特許第6327422号(P6327422)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6327422
(24)【登録日】2018年4月27日
(45)【発行日】2018年5月23日
(54)【発明の名称】吸着板
(51)【国際特許分類】
   F16B 47/00 20060101AFI20180514BHJP
【FI】
   F16B47/00 K
【請求項の数】1
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-10099(P2016-10099)
(22)【出願日】2016年1月21日
(65)【公開番号】特開2016-161131(P2016-161131A)
(43)【公開日】2016年9月5日
【審査請求日】2016年1月26日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0030928
(32)【優先日】2015年3月5日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2015-0145865
(32)【優先日】2015年10月20日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516022091
【氏名又は名称】シーピーシー カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ソン,スン ヨン
【審査官】 葛原 怜士郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−223318(JP,A)
【文献】 実開昭52−170971(JP,U)
【文献】 実開昭47−033470(JP,U)
【文献】 特開2011−094715(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0168523(US,A1)
【文献】 特表2007−536475(JP,A)
【文献】 米国特許第02055397(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央部と、前記中央部の側端に一体に連結形成され、外側方向に延長形成される延長部とからなるパッドと、前記中央部の上端から垂直方向に形成される連結部と、前記パッドの延長部の下部面に付着した粘着性の吸着バンドと、を備え、前記パッドは、付着対象面に接触した状態で、下方向へ外力を受けた後、その外力が解除すると、上方向への復元力を有するように形成され、
前記吸着バンドの下部面の外周縁に沿って下方に突出する円形リング状の突出部が形成されており、
前記延長部の上部面には、前記中央部と前記延長部との境界部分に、前記パッドの復元力のための円形切開溝が形成されており、
前記パッドの延長部の上部面及び下部面の少なくとも一つの面には、前記パッドの復元力のための複数の線形切開溝が前記パッドの外周縁に向かって放射状に形成されており、
前記吸着バンドは、上部面が前記パッドの延長部に付着した状態で、下部面が水平であることを特徴とする吸着板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、据置台用の吸着板に関し、特に、下部面の外郭に沿って吸着バンドが付着したパッドが、付着対象面に接触した状態で、下方向へ外力を受けた後、この外力が解除されると、上方向に復元力を有するように構成し、使用者がパッドを付着対象面に加圧してから離すと、前記パッドの外郭部分は、吸着バンドにより、付着対象面に付着固定され、吸着バンドが付着していない中央部分は、復元力により上方向へ盛り上がるようにすることにより、前記パッドの中央部分と付着対象面との間に真空状態が発生し、パッドを付着対象面に強く付着させることができる据置台用の吸着板に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、車両には、ナビゲーター、小型コンピュータ、コップ受け台、携帯電話スタンド、及び便宜品を装着するための様々な据置台が用いられている。また、家庭において用いられるタオル等の多様な必須品を掛けるために、様々な据置台が用いられている。
【0003】
このように用いられる据置台は、車両の外観または建物の室内壁等を損傷させないながら物品を結合するために、吸盤の原理を用いた吸着板を用いており、吸着板をガラスや胴体に容易に付着させるために、作動レバーを用いて、吸着板の中心部を引っ張る方式を用いている。
【0004】
