特許第6326873号(P6326873)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6326873
(24)【登録日】2018年4月27日
(45)【発行日】2018年5月23日
(54)【発明の名称】冷気循環式ショーケース
(51)【国際特許分類】
   A47F 3/04 20060101AFI20180514BHJP
   F25D 11/00 20060101ALI20180514BHJP
   F25D 29/00 20060101ALI20180514BHJP
【FI】
   A47F3/04 H
   F25D11/00 101C
   F25D29/00 A
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-46640(P2014-46640)
(22)【出願日】2014年3月10日
(65)【公開番号】特開2015-167797(P2015-167797A)
(43)【公開日】2015年9月28日
【審査請求日】2017年2月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161562
【弁理士】
【氏名又は名称】阪本 朗
(72)【発明者】
【氏名】武 紀之
【審査官】 大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−323286(JP,A)
【文献】 特開平07−029057(JP,A)
【文献】 特開2009−216291(JP,A)
【文献】 特開2003−294359(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 3/04
F25D 11/00
F25D 29/00
F25D 17/08
G07F 9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース本体の外箱と内箱との間に形成した冷気循環通路に冷却手段および冷気循環ファンを設け、前記冷却手段および前記冷気循環ファンを運転して冷却した冷気を前記冷気循環通路の冷気吹出口から吹き出させて庫内を冷却し、前記冷気吹出口に対向させて形成した吸込口から吸い込ませるようにして前記庫内に冷気を循環送風して冷却する冷気循環式ショーケースにおいて、前記冷気吹出口が設けられている側の内箱側壁に、当該壁面を庫内側に膨出させることにより形成されるとともにその内部空間が庫内に連通する態様の凹部を設け、前記庫内の温度を検知する庫内温度センサを、断熱部材を介して前記内箱側壁に設けた庫内側に突出する壁面により覆われた凹部内に前記内箱壁面から離隔する態様で配置して取り付けたことを特徴とする冷気循環式ショーケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却手段で冷却した冷気を冷気循環通路から庫内に循環送風して陳列している商品を冷却する冷気循環式ショーケースに関する。
【背景技術】
【0002】
冷気循環式ショーケースは、断熱筐体から成るケース本体の外箱と内箱との間に形成した冷気循環通路に冷却手段および冷気循環ファンを設け、冷却運転時には、冷却手段および冷気循環ファンを運転して冷却した冷気を冷気循環通路から庫内に循環送風して庫内に陳列している商品を冷却するようにしている。
【0003】
このような冷気循環式ショーケースでは、陳列している商品が常に適切な温度で冷却されていることを確認するため、庫内に温度計を取り付け、庫内の温度を温度計で表示させるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、図4および図5に示しているように、庫内4の温度を検知する庫内温度センサ32を内箱3の壁面を構成する背面パネル板金31にねじ35にてセンサ取付金具41で取り付け、この庫内温度センサ32が検知して出力する温度信号に基づいて外箱2の上壁21に設けている庫内温度表示部24に庫内温度を表示させるようにした冷気循環式ショーケース40もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−323286号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した冷気循環式ショーケース40では、庫内温度センサ32を背面パネル板金31にセンサ取付金具41で取り付けているため、冷気循環通路5に設けられている冷却手段6で冷却されて冷気循環ファン7で冷気吹出口8から吸込口9へと循環送風している冷気で直接冷やされている背面パネル板金31の温度を庫内温度センサ32が検知することになり、この場合、庫内温度表示部24に表示される温度が庫内4の実際の温度より低く表示される虞がある。そして、庫内温度表示部24に庫内4の実際の温度より低い温度が表示されると、庫内4が冷えすぎているとして庫内温度の設定を上げてしまうことになり、冷気循環式ショーケース40の庫内4が適切な温度範囲から逸脱してしまう虞が生じる。
