(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下さらに本発明の実施形態について説明する。
本実施形態の試験装置1は、複合試験装置であり、より詳細には複合型の引っ張り試験装置である。本発明の試験装置1は、高湿度環境下で材料試験を行うものとして好適である。
本実施形態の試験装置1は、環境試験装置2と、外力付与装置3によって構成されている。また本実施形態で採用する環境試験装置2は、環境試験装置本体5と空調機部6が分離されており、それぞれ独立した装置となっている。
また本実施形態の試験装置1は、補助器材として外力付与装置載置台130と、恒温槽用架台131を有している。
【0032】
環境試験装置2の環境試験装置本体5は、
図3の様に断熱壁10で覆われた筐体であり、本体側筐体部7と、扉9を有している。
本体側筐体部7は、天面壁11、底面壁12、奥面壁13、左右側面壁15,16を有しており、前面側が開口している。そして本体側筐体部7の開口部分に前記した扉9が取り付けられている。
そのため扉9を閉じることによって本体側筐体部7が閉空間となる。
環境試験装置本体5内は、天面壁11、底面壁12、奥面壁13、左右側面壁15,16及び扉9で囲まれた断熱領域17となっている。
【0033】
環境試験装置本体5の本体側筐体部7には、外部と連通する部位が4か所に設けられている。
即ち天面壁11と底面壁12に、ロッド挿通用貫通孔20,21が設けられている。
また奥面壁13に空気吐出側貫通孔22と、空気吸引側貫通孔23が設けられている。
【0034】
天面壁11に設けられたロッド挿通用貫通孔20は、
図1乃至
図5の様に、断面形状が円形の孔である。ロッド挿通用貫通孔20は、天面壁11に設けられたものであって鉛直方向に延び、その軸線は、試験室8の中心線に略一致する。
ロッド挿通用貫通孔20は、天面壁11を貫通し、一方の開口は断熱領域17に開いている。またロッド挿通用貫通孔20の他方の開口は、環境試験装置本体5の外に開いている。
即ちロッド挿通用貫通孔20には、断熱領域側開口18と、外部側開口26がある。
【0035】
本実施形態では、天面壁11と底面壁12に、
図7,8の様に空洞部45,46が設けられ、当該空洞部45,46にブロック体100が内蔵されており、ブロック体100に貫通孔105が設けられている。そして当該貫通孔105がロッド挿通用貫通孔20,21として機能する。
【0036】
後記する様に空洞部45,46の内壁は、ブロック体100と接し、気密性が確保されている。そのためブロック体100に設けられた貫通孔105が、実質的に試験室8を貫通する開口であり、断熱領域17内と環境試験装置2外とを連通するものである。
【0037】
天面壁11の空洞部45及びブロック体100の構造と、底面壁12の空洞部46及びブロック体100の構造は同一であるから、代表して天面壁11側の構造を説明する。
本実施形態では、
図4,5に示すように、空洞部45は、環境試験装置本体5の本体側筐体部7に設けられた、切り欠き部52と、切り欠き部52の開口を覆う封鎖部材31によって形成されている。
【0038】
即ち本体側筐体部7の天面壁11の端部には
図4、
図5の様に切り欠き部52がある。切り欠き部52は、断熱壁10を欠落させたものであり、平面形状は
図4の様に台形である。
【0039】
本体側筐体部7の切り欠き部52に注目すると、切り欠き部52は、天面壁11の端部側から奥側に向かう洞穴状となっている。洞穴状部分の平面形状は前記した様に台形である。
即ち天面壁11を平面視すると一端が開放された台形状であり、
図4の様に奥壁158と、左右側壁160,161を有している。
奥壁158は、本体側筐体部7の端面162と平行である。これに対して左右側壁160,161は奥壁158に対して垂直ではなく、傾斜している。左右側壁160,161の傾斜角度は等しい。
本実施形態では、奥壁158の幅は、切り欠き部52の開口部の幅よりも狭い。即ち切り欠き部52の平面形状は、開口側から奥側に向かって漸次幅が狭くなっており、略テーパー状を呈している。
【0040】
本体側筐体部7の断熱壁10内には配管28が埋設されており、本体側筐体部7の切り欠き部52と外部が当該配管28で繋がっている。また
図7に示すように、配管28は外部に設置された気液分離装置53と負圧発生装置58に接続されている。負圧発生装置58は、減圧装置であり、具体的には送風機であり、送風機の吸い込み側が配管28に接続されている。
【0041】
切り欠き部52の試験室8の内外面(上下面)には、覆い板56が設けられている。より詳細に説明すると、本体側筐体部7の天面壁11の端部の切り欠き部52には、
図5の様に上面側を覆う覆い板56aと、下面側を覆う覆い板56bがある。
上下の覆い板56a,56bの端辺には、半円状の切り欠き57が設けられている。
