(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記メッセージが前記第1分析物の濃度の記述、前記所定のレベルよりも上である前記第1分析物の濃度に応答してとられる行動のリスト、及び医療提供者の連絡先のうちの少なくとも1つを含む、請求項1から9の何れか一項に記載の方法。
前記ディスプレイが前記第1分析物の濃度の記述、前記所定のレベルよりも上である前記第1分析物の濃度に応答してとられる行動のリスト、及び医療提供者の連絡先のうちの少なくとも1つを含むメッセージを前記情報アイコンの選択に応答して提供するようにさらに構成されている、請求項11から17の何れか一項に記載の装置。
試料中の第1分析物と第2分析物の濃度を決定するための複数の検査であって、各々が前記試料中の前記第1分析物と前記第2分析物を分析するために構成されている前記検査素子に前記試料を塗布することを含む前記の複数の検査を実施すること、
実施された各検査から決定された前記第1分析物の濃度を保存すること、
保存された濃度における所定の値に向かう上昇傾向の存在をモニターするために前記第1分析物の保存された濃度を分析すること、及び
前記傾向の存在の検出に応答して第1表示を提供すること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
前記第1分析物の濃度が前記の複数の検査のうちのいずれか1つ以上において前記所定の値よりも上であるという判定に応答して第2表示を提供することをさらに含む、請求項21に記載の方法。
ディスプレイ、プロセッサー及び記憶用メモリーを備える携帯機器であって、1つ以上の検査素子を用い、且つ、前記の1つ以上の検査素子上に供給された液体試料中の少なくとも第1分析物と第2分析物の濃度を決定するように作動する前記機器を提供すること、
前記機器を使用して、前記の少なくとも第1分析物と前記第2分析物のそれぞれの決定された濃度の値を前記記憶用メモリーに記録すること、
前記機器を使用して、前記第1分析物の決定された濃度が0.6mMの所定の値より上であるか判定すること、
前記機器を使用して、前記第2分析物の決定された濃度が240mg/dLの所定の値より上であるか判定すること、及び
前記機器を使用して、前記第1分析物と前記第2分析物のどちらかの決定された濃度が前記の所定の値のそれぞれよりも上であるときに監視モードを起動すること
をさらに含む、請求項1から10及び21から27の何れか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明の原理の理解を促進することを目的として、次に図面に例示されている実施形態を参照し、それらの実施形態を説明するために特別な用語法を使用する。それでも、本発明の範囲がそのことによって制限されることは意図されておらず、例示されている機器における変更と改変、及びそれらの実施形態において示されている本発明の原理の追加の適用性は、本発明が関わる技術分野の当業者であれば通常思いつくものと考えられていることが理解される。
【0041】
多重分析物分析のための系と方法を提供する。1つの実施形態では、試料中の第1分析物と第2分析物の濃度の決定が方法に含まれる。第1分析物と第2分析物は、例えば、グルコースとヒドロキシブチラートであり得る。この形態では、ヒドロキシブチラートの濃度が所定の値より上であるという判定に応答してヒドロキシブチラートの測定濃度に関する表示が提供される。この形態の追加の態様において、測定されたグルコース濃度の値に関係なく、測定されたグルコース濃度を表す定量的表示が自動的に提供される。別の実施形態では、試料中の第1分析物と第2分析物を評価するための検査素子と相互作用するように構成されている計測器が系に含まれる。この評価は第1分析物と第2分析物の存在の検出から第1分析物と第2分析物の濃度の決定までの範囲にわたり得る。本出願のさらなる態様と特徴を例示されている実施形態に関して次のように説明する。
【0042】
図1及び2を参照して、試料中の第1分析物と第2分析物の評価用に構成されている第1実施形態の検査素子10のさらなる詳細を今から提供する。検査素子10は試料液用の試料受領チャンバー及び第1分析物と第2分析物の存在下で電気化学的信号を生成するための第1試薬物質と第2試薬物質を含む電気化学的センサーとして提供される。例示された形態では、検査素子10は計測器挿入末端12と試料液注入末端14の間にわたる。1つの非例示的形態では、検査素子10の適切な取り扱いと使用について使用者を助けるために試料液注入末端14の形状は計測器挿入末端12と識別可能であり得る。検査素子10は使用者に適切な取り扱いと使用についての案内を提供するための1つ以上のグラフィック(示されず)を含んでもよい。
