【文献】
Panasonic,Double Codebook PUCCH Reporting in Rel-10,3GPP TSG-RAN WG1#62b R1-105492,フランス,3GPP,2010年10月 5日,Figure 1
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記RIが1または2である場合、前記第1コードブックインデックス及び前記第2コードブックインデックスのそれぞれは、2ビットで表される、請求項1に記載のCSI送信方法。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に添付の図面を参照して説明された本発明の実施例から、本発明の構成、作用及び他の特徴が容易に理解されるであろう。以下に説明される実施例は、本発明の技術的特徴が3GPPシステムに適用された例である。
【0026】
本明細書ではLTEシステム及びLTE−Aシステムを用いて本発明の実施例を説明するが、これは例示に過ぎず、本発明の実施例は、上述した定義に該当するいかなる通信システムにも適用可能である。また、本明細書は、FDD方式を基準に本発明の実施例について説明するが、これは例示に過ぎず、本発明の実施例は、H−FDD方式又はTDD方式にも容易に変形して適用されてもよい。
【0027】
図2は、3GPP無線接続網規格に基づく端末とE−UTRANとの間の無線インターフェースプロトコル(Radio Interface Protocol)のコントロールプレーン及びユーザプレーンの構造を示す図である。コントロールプレーンとは、端末(UE)とネットワークとが呼を管理するために用いる制御メッセージが送信される通路のことを意味する。ユーザプレーンとは、アプリケーション層で生成されたデータ、例えば、音声データ又はインターネットパケットデータなどが送信される通路のことを意味する。
【0028】
第1層である物理層は、物理チャネル(Physical Channel)を用いて上位層に情報送信サービス(Information Transfer Service)を提供する。物理層は、上位の媒体接続制御(Medium Access Control)層とは送信チャネル(Transport Channel)を介して接続されている。該送信チャネルを通じて媒体接続制御層と物理層との間にデータが移動する。送信側の物理層と受信側の物理層との間には物理チャネルを通じてデータが移動する。該物理チャネルは、時間及び周波数を無線リソースとして活用する。具体的に、物理チャネルは、下りリンクにおいてOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式で変調され、上りリンクにおいてSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)方式で変調される。
【0029】
第2層の媒体接続制御(Medium Access Control;MAC)層は、論理チャネル(Logical Channel)を通じて、上位層である無線リンク制御(Radio Link Control;RLC)層にサービスを提供する。第2層のRLC層は、信頼できるデータ送信を支援する。RLC層の機能は、MAC内部の機能ブロックとしてもよい。第2層のPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層は、帯域幅の狭い無線インターフェースでIPv4やIPv6のようなIPパケットを効率的に送信するために、余分の制御情報を減らすヘッダー圧縮(Header Compression)機能を果たす。
【0030】
第3層の最下部に位置する無線リソース制御(Radio Resource Control;RRC)層は、コントロールプレーンにのみ定義される。RRC層は、無線ベアラー(Radio Bearer)の設定(Configuration)、再設定(Re−configuration)及び解除(Release)に関連して、論理チャネル、送信チャネル及び物理チャネルの制御を担当する。無線ベアラー(RB)とは、端末とネットワーク間のデータ伝達のために第2層により提供されるサービスのことを意味する。そのために、端末のRRC層とネットワークのRRC層とはRRCメッセージを互いに交換する。端末のRRC層とネットワークのRRC層間にRRC接続(RRC Connected)がある場合に、端末はRRC接続状態(Connected Mode)にあり、そうでない場合は、RRC休止状態(Idle Mode)にあるようになる。RRC層の上位にあるNAS(Non−Access Stratum)層は、セッション管理(Session Management)と移動性管理(Mobility Management)などの機能を果たす。
【0031】
基地局(eNB)を構成する一つのセルは、1.25、2.5、5、10、15、20MHzなどの帯域幅のいずれか一つに設定され、複数の端末に下り又は上り送信サービスを提供する。異なるセルは異なる帯域幅を提供するように設定されてもよい。
【0032】
ネットワークから端末にデータを送信する下り送信チャネルとしては、システム情報を送信するBCH(Broadcast Channel)、ページングメッセージを送信するPCH(Paging Channel)、ユーザトラフィックや制御メッセージを送信する下りSCH(Shared Channel)などがある。下りマルチキャスト又は放送サービスのトラフィック又は制御メッセージは、下りSCHを介して送信されてもよく、別の下りMCH(Multicast Channel)を通じて送信されてもよい。一方、端末からネットワークにデータを送信する上り送信チャネルとしては、初期制御メッセージを送信するRACH(Random Access Channel)、ユーザトラフィックや制御メッセージを送信する上りSCH(Shared Channel)がある。送信チャネルの上位に存在し、送信チャネルにマッピングされる論理チャネル(Logical Channel)としては、BCCH(Broadcast Control Channel)、PCCH(Paging Control Channel)、CCCH(Common Control Channel)、MCCH(Multicast Control Channel)、MTCH(Multicast Traffic Channel)などがある。
【0033】
図3は、3GPPシステムに用いられる物理チャネル及びこれらのチャネルを用いた一般の信号送信方法を説明するための図である。
【0034】
端末は、電源が入ったり、新しくセルに進入したりした場合に、基地局と同期を取る等の初期セル探索(Initial cell search)作業を行う(S301)。そのために、端末は、基地局からプライマリ同期チャネル(Primary Synchronization Channel;P−SCH)及びセカンダリ同期チャネル(Secondary Synchronization Channel;S−SCH)を受信して基地局と同期を取り、セルIDなどの情報を取得すればよい。その後、端末は、基地局から物理放送チャネル(Physical Broadcast Channel)を受信し、セル内放送情報を取得できる。一方、端末は、初期セル探索段階で、下りリンク参照信号(Downlink Reference Signal;DL RS)を受信し、下りリンクチャネル状態を確認できる。
【0035】
