(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6327093
(24)【登録日】2018年4月27日
(45)【発行日】2018年5月23日
(54)【発明の名称】除湿機
(51)【国際特許分類】
B01D 53/26 20060101AFI20180514BHJP
F24F 11/70 20180101ALI20180514BHJP
F24F 11/86 20180101ALI20180514BHJP
H02P 21/00 20160101ALI20180514BHJP
H02P 27/00 20060101ALI20180514BHJP
【FI】
B01D53/26 100
F24F11/02 102S
H02P21/00
H02P27/00
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-203361(P2014-203361)
(22)【出願日】2014年10月1日
(65)【公開番号】特開2016-68064(P2016-68064A)
(43)【公開日】2016年5月9日
【審査請求日】2017年7月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142642
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 次郎
(72)【発明者】
【氏名】新井 知史
(72)【発明者】
【氏名】壁田 知宜
(72)【発明者】
【氏名】若井 寛
(72)【発明者】
【氏名】中村 博史
【審査官】
神田 和輝
(56)【参考文献】
【文献】
特開平2−93236(JP,A)
【文献】
特開2006−320105(JP,A)
【文献】
特開2007−181352(JP,A)
【文献】
特開2009−236445(JP,A)
【文献】
特開2015−187521(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0102405(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/26−53/28
F24F 1/00−5/00
F24F 7/00−11/08
H02P 6/00−6/34
H02P 21/00−27/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
除湿機筐体と、
前記除湿機筐体内に室内空気を吸い込んで乾燥空気を排出する気流を発生させる送風機と、
冷媒を圧縮する圧縮機を有し、前記冷媒を用いて前記室内空気に含まれる水分を除去して前記乾燥空気を生成する除湿部と、
前記室内空気の湿度を検出する湿度センサと、
前記室内空気の温度を検出する温度センサと、
前記送風機と前記除湿部を制御する制御部とを備え、
前記圧縮器の回転子の磁束方向成分の励磁電流成分がd軸電流であり、
前記制御部は、
設定条件に基づいて運転ランクを決定し、決定した前記運転ランクに対応する圧縮機周波数指令値と送風機回転数指令値を出力する運転ランク決定部と、
前記送風機の回転数が前記送風機回転数指令値を満たすように前記送風機を駆動する送風機駆動部と、
前記室内空気の湿度、前記室内空気の温度、前記圧縮機の運転周波数、及び前記送風機の回転数の数値範囲とそれらの数値範囲において前記圧縮機の運転効率が最も高くなるd軸電流の値が記述されたテーブルと、
前記湿度センサによる検出湿度、前記温度センサによる検出温度、前記圧縮機周波数指令値、及び前記送風機回転数指令値に対応するd軸電流の値を前記テーブルから読み出してd軸電流指令値として出力するd軸電流決定部と、
前記d軸電流が前記d軸電流指令値を満たしつつ、前記圧縮機の運転周波数が前記圧縮機周波数指令値を満たすような三相電流を前記圧縮機に供給する圧縮機駆動部とを備えることを特徴とする除湿機。
【請求項2】
前記d軸電流決定部は、前記圧縮機周波数指令値が下がった場合は一定の時間だけ遅延させてから前記d軸電流指令値を下げることを特徴とする請求項1に記載の除湿機。
【請求項3】
前記d軸電流決定部は、起動時には、前記検出湿度、前記検出温度、前記圧縮機周波数指令値、及び前記送風機回転数指令値に関わらず、予め決められた値の前記d軸電流指令値を出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の除湿機。
【請求項4】
除湿機筐体と、
前記除湿機筐体内に室内空気を吸い込んで乾燥空気を排出する気流を発生させる送風機と、
冷媒を圧縮する圧縮機を有し、前記冷媒を用いて前記室内空気に含まれる水分を除去して前記乾燥空気を生成する除湿部と、
前記室内空気の湿度を検出する湿度センサと、
前記室内空気の温度を検出する温度センサと、
前記送風機と前記除湿部を制御する制御部とを備え、
前記圧縮器の回転子の磁束方向成分の励磁電流成分がd軸電流であり、
前記励磁電流成分から90度位相の進んだトルク電流成分がq軸電流であり、
前記制御部は、