【0043】
検査素子10は基礎基板16、スペーシング層18、ボディーカバー20及びチャンバーカバー22を含む層状構造体を有する使い捨て検査ストリップの形態で提供される。同様の層状構造体を含む検査素子のさらなる詳細が米国特許第7727467号明細書において提供されおり、その明細書の内容の全体を参照により本明細書に援用する。スペーシング層18は基礎基板16とボディーカバー20及びチャンバーカバー22との間にわたる試料受領チャンバー26を提供するためのボイド部分24を含む。この構成では、試料受領チャンバー26は、試料液の試料受領チャンバー26内への通過を促進するように構成されている開口部28を介して検査素子10の試料液注入末端14において開口している。検査素子10の側面に沿って位置する開口部を介して試料受領チャンバー26が開口している形態も考えられている。さらに、試料液注入末端14の全長又は横幅に沿って位置し、且つ、側面の一部を含んで位置する開口部を介して試料受領チャンバー26が開口している形態も考えられている。
【0044】
ボディーカバー20とチャンバーカバー22はスペーシング層18の上に被さり、且つ、試料液が開口部28を介して試料受領チャンバー26に進入してくるときに空気が試料受領チャンバー26から逃れることを可能にする、試料受領チャンバー26と通じている通気開口部を提供するボディーカバー20とチャンバーカバー22の間のスロット30を定義する。スロット30は試料受領チャンバー26内に配置されている(下記の)電極系の位置の内側にある、試料受領チャンバー26と相対的な位置に局在する。試料受領チャンバー26に進入する試料液は通気開口部まで進むが、それ以上は進まない。上から見ると、試料受領チャンバー26内の電極系が正確に機能するために適切に湿らされた、又は覆われたことを確認するために「フルライン」の視覚的表示をそのスロットが提供する。加えて、又はあるいは、測定電極の湿潤が起こったことを保証するためにいつ試料液がスロット30まで進んだか検出するための試料液注入充足電極がスロット30に隣接して配置されてもよい。通気手段と共に2種類のアッセイと試料の塗布のための必要な電極を含む検査ストリップ構造体の他の代替的構成も予期される。それらの代替的構造体は試料充足を検出するための手段又は補正若しくはフェールセーフ用の他の電極のようなその他の特徴を含み得る。
【0045】
電極系と試薬物質の他には試料受領チャンバー26は空であってもよく、又は代わりに吸収物質を含んでいてもよい。適切な吸収物質にはポリエステル、ナイロン、セルロース、及びニトロセルロースなどのセルロース誘導体が含まれる。吸収物質が含まれる時には、吸収物質は試料液の試料受領チャンバー26内へのウィッキングを助けることによりその液体の取込促進の役に立つ。吸収物質の使用は試料液の受領のための試料受領チャンバー26のボイド体積のさらなる減少にも役立つだろう。1つの形態では、試料受領チャンバー26の充填は毛管作用によって起こる。試料受領チャンバー26の充填は他の手段によって、例えば、試料液を試料受領チャンバー26内へ押し込む圧力の試料液への印加、及び/又は試料液を試料受領チャンバー26内へ押し込む真空状態の試料受領チャンバー26に対する生成によっても増大し得る。加えて、検査試料による試料受領チャンバー26の充填を容易にするために親水性物質の被覆が行われるか、又は親水性増加処理が行われると、試料受領チャンバー26の1つ以上の面が親水性物質から形成され得る。
【0046】
検査素子10は電気化学的酸化還元反応により第1分析物と第2分析物の存在を検出、及び/又は第1分析物と第2分析物の濃度を測定するように構成されている。これらの反応は分析物の量又は濃度に相関し得る電気信号に変換される。検査素子10の幾つかの特徴だけが例示されている
図2に示されるように、基板16は複数の電極34と接触パッド38において終止する電極トレース36を含む第1電極系32を担持する。電極34は試料受領チャンバー26内に位置する電極トレース36の部分として定義される。基板16は複数の電極48と接触パッド52において終止する電極トレース50を含む第2電極系46も担持する。電極48は試料受領チャンバー26内に位置する電極トレース50の部分として定義される。電極系32、46の例示された構成は限定的ではなく、代替的構成が考えられていることが理解されるべきである。