初期セル探索を終えた端末は、物理下りリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel;PDCCH)、及び該PDCCHに載せられた情報に基づいて物理下りリンク共有チャネル(Physical Downlink Control Channel;PDSCH)を受信することによって、より具体的なシステム情報を取得できる(S302)。
【0036】
一方、基地局に最初に接続したり信号送信のための無線リソースがない場合には、端末は、基地局にランダムアクセス手順(Random Access Procedure;RACH)を行ってよい(S303乃至S306)。そのために、端末は、物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel;PRACH)を通じて特定シーケンスをプリアンブルとして送信し(S303及びS305)、PDCCH及び対応するPDSCHを介して、プリアンブルに対する応答メッセージを受信すればよい(S304及びS306)。競合ベースのRACHについては、衝突解決手順(Contention Resolution Procedure)をさらに行ってもよい。
【0037】
上述の手順を行った端末は、以降、一般的な上りリンク/下りリンク信号送信手順として、PDCCH/PDSCH受信(S307)、及び物理上りリンク共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel;PUSCH)/物理上りリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel;PUCCH)送信(S308)を行えばよい。特に、端末はPDCCHを介して下りリンク制御情報(Downlink Control Information;DCI)を受信する。ここで、DCIは、端末に対するリソース割り当て情報のような制御情報を含んでおり、その使用目的によってフォーマットが異なる。
【0038】
一方、端末が上りリンクを通じて基地局に送信する又は端末が基地局から受信する制御情報としては、下りリンク/上りリンクACK/NACK信号、CQI(Channel Quality Indicator)、PMI(Precoding Matrix Index)、RI(Rank Indicator)などを含む。3GPP LTEシステムでは、端末は、これらのCQI/PMI/RIなどの制御情報をPUSCH及び/又はPUCCHを介して送信してもよい。
【0039】
図4は、LTEシステムで用いられる無線フレームの構造を例示する図である。
【0040】
図4を参照すると、無線フレーム(radio frame)は10ms(327200×T
s)の長さを有し、10個の均等なサイズのサブフレーム(subframe)で構成されている。それぞれのサブフレームは1msの長さを有し、2個のスロット(slot)で構成されている。それぞれのスロットは0.5ms(15360×T
s)の長さを有する。ここで、T
sはサンプリング時間を表し、T
s=1/(15kHz×2048)=3.2552×10
-8(約33ns)で表示される。スロットは時間領域において複数のOFDMシンボルを含み、周波数領域において複数のリソースブロック(Resource Block;RB)を含む。LTEシステムにおいて一つのリソースブロックは12個の副搬送波×7(6)個のOFDMシンボルを含む。データの送信される単位時間であるTTI(Transmission Time Interval)は一つ以上のサブフレーム単位に定めることができる。上述した無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、又はスロットに含まれるOFDMシンボルの数は様々に変更されてもよい。
【0041】
図5は、下りリンク無線フレームにおいて一つのサブフレームの制御領域に含まれる制御チャネルを例示する図である。
【0042】
図5を参照すると、サブフレームは14個のOFDMシンボルで構成されている。サブフレーム設定によって先頭の1乃至3個のOFDMシンボルは制御領域として用いられ、残り13〜11個のOFDMシンボルはデータ領域として用いられる。同図で、R1乃至R4は、アンテナ0乃至3に対する基準信号(Reference Signal(RS)又はPilot Signal)を表す。RSは、制御領域及びデータ領域を問わず、サブフレーム内に一定のパターンで固定される。制御チャネルは、制御領域においてRSの割り当てられていないリソースに割り当てられ、トラフィックチャネルもデータ領域においてRSの割り当てられていないリソースに割り当てられる。制御領域に割り当てられる制御チャネルには、PCFICH(Physical Control Format Indicator CHannel)、PHICH(Physical Hybrid−ARQ Indicator CHannel)、PDCCH(Physical Downlink Control CHannel)などがある。
【0043】
PCFICHは物理制御フォーマット指示子チャネルで、毎サブフレームごとにPDCCHに用いられるOFDMシンボルの個数を端末に知らせる。PCFICHは、最初のOFDMシンボルに位置し、PHICH及びPDCCHに優先して設定される。PCFICHは4個のREG(Resource Element Group)で構成され、それぞれのREGはセルID(Cell IDentity)に基づいて制御領域内に分散される。一つのREGは4個のRE(Resource Element)で構成される。REは、1副搬送波×1 OFDMシンボルと定義される最小物理リソースを表す。PCFICH値は帯域幅によって1〜3又は2〜4の値を指示し、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)で変調される。
【0044】
PHICHは、物理HARQ(Hybrid−Automatic Repeat and request)指示子チャネルで、上りリンク送信に対するHARQ ACK/NACKを運ぶために用いられる。すなわち、PHICHは、UL HARQのためのDL ACK/NACK情報が送信されるチャネルを表す。PHICHは、1個のREGで構成され、セル特定(cell−specific)にスクランブル(scrambling)される。ACK/NACKは1ビットで指示され、BPSK(Binary phase shift keying)で変調される。変調されたACK/NACKは拡散因子(Spreading Factor;SF)=2又は4で拡散される。同一のリソースにマップされる複数のPHICHは、PHICHグループを構成する。PHICHグループに多重化されるPHICHの個数は、拡散コードの個数によって決定される。PHICH(グループ)は周波数領域及び/又は時間領域においてダイバーシチ利得を得るために3回反復(repetition)される。
【0045】
PDCCHは物理下りリンク制御チャネルで、サブフレームにおける先頭のn個のOFDMシンボルに割り当てられる。ここで、nは1以上の整数で、PCFICHによって指示される。PDCCHは一つ以上のCCEで構成される。PDCCHは、送信チャネルであるPCH(Paging channel)及びDL−SCH(Downlink−shared channel)のリソース割り当てに関する情報、上りリンクスケジューリンググラント(Uplink Scheduling Grant)、HARQ情報などを各端末又は端末グループに知らせる。PCH(Paging channel)及びDL−SCH(Downlink−shared channel)はPDSCHを介して送信される。したがって、基地局と端末は一般に、特定の制御情報又は特定のサービスデータ以外は、PDSCHを介してデータをそれぞれ送信及び受信する。