【0007】
また、庫内4に配置する商品陳列ケース10を着脱する際、庫内温度センサ32に商品陳列ケース10が当たるなどの不都合により、庫内温度センサ32を破損させてしまう虞があった。
【0008】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、庫内温度を正確に検知し、庫内温度センサが破損することのない冷気循環式ショーケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係る冷気循環式ショーケースは、ケース本体の外箱と内箱との間に形成した冷気循環通路に冷却手段および冷気循環ファンを設け、前記冷却手段および前記冷気循環ファンを運転して冷却した冷気を前記冷気循環通路の冷気吹出口から吹き出させて庫内を冷却し、前記冷気吹出口に対向させて形成した吸込口から吸い込ませるようにして前記庫内に冷気を循環送風して冷却する冷気循環式ショーケースにおいて、前記冷気吹出口が設けられている側の内箱側壁に、当該壁面を庫内側に膨出させることにより形成されるとともにその内部空間が庫内に連通する態様の凹部を設け、前記庫内の温度を検知する庫内温度センサを、断熱部材を介して前記内箱側壁に設けた庫内側に突出する壁面により覆われた凹部内に前記内箱壁面から離隔する態様で配置して取り付けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、ケース本体の外箱と内箱との間に形成した冷気循環通路に冷却手段および冷気循環ファンを設け、前記冷却手段および前記冷気循環ファンを運転して冷却した冷気を前記冷気循環通路の冷気吹出口から吹き出させて庫内を冷却し、前記冷気吹出口に対向させて形成した吸込口から吸い込ませるようにして前記庫内に冷気を循環送風して冷却する冷気循環式ショーケースにおいて、前記冷気吹出口が設けられている側の内箱側壁に、当該壁面を庫内側に膨出させることにより形成されるとともにその内部空間が庫内に連通する態様の凹部を設け、前記庫内の温度を検知する庫内温度センサを、断熱部材を介して前記内箱側壁に設けた庫内側に突出する壁面により覆われた凹部内に前記内箱壁面から離隔する態様で配置して取り付けたことにより、庫内温度を正確に検知し、庫内温度センサが破損することのない冷気循環式ショーケースを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態である冷気循環式ショーケースの内部構造を側方から見た場合を模式的に示す断面側面図である。
図2図1に示した冷気循環式ショーケースの庫内温度センサの取付構造を模式的に示し、図2(a)はその断面側面図、図2(b)は正面図である。
図3図2に示したセンサ取付部材を示し、図3(a)はその側面図、図3(b)は正面図である。
図4】従来の冷気循環式ショーケースの内部構造を側方から見た場合を模式的に示す断面側面図である。
図5図4に示した冷気循環式ショーケースの庫内温度センサの取付構造を模式的に示し、図5(a)はその断面側面図、図5(b)は正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る冷気循環式ショーケースの好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、従来と同一構成に関しては同一符号を用いる。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態である冷気循環式ショーケースの内部構造を側方から見た場合を模式的に示す断面側面図である。
【0016】
図に示すように、冷気循環式ショーケース1は、断熱筐体から成るケース本体の外箱2と、上面を開放し且つ内側に庫内4を形成する内箱3と、外箱2と内箱3との間に内箱3を取り巻くように形成される冷気循環通路5と、から構成されている。
【0017】
この冷気循環通路5には、冷却手段6および冷気循環ファン7が設けられ、冷気循環通路5の両端は庫内4を挟む態様で冷気吹出口8および庫内空気の吸込口9が対向するようにして開口している。また、庫内4には、商品を陳列する商品陳列ケース10が配置される。
【0018】