車両に用いられる据置台の例を挙げると、通常の据置台用の吸着板は、作動レバーを用いて、吸着板の中心部を引っ張っていないときは、車両に付着せず、作動レバーを引っ張らなければ、ナビゲーター、LCD、及びその他の便宜品を車両に据え置くことができない。これは、吸着板が透明なゴムまたはプラスチックで形成され、作動レバーにより発生する圧着力によってのみ、ガラスや車両の胴体に付着するように作られるからである。
【0005】
このように、従来の据置台は、作動レバーを用いて、吸着板がガラス等に付着するように構成されるので、全体の構成が複雑であり、製造のための費用、時間、及び手間が必要以上にかかるという問題点を有している。
【0006】
しかも、据置台をガラス等に付着するためには、作動レバーを動作させなければならないので、使用者の使い勝手が劣るという問題点を有している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、下部面の外郭に沿って吸着バンドが付着したパッドが、付着対象面に接触した状態で、下方向へ外力を受けた後、この外力が解除されると、上方向に復元力を有するように構成し、使用者がパッドを付着対象面に加圧してから離すと、前記パッドの外郭部分は、吸着バンドにより、付着対象面に付着固定され、吸着バンドが付着していない中央部分は、復元力により上方向へ盛り上がるようにすることにより、前記パッドの中央部分と付着対象面との間に真空状態が発生し、パッドを付着対象面に強く付着させることができる吸着板を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、パッドの下部面の外郭部分に付着した吸着バンドの下部面が、水平または傾斜した状態となるように形成させ、吸着バンドの下部面には、下方向に突出した突出部が設けられ、前記パッドが前記付着対象面に載せられた状態で、前記吸着バンドが付着対象面に付着する付着面が最小となるようにすることにより、前記パッドの上部から下方向へ外力が加えられる瞬間、前記パッドと付着対象面との間の空間に存在する空気が外部に抜け出やすくし、前記パッドの中央部分と付着対象面との間に真空状態を容易に発生させることができる吸着板を提供することにある。
【0009】
本発明のまた他の目的は、付着対象面に押し当てて加圧した後、加圧力を解除すると、自ら上方向に復元され、パッドの付着対象面との間に真空状態が発生するので、使用上の便宜を与えることができる吸着板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した目的を達成するために、本発明による吸着板をなす構成手段は、中央部と、前記中央部の側端に一体に連結形成され、外側方向に延長形成される延長部とからなるパッドと、前記中央部の上端から垂直方向に形成される連結部と、前記パッドの延長部の下部面に付着した粘着性の吸着バンドと、を備え、前記パッドは、付着対象面に接触した状態で、下方向へ外力を受けた後、その外力が解除すると、上方向への復元力を有するように形成されることを特徴とする。
【0011】
ここで、前記パッドの延長部の上部面及び下部面の少なくとも一つの面には、前記パッドの復元力のための切開溝が形成されることを特徴とする。
【0012】
また、前記吸着バンドは、上部面が前記パッドの延長部に付着した状態で、その下部面が水平または傾斜した状態であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
上述した課題及び構成を有する本発明の吸着板によると、下部面の外郭に沿って吸着バンドが付着したパッドが、付着対象面に接触した状態で、下方向へ外力を受けた後、この外力が解除されると、上方向に復元力を有するように構成し、使用者がパッドを付着対象面に加圧してから離すと、前記パッドの外郭部分は、吸着バンドにより、付着対象面に付着固定され、吸着バンドが付着していない中央部分は、復元力により上方向へ盛り上がるようにするので、前記パッドの中央部分と付着対象面との間に真空状態が発生し、パッドを付着対象面に強く付着させることができる長所がある。
【0014】
また、パッドの下部面の外郭部分に付着した吸着バンドの下部面が、水平または傾斜した状態となるように形成させ、吸着バンドの下部面には、下方向に突出した突出部が設けられ、前記パッドが前記付着対象面に載せられた状態で、前記吸着バンドが付着対象面に付着する付着面が最小となるようにするので、前記パッドの上部から下方向へ外力が加えられる瞬間、前記パッドと付着対象面との間の空間に存在する空気が外部に抜け出やすくし、前記パッドの中央部分と付着対象面との間に真空状態を容易に発生させることができる長所がある。
【0015】