【0046】
PDSCHのデータがいずれの端末(一つ又は複数の端末)に送信されるものか、これら端末がどのようにPDSCHデータを受信してデコードしなければならないかに関する情報などは、PDCCHに含まれて送信される。例えば、特定PDCCHが「A」というRNTI(Radio Network Temporary Identity)でCRCマスクされており、「B」という無線リソース(例、周波数位置)及び「C」というDCIフォーマット、すなわち、伝送形式情報(例、伝送ブロックサイズ、変調方式、コーディング情報など)を用いて送信されるデータに関する情報が、特定サブフレームで送信されると仮定する。この場合、セル内の端末は、自身が持っているRNTI情報を用いてPDCCHをモニタリングし、「A」のRNTIを持っている一つ以上の端末があると、これらの端末はPDCCHを受信し、受信したPDCCHの情報に基づいて「B」と「C」によって指示されるPDSCHを受信する。
【0047】
図6は、LTEシステムで用いられる上りリンクサブフレームの構造を示す図である。
【0048】
図6を参照すると、上りリンクサブフレームは、制御情報を運ぶPUCCH(Physical Uplink Control CHannel)が割り当てられる領域と、ユーザデータを運ぶPUSCH(Physical Uplink Shared CHannel)が割り当てられる領域とに区別される。サブフレームにおいて中間部分がPUSCHに割り当てられ、周波数領域においてデータ領域の両側部分がPUCCHに割り当てられる。PUCCH上で送信される制御情報は、HARQに用いられるACK/NACK、下りリンクチャネル状態を示すCQI(Channel Quality Indicator)、MIMOのためのRI(Rank Indicator)、上りリンクリソース割り当て要請であるSR(Scheduling Request)などがある。一つの端末に対するPUCCHは、サブフレーム内の各スロットで互いに異なる周波数を占める一つのリソースブロックを使用する。すなわち、PUCCHに割り当てられる2個のリソースブロックはスロット境界で周波数ホッピング(frequency hopping)する。特に、
図6は、m=0のPUCCH、m=1のPUCCH、m=2のPUCCH、m=3のPUCCHがサブフレームに割り当てられるとしている。
【0049】
多重アンテナ(MIMO)システム
以下、MIMOシステムについて説明する。MIMO(Multiple−Input Multiple−Output)は、複数個の送信アンテナと複数個の受信アンテナを使用する方法で、この方法によりデータの送受信効率を向上させることができる。すなわち、無線通信システムの送信端あるいは受信端で複数個のアンテナを使用することによって容量を増大させ、性能を向上させることができる。以下、本文献ではMIMOを「多重アンテナ」と呼ぶこともできる。
【0050】
多重アンテナ技術では、一つの全体メッセージを受信するに単一のアンテナ経路に依存せず、複数のアンテナに受信されたデータ断片(fragment)をまとめて併合することによってデータを完成する。多重アンテナ技術を用いると、特定のサイズのセル領域内でデータ伝送速度を向上させたり、又は特定のデータ伝送速度を保障しながらシステムカバレッジ(coverage)を増加させることができる。また、この技術は、移動通信端末と中継機などに幅広く使用することができる。多重アンテナ技術によれば、単一のアンテナを使用した従来技術による移動通信における伝送量の限界を克服することが可能になる。
【0051】
一般的な多重アンテナ(MIMO)通信システムの構成図が、
図7に示されている。送信端では送信アンテナがN
T個設けられており、受信端では受信アンテナがN
R個が設けられている。このように送信端及び受信端の両方とも複数個のアンテナを使用する場合は、送信端又は受信端のいずれか一方のみ複数個のアンテナを使用する場合に比べて、理論的なチャネル伝送容量がより増加する。チャネル伝送容量の増加はアンテナの数に比例する。これにより、伝送レートが向上し、周波数効率が向上する。1個のアンテナを使用する場合の最大伝送レートをR
oとすれば、多重アンテナを使用する場合の伝送レートは、理論的に、下記の数式1のように、最大伝送レートR
oにレート増加率R
iを掛けた分だけ増加可能となる。ここで、R
iは、N
TとN
Rのうちの小さい値を表す。
【数3】
【0052】
例えば、4個の送信アンテナと4個の受信アンテナを用いるMIMO通信システムでは、単一アンテナシステムに比べて理論上、4倍の伝送レートを取得できる。このような多重アンテナシステムの理論的容量増加が90年代半ばに証明されて以来、これを実質的なデータ伝送率の向上へと導くための種々の技術が現在まで活発に研究されている。それらのいくつかの技術は既に3世代移動通信と次世代無線LANなどの様々な無線通信の標準に反映されている。
【0053】
現在までの多重アンテナ関連研究動向をみると、様々なチャネル環境及び多重接続環境における多重アンテナ通信容量計算などと関連した情報理論側面の研究、多重アンテナシステムの無線チャネル測定及び模型導出の研究、及び伝送信頼度の向上及び伝送率の向上のための時空間信号処理技術の研究などを含め、様々な観点で活発に研究が進行されている。
【0054】
多重アンテナシステムにおける通信方法をより具体的な方法で説明するべく、それを数学的にモデリングすると、次のように示すことができる。
図7に示すように、N
T個の送信アンテナとN
R個の受信アンテナが存在するとする。まず、伝送信号について説明すると、N
T個の送信アンテナがある場合に、送信可能な最大情報はN
T個であるから、送信情報を下記の数式2のようなベクトルで表現できる。
【数4】
【0058】
一般に、チャネル行列のランクの物理的な意味は、与えられたチャネルで互いに異なった情報を送信できる最大数を意味する。したがって、チャネル行列のランク(rank)は、互いに独立した(independent)行(row)又は列(column)の個数のうち、最小個数と定義され、よって、行列のランクは、行(row)又は列(column)の個数より大きくなることはない。数式的に例を挙げると、チャネル行列Hのランク(rank(H))は、数式6のように制限される。
【数8】
【0059】
また、多重アンテナ技術を用いて送る互いに異なった情報のそれぞれを「送信ストリーム(Stream)」、又は簡単に「ストリーム」と定義するものとする。このような「ストリーム」は、「レイヤ(Layer)」と呼ぶこともできる。そのため、送信ストリームの個数は当然ながら、互いに異なった情報を送信できる最大数であるチャネルのランクより大きくなることがない。したがって、チャネル行列Hは、下記の数式7のように表すことができる。
【数9】
【0060】
ここで、「# of streams」は、ストリームの数を表す。一方、ここで、1個のストリームは1個以上のアンテナから送信可能であるということに留意されたい。
【0061】
1個以上のストリームを複数のアンテナに対応させる様々な方法が存在する。この方法を、多重アンテナ技術の種類によって次のように説明できる。1個のストリームが複数のアンテナから送信される場合は空間ダイバーシチ方式といえ、複数のストリームが複数のアンテナから送信される場合は空間マルチプレクシング方式といえる。勿論、これらの中間方式である、空間ダイバーシチと空間マルチプレクシングとの混合(Hybrid)した形態も可能である。
