【文献】
小泉 亮 他,ウェーブレットOFDMのマルチパスフェージング環境における特性評価,2005年電子情報通信学会総合大会講演論文集 通信1,2005年 3月 7日,p.482,B−5−33
【文献】
河野 隆二,超広帯域(UWB)無線通信と今後の高度無線アクセス技術,電子情報通信学会誌 第87巻 第5号 THE JOURNAL OF THE INSTITUTE OF ELECTRONICS,INFORMATION AND CO,社団法人電子情報通信学会,2004年 6月 1日,pp.396-401
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記変換信号は、前記多重化拡散チップ列を少なくとも周波数領域で直交するように変換して多重度を1以上で多重化して生成することを特徴とする請求項1に記載の符号系列を用いた送信信号の生成検出方法。
前記変換信号は、前記多重化拡散チップ列毎に定められた周波数分割方法で生成したOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号を多重化した多重度が1以上の多重化OFDM信号であり、前記多重化拡散チップ列は、前記多重化OFDM信号を周波数領域に変換して取得されることを特徴とする請求項1乃至2の何れか1項に記載の符号系列を用いた送信信号の生成検出方法。
前記変換信号は、前記多重化拡散チップ列毎に定められたパラメータ設定で生成したウェーブレットOFDM信号を多重化した多重度が1以上の多重化ウェーブレットOFDM信号であり、前記多重化拡散チップ列は前記多重化ウェーブレットOFDM信号のウェーブレット係数から取得されることを特徴とする請求項1乃至2の何れか1項に記載の符号系列を用いた送信信号の生成検出方法。
前記変換信号は、前記多重化拡散チップ列毎に定められたパラメータ設定で生成したウェーブレットOFDM信号を多重化した多重度が1以上の多重化ウェーブレットOFDM
信号であり、前記多重化拡散チップ列は前記多重化ウェーブレットOFDM信号をDFT(Discrete Fourier Transfom)変換により周波数領域に変換して取得されることを特徴とする請求項1乃至2の何れか1項に記載の符号系列を用いた送信信号の生成検出方法。
前記変換信号は前記多重化拡散チップ列であって、前記送信信号は前記多重化拡散チップ列に基づいて生成されることを特徴とする請求項1に記載の符号系列を用いた送信信号の生成検出方法。
前記送信信号は、ホッピングする搬送波を前記変換信号を含む送信信号生成のための信号で変調して生成され、前記多重化拡散チップ列は前記送信信号から検出した前記変換信号から周波数領域または時間領域で取得された信号であることを特徴とする請求項1に記載の符号系列を用いた送信信号の生成検出方法。
前記送信信号は周波数領域で直交する前記変換信号で搬送波を変調して生成した変調信号であり、前記多重化拡散チップ列は前記送信信号を復調して検出した前記変換信号から周波数領域または時間領域で取得することを特徴とする請求項1に記載の符号系列を用いた送信信号の生成検出方法。
前記送信信号は、少なくとも前記変換信号を含む信号であり、前記多重化拡散チップ列が前記送信信号の前記変換信号から周波数領域または時間領域で取得されることを特徴とする請求項1に記載の符号系列を用いた送信信号の生成検出方法。
前記局在化パルスが第一の局在化パルスと第二の局在化パルスとを含み、前記第一の局在化パルスが逆拡散されて生成された前記結合のための符号系列から生成され、前記局在化用符号系列の局在化パルスである前記第二の局在化パルスが前記第一の局在化パルスから検出されるものであることを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の符号系列を用いた送信信号の生成検出方法。
前記局在化パルスの態様をさらに検出して送信信号が照射された対象物の情報を取得することを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載の符号系列を用いた送信信号の生成検出方法。
前記送信信号は源データから生成されたデータを含んでおり、前記変換信号はデータが写像されたシーケンスを含む前記符号系列から生成された信号であって、前記源データは前記局在化パルスを検出して決定した符号系列に基づいて復号されることを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項に記載の符号系列を用いた送信信号の生成検出方法。
前記送信信号が測定対象に送出された信号であって、前記測定対象の情報は前記測定対象から前記送信信号に基づく信号を検出して算出した前記局在化パルスの態様及び/または特性を用いて取得されることを特徴とする請求項1乃至13の何れか1項に記載の符号系列を用いた送信信号の生成検出方法。
前記変換信号は前記多重化拡散チップ列毎に定められた周波数分割方法で生成したOFDM信号を多重化した多重度が1以上の多重化OFDM信号であって、前記変換手段が前記多重化OFDM信号を生成するものであり、前記送信信号検出手段は、前記多重化OFDM信号を検出するものであり、前記変換信号処理手段は前記送信信号の前記多重化OFDM信号を周波数領域に変換して周波数領域でOFDM信号の多重化拡散チップ列を取得するものであることを特徴とする請求項15の符号系列を用いた通信システム。
前記変換信号は前記多重化拡散チップ列毎に所定のウエーブレット及び又はパラメータ設定で生成したウェーブレットOFDM信号を多重化した多重度が1以上の多重化ウェーブレットOFDM信号であって、前記変換手段が前記多重化ウェーブレットOFDM信号を生成するものであり、前記送信信号検出手段は前記多重化ウェーブレットOFDM信号を検出するものであり、前記変換信号処理手段は前記多重化ウェーブレットOFDM信号のウェーブレット係数を検出して多重化拡散チップ列を表すウェーブレットOFDM信号のウェーブレット係数を取得するものであることを特徴とする請求項15に記載の符号系列を用いた通信システム。
前記送信信号はホッピングする搬送波を少なくとも前記変換信号で変調して生成したホッピング信号であって、前記送信手段が前記ホッピング信号を生成するものであり、前記送信信号検出手段は前記ホッピング信号を検出して復調するものであり、前記変換信号処理手段は前記送信信号が有する変換信号から周波数領域または時間領域で多重化拡散チップ列を取得するものであることを特徴とする請求項15に記載の符号系列を用いた通信システム。
前記送信信号は少なくとも前記変換信号からなる信号であって、前記送信手段が前記送信信号を生成するものであり、前記送信信号検出手段は、前記少なくとも変換信号からなる前記送信信号を検出するものであり、前記変換信号処理手段は前記送信信号の変換信号から周波数領域または時間領域で前記多重化拡散チップ列を取得するものであること、を特徴とする請求項15に記載の符号系列を用いた通信システム。
前記変換信号は多重度が1以上の多重化OFDM信号であって、前記変換手段が前記多重化拡散チップ列からOFDM信号を生成し多重化して前記変換信号である前記多重化OFDM信号を生成するものであり、前記送出手段が前記多重化OFDM信号に基づいて前記送信信号を生成して送出するものであり、前記送信信号検出手段が前記送信信号を検出するものであり、
前記拡散チップ列取得手段が、前記送信信号の前記多重化OFDM信号を周波数領域に変換して周波数領域のOFDM信号が表す前記多重化拡散チップ列を取得するものであることを特徴とする請求項23に記載の符号系列を用いた計測システム。
前記変換信号は多重度が1以上の多重化ウェーブレットOFDM信号であって、前記変換手段が前記多重化拡散チップ列からウェーブレットOFDM信号を生成し多重化して前記変換信号である前記多重化ウェーブレットOFDM信号を生成するものであり、前記送出手段が前記多重化ウェーブレットOFDM信号に基づいて前記送信信号を生成して送出するものであり、前記送信信号検出手段が前記送信信号を検出するものであり、前記拡散チップ列取得手段が、前記送信信号の前記多重化ウェーブレットOFDM信号から算出したウェーブレット係数から前記ウェーブレットOFDM信号のウェーブレット係数が表す
前記多重化拡散チップ列を取得するものであることを特徴とする請求項23の符号系列を用いた計測システム。
前記拡散チップ列取得手段が、請求項25に記載の前記送信信号の前記多重化ウェーブレットOFDM信号から算出したウェーブレット係数から前記ウェーブレットOFDM信号のウェーブレット係数が表す前記多重化拡散チップ列を取得することに代えて、前記送信信号の前記多重化ウェーブレットOFDM信号をDFT変換して前記多重化拡散チップ列を取得することを特徴とする請求項23に記載の符号系列を用いた計測システム。
前記送信信号が2周期以上の符号系列からなるプリアンブルを含み、検出された前記送信信号に重畳した遅延波が前記プリアンブルに基づいて除去され、前記遅延波が除去された検出された前記送信信号から前記時間領域または前記周波数領域の前記多重化拡散チップ列が取得されることを特徴とする請求項1に記載の符号系列を用いた送信信号の生成検出方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、内部干渉雑音及び外部雑音を含む狭帯域及び広帯域の雑音を低減して高いSN比改善率で検出することができる符号系列を用いた送信信号の生成と高いSN比改善率での送信信号の検出とを可能とする符合系列を用いた送信信号の生成検出方法を提供することを目的とする。
【0011】
また、これらの送信信号の生成方法及び検出方法を用いた送信装置と受信装置とを備え、データの搬送効率が高くまた雑音環境でも多重度を大きく設定して高速のデータ伝送が可能な通信システムを提供することを目的とする。
【0012】