【0042】
一方、封鎖部材31は、
図4に示すように、切り欠き部52に挿入される挿入部37を有し、その両面に覆い板38a,38bが装着されたものである。
挿入部37の大きさ及び形状は、本体側筐体部7の天面壁11の切り欠き部52にすっぽりとはまり込む形状であり、幅及び高さは切り欠き部52と等しい。ただし奥行きは、切り欠き部52の深さよりも短いので、挿入部37は切り欠き部52の奥壁158には至らない。
【0043】
封鎖部材31は、
図4の様な形状をしており、
図6に示す部材が接合されて成るものである。
封鎖部材31は、
図6に示す様に、挿入本体163の上下面に前記した覆い板38a,38bが設けられ、左右の側面170a,170bにシール部材165a,165bが接着されたものである。
挿入本体163は、樹脂又は金属で作られたものであり、平面形状は台形である。即ち挿入本体163は、上下面166a,166b、前方面167、後方面168、及び左右側面170a,170bを有している。
挿入本体163の上下面166a,166bは平行であり、前方面167と後方面168についても平行である。
しかしながら、左右側面170a,170bは平行ではなく、テーパー状に傾斜した傾斜面となっている。即ち前方面167の幅は、後方面168の幅よりも狭い。即ち挿入本体163の平面形状は、後方面168側から前方面167側に向かって漸次幅が狭くなっており、略テーパー状を呈している。
挿入本体163の左右側面170a,170bの傾斜角度は、前記した切り欠き部52の左右側壁160,161の傾斜角度と同じであるが、挿入本体163は、切り欠き部52の開口近傍に比べてやや小さい。
【0044】
シール部材165a,165bは、クッション性を有する樹脂によって作られており、挿入本体163の左右側面170a,170bに装着されている。
シール部材165a,165bの正面形状は、略「U」字状であり、一辺側が開放された枠状である。
シール部材165a,165bの正面形状は、
図6の様に上辺部171と、下辺部172及び両者の一端側を繋ぐ垂直部173を有する形状である。
シール部材165a,165bは、上記した上辺部171と、下辺部172及び垂直部173で三方が囲まれ、中央部は開かれている。
【0045】
シール部材165a,165bは、挿入本体163の左右側面170a,170bの縁部に沿って接着されている。具体的にはシール部材165a,165bの上辺部171は挿入本体163の左右側面170a,170bであって上面166aとの境界部分にあり、下辺部172は挿入本体163の左右側面170a,170bであって下面166bとの境界部分にある。シール部材165a,165bの垂直部173は、挿入本体163の左右側面170a,170bであって後方面168との境界部分に接着されている。
挿入本体163の左右側面170a,170bであって前方面167との境界部分にはシール部材165a,165bは存在せず、当該部位は開放されている。
そのため、挿入本体163の左右側面170a,170bの側面には、シール部材165a,165bによって三方が囲まれ、前面側が開放された溝状の空隙180がある。
【0046】
覆い板38a,38bの形状は、切り欠き部52に設けられた覆い板56a,56bと同一である。即ち封鎖部材31の上下の覆い板38a,38bの端辺にも、同様に半円状の切り欠き57が設けられている。
【0047】
封鎖部材31は、挿入部37が本体側筐体部7の天面壁11の切り欠き部52に挿入される。そして切り欠き部52の内面と、挿入部37の前方面167との間で平面形状が台形状の空洞部45が形成されている。なお封鎖部材31の挿入部37の側面と、切り欠き部52の内壁は隙間無く密着し、両者の間は気密性が確保されている。より正確には、挿入部37のシール部材165a,165bが圧縮状態で切り欠き部52の左右側壁160,161に密着している。
また覆い板56a,56bの端辺に設けられた半円状の切り欠き57と、封鎖部材31の覆い板38a,38bに設けられた半円状の切り欠き57同士が合致して円形を呈する。
【0048】
以上、天面壁11の空洞部45について説明したが、底面壁12の空洞部46についても同様である。
【0049】
次にブロック体100について説明する。ブロック体100は、シリコン樹脂等の比較的軟質の樹脂を素材とする発泡体である。ブロック体100には断熱効果がある。
ブロック体100の形状は、
図11の様に、平面形状が台形である。
詳細に説明すると、ブロック体100は、上下面101a,101b、前方面176、後方面177、及び左右側面178a,178bを有している。
ブロック体100の上下面101a,101bは平行であり、前方面176、後方面177についても平行である。
【0050】
