【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の主題は、この必要に応えることに関するものであり、その諸態様の1つによれば、特に低電圧が給電され、温度に従って電圧を送出するセンサを用い、少なくとも1つの電子構成部品、特に高電圧回路に属し、高電圧が給電される構成部品の前記温度を測定する方法を使用して、これに成功しており、その方法において、
センサの端子における電圧を表す信号が、絶縁差動増幅器を通過し、
この絶縁差動増幅器からの出力信号が、電子構成部品の温度を決定するのに使用される。
【0006】
上記の方法によれば、絶縁差動増幅器のガルバニック絶縁が、温度センサを保護するために使用される。差動増幅器は、このガルバニック絶縁により「絶縁された」と言われる。
【0007】
上記の方法は、絶縁差動増幅器の入力の上流の部分が、高電圧環境にあり、絶縁差動増幅器の出力の下流の部分が、低電圧環境にある、測定回路を使用することができる。したがって、ガルバニック絶縁が、測定回路のこのような2つの部分を絶縁するのに使用される。差動増幅器の絶縁は、容量性タイプのものでよい。一変形として、差動増幅器の絶縁は、誘導性タイプの絶縁でもよい。
【0008】
差動増幅器は、ガルバニック絶縁を実施する専用の構成部品を追加することを避けるように、例えば、温度センサから生じる電圧の値をデジタル処理段用に許容範囲の値にし、例えば、この処理段の入力電圧を0から5Vの間の値にして、他の機能を果たすことができる。したがって、本発明は、既存の構成部品を最大限に利用することにより、ガルバニック絶縁の実施に関連した空間要求および費用を低減するのに使用することができる。
【0009】
絶縁差動増幅器によって提供される絶縁は、4kVのピーク電圧に耐えるのに使用することができる。この絶縁は、規格UL 1577またはIEC 60747-5-2に従って評価することができる。
【0010】
高電圧回路は、例えば、0から430Vまでの間の、特に430V程度の、電圧を送出する電圧源により給電される。
【0011】
温度センサは、詳しくは、4.5Vから5.5Vまでの間の、特に5V程度の電圧から給電され、この電圧は、高電圧環境から絶縁される。
【0012】
この方法は、センサの端子における電圧と、センサが測定する温度との間の線形関係を得ることからなるステップを含むことができる。このステップは、絶縁差動増幅器の入力の上流の線形化段によって実施することができる。線形化段は、接地と温度センサの電圧源との間に取り付けられた抵抗ブリッジを含むことができる。このような構造は、絶縁差動増幅器の差動電圧を得るのに使用することができる。
【0013】
温度センサが、負温度係数サーミスタの場合のように温度に従って指数関数的に変化する抵抗を有するとき、温度センサが送出する電圧値は、使用するのが難しいことがある。線形化ステップは、測定をより有効にする。
【0014】
線形化段は、温度が50℃のとき、温度センサの抵抗の値に等しい値を有する抵抗器を温度センサの端子において含むことができる。
【0015】
線形化により、入力電圧範囲が過度に大きい絶縁差動増幅器を使用する必要がない。
【0016】
線形化は、センサが非常に小さい電流によって給電されるときにも、温度を測定することができるように使用することができる。典型的には-30℃程度の、低い温度の場合を含めて、線形関係を得るために、典型的には-30℃の、このような低い温度の場合の温度センサの抵抗の値を、温度センサの端子における抵抗器に与えることができる。
【0017】
線形化段からの出力信号は、例えば、数mV程度の、例えば最大5mVまでの範囲の電圧である。
【0018】
一変形として、方法は、この線形化ステップがなくてもよい。
【0019】
絶縁差動増幅器からの出力信号は、接地基準の比較器の入力として受け取ることができる。
【0020】
比較器からの出力信号は、センサによって測定された温度を決定するのに使用される処理段の入力として受け取ることができる。この処理段は、アナログ/デジタル変換器とデジタル処理装置とを含むことができる。デジタル処理装置は、特に少なくとも1つのマイクロコントローラまたは少なくとも1つのマイクロプロセッサを含む。
【0021】
絶縁差動増幅器は、前記増幅器の入力電流を制限するシステムと、前記増幅器の出力電流を制限するシステムとを含むことができる。したがって、絶縁に対する損傷の危険は、絶縁差動増幅器の入力または出力における過度の電流の場合に低減することができ、このような過度に大きい電流値は、絶縁に影響し得る、抵抗器における顕著な放熱を生じさせることができる。
【0022】
センサおよび絶縁差動増幅器は、同じ印刷回路板上に設置することができる。
【0023】
印刷回路板は、温度が測定される電子構成部品またはいくつかの電子構成部品をさらに含むことができる。このような電子構成部品は、特に各々、1kW以上の公称電力を有する。これらは、例えば、インバータのスイッチングセルである。このようなスイッチングセルは、ダイオードが並列に取り付けられた電力トランジスタを含むことができる。インバータは、電動機と電池とをさらに含むインバータ/充電器回路の一部を形成することができ、この回路は、電気またはハイブリッド自動車に統合される。
【0024】
本発明の主題は、その態様の別の1つによれば、温度センサによって送出される電圧から温度を測定するための回路も含み、その回路は、
センサによって測定された温度を表す入力電圧を受け取る絶縁差動増幅器と、
絶縁差動増幅器からの出力信号により測定された温度を決定するために構成された処理段とを含み、
絶縁差動増幅器は、その入力とその出力との間でガルバニック絶縁を実施する。
【0025】
本発明の主題は、その態様の別の1つによれば、
上記の回路と
温度センサと
を含むシステムでもある。
本発明は、その実施の一非制限例の以下の説明を読み、添付の図面を調べるとより良く理解することができる。