また、付着対象面に押し当てて加圧した後、加圧力を解除すると、自ら上方向に復元され、パッドと付着対象面との間に真空状態が発生するので、使用上の便宜を与えることができる長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施例による吸着板の概略的な断面図である。
図2】本発明の実施例による吸着板の斜視図である。
図3】本発明の実施例による吸着板の底面図である。
図4】本発明の実施例による吸着板の切開図である。
図5】本発明の実施例による吸着板の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付した図面に基づき、上述した課題、解決手段、及び効果を有する本発明である吸着板の好適な実施例について詳述する。
【0018】
この過程において、図示された構成要素の大きさや形状等は、説明の明瞭性と便宜のために、誇張して図示され得る。また、本発明の構成及び作用を考慮して、特に定義された用語は、使用者、運用者の意図、または慣例により異なり得る。このような用語についての定義は、本明細書の全般にわたった内容に基づいて定められなければならない。
【0019】
図1乃至図4に示すように、本発明の実施例による吸着板は、パッド10と、前記パッド10の外郭の下部面に付着した吸着バンド30と、前記パッド10の上端から垂直方向に形成される連結部50と、で構成される。
【0020】
前記パッド10は、全体として円板状を有し、中央部分(中央部11)が水平(図1参照)または上方に盛り上がった形状(図2乃至図4参照)を有し、中央部分以外の部分、すなわち、中央部分(中央部11)を除いた外郭部分(延長部13)は、傾斜した形状(図1参照)または水平な形状(図2乃至図4参照)を有する。
【0021】
具体的に、前記パッド10は、中央部分に該当する中央部11と、前記中央部11の側端に一体に連結形成され、外側方向に延長形成される延長部13と、で構成される。
【0022】
前記中央部11は、前記パッド10の中央部分に形成され、図1に示すように、水平状態となるように形成され、または、図2乃至図4に示すように、上方向に膨らんだ形状を有するように形成されてもよい。
【0023】
前記中央部11が、水平形状に形成される場合は、全体として円板状を有し、膨らんだ形状に形成される場合は、全体として半球状を有する。このような形状を有する中央部11の端部(円弧部)、すなわち、側端には前記延長部13が一体に連結される。
【0024】
前記中央部11の側端には、前記延長部13が一体に形成される。すなわち、前記延長部13は、前記中央部11の側端に一体形成されるが、外側方向に水平または傾斜して延長形成される。前記延長部13は、図1に示すように、前記中央部11の側端から傾斜して延長形成されてもよく、図2乃至図4に示すように、前記中央部11の側端から水平に延長形成されてもよい。
【0025】
前記中央部11と延長部13で構成される前記パッド10は、前記モールド等を通じて、一度に同時に形成されるので、前記中央部11と前記延長部13は、同一の材質で形成され、一体に形成される。
【0026】
ところで、前記パッド10は、基本的に硬い性質を有するが、上下方向に弾性力を有してもよい材質で形成され、弾性力を発揮可能な構造を有することが好ましい。
【0027】
具体的に、前記パッド10は、付着対象面(図1及び図5において「s」と示される)に接触した状態で、下方向へ外力を受けた後、その外力が解除されると、上方向に復元力を有するように形成される。すなわち、前記パッド10は、使用者により、下方向に押圧されてから離すと、中央部分が上方向に上昇可能な構造、すなわち、中央部分が上方向に復元力が発生される構造で形成される。
【0028】
このように、前記パッド10が上方向に復元力を有するように形成されるので、前記吸着板を付着対象面sに加圧してから離すと、前記中央部分が上方向に上昇するようになる。したがって、前記吸着板の中央部分、すなわち、中央部11と付着対象面sとの間に真空空間が形成される。これについては、さらに後述する。
【0029】
このように構成されるパッド10の上端、具体的に、前記パッド10の中央部11の上端には、連結部50が形成される。すなわち、前記連結部50は、前記中央部11の上端から垂直方向に形成される。
【0030】
前記パッド10の中央部11の上部の中央部分から垂直方向に形成される連結部50は、多様な据置台の胴体部分が結合される部分に該当する。したがって、前記連結部50は、前記多様な据置台の胴体部分の形状により、多様な構造及び形状に形成されてもよい。例えば、前記据置台が、スマートフォンが据え置かれる車両用の据置台である場合、前記連結部50は、前記車両用の据置台のクレードルが結合可能な結合構造で形成されてもよい。
【0031】