しかしながら、左右側面178a,178bは平行ではなく、テーパー状に傾斜している。即ち前方面176の幅は、後方面177の幅よりも狭い。即ちブロック体100の平面形状は、後方面177側から前方面176側に向かって漸次幅が狭くなっており、略テーパー状を呈している。
ブロック体100の左右側面178a,178bの傾斜角度は、前記した切り欠き部52の左右側壁160,161の傾斜角度及び挿入本体163の左右側面170a,170bの傾斜角度と同じである。
尚、傾斜角度は5度以上であることが望ましい。より望ましくは、5度以上20度以下であることが望ましい。さらに望ましくは、8度以上15度未満である。
【0051】
本実施形態では、ブロック体100の左右側面178a,178bであって、上下面101a,101bの近傍にリブ102が形成されている。
【0052】
ブロック体100の対向する上下面101a,101bは、前記したリブ102を含めて一つの平面である。リブ102の断面形状は、四角形である。
ブロック体100の上下面101a,101bは前記した様に台形であり、前記したリブ102は、台形の上下面101a,101bの4辺に設けられている。
従って、ブロック体100の側面には、上下面101a,101bのリブ102によって囲まれた凹部103がある。
【0053】
ブロック体100の後方面177の幅(リブ102を含んだ全幅)は、前記した封鎖部材31の前端部の幅(挿入本体163の前方面167とシール部材165a,165bの合計幅)と等しい。
またブロック体100の前方面176の幅(リブ102を含んだ全幅)は、前記した切り欠き部52の奥壁158の幅と等しい。
【0054】
ブロック体100には、上下面101a,101bを貫通する貫通孔105が設けられている。本実施形態では、貫通孔105は、ブロック体100の中心を上下に貫通するものである。
【0055】
貫通孔105の平面断面形状は、後記するロッド76,78の断面形状に対して相似形であり、円形である。貫通孔105の形状は挿通されるものに合致させて成形されるべきものであり、挿通されるものの断面形状が長方形であるならば貫通孔105の平面断面形状はこれに合わせて長方形にする。
上下に貫通する貫通孔105は、
図11(c)の様に開口部分が他の部位に比べてやや狭くなっている。
【0056】
また本実施形態では、ブロック体100の側面にも貫通孔(連通孔)106が設けられている。本実施形態では、側面を貫通する貫通孔106は、上下に並べて2個設けられている。貫通孔106の断面形状は円形である。
側面を貫通する貫通孔106は、前記した上下に貫通する貫通孔105と直交するものである。即ち側面を貫通する貫通孔106は、ブロック体100の内部で上下に貫通する貫通孔105と連通する連通孔である。
そのため上下に貫通する貫通孔105は、側面を貫通する貫通孔106を介してブロック体100の側面の凹部103と連通する。なお側面を貫通する貫通孔106は、貫通孔105と直交していなくてもよい。
【0057】
またブロック体100の一つの側面には、切れ目107が設けられている。切れ目107は、上下に貫通する貫通孔105と平行に設けられており、両端はブロック体100の上下面101a,101bに至っている。
切れ目107の深さは、上下に貫通する貫通孔105にまで至る深さである。
【0058】
ブロック体100は、前記した様に天面壁11の空洞部45と、底面壁12の空洞部46にそれぞれ一個ずつ設けられている。
即ち本体側筐体部7には、切り欠き部52の奥壁158と、左右側壁160,161の一部、及び封鎖部材31の前端部で囲まれた平面形状が台形状の空洞部45,46があり、当該空洞部45,46にブロック体100がそれぞれ一個ずつ配されている。
【0059】
天面壁11の空洞部45に注目すると、ブロック体100の上下面101a,101bは、空洞部45の上下面と接している。より具体的には、ブロック体100の上面101aは、本体側筐体部7側の上部の覆い板56aと封鎖部材31側の上部の覆い板38aの双方と接している。ブロック体100の下面101bは、本体側筐体部7側の下部の覆い板56bと封鎖部材31側の下部の覆い板38bの双方と接している。
【0060】
前記した様にブロック体100の左右側面178a,178bの傾斜角度が、封鎖部材31の挿入本体163の左右側面170a,170bの傾斜角度と等しく、且つブロック体100の後方面177の幅が封鎖部材31の挿入部37の前端部の幅と等しいので、ブロック体100と封鎖部材31を合わせると、
図5の様にブロック体100と挿入部37が一つの台形形状となる。
そして両者を合わせた台形形状は、空洞部45(切り欠き部52)の形状と合致する。そのため空洞部45内において、ブロック体100の前方面176は、空洞部45の奥壁158と合致して接している。
【0061】
