュリンクフィルム付台紙として、吊り下げ陳列と、商品棚等に自立させた陳列との両方が可能な形態も幾つか提案されている(特許文献2,3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭49−3796号公報
【特許文献2】特開2012ー020762号公報
【特許文献3】特開2012ー025483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、シュリンクフィルム付台紙を自立させる際、特許文献2,3の技術であると、直立した状態でしか自立できないが、商品陳列に際してその視認性を向上させるために、商品等を傾けた状態で自立させたいという要求があった。また、特許文献2,3の技術であると、自立させるために台紙の強度を持たせるため、台紙の厚さを一定以上にしなくてはならないが、これをなるべく小さくして、かつ、安定して自立させたいという要求があった。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、被包装物の良好なディスプレイ性を発現し、被包装物の安定した自立を可能にするという目的を達成しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のシュリンクフィルム付台紙は、枚葉の台紙前面に設けられた筒状シュリンクフィルムにより被包装物が保持されるシュリンクフィルム付台紙であって、
前記筒状シュリンクフィルムがその軸線と平行な前記台紙の中心線の位置に設けられ、
前記台紙には、前記中心線の両側位置に所定の間隔を持って設けられた2本の折り線と、前記中心線側からこの中心線と直交する幅方向外側に向かって前記中心線方向における前記台紙の長さ寸法が減少するように傾斜された輪郭形状を有する支持脚部と、が設けられ、
前記折り線の前記支持脚部側となる端部には、前記折り線端部同士を結ぶように前記幅方向の横折り線が設けられ、前記折り線と前記横折り線との交点から、前記中心線方向の前記支持脚部側に向かうとともに前記幅方向の前記中心線側に向かって傾斜する中傾斜折り線と、前記中心線方向の前記支持脚部側に向かうとともに前記幅方向の前記外側に向かって傾斜する外傾斜折り線とが設けられ、
2本の前記外傾斜折り線の前記幅方向外側となる下端部が後脚部とされ、
前記折り線から前記台紙の両外側を前記台紙後面側に折り曲げることで、前記横折り線と前記中傾斜折り線とで囲まれた部分が、前記台紙における2本の前記折り線間の部分よりも傾斜が大きい傾斜面となるとともに、前記台紙下端部となる前記支持脚部および前記後脚部によって支持され、前記台紙上端側が下端側よりも前記台紙後面側に傾斜した状態で自立可能なことにより上記課題を解決した。
本発明において、前記折り線の前記中心線方向における中間部分には、前記幅方向で前記中心線側に突出する輪郭形状の切り込みが設けられ、
前記折り線から前記台紙の両外側を前記後面側に折り曲げた際に、前記切り込みで囲まれた固定部が前記前面側に突出することがより好ましい。
本発明は、前記台紙の前記折り線よりも前記幅方向外側位置には、前記幅方向に延在する横切り込みが設けられ、前記折り線が前記横切り込みよりも下側位置に設けられることが可能である。
また、本発明において、前記支持脚部が、前記折り線よりも前記幅方向の前記中心線側に設けられる手段を採用することもできる。
発明においては、前記中傾斜折り線と前記外傾斜折り線とで囲まれた部分に前記支持脚部が位置することが望ましい。
さらに、枚葉の台紙前面に設けられた筒状シュリンクフィルムにより被包装物が保持されるシュリンクフィルム付台紙であって、
前記筒状シュリンクフィルムがその軸線と平行な前記台紙の中心線の位置に設けられ、
前記台紙には、前記中心線の両側位置に所定の間隔を持って設けられた2本の折り線と、前記中心線側からこの中心線と直交する幅方向外側に向かって前記中心線方向における前記台紙の長さ寸法が減少するように傾斜された輪郭形状を有する支持脚部と、が設けられ、
前記折り線から前記台紙の両外側を前記台紙後面側に折り曲げることで、前記台紙下端部となる前記支持脚部によって支持され、前記台紙上端側が下端側よりも前記台紙後面側に傾斜した状態で自立可能なとされ、