【0062】
チャネル状態情報(CSI)フィードバック
以下、チャネル状態情報(channel state information;CSI)報告について説明する。現在、LTE標準では、チャネル状態情報無しで運用される開ループ(open−loop)MIMOとチャネル状態情報に基づいて運用される閉ループ(closed−loop)MIMOといった2種類の送信方式が存在する。特に、閉ループMIMOでは、MIMOアンテナの多重化利得(multiplexing gain)を得るために、基地局及び端末のそれぞれはチャネル状態情報に基づいてビームフォーミングを行うことができる。基地局は、チャネル状態情報を端末から得るために、端末にPUCCH(Physical Uplink Control CHannel)又はPUSCH(Physical Uplink Shared CHannel)を割り当て、下りリンク信号に対するチャネル状態情報(CSI)をフィードバックするように命令する。
【0063】
CSIは、RI(Rank Indicator)、PMI(Precoding Matrix Index)、CQI(Channel Quality Indication)の3つの情報に大別される。まず、RIは、上述したように、チャネルのランク情報を示し、端末が同一の周波数−時間リソースを用いて受信できるストリームの個数を意味する。また、RIは、チャネルのロングタームフェーディング(long term fading)によって決定されるため、一般に、PMI、CQI値に比べてより長い周期で基地局にフィードバックされる。
【0064】
次に、PMIは、チャネルの空間特性を反映した値であり、SINRなどのメトリック(metric)を基準に、端末が好む基地局のプリコーディング行列インデックスを示す。最後に、CQIは、チャネルの強度を示す値であり、通常、基地局がPMIを用いた時に得られる受信SINRを意味する。
【0065】
LTE−A標準のようなより進展した通信システムでは、MU−MIMO(multi−user MIMO)を用いた追加の多重ユーザダイバーシチ(multi−user diversity)を得ることが追加されている。MU−MIMOでは、アンテナドメインで多重化される端末間の干渉が存在するため、CSIの正確性は、CSIを報告した端末だけでなく、多重化される他の端末の干渉にも大きな影響を及ぼしうる。このため、MU−MIMOではSU−MIMOに比べてより正確なCSI報告が要求される。
【0066】
そこで、LTE−A標準では、最終のPMIを、ロングターム(long term)及び/又は広帯域(wideband;WB)PMIであるW1と、ショートターム(short term)及び/又はサブバンド(sub−band;SB)PMIであるW2といった2種類に分けて設計するものと決定された。
【0067】
上記のW1及びW2情報から一つの最終PMIを構成する構造的コードブック変換(hierarchical codebook transformation)方式の例示として、下記の式8のように、チャネルのロングターム共分散行列(long−term covariance matrix)を用いることができる。
【数10】
【0068】
上記の式8で、W2は、ショートタームPMIであり、ショートタームチャネル情報を反映するために構成されたコードブックのコードワードを意味し、Wは、最終コードブックのコードワード(すなわち、プリコーディング行列)を意味し、
【数11】
【0069】
既存のW1とW2の具体的な構造は、次の式9のとおりである。
【数12】
【0070】
ここで、Ntは、送信アンテナの個数を表し、Mは、行列Xiにおける列の個数であり、行列Xiには総M個の候補列ベクトルがあることを表す。e
Mk、e
Ml、e
Mmは、M個の元素のうち、それぞれ、k番目、l番目、m番目の元素のみが1であり、残りは0である列ベクトルであり、Xiにおけるk番目、l番目、m番目の列ベクトルを表す。
【数13】
iは、0以上の整数であり、W1を指示するPMIインデックスを表す。jは、0以上の整数であり、W2を指示するPMIインデックスを表す。
【0071】
式9で、コードワードの構造は、交差偏波アンテナ(cross polarized antenna)を利用し、アンテナ間の間隔がちゅう密な場合、例えば、通常、隣接アンテナ間の距離が信号波長の半分以下である場合、発生するチャネルの相関関係(correlation)特性を反映して設計した構造である。交差偏波アンテナの場合、アンテナを水平アンテナグループ(horizontal antenna group)と垂直アンテナグループ(vertical antenna group)とに区分できるが、各アンテナグループはULA(uniform linear array)アンテナの特性を有し、両アンテナグループは共存する(co−located)。
【0072】
このため、各グループのアンテナ間の相関関係は同一の線形位相増加(LPI)特性を有し、アンテナグループ間の相関関係は、位相回転(phase rotation)された特性を有する。結局、コードブックはチャネルを量子化(quantization)した値であるから、チャネルの特性をそのまま反映してコードブックを設計する必要がある。説明の便宜のために、上述した構造としたランク1コードワードを、下記の式10のように例示することができる。
【数14】
【0074】
前述したように、LTEシステムにおいてチャネル状態情報(CSI)は、これに制限されるものではないが、CQI、PMI、RIなどを含むこてができる。各端末の送信モードによってCQI、PMI、RIが全て送信されたり、その一部のみが送信される。チャネル状態情報が周期的に送信される場合を周期的報告(periodic reporting)といい、チャネル状態情報が基地局の要請に応じて送信される場合を非周期的報告(aperiodic reporting)という。非周期的報告の場合、基地局から上りリンクスケジューリング情報に含まれている要請ビット(request bit)が端末に送信される。その後、端末は、自身の送信モードに基づくチャネル状態情報を上りリンクデータチャネル(PUSCH)で基地局に伝達する。周期的報告の場合、各端末別に上位層信号によって半−静的(semi−static)方式で周期と当該周期におけるオフセットなどがサブフレーム単位にシグナルされる。各端末は、送信モードに基づくチャネル状態情報を、定められた周期で上りリンク制御チャネル(PUCCH)を介して基地局に伝達する。チャネル状態情報を送信するサブフレームに上りリンクデータが同時に存在すると、チャネル状態情報はデータと併せて上りリンクデータチャネル(PUSCH)で送信される。基地局は、各端末のチャネル状況及びセル内の端末分布状況などを考慮して、各端末に適した送信タイミング情報を端末に送信する。送信タイミング情報は、チャネル状態情報を送信するための周期、オフセットなどを含み、RRCメッセージによって各端末に送信されてもよい。
【0075】
図8乃至
図11には、LTEシステムにおいてチャネル状態情報の周期的報告について例示する。
【0076】
図8を参照すると、LTEシステムには4つのCQI報告モードが存在する。具体的に、CQI報告モードは、CQIフィードバックタイプによってWB CQIとSB CQIとに分けられ、PMI送信の有無によってPMI不在(No PMI)と単一(single)PMIとに分けられる。各端末は、CQIを周期的に報告するために、周期とオフセットの組合せからなる情報をRRCシグナリングを通じて受信する。
