(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コントローラ(40)は、前記建設機械の進行速度に依存して前記赤外線温度測定ヘッド(20)の動作速度を変更するのに有効であることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
前記コントローラ(40)は、少なくとも1つの測定点(100)において、測定された温度が予め決められた最低値より下がると、直ちに前記赤外線温度測定ヘッド(20)の前記動作方向を変えるのに有効であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
前記赤外線温度測定ヘッド(20)がその動作方向を変える位置は、新たに敷かれた前記道路建設用資材(50)の前記取付け幅(B)を計算するために、前記コントローラ(40)または該装置もしくは前記建設機械に配置された評価ユニットに記憶されることを特徴とする請求項4に記載の装置。
該装置は、前記赤外線温度測定ヘッド(20)から、前記赤外線温度測定ヘッド(20)が前記道路建設用資材(50)の前記表面(110)に対して略垂直に配向される測定点(103)までの距離(A)を測定するのに有効である非接触距離測定器(70)を備えていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
前記コントローラ(40)は、前記建設機械に配置された、前記建設機械の領域における風速、気温、空気湿度、降雨および/または他の周囲パラメータを決定する気象ステーション(80)へ電気的に接続可能であることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
前記モータ(30)は、ステッピングモータ、サーボモータ、直流モータまたは歯車装置を備えた直流モータであることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【背景技術】
【0003】
新しい道路を建設したり損傷した路面を新しくしたりする等の道路建設プロジェクトの場合、新たに敷かれた道路建設用資材の品質は、確認試験を用いて施工会社により記録されるべきものである。道路仕上げ機械によって敷かれた直後のアスファルト層の温度を測定することは、これらの試験のうちの1つである。新たに敷かれた道路建設用資材の温度は、取付け幅全体にわたって、道路仕上げ機械のアスファルト板の直後で測定される。
【0004】
温度センサを備えたレーン温度監視システムは、国際公開第2000/70150号パンフレットで知られている。そこでの温度センサは、熱画像カメラ、熱スキャナまたは「線走査」モードで動作する熱画像カメラの何れかによるものとすることができる。その温度センサは、新たに敷かれたアスファルト層の全幅が走査されるように、道路仕上げ機械の後端に配置される。記録された温度値は表示装置に視覚的に表示することができる。
【0005】
このような温度センサの欠点は、熱画像カメラまたは熱スキャナは購入するには通常極めて高価であるという事実にある。特に、小規模な建築会社の場合、このような出費は、高コストであるが故に通常は実現され得ない。さらに、熱画像カメラまたは熱スキャナの検出角度または開放角度は極めて限定的であり、その結果、8mから12mまでの範囲内の取付け幅または敷設幅の場合、新たに敷かれた道路建設用資材の取付け幅全体を検出できるようにするためには、例えば相応に適応された対物レンズが熱画像カメラに装着されなければならないことも欠点である。これにより、このような温度センサのコストはますます増大する。あるいは、新たに敷かれた道路建設用資材の取付け幅全体を検出できるようにするためには、熱画像カメラと熱スキャナの何れも道路仕上げ機械において相応に高い位置、すなわち新たに敷かれた道路建設用資材の表面から4mを遙かに超える位置に装着されなければならなくなる。しかし、これは、橋の下を通る際には特に不利である。
【0006】
しかしながら、道路仕上げ機械において、新たに敷かれた道路建設用資材の表面上3mから4mまでの好ましい範囲内に熱画像カメラまたは熱スキャナを設置する場合、検出角度または開放角度が限定されていることに起因して、新たに敷かれた道路建設用資材の取付け幅全体が検出されるためには、新たに敷かれた道路建設用資材の表面に対して相応に平坦な取付け角度が要求される(
図2参照。取付け角度Y
Fは大きいものでなければならない。)。しかし、その場合は、新たに敷かれた道路建設用資材の取付け幅全体にわたる温度は、道路仕上げ機械のアスファルト板の直後では測定されず、アスファルト板の後縁から相応に大きな距離を隔てて測定される。その結果、測定された温度値は、アスファルト板直後の領域における実際の値に一致するものではなくなる。
【0007】
進行方向を横断して移動する赤外線温度測定ヘッド、このセンサを動かすためのモータ、及びコントローラを含み、高温アスファルトの表面温度を測定するための先に述べたような装置は、すでに独国実用新案公開公報第20 2009 106 129U1号で知られている。
【0008】