またブロック体100の左右側面178a,178bと封鎖部材31(挿入部37)の左右側面170a,170bとで一つのテーパー状の傾斜面が形成され、当該テーパー状の傾斜面が、空洞部45の左右側壁160,161で形成されるテーパー状の傾斜面と合致して接している。
さらに、ブロック体100の後方面177が、封鎖部材31の挿入部37の前端部と合致して接している。
【0062】
また
図5の様にブロック体100と封鎖部材31の挿入部37を合わせると、ブロック体100のリブ102によって構成される凹部103と、挿入部37のシール部材165a,165bで構成された空隙180が連通する。
そしてブロック体100のリブ102は、空洞部45の内側の側壁110(挿入部37の端面を含む)と接している。そのため空洞部45の内側の側壁110と、ブロック体100の側面の凹部103との間には
図12の様に空隙108がある。空隙108は、ブロック体100の側面の全周を環状にとりまく。
前記した様にリブ102の断面形状は、四角形でありリブ102の先端が空洞部45の内側の側壁110に押しつけられ、ブロック体100の側面の凹部103(空隙108)は、空洞部45の側壁110で封鎖されて遮蔽する。
【0063】
また空洞部45の上端側と下端側は、リブ102によって環状に封鎖されるので、空洞部45の内周面部分においては、試験室8の内外の気密性が確保される。即ち、空洞部45内にブロック体100があり、ブロック体100の上端側と下端側を取り巻くリブ102が空洞部45の左右側壁160,161と接しているから、ブロック体100の部分については、試験室8の内外の気密性が確保される。
【0064】
また封鎖部材31と空洞部45の左右側壁160,161については、シール部材165a,165bが接しており、封鎖部材31についても試験室8の内外の気密性が確保される。
従って、理論的には、試験室8の内外を連通するのは、ブロック体100を上下に貫通する貫通孔105だけである。
【0065】
底面壁12についても同様であり、空洞部46の上端側と下端側は、リブ102によって環状に封鎖されるので、空洞部46の内周面部分においては試験室8の内外の気密性が確保され、試験室8の内外を連通するのは、ブロック体100を上下に貫通する貫通孔105だけである。
【0066】
次に奥面壁13に形成された空気吐出側貫通孔22と空気吸引側貫通孔23について説明する。
空気吐出側貫通孔22と空気吸引側貫通孔23は、空気を流通させるための孔であり、いずれも奥面壁13に大径の管38,39が挿通されて形成されている。
管38,39は、いずれも奥面壁13を貫通する。管38,39の断熱領域17側の開口端40,41は、奥面壁13と同一の平面にある。
これに対して管38,39の外部側の開口端43,44は、環境試験装置本体5の背面側に突出している。
【0067】
空気吐出側貫通孔22は、奥面壁13に設けられたものであって水平方向に延び、その軸線は、後記する試験室8の中心線と略直交する。
空気吸引側貫通孔23は、空気吐出側貫通孔22の真下にずれた位置に設けられている。
【0068】
次に断熱領域17の内部構造について説明する。断熱領域17の内部には、仕切り部材48が設けられ、試験室8と、流路形成部55とに区切られている。
仕切り部材48の形状は板状である。
仕切り部材48は、断熱領域17の奥面壁13と平行であって断熱領域17の内壁から一定の距離を置いて設置されている。
また仕切り部材48には通気用の小孔60が多数設けられている。そして小孔60が設けられた領域と空気吐出側貫通孔22との間が、接続ダクト61で接続されている。接続ダクト61は外観形状がテーパー状であり、空気吐出側貫通孔22に接続される部位の内径が小さく、仕切り部材48に接続される側の内径は大きい。
空気吐出側貫通孔22と、仕切り部材48の小孔60が設けられた領域との間が、接続ダクト61で接続されているから、空気吐出側貫通孔22は、仕切り部材48の小孔60とのみ連通する。
【0069】
次に空調機部6について説明する。空調機部6は、
図7の様に、内部に一連の空気流路63を有している。空気流路63は、断熱壁64で覆われている。
本実施形態では、図面下側の開口が空気戻り口65であり、上側の開口が空気往き口66として機能する。そして空気流路63内には、空気戻り口65から順に加湿装置59、プレクーラ67、メインクーラ68及び加熱器70が設置されている。また加熱器70と空気往き口66との間に送風機71が設けられている。
空調機部6は、空気戻り口65から空気を導入し、加湿装置59、プレクーラ67、メインクーラ68及び加熱器70を通過させて空気を所定の温度及び湿度に調整して空気往き口66から排出するものである。この様に本実施形態で採用する空調機部6は、加湿能力を備えており、高湿環境を作ることができる。
【0070】
次に外力付与装置3について説明する。