【0077】
図9は、{周期「5」、オフセット「1」}を示す情報がシグナリングされた場合に端末がチャネル状態情報を送信する例を示す。
図9を参照すると、周期「5」及びオフセット「1」を示す情報を受信した場合に、端末は、0番目のサブフレームからサブフレームインデックスの増加方向に1サブフレームだけオフセットし、5個のサブフレーム単位にチャネル状態情報を送信する。チャネル状態情報は基本的にPUCCHで送信されるが、同一時点にデータ送信のためのPUSCHが存在すると、チャネル状態情報はPUSCHでデータと共に送信される。サブフレームインデックスは、システムフレーム番号(又は、無線フレームインデックス)(n
f)とスロットインデックス(n
s、0〜19)との組合せによって定義される。サブフレームは、2個のスロットからなるので、サブフレームインデックスは、10*n
f+floor(n
S/2)で定義することができる。floor()は、床関数を表す。
【0078】
WB CQIのみを送信するタイプと、WB CQI及びSB CQIを全て送信するタイプとが存在する。WB CQIのみを送信するタイプは、毎CQI送信周期に該当するサブフレームで全体帯域に対するCQI情報を送信する。一方、
図8のように、PMIフィードバックタイプによってPMIも送信しなければならない場合には、PMI情報をCQI情報と共に送信する。WB CQI及びSB CQIを全て送信するタイプの場合、WB CQIとSB CQIは交互に送信される。
【0079】
図10には、システム帯域が16個のRBで構成されたシステムを例示する。この場合、システム帯域は、2つのBP(Bandwidth Part)で構成され(BP0、BP1)、それぞれのBPは2つのSB(subband)で構成され(SB0、SB1)、それぞれのSBは4個のRBで構成されると仮定する。この仮定は説明のための例示であり、システム帯域の大きさによってBPの個数及び各SBの大きさは異なってもよい。また、RBの個数、BPの個数及びSBの大きさによって、それぞれのBPを構成するSBの個数が異なってもよい。
【0080】
WB CQI及びSB CQIを全て送信するタイプの場合、最初のCQI送信サブフレームでWB CQIを送信し、次のCQI送信サブフレームでは、BP0に属したSB0とSB1のうち、チャネル状態の良いSBに対するCQIと当該SBのインデックス(例、Subband Selection Indicator、SSI)を送信する。その後、次のCQI送信サブフレームでは、BP1に属したSB0とSB1のうち、チャネル状態の良いSBに対するCQIと当該SBのインデックスを送信する。このように、WB CQIを送信した後、各BPに対するCQI情報を順次に送信する。2つのWB CQIの間に、各BPに対するCQI情報を順次に1〜4回送信することができる。例えば、2つのWB CQIの間に各BPに対するCQI情報が1回順次に送信される場合、WB CQI⇒BP0 CQI⇒BP1 CQI⇒WB CQIの順に送信することができる。また、2つのWB CQIの間に各BPに対するCQI情報が4回順次に送信される場合、WB CQI⇒BP0 CQI⇒BP1 CQI⇒BP0 CQI⇒BP1 CQI⇒BP0 CQI⇒BP1 CQI⇒BP0 CQI⇒BP1 CQI⇒WB CQIの順に送信することができる。各BP CQIが何回順次に送信されるかに関する情報は、上位層(例、RRC層)でシグナルされる。
【0081】
図11(a)には、端末が{周期「5」、オフセット「1」}を示す情報をシグナルされた場合にWB CQIとSB CQIを全て送信する例を示す。
図11(a)を参照すると、CQIは、種類にかかわらず、シグナルされた周期とオフセットに該当するサブフレームでのみ送信可能である。
【0082】
図11(b)には、
図11(a)の場合においてRIがさらに送信される場合を示す。RIは、WB CQI送信周期の何倍数で送信されるかとその送信周期におけるオフセットとの組合せによって上位層(例、RRC層)でシグナルされてもよい。RIのオフセットは、CQIのオフセットに対する相対的な値としてシグナルされる。例えば、CQIのオフセットが「1」であり、RIのオフセットが「0」であれば、RIはCQIと同じオフセットを有する。RIのオフセットは、0と負数の値として定義される。具体的に、
図11(b)は、
図11(a)と同じ環境において、RIの送信周期がWB CQI送信周期の1倍であり、RIのオフセットが「−1」である場合を仮定する。RIの送信周期はWB CQI送信周期の1倍であるから、チャネル状態情報の送信周期は事実上同一である。RIは、オフセットが「−1」であるから、
図11(a)におけるCQIのオフセット「1」に対する「−1」(すなわち、0番サブフレーム)を基準に送信される。RIのオフセットが「0」であれば、WB CQIとRIの送信サブフレームが重なることとなり、この場合、WB CQIをドロップ(dropping)し、RIを送信する。
【0083】
図12には、LTE−Aシステムで議論中であるチャネル状態情報の周期的報告について例示する。基地局が8個の送信アンテナを有する場合に、モード2−1では、1−ビット指示子のPTI(Precoder Type Indication)パラメータを設定し、PTI値によって、図示のように、2つの形態に細分化した周期的報告モードを考慮している。同図で、W1とW2は、式8及び式9を参照して説明した階層的コードブックを指す。W1とW2が全て定められた場合にのみ、これらを結合して完成した形態のプリコーディング行列Wが決定される。
【0084】
図12を参照すると、周期的報告では、Report 1、Report 2、Report 3に該当する互いに異なる内容の報告が、互いに異なる反復周期で報告される。Report 1は、RIと1−ビットPTI値を報告する。Report 2は、WB(WideBand)W1(PTI=0のとき)、又はWB W2及びWB CQI(PTI=1のとき)を報告する。Report 3は、WB W2及びWB CQI(PTI=0のとき)、又はSB(Subband)W2及びSB CQI(PTI=1のとき)を報告する。
【0085】
Report 2とReport 3は、サブフレームインデックスが(10*n
f+floor(n
s/2)−N
offset,CQI)mod(N
C)=0を満たすサブフレーム(便宜上、第1サブフレームセットと呼ぶ。)で送信される。N
offset,CQIは、
図9で例示したPMI/CQI送信のためのオフセット値に該当する。また、Ncは、隣接したReport 2又はReport 3の間のサブフレーム間隔を示す。
図12は、N
offset,CQI=1及びNc=2である場合を例示し、第1サブフレームセットは、奇数インデックスを有するサブフレームで構成される。n
fは、システムフレーム番号(又は、無線フレームインデックス)を表し、n
sは、無線フレーム内でスロットインデックスを表す。floor()は、床関数を表し、A mod Bは、AをBで割った余を表す。
【0086】
第1サブフレームセットにおける一部のサブフレーム上にReport 2が位置し、残りのサブフレーム上にReport 3が位置する。具体的に、Report 2は、サブフレームインデックスが(10*n
f+floor(n
s/2)−N
offset,CQI)mod(H*Nc)=0を満たすサブフレーム上に位置する。このため、H*Ncの間隔ごとにReport 2が送信され、隣接したReport 2の間に位置する一つ以上の第1サブフレームはReport 3送信で埋められる。PTI=0のとき、H=Mであり、Mは上位層シグナリングによって定められる。