この装置に基づいて、新たに敷かれたアスファルト層の取付け幅を計算することが独国実用新案公開公報第20 2013 001 597U1号で知られている。その取付け幅は、アスファルト層上の測定ヘッドの高さと、測定ヘッドがその動作方向を変える角度値とを用いて計算される。測定ヘッドの高さは距離センサを用いて決定される。
【0009】
しかしながら、この既知装置によって温度測定値を記録する場合、測定点パターンは安定しない結果となる。装置の取付け位置および/または取付け角度が変われば、新たに敷かれた道路建設用資材の表面上の測定点間の距離も同様に変わる。さらに、建設機械の進行方向における測定点間の距離は、建設機械の進行速度の変化に伴って変わる。建設機械が速く動けば、進行方向における測定点間の距離は長くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の目的は、新たに敷かれた道路建設用資材の温度測定値を、建設機械直後の領域、特に道路仕上げ機械のアスファルト板の背後の領域、における広い取付け幅にわたって安定した測定点パターンで記録できるようにする単純で安価な装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的は、独立請求項1および独立請求項10に記載される特徴によって達成される。本発明の好適な実施形態は従属請求項の主題である。
【0013】
本発明の実施形態は、建設機械、特に道路仕上げ機械、によって取付け幅で敷かれるアスファルト、ビチューメン、アスファルト混合材などといった道路建設用資材の温度を決定するための装置を提供する。この装置は建設機械において取付け幅内部の領域に配置される。この装置は、赤外線温度測定ヘッド、モータ及びコントローラとを備えている。赤外線温度測定ヘッドは、モータにより建設機械の進行方向を横断する方向に捻れることが可能であるように配置され、回転動作の間に、互いに離れた少なくとも2つの測定点での道路建設用資材表面の温度測定値を記録するのに有効である。コントローラは、この装置を取付け幅(B)内の領域において建設機械に取り付けたとき、測定されるべき表面上の測定点間の距離が一定しているように、モータを建設機械におけるこの装置の取付け位置に基づいて制御するのに有効である。
【0014】
実施形態によれば、コントローラは、モータを建設機械におけるこの装置の取付け角度にも基づいて制御するのに有効である。
【0015】
したがって、建設機械の進行方向を横断する2つの測定点間の予め決められた又は予め設定された例えば25cmという距離は、この装置の取付け位置および取付け角度に関わらず、新たに敷かれた道路建設用資材の表面上で取付け幅全体にわたって保持される。例えば、建設機械においてツールを再構築する際にこの装置の取付け位置および/または取付け角度が変更される場合、すなわち、この装置が高さ方向および/または建設機械の進行方向を横断する方向に移動され、及び/またはこの装置の取付け角度が変更される場合でも、建設機械の進行方向を横断する2つの測定点間の例えば25cmという予め設定された距離は、取付け位置および/または取付け角度の変更後であっても取付け幅にわたって保持される。
【0016】
実施形態によれば、これは、この装置の取付け位置の変更および/または取付け角度の変更に伴って、モータコントローラが適宜適合化され、よって、建設機械の進行方向を横断する2つの測定点間の予め決められた又は設定された距離が復元され、かつ効果的にはほぼ等しく保たれるという事実によって達成される。
【0017】
効果的には、赤外線温度測定ヘッドが非常に大きい角度まで、例えば約120゜から130゜までの範囲で傾斜できる。したがって、本発明によるこの装置を用いれば、この装置の取付け高さを新たに敷かれた道路建設用資材の表面上3mから4mまでの範囲内という好ましい高さにして、道路仕上げ機械のアスファルト板直後で14mまでの広い取付け幅領域において温度測定値を検出することができる。したがって、本発明によるこの装置は、広い取付け幅の分野のみに限定されず、赤外線温度測定ヘッドの可変的な捻り角度によって、先述の領域において路面のあらゆる取付け幅に対して使用することができる。これは、熱画像カメラまたは熱スキャナと比較すると有利である。というのは、熱画像カメラと熱スキャナの検出角度または開放角度は一般に一定だからである。さらに、この場合の道路仕上げ機械は、橋などの下を問題なく通過できる。
【0018】
さらなる優位点は、建設機械におけるこの装置の取付けが単純であり、かつこの装置の個々の構成部分のコストが適度であり、よって相応して装置全体のコストも適度であることにある。特に、赤外線温度測定ヘッドは熱画像カメラまたは熱スキャナより何倍も安価である。これは、本発明によるこの装置の購入が小規模な建築会社にとっても手頃であることを意味する。
【0019】
したがって、新たに敷かれた道路建設用資材の温度を新たに敷かれた道路建設用資材の安定した取付け幅で決定するために存在する安定した数の測定点のために、本発明によるこの装置を用いることができる。
【0020】
安定した数の測定点または2測定点間の安定した距離を有するという要件は、道路建設プロジェクトの入札、例えば新しい道路の建設または損傷した路面を新しくする入札において、新たに敷かれた道路建設用資材の安定した、延いては比肩し得る品質の測定を達成するための課題となることは確実である。
【0021】