【0047】
検査素子10は試料受領チャンバー26内で第1電極系32の電極34の少なくとも一部の上に被さる第1試薬物質60と試料受領チャンバー26内で第2電極系46の電極48の少なくとも一部の上に被さる第2試薬物質62も含む。第1試薬物質及び第2試薬物質60、62は第1検査分析物と第2検査分析物のそれぞれの存在下での電気化学的信号の生成に適切であり、且つ、試料受領チャンバー26内で適切な位置に配置されて試料受領チャンバー26内の電極34、48にその電気化学的信号を供給する。スペース64が存在せず、第1試薬物質と第2試薬物質が電極34、48上に連続層を形成する形態も考えられているが、例示された形態ではスペース64が第1試薬物質と第2試薬物質60、62の間にわたる。第1試薬物質と第2試薬物質60、62に関するさらなる詳細を本明細書において以下に提供する。
【0048】
第1電極系32の電極34は、作用電極40と作用電極40の反対側に一定の間隔をあけられている部分44aと44bを含む対電極42からなる形態の一組の測定電極を含む。本明細書において使用される場合、「作用電極」は酸化還元メディエーターの媒介によって、又は酸化還元メディエーターの媒介無しで分析物の電解酸化又は電解還元が生じる電極であり、一方、「対電極」という用語は、作用電極と対をなし、且つ、作用電極を通過する電流と等しい大きさであり、反対の符号を有する電気化学的電流を通過させる電極を指す。「対電極」という用語は基準電極としても機能する対電極(すなわち、対/基準電極)を含むとされる。第2電極系46の電極48は、作用電極54と作用電極54の反対側に一定の間隔をあけられている部分58aと58bを含む対電極56からなる形態の一組の測定電極を含む。この配置では、試料受領チャンバー26に進入する試料液を作用電極40及び54並びに対電極42及び56と電解接触させるように試料受領チャンバー26が構成されている。この配置は電流が測定電極間で流れて第1分析物と第2分析物の電解酸化又は電解還元に影響することも可能にする。しかしながら、前述の配置は測定電極の多数の構成のうちのわずかに1つであることが理解されるべきである。
【0049】
試料中の第1分析物と第2分析物を評価するための代替的実施形態の検査素子110が
図3及び4に例示されている。検査素子110はヘッドトゥーヘッド型製造技術を活用して作製される。この技術のさらなる詳細とおおまかには検査素子110のさらなる詳細は国際公開第2012/003306号パンフレットに見出され、そのパンフレットの内容の全体を参照により本明細書に援用する。
図3に例示されるように、電極パターン112は基板114の長い層(テープ)上に2列に配置される(A列に1組の電極パターンとB列に1組の電極パターン)。検査素子110は、互いに近接しており、且つ、基板114の中央の近くに位置する試料チャンバー電極パターン116及び互いから間隔をあけられており、且つ、基板114の対面する両端の近くに位置する接触パッド118も含む。例示された形態では、電極パターンは全て類似している。しかしながら、代替的形態ではそれらの電極パターンの少なくとも幾つかは他の電極パターンと異なっていてよい。第1試薬物質120はA列の試料チャンバー電極116上に貼り付けられ、第2試薬物質122はB列の試料チャンバー電極116上に貼り付けられる。
【0050】
スペーサー層124が接着層126を付けた基板114の上に取り付けられる。スペーサー層124の2枚の別々のストリップが個々にA列とB列で基板114に取り付けられており、且つ、中央線128に沿って配置されている形態も可能であるが、例示された形態では1枚の長いストリップ又はテープがA列とB列の両方の電極パターンを覆うスペーサー層124を形成する。スペーサー層124は中央線128に沿って配置された複数の切欠き部分130を含む。スペーサー層124が基板114に取り付けられると、切欠き部分130は試料チャンバー132の境界線を形成する(
図4)。単一の連続的上部基板層134が接着層136を付けたスペーサー層124の上に取り付けられており、且つ、試料チャンバー132が試料液で充填されるときにそれらの試料チャンバーの通気を容易にする複数の通気開口部142、144を含む。これより前には考察されなかったが、接着層126、136はそれぞれ中央線128に沿って配置されており、且つ、スペーサー層124の切欠き部分130に対応する複数の切欠き部分138、140を含むことが理解されるべきである。あるいは、接着層136はどのような開口部又は切欠きも有しない隙間の無い層であってよいと考えられている。