図12は、M=2の場合を例示する。PTI=1のとき、H=J*K+1であり、Kは上位層シグナリングによって定められ、JはBP(bandwidth part)の個数である。
図12は、J=3及びK=1の場合を例示する。
【0087】
Report 1は、サブフレームインデックスが(10*n
f+floor(n
s/2)−N
offset,CQI−N
offset,RI)mod(M
RI*(J*K+1)*Nc)=0を満たすサブフレームで送信され、M
RIは、上位層シグナリングによって定められる。N
offset,RIは、RIのための相対的なオフセット値を表し、
図12は、M
RI=2及びN
offset,RI=−1である場合を例示する。N
offset,RI=−1によって、Report 1とReport 2の送信時点が重なり合わなくなる。端末がRI、W1、W2値を計算する時、これらは互いに関連して計算される。例えば、RI値に依存してW1とW2が計算され、また、W1に依存してW2が計算される。Report 1に続いてReport 2及びReport 3が全て報告された時点に、基地局はW1及びW2から最終Wを得る。
【0088】
図13に、
図8のモード1−1のサブモード1においてCSIフィードバックを例示する。
【0089】
PUCCHフィードバックモード1−1は、デュアルコードブック(dual codebook)を用いる場合、サブモード1とサブモード2が存在する。
図13は、サブモード1の例示である。広帯域(Wideband)W2及び広帯域CQIは、オフセット1、周期2に設定され、RI及びW1は、オフセット0、周期16に設定されている。
【0090】
8Txコードブックでは、RI及びW1が、下記の表1のように5ビットで結合エンコーディング(joint encoding)される。このとき、W1は、表1のようにサブサンプリングされる。これは、RI及びW1のペイロードサイズを減らし、低いコーディング率(coding rate)で情報を報告するためである。RIは、残りのPMI、CQIが参照する値であるから、RI値にデコーディング誤り(decoding error)が発生しないように、低いコーディング率でエンコーディングしなければならない。
【表1】
【0091】
図14には、
図8のモード1−1のサブモード2においてCSIフィードバックを例示する。
【0092】
上述したとおり、PUCCHフィードバックモード1−1は、デュアルコードブック構造を用いる場合、サブモード1とサブモード2が存在する。
図14は、サブモード2の例示である。広帯域W1/W2及び広帯域CQIは、オフセット1、周期2に設定されている。RIは、オフセット0、周期16に設定されている。
【0093】
CSI情報は、PUCCHフォーマット2で基地局に報告する。すなわち、CSI情報は、PUCCHフォーマット2のペイロードサイズである11ビット内で送信することができる。このため、type 2cのペイロードが総11ビットを越えないようにコードブックをサブサンプリングしなければならない。そのために、8TxコードブックではW1、W2が下記の表2のようにサブサンプリングされ、type 2cで報告される。
【表2】
【0094】
ランク1のための8Tx W1とランク2のための8Tx W1は同一である。そして、W1のi番目のPMIとi+1番目のPMIは、2つの重なったDFTベクトルを共有する。このように隣接PMI間に2個のDFTベクトルを重ねることによって、チャネルをより正確にフィードバックすることができる。しかし、PUCCHリソースが制限されているということから、表2のように、偶数番目のW1のPMIを偶数番目に制限してサブサンプリングすることもできる。偶数番目のPMI同士間には、重なったDFTベクトルが存在しないが、UEはサブサンプリングされたW1を用いて相変らず32個の全DFTベクトルを全て表現することができ、これは、性能劣化を最小化するサブサンプリング方法である。
【0095】
図15に、
図8のモード2−1においてCSIフィードバックを例示する。
【0096】
PUCCHフィードバックモード2−1は、デュアルコードブック構造を用いる場合、PTI値によって2つの方式と定義される。
図15の(a)は、PTIが0のときの例示を、(b)は、PTIが1のときの例示を示している。
図15の(a)を参照すると、オフセット1及び周期2を有するPUCCHフィードバックリソースで広帯域W1が8サブフレーム周期で報告され、広帯域W2及びCQIが残りのリソースで報告される。RI及びPTIは、周期16、オフセット0に設定されている。
図15の(b)のようにPTIが1に設定される場合、サブバンド(subband)W2、サブバンドCQI、及びサブバンドインデックス(index)を示すLビット情報が報告される。
【0097】
図15の(b)で、サブバンドW2、サブバンドCQI、及びサブバンドインデックスを示すLビット情報が併せて報告されるtype 1a報告において、8TxコードブックW2を下記の表3のようにサブサンプリングする。このようなサブサンプリングにより、PUCCHフォーマット2のペイロードサイズである11ビット内で情報を送信することができる。表2で、ランク2のW2コードワードは0,2,4,6のみを報告する。これらの値は、W1を構成するビームグループ(beam group)のうちの一つのビームを選択して最終コードブックを生成する役割を担う。
【数16】
【0099】
下記の表3は、PUCCHフォード2−1においてコードブックサブサンプリングを示すものである。modは、モジューラー(modular)演算を表す。
【表3】
【0100】
CSI報告タイプ(reporting type)は、様々なタイプのいずれかのタイプに設定することができる。例えば、LTEリリース−10で定義されたCSI報告タイプは、次のとおりである。タイプ1報告は、UE選択サブバンド(sub−bands)のためのCQIフィードバックを支援する。タイプ1a報告は、狭帯域CQI及び第2PMIフィードバックを支援する。タイプ2、タイプ2b及びタイプ2c報告は、広帯域CQI及びPMIフィードバックを支援する。タイプ2a報告は、広帯域PMIフィードバックを支援する。タイプ3報告は、RIフィードバックを支援する。タイプ4報告は、広帯域CQIを支援する。タイプ5報告は、RI及び広帯域PMIフィードバックを支援する。タイプ6報告は、RI及びPTIフィードバックを支援する。
【0101】
4Txコードブック
4Txコードブックは、次のように2つの行列の積で表すことができる。
【数18】
【0106】
式14で、W2は、Yベクトル2つが縦に連接(concatenation)している形態を有するが、下側のYベクトルに1、−1、j、−jのいずれか一つをかけ、X−polアンテナにおける水平(horizontal)ビームグループと垂直(vertical)ビームグループ間の位相回転(phase rotation)を補償する。1、−1、j、−j値を一般に、相互−位相因子(co−phasor factor)と呼ぶ。同様に、式15でも、相互−位相因子として(1,−1)と(j,−j)を考慮する。
【0107】
以下、W1のインデックスはi1と定義し、i1は、上述した4Txコードブックの式においてW1のインデックスn値と同一である。
【0108】
また、W2のインデックスは、下記の表のように定義される。
【表4】
【0109】
第1実施例