実施形態によれば、赤外線温度測定ヘッドの動作速度は建設機械の進行速度の関数として変わる。これは、建設機械の進行速度に関わらず、新たに敷かれた道路建設用資材の表面上では、建設機械の進行方向に常に等しい測定点間距離、すなわち連続した測定間の等しい距離、が達成されることを意味する。例えば、連続する測定間の距離、すなわち建設機械の進行方向における測定点間の距離が常に25cmである場合、建設機械の進行速度が増加すると赤外線温度測定ヘッドの動作速度も増大されなければならず、逆もまた同様である。
【0022】
連続する測定間に略安定した距離を達成するためには、モータ用コントローラまたはこの装置もしくは建設機械に配置された評価ユニットが、建設機械の制御コンピュータまたは建設機械に配置された変位測定手段へ電気的に接続されていることが効果的である。その変位測定手段とは、例えば道路仕上げ機械において通常使用されるトラベルホイール等である。こうして達成される速度値は、次に、赤外線温度測定ヘッドの動作速度を計算するために使用することができる。赤外線温度測定ヘッドの動作速度の計算は、モータ用コントローラ内、または装置もしくは建設機械に配置された評価ユニット内の何れかで行うことができる。
【0023】
赤外線温度測定ヘッドの動作速度を建設機械の進行速度に適応させる優位点は、建設機械の進行方向を横断する方向、すなわち赤外線温度測定ヘッドの動作方向、の等しい測定点距離に関連して、測定点の均一なネットワークが生じることにある。測定された温度測定値を例えば制御コンピュータおよび/またはこれに接続されたディスプレイおよびオペレーティングユニット上へ表示または書き付けるのに必要な数に等しい数の測定点だけが赤外線温度測定ヘッドによって記録される。記録された温度測定値の例えば制御コンピュータによる後処理、例えば、不要な測定値もしくは一連の測定の廃棄もしくは無効化、または測定値もしくは一連の測定の補間等は省略できる。最小限に制限された送信されるべきデータ量も、異なる建設機械例えばローラへそのデータを圧縮しかつ容易な方法で送信して、ローラコントローラ用データをディスプレイユニットへ表示するのに有利である。
【0024】
熱画像カメラまたは熱スキャナと比較すると、これは有利である。というのは、熱画像カメラや熱スキャナは一般に非常に高分解能だからである。その場合、通常、測定された温度測定値を例えば制御コンピュータおよび/またはこれに接続されたディスプレイおよびオペレーティングユニット上へ表示または書き付けるために必要とされる数より遙かに多い測定点が記録される。その場合、結果的に、制御コンピュータによって処理されなければならないデータ量は大量になる。
【0025】
実施形態によれば、赤外線温度測定ヘッドの動作方向は、少なくとも1つの測定点において、測定された温度が予め決められた最小値、例えば80℃、より下がると直ちに変わる。モータにより建設機械の進行方向を横断して移動される赤外線温度測定ヘッドは、新たに敷かれた道路建設用資材の表面温度を絶えず測定する。温度値は、通常120℃から170℃までの範囲内である。80℃から120℃までの範囲内の温度値が測定される場所では、敷かれた道路建設用資材が冷たくなり過ぎていて、新たに敷かれた道路層に所謂「コールドスポット」が形成され、これが路面温度を下げる。しかし、赤外線温度測定ヘッドが、例えば80℃未満の温度を測定すれば、2つの外縁のうちの一方、すなわち新たに敷かれた道路層の側端に到達したと想定することができる。
【0026】
所謂「コールドスポット」は、予め決められた最低値、例えば80℃を下回る範囲内である可能性もある。この場合は、赤外線温度測定ヘッドの動作方向の早すぎて、しかもおそらくは間違った変更を回避するために、赤外線温度測定ヘッドは、まず、先に決定された外縁に達するまで動かされ、次いで、その時点で実行されている一連の測定の温度測定値の記録が、先に記録された少なくとも1つの一連の測定の値と比較される。
【0027】
路面の縁領域において、すなわち外縁領域において、測定点において予め決められた最低値、例えば80℃より高い少なくとも1つの温度値が決定される場合には、現行の取付け幅に低減がなく、かつ、新たに敷かれた道路層に所謂「コールドスポット」が存在しているものと想定することができる。その場合、効果的には、赤外線温度測定ヘッドを、先に決定された外縁又はそれを超えて少なくとも1つの測定点において例えば80℃より低い温度が測定されるまで移動させる。その場合は、新たに敷かれた道路層の2つの外縁のうちの一方、すなわち側端に達しているものと想定することができる。
【0028】
外縁領域における測定点において、予め決められた最低値、すなわち例えば80℃より低い温度値のみが決定される場合、現行の取付け幅が低減しているか、路面の縁領域、すなわち外縁領域に所謂「コールドスポット」が存在するものと想定することができる。赤外線温度測定ヘッドは、効果的には、後続の連続測定において測定領域を低減し、そのようにして変更された取付け幅または外縁を概算する。赤外線温度測定ヘッドは、少なくとも1つの測定点において、例えば80℃より低い温度が測定されるまで捻られるだけである。そこで、赤外線温度測定ヘッドは、2つの外縁のうちの一方、すなわち新たに敷かれた道路層の側端に到達したものと想定する。
【0029】