【0051】
基板114、試薬物質120、122、スペーサー層124及び上部基板134が組み合わされ、一枚に重ね合わせられた後に、A列とB列の電極パターン116が互いに接続したままであるが、一方で隣接する横列の検査ストリップ(左右の方向の検査ストリップ)が分割されるようにそのシート又はロールを分割する。言い換えると、A列の検査ストリップはB列の検査ストリップから完全に分離されておらず、検査ストリップ対が形成され、検査ストリップの各対がヘッドトゥーヘッド式に配置される。検査ストリップのA列の接触パッド118を検査ストリップのB列の接触パッド118と隣接して配置し、且つ、検査ストリップのA列の試料採取末端を検査ストリップのB列の試料採取末端と隣接して同じ方向に向くように配置するために各検査ストリップ対を折りたたんでよい。この種のヘッドトゥーヘッド検査ストリップ対を使用して、単一試料を使用して第1と第2の異なる分析物を検査するために使用者が体液試料を両方の検査ストリップに同時に塗布することができる二重用途バイオセンサーが提供される。1つの実施形態では、血液と試薬がチャンバー132の間で混合することを防ぐためにその対をたたむ前に血液濾過材を二重試料チャンバー132内に備えてよい。
【0052】
ヘッドトゥーヘッド方向の対の検査ストリップのそれぞれのチャンバー132はその対の検査ストリップが中央線128に沿って折り曲げられると露出されるはずであることが理解されるべきである。両方の試料チャンバー132が露出されることを確実にするために代替的製造技術を使用することができる。例えば、1つの実施形態では、基板層のうちの一方、例えば、上部層134を製造時に中央線128に沿って完全に分割し、一方で基板114については改変しないか、又は中央線128に関して予想通りに曲がるように改変する。ある代替的実施形態では、使用者が中央線128に沿って容易に分割するために基板層のうちの一方を例えば目打ち又は部分切断によって改変し、一方で直線、例えば、中央線128に関して予想通りに曲がるか、又は分割するために他方の基板を例えば折り目付け、くぼみ付け、型押し付けによって改変する。さらに別の実施形態では、上部層134と下部の基板114の両方を改変してヘッドトゥーヘッド検査ストリップがどちらの方向にも曲げられるようになる。すなわち、使用者はヘッドトゥーヘッド検査ストリップ対を折り曲げて2枚の検査ストリップの上部層134を互いに隣接させるか、又は2枚の検査ストリップの基板114を互いに隣接させることを選択することができる。
【0053】
基板16、114は上に電極系32、46及び電極パターン112がそれぞれ配置されている絶縁物質から形成され得る。典型的には、ビニル重合体、ポリイミド類、ポリエステル類、及びスチレン類などのプラスチックが必要とされる電気的特性及び構造的特性を提供する。さらに、検査素子は材料のロールから大量生産可能であり得るので、材料特性がロール加工に充分な柔軟性を有するのに適切であり、一方で完成品に有用な剛性も与えることが望ましい。基板16、114の材料は、高温ポリエステル材を含むポリエステル、ポリエチレンナフタレート(PEN)、及びポリイミド、又はこれらのうちの2つ以上の混合物などの柔軟な重合物質として選択され得る。ポリイミド類は、例えば、デラウェア州ウィルミントンのE.I. duPont de Nemours and Company(デュポン社)からKapton(登録商標)の商品名で市販されている。基板16、114に可能な1つの特定の材料はデュポン社から入手可能なMELINEX(登録商標)329である。
【0054】
作用電極と対電極、及び電極系32、46と電極パターン112の残りの部分は様々な材料から形成され得る。1つの態様において、それらの電極は比較的に低い電気抵抗を有するべきであり、且つ、検査素子の作用範囲に対して電気化学的に不活性であるべきである。作用電極の適切な導体には金、パラジウム、プラチナ、炭素、チタン、二酸化ルテニウム、及び酸化インジウムスズ、及びイリジウム並びに他のものが含まれる。対電極は同じ材料又は異なる材料、例えば、銀/塩化銀から作製され得る。1つの特定の実施形態では、作用電極と対電極は両方とも金電極である。
【0055】