前記折り線の前記支持脚部側には、前記折り線の下端から前記幅方向の前記中心線側へと傾斜する傾斜切り込みが設けられ、この傾斜切り込みより前記幅方向外側に前記支持脚部が位置されることが可能である。
【0009】
本発明のシュリンクフィルム付台紙は、枚葉の台紙前面に設けられた筒状シュリンクフィルムにより被包装物が保持されるシュリンクフィルム付台紙であって、
前記筒状シュリンクフィルムがその軸線と平行な前記台紙の中心線の位置に設けられ、
前記台紙には、前記中心線の両側位置に所定の間隔を持って設けられた2本の折り線と、前記中心線側からこの中心線と直交する幅方向外側に向かって前記中心線方向における前記台紙の長さ寸法が減少するように傾斜された輪郭形状を有する支持脚部と、が設けられ、
前記折り線から前記台紙の両外側を前記台紙後面側に折り曲げることで、前記台紙下端部となる前記支持脚部によって支持され、前記台紙上端側が下端側よりも前記台紙後面側に傾斜した状態で自立可能なことにより、枚葉の台紙を折り線から折り曲げるだけで、折り線よりも外側の台紙が後ろに折られて立体に組み立てられるとともに、台紙下端の輪郭形状が傾斜された支持脚部とされていることで、組み立てた状態で台紙下端部の支持脚部が前側から後ろ側に傾斜した2本の線状とされるため、この支持脚部を載置面に当接させるだけで、台紙そのものが上端側が下端側よりも前記台紙後面側に傾斜した状態で自立させることが可能となる。しかも、台紙下端の支持脚部は前後方向にほぼ平行状態として離間した位置で載置面に当接するため、安定して自立させることが可能となる。しかも、台紙が傾斜していることで、この台紙に接着等で設けられた筒状シュリンクフィルムにより保持された被包装物を、その上端側が下端側よりも紙側に傾斜した状態で自立させることが可能となる。これにより、自立できない形状の被包装物であっても安定して自立させることが可能となる。
【0010】
本発明において、前記折り線の前記中心線方向における中間部分には、前記幅方向で前記中心線側に突出する輪郭形状の切り込みが設けられ、
前記折り線から前記台紙の両外側を前記後面側に折り曲げた際に、前記切り込みで囲まれた固定部が前記前面側に突出することにより、この固定部が筒状シュリンクフィルムにより保持された被包装物に当接して、枚葉の台紙を折り線から折り曲げるだけで、折り線よりも外側の台紙が後ろに折られて立体に組み立てられた状態を維持することができる。これにより、枚葉の台紙を平板状としておく状態と、立体的に組み立てる状態とを容易に選択することができ、搬送時には台紙を平板状として省スペース化を計り、陳列時には立体的に組み立てる状態として視認性を向上することが容易に可能となる。
【0011】
本発明は、前記台紙の前記折り線よりも前記幅方向外側位置には、前記幅方向に延在する横切り込みが設けられ、前記折り線が前記横切り込みよりも下側位置に設けられることにより、台紙の上側に被包装物の商品アピール用デザイン等を設けることにより、台紙の上側を平板状に自立させた際に、極めて高い視認性を呈することができる。同時に、横切り込みよりも下側の台紙は、上側の台紙よりも幅方向に小さな長さ寸法となるように折り線から折り曲げて立体状に組み立てて自立させることで、充分な強度を保持することが可能となる。
【0012】
また、本発明において、前記支持脚部が、前記折り線よりも前記幅方向の前記中心線側に設けられることにより、少なくとも、折り線から折り曲げて起立させた際に、支持脚部が台紙の折り線間となる面よりも前側に位置するとともに、台紙の下端部幅方向両外側が後ろ側に位置することで、全体に傾斜した台紙および被包装物を安定して起立させることが可能となる。
【0013】
また、前記折り線の前記支持脚部側となる端部には、前記折り線端部同士を結ぶように前記幅方向の横折り線が設けられ、前記折り線と前記横折り線との交点から、前記中心線方向の前記支持脚部側に向かうとともに前記幅方向の前記中心線側に向かって傾斜する中傾斜折り線と、前記中心線方向の前記支持脚部側に向かうとともに前記幅方向の前記外側に向かって傾斜する外傾斜折り線とが設けられ、
前記折り線から前記台紙の両外側を前記後面側に折り曲げた際に、前記横折り線と前記中傾斜折り線とで囲まれた部分が、前記台紙における2本の前記折り線間の部分よりも傾斜が大きい傾斜面となることにより、折り線、横折り線、中傾斜折り線、外傾斜折り線によって折り曲げて立体的に組み立てることにより、台紙下部側に切り込みがない状態で台紙下端部における強度の低下を来さずに、安定して自立させることが可能となる。