外力付与装置3は、引っ張り試験機である。外力付与装置3は、
図1、
図2に示すように基台部72と、門型フレーム73を有している。
門型フレーム73には、図示しないガイドレールがあり、門型フレーム73のガイドレールに昇降桟(駆動部)75が係合している。
そして昇降桟75の下部に上ロッド76が設けられており、当該上ロッド76の先端に上側掴み具(保持部)77が設けられている。即ち駆動部たる昇降桟75に、上ロッド76を介して保持部たる上側掴み具77が取り付けられている。
【0071】
また基台部72には、下ロッド78が設けられており、当該下ロッド78の先端に下側掴み具(保持部)79が設けられている。
外力付与装置3には、公知の引っ張り試験機と同様に、上側掴み具77を上方に移動させる移動装置と、掴み具の移動量を検知する伸び量計と、引っ張り荷重を検知する荷重計を有している(いずれも図示せず)。
【0072】
次に補助器材について説明する。本実施形態の試験装置1は、補助器材として外力付与装置載置台130と、恒温槽用架台131を有している。
外力付与装置載置台130は、単なるテーブルであり、外力付与装置3を載せる載置板132と、載置板132を中空に支持する脚部133とを有している。
【0073】
恒温槽用架台131は、台座部135と、テレスコピックガイド136を有している。台座部135は、略立法体であり、ある程度の重量を有している。
テレスコピックガイド136は、台座部135の上面に配されたものであり、2本の伸縮棹137a,137bが平行に設けられたものである。伸縮棹137a,137bは、固定側部材と可動側部材を有しており、固定側部材に対して可動側部が直線方向に移動可能である。従って伸縮棹137a,137bは、可動側部を移動させることによってその全長を伸縮させることができる。
テレスコピックガイド136は、各伸縮棹137a,137bの固定側部材が台座部135の上面に固定されている。そして伸縮棹137a,137bの全長を伸ばすと、可動側部が台座部135から片持ち状に張り出す。
【0074】
次に試験装置1を構成する各部材間の関係について説明する。
本実施形態の試験装置1は、前記した様に環境試験装置2と、外力付与装置3によって構成されており、さらに環境試験装置2は、環境試験装置本体5と空調機部6によって構成されている。
環境試験装置2を構成する環境試験装置本体5と空調機部6とは、
図7の様に2本のダクト80,81によって接続されている。
即ち環境試験装置本体5の空気吸引側貫通孔23を構成する管39と、空調機部6の空気戻り口65が、戻り側ダクト81によって接続されている。
また環境試験装置本体5の空気吐出側貫通孔22を構成する管38と、空調機部6の空気往き口66が、往き側ダクト80によって接続されている。
そのため環境試験装置本体5の断熱領域17と、空調機部6の空気流路63は、一連の循環流路を構成する。
また、往き側ダクト80を含む空気吐出側ダクト、戻り側ダクト81を含む空気吸引側ダクトには、それぞれ断熱材150,151が施工され、エネルギーロスが少なくなっている。
【0075】
外力付与装置3は、
図1、
図2の様に、外力付与装置載置台130の載置板132上に載置されている。
環境試験装置2の環境試験装置本体5は、外力付与装置3の門型フレーム73に囲まれた空間に設置されている。
より詳細には、
図1、
図2の様に、外力付与装置3の背面側に恒温槽用架台131が配置されており、恒温槽用架台131のテレスコピックガイド136の可動側部によって環境試験装置本体5が恒温槽用架台131の台座部135から張出した状態で支持されている。そして環境試験装置本体5は、恒温槽用架台131のテレスコピックガイド136で片持ち状に支持され、外力付与装置3の門型フレーム73内に差し入れられている。
環境試験装置本体5は、恒温槽用架台131によって中空に支持されて外力付与装置3の門型フレーム73内に配置されており、外力付与装置3の基台部72とは接していない。
【0076】
そして外力付与装置3の上ロッド76が、環境試験装置本体5のロッド挿通用貫通孔20を貫通し、先端の上側掴み具77が、試験室8の中央に至っている。
より詳細には、上ロッド76は、環境試験装置本体5のロッド挿通用貫通孔20に挿通され、上側掴み具77が、仕切り部材48の小孔60の高さ近傍に至っている。
【0077】
また外力付与装置3の下ロッド78が、環境試験装置本体5のロッド挿通用貫通孔21を貫通し、先端の下側掴み具79が、試験室8の中央に至っている。
より詳細には、下ロッド78は、環境試験装置本体5のロッド挿通用貫通孔21を通過し、下側掴み具79が、仕切り部材48の小孔60の高さ近傍に至っている。
【0078】