取付け幅を低減する場合には、測定点間の距離が等しいことによって赤外線温度測定ヘッドが測定値を記録する測定点の数も減る。反対の場合、すなわち、取付け幅を拡大する場合、測定点の数はそれに応じて増加する。
【0030】
実施形態によれば、赤外線温度測定ヘッドがその動作方向を変える位置は、新たに敷かれた道路建設用資材の取付け幅を計算するために、この装置もしくは建設機械に配置された、コントローラまたは評価ユニットに記憶される。新たに敷かれた道路建設用資材の取付け幅は、次に、記憶された赤外線温度測定ヘッドの角度位置、並びにこの装置または赤外線温度測定ヘッドの、新たに敷かれた道路建設用資材の表面に対する高さおよび取付け角度から計算される。
【0031】
実施形態によれば、測定点間の距離および/または測定点における温度測定の持続時間は、設定することができる。したがって、2測定点間の距離は、建設機械の進行方向を横断する方向と建設機械の進行方向の両方において、好ましくはコントローラをプログラムすることによって設定される。その設定は、例えば制御コンピュータまたはこれに接続されたディスプレイおよびオペレーティングユニットを用いてなされる。赤外線温度測定ヘッドの時定数、すなわち、ある測定点における温度測定の持続時間も、好ましくはプログラミングによって設定することができ、その設定も、例えば制御コンピュータまたはこれに接続されたディスプレイおよびオペレーティングユニットを用いてなされる。この場合、効果的には、この装置を例えば国別の要件に適合させることができる。米国では新しい道路層がより速い進行速度の道路仕上げ機械で敷かれることから、その場合は測定点における温度測定の持続時間は短縮されなければならない。さらに、米国では2測定点間の距離が通常約30cmであるのに対して、ドイツでは現在約25cmの測定点距離が義務づけられている。
【0032】
実施形態によれば、この装置の領域内には、レーザ距離測定器等の非接触距離測定器が配置され、その距離測定器により、赤外線温度測定ヘッドから、建設機械の進行方向にみて赤外線温度測定ヘッドが道路建設用資材表面に対して略垂直に配置される測定点までの距離が測定される。機械のオペレータによる例えば測定用テープを用いた高さ測定に比べると、このような距離または領域測定は、測定値を建設作業の開始前にディスプレイおよびオペレーティングユニットに読み出すことができ、続いてこの装置のコントローラにプログラムできるので効果的である。距離の測定には、好ましくは、光走行時間測定原理(light run time measurement principle)に従って動作するレーザセンサが使用されるが、超音波センサまたは様々なセンサ技術も使用することができる。
【0033】
実施形態によれば、非接触距離測定器は本発明による装置の一部である。あるいは、非接触距離測定器は、例えば、この装置の適切な位置に配置されるか又は建設機械に配置されて、この装置に接続される外部センサであってもよい。
【0034】
実施形態によれば、非接触距離測定器はこの装置のコントローラへ電気的に接続される。高さの値を例えば制御コンピュータまたはこれに接続されたディスプレイおよびオペレーティングユニットを用いてコントローラへ手動でプログラムすることに比べると、測定値が距離測定器からコントローラへ直に転送されることの方が効果的である。その結果、例えば、機械のオペレータによる間違った入力は回避される。
【0035】
実施形態によれば、コントローラは、建設機械に配置された気象ステーションへ電気的に接続される。気象ステーションは、例えば建設機械の領域における風速、気温、空気湿度、降雨および/または他の周囲パラメータを決定するものである。したがって、気象ステーションは、決定された測定値をコントローラへ送信し、コントローラは、次に、これをさらなる計算、例えば新たに敷かれた道路建設用資材の核心温度の計算のために用いたり記憶したりする。
【0036】
実施形態によれば、モータは、ステッピングモータ、サーボモータ、直流モータまたは歯車装置を含む直流モータである。
【0037】
また、本発明は、少なくとも1つの本発明による装置を備えた建設機械、特に道路仕上げ機械も提供する。この装置は建設機械の後部領域および/または前部領域に配置される。
【発明を実施するための形態】
【0039】
続いて、添付の図面を参照して本発明の実施形態を詳述する。
【0040】
以下の実施形態の説明において、同じ要素または効果が等しい要素には、添付の図面において同じ参照符号を付す。
【0041】
図1は本発明による装置を略示しており、この装置は、基本的に、モータ30と、モータ30またはモータ軸に配置された赤外線温度測定ヘッド20と、モータ30の領域内に配置されたコントローラ40とからなる。言及した構成部分は全てケーシング15内に保護されるように配置され、ケーシング15はその下側領域に、すなわち新たに敷かれた路面の表面110(
図1には示されていない)へ向かう方向に、略長手方向の開口16を備えている。赤外線温度測定ヘッド20がモータ30またはモータ軸に配置されていることにより、モータ軸の捻り動作によって赤外線温度測定ヘッド20も捻られる。このことは、
図1において赤外線温度測定ヘッド20の破線位置によって略示されている。好ましくは、赤外線温度測定ヘッド20は、約120゜から130゜までの角度範囲内で捻ることができる。回転動作の間、赤外線温度測定ヘッド20は、新たに敷かれた路面20の表面110上の互いに離隔された少なくとも2つの測定点100から103(例えば、