さらに、これらの送信信号の生成方法及び検出方法を用いた送信装置と受信装置とを備え、高いSN比改善率で高品質の計測を行うことができる符号系列を用いた計測システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記従来例の問題点を解決して前記目的を達成するための本発明は、符合系列を用いた送信信号の生成検出方法において、拡散のための符号系列と結合のための符号系列のチップと局在化用符号系列のチップとを乗積した拡散チップ列が結合のための符号系列のチップに関して多重化された多重度が1以上の多重化拡散チップ列を生成し、少なくとも単数又は複数の多重化拡散チップ列を変換して生成した変換信号に基づいて送信信号を生成して送信し、送信信号を検出して変換信号から時間領域または周波数領域で多重化拡散チップ列を取得し、当該取得された多重化拡散チップ列が有する拡散チップ列を当該拡散チップ列の拡散のための符号系列で逆拡散して結合のための符号系列を生成し、少なくとも結合のための符号系列の局在化パルスを算出することを特徴とする。
【0014】
本発明の多重化拡散チップ列は任意の順序で生成することができる。
本発明は、上記送信信号の生成検出方法において、変換信号は、多重化拡散チップ列を少なくとも周波数領域で直交するように変換して多重度を1以上で多重化して生成することを特徴とする。
【0015】
本発明は、上記送信信号の検出生成方法において、前記変換信号は、前記多重化拡散チップ列毎に定められた周波数分割方法で生成したOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号を多重化した多重度が1以上の多重化OFDM信号であり、前記多重化拡散チップ列は、前記多重化OFDM信号を周波数領域に変換して取得されることを特徴とする。
【0016】
本発明は、上記送信信号の検出生成方法において、変換信号は、多重化拡散チップ列毎に定められたパラメータ設定で生成したウェーブレットOFDM信号を多重化した多重度が1以上の多重化ウェーブレットOFDM信号であり、多重化拡散チップ列は多重化ウエーブレットOFDM信号のウエーブレット係数から取得されることを特徴とする。本発明のウェーブレットOFDM信号はオーバーラッピングしてもよい。また、パラメータはスケーリング係数及びシフトパラメータを表す。
【0017】
本発明は、上記送信信号の生成検出方法において、変換信号は、多重化拡散チップ列毎に定められたパラメータ設定で生成したウェーブレットOFDM信号を多重化した多重度が1以上の多重化ウェーブレットOFDM信号であり、多重化拡散チップ列は多重化ウエーブレットOFDM信号をDFT(Discrete Fourier Transfom)変換により周波数領域に変換して取得されることを特徴とする。
【0018】
本発明は、上記送信信号の生成検出方法において、変換信号は多重化拡散チップ列であって、送信信号は多重化拡散チップ列に基づいて生成されることを特徴とする。
【0019】
本発明は、上記送信信号の生成検出方法において、送信信号は、ホッピングする搬送波を変換信号を含む送信信号生成のための信号で変調して生成され、多重化拡散チップ列は送信信号から検出した変換信号から周波数領域または時間領域で取得された信号であることを特徴とする。
【0020】
本発明は、上記送信信号の生成検出方法において、送信信号は周波数領域で直交する変換信号で搬送波を変調して生成した変調信号であり、多重化拡散チップ列は送信信号を復
調して検出した変換信号から周波数領域または時間領域で取得することを特徴とする。
【0021】
本発明は、上記送信信号の生成検出方法において、送信信号は、少なくとも変換信号を含む信号であり、多重化拡散チップ列が送信信号の変換信号から周波数領域または時間領域で取得されることを特徴とする。
【0022】
本発明は、上記送信信号の生成検出方法において、符号系列はデータが写像されたシーケンスを含むことを特徴とする。
【0023】
本発明は、上記送信信号の生成検出方法において、局在化パルスが第一の局在化パルスと第二の局在化パルスとを含み、第一の局在化パルスが逆拡散されて生成された結合のための符号系列から生成され、局在化用符号系列の局在化パルスである第二の局在化パルスが第一の局在化パルスから検出されるものであることを特徴とする。
【0024】
本発明は、上記送信信号の生成検出方法において、局在化パルスの態様をさらに検出して送信信号が照射された対象物の情報を取得することを特徴とする。
【0025】
本発明は、上記送信信号の生成検出方法において、送信信号は源データから生成されたデータを含んでおり、変換信号はデータが写像されたシーケンスを含む符号系列から生成された信号であって、源データは局在化パルスを検出して決定した符号系列に基づいて復号されることを特徴とする。
【0026】
本発明は、上記送信信号の生成検出方法において、送信信号が測定対象に送出された信号であって、測定対象の情報は測定対象から送信信号に基づく信号を検出して算出した局在化パルスの態様及び/または特性を用いて取得されることを特徴とする。
【0027】
上記従来例の問題点を解決して上記目的を達成するための本発明に係る符号系列を用いた通信システムは、上記の符号系列を用いた送信信号の生成検出方法に基づいた符合系列を用いた通信システムにおいて、源データからデータを生成する入力手段と、データが写像されたシーケンスを含む拡散のための符号系列と結合のための符号系列と局在化用符号系列とを生成する写像手段と、拡散のための符号系列と結合のための符号系列のチップと局在化用符号系列のチップとを乗積した拡散チップ列が結合のための符号系列のチップに関して多重化された多重度が1以上の多重化拡散チップ列を生成する多重化拡散信号生成手段と、少なくとも単数又は複数の多重化拡散チップ列を変換して変換信号を生成する変換手段と、送信信号を生成するための送信用信号を少なくとも変換信号から作成する送信用信号生成手段と、送信用信号から送信信号を生成して送出する送信手段とを具備した送信装置と、送信装置から送信された、データを含んだ多重化拡散チップ列を変換して生成した変換信号に基づく送信信号を検出する送信信号検出手段と、送信信号から検出した変換信号から時間領域または周波数領域で多重化拡散チップ列を取得する変換信号処理手段と、当該取得した多重化拡散チップ列に含まれた拡散チップ列を拡散のための符号系列で逆拡散して結合のための符号系列を生成する可検出化手段と、少なくとも可検出化手段の出力から結合のための符号系列の局在化パルスを検出して符号系列を決定する決定手段と、決定された符号系列から源データを復号する復号手段とを具備した受信装置とを備えたことを特徴とする。
【0028】
本発明は、上記の符号系列を用いた通信システムにおいて、変換信号は多重化拡散チップ列毎に定められた周波数分割方法で生成したOFDM信号を多重化した多重度が1以上の多重化OFDM信号であって、変換手段が多重化OFDM信号を生成するものであり、送信信号検出手段は、多重化OFDM信号を検出するものであり、変換信号処理手段は送信信号の多重化OFDM信号を周波数領域に変換して周波数領域でOFDM信号の多重化
拡散チップ列を取得するものであることを特徴とする。
【0029】
本発明は、上記の符号系列を用いた通信システムにおいて、変換信号は多重化拡散チップ列毎に所定のウエーブレット及び又はパラメータ設定で生成したウェーブレットOFDM信号を多重化した多重度が1以上の多重化ウェーブレットOFDM信号であって、変換手段が多重化ウェーブレットOFDM信号を生成するものであり、送信信号検出手段は多重化ウェーブレットOFDM信号を検出するものであり、変換信号処理手段は多重化ウェーブレットOFDM信号のウェーブレット係数を検出して多重化拡散チップ列を表すウェーブレットOFDM信号のウェーブレット係数を取得するものであることを特徴とする。
【0030】
本発明は、上記の符号系列を用いた通信システムにおいて、送信信号はホッピングする搬送波を少なくとも変換信号で変調して生成したホッピング信号であって、送信手段がホッピング信号を生成するものであり、送信信号検出手段はホッピング信号を検出して復調するものであり、変換信号処理手段は送信信号が有する変換信号から周波数領域または時間領域で多重化拡散チップ列を取得するものであることを特徴とする。
【0031】
本発明は、上記の符号系列を用いた通信システムにおいて、送信信号は搬送波を少なくとも変換信号で変調して生成した変調信号であって、送信手段が変調信号を生成するものであり、送信信号検出手段は、変調信号を復調するものであり、変換信号処理手段は送信信号が有する変換信号から周波数領域または時間領域で多重化拡散チップ列を取得するものであることを特徴とする。
【0032】
本発明は、上記の符号系列を用いた通信システムにおいて、送信信号は少なくとも変換信号からなる信号であって、送信手段が送信信号を生成するものであり、送信信号検出手段は、少なくとも変換信号からなる送信信号を検出するものであり、変換信号処理手段は送信信号の変換信号から周波数領域または時間領域で多重化拡散チップ列を取得するものであることを特徴とする。
【0033】
本発明は、上記の符号系列を用いた通信システムの送信装置である。
本発明は、上記の符号系列を用いた通信システムの受信装置である。
【0034】
上述の従来例の問題点を解決して上記目的を達成するための本発明に係る符号系列を用いた計測システムは、上記の符号系列を用いた送信信号の生成検出方法に基づいた符合系列を用いた計測システムにおいて、拡散のための符号系列と結合のための符号系列のチップと局在化用符号系列のチップとを乗積した拡散チップ列が結合のための符号系列のチップに関して多重化された多重度が1以上の多重化拡散チップ列を生成する拡散信号生成手段と、単数又は複数の多重化拡散チップ列から変換信号を生成する変換手段と、少なくとも変換信号から送信信号を生成するための送信用信号を生成する送信用信号生成手段と、送信用信号に基づいて送信信号を生成して対象物に送出する送信手段とを具備した送信装置、および、送信信号を検出する送信信号検出手段と、送信信号の変換信号から時間領域または周波数領域で多重化拡散チップ列を取得する拡散チップ列取得手段と、拡散チップ列取得手段により取得された多重化拡散チップ列に含まれた拡散チップ列を当該拡散チップ列の拡散のための符号系列で逆拡散して結合のための符号系列を生成する可検出化手段と、少なくとも可検出化手段の出力から結合のための符号系列の局在化パルスを検出する局在化パルス検出手段と、局在化パルスの態様を検出して対象物の情報を取得する測定手段とを具備した受信装置とを備えたことを特徴とする。