一方、前記パッド10の下部面には、前記吸着板が前記付着対象面sに強く結合されるように、吸着バンド30が付着形成される。具体的に、前記吸着バンド30は、前記パッド10の延長部13の下部面に付着した粘着性の吸着バンドに該当する。
【0032】
上述のように、前記パッド10の中央部分、すなわち、中央部11が上方向に復元されるように形成することにより、前記パッド10とガラス等の付着対象面sとの間において、真空状態を発生させるためには、前記パッド10と付着対象面sとの間に空気が流入することを遮断しなければならない。
【0033】
このため、前記パッド10の下部面には、ボンドジェル(BOND GEL)材質で形成され、付着面に強く吸着され、外部からの空気流入を遮断可能な吸着バンド30が付着する。
【0034】
前記吸着バンド30は、粘着性の軟質物質を前記パッド10の中央部分、すなわち中央部11を除いた残りの部分、すなわち、延長部13の下部面にのみ直接塗布して形成し、または、成形された粘着性の軟質製品を前記パッド10の中央部分(中央部11)を除いた残りの部分(延長部13の下部面)にのみ付着して形成してもよい。具体的に、前記吸着バンド30は、前記パッド10の下部面に付着するが、前記パッド10の中央部11を除いた残りの部分、すなわち、延長部13の下部面に円形の帯状に付着する。
【0035】
上記のように、前記パッド10は、上方向に復元力を有するように、中央部分に中央部11を形成し、延長部13の下部面にのみ吸着バンド30を付着形成させる。また、外力により下方向に沈み、外力を解除すると、上方向に復元される構造を有する。ここで、前記パッド10は、外力により折り曲げられる材質で形成されることが好ましい。
【0036】
前記吸着バンド30が、前記延長部13の下部面にのみ付着形成され、前記パッド10が外力により折り曲げられるので、本発明による吸着板を付着対象面sに接触させ、外力を加えると、前記パッド10の中央部11が外力により下方向に沈み、外力を解除すると上方向に復元される。
【0037】
若し、前記パッド10が硬過ぎる性質を有すれば、外力により下方向に沈み難くなり、しかも、下方向に沈んでも、弾性力がなく、上方向への復元力を発揮しなくなる。
【0038】
したがって、本発明による前記パッド10には、下方向に沈むとともに、上方向に復元力を発生させるように、切開溝を、前記パッド10の延長部13の上部面にのみ、または下部面にのみ、または上部面及び下部面の全てに形成させてもよい。すなわち、前記パッド10の延長部13の上部面及び下部面の少なくとも一つの面には、前記パッド10の復元力のための切開溝13a、13bが形成される。
【0039】
前記パッド10の延長部13の下部面には、前記吸着バンド30が付着形成されるので、前記切開溝は、前記パッド10の延長部13の上部面に形成されてもよい。しかし、前記切開溝が、前記吸着バンド30の形成において妨げとならないときは、美観のために、外部に露出しないように、前記パッド10の延長部13の下部面にのみ形成させてもよい。勿論、必要に応じて、延長部13の上部面及び下部面の全てに、前記切開溝を形成させてもよい。
【0040】
前記切開溝は、多様な位置に多様な構造で形成されてもよい。但し、前記切開溝は、前記中央部11の側端(円弧端)に沿って前記延長部13に形成される円形切開溝13aを必ず含むことが好ましい。すなわち、前記中央部11の側端に隣接した前記延長部13の上部面または下部面、または上下部面に円形状の円形切開溝13aを形成させることが好ましい。
【0041】
前記円形切開溝13aが、前記吸着バンド30が付着形成されていない中央部11と、前記吸着バンド30が付着形成される延長部13との境界部分に形成されるので、前記パッド10が少しハードな材質で形成されても、外力により下方向に沈み、外力を除去すると、さらに上方向に復元力を発揮することができる。
【0042】
一方、前記切開溝は、前記円形切開溝13aのみならず、多様な箇所に多様な形状に形成される線形切開溝13bをさらに含んでもよい。前記線形切開溝13bは、前記硬い性質を有してもよい前記パッド10の上下方向の弾性力のみならず、下方向に加えられた外力を除去したとき、前記パッド10の中央部分が上方向に復元力を発揮することができれば、多様な部分に多様な形状に形成されてもよい。
【0043】
図2及び図4では、前記線形切開溝13bが前記円形切開溝13aに直交するように形成される。前記線形切開溝13bは、前記パッド10の延長部13が変形し難いように、前記円形切開溝13aに並んだ方向ではなく、直交する方向に形成されることが好ましい。すなわち、前記線形切開溝13bが前記円形切開溝13aの円弧に接する方向、すなわち、接線方向に形成されると、前記パッド10の延長部13が上下変形しやすく、復元力が劣るので、前記線形切開溝13bは、前記円形切開溝13aに直交する方向に形成されることが好ましい。