さらに、外箱2は上壁21で開口部22を上面に形成し、上壁21の周囲はアクリルフェンス23で覆われるとともに、上壁21の上面には庫内4の温度を表示するための庫内温度表示部24が設けられている。この庫内温度表示部24で表示される温度は、内箱3の冷気吹出口8が設けられている側の側壁を構成する背面パネル板金31に取り付けられている庫内温度センサ32が検知して出力する温度信号に基づいて庫内4の温度が表示される。
【0019】
そして、冷却運転時には、冷却手段6および冷気循環ファン7を運転し、吸込口9から吸い込んだ庫内空気を冷却手段6で冷却した冷気を冷気循環ファン7で冷気循環通路5の冷気吹出口8から庫内4に循環送風して庫内4の商品陳列ケース10に陳列している商品を冷却するようにしている。
【0020】
ここで庫内4の温度を検知する庫内温度センサ32の取付構造について図2図3を用いて詳細に説明する。
【0021】
図2は、図1に示した冷気循環式ショーケースの庫内温度センサの取付構造を模式的に示し、図2(a)はその断面側面図、図2(b)は正面図である。また、図3は、図2に示したセンサ取付部材を示し、図3(a)はその側面図、図3(b)は正面図である。
【0022】
図2および図3に示しているように、庫内温度センサ32はナイロンクランプ(断熱部材)33を介してねじ35でセンサ取付金具34に取り付けられている。また、背面パネル板金31には凹部31aが設けられている。そして、センサ取付金具34がねじ35で背面パネル板金31に取り付けられることで、庫内温度センサ32は、凹部31a内に収容される態様で取り付けられる。
【0023】
このように、庫内4の温度を検知して温度信号を出力する庫内温度センサ32をナイロンクランプ(断熱部材)33を介して、内箱3の冷気吹出口8が設けられている側の側壁を構成する背面パネル板金31の凹部31aに取り付けることで、庫内4の温度を正確に検知し、庫内温度センサ32が破損することのない冷気循環式ショーケース1を提供することができる。
【0024】
また、庫内温度センサ32が背面パネル板金31の凹部31a内に収容される態様で取り付けられることで、庫内4に配置される商品陳列ケース10の着脱から庫内温度センサ32を保護することで、庫内温度センサ32が破損することのない冷気循環式ショーケース1を提供することができる。
【0025】
以上説明したように本発明によれば、ケース本体の外箱2と内箱3との間に形成した冷気循環通路5に冷却手段6および冷気循環ファン7を設け、前記冷却手段6および前記冷気循環ファン7を運転して冷却した冷気を前記冷気循環通路5の冷気吹出口8から吹き出させて庫内4を冷却し、前記冷気吹出口8に対向させて形成した吸込口9から吸い込ませるようにして前記庫内4に冷気を循環送風して冷却する冷気循環式ショーケースにおいて、前記冷気吹出口8が設けられている側の内箱3側壁を構成する背面パネル板金31に、当該背面パネル板金31の壁面を庫内4側に膨出させることにより形成されるとともにその内部空間が庫内4に連通する態様の凹部31aを設け、庫内4の温度を検知する庫内温度センサ32を、ナイロンクランプ(断熱部材)33を介して前記内箱側壁(背面パネル板金31)に設けた庫内4側に突出する壁面により覆われた凹部31a内に前記内箱壁面(背面パネル板金31)から離隔する態様で配置して取り付けたことにより、庫内4の温度を正確に検知し、庫内温度センサ32が破損することのない冷気循環式ショーケース1を提供することが可能となる。
【0026】
また、庫内温度センサ32は、凹部31a内に収容される態様で取り付けられることで、庫内4に配置される商品陳列ケース10の着脱から庫内温度センサ32を保護することにより、庫内温度センサ32が破損することのない冷気循環式ショーケース1を提供することが可能となる。
【0027】
さらに、センサ取付金具34は、ねじ35に替えて、溶接にて背面パネル板金31に取り付けられるようにしてもよい。
【0028】
なお、図示実施例は平型冷気循環式ショーケースを実施対象として説明したが、本発明を適用する冷気循環式ショーケースは平型冷気循環式ショーケースに限定されるものではなく、前面扉付きのリーチイン型冷気循環式ショーケースや冷気循環式オープンショーケースおよび冷凍庫においても同様に実施適用することが可能である。
【符号の説明】
【0029】
1 冷気循環式ショーケース
2 外箱
3 内箱
4 庫内
5 冷気循環通路
6 冷却手段
7 冷気循環ファン
8 冷気吹出口
9 吸込口
10 商品陳列ケース
24 庫内温度表示部
31 背面パネル板金
31a 凹部
32 庫内温度センサ
33 ナイロンクランプ(断熱部材)
34 センサ取付金具
40 冷気循環式ショーケース
41 センサ取付金具
図1
図2
図3
図4
図5