【0035】
本発明は、上記の符合系列を用いた計測システムにおいて、変換信号は多重度が1以上の多重化OFDM信号であって、変換手段が多重化拡散チップ列からOFDM信号を生成し多重化して変換信号である多重化OFDM信号を生成するものであり、送出手段が多重
化OFDM信号に基づいて送信信号を生成して送出するものであり、送信信号検出手段が送信信号を検出するものであり、拡散チップ列取得手段が、送信信号の多重化OFDM信号を周波数領域に変換して周波数領域のOFDM信号が表す多重化拡散チップ列を取得するものであることを特徴とする。
【0036】
本発明は、上記の符合系列を用いた計測システムにおいて、変換信号は多重度が1以上の多重化ウェーブレットOFDM信号であって、変換手段が多重化拡散チップ列からウェーブレットOFDM信号を生成し多重化して変換信号である多重化ウェーブレットOFDM信号を生成するものであり、送出手段が多重化ウェーブレットOFDM信号に基づいて送信信号を生成して送出するものであり、送信信号検出手段が送信信号を検出するものであり、拡散チップ列取得手段が、送信信号の多重化ウェーブレットOFDM信号から算出したウェーブレット係数からウェーブレットOFDM信号のウェーブレット係数が表す多重化拡散チップ列を取得するものであることを特徴とする。
【0037】
本発明は、上記の符合系列を用いた計測システムにおいて、拡散チップ列取得手段が、請求項25に記載の送信信号の多重化ウェーブレットOFDM信号から算出したウェーブレット係数からウェーブレットOFDM信号のウェーブレット係数が表す多重化拡散チップ列を取得することに代えて、送信信号の多重化ウェーブレットOFDM信号をDFT変換して多重化拡散チップ列を取得することを特徴とする。
【発明の効果】
【0038】
本発明は、符号系列のチップを拡散用の符号系列で拡散し多重化した多重化拡散チップ列に基づいて送信信号を生成するため送信信号の検出は逆拡散処理と局在化処理とを直列的に続けて行って検出することが可能となり、検出信号からは狭帯域雑音及び広帯域雑音の両雑音を除去することができ、従来の何れの方式に比べてもSN比改善率は大きくなる。
【0039】
また、多重化拡散チップ列を少なくとも周波数領域で直交するように変換し多重化して生成した多重化OFDM信号または多重化ウェーブレットOFDM信号である変換信号を用いた送信信号では、受信された送信信号は、周波数領域への変換処理、逆拡散処理及び局在化処理の相乗効果によりSN比が更に大きく改善される。この結果、OFDM信号毎の多重化拡散チップ列の取得が可能となり、送信信号にデータが含まれる場合には伝送速度を多重化OFDM信号又は多重化ウェーブレットOFDM信号の多重度と多重化拡散チップ列の多重度とにより相乗的に高速化することができる。特に高速域では従来の方式に比べて低い振幅値で高速化が可能となり、増幅器の線形性に対する要求が軽減される。
【0040】
他方、計測システムでは、変換信号に基づく多様なエネルギー媒体の送信信号を測定対象に照射してその局在化パルスの態様を測定することにより測定対象に係わる減衰、吸収、反射、放射、散乱、透過、遅延時間、距離等の情報及び伝播媒質の情報を高いSN比改善率で取得することができる。但し、取得可能な情報はこれらに限定されるものではない。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本発明の実施の形態に係わる送信信号の生成方法及び送信装置は、拡散のための符号系列(Spreadding Code。以下、SCとも呼称する)と結合のための符号系列(Coupling Code。以下、CCとも呼称する)のチップと局在化のための符号系列(Localizing Code。以下、局在化用符号系列、又は、LCとも呼称する)のチップとを乗積した拡散チップ列が結合のための符号系列のチップに関して多重化された多重度が1以上の多重化拡散チップ列を生成し、その多重化拡散チップ列又はスクランブル化されたその多重化拡散チップ列を変換して生成した変換信号に基づいて送信信号を生成するようにしたものである。これにより受信側で大きなSN比改善率を具現化できる送信信号を生成できる。
【0043】
拡散のための符号系列(SC)は、パルスを拡散するための符号系列である。本実施形態では、SCは、CCのチップで結合され後に多重化されて多重化信号を形成し、その多
重化信号でLCのチップを拡散するために用いられる。具体的には、本実施形態では、SCは、
1.データが写像される、すなわち、データに従って循環シフトする、
2.結合のための符号系列(CC)の符号長が1の場合には、データが写像された後、局在化のための符号系列(LC)のチップを拡散する、
3.CCの符号長が2以上の場合には、複数のSCにおいてデータが写像された後にCCで結合されて多重化され、LCのチップを拡散する。
【0044】
なお、SCの基本状態は、例えば、予め定められてメモリ等に記憶されており、SC=(1,1,1,−1,−1,1,−1)のチップ列のように与えられる。当該SCのチップ列は、例えば、シフトレジスタを用いて実現することができる。SCにデータを写像する場合、一例として、上記チップ列の状態を0に定め、
データ0:(1,1,1,−1,−1,1,−1)
データ1:(−1,1,1,1,−1,−1,1)
データ2:(1,−1,1,1,1,−1,−1)
データ3:(−1,1,−1,1,1,1,−1)
等のようにSCとデータとの関係が設定される。例えば、データ1は、データ0の状態を右へ1つ循環シフトしたデータである。
【0045】
また、結合のための符号系列(CC)は、複数の拡散用の符号パルス列を一次結合して多重化させるための符号系列である。本実施形態では、CCは、CCのチップと拡散符号パルス列とを掛け算することで、拡散符号パルス列を従属化する。同時に、本実施形態では、SCで逆拡散されたCCのチップは、局在化されて局在化パルスを生成し、その検出を容易にする。
【0046】
なお、本実施形態では、CCを用いることで、多重化した後のチップ列の多重度と当該CCの符号長が等しくなる。そのため、検出時には、それぞれの拡散のための符号系列(SC)のチップが分離されるので、このチップをCCで局在化することで、CCに対する局在化信号が生成される。そして、SCの逆拡散では、それぞれのSCは符号長に等しいシフト状態を持つため、SCのシフト時間を変えて、その数に等しい回数の逆拡散が行われる。正しいシフト時間で逆拡散を行ったか否かは、CCの局在化パルスを検出し、最大のパルスが得られるシフト時間の組を測定することで、判定することができる。
【0047】
更に、局在化用符号系列(LC)は、CCの局在化信号で構成されたチップから局在化信号を算出し、その最大局在化パルスを検出してSCのシフト時間を決定するために用いられる符号系列である。
【0048】
最大局在化パルスの検出では、LCの各チップに対応した受信信号をSCのシフト時間を変えて逆拡散することで、CCの各チップが分離される。一例として、LCの符号長を7、CCの符号長を3、対応する3種類のSCの符号長をそれぞれ7とする。なお、1系列のLC、CCは種類及び基本状態はそれぞれ初期設定されており、また、3種類のSCもその種類及び基本状態が初期設定され、シフト状態はデータによって変化するものとする。
【0049】
この場合に、本実施形態では、まず、第1のSCのシフト時間を変えてCCの第1チップを乗積して逆拡散する処理が行われる。この処理では、第1のSCにおける7つのシフト状態それぞれに対して逆拡散が行われる。当該逆拡散は、SCを乗積(つまり、SCで拡散)した信号に、再度、同じSCを乗積することで行われる。
【0050】
同様に、第2、3のSCのシフト時間を変えて、LCの各チップに対応した受信信号に
それぞれ対応する第2、3のSCのシフト時間を循環シフトして乗積し逆拡散する処理が行われる。なお、CCの3チップを逆拡散により分離するためには、7×7×7=343回の逆拡散に係る処理が実行される。
【0051】
続いて、343個すべての逆拡散値を用いてCCの局在化信号を算出して、最大局在化パルスを検出する。なお、3組すべてのSCの組でシフト時間が送信信号のシフト時間と一致した時に、局在化信号が最大となる。なお、すべての逆拡散処理を完了してからCCの局在化パルスを検出することに代えて、3種類のSCのシフト時間を順次循環シフトさせて受信信号を逆拡散し、逆拡散毎にCCの局在化信号を算出し、その最大値を検出して最大局在化パルスを決定してもよい。
【0052】
送信信号に含まれる雑音が大きくなるほど、このようにして得られるCCの極大化信号が検出できず、データが検出できない可能性がある。これに対して、本実施形態では、そのため、各チップの343個すべての逆拡散値を用いてLCの局在化信号を算出して、求められる最大局在化パルスをLCの局在化パルスとして検出する。LCの局在化パルスは、すべてのチップでSCが正しく一致したときに与えられるため、この状態を記憶しておくことで、各SCのシフト状態、従って、データを検出することが可能になる。
【0053】
ただし、LCの局在化パルスを求めるためには、それぞれ343(7の3乗)回の7つのチップに対する逆拡散とLCに関する局在化信号検出の演算が行われるため、7の21乗(約10の18乗)回の演算が行われる。当該演算を高速化するため、後述するような局在化パルスの検出が行われる。
【0054】
なお、LCの基本状態は、例えば、予め定められてメモリ等に記憶されており、LC=(1,1,1,−1,−1,1,−1)のチップ列のように与えられる。当該LCは、例えば、シフトレジスタを用いて実現することができる。
【0055】
また、本実施形態において、SCには、M系列、Gold符号系列、かざみ符号系列などの符号系列を用いることができる。また、CCには、符号長が1以上のM系列、Gold符号系列、かざみ符号系列などを用いることができる。さらに、LCには、符号長が1以上のM系列、Gold符号系列、かざみ符号系列などを用いることができる。なお、符号長が1の符号系列は振幅が+1またはー1のパルスである。