図3参照)において、表面110から放射される赤外線25によって開口16を介して温度測定値を記録する。
【0042】
図2は本発明による装置を示しており、この装置は側面図で示されている道路仕上げ機械の後部領域と前部領域(
図2では、破線で示されている)において、新たに敷かれた路面50の表面110からの高さhの位置10に配置されている。通常、この装置は、道路仕上げ機械の後部領域にのみ取り付けられ、新たに敷かれた路面50の温度測定値を記録する。しかしながら、この装置が、例えばアスファルト被覆層を敷く道路仕上げ機械の前部領域にのみ取り付けられること、または、これに加えて、後部領域に取り付けられることも実現可能である。この装置を道路仕上げ機械の前部領域に取り付ける場合、アスファルトが敷かれるべき地面50aの温度測定値が記録され、それは例えば異なる道路仕上げ機械によってアスファルト結合層等の路面が先に敷かれているか否かに関わらない。
【0043】
図2に示されているように、この装置の取付け位置が道路仕上げ機械の前部領域および/または後部領域であるかに関わらず、道路仕上げ機械の進行方向を横断する方向からみて、この装置は表面110に対して垂直であるようには道路仕上げ機械へ配置されず、垂線に対して例えば15゜から30゜までの範囲の取付け角度Y
Fで取り付けられている。その結果、
図2から
図6までに略示されている距離Aは、必ずしもこの装置の表面110からの取付け高さhに一致せず、常に、この装置と、建設機械の進行方向にみて赤外線温度測定ヘッド20が道路建設用資材50の表面110に対して略垂直に配置される測定点103との距離となる。測定精度+/−3℃を保証するためには、赤外線温度測定ヘッド20を垂線に対する最大取付け角度約45゜を超えて道路仕上げ機械へ取り付けないことが有利である。
【0044】
図3に示されている赤外線温度測定ヘッド20は参照符号bで示される動作方向に動き、かつ動きながら、新たに敷かれた路面50の表面110上に距離dで示される測定点100から103において温度測定値を記録する。赤外線温度測定ヘッド20の動作方向は、測定された温度が測定点101と102のうちの一方で例えば最低値80℃より下がると直ぐに変わる。したがって、赤外線温度測定ヘッド20の動作方向の早すぎて、しかもおそらくは間違った変更を回避するために、その時点で実行されている一連の測定の温度測定値の記録が、先に記録された少なくとも1つの一連の測定の値と比較される。測定点101と102は、道路仕上げ機械によって道路建設用資材50が敷かれる領域の外側にある。
図3から
図8では、この領域は2つの外縁111と112によって示されている。
【0045】
図3から
図6において、全ての測定点100から103は、新たに敷かれた路面50の下に互いに距離dで配置された短い垂線で略示されている。測定点103は、建設機械の進行方向にみて赤外線温度測定ヘッド20が道路建設用資材50の表面110に対して略垂直に配置される測定点である。さらに、
図3から
図6では、赤外線温度測定ヘッド20の動作領域が外側の赤外線放出線S
1とS
2で示されている。2つの角度αとβはそれぞれ赤外線放出線S
1、S
2から距離線Aに至る角度であり、これらの角度も上の動作領域により画定される。赤外線温度測定ヘッド20を捻るためにモータ30を制御するコントローラ40、または装置外部に配置された評価ユニットまたは計算ユニット(不図示)は、2つの小区分B
1=tanα×AとB
2=tanβ×Aを、2つの角度値α、βと、この装置または赤外線温度測定ヘッド20から新たに敷かれた路面50の表面110までの既知の距離Aから計算することができる。続いて、2つの小区分B
1とB
2とを加算すれば、全体的な取付け幅Bが得られる。
【0046】
図3から始めると、そこではこの装置が建設機械(
図3には示されていない)の進行方向を横断する方向の基本的な中心に配置されているが、道路仕上げ機械(
図3には示されていない)におけるこの装置の位置10は、
図4、
図5および
図6では変わっている。これは、この装置が、
図4では道路仕上げ機械の進行方向に対して右側へ偏るように配置され、
図5と
図6では道路仕上げ機械の進行方向に対して左側へ偏るように配置され、さらに新たに敷かれた路面50の表面110に対する距離Aを短縮して配置されていることを意味する。単純化を理由に、
図3から
図6までに示す例では、取付け角度Y
F(
図2参照)を例えば15°の定値とし、垂線に対応する取付け角度Y
Sを0゜であるものとする。したがって、距離Aは、A=(h/cos15)から計算される。
【0047】
図3による例において、赤外線温度測定ヘッド20による最大全体捻り角度α
Max+β
Max、例えば約120゜と、この装置または赤外線温度測定ヘッド20の取付け高さhによって、全体幅(tanα
Max×(h/cos15))+(tanβ
Max×(h/cos15))=(tan60×(4/cos15))+(tan60×(4/cos15))≒14.3が得られる。したがって、目的が新たに敷かれた路面50を少なくとも8mの取付け幅Bで検出することである場合、道路仕上げ機械におけるこの装置をその進行方向を横断して、道路仕上げ機械の中心を始点として外縁111と112の方向へ各々3m余分に移動させることができるので、敷かれた路面50がなおもその幅B全体にわたって検出される。