【0014】
本発明においては、前記中傾斜折り線と前記外傾斜折り線とで囲まれた部分に前記支持脚部が位置することにより、支持脚部が台紙の折り線間となる面よりも前側に位置するとともに、台紙の下端部幅方向両外側が後ろ側に位置することで、全体に傾斜した台紙および被包装物を安定して起立させることが可能となる。しかも、支持脚部が中傾斜折り線と外傾斜折り線とで囲まれていることで、この支持脚部付近の強度をより一層高めることが可能となる。
【0015】
さらに、前記折り線の前記支持脚部側には、前記折り線の下端から前記幅方向の前記中心線側へと傾斜する傾斜切り込みが設けられ、この傾斜切り込みより前記幅方向外側に前記支持脚部が位置されることで、前記折り線から前記台紙の両外側を前記後面側に折り曲げた際に、傾斜切り込みより幅方向外側かつ下側の部分が、固定部と同様に、前記前面側に突出する状態となることにより、支持脚部は前後方向にほぼ平行状態として離間した位置で載置面に当接するため、安定して自立させることが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、傾斜して自立可能なため良好なディスプレイ性を発現し、被包装物の安定した自立を可能にする。本発明によれば、平板状の台紙と組み立てた状態とを選択できるため、嵩張らず、輸送性を向上させることができ、また、材料コストや環境負荷の軽減を図ることができる、という効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係るシュリンクフィルム付台紙の第1実施形態を示す平面図である。
図2】本発明に係るシュリンクフィルム付台紙の第1実施形態における組み立て状態を示す斜視図である。
図3】本発明に係るシュリンクフィルム付台紙の第2実施形態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係るシュリンクフィルム付台紙の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態におけるシュリンクフィルム付台紙を示す平面図であり、図において、符号10は、シュリンクフィルム付台紙である。
【0019】
本実施形態のシュリンクフィルム付台紙10は、図1図2に示すように、被包装物を包装するシュリンクフィルム(熱収縮性フィルム)11と、シュリンクフィルム11が接着部13によって貼着された台紙12とから構成される。
【0020】
シュリンクフィルム11は筒状とされ、平らなシュリンクフィルムを両側縁が重なるように、筒状に丸めて重なり合った側縁部分を接着して封筒貼りにして、筒状のシュリンクフィルム11としたものである。筒状のシュリンクフィルム11は、筒をつぶすように折られている。
【0021】
シュリンクフィルム11の材質としては、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、或いは、ポリエステル系の樹脂が好ましく用いられる。ポリエステル系の樹脂として、農産物由来の持続可能な素材である、ポリ乳酸を用いることも可能であり、環境に対応した包装として好ましく用いることができる。
シュリンクフィルム11は、熱で収縮するフィルムであればよく、また、筒としての周方向の収縮が、軸方向の収縮より大きいフィルムが、シュリンク包装を行う際の収縮時に被包装物100がシュリンクフィルム11から外れることがないので、本用途には適している。
【0022】
接着部13に用いる接着剤には、特許文献1のように粘着剤を用いてもよい。また、ホットメルト接着剤を用いてもよい。特に日の当たる店頭などで、高温に曝されることを考慮すると反応型ホットメルト接着剤が好ましく用いることができる。従来のホットメルト接着剤は、熱可塑性樹脂を成分として、固形のホットメルト接着剤を加熱、融解して塗布し、冷却することにより固化・接着するものであり、耐熱性の点では限界がある。
【0023】