なお、本実施形態で採用するブロック体100には、切れ目107が設けられているが、ロッド76,78をブロック体100の切れ目107に押し当て、ロッド76,78を切れ目107に押し込むと、ブロック体100の弾性によって切れ目107が押し広げられ、ロッド76,78は切れ目107の中に割り込んで行き、ブロック体100の中に入る。そして遂には、ロッド76,78はブロック体100を上下に貫通する貫通孔105に到達し、ロッド76,78が貫通孔105に挿通された状態とすることができる。
【0079】
本実施形態では、上ロッド76及び下ロッド78が環境試験装置本体5の断熱壁10を連通する。即ちロッド76,78が環境試験装置本体5の断熱壁10を連通する貫通孔20,21(ブロック体100の貫通孔105)に挿入される。そのため前記した様に、ブロック体100の貫通孔105の平面断面形状は、ロッド76,78の断面形状に対して相似形とされている。
前記した様に、ブロック体100の貫通孔105は、開口部分が他の部位に比べてやや狭くなっている。
貫通孔105の最も面積が狭い部分の内壁と、ロッド76,78の間の隙間は、平均で0.5mmから3mmであり、より望ましくは平均で1mmから2mmである。
また貫通孔105の最も面積が狭い部分の内壁と、ロッド76,78の間の隙間の面積は、挿通される物(本実施形態ではロッド76,78)の断面積の3倍以下であることが望ましい。より望ましくは、2倍以下である。さらに望ましくは1倍以下である。
【0080】
本実施形態では、上側掴み具77と下側掴み具79で試料(被試験物)の両端が保持される。そのため試料は、試験室8内であって特に上側掴み具77と下側掴み具79の間の領域に設置されることとなる。従って本実施形態の試験装置1では、上側掴み具77と下側掴み具79の間の領域が、被試験物設置領域115となる。
【0081】
また環境試験装置本体5の天面壁11及び底面壁12に埋設された配管(気体供給部)28に、気液分離装置53と負圧発生装置58が接続されている。
【0082】
次に、本実施形態の試験装置1の作用について説明する。
本実施形態の試験装置1を使用して引っ張り試験を行う場合は、試料(被試験物)を所定の形状に成形する。そして環境試験装置本体5の扉9を開き、試料の両端を上側掴み具77と下側掴み具79で掴む。そして環境試験装置本体5の扉9を閉じる。
その後、負圧発生装置58を起動する。
また空調機部6を起動して、所定の温度に調整された空気を試験室8に供給し、試験室8内を所定の温度環境に維持する。
そして外力付与装置3を起動し、上ロッド76を一定の速度で上昇させて試料(被試験物)に引っ張り荷重を掛け、破断する。そしてその間の試料の伸びと荷重の関係を記録する。
【0083】
試験中における環境試験装置2(環境試験装置本体5と空調機部6)の空気の流れは、
図7の矢印の通りである。即ち空調機部6の送風機71を起動することにより、環境試験装置本体5の空気吸引側貫通孔23から戻り側ダクト81を経由して断熱領域17内の空気が空調機部6に導入される。そして空調機部6に導入された空気は、空調機部6の空気流路63を流れ、その間に所望の温度に調整される。そして調整後の空気が、往き側ダクト80を経由して、環境試験装置本体5の空気吐出側貫通孔22に導入される。
【0084】
ここで空気吐出側貫通孔22は、接続ダクト61で、直接的に仕切り部材48の小孔60が形成された部位に接続されている。即ち空気吐出側貫通孔22から接続ダクト61を経由して小孔60に繋がっている。そのため空調機部6から環境試験装置本体5に供給された空気は、仕切り部材48に設けられた小孔60からのみ試験室8内に供給される。
【0085】
試験室8内には仕切り部材48に設けられた小孔60から次々と空気が供給されるので、試験室8の被試験物設置領域115は高圧雰囲気となる。一方、下流側にある貫通孔105の周囲は、被試験物設置領域115の周囲に比べると低圧傾向となる。
そのため試験室8内における貫通孔105の周辺は、低圧傾向であり、貫通孔105から外に向かって空気が漏れにくく、かつ空気の流れによって貫通孔105周辺からの外乱から被試験物設置領域115が守られるため温度精度が良い。
【0086】
また本実施形態では、試験室8の内外を連通する貫通孔105の開口面積は、ロッド76,78が挿通し得るだけの開口面積でしかない。さらに、貫通孔105の内壁と、ロッド76,78との隙間が小さく設定されているから、実際の開口面積は極めて小さく、試験室8内の空気は貫通孔105から漏れにくい。
【0087】
さらに加えて本実施形態では、ブロック体100が収容された空洞部45,46に配管28が接続され、配管28の他端は負圧発生装置58に接続されていて、空洞部45,46内が吸引されている。
そのため空洞部45,46の内側の側壁110と、ブロック体100の側面の凹部103との間の空隙108が負圧傾向となり、空洞部45,46と覆い板56a,56b,38a,38bとの隙間から試験室8内の空気が漏れることが阻止される。