設定条件に基づいて運転ランクを決定し、決定した前記運転ランクに対応する圧縮機周波数指令値と送風機回転数指令値を出力する運転ランク決定部と、
前記送風機の回転数が前記送風機回転数指令値を満たすように前記送風機を駆動する送風機駆動部と、
前記室内空気の湿度、前記室内空気の温度、前記圧縮機の運転周波数、及び前記送風機の回転数の数値範囲とそれらの数値範囲において前記圧縮機の運転効率が最も高くなるd軸電流の値が記述されたテーブルと、
前記湿度センサによる検出湿度、前記温度センサによる検出温度、前記圧縮機周波数指令値、及び前記送風機回転数指令値に対応するd軸電流の値を前記テーブルから読み出して第1のd軸電流指令値として出力する第1のd軸電流決定部と、
前記q軸電流に対応するd軸電流を計算して第2のd軸電流指令値として出力する第2のd軸電流決定部と、
前記第1のd軸電流指令値と前記第2のd軸電流指令値の一方を選択して第3のd軸電流指令値として出力するd軸電流選択部と、
前記d軸電流が前記第3のd軸電流指令値を満たしつつ、前記圧縮機の運転周波数が前記圧縮機周波数指令値を満たすような三相電流を前記圧縮機に供給する圧縮機駆動部とを備えることを特徴とする除湿機。
【請求項5】
前記第1のd軸電流指令値が変化した場合、前記d軸電流選択部は、まず前記第2のd軸電流指令値を選択し、一定の時間経過してから前記第1のd軸電流指令値を選択することを特徴とする請求項4に記載の除湿機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、効率的な運転を行うことができる除湿機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の空調機では、圧縮機が回転するためのトルク等から計算したd軸電流により圧縮機を駆動していた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4053968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、トルク優先の運転を行っていたため、消費電力が高く運転効率が悪いという問題があった。
【0005】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は効率的な運転を行うことができる除湿機を得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る除湿機は、除湿機筐体と、前記除湿機筐体内に室内空気を吸い込んで乾燥空気を排出する気流を発生させる送風機と、冷媒を圧縮する圧縮機を有し、前記冷媒を用いて前記室内空気に含まれる水分を除去して前記乾燥空気を生成する除湿部と、前記室内空気の湿度を検出する湿度センサと、前記室内空気の温度を検出する温度センサと、前記送風機と前記除湿部を制御する制御部とを備え、前記圧縮器の回転子の磁束方向成分の励磁電流成分がd軸電流であり、前記制御部は、設定条件に基づいて運転ランクを決定し、決定した前記運転ランクに対応する圧縮機周波数指令値と送風機回転数指令値を出力する運転ランク決定部と、前記送風機の回転数が前記送風機回転数指令値を満たすように前記送風機を駆動する送風機駆動部と、前記室内空気の湿度、前記室内空気の温度、前記圧縮機の運転周波数、及び前記送風機の回転数の数値範囲とそれらの数値範囲において前記圧縮機の運転効率が最も高くなるd軸電流の値が記述されたテーブルと、前記湿度センサによる検出湿度、前記温度センサによる検出温度、前記圧縮機周波数指令値、及び前記送風機回転数指令値に対応するd軸電流の値を前記テーブルから読み出してd軸電流指令値として出力するd軸電流決定部と、前記d軸電流が前記d軸電流指令値を満たしつつ、前記圧縮機の運転周波数が前記圧縮機周波数指令値を満たすような三相電流を前記圧縮機に供給する圧縮機駆動部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、室内空気の湿度、室内空気の温度、圧縮機の運転周波数、及び送風機の回転数の数値範囲とそれらの数値範囲において前記圧縮機の運転効率が最も高くなるd軸電流の値が記述されたテーブルを設けている。そして、その時点での条件に対応するd軸電流の値をテーブルから読み出して、d軸電流がこの値を満たしつつ、圧縮機の運転周波数が圧縮機周波数指令値を満たすような三相電流を圧縮機に供給する。これにより効率的な運転を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る除湿機を示す断面図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る除湿機を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施の形態1に係る除湿部を示す斜視図である。
【
図4】本発明の実施の形態1に係る除湿部を示すブロック図である。
【
図5】本発明の実施の形態1に係る制御部を示すブロック図である。
【
図6】本発明の実施の形態1に係る圧縮機駆動部を示すブロック図である。