反応型ホットメルト接着剤は、最初は固形であって、これを加熱溶融させて用いることは、従来の可塑性樹脂のホットメルト接着剤と同じであるが、塗布、冷却後に、反応が進み硬化して、耐熱性などの物性の高い接着性が得られる。ウレタン樹脂を主成分とした反応型ホットメルト接着剤は、加熱溶融により生成されたウレタンプレポリマーが、冷却されると末端イソシアネート基を残した状態で固化し、冷却された後も、空気中や被着材に含まれる水分と末端イソシアネート基が反応し、高分子化が進み、より耐熱性の高い接着性を得ることができる。ウレタン樹脂を主成分とした反応型ホットメルト接着剤は、塗布後に特に硬化を進めるための処理を必要としないので、好ましく用いることができる。
【0024】
筒状のシュリンクフィルム11と台紙12との位置精度や、接着部13の位置精度が悪いと、所定の位置から左右にずれる恐れも考えられるので、シュリンク時に軟らかくなる熱可塑性樹脂を成分としたホットメルト接着剤を、接着部13に用いて、シュリンクのときの加熱で、所定の位置になるようにズレを起こさせることもできる。
特に、接着部13には、ウレタン樹脂を主成分とした反応型ホットメルト接着剤を用いて、しっかりと台紙12に固定するとともに、左右のズレを起こさせて所定の位置になるようにするのが好ましい。
【0025】
筒状のシュリンクフィルム11には、図示しないミシン目線が設けられている。ミシン目線は、シュリンクフィルム11を切断するための切断補助線であって、シュリンクフィルム11からチューブ状容器100を取り出そうとするときに切断される。一般的に、ミシン目線は、列状に並んだ複数の微小な貫通孔から構成されており、例えば、チューブ状容器100の前方に位置する部分に形成することができる。例えば、筒状シュリンクフィルム11の上部を残して筒状シュリンクフィルム11の上下方向に沿って1本のミシン目線を形成できるが、筒状シュリンクフィルム11の全長にわたって形成されていてもよい。また、ミシン目線は、複数条形成されていてもよい。また、ミシン目線の形成位置は、商品デザイン等を阻害しないよう、チューブ状容器100の側方、後方接着部13の両脇位置等に設けるのが好ましい。
【0026】
台紙12は、図1に示すように、縦長の略矩形とされる輪郭形状を有する枚葉材からなり、筒状のシュリンクフィルム11の軸線が台紙12の縦方向(Z方向)の中心線14に沿うように設けられた矩形状の接着部13により台紙12の前面に貼着されている。この際、シュリンクフィルム11を筒状とした貼り合わせ部分が接着部13と一致するように貼着することができる。
本実施形態のシュリンクフィルム付台紙10に用いる台紙12には、紙、プラスチックシート、或いは金属板などの板状のものが使用できる。紙としては、厚紙で腰のあるものであれば、特に限定されない。また表面にアルミ蒸着層のあるアルミ蒸着紙なども使用できる。
【0027】
台紙12には、図1に示すように、吊り下げ孔12aと、折り線15A,15Bと、支持脚部16A,16Bと、切り込み15C,15Dと、横切り込み17A,17Bと、横折り線18と、中傾斜折り線19A,19Bと、外傾斜折り線19C,19Dと、後脚部16C,16Dとが形成される。
【0028】
矩形の台紙12において、Z方向上側には表示面12Aが設けられ、被包装物である商品に関する説明等、所定のデザインが印刷等により形成される。表示面12AのZ方向上端部近傍でX方向(幅方向)の中央部には、吊り下げ孔12aが設けられる。この吊り下げ孔12aは、店舗などで商品展示台に設けられたフックなどを通して店頭で吊下げ展示できるようになっている。
【0029】
矩形の台紙12において、Z方向下側には立体的に折り曲げて組み立てることで、支持脚部16A,16Bと後脚部16C,16Dとにより自立可能とするための折り線・切り込み等が以下のように形成される。
【0030】
台紙12の下端部には、中心線14側からこの中心線14と直交するX方向外側に向かって中心線方向(Z方向)における台紙12の長さ寸法が減少するように傾斜された輪郭形状を有する支持脚部16A,16Bが設けられる。
【0031】
支持脚部16A,16Bは、少なくとも折り線15A,15BよりもX方向の中心線14側位置に設けられ、矩形状とされる台紙12の輪郭よりも下側に突出した状態とされる。支持脚部16A,16Bが矩形状とされる台紙12の輪郭よりも下側への突出量は、台紙12の縦方向長さ(全長)に対して、5/15.5程度にすることができる。