【0048】
図3から
図6に示されている全ての実施形態において、新たに敷かれた路面50の表面110は赤外線温度測定ヘッド20により常に取付け幅B全体にわたって検出される。このことは、赤外線温度測定ヘッド20の捻り角度が大きいことによって検出領域全体が取付け幅Bよりかなり大きい場合でも、また
図4から
図6までによる実施形態の場合のように建設機械の進行方向を横断する方向においてこの装置が中心に配置されていない場合でもいえることである。
【0049】
さらに、
図3から
図6までに示されている全ての実施形態において、この装置のコントローラ40がモータ30を建設機械におけるこの装置の取付け位置10と取付け角度Y
FおよびY
Sに基づいて効果的に制御するので、測定されるべき表面110上の測定点100の距離dが等しく維持される。このことは、コントローラ40またはこの装置もしくは建設機械に配置された評価ユニット(不図示)が、赤外線温度測定ヘッド20が垂線、すなわち測定点103へ下ろした垂線、に対して設定されるべき角度αとβを計算することによって達成される。測定点103は、建設機械の進行方向にみて赤外線温度測定ヘッド20が道路建設用資材50の表面110に対して略垂直方向に配置される点である。
【0050】
図3による実施形態例において、角αとβは等しく、例えば各々約45゜である。さらに、新たに敷かれた路面50の表面110に対しこの装置または赤外線温度測定ヘッド20の取付け高さhを4mとし、設定されるべき測定点距離dを25cmとし、外縁110方向への赤外線温度測定ヘッド20の開始位置を想定する。その結果、外縁111と112までの距離B
1とB
2は、各々、B
1=B
2=(tanα×A)=tanα×(h/cosY
F)=tan45×(4/cos15)≒3.86mである。
【0051】
外縁111の領域における第1の測定点100の記録は、赤外線温度測定ヘッド20の所謂ゼロ位置を表す測定点103を始点として3.75mの距離で実行される。したがって、赤外線温度測定ヘッド20の第1の捻り角度αは、α=arctan(3.75/(h/cosY
F))=arctan(3.75/(4/cos15))≒arctan0.91≒42.16゜に設定される。右側の外縁112方向への距離d=0.25mにおける次の測定点100に対しては、捻り角度α=arctan((3.75−d)/(h/cosY
F))=arctan((3.75−0.25)/(4/cos15))≒arctan0.85≒40.20゜が設定されることになる。これに続く捻り角度αは、arctan((3.75−2d)/(h/cosY
F))=arctan((3.75−0.50)/(4/cos15))≒arctan0.78≒38.13゜である。設定されるべき他の捻り角度αは同様にして計算される。
【0052】
建設機械の進行方向にみて赤外線温度測定ヘッド20が道路建設用資材50の表面110に対して略垂直に配置される測定点103について概算する場合、捻り角度は、α=arctan((3.75−14d)/(h/cosY
F))=arctan((3.75−3.50)/(4/cos15))≒arctan0.06≒3.45゜である。測定点103に到達すると、赤外線温度測定ヘッド20が再び所謂ゼロ位置に存在することから、設定されるべき捻り角度αは0゜である。これ以降に設定されるべき捻り角度は、それまでに実行された同様の計算により、角βを用いて計算される。したがって、測定点103に続いて右側の外縁112方向へ向う第1の捻り角度は、β=arctan((3.75−14d)/(h/cosY
F))=arctan((3.75−3.50)/(4/cos15))≒arctan0.06≒3.45゜である。右側の外縁112方向への距離d=0.25mにおける次の測定点100に対しては、捻り角度β=arctan((3.75−13d)/(h/cosY
F))=arctan((3.75−3.25)/(4/cos15))≒arctan0.12≒6.88゜が設定されることになる。次の捻り角度βは、したがって((3.75−12d)/(h/cosY
F))=arctan((3.75−3.00)/(4/cos15))≒arctan0.18≒10.27゜となる。赤外線温度測定ヘッド20の設定されるべきさらなる捻り角度βは、同様にして計算される。
【0053】
図4では、この装置の偏向された位置10によって、約60゜の角αは角βよりかなり大きい。しかし、赤外線温度測定ヘッド20は、例えば約120゜から130゜までの極めて大きい全体角度(α+β)で捻られることができる。しかしながら、測定精度+/−3°を保証するためには、赤外線温度測定ヘッド20は、建設機械の動作方向において、垂直距離線Aに対して各々2つの角αとβの最大値約60゜を超えて捻られないことが効果的である。それにも関わらず、
図4によるこの装置の位置10の場合、すなわち、例えばこの装置の取付け高さhが新たに敷かれた道路建設用資材50の表面110の上方約4mの領域にあり、かつ外縁112までの横方向距離B
2が約1mである場合、全体的な取付け幅B=B
1+B