【0056】
また、本発明の実施の形態に係わる送信信号の検出方法及び装置は、上記の送信信号を検出してその変換信号から時間領域または周波数領域で多重化拡散チップ列を取得し、その拡散チップ列を当該拡散チップ列の拡散のための符号系列で逆拡散して結合のための符号系列を生成し、少なくとも前記結合のための符号系列から局在化パルスを検出するようにしたものである。なお、符号長が1の符号系列の局在化パルスは振幅が符号系列の振幅に比例する正のパルスである。これにより、受信装置は大きなSN比改善率で送信信号の検出が可能となる。
【0057】
また、本発明の実施の形態に係わる通信システムは、上記の送信装置と受信装置とを備え、送信信号は幾つかの符号系列の種類、符号系列のシフト時間及び/または極性に写像されたデータを含み、狭帯域雑音および広帯域雑音が重畳した通信路に対しても高いSN比改善率でデータ伝送を行うことができる。この送信信号からは、上記のように高いSN比改善率で局在化パルスの検出が行われるとともに伝送速度は多重化拡散チップ列の多重度とそれを変換し多重化して生成した変換信号の多重度とにより相乗的に高速化される。さらに、高いSN比を利用してシンボル長を短縮して高速化を図ることができる。なお、送信信号に含まれる制御信号やプリアンブルなどはデータと同様に変換信号に変換してから送信信号を生成することができるが、別の形式または方法で送ってもよい。
【0058】
本発明の実施の形態に係わる計測システムは、多重化拡散チップ列を変換して生成した変換信号に基づく送信信号を対象物に送出し、対象物から送信信号を検出してその変換信号から多重化拡散チップ列を取得し、拡散チップ列を逆拡散した信号から局在化パルスを検出して対象物に係わる情報を取得するものである。これにより、雑音環境における対象物の測定が可能となる。
【0059】
本発明の符号系列を用いた送信信号の生成方法と送信装置および符号系列を用いた送信信号の検出方法と受信装置の原理及び構成方法について図を参照しながら説明する。送信信号を生成するための
図1の拡散チップ列を生成するためには、正整数をkとしてk組のSCとCCのチップとLCのチップとがLCのチップ毎に乗積される。特に、CCとLCの符号長はそれぞれ1以上、SCの符号長は7以上が好適である。また、多重化拡散チップ列は、SCとCCの異なるチップとLCのチップとを乗積して多重化するかまたはSCとCCの異なるチップとを乗積して多重化しこの信号にLCのチップを乗積して生成することができる。これらの符号系列SCの組には、異なる種類の系列の組み合わせか識別可能な範囲で同じ種類の系列を用いることができる。
図1に代えて、
図2の構成の多重化拡散チップ列に基づいて送信信号を生成し、送受信してもよい。
【0060】
図1において、aはLCを表しており、そのチップはCL
1、----、CL
NLである。ここで、NLは、LCの符号長を示す。
【0061】
b−1、----、b−3はCCであり、説明を簡単にするため、本例では符号長は3であり、チップがそれぞれ1、−1、1である例を示す。なお、生成される多重化拡散チップ列の多重度mは、CCの符号長と等しいため、本例では3となるが、CCを選択して1以上の符号長とすることができる。また、CCはCL
1、----、CL
NLに対してそれぞれ同一の値を取っているが、CL
j(j=1、――――、NL)毎に符号系列を選択することもできる。但し、jはLCの第j番目のチップを表す。なお、b−1のチップ列では、CC
(j,1)は、CL
j(j=1、――――、NL)に対応している。b−2及びb−3のチップ列においても同様である。
【0062】
また、c−1、----、c−3はシフト時間にデータが写像されたSCの組を表している。CL
j(j=1、----、NL)に対してそれぞれk組のSCが含まれている。これらの
SCには異なる種類の符合系列を用いるか、又は検出可能な範囲では同一種類の符合系列を用いることができる。なお、図中のNSは、SCの符号長を示す。また、c−1におけるCS
(1,j,1)〜CS
(1,j,kNS)は、それぞれ、CL
j(j=1、----、
NL)に対応している。この点は、c−2及びc−3においても同様である。
【0063】
d−1のCL
1に対応する拡散チップ列CP
(1,1,1)、----、CP
(1,1,kNS)は、CL
1とb―1の対応するCCのチップとc−1の対応するSCとを乗積して生成する。同様にして、d−2のCL
1に対応する拡散チップ列
およびd−3のCL
1に対応する拡散チップ列が生成される。次いで、これらの拡散チッ
プ列を多重化してeのCL
1に対応する多重化拡散チップ列CM
(1,1)、----、CM
(1,kNS)が生成される。特に変換信号が多重化拡散チップ列を少なくとも周波数領域で直交する信号に変換し多重化して生成される場合には、LCのチップ毎に変換信号の多重度に等しい数の多重化拡散チップ列が生成される。同様にして、CL
j(j=2、----、NL)に対する多重化拡散チップ列が生成される。なお、これら(k×NL×NS)
(以下、kNLNSとも記載する)個のチップの配列は以上に限るものではなく、スクランブル化する等予め定められた順序に従うように行ってよい。また、変換信号は多重化拡散パルス列であってもよい。
【0064】
また、多重化拡散チップ列は、
図1に代えて
図2によって生成してもよい。
図2において、aはLCを表しており、k組のLCが時間軸方向に連続的に配置されそのチップ配列はCL
(1,1)、----、CL
(1,NL)、CL
(2,1)、---、CL
(2,NL)
、---、CL
(k,NL)である。
【0065】
b−1、----、b−3はCCであり、説明を簡単にするため、本例では符号長は3であり、そのチップは1、−1、1である。生成される多重化拡散チップ列の多重度mは、CCの符号長と等しいため、本例では3であるが、CCを選択して1以上の符号長とすることができる。本例では、CCはCL
(1,1)、----、CL
(k,NL)に対してそれぞれ同一の値を取っているが、LCのチップ毎に符号系列を選択することもできる。また、c−1、---、c−3はシフト時間にデータが写像されたSCの組を表している。CL
(
i,j)で表された各チップ(i=1、――、k、j=1、----、NL)には異なる種類の符合系列又は検出可能な範囲では同一種類の符合系列からなるSCが乗積される。
【0066】
d−1の拡散チップ列CP
(1,1,1,1)、----、CP
(1,k,NL,NS)は、CL
(1,1)、---、CL
(k,NL)とb―1の対応するチップとc−1の対応す
るSCとを乗積して生成する。同様にして、CL
(i,j)に対応するd−2及びd−3の拡散チップ列が生成される(i=1,---,k、j=1、----、NL)。
【0067】
次いで、これらの拡散チップ列を多重化してeのCL
(i,j)に対応する多重化拡散チップ列CM
(i,j,1)、------、CM
(i,j,NS)が生成される(i=1,---,k、j=1、----、NL)。このチップ列は、各LCに対応して(CM
(1,1,1)----CM
(1,NL,NS))、(CM
(2,1,1)----CM
(2,NL,NS))、----、(CM
(k,1,1)----CM
(k,NL,NS))から構成されているが、多重化拡散チップ列が少なくとも周波数領域で直交する信号に変換され多重化されて生成された変換信号の場合には、チップ数kNLNSはサブチャネル数n以下となるように構成される。なお、これらkNLNS個のチップの配列は以上に限るものではなく、スクランブル化する等予め定められた順序に従うように行ってもよい。
【0068】
図3は、
図1に示した符号長がNSの多重化拡散チップ列が(k×NL)(以下、kNLとも記載する)組含まれた時系列を表しており、横軸は時間軸である。a−1において、kNLNS個のチップは並列変換され、次いでマッピングされた後サブチャネルに対応付けられてIDFT(Inverse Discrete Fourier Transform)変換またはIDWT(Inverse Discrete Wavelet Transform)変換される。多重化拡散チップ列のチップ数はNSに限らずNSの正整数倍が好適であるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、サブバンドの数nに合わせてチップ数を決定してよい。また、図には記載されていないが、スクランブル化したkNLNS個のチップを並列変換し、次いでマッピングしてもよい。a−rまでの所要数の多重化拡散チップ列に対して、異なる周波数分割方法を用いてOFDM信号を生成し多重化して変換信号の一つである多重度がrの多重化OFDM信号を生成することができる。同様にして、チップが並列配列されたa−rまでのそれぞれの多重化拡散チップ列からウェーブレットのスケーリング係数及び/またはシフトパラメータに定められた設定を行ない、ウェーブレットOFDM信号を生成し、多重化して変換信号の一つである多重度がrの多重化ウェーブレットOFDM信号を生成することができる。このようにして生成された多重化OFDM信号または多重化ウェーブレットOFDM信号に基づいて送信信号が生成される。同様にして、
図1に記載の多重化拡散チップ列を用いた変換信号に代えて
図2の多重化拡散チップ列を変換し生成した多重化OFDM信号または多重化ウェーブレットOFDM信号に基づいて送信信号を生成することができる。
【0069】
図4は、各サブバンドに多重化拡散チップ列の時系列を割り振って変換信号を生成する
ための多重化拡散チップ列の時系列を表しており、a−(u,1)、----、a−(u,r)(但し、u=1、----、n、の集合)は第uのサブバンドに割り振られたr組の多重化拡散チップ列に対応し、横軸は時間軸である。iを1からrまでの指定された数とし、a−(u,i)のuが1からnまでのjに関して同期したチップCM
(u,i,j)(但し、
j=1、----、NS)はi毎に異なる周波数分割方法でIDFT変換されてi番目のOFDM信号が生成される。同様にして全てのiに対してOFDM信号が生成され、多重化されてjにおける多重化OFDM信号が生成される。なお、