【0044】
前記吸着バンド30は、その上部面が前記パッド10の延長部13に付着した状態で、その下部面が図1の(a)に示すように、水平な状態(加圧前の付着対象面sに水平な状態)を維持し、または図1の(b)に示すように、傾斜した状態(加圧前の付着対象面sに傾斜した状態)を維持してもよい。
【0045】
このように、前記吸着バンド30は、付着対象面sに付着する前の状態をみると、その下部面に水平または傾斜した状態となるように形成されてもよい。
【0046】
前記吸着バンド30が、図1の(b)に示すように、その下部面が傾斜した状態となるように前記延長部13の下部面に付着され、図5に示すように、前記吸着板を前記付着対象面sに接触させると、一応、前記吸着バンド30の最外郭部分のみが前記付着対象面sに接触した状態となる。
【0047】
この状態で、使用者が前記吸着板を前記付着対象面sに向かって加圧する。すると、この加圧過程で、前記パッド10と前記付着対象面sとの間に存在する空気は、前記パッド10と前記付着対象面sとの間の微細な隙間から外部に排出される。
【0048】
以降、使用者が吸着バンド30が付着した前記延長部13をさらに加圧し、前記吸着バンド30を前記付着対象面sに堅固に付着させた後、外力を除去すると、前記パッド10は、上方向に復元力を発生させる。この過程で、前記中央部11と前記付着対象面sとの間の空間に真空空間が形成される。結果として、前記吸着板は、前記付着対象面sに強く結合される。
【0049】
一方、前記吸着板を前記付着対象面sに載せた状態で、前記付着対象面sに接触する吸着バンド30の接触部分が大きくなると、外力により下方向へ加圧する過程で、前記パッド10と付着対象面sとの間に存在する空気の外部流出が行われにくくなる。
【0050】
前記吸着板が前記付着対象面sに載せた状態で、前記吸着バンド30は、前記付着対象面sに最小の部分のみが接触した状態を維持することが好ましい。したがって、本発明による前記吸着バンド30は、その下部面に円形リング状の突出部31を有することが好ましい。図1の(b)に示すように、前記吸着バンド30の下部面が傾斜した状態に形成されると、付着対象面sに一番先に接触する外周縁の下側に、前記円形リングの突出部31が形成されることが好ましい。
【0051】
一方、前記吸着バンド30が、図1の(a)に示すように、その下部面が水平状態となるように、前記延長部13の下部面に付着した場合は、前記吸着板を前記付着対象面sに接触させると、前記吸着バンド30の全面が全体的に前記付着対象面sに接触した状態となる。
【0052】
この状態で、使用者が前記吸着板を前記付着対象面sに向かって加圧すると、この加圧状態で、前記パッド10と前記付着対象面sとの間に存在する空気は、前記吸着バンド30と付着対象面sとの間の微細な隙間から外部に排出される。
【0053】
以降、使用者が吸着バンド30が付着した前記延長部13をさらに加圧し、前記吸着バンド30を前記付着対象面sに堅固に付着させた後、外力を除去すると、前記パッド10は、上方向に復元力を発生させる。この過程で、前記中央部11と前記付着対象面sとの間の空間に真空空間が形成される。結果として、前記吸着板は、前記付着対象面sに強く結合される。
【0054】
しかし、前記吸着バンド30の下部面が水平な状態に形成される場合は、前記吸着板を前記付着対象面sに載せた状態で、前記付着対象面sに接触する吸着バンド30の接触部分が大きいので、外力により下方向に加圧する過程で、前記パッド10と付着対象面sとの間に存在する空気の外部流出が行われにくくなる。
【0055】
したがって、この場合は、前記吸着バンド30の下部面に円形リング状の突出部31がさらに要求される。前記円形リング状の突出部31は、前記水平状態の吸着バンド30の下部面に形成されてもよいが、加圧により前記吸着バンド30が前記付着対象面sに付着した後、前記吸着バンド30の持ち上がり現象(付着対象面sから離隔する現象)を最小化するために、図5に示すように、前記吸着バンド30の外周縁の下部面に沿って円形リング状に形成することが好ましい。
【0056】
前記吸着バンド30は、図1の(b)に示すように、下部面が傾斜した状態に形成されてもよいが、その傾斜度が小さいほかない。したがって、前記吸着板が前記付着対象面sに載せた状態で、前記付着対象面sに接触する前記吸着バンド30の接触部分が大きくなる可能性がある。また、図1の(a)に示すように、下部面が水平状態に形成される場合は、接触部分が極めて大きい。
【0057】