2=(tanα×A)+1=(tanα×(h/cos15))+1=(tan60×(4/cos15))+1≒7.1+1≒8.1mを検出することができる。もし、この装置が道路仕上げ機械へ配置される角度が、道路仕上げ機械の進行方向に関し、表面110に対して垂直方向であれば、すなわち、表面110に対する取付け角度Y
F=0゜であれば、本例における約4mという距離Aは表面110の上方でのこの装置の取付け高さhに等しい。
【0054】
図4による実施例の場合、外縁111の領域において記録されるべき第1の測定点100は、赤外線温度測定ヘッド20のための既に言及したゼロ位置を表す測定点103を始点として7.00mの距離にある。したがって、赤外線温度測定ヘッド20の第1の捻り角度αは、α=arctan(7.00/(h/cosY
F))=arctan(7.00/(4/cos15))≒arctan1.69≒59.4゜に設定される。右側の外縁112方向への距離d=0.25mにおける次の測定点100に対しては、捻り角度α=arctan((7.00−d)/(h/cosY
F))=arctan((7.00−0.25)/(4/cos15))≒arctan1.63≒58.47゜が設定されることになる。よって、これに続く捻り角度αは、arctan((7.00−2d)/(h/cosY
F))=arctan((7.00−0.50)/(4/cos15))≒arctan1.57≒57.5゜になる。設定されるべきさらなる捻り角度αは、同様にして計算される。
【0055】
建設機械の進行方向にみて赤外線温度測定ヘッド20が道路建設用資材50の表面110に対して略垂直に配置される測定点103について概算する場合、捻り角度は、
図3による実施形態例と同様に、α=arctan((7.00−27d)/(h/cosY
F))=arctan((7.00−6.75)/(4/cos15))≒arctan0.06≒3.45゜である。測定点103に到達すると、赤外線温度測定ヘッド20がその時点で再び既に言及したゼロ位置に存在することから、設定されるべき捻り角度αは、したがって0゜である。これに続く設定されるべき捻り角度は、
図3による実施形態の実施例と同様にして計算される。したがって、右側の外縁112方向に向かって測定点103に続く最初の捻り角度βは、β≒3.45゜である。右側の外縁112方向に向かって距離d=0.25mにおける次の測定点100に対しては、捻り角度β≒6.88゜が設定されることになる。次の捻り角度βは約10.27゜である。赤外線温度測定ヘッド20の設定されるべきさらなる捻り角度βは、同様にして計算される。
【0056】
図4とは対照的に、
図5では角βが約60゜であって、本質的に角αより大きい。さらに、この装置または赤外線温度測定ヘッド20の新たに敷かれた路面50の表面110からの取付け高さh、延いては距離Aは、
図4より短い。例えば、その取付け高さhは約3.5mである。外縁111までの横方向距離B
1を2mであると仮定し、この装置がこの位置10にあるとすると、全体の取付け幅B=B
1+B
2=2+(tanβ×A)=2+(tanβ×(h/cos15))=2+(tan60×(3.5/cos15))≒8.2mを検出することができる。この実施例の場合もやはり、この装置が、道路仕上げ機械の進行方向に対して表面110に垂直になるように道路仕上げ機械に配置されていれば、すなわち、表面110に対する取付け角度Y
F=0゜であれば、約3.5mの距離Aはこの装置の表面110からの取付け高さhに等しい。
【0057】
図5による実施例の場合、外縁111の領域において記録されるべき第1の測定点100は、赤外線温度測定ヘッド20について既述のゼロ位置を表す測定点103から2.00mの距離B
1にある。したがって、赤外線温度測定ヘッド20の第1の捻り角度αは、α=arctan(2.00/(h/cosY
F))=arctan(2.00/(3.5/cos15))≒arctan0.55≒28.9゜に設定される。右側の外縁112方向への距離d=0.25mにおける次の測定点100については、捻り角度α=arctan((2.00−d)/(h/cosY
F))=arctan((2.00−0.25)/(3.5/cos15))≒arctan0.48≒25.78゜が設定されることになる。よって、次の捻り角度αは、arctan((2.00−2d)/(h/cosY
F))=arctan((2.00−0.50)/(3.5/cos15))≒arctan0.41≒22.49゜になる。設定されるべきさらなる捻り角度αは、同様にして計算される。
【0058】
建設機械の進行方向にみて赤外線温度測定ヘッド20が道路仕上げ機械50の表面110に対して略垂直であるように配置される測定点103について概算する場合、捻り角度は、α=arctan((2.00−7d)/(h/cosY
F))=arctan((2.00−1.75)/(3.5/cos15))≒arctan0.07≒3.95゜である。測定点103に到達すると、赤外線温度測定ヘッド20がその時点で再び既に言及したゼロ位置に存在することから、設定されるべき捻り角度αは、したがって0゜である。設定されるべき次の捻り角度は
図3および