支持脚部16A,16Bの傾斜としては、支持脚部16Aの中央側先端16Aaが、外側先端16Abよりも下側に突出し、これらが矩形とされる台紙12の輪郭線から下側に突出する量の比は5/2.5程度にすることができ、支持脚部16Bの中央側先端16Baが、外側先端16Bbよりも下側に突出し、これらが矩形とされる台紙12の輪郭線から下側に突出する量の比は5/2.5程度にすることができる。
【0032】
なお、本実施形態においては、支持脚部16A,16Bの最下端位置となる中央側先端16Aa,15Baが折り線15A,15BよりもX方向の中心線14側位置に設けられ、支持脚部16A,16Bの突出量が最も少ない上側端部となる外側先端16Ab,16Bbが折り線15A,15BよりもX方向の外側位置となるように設けられる。支持脚部16A,16BのX方向寸法は、台紙12のX方向(幅方向)寸法に対して、いずれも、13.5/67とすることができる。
支持脚部16A,16Bに挟まれた部分は、矩形とされる台紙12の輪郭線を延長した状態とされて、支持脚部16A,16Bよりも、Y方向上側に凹んだ状態とされる。
【0033】
台紙12における2本の折り線15A,15BのX方向両外側となる折り面部12D,12Eの下端部は、後脚部16C,16Dとされている。
【0034】
2本の折り線15A,15Bは、中心線14と平行状態とされて、表示面12Aより下側で中心線14の両側位置に所定の間隔を持って設けられる。折り線15A,15BのZ方向上側の端部15Aa,15BaはZ方向に同じ位置とされ、表示面12Aの下端位置とされている。2本の折り線15A,15Bの間隔は、台紙12のX方向(幅方向)寸法に対して、29/67とすることができる。
【0035】
台紙12において、X方向で折り線15A,15Bに挟まれた間となる支持面(面)12Bには、表示面12Aから連続した接着部13が設けられる。なお接着部13は、支持面(面)12Bのみに設けられることもできる。
【0036】
折り線15A,15BのZ方向における中間部分には、この折り線15A,15Bと連続するように切り込み15C,15Dが設けられている。切り込み15C,15Dは、その上端15Ca,15Daおよび下端15Cb,15Dbが折り線15A,15Bに接続されるとともに、X方向中心線14側に突出する輪郭形状とされている。具体的には、切り込み15C,15Dは、円弧状とされる。切り込み15C,15Dの突出量は、X方向における折り線15Aと中心線14との距離の半分よりも小さく設定されることができ、例えば、X方向における折り線15Aと中心線14との距離の12/29に設定されることができる。
【0037】
切り込み15C,15Dで囲まれた固定部15E,15Fは、折り線15A,15Bから山折りにして折り面部12D,12Eを後方に向けた際に、台紙12の厚さ方向(Y方向)前側に突出する。
【0038】
横切り込み17A,17Bは、折り線15A,15BのZ方向上側の端部15Aa,15Baに接続されて、折り線15A,15BよりもX方向外側位置としてX方向に延在するように設けられる。横切り込み17A,17Bは、Y方向に幅を持った状態とすることもでき、図示するように、折り線15A,15B側から台紙12外側に向けて拡幅するように設けることもできる。
【0039】
横折り線18は、X方向に延在するようにX方向台紙12中央に位置するとともに、その両端によって折り線15A,15BのZ方向下側の端部15Ab,15Bb同士を結ぶように設けられる。横折り線18としては、折り線として作用すればよく、本実施形態においては、図に示すように、横折り線18を切り込みとして形成し、その中央部分が、切り込みの未形成な連続部分とすることもできる。横折り線18中央の連続部分の長さは、横折り線18の長さ寸法に対して2/29程度に設定することができる。さらに、横折り線18をハーフカットとして形成することもでき、この場合には、連続部分を形成しないようにできる。
【0040】
中傾斜折り線19Aは、折り線15AのZ方向下側の端部15Abと横折り線18との交点から、Z方向下側に向かうとともにX方向中心線14側に向かって傾斜する直線状に設けられるとともに、中傾斜折り線19Bは、折り線15BのZ方向下側の端部15Bbと横折り線18との交点から、Z方向下側に向かうとともにX方向中心線14側に向かって傾斜する直線状に設けられる。