図4では符号長がNSの多重化拡散チップ列が変換される場合が例示されているが、符号長の正整数倍の多重化拡散チップ列を用いてもよい。また、ウェーブレットを用いた場合には、iを1からrまでの指定された数とし、i毎にウエーブレットのパラメータであるスケーリング係数及び/またはシフトパラメータを所定の方法で設定し、a−(u,i)のuが1からnまでのjに関して同期したチップCM
(u,i,j)(但し、j=1、----、NS)をIDWT変換してウェーブレットOFDM信号を生成する。この行程は各jにおいて全てのiに関して行われてウェーブレットOFDM信号が生成され、多重化されて多重度がrの多重化ウェーブレットOFDM信号が生成される。これらの多重化OFDM信号または多重化ウェーブレットOFDM信号に基づいて送信信号が生成される。なお、kが2以上の場合、この形式の変換信号には
図1又は
図2の多重化拡散チップ列を用いることができる。
【0070】
図5は本発明の多重化OFDM信号や多重化ウェーブレットOFDM信号に適用される変換信号の生成方法を例示している。但し、この例ではkを正整数としてkNLNS個のチップがn組のサブチャネルに変換される場合を示しているが、これに限るものではなく、例えば(k×NS)(以下、kNSとも記載する)個がn組のサブチャネルへ変換されるように構成してもよい。
【0071】
a−0に示すp
(i,j)(以下、チップ点と呼称する)、はLCのi番目のチップにおけるk組の多重化拡散チップ列集合のkNS個のチップの第j番目を表している(i=1、----、NL、j=1、----、kNS)。a−1、----、a−rは、それぞれチップ点の
多重化拡散チップ列に含まれるチップの値を表しており、変換され多重化されて変換信号となる。
【0072】
b−1、----、b−rは、横軸が時間軸であって、それぞれ対応するa−1,----、a
−rのkNLNS個のチップが並列変換されてサブチャンネルに割り振られて生成されたOFDM信号を例示している。
【0073】
cはこれらのOFDM信号を多重化して生成した多重化OFDM信号を表している。
dは多重化OFDM信号の時間―周波数分割のサブバンドG
(i,j)(但し、i=1、----、NLおよびj=1、----、kNSである。以下、G
(i,j)を周波数領域のチップ点と呼称する)を表し、a−0のp
(i,j)に対応する。各G
(i,j)はa−1、----、a−rの当該チップ点の値に対応するg
(i,j,1)、----、g
(i,j,r)から構成され、NSはSCの符号長であり、g
(i,j,h)とg
(i,j,h+1)との間隔はΔ
(i,j,h)である(但し、h=1、----、r−1)。
【0074】
eは本発明による多重化OFDM信号に含まれた各OFDM信号のサブバンドの中心周波数成分を示すものであって、横軸は周波数、縦軸は成分の大きさを表す。G
(i,j)(但し、i=1、----、NL及びj=1、----、kNS)は、LCの第i番目のチップにおける符号長がNSのk組の拡散チップ列の第j番目のチップに対応するサブバンドであって、a−1、----、a−rに対応するg
(i,j,1)、----、g
(i,j,r)で構成されている。ここに、g
(i,j,h)とg
(i,j,h+1)との間隔はΔ
(i,j,h)である(但し、h=1、----、r−1)。
【0075】
送信信号は、
図1のeの多重化拡散チップ列信号、
図5のcの多重化OFDM信号等を含むが、これらに限るものではなく、変換信号にもとづいて生成されるものであって、多重化拡散チップ列、そのインパルス列、それらの何れかで搬送波を変調して生成した変調信号及びホッピング搬送波を変調して生成したホッピング信号、多重化拡散チップ列から生成され少なくとも周波数域で直交するOFDM信号やウェーブレットOFDM信号等が多重化された多重化OFDM信号や多重化ウェーブレットOFDM信号等、これらの周波数領域で直交する信号またはそれらの多重化信号で搬送波を変調して生成した変調信号或いはホッピングする搬送波を変調して生成したホッピング信号が含まれる。OFDM信号やウェーブレットOFDM信号は実信号又は複素信号で構成される。なお、送信信号はプリアンブル、ポストアンブル、制御信号、同期信号などを含むことができる。
【0076】
次いで、変換信号から周波数領域で多重化拡散チップ列を取得する方法を説明する。変換信号をDFT又はDWT(Discrete Wavelet Transform)変換して得られた周波数領域のチップ点をG
(i,j)(但し、i=1、----、NL及びj=1、----、kNS)とし、その点の成分の集合を(g
(i,j,1)、g
(i,j,2)、―――、g
(i,j,r))とする。RaおよびRfを当該チップ点G
(i,j)に影響するそれぞれ先行及び後続するチップ点の数とすれば、G
(i,j)の近傍の点には当該チップ点の成分と先行する(r×Ra)個及び後続の(r×Rf)個の成分とからの影響が加わる。従って、G
(i,j)近傍に取られたr(Ra+Rf)+r点中の第u番目の
点の値をs
u(但し、u=1、―――、r(Ra+Rf)+r)、その点における各成分の
値をx
v(v=1、2、―――、r(Ra+Rf)+r)、x
vの係数をa
(u,v)とすれば
、式(1)が成立する。
【0078】
(1)式のa
(u,v)は、多重化OFDM信号に対しては多重化OFDM信号をDFT変換したモデルを用い、又多重化ウェーブレットOFDM信号に対しては多重化ウェーブレットOFDM信号をDWT変換したモデルを用いて予め定めることができる。変換信号の多重度をrとすれば式(1)よりa
(u,v)(但し、u、v=1、----、r(Ra+Rf
+1))を要素とする行列をA、x
v(v=1、----、r(Ra+Rf+1))を要素とする列ベクトルをX及びs
uを要素とする列ベクトルをSとして、式(2)が得られる。
【0082】
としてそれぞれの多重化拡散チップ列のチップの周波数領域の値が得られる。なお、先行チップと後続チップが対称な影響を及ぼす場合にはRa=Rfである。このようにして得られた周波数領域の成分は、必要に応じて多重化拡散チップ列を表すように再配置される。
【0083】
IDWT変換、DWT変換の組み合わせによるウェーブレット信号の生成と復調に代えて、IDWT変換で生成されたウェーブレットOFDM信号から短周期DFT変換を用いて
図5、dに対応する周波数成分を算出し、DWT変換と同様の方法で多重化拡散チップ列のチップ値を算出して多重化拡散チップ列を求めてもよい。
【0084】
次いで、取得された多重化拡散チップ列から局在化パルスを検出する方法につき
図6を参照しながら説明する。
図6のaは
図1のeと同様の方法で生成された送信信号から時間領域又は周波数領域で取得した符号長がNLNsの多重化拡散チップ列を例示している。但し、説明を簡単化するためにk=1とした。また、
図6のb−1、----、b−3は
図1c−1、----、c−3の符号系列SCに対応している。
図6において、aとb−1とは同期して乗積され、c−1が生成される。同様にしてaとb−2からc−2が生成され、aとb−3とからc−3が生成される。c−1、----、c−3は符号系列CCのチップと符号系列LCのチップとが乗積された信号であり、符号系列CCに関して局在化されてLCを表すdが生成される。
図6には表示されていないが、変換されたk組の多重化拡散チップ列が多重度rで多重化されて生成された変換信号からは
図6のaに相当する多重化拡散チップ列がkr組取得され、それら全てに符号系列LCの局在化パルス検出までの処理が行われる。以上の処理は、LCの同一のチップ内にある全ての多重化拡散チップ列に対して行われる。さらに、dの局在化パルスをLCに関して局在化することによりeが得られる。なお、これらの処理方法はデータ通信や計測等に対して適用することができる。
【0085】
次に、送信信号にデータが含まれている場合のデータの伝送方法につき述べる。データは入力された源データに誤り訂正符号化を含む処理が施されて生成されたバイナリパルス列である。このデータはLC、CC及びSCの少なくとも何れかの符号系列の種類、シフト時間及び/又は振幅に写像されるために所定の形式に変換される。
【0086】
一例として、変換信号は多重化OFDM信号又は多重化ウェーブレットOFDM信号であり、データは符号長がNSの定められたSCのシフト時間にのみ写像される場合につき述べる。LCのチップの時間幅を多重化拡散チップ列の時間長のk倍、各チップに含まれた多重化拡散チップ列の数をそれぞれk、各多重化拡散チップ列が有するデータが写像されたSCの数をnd、多重化OFDM信号又は多重化ウェーブレット信号の多重度をr、
データが写像された多重化拡散チップ列を有するLCのチップ数をLLとすれば、このkNLNS個のチップが搬送するデータ量は(k×nd×LL×r×log
2NS)ビットで
ある。このデータの検出は符号系列SCのシフト時間を検出することにより行なわれる。なお、このデータ量はndとkは全ての多重化拡散チップ列で等しく設定した場合である
が、異なる設定とすることもできる。また、LCのチップ毎にk、nd、rを異なる値に設定して変換信号の集合を生成することも可能である。雑音環境では多重化拡散チップ列から特定の拡散チップ列を検出することは困難であり、また、多重化拡散チップ列の多重度が大きい場合には干渉が生じるために低雑音環境でも検出は困難である。それ故、本発明では、符号系列CCの局在化パルスを検出できる条件下では第一の局在化パルスである符号系列CCの局在化パルスを検出してSN比を改善し、符号系列を決定する。この処理は、それぞれの多重化拡散チップ列に対してSCのシフト時間を順次乗積するかまたは異なるシフト時間のSCを並列に乗積した信号から、CCに対する最大の局在化パルスを検出してSCとCCとを決定し、さらにCCよりLCを決定する。なお、この場合にはLCの符号長を1に設定して符号系列LCの局在化処理を省略してもよい。また、特に低雑音信号に対しては、さらに、結合のための符合系列(CC)の符号長NC=1及びNLが所要の符号長、又は、NC=1及びNL=1、の多重化拡散チップ列を用いて変換信号を生成することができる。他方、CCの局在化パルスの検出が困難な場合には、CCの局在化パルス列をLCのチップ列として第二の局在化パルスであるLCの局在化パルスを検出し判定して各符号系列を決定する。なお、本発明にいう符号系列を決定するとは、既知の符号系列を用いた送信信号では符号系列のシフト時間及び/または極性を決定することであり