【
図7】本発明の実施の形態2に係る制御部を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施の形態に係る除湿機について図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0010】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る除湿機を示す断面図である。
図2は本発明の実施の形態に係る除湿機を示すブロック図である。除湿機筐体1は自立可能に構成されている。送風機2は、吸込口3から除湿機筐体1内に室内空気Aを吸い込んで、排気口4から室内に乾燥空気Bを排出する気流を発生させる。送風機2は送風ファンとそれを回転させるファンモーターを有する。
【0011】
除湿部5は、冷媒を用いて室内空気Aに含まれる水分を除去して乾燥空気Bを生成する。貯水タンク6は、除湿機筐体1に着脱可能に取り付けられ、室内空気Aから除去された水分を溜める。
【0012】
除湿機筐体1の上面に操作部7が設けられている。操作部7は、除湿機の電源スイッチと、運転モードを選択する選択部と、使用者が所望の設定湿度を入力する入力部とを有する。湿度センサ8、温度センサ9、及び制御部10が除湿機筐体1内に設けられている。湿度センサ8は室内空気Aの湿度を検出し、温度センサ9は室内空気Aの温度を検出する。制御部10は、操作部7の電源スイッチがONになり、運転モードとして除湿モードが選択されたことを検知すると、室内空気の湿度が設定湿度になるように送風機2と除湿部5を制御する。
【0013】
図3は本発明の実施の形態1に係る除湿部を示す斜視図である。
図4は本発明の実施の形態1に係る除湿部を示すブロック図である。圧縮機11、凝縮器12、減圧装置13及び蒸発器14が配管によって順に接続されて冷媒回路を構成している。圧縮機11が駆動されることにより冷媒が冷媒回路内を循環する。具体的には、まず圧縮機11が冷媒を圧縮する。次に、圧縮機11で圧縮された冷媒を凝縮器12が冷却する。次に、凝縮器12で冷却された冷媒を減圧装置13が減圧膨張させる。次に、蒸発器14が、減圧装置13で減圧膨張された冷媒への吸熱を行うことで室内空気Aに含まれる水分を結露させて除去する。なお、減圧装置13はここではキャピラリーチューブであるが、これに限らず他の減圧装置でもよい。
【0014】
図5は本発明の実施の形態1に係る制御部を示すブロック図である。運転ランク決定部15は、運転モードとして除湿モードが選択されたことを検知すると、設定湿度、湿度センサ8による検出湿度、及び温度センサ9による検出温度などの設定条件に基づいて運転ランクを決定する。そして、運転ランク決定部15は、決定した運転ランクに対応する圧縮機周波数指令値と送風機回転数指令値を出力する。送風機駆動部16は、送風機2の回転数が送風機回転数指令値を満たすように送風機2を駆動する。
【0015】
ここで、圧縮機周波数指令値は目標とする圧縮機11の運転周波数(Hz)であり、送風機回転数指令値は目標とする送風機2の回転数(rpm)である。運転ランクごとに圧縮機周波数指令値及び送風機回転数指令値が定められており、運転ランクが高くなるほどそれに対応する圧縮機周波数指令値及び送風機回転数指令値も大きくなる。そして、圧縮機11の運転周波数が大きく、送風機2の回転数が大きいほど、除湿機の除湿能力が高くなる。以下の表1に、運転ランクとそれに対応する圧縮機周波数指令値及び送風機回転数指令値の一例を示す。
【0017】
テーブル17には、室内空気の湿度、室内空気の温度、圧縮機11の運転周波数、及び送風機2の回転数の数値範囲とそれらの数値範囲において前記圧縮機の運転効率が最も高くなるd軸電流の値が記述されている。ここで、圧縮器11の回転子の磁束方向成分の励磁電流成分がd軸電流であり、励磁電流成分から90度位相の進んだトルク電流成分がq軸電流である。
【0018】
除湿部の冷媒回路内の冷媒の圧力、即ち圧縮機の運転負荷は室内空気の湿度、室内空気の温度、及び送風機の送風量により変化するため、それらの数値範囲ごとに圧縮機の運転負荷を予測し、適切なd軸電流の値をテーブル17に記述している。d軸電流が小さければ圧縮機11の消費電力は小さくなるが、冷媒回路内の冷媒の圧力に対してd軸電流が不足するとd軸電圧が不足し、圧縮機11のモータの相電流が増加して過電流となる。この結果、安全装置が起動して除湿機の動作が停止してしまう。従って、テーブル17で設定されたd軸電流の値は、各条件においてd軸電流が不足せず、かつ圧縮機11の消費電力が最も少なくなるような値である。
【0019】
以下の表2はテーブル17の一例である。ただし、運転ランクごとに圧縮機11の運転周波数と送風機2の回転数がセットで決まっているため、以下の表では送風機2の回転数は省略している。
【0021】
d軸電流決定部18は、湿度センサ8による検出湿度、温度センサ9による検出温度、圧縮機周波数指令値、及び送風機回転数指令値に対応するd軸電流の値をテーブル17から読み出してd軸電流指令値として出力する。圧縮機駆動部19は、d軸電流がd軸電流指令値を満たしつつ、圧縮機11の運転周波数が圧縮機周波数指令値を満たすような三相電流を圧縮機11に供給する。