また本実施形態では、ブロック体100の側面の凹部103と、封鎖部材31の挿入部の側面にあるシール部材165a,165bで囲まれた空隙180が連通するから、封鎖部材31の挿入部37の側面と空洞部45,46の内側の側壁110の間についても負圧傾向となる。そのため封鎖部材31の周囲から空気が漏れることが阻止される。
【0088】
またブロック体100の側面に設けられた水平方向にのびる貫通孔106が試験室8の内外を連通する貫通孔105と繋がっているから、試験室8の内外を連通する貫通孔105内が負圧傾向となり、貫通孔105から試験室8内の空気が漏れることが阻止される。
従って、本実施形態においては、空洞部45,46と覆い板56a,56b,38a,38bとの隙間や、貫通孔105から試験室8内の空気が漏れる懸念は低い。
試験室8内の空気が仮に高温高湿であったとしても内部の高温高湿の空気が漏れて結露する懸念は低い。
このように空洞部45,45や貫通孔105から試験室8内の空気が漏れる懸念は低い。
【0089】
また上ロッド76及び下ロッド78と、ロッド挿通用貫通孔20,21は、直接的に接触しない。そのため引っ張り試験の実施中は、上ロッド76又は下ロッド78が上又は下に移動するが、接触による抵抗は発生せず、荷重計は、試料に掛けられた引っ張り荷重を正確に検知することができる。
【0090】
本実施形態の環境試験装置2では、空洞部45,46にブロック体100が内蔵されており、ブロック体100に設けた貫通孔105をロッド挿通用貫通孔20,21として機能させている。
ブロック体100はシリコン等の樹脂であり、板金ではないから端面処理は不要であり、本実施形態でもなされていない。そのためロッド挿通用貫通孔20,21の加工が容易である。
【0091】
引っ張り試験等を行う際の試験室8内の環境は任意であり、高温環境であっても低温環境であってもよい。
試験室8内を高温環境とすると、空洞部45,46内の温度も上昇し、ブロック体100が膨張することとなる。
ここで本実施形態では、ブロック体100の左右側面178a,178bは、傾斜面であってテーパー状を呈している。
空洞部45,46の左右側壁160,161についても傾斜面であってテーパー状を呈し、両者のテーパー形状は同一であって、ブロック体100は、空洞部45,46に嵌まりこんでいる。
そのためブロック体100が膨張すると、くさび効果が発揮され、ブロック体100の表面が空洞部45,46の内壁に押しつけられる。そのためブロック体100と空洞部45,46の密着度がより高まる。そのため試験室8内の空気が仮に高温高湿であり、ブロック体100が膨張したとしても内部の高温高湿の空気が漏れて結露する懸念は低い。
そのため空洞部45,45や貫通孔105から試験室8内の空気が漏れる懸念は低い。
また本実施形態では、負圧発生装置58に加えて気液分離装置53を備え、試験室8内の高湿度の空気から水分を除去した後に大気開放することとしたが、気液分離装置53は必須ではない。
【0092】
以上説明した実施形態では、空洞部45,46や、貫通孔105を負圧傾向として貫通孔105から試験室8内の空気が漏れることを防いだが、逆に空洞部45,46や、貫通孔105に窒素ガス等の乾燥気体を導入してもよい。
図13は、空洞部45,46に窒素ガスを導入した場合の気体の流れを図示している。窒素ガスは、空洞部45,46の内側の側壁110と、ブロック体100の側面の凹部103との間の空隙108に入り、ブロック体100と空洞部45,46の内側の側壁110との間が窒素ガスで満たされ、ブロック体100と空洞部45,46の内側の左右側壁160,161との間に窒素ガスによる遮断層を作る。
また前記した空隙108は、封鎖部材31のシール部材165a,165bによって構成された空隙180と連通しているので当該空隙180も窒素ガスで満たされる。そのため封鎖部材31と空洞部45,46の内側の側壁110との間も窒素ガスで満たされ、封鎖部材31と空洞部45,46の内側の側壁110との間にも窒素ガスによる遮断層を作る。
そのためブロック体100及び封鎖部材31と覆い板56a,56b,38a,38bとの隙間から試験室8内の空気が漏れることが阻止される。
また窒素ガスは、ブロック体100の貫通孔106を流れて上下に連通する貫通孔105に入り、ロッド76,78の全周を取り巻いて流れ、貫通孔105の周囲に窒素ガスによる遮断層を作る。
【0093】
また窒素ガスは、上下に連通する貫通孔105の試験室8側の開口から断熱領域17に入る。ここで貫通孔105の断熱領域17側の開口は、前記した様に被試験物の周囲に比べると空気の流れ方向としては下流側となる。
そのため貫通孔105から試験室8に入った窒素ガスは、その全てが空気と共に環境試験装置本体5の空気吸引側貫通孔23側に向かって流れ、被試験物には当たらないから試験に影響を与えない。
【0094】