、未知の符号系列を用いた送信信号では符号系列の種類の決定と、シフト時間および/または極性の決定を行うことを含む。決定された符号系列、符号系列のシフト時間及び/又は極性で表されたデータは逆形式変換されてデータが算出され、次いでこのデータから源データが復号される。なお、多重化拡散チップ列の順序でチップが多値PSK、PAM、ASK等にマッピングされた多重化拡散チップ列のOFDM信号或いはウェーブレットOFDM信号は、周波数領域では多重化拡散チップ列を表し、直接SCで逆拡散される。
【0087】
また、SCをkビットのデータが対応付けられた2
k種類の符号系列とし、このSCを用いて高速化を図ることができる。さらに、このSCのシフト時間及び/または極性にデータを写像して一層の高速化を図ることができる。この場合の符号系列の種類の増加を抑制する1方法として、極性が付与された複数のSCの組み合わせを用い、それぞれのSCに対して拡散チップ列を構成し多重化することができる。さらに、CC及び/又はLCにデータの写像を行うこともできる。
【0088】
次に、本発明の計測方法につき述べる。送信側では定められた変換信号又は定められた手順で切り換えられる複数の変換信号から送信信号が生成されて送信される。このようにして生成される送信信号には多重化拡散チップ列、そのインパルス列、それらの何れかで搬送波を変調して生成した変調信号及びホッピング搬送波を変調して生成したホッピング信号、多重化拡散チップ列から生成され周波数域で直交するOFDM信号やウェーブレットOFDM信号等、これらの信号が多重化された多重化OFDM信号や多重化ウェーブレットOFDM信号等、これらの周波数領域で直交する信号またはそれらの多重化信号で搬送波を変調して生成した変調信号、直交変調信号或いはホッピングする搬送波を変調して生成したホッピング信号が含まれるが、信号の種類はこれらに限るものではない。送信された信号は対象物によって反射されるか、又は吸収、分散、回折などの作用を受けた後に透過信号、蛍光放射信号、黒体輻射信号、または反射信号等として検出され、この検出信号から対象物の情報を取得することができる。また、送信信号を検出して計測用送信装置、対象物及び計測用受信装置間の距離や媒体の情報を取得するように構成することができる。さらに、送信信号の一部または全部を用いて対象物の状態、例えば量子的状態等を制御しつつ或いは制御してその結果を測定することもできる。
【実施例】
【0089】
図7は本発明に係わる符号系列を用いた伝送システムの構成例であって、符号系列を用いた伝送システム1は送信装置2と受信機3と交換手段4とを備えている。送信装置2は、入力手段21、多重化拡散信号生成手段23、変換手段24、送信用信号生成手段25、送信手段26、制御手段22、および交換機4並びに/あるいは受信装置3と交信を行う交信手段27を備えており、各手段は制御手段22によってクロックに同期して制御される。他方、受信装置3は、送信信号検出手段31、変換信号処理手段32、可検出化手段33、決定手段34、復号手段35、表示・出力手段36、交換機4及び/あるいは送信装置2と交信を行う交信手段37、制御手段38および同期検出手段39を備え、各手段は制御手段38のクロックに同期して制御されている。同期検出手段は、検出された送信信号の同期を捕捉するとともにパイロット信号を用いて回線の状況を推定し、また、周期性雑音を検出・予測して除去することができる。
【0090】
図8は入力手段21を例示している。入力手段21は入力した源データにスクランブル処理、リード・ソロモン符号化処理、畳み込み演算処理、パンクチャー処理、インターリーブ処理、パリティチェック処理等を施してデータを生成する。なお、源データに施される処理はこれらに限るものではなく、通信環境に対応して追加・削除・変更することができる。
【0091】
図9は本発明の多重化拡散信号生成手段23を例示している。符号系列生成部231は
、例えば、メモリ(不図示)等に記憶され予め与えられた各符号系列の基本状態を用いて、
図1のaのための基本状態のLC、b-1〜b-3のための基本状態のCC、c-1〜c-3のための基本状態のSCを生成する。他方、データは、一般的には、SC、CC、LCのいずれにも写像することができる。そのため、例えば、CCのチップ数及びLCのチップ数をそれぞれVC及びLLとすれば、データ形式変換部235でNS進数(VC×LL)桁に形式変換される。特に、VCが1の場合には、桁数はLL桁となる。そして、データ写像部232により所要の符号系列に形式変換されたデータが写像されて、
図1のc-1
〜c-3、または、
図2のc-1〜c-3が生成される。乗積部233では、データ写像部
232により生成されたチップ列が用いられ、SCとCCのチップとLCのチップとの乗積を行って
図1のd-1〜d-3または
図2のd-1〜d-3の所要の拡散チップ列が生成さ
れる。次いで、多重化部234では、乗積部233により生成された拡散チップ列が多重化されて
図1のeまたは
図2のeの多重化拡散チップ列が生成される。
【0092】
図10はOFDM信号生成のための変換手段24を例示している。所要数の多重化拡散チップ列は、マッピング部241aで直並列変換された後マッピングされ、IDFT部242aでIDFT処理されてOFDM信号が生成される。この処理は、周波数分割方法を変えて変換信号の多重度に等しいr回繰り返され、生成されたr組のOFDM信号は多重化部243aで多重化されて変換信号である多重化OFDM信号が生成される(rは自然数)。次いでGI挿入部244aでガードインターバルGIが挿入されて、実信号又は複素信号として送信用信号生成手段25へ出力される。OFDM信号のGIの挿入方法は当業者には周知の方法である。
【0093】
図10の送信用信号生成手段25はGIが挿入された変換信号の前にプリアンブル及び、又は後にポストアンブルを挿入するが、送信用信号生成手段25が挿入する信号はこれに限るものではない。
【0094】
図11はウェーブレットOFDM信号用の変換手段24を例示している。
図1のeまたは
図2のeで示された所要数の多重化拡散チップ列は、IDWTマッピング部241bで直並列変換された後マッピングされ、IDWT部242bでIDWT処理されて
図5のb-1〜b-rに示すウェーブレットOFDM信号が生成される。この処理は、パラメータの設定を変えて変換信号の多重度に等しいr回繰り返され、生成されたr組のウェーブレットOFDM信号はIDWT多重化部243bで多重化されて変換信号である多重化ウェーブレットOFDM信号が生成され、実信号または複素信号として送信用信号生成手段25へ出力される。
【0095】
図11の送信用信号生成手段25は変換信号の前にプリアンブルおよび、または後にポストアンブルを挿入するが、挿入できる信号はこれに限るものではない。
【0096】
送信用信号生成手段25の出力信号は送信手段26に入力し、送信信号が生成されて送出される。この例では、送信信号は交換装置4を経由して受信装置へ送信されるが、交換装置4を使用しないで構成されたデータ伝送システムでは直接受信装置へ送信される。
【0097】
図12は、変換信号が1以上の多重度を持つ多重化OFDM信号である送信信号を受信する受信装置3の変換信号処理手段32を例示している。検出手段31で送信信号から検出された変換信号は、変換信号処理手段32のGI除去部3211でGIが除去され、DFT部3212でDFTにより周波数領域へ変換され、DFT多重化拡散チップ列取得部3213で式(3)に基づきそれぞれの周波数領域のチップ点の成分が取得され、それらの成分からそれぞれの多重化拡散チップ列が取得される。
【0098】
図18は、GIを用いて遅延波を除去することに代えてプリアンブルに符号系列を用い
て送信信号に重畳した遅延波を削除する方法を例示したものである。本実施例では、ウェーブレットOFDM信号通信でシンボル長を短縮して高速化を図る場合や、OFDM信号通信でGIを削除して高速化を図る場合に、この遅延波を除去する方法を用いて、
図13の変換信号処理手段32において用いては、マルチパスなどにより生じる遅延波を大きなSNR改善率を生かして除去する。
【0099】
図18のa-1はプリアンブルに周期Tの符号系列が2周期含まれ、続いて他の情報を
表すパルス列又は変換信号が配置された送信信号を例示している。符号系列としては唯一の自己相関関数のピークを持つためM系列が好ましく、また、その長さは2周期以上であればよい。
【0100】
a-2は送信信号が時間d1遅延した遅延波を表しており、時間2Tから2T+d1の
パルス列はa-1の波形の2T−d1から2Tの部分に等しい。a-3は送信信号が時間d2遅延した遅延波であって、記載されてはいないが2Tから2T+d2のパルス列は送信
波形の2T−d2から2Tの部分に等しい。図には記載されてはいないが、受信波は反射などにより生じたこれらの遅延波が送信信号に重畳したものである。
【0101】
b-1はa-1の送信信号にa-2及びa-3の遅延波が重畳した受信波と符号系列との相関関数を表している。
図18に示されるb-1では、時間0、d1及びd2にそれぞれ送
信信号の相関関数のパルス、遅延時間d1の遅延波の相関関数のパルス及び遅延時間d2の遅延波の相関関数のパルスが生じている。これらのパルスの振幅はそれぞれ送信信号及び各遅延波の強度を表している。
【0102】
c-1は受信波から遅延波が除去された波形を示している。受信信号の2Tから2T+
d1の時間区分D1には第一の遅延波による送信信号の時間区分2T−d1から2Tまでのパルス列及び第二の遅延波による送信信号の時間区分2T−d2から2T+d1−d2までのパルス列が重畳しているので、受信波と符合系列との相関関数を算出して局在化パルスを取得し、その遅延時間とパルスの振幅とを用いて振幅が補正された各当該時間の遅延波を受信波の2Tから2T+d1の時間区分から減算して、遅延波が除去された時間区分D1のc−1の送信信号を検出する。