本発明に係る第1実施例は、PUCCHフィードバックモード1−1のサブモード1においてコードブックサブサンプリング方法に関する。
【0110】
本発明の第1実施例によれば、タイプ5報告においてRIとサブサンプリングされたW1の結合エンコーディング方式を下記の表5のように適用することができる。総17個の仮定値(hypotheses)が存在するため、5ビットで表現可能であり、各仮定値別RI値とW1のインデックスは、表5のとおりである。例えば、0番目の仮定値は、RI=1、W1インデックス0を意味し、1番目の仮定値は、RI=1、W1インデックス1を意味する。ランク3、4では、W1コードブックが恒等行列(identity matrix)であることから、W1のための別のシグナリングは必要でない。また、下記の表5で、RIが2である場合は、仮定値から8を引く値で表現することができる。
【表5】
【0111】
8Tx W1コードブックと同様に、式13に提案された4Tx W1コードブックのコードワードは、一部が重なった値を有する。例えば、0番目のW1コードワードと8番目のW1コードワードとを比較すると、各コードワードのXnが同一のベクトル集合で構成される。
【数23】
このような特徴は、i番目のW1コードワードとi+8番目のW1コードワードに同一に現れる。したがって、3ビットでW1をサブサンプリングする場合、このような重なったW1を除去することが効果的である。表5のサブサンプリング方式は、このような特徴を考慮してW1が重ならないように0〜7のコードワードのみをサブサンプリングしたものである。
【0112】
同じ原理を用いて、表5で、0〜7に代えて8〜15番目のコードワードのみでサブサンプリングすることもできる。サブサンプリング原理が同一であるから、インデックスが異なるだけで、コードブック性能は同一である。
【0113】
他の方式として、タイプ5報告において4ビットペイロードを送信して受信デコーディング確率を高めることもできる。このとき、RIとサブサンプリングされたW1との結合エンコーディング方式を下記の表6のように適用することができる。総9個の仮定値が存在しているため、4ビットで表現可能である。各仮定値別のRI値とW1のインデックスは、表6のとおりである。例えば、0番目の仮定値は、RI=1、W1インデックス0を意味し、1番目の仮定値は、RI=1、W1インデックス2を意味する。ランク3、4では、W1コードブックが恒等行列(identity matrix)であることから、W1のための別のシグナリングは必要でない。
【表6】
【0114】
表6のサブサンプリング方式は2段階で説明することができる。まず、表5と同様に、重なるW1コードワードを除去する。
【数24】
これによって、サブサンプリングから発生するコードブック性能劣化を減らすことができる。
【0115】
同じ原理を用いて、表6で、{0,2,4,6}に代えて{1,3,5,7}コードワードのみでサブサンプリングすることもできる。サブサンプリング原理が同一であるから、インデックスが異なるだけで、コードブック性能は同一である。
【0116】
一方、表5で、ランク1、ランク2のW1インデックスは同一である。同様に、表6で、ランク1、ランク2のW1インデックスは同一である。また、表5と表6のサブサンプリング方式を混用して構成してもよい。例えば、ランク1のW1は表5値を用い、ランク2のW1は表6値を用いることもできる。この場合、ランク1とランク2はそれぞれ8個、4個の仮定値を有するので、4ビットを用いてタイプ5報告を送ることができる。
【0117】
第2実施例
本発明に係る第2実施例は、PUCCHフィードバックモード1−1のサブモード2においてコードブックサブサンプリング方法に関する。
【0118】
本発明の第2実施例によれば、タイプ2c報告においてW1/W2のサブサンプリング方法を下記の表7のように適用することができる。例えば、ランク1では、W1インデックスとして{0,1,2,3,4,5,6,7}のうち一つのみを報告し、W2インデックスとして{0,2}のうち一つのみを報告することができる。ランク3、4は、W1コードブックが恒等行列であることから、W1のための別のシグナリングは必要でない。
【表7】
【0119】
表7で、W1は、表5と同様の方式でサブサンプリングされる。W2のサブサンプリング方式は8Txと同一である。W2を表7のようにサブサンプリングすることによって、W2の選択ベクトル(selection vector)はe1と固定され、W2の相互−位相因子(co−phasor factor)値のみ選択可能である。この場合、W1を{0,1,2,3,4,5,6,7}で構成しても、W2の選択ベクトルはe1の一つとして固定されている。したがって、W1とW2をかけて生成された最終プリコーディング行列は、16倍オーバーサンプリング(oversampling)された2×32 DFT行列の32個ベクトルのうち、前の0〜7番目のベクトルのみを用いることとなる。
【0120】
一方、表7のようにサブサンプリングする場合、プリコーディング行列は、コードブック空間(space)上で特定方向に偏り、性能劣化が発生しうる。このような問題を解決するために、下記の表8のように適用することができる。
【表8】
【0121】
更に他の方式として、タイプ2c報告においてW1/W2のサブサンプリング方式を表9のように適用することができる。表7及び表8では、W1、W2がそれぞれ3ビット、1ビットで表現されるが、表9では、W1、W2がそれぞれ2ビット、2ビットで表現され、W2において相互−位相因子の他に選択ベクトル(selection vector)を選択し得る自由度を確保する。すなわち、選択ベクトルとしてe1だけでなくe3も選択可能になる。e1として選択されたW1のベクトルとe3として選択されたW1のベクトルは互いに直交(orthogonal)する特性を有する。周波数選択性(Frequency selectivity)が大きい場合、サブバンド情報であるW2においてe1又はe3を選択させることによって、チャネル方向をより正確にフィードバックすることができる。
【表9】
【0122】
表9で、W1は表6と同一の方法でサブサンプリングする。W2を表9のようにサブサンプリングすることによって、W2の選択ベクトル(selection vector)としてe1とe3を選択することができる。この場合、W1を{0,2,4,6}で構成しても、W2の選択ベクトルは、e1、e2、e3、e4ではなくe1及びe3のみを選択可能である。したがって、W1とW2をかけて生成された最終プリコーディング行列は、16倍オーバーサンプリングされた2×32 DFT行列の32個のベクトルのうち、不均等に離れているベクトルのみを利用することとなる。すなわち、{0,2,4,6,16,18,20,22}番目のDFTベクトルのみを利用する。
【0123】
一方、表9のようにサブサンプリングされた場合、プリコーディング行列はコードブック空間(space)上で特定方向に偏り、性能劣化が発生しうる。このような問題を解決するために、表10のようにサブサンプリングすることができる。表10で、W1とW2をかけて生成された最終プリコーディング行列は、16倍オーバーサンプリングされた2×32DFT行列の32個ベクトルのうち、均等に分布する{0,4,8,12,16,20,24,28}番目のベクトルを利用する。
【表10】
【0124】
上記表10で、ランクが1及び2のとき、W1のコードブックインデックスである{0,4,8,12}は、0〜3のいずれか一つの値を有する第1PMIインデックスI
PMI1に4をかけて導出することができる。
【0125】