図4による実施形態の実施例と同様にして計算されるが、取付け高さhは3.5mである。したがって、右側の外縁112方向へ向かって測定点103に続く最初の捻り角度βは、β≒3.95゜である。右側の外縁112方向への距離d=0.25mにおける次の測定点100に対しては、捻り角度β≒7.86゜が設定されることになる。次の捻り角度βは、≒11.69゜になる。赤外線温度測定ヘッド20の設定されるべきさらなる捻り角度βは、同様にして計算される。
【0059】
図6は、基本的に、
図5に従って道路仕上げ機械に配置された装置を示しているが、
図6におけるこの装置は、赤外線温度測定ヘッド20の走査方向において約15゜の範囲内の取付け角度Y
Sで捻られるように配置されている。しかしながら、このような捻りは、通常、新たに敷かれた路面50の全体的な取付け幅Bの検出には必ずしも必要とされない取付けによって生じるものであって、この装置自体の動作具合にも、赤外線温度測定ヘッド20にも影響しない。
【0060】
建設機械の進行方向を横断して赤外線温度測定ヘッド20を捻るモータ30のコントローラに関する限り、計算は
図5の場合と同様に行われるが、その計算には取付け角度Y
Sが考慮される。したがって、外縁111の領域において記録されるべき第1の測定点100も同じく、赤外線温度測定ヘッド20の既述のゼロ位置を表す測定点103から2.00mの距離B
1にある。その結果、赤外線温度測定ヘッド20の第1の捻り角度α+Y
Sは、α+Y
S=arctan(2.00/(h/cosY
F))+Y
S=arctan(2.00/(3.5/cos15))+15≒arctan0.55+15≒43.9゜に設定される。右側の外縁112方向への距離d=0.25mにおける次の測定点100に対しては、捻り角度α+Y
S=arctan((2.00−d)/(h/cosY
F))+Y
S=arctan((2.00−0.25)/(3.5/cos15))+15≒arctan0.48+15≒40.78゜が設定されることになる。これに続く捻り角度α+Y
Sは、arctan((2.00−2d)/(h/cosY
F))+Y
S=arctan((2.00−0.50)/(3.5/cos15))+15≒arctan0.41+15≒37.49゜になる。設定されるべきさらなる捻り角度α+Y
Sは、同様にして計算される。
【0061】
建設機械の進行方向にみて赤外線温度測定ヘッド20が道路建設用資材50の表面110に対して略垂直であるように配置される測定点103について概算する場合、捻り角度は、α+Y
S=arctan((2.00−7d)/(h/cosY
F))+Y
S=arctan((2.00−1.75)/(3.5/cos15))+15≒arctan0.07≒18.95゜である。測定点103に到達すると、赤外線温度測定ヘッド20がその時点で再び既に言及したゼロ位置に存在することから、設定されるべき捻り角度α+Y
Sは、したがって15゜になる。設定されるべき次の捻り角度も同じく、
図5による実施形態と同様にして計算されるが、取付け角度Y
Sも考慮される。したがって、右側の外縁112方向に向かって測定点103に続く最初の捻り角度は、β−Y
S≒−11.05゜である。右側の外縁112方向に向かって距離d=0.25mにおける次の測定点100に対しては、捻り角度β−Y
S≒−7.14゜が設定されることになる。そして、次の捻り角度β−Y
Sは、約−3.31゜になる。
【0062】
図7に略示されている道路仕上げ機械は、その後端の位置10に本発明による装置を備えている。道路仕上げ機械の進行方向は、地面120上の矢印によって示されている。本発明によるこの装置の領域内には、距離測定器70、例えばレーザ距離測定器、および気象ステーション80も配置されている。気象ステーション80は、例えば道路仕上げ機械の領域における風速および気温を決定する。本発明によるこの装置は、新たに敷かれた路面50の表面110の温度を、外縁111および外縁112によって横方向、すなわち道路仕上げ機械の進行方向を横断する方向、が限定される取付け幅Bにわたって測定する。したがって、その測定値は、道路仕上げ機械の進行方向を横断して略示されかつ等距離dで配置される測定点100において記録される。道路仕上げ機械が進行方向へ動くと、赤外線温度測定ヘッド20による走査動作によって一連の測定による線上の測定点100が生じ、その測定点100の線は実際に観察すると斜めである。これに関して注意すべきことは、
図7および
図8における点の図解が単なる概略であって、この装置が機能する様式の理解を図るためのものに過ぎないということである。
【0063】
図8は基本的に
図7の道路仕上げ機械を示すものであるが、測定点パターンは、新たに敷かれた道路建設用資材50の表面110上に、かつアスファルト板の直後に略示されている。測定点100は、このように建設機械の進行方向を横断する方向と建設機械の進行方向の双方で互いに対して等距離dを示し、その結果、新たに敷かれた道路建設用資材50の取付け幅B全体にわたってアスファルト板の後に安定した測定点パターンが生じる。
【0064】
上述の実施形態は、単に、本発明の原理を例示するものである。他の当業者には、本明細書に記述されている配置および詳細の変更および変形が明らかであることは理解すべきである。したがって、本発明は添付の請求の範囲によってのみ限定され、本明細書における実施形態の記述および論考を用いて提示されている具体的な詳細によっては限定されないことが意図されている。