【0103】
受信信号の2T+d1から2T+2d1までの時間区分D2では、送信信号a-1の時
間区分2Tから2T+d1のパルス列からなる第一の遅延波と、送信信号の時間区分2T+d1−d2から2T+2d1−d2のパルス列からなる第二の遅延波との振幅と遅延時間を上記の相関関数に従って補正して除去して、遅延波が除去された時間区分D2の送信信号c−1を検出する。
【0104】
以下、同様にして受信信号の2T+(n−1)d1から2T+nd1までの時間区分Dnから遅延波を除去して、c−1の送信信号を検出する。
【0105】
c−1の送信信号には逆拡散処理、次いで局在化処理がなされて拡散用符号系列のシフト時間が検出され、データが算出される。
【0106】
以上において、プリアンブルに配置された符号系列はパルス列として送るか、または正弦波又は余弦波、ウェーブレットパルス等に変換して送信してもよい。特に、ウェーブレットOFDMおよびOFDMでは、これらの波形はサブチャネル毎に生成して送信し、受信側では、サブチャネル毎に検出するか、あるいはこれらの波形を直並列変換してサブチャネルに割り当ててウェーブレットOFDMまたはOFDM信号を生成して送信し、受信側では検出したこれらの波形を並直列変換して多重化拡散パルス列を取得することができる。また、変換信号にはフーリエ変換信号、インパルス列、ウェーブレットOFDM信号
のサブチャネル信号、OFDM信号のサブチャネル信号が含まれるが、これらに限定されるものではない。特に、ウェーブレットOFDM信号およびOFDM信号からなる変換信号では、遅延波の除去は
図18に示した方法でサブチャネル毎に行うか、または、特定チャネルの遅延波または遅延除去された信号に基づく補間値を用いて当該チャネルの遅延波を除去してもよい。
【0107】
図13は、変換信号が1以上の多重度を持つ多重化ウェーブレットOFDM信号である送信信号を受信する受信装置3の変換信号処理手段32を例示している。検出手段31で送信信号から検出された変換信号は、DWT部3221でDWT変換され、DWT多重化拡散チップ列取得部3222で式(3)に基づきそれぞれの周波数領域のチップ点の成分が取得され、それらの成分から
図5のeに示すそれぞれの多重化拡散チップ列が取得される。
【0108】
図14は、本発明の可検出化手段33を例示している。逆マッピング部331の出力信号は、逆拡散部332でSCが乗積されて逆拡散されるが、多重化拡散チップ列のチップの順序で多値PSK,APM、ASK等のマッピングがなされた信号の場合には変換信号処理手段32の出力信号は多重化拡散チップ列を表すため、逆拡散部332は変換信号処理手段の出力信号をSCで直接逆拡散することができる。なお、逆拡散された拡散チップ列はCCの局在化パルスを検出可能な可検出化状態にある。本発明にいう局在化とは符号系列を含む信号と当該符号系列との相関関数を算出すること、またはその信号を当該符号系列で構成された整合フィルタ(マッチドフィルタ)で検出することをいう。
【0109】
図15は決定手段34を例示している。可検出化手段33の出力信号は、第一局在化部341でCCに関して局在化されて第二局在化部342へ入力するとともにピーク検出部343でそのピークが検出され、次いで、判定部344で最大のピークが判定されてCCが決定され、その結果に基づきSCとLCが決定される。他方、判定部344が局在化部341の出力信号の最大ピークを判定できない場合には、第二局在化部342が第一局在化部341の出力信号からLCに関して局在化信号を生成し、ピーク検出部343でその局在化信号のピークを検出し、次いで判定部344で最大のピークを判定してLCが決定され、次いでSC及びCCが決定される。特に、逆拡散用SCのシフト時間が変換信号処理手段32の出力信号のSCのシフト時間と一致した場合にCCの局在化パルスのピーク及びLCの局所化パルスのピークが最大となるため、SCの決定はCCまたはLCの決定に従って行われる。
【0110】
ここで、決定手段34による、局在化パルスの高速検出法を例示する。この検出法は、SCのシフト時間をスキャンして多重化拡散チップ列を含む信号を逆拡散し、逆拡散された信号から局在化信号を算出し、最大の局在化パルスを検出してSCのシフト時間を決定するものである。なお、可検出化手段33において逆拡散の処理が実行されるたびに、決定手段34は、当該手法により局在化信号を算出してもよい。
【0111】
説明を容易にするために、
図1において局在化用符合系列LCは、
【数4】
【0112】
式(4)で表された符号長NL=7のM系列XLからなる1系列であるとする。
また、結合のための符合系列(CC)は、符号長NC=1のパルスであってLCの7チップにわたり+1となる符号系列であるとする。
【0113】
更に、拡散のための符号系列(SC)は、LCのチップに対応する7系列ともにデータ
が0の基準の状態が、
【0114】
【数5】
【0115】
式(5)で表されたNS=7のM系列XSとする。
このとき、
図1のaはXLの7個のチップ(CL
1、CL
2、CL
3、CL
4、CL
5、CL
6、CL
7)となる。b−1は、説明を簡単するため、(CC
(1,1)、CC
(2,1)、CC
(3,1)、CC
(4,1)、CC
(5,1)、CC
(6,1)、CC
(7,1))を全て+1として、LCの各チップの多重化拡散チップ列の多重度を1とした。また、c−1はデータがXSのシフト時間に写像された拡散符合系列(CS
(1,j,1)、CS
(1,j,2)、CS
(1,j,3)、CS
(1,j,4)、CS
(1,j,5)、CS
(1,j,6)、CS
(1,j,7))、k=1に設定した(j=1、―――、7)。d−1、はaとb−1とc−1とを同期を取って乗積して生成したものであり、この例では、各LCのチップの多重化拡散チップ列は当該チップに一致した極性を持ちデータが写像された拡散符合系列XSに等しいバイナリパルス列である。
図1のeはd−1からなるパルス列である。
【0116】
図6において、多重化拡散チップ列aは
図1のeで表された多重度が1の多重化拡散パ
ルス列であって、この例では、式(5)で表された拡散符合パルス列XSのシフト時間がデータに従って定められその極性がLCのチップに一致するように構成されたものである。この信号に、LCのチップ毎に、受信装置に用意された式(5)で表された拡散符合系列XSのシフト時間を0から6まで変化させて乗積して逆拡散処理を行うことにより
図6のc−1で示される逆拡散信号を生成する。図には示されていないが、各チップの逆拡散信号はそれぞれ7組生成される。
【0117】
以上によってLCの7チップのそれぞれに対して7組づつ生成された逆拡散信号を用いてLCに関する局在化信号を算出し、その最大パルスを検出して7系列の拡散符合系列XSのシフト時間の決定を行って7進7桁のデータを取得する。LCの定められたいくつかのチップが同じデータが写像されたSCで拡散された信号では、独立したチップ数が少なくなるために逆拡散処理及び局在化処理の演算回数が削減される。
【0118】
他方、全ての逆拡散信号を用いて局在化用符合系列に関する局在化パルスを算出する代わりに、各逆拡散信号の検出値をグループ分けしてそれぞれ加算し、加算された値を局在化用符号系列に関して局在化して局在化信号を生成し、この局在化信号から最大局在化パルスを検出して、最大局在化パルスを与える逆拡散値の和の組を決定し、次いで、その和の組を構成する逆拡散信号の検出値をそれぞれグループ分けして加算しその加算値から局在化用符号系列に対する局在化信号を算出し、その最大値を検出して最大値を与える和の組を算出し、その構成要素である逆拡散信号の値を決定する。以下同様にして最大値を与える和の組を構成する逆拡散信号を組み分けし加算して最大局在化パルス値を与える組を決定する処理を繰り返して行い、局在化用符号系列の各チップに対応する拡散符号系列のシフト時間を決定してデータを取得する。
【0119】
なお、上述のとおり、式(4)は、XL=(1,1,1,−1,−1,1,−1)で表される符号長7のM系列からなる局在化用符号系列を表す。また、式(5)は、データが0の基準状態がXS=(1,1,1,−1,−1,1,−1)で表される符号長7のM系列からなる拡散符合系列XSを表す。この拡散符合パルス列のシフト時間はデータに従って0から6までの任意の値に設定することができる。また、結合符号系列CCの符号長を1として拡散符合系列の多重度を1に設定するとともに振幅を+1とした。また、XLと
XSとは異なる符合系列であってもよい。さらに、XSはXLのチップ毎に同じ符合系列、異なる符合系列、或いは定められた符合系列で構成することができる。なお、LCおよびSCに用いる符合系列はM系列に限ったものではなく、Gold符合系列、かざみ符合系列等を用いることができる。
【0120】
局在化符号パルス列の第1、2,3、6のチップにおける逆拡散処理によって得られる逆拡散信号の値は、
【0121】
【数6】
【0122】
式(6)で表されるAq(q=1,2,3,6)である。また、局在化符号パルス列の第4,5,7のチップの逆拡散信号の値Ak(k=4,5,7)はA1の各要素の符号が反転した値である。LCに関する最大局在化パルス値に対して、Ak(k=4,5,7)の極性はプラスに変換されて加算されるので、以下、AL=A1(L=1、―――、7)として説明する。なお、以下において、必要なデータはメモリ等に記憶されているものとする。
【0123】
ALは、例えば、以下のような
aL=(7、−1、−1、−1)、及び、bL=(−1、−1、−1)、又は、
cL=(−1、−1、−1、−1)、及び、dL=(7、−1、−1)、
とに組分けられて、記憶される。
【0124】
aL、bL、cL、dLの値はそれぞれ加算されて加算値、
aL
sum=7−1−1−1=4、
bL
sum=−1−1−1=−3、
cL
sum=−1−1−1−1=−4、
dL
sum=7−1−1=5、
が算出される。以下、aL
sum−bL
sum=7およびcL
sum−dL
sum=9を用いて局在化パルスを算出する差分処理の場合について述べる。