また、表10で、ランクが1のとき、W2のコードブックインデックスである{0,2,8,10}は、0〜3のいずれか一つの値を有する第2PMIインデックスI
PMI2を次の式に適用して導出することができる。
【数25】
【0126】
また、表10で、ランクが2のとき、W2のコードブックインデックスである{0,1,4,5}は、0〜3のいずれか一つの値を有する第2PMIインデックスI
PMI2を次の式に適用して導出することができる。
【数26】
【0127】
第3実施例
第3実施例は、上述した式12乃至式15の4Txコードブックの他の例であり、第3実施例のコードブックを利用する場合にも、上記の第1実施例及び第2実施例を適用することができる。上述した式12乃至式15のコードブックと第3実施例のコードブックは、ランク2においてW2の一部のコードワード(9,10,11,12,13,14,15)が異なるだけで、残りはいずれも同一である。したがって、第3実施例のコードブックを第1実施例又は第2実施例によってサブサンプリングする場合、サブサンプリングされたコードブックは同一である。
【0128】
第3実施例の4Txコードブックは、次のように2つの行列の積で表すことができる。
【数27】
【0133】
W1のインデックスはi1と定義され、i1は、上述した4Txコードブックの式においてW1のインデックスn値と同一である。
【0134】
また、W2のインデックスは、下記の表のように定義される。
【表11】
【0135】
図16を参照して、本発明の一実施例に係るチャネル状態情報報告方法について説明する。
【0136】
ステップS161で、端末は、4アンテナポートのための報告サブモードによって、第1PMI(Precoding Matrix Indicator)と関連している第1コードブック及び第2PMIと関連している第2コードブックをサブサンプリング(subsampling)する。
【0137】
具体的なサブサンプリング方法は、第2実施例で説明したサブサンプリング方法と同一であり、その詳細な説明は省略する。
【0138】
ステップS163で、端末は、サブサンプリングされた前記第1コードブック及び前記第2コードブックに基づいてチャネル状態情報を報告する。
【0139】
ここで、RI(Rank Indicator)が1又は2である場合、前記第1PMIのための第1コードブックインデックスは、0、4、8及び12のうち一つと決定される。前記RIが1である場合、前記第2PMIのための第2コードブックインデックスは、0、2、8及び10のうち一つと決定される。前記RIが2である場合、前記第2PMIのための第2コードブックインデックスは、0、1、4及び5のうち一つと決定されてもよい。
【0140】
本発明のチャネル状態情報送信方法において、前述した本発明の様々な実施例で説明した事項が独立して適用されてもよく、又は2つ以上の実施例が同時に適用されてもよい。ここで、重複する内容については明確性のために説明を省略する。
【0141】
また、基地局と中継機間の(バックホール上りリンク及びバックホール下りリンクにおける)MIMO送信及び中継機と端末間の(アクセス上りリンク及びアクセス下りリンクにおける)MIMO送信に対する上りリンクMIMO送信及び受信に対しても、本発明で提案するのと同じ原理が適用されてもよい。
【0142】
本発明の実施例を適用できる基地局及び端末
図17に、本発明の一実施例に適用可能な基地局及び端末を例示する。
【0143】
無線通信システムにリレーが含まれる場合、バックホールリンクで通信は基地局とリレー間に行われ、アクセスリンクで通信はリレーと端末間に行われる。したがって、図面に例示された基地局又は端末は、状況に応じてリレーに取り替えてもよい。
【0144】
図17を参照すると、無線通信システムは、基地局(BS)1710及び端末(UE)1720を含む。基地局1710は、プロセッサ1712、メモリ1714及び無線周波数(Radio Frequency、RF)ユニット1716を備える。プロセッサ1712は、本発明で提案した手順及び/又は方法を具現するように構成されてもよい。メモリ1714は、プロセッサ1712と接続し、プロセッサ1712の動作に関連する様々な情報を記憶する。RFユニット1716は、プロセッサ1712と接続し、無線信号を送信及び/又は受信する。端末1720は、プロセッサ1722、メモリ1724及びRFユニット1726を備える。プロセッサ1722は本発明で提案した手順及び/又は方法を具現するように構成されてもよい。メモリ1724は、プロセッサ1722と接続し、プロセッサ1722の動作に関連する様々な情報を記憶する。RFユニット1726は、プロセッサ1722と接続し、無線信号を送信及び/又は受信する。基地局1710及び/又は端末1720は、単一アンテナ又は多重アンテナを有することができる。以上説明してきた実施例は、本発明の構成要素及び特徴を所定形態に結合したものである。各構成要素又は特徴は、別の明示的な言及がない限り、選択的なものとして考慮しなければならない。各構成要素又は特徴は、他の構成要素や特徴と結合しない形態で実施することもでき、一部の構成要素及び/又は特徴を結合して本発明の実施例を構成することもできる。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更されてもよい。ある実施例の一部構成や特徴は、他の実施例に含まれてもよく、他の実施例の対応する構成又は特徴に取り替わってもよい。特許請求の範囲において明示的な引用関係にない請求項を結合して実施例を構成したり、出願後の補正により新しい請求項として含めたりできるということは明らかである。
【0145】
本文書で基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。すなわち、基地局を含む複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局又は基地局以外の他のネットワークノードによって行われ得ることは明らかである。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)などの用語にしてもよい。
【0146】
本発明に係る実施例は、様々な手段、例えば、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、ソフトウェア又はそれらの結合などによって具現することができる。ハードウェアによる具現では、本発明の一実施例は、一つ又はそれ以上のASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって具現することができる。
【0147】
ファームウェアやソフトウェアによる具現では、本発明の一実施例は、以上で説明された機能又は動作を実行するモジュール、手順、関数などの形態で具現されてもよい。ソフトウェアコードは、メモリユニットに記憶され、プロセッサによって駆動可能である。
【0148】
上記メモリユニットは、プロセッサの内部又は外部に設けられ、公知の様々な手段によってプロセッサとデータを交換することができる。
【0149】
本発明は、本発明の特徴から逸脱しない範囲で別の特定の形態に具体化できるということが当業者にとっては自明である。したがって、上記の詳細な説明は、いずれの面においても制限的に解釈してはならず、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付の請求項の合理的な解釈によって決定すべきであり、本発明の等価的範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。