中傾斜折り線19A,19Bはハーフカットとして形成され、その中央部分が、切り込みの未形成な連続部分とすることもできる。さらに、中傾斜折り線19A,19Bの両端部分も、切り込みの未形成な連続部分とすることもできる。これにより、切り込みとして形成される横折り線18との連結部分となる上端19Aa,19Baおよび台紙12の輪郭と下端19Ab,19Bbでは、折り曲げた際にも台紙が離間せずに強度を維持することができる。
【0041】
中傾斜折り線19Aの上端19Aaから下端19AbまでのY方向寸法、および、中傾斜折り線19Bの上端19Baから下端19BbまでのY方向寸法は、台紙12のY方向(縦方向)寸法に対して、13/155.5とすることができる。
中傾斜折り線19A,19Bの下端19Ab,19Bbが台紙12の輪郭線と結ぶ位置の間隔は、台紙12のX方向(幅方向)寸法に対して、10/67とすることができる。
【0042】
外傾斜折り線19Cは、折り線15AのZ方向下側の端部15Abと横折り線18との交点から、Z方向下側に向かうとともにX方向外側に向かって傾斜する直線状に設けられるとともに、外傾斜折り線19Dは、折り線15BのZ方向下側の端部15Bbと横折り線18との交点から、Z方向下側に向かうとともにX方向外側に向かって傾斜する直線状に設けられる。
外傾斜折り線19C,19Dは、折り線として形成され、その下端19Cb,19Dbは、支持脚部16A,16BよりもX方向外側位置になるように傾斜される。外傾斜折り線19C,19Dの下端19Cb,19Dbが台紙12の輪郭線と結ぶ位置の間隔は、台紙12のX方向(幅方向)寸法に対して、48/67とすることができる。
【0043】
横折り線18と中傾斜折り線19A,19Bとで囲まれた部分が、台紙12における2本の前記折り線間の支持面(面)12Bよりも傾斜が大きい傾斜面12Cとなる。
また、中傾斜折り線19Aと外傾斜折り線19Cとで囲まれた部分に支持脚部16Aが位置するとともに、中傾斜折り線19Bと外傾斜折り線19Dとで囲まれた部分に支持脚部16Bが位置するよう設定される。
【0044】
本実施形態のシュリンクフィルム付台紙10は、台紙12の前面に、被包装物としてチューブ状容器100を包装したシュリンクフィルム11が接着部13によって貼着され、チューブ状容器100の前方を遮ることなく、台紙12に固定することができる。
【0045】
本実施形態のシュリンクフィルム付台紙10において、包装される被包装物の一例としてチューブ状容器100を図示しているが、被包装物としてはこれに限定されない。
図2に破線により模式的に示すように、チューブ状容器100は、内容物が充填されている容器本体101と、注出部と、注出部に着脱自在に取り付け可能なキャップ部102とから構成されており、容器本体101およびキャップ部102に沿った方向(長手方向)に細長く、前後対称、左右対称の形状を有している。容器本体101は、柔軟性のある円筒中空状に形成され、その一端部に注出部が形成され、他端部は熱溶着により偏平状に閉塞されている。キャップ部102は、容器本体101よりも直径が小さく、先端側に向かって縮径した略円柱形状を有する。なお、シュリンクフィルム付台紙10において、チューブ状容器100は、キャップ部102を鉛直上方に向け、扁平状他端部が下方に向けて、長手方向が鉛直方向に沿うように支持されている。
【0046】
また、本実施形態のシュリンクフィルム付台紙10は、チューブ状容器100を支持して、載置面200上に自立させるものである。
載置面200は、シュリンクフィルム付台紙10に包装・支持されるチューブ状容器100を自立させる面であり、例えば、店頭で商品が並べられる一般的な商品棚やテーブル等の平坦な面が例示できる。あるいは、載置面200は緩やかな曲面や多少の凹凸がある面であってもよい。なお、シュリンクフィルム付台紙10で包装・自立してディスプレイされるチューブ状容器100は、載置面200に接触していてもよいし、非接触であってもよい。
【0047】