したがって、本発明では、図4及び図5に示すように、前記吸着バンド30の外郭に沿って突出部31を形成させる。したがって、前記吸着板が前記付着対象面sに載せると、前記付着対象面sに接触する部分は、前記吸着バンド30の突出部31のみが該当する。すなわち、前記付着対象面sに接触する前記吸着バンド30の接触部分を最小化することができる。
【0058】
図5は、前記突出部31を有する吸着バンド30が付着対象面sに載せられた状態を示す。この状態は、吸着板が付着対象面sに接触した状態であり、外力が加えられなかった状態である。
【0059】
この状態で、前記付着対象面sに接触する部分は、前記突出部31の下端部のみであり、前記パッド10と前記付着対象面sとの間に存在する空気は、前記パッド10の中央部11と前記付着対象面sとの間の空間に該当する「中央部と付着対象面との間の密閉空間a」と、前記パッド10の延長部13の下部面に付着した吸着バンド30と前記付着対象面sとの間の空間に該当する「延長部と付着対象面との間の密閉空間b」とに存在する空気である。
【0060】
この状態で、使用者が前記パッド10を加圧すると、前記中央部と付着対象面との間の密閉空間aに存在する空気と、前記延長部と付着対象面との間の密閉空間bに存在する空気とは、前記突出部31と前記付着対象面sとの間の隙間から外部に排出される。前記吸着板が前記付着対象面sに載せられた状態で、前記突出部31の下端と付着対象面sとの間には、微細な間隙が形成されるほかない。
【0061】
このように前記パッド10が加圧されると、前記パッド10と付着対象面sとの間に存在する空気は、殆ど外部に排出される。また、前記パッド10の加圧過程で、前記吸着バンド30は、前記付着対象面sに堅固に付着する。前記吸着バンド30と付着対象面sとの付着力を強化するために、使用者は、前記吸着バンド30が付着した前記延長部13を付加的に押圧する動作を行ってもよい。
【0062】
このような過程を通じて、前記パッド10と前記付着対象面sとの間の空気を殆ど外部に排出させ、前記吸着バンド30を前記付着対象面sに堅固に付着させる。その後、使用者が外力を解除すると、すなわち、パッド10への加圧力を除去すると、前記パッド10は、復元力により中央部分が上方向に盛り上がる。
【0063】
前記延長部13には、中央部11の下端に隣接して円形切開溝13aが形成されるので、外力により前記中央部11が下方向に沈み、外力を除去すると、上方向に復元力を発揮することができる。
【0064】
このように前記パッド10の中央部分が上方向に復元力を発揮すると、この過程で、前記パッド10の中央部11と前記付着対象面sとの間の空間に該当する中央部と付着対象面との間の密閉空間aには、真空空間が形成される。
【0065】
このように、本発明の吸着板によると、前記吸着バンド30による付着対象面sとの付着力のみならず、前記パッド10と付着対象面sとの間の空間に真空空間が形成されるので、前記吸着板と前記付着対象面sとの間の結合力が増加するようになる。したがって、本発明による吸着板が適用される据置台は、安定的にガラス等に固定されるという長所がある。
【0066】
一方、本発明によるパッド10と連結部50とは、別途に作製され、互いに連結されてもよいが、モールド等により、同時に一体形成されることがさらに好ましい。すなわち、前記パッド10と連結部50とは、モールド等を通じて、同時に一体形成される。したがって、本発明による吸着板は、別途の組立過程無しに、一度の工程を通じて、パッド10と連結部50を一体に形成させることができるので、製造単価を低くするという長所がある。
【0067】
本発明による前記パッド10と連結部50とは、多様な材質で形成させてもよい。例えば、前記パッド10と連結部50は、ABS(acrylonitrile‐butadiene‐styrene)、PC(ポリカーボネート)、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PVC(ポリ塩化ビニル)、ウレタン等の熱硬化性及び熱可塑性の材質のいずれか一つで形成されてもよい。
【0068】
以上、本発明による実施例が説明されたが、これは、例示的なものに過ぎず、当該分野における通常の知識を有する者であれば、これに基づき、様々な変形及び均等な範囲の実施例が可能であることが理解されるだろう。したがって、本発明の真正な技術的保護範囲は、下記の特許請求の範囲により定められなければならない。
【符号の説明】
【0069】
a 中央部と付着対象面との間の密閉空間
b 延長部と付着対象面との間の密閉空間
s 付着対象面
10 パッド
11 中央部
13 延長部
13a 円形切開溝
13b 線形切開溝
30 吸着バンド
31 突出部
50 連結部
図1
図2
図3
図4
図5