また貫通孔105とロッド76,78の間の空隙は、窒素ガスで満たされている。従って試験室8内の空気が外に漏れにくい。また外の空気は、試験室8内に入り込み難い。
そのため仮に試験室8内の空気が極低温であったとしても、試験室8の空気が直接外気と接触することはなく、外気を冷却することは少ない。そのため外気中の水蒸気を凝縮することは少なく、結露や結氷が発生しにくい。また貫通孔105の外部側開口の周囲には、少量ずつ窒素ガスがオーバーフローするので、外部側開口は、低露点ガス雰囲気となり、結露や結氷が発生しにくい。
【0095】
以上説明した実施形態では、環境試験装置2は、環境試験装置本体5と空調機部6が分離されており、それぞれ独立した装置となっている。しかしながら本発明は、この構成に限定されるものではなく、
図14に示す試験装置90の様に、一つの断熱筐体83内に、空調機部85が内蔵された環境試験装置82を採用してもよい。
図14に示す試験装置90で採用する環境試験装置82では、断熱筐体83によって断熱領域84が形成されている。断熱筐体83の内部が空調機部85と試験室91に分かれている。空調機部85には、加湿器86と、冷却器87と、ヒータ88及び送風機89が設けられている。
送風機89の吐出口は、試験室91内に開いている。
【0096】
本実施形態の試験装置90においても、環境試験装置82の断熱筐体83の天面壁120と底面壁121に、ロッド挿通用貫通孔20,21が設けられている。ロッド挿通用貫通孔20,21の形状や構造は、前記した実施形態と同一であり、空洞部45,46にブロック体100が内蔵されており、ブロック体100に貫通孔105が設けられ、当該貫通孔105がロッド挿通用貫通孔20,21として機能する。
【0097】
上記した実施形態では、ロッド76,78を挿通する貫通孔20,21を上下に2個設けた例を示したが、貫通孔は、天面壁又は底面壁のいずれかだけに設けられていてもよい。側面壁に貫通孔が設けられていてもよい。また3以上の貫通孔を有していてもよい。
【0098】
また上記した実施形態では、上側掴み具77と下側掴み具79を試験室内に配置し、ロッド76,78を貫通孔に挿通させた。
しかし本発明この構成に限定されるものではなく、
図15に示す試験装置の200の様に上側掴み具77と下側掴み具79を試験室の外に配置し、被試験物や被試験物の一部を延長する部材を貫通孔に挿通させてもよい。
【0099】
以上説明した実施形態では、ブロック体100の平面形状が台形であったが、本発明のこの形状に限定されるものではなく、側面の少なくとも一方が傾斜面であればよい。
即ち前記した実施形態では、
図16(a)の様にブロック体100の平面形状が台形であったが、
図16(b)の様な三角形やそれに近い形状であってもよい。
また
図16(c)の様に一部に円弧形状や曲面があってもよい。
図16(d)の様に一方の側面だけが傾斜していてもよい。
【0100】
またブロック体100を容易に取り替えることができる様な構造としてもよい、
図17は、封鎖部材220を着脱可能とし、ブロック体100を取り外すことができる構成を示すものである。
図17に示す環境試験装置では、封鎖部材220の覆い板38a,38bと、本体側筐体部7側の覆い板56a,56bとの間に係合部材221を設けている。
係合部材221は、フックであり、先端に鉤状の係合部223を有し引っ張り力を受ける抗引っ張り部材である。
係合部材221は、ピン222で封鎖部材220の覆い板38a,38bに取り付けられており、水平方向に回動可能可能である。
一方、本体側筐体部7側の覆い板56a,56bには、係合部材221の係合部223が係合する突起225が設けられている。
図17に示す様に、係合部材221の係合部223を本体側筐体部7側の突起225と係合させることにより、封鎖部材220を外れない様に本体側筐体部7に取り付けることができ、ブロック体100を所定の位置に固定することができる。
一方、係合部材221の係合を解くことにより、封鎖部材220が本体側筐体部7から取り外せる状態となり、ブロック体100を取り外すことができる。
【0101】
上記した実施形態は、いずれも複合型の引っ張り試験機であるが、本発明は、引っ張り試験機に限定されるものではなく、圧縮試験機、剪断試験機、硬さ試験機、衝撃試験機等にも応用することができる。
【0102】
上記した二つの環境試験装置2、82は、温度環境を調整する機能と湿度環境を調整する機能を有している例を示している。
本発明で採用可能な環境試験装置は、上記のものに限定されず、温度と湿度のいずれか、もしくは両方を調整することができるものであればよい。
【0103】
以上説明した実施形態では、プロック体100は、一塊の樹脂であるが、幾つかに分割されていてもよい。例えば
図18のブロック体140の様に、2個のブロック片141によって構成されていてもよい。