なお、本実施形態では、被包装物100が保持される側の台紙12の面を前面として、その厚さ方向(Y方向)に対して、前方および後方と呼称する。また、シュリンクフィルム付台紙10を自立させた状態においても、シュリンクフィルム付台紙10の前後に略沿った方向である前後方向をY方向、および、鉛直方向に略沿った方向である上下方向をZ方向、上下方向に略直交する方向である幅方向又は横方向をX方向として表現する。また、上下方向および前後方向に沿った長さを単に長さまたは間隔と称し、幅方向又は横方向に沿った長さを幅と称することがある。但し、これらの方向を示す用語は、シュリンクフィルム付台紙10の構成を説明するために用いるものであって、シュリンクフィルム付台紙10の構成要素と、方向との関係を限定するものではない。例えば、本実施形態に係るシュリンクフィルム付台紙10は、台紙12の後面が商品棚等の前方に向いて陳列されることがあってもよい。
【0048】
以下、本実施形態のシュリンクフィルム付台紙10の組み立て方について説明する。
図2は、本実施形態におけるシュリンクフィルム付台紙の組み立て状態を示す斜視図であり、図において、シュリンクフィルム11は省略してある。
【0049】
本実施形態のシュリンクフィルム付台紙10は、被包装物100が保持された状態で、平板状の台紙12を折り畳んで立体状に組み立てる。この際、折り線15A,15Bを山折りに、中傾斜折り線19A,19Bを山折りに、外傾斜折り線19C,19Dを山折りに、横折り線18を谷折りにする。そして、折り面部12D,12EがY方向後向きとなった状態で、固定部15E,15Fが台紙12の厚さ方向(Y方向)前側に突出する。
すると、シュリンクフィルム11に包まれた被包装物100が接着部13によって接着しているために、固定部15E,15Fが被包装物100に対して当接し、折り面部12D,12Eが前側に移動してしまうことが阻害される。これにより、シュリンクフィルム付台紙10は、立体状に組み立てられる。
【0050】
このとき、支持脚部16Aの下端と、支持脚部16Bの下端が載置面200に接触する状態となるとともに、後脚部16C,16Dが載置面200に接触することで、シュリンクフィルム付台紙10は、載置面200に自立した状態となる。
支持脚部16Aは、中央側先端16Aaから外側先端16Abまでが載置面200に接触するとともに、支持脚部16Bは、中央側先端16Baから外側先端16Bbまでが載置面200に接触することで、支持脚部16A,16Bが平行状態として離間した位置となり、安定に自立状態を維持することが可能となる。
【0051】
これにより、支持面12Bが、Z方向上側に向かってY方向後側に傾斜するように位置するとともに、傾斜面12Cが、支持面12Bよりも大きく傾斜する。同時に、支持面12Bと連接した表示面12Aも支持面12Bと同じように傾斜する。これにより、表示面12Aおよび支持面12Bに接着された被包装物100が後方に傾いた状態でシュリンクフィルム付台紙10および被包装物100を自立させることができる。
また、中傾斜折り線19Aと外傾斜折り線19Cとで囲まれた部分が、下側よりも上側がX方向よりもY方向側の外側に傾くとともに、中傾斜折り線19Bと外傾斜折り線19Dとで囲まれた部分にが、下側よりも上側がX方向よりもY方向側の外側に傾く。
このとき、シュリンクフィルム付台紙10および被包装物100の重心は、Y方向で支持脚部16A,16Bと後脚部16C,16Dとの間に位置する。
【0052】
本実施形態のシュリンクフィルム付台紙10は、枚葉の台紙12を折り線15A,15Bから折り曲げるだけで、折り線15A,15Bよりも外側の折り面部12D,12EがY方向後ろに折られて立体に組み立てられるとともに、支持脚部16A,16Bの全長が載置面200に接触することで、組み立てた状態での支持脚部16A,16BがY方向に延在した2本の線状で支持することができるため、この支持脚部16A,16Bを載置面200に当接させるだけで、支持面12Bが上端側が下端側よりもY方向後ろ側に傾斜した状態で自立させることが可能となる。これにより、表示面12Aも支持面12Bが傾斜していることで、この表示面12Aおよび支持面12Bに接着部13によって接着された筒状シュリンクフィルム11により保持された被包装物100を、その上端側が下端側よりも後側に傾斜した状態で自立させることが可能となる。これにより、自立できない形状の被包装物であっても安定して自立させることが可能となる。
【0053】