【0022】
d軸電流の更新間隔は例えば1秒毎である。ただし、圧縮機11による冷媒の圧力の変化には時間がかかるため、変化時間を考慮してd軸電流を変化させる必要がある。そこで、d軸電流決定部18は、圧縮機周波数指令値が上がった場合はすぐにd軸電流指令値を上げるが、圧縮機周波数指令値が下がった場合は一定の時間(例えば3分間)だけ遅延させてからd軸電流指令値を下げる。また、d軸電流決定部18は、起動時には、検出湿度、検出温度、圧縮機周波数指令値、及び送風機回転数指令値に関わらず、予め決められた値のd軸電流指令値を出力する。これらの遅延時間や起動時の動作時間は計時部20により計時する。
【0023】
図6は本発明の実施の形態1に係る圧縮機駆動部を示すブロック図である。この圧縮機駆動部19の構成は汎用的なインバータ装置の制御手法として用いられるものであり、制御軸(γ−δ軸)上の磁束を一定に保つように制御する一次磁束制御の例を示したものである。一般的なベクトル制御においては、3相電流をd軸電流とq軸電流のd−q座標に変換する。ただし、ここで示した一次磁束制御では正確な回転子位置を検出していないため、d−q座標が正確に得られない。このため、推定したd−q座標として制御上の座標系としてγ−δ座標を用いる。
【0024】
積分器21は、一次角周波数ω
1を積分して電気角位相θ
mを得る。第1の座標変換部22は、電気角位相θ
mを用いて3相電流のうち2相I
u,I
vをγ軸電流I
γとδ軸電流I
δに変換する。周波数補償器23は、δ軸電流I
δの変動に応じて、圧縮機周波数指令値ω
*を補償するための周波数補償量Δωを求める。周波数誤差演算部24は、圧縮機周波数指令値ω
*から周波数補償量Δωを差し引いて、電圧ベクトルの一次角周波数ω
1を求める。電圧指令演算部25は、一次角周波数ω
1、γ軸電流指令値I
γ*、γ軸電流I
γ、δ軸電流I
δを用いて、圧縮機11の運転周波数が圧縮機周波数指令値ω
*を満たすように圧縮機11を駆動するための電圧指令値V
γ*,V
δ*を制御演算式により求める。第2の座標変換部26は、電気角位相θ
mを用いて、電圧指令値V
γ*,V
δ*を制御電圧V
uvwに変換する。インバータ27は制御電圧V
uvwに基づいて3相電流I
u,I
v,I
wを圧縮機11に出力する。
【0025】
以上説明したように、本実施の形態では、室内空気の湿度、室内空気の温度、圧縮機11の運転周波数、及び送風機2の回転数の数値範囲とそれらの数値範囲において前記圧縮機の運転効率が最も高くなるd軸電流の値が記述されたテーブル17を設けている。そして、その時点での条件に対応するd軸電流の値をテーブル17から読み出し、d軸電流がこの値を満たしつつ、圧縮機11の運転周波数が圧縮機周波数指令値を満たすような三相電流を圧縮機11に供給する。これにより消費電力が少ない効率的な運転を行うことができる。
【0026】
実施の形態2.
図7は本発明の実施の形態2に係る制御部を示すブロック図である。実施の形態1のd軸電流決定部18と計時部20の代わりに、第1のd軸電流決定部28、第2のd軸電流決定部29、d軸電流選択部30、及び計時部31が設けられている。その他の構成は実施の形態1と同様である。
【0027】
第1のd軸電流決定部28は、湿度センサ8による検出湿度、温度センサ9による検出温度、圧縮機周波数指令値、及び送風機回転数指令値に対応するd軸電流の値をテーブル17から読み出して第1のd軸電流指令値として出力する。
【0028】
第2のd軸電流決定部29は、q軸電流に対応するd軸電流を計算して第2のd軸電流指令値として出力する。d軸電流選択部30は、第1のd軸電流指令値と第2のd軸電流指令値の一方を選択して第3のd軸電流指令値として出力する。そして、実施の形態1と同様に、圧縮機駆動部19は、d軸電流が第3のd軸電流指令値を満たしつつ、圧縮機11の運転周波数が圧縮機周波数指令値を満たすような三相電流を圧縮機11に供給する。
【0029】
ここで、d軸電流選択部30が第2のd軸電流指令値を選択した場合、第1のd軸電流指令値を選択した場合に比べて、圧縮機11の運転効率が低くなり、圧縮機11のトルクは高くなる。そこで、第1のd軸電流指令値が変化した場合、d軸電流選択部30は、まずトルクが高くなる第2のd軸電流指令値を選択し、一定の時間経過してから運転効率が高くなる第1のd軸電流指令値を選択する。その遅延時間は計時部31により計時する。これにより、圧縮機11による冷媒の圧力の変化速度を向上させつつ、消費電力が少ない効率的な運転を行うことができる。
【符号の説明】
【0030】
1 除湿機筐体、2 送風機、5 除湿部、8 湿度センサ、9 温度センサ、10 制御部、11 圧縮機、12 凝縮器、13 減圧装置、14 蒸発器、15 運転ランク決定部、16 送風機駆動部、17 テーブル、18 d軸電流決定部、19 圧縮機駆動部、28 第1のd軸電流決定部、29 第2のd軸電流決定部、30 d軸電流選択部