【0125】
【数7】
【0126】
式(7)は、cL
sum−dL
sumの数をkとした場合の差分処理の最大局在化パルスΦk(k=0、---、7)を表している。k=0であるΦk=49が検出された場合には、以下の処理が行われる。すなわち、LCの全てのチップに対してaL
sum−bL
sum=7の組が選択され、aLが、
aL1=(7、−1)と
aL2=(−1、−1)と、
に組み分けされる。
【0127】
それぞれの加算値、
aL1
sum=7−1=6、
aL2
sum=−1−1=−2
が算出され、aL1
sum−aL2
sum=8が算出される。この場合、最大局在化パルス値Φ00は8×7=56となりaL1が選択される。
【0128】
aL1はさらに組み分けされてaL11=7、aL12=−1、aL11
sum=7、aL12
sum=−1、aL11
sum− aL12
sum=8がそれぞれ算出され、最大局
在化パルス値は56となる。この結果、aL11(L=1、―――、7)が選択されてLCのチップに対応する各SCのシフト時間は全て0となり、7進7桁のデータ(0,0,0,0,0,0,0)が決定される。
【0129】
cL、dLのみの場合、及びaL、bL、cL、dLが混在した場合についても同様にして局在化用符合系列に関する最大局在化パルスを検出してシフト時間を算出し、データを決定することができる。
【0130】
各組の加算値の差を用いて最大極大化パルスを算出する代わりに各組の加算値を用いて同様に局在化用符合系列に関する最大局在化パルスを検出してシフト時間を算出し、データを決定してもよい。本発明によりLC及びSCの符号長がそれぞれ7、CCの符号長が1の場合、一例として、局在化パルスを検出するための演算量は、すべての状態を比較する方法に比べて約4/10,000となる。なお、以上では全ての差分の値に+とーを乗じて局在化信号を算出し、その最大パルスを最大局在化パルスと判定するが、差分の値が判定可能なSN比の場合には、その正負が決定されるので演算回数を減らすことができる。
【0131】
図19は、
図1のaの局在化のための符号系列LCが符号長7を有するM系列であり、b−1の結合のための符号系列CCが符号長1、極性が+であるパルスであり、c−1の拡散のための符号系列SCが符号長63を持ちデータ0が写像されたM系列とした場合のベースバンド信号のシミュレーション波形である。本発明にかかわる局在化パルスの検出方法は送信されたパルス列をベースバンド信号として検出することができる通信方式に適用できるので、このシミュレーション結果は、データが写像された拡散チップ列を用いたベースバンド通信、周波数領域にデータが写像された拡散チップ列を持つかまたはデータが写像された時間領域のベースバンドの拡散チップ列が各サブチャネルに割り当てられたOFDMまたはウェーブレットOFDM通信、復調信号がデータを有するベースバンドの拡散チップ列を有するモノキャリア通信またはマルチキャリア通信、データが写像された拡散チップ列から生成されたインパルス列通信等に適用できる。
【0132】
この例では、
図1のaに対応する局在化のための符号系列LCは符号長が7のM系列であって、
図1のd−1に対応する符号長が63の拡散のための符号系列は極性がLCのチップと同じとなり、また、図c−1のkの値は1である。
図1のeに対応する多重化拡散チップ列はCCの符号長が1であるため多重度が1となり、
図1のd−1に対応する上記の信号と同じ信号である。
図6のaおよびb−1に対応する信号はそれぞれ
図1のeとc−1に対応する信号に等しい。受信信号には
図6のaに対応する前述の送信信号にマルチ
パスによる遅延信号、干渉雑音とその他の狭帯域雑音及び広帯域雑音が重畳している。この受信信号を
図6のbに相当するSCで逆拡散すると
図6のdに相当する7個のLCのチ
ップが分離され、その上に雑音が重畳している。CCの符号長は1であるために
図6のdに相当する各チップのCCから算出された局在化パルスは、LCのチップに等しくなる。これらのチップはLCを用いて局在化されて局在化パルスが算出される。
【0133】
ここで、局在化とは、当該信号を整合フィルタで処理するかまたは当該信号と所要の符号系列との相関関数の処理を行うことである。本例は、
図2に適用することもできる。
図2においてk=1となり、LCは符号長7のM系列、b−1の結合のための符号系列CCは符号長1、極性が+であるパルス、c−1の拡散のための符号系列SCは符号長63を持ちデータ0が写像されたM系列であるベースバンド信号である。また、
図2のeに示す多重化拡散チップ列もCCの符号長が1であるために多重度が1となり、
図2のd−1と
同じ信号となる。
【0134】
図19において、縦軸は相関関数の値、横軸は相関関数がP(x)で表された場合のxを表し、この例では局在化パルスの横軸の位置はデータによって定まる0から6までの7点となる。同図において、上段の波形は信号電力に対して干渉雑音電力が0から25,000倍、帯域内正弦波雑音電力が0から5,000倍まで変化させて重ね合わせた受信信号を表している。
【0135】
図6のeで示されているように、本発明では、データはSCのシフト時間で表され、検出された局在化パルスの時間遅れに等しくなるものであって、
図19では縦軸からの距離で表される。下段の三角波は、SCをLCのそれぞれのチップで0から62までスキャンさせて受信信号と乗積することにより受信信号のチップを逆拡散し、LCの全てのチップの逆拡散値を用いてLCに関して算出した局在化パルスであって、0から25,000倍までの干渉雑音電力の変化、及び0から5,000倍までの帯域内雑音電力の変化に対して、三角波のピークは縦軸から一定の距離を維持し、きわめて安定しており、正しくデータが伝送される。この例では最初のピークを0と定義した。第二のピークは、LCに関する相関関数が周期7の周期関数であるために現れたものである。なお、同じ雑音条件でのDS−SS信号の検出実験では、特に帯域内雑音による直流成分のため誤検出が生じた。
図16は復号手段35を例示している。決定手段34で決定されたSC、CC及びLCが表すデータの形式を逆形式変換部351で逆形式変換してデータを算出し、次いで入力手段31で施された諸処理を復号処理部352でデコーディングして源データを復号する。
【0136】
図17は本発明の符号系列を用いた計測システム10000を例示している。このシステムは、計測用送信装置20000及び計測用受信装置30000を備えており、測定対象40000に対して計測を行う。計測用送信装置20000は多重化拡散信号生成手段20021、変換手段20022、送信用信号生成手段20023、送信手段20024及び制御手段20025を備えており、各手段は制御手段20025のクロックに同期して制御される。他方、計測用受信装置30000は、信号検出手段30031、変換信号処理手段30032、可検出化手段30033、決定手段30034、分析手段30035、表示・出力手段30036及び制御手段30037を備えており、各手段は制御手段30037のクロックに同期して制御される。計測用送信装置20000において、多重化拡散信号生成手段20021はLCのチプとCCのチップとSCとを乗積して拡散チップ列を生成し多重度が1以上で多重化して多重化拡散チップ列を生成し、変換手段20022は多重化拡散チップ列を
図3の配列を用いたOFDM信号、
図4の配列を用いたOFDM信号、
図3の配列を用いたウェーブレットOFDM信号又は
図4の配列を用いたウェーブレットOFDM信号等に変換し多重度が1以上で多重化して変換信号を生成する。なお、変換信号はこれらに限定されるものではなく、また、多重化拡散チップ列も変換信号として扱うこともできる。次いで送信用信号生成手段20023で送信用信号が生成され、送信手段20024で所要の方式の送信信号が生成されて測定対象40000へ送出される。送信信号には多重化拡散チップ列、そのインパルス列、それらの何れかで搬送波を変調して生成した変調信号及びホッピング搬送波を変調して生成したホッピング信号、多重化拡散チップ列から生成され周波数域で直交するOFDM信号やウェーブレットOFDM信号等が多重化された多重化OFDM信号や多重化ウェーブレットOFDM信号等、これらの周波数領域で直交する信号またはそれらの多重化信号で搬送波を変調して生成した変調信号或いはホッピングする搬送波を変調して生成したホッピング信号が含まれる。このように構成された送信信号は、電磁波、光、超音波、磁気波、放射線、電子ビーム、陽子ビーム等のエネルギー媒体によって搬送することができるが、媒体の種類はこれらに限るものではない。
【0137】
測定対象40000からの信号は、計測用受信装置30000のセンサを具備した信号検出手段30031によって検出されて変換信号処理手段30032へ送られ、変換信号が多重化OFDM信号の場合にはDFT変換を行い、他方、多重化ウェーブレットOFDM信号の場合にはDWT変換を行い、式(2)及び式(3)を用いてOFDM信号毎の多重化拡散チップ列、またはウェーブレットOFDM信号毎の多重化拡散チップ列を算出する。次いで、可検出化手段30033でこれらの多重化拡散チップ列にSCが乗積されて、CCが可検出化され、決定手段30034でCCに関する局在化パルスのピークを検出して最大ピークを判定するか、又はCCおよびLCに関する局在化パルスのピークを検出し、LCに関する局在化パルスの最大ピークを判定する。次いで、CCまたはLCの最大のピークの振幅、遅延時間等を計測して測定対象に係わる情報を取得する。特に
図4の配列によって生成されたOFDM信号及びウェーブレットOFDM信号は、サブバンド毎または時間―サブバンド毎に対象の情報を同時に取得する場合の使用に好適である。
【0138】
なお、
図7〜17を用いて説明した各手段及び各部は、それぞれ、ハードウェア回路で実現されてもよいし、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等のPLD(プログラマブルロジックデバイス)上で実現されてもよいし、メモリに記憶された制御プログラムがCPU(Central Processing Unit)にロードされ実行されることで実現されてもよい。