本実施形態のシュリンクフィルム付台紙10は、折り線15A,15Bと、切り込み15C,15Dと、横切り込み17A,17Bと、横折り線18と、中傾斜折り線19A,19Bと、外傾斜折り線19C,19Dと、を折り曲げて立体とすることで、台紙12が枚葉の平板状から立体に組み立てることができるので、搬送時には台紙12を平板状として省スペース化を図り、陳列時には立体的に組み立てる状態として視認性を向上することが容易に可能となる。
【0054】
以下、本発明に係るシュリンクフィルム付台紙の第2実施形態を、図面に基づいて説明する。
図3は、本実施形態におけるシュリンクフィルム付台紙を示す平面図であり、図において、符号20は、シュリンクフィルム付台紙である。
【0055】
本実施形態のシュリンクフィルム付台紙20が、第11実施形態と異なるのは、中傾斜切り込み(傾斜切り込み)29A,29Bに関する点および、固定部25C,25Dに関する点、そして、横折り線18と外傾斜折り線19C,19Dとがない点であり、これ以外の対応する構成については、同一の符号を付してその説明を省略得する。
【0056】
本実施形態のシュリンクフィルム付台紙20においては、図3に示すように、切り込み25C,25Dの形状が円弧ではなく直線を組み合わせた形状とされているがX方向中心線14側に突出する輪郭形状とされて、固定部15E,15Fと同様に、固定部25E,25Fが折り線15A,15Bから折った際に、前方に突出するようになっている。
【0057】
また、横折り線18と外傾斜折り線19C,19Dとが設けられていないとともに、中傾斜折り線19A,129Bに代えて、中傾斜切り込み29A,29Bが設けられ、その下端29Ab,29Bbが、Z方向下側に延長された下切り込み29C,29Dとして台紙12の縁部まで連続している。中傾斜切り込み29A,29Bの上端は、折り線15A,15Bの下端29Ab,29Bbと接続されており、下切り込み(傾斜切り込み)29C,29Dは、支持脚部16A,16Bの内側輪郭線をなしている。また、下切り込み29C,29Dの幅方向(X方向)内側面部22Dは、中傾斜切り込み29A,29Bの幅方向(X方向)内側面部22Cおよび支持面12Bと連続しており、同一平面を張るようになっている。支持脚部16A,16Bは、中傾斜切り込み29A,29Bおよび下切り込み29C,29Dより幅方向外側に位置する。
【0058】
本実施形態のシュリンクフィルム付台紙20においては、第1実施形態と同様にして、折り線15A,15Bを折り曲げて立体とした際には、支持脚部16A,16Bと折り面部12D,12Eが一体となって移動し、支持脚部16A,16Bが、固定部25E,25Fと同様に、同一面とされる内側面部22Dと内側面部22Cと支持面12Bよりも前側位置となり、同時に、折り面部12D,12Eの後脚部16C,16Dが内側面部22Dと内側面部22Cと支持面12Bよりも後側位置となる。これにより、傾斜状態となった内側面部22Dと内側面部22Cと支持面12Bとを支持可能とできることで、シュリンクフィルム付台紙20および被包装物100を後方に傾いた状態で自立させることができる。
【0059】
本実施形態のシュリンクフィルム付台紙20においては、前述の第1実施形態と同等の効果を奏するとともに、形成される折り面が少ないため、中傾斜切り込み29A,29B、下切り込み29C,29D等の位置設定に関する自由度を向上することが可能である。
【0060】
上述した実施形態においては、接着部13が台紙12の中心線14と一致する構成としたが、これに限られるものではなく、被包装物の形状、あるいはデザイン性を考慮して、接着部13の中心位置が台紙12の中心線14から外れた構成とすることもできる。
【符号の説明】
【0061】
10,20…シュリンクフィルム付台紙
11…シュリンクフィルム
12…台紙
12A…表示面
12B…支持面
12C…傾斜面
13…接着部
14…中心線
15A,15B…折り線
15C,15D…切り込み
15E,15F…固定部
16A,16B…支持脚部
16C,16D…後脚部
17A,17B…横切り込み
18…横折り線
19A,19B…中傾斜折り線
19C,19D…外傾斜折り線
29A,29B…中傾斜切り込み
29C,29D…下切り込み
100…被包装物
図1
図2
図3