充分な導電性と完全性を有する電極を産生するあらゆる方法で基板16、114にそれぞれ電極系32、46と電極パターン112を貼りつけることができる。ただ少数の非限定的可能性を挙げると、例となる処理にはスパッタリングと印刷が含まれる。1つの特定の形態では、基板16、114の材料を被覆し、次に電極系32、46と電極パターン112を作り出すためにその被覆の選択された部分を除去することによって金電極が提供される。被覆の部分を除去するための1つの特定の方法には米国特許第7073246号明細書において開示されるレーザーアブレーション、より具体的には広域レーザーアブレーションが含まれ、その明細書の内容の全体を参照により本明細書に援用する。
【0056】
レーザーアブレーション技術は通常は単一金属層、又は絶縁物質と導電性材料を含む多層状組成物、例えば、絶縁物質上に被覆された、又は絶縁物質に重ね合わされた金属層からなる金属積層の融除を含む。その金属層は純金属、合金、又は他の材料を含んでよく、それらの材料は金属導体である。金属又は金属様導体の例にはアルミニウム、炭素(黒鉛等)、コバルト、銅、ガリウム、金、インジウム、ニッケル、パラジウム、プラチナ、銀、チタン、それらの混合物、及びこれらの材料の合金又は固溶体が挙げられる。1つの態様において、それらの材料は生体系に対して基本的に非反応性であるように選択されており、それらの材料の非限定的な例には金、プラチナ、パラジウム、炭素及び酸化イリジウムスズが挙げられる。金属層はあらゆる望ましい厚さであってよく、1つの特定の形態では約500nmである。
【0057】
検査素子10、110の例示された形態は非限定的であり、光学的検出技術用に構成されたものを含む本出願の二重機能性検査素子の代替的構成も考えられていることが理解されるべきである。この点で、1つの追加的で非限定的な形態では二重機能性検査素子は第1電極系を担持する第1基板が第2電極系を担持する第2基板上に位置するサンドウィッチ型の構成を含み得る。第1基板と第2基板は毛管路を含む中間層によって互いから隔てられている、又は他の場合では毛管路が第1基板と第2基板の間に形成される。この構成では第1電極系と第2電極系の被覆が同時又はほぼ同時に起こるように、毛管路内へ進入する試料液が第1電極系と第2電極系に向けられる。これより前には考察されなかったが、第1基板には第1分析物の測定に適している第1試薬物質が備えられており、第2基板には第2分析物の測定に適している第2試薬物質が備えられていることがさらに理解されるべきである。非限定的な例として、この構成を有する検査素子を作製するための1つの技術には第1試薬物質と第1電極系を担持する第1基板及び第2試薬物質と第2電極系を担持する第2基板を別々に作製し、次にその第1基板と第2基板を一つに組み立てることが含まれる。
【0058】
別の非限定的形態では、二重機能性検査素子はわずかに異なるサンドウィッチ型の構成を含み得る。この構成では第1電極系を担持する第1基板は第2電極系を担持する第2基板の上に位置する。しかしながら、第1基板と第2基板は接着層によって結合されており、それぞれの基板が単一の毛管路の代わりにそれぞれの電極系上に位置する別々の試料チャンバーを含む。この形態では検査素子は、第1電極系と第2電極系の同時又はほぼ同時の被覆も起こるように個々の試料チャンバーの同時又はほぼ同時の充填を促進する構成を含む。これより前には考察されなかったが、第1基板には第1分析物の測定に適している第1試薬物質が備えられており、第2基板には第2分析物の測定に適している第2試薬物質が備えられていることがさらに理解されるべきである。この検査素子も、本明細書に記載される他のサンドウィッチ型の構成に関連して上で考察された技術を活用して作製され得る。この形態を有する1つの非限定的検査素子のさらなる詳細が国際公開第2012/003306号パンフレット(上で本明細書に援用された)中に提供される。
【0059】
本出願の検査素子用に活用され得る非限定的配置のさらなる例は米国特許第6984307号明細書及び第4397956号明細書において開示されており、それらの明細書の内容の全体を参照により本明細書に援用する。
【0060】
検査素子10、110は生体液に由来する多種多様な第1分析物と第2分析物の測定に有用であり得ると考えられている。例えば、検査素子10、110は第1分析物と第2分析物の存在及び/又は濃度を評価するために使用され得るあらゆる適切な化学的性質を有する試薬物質60、62及び120、122と使用するために容易に適合され得る。試薬物質60、62及び120、122は第1分析物と第2分析物と反応して試料液中の第1分析物と第2分析物の存在及び/又は濃度を表す電気化学的信号を生成する働きをする。下でさらに詳細に考察されるように、試薬物質60、62及び120、122は様々な第1分析物と第2分析物の存在及び/又は濃度を決定するために選択された様々な活性成分を含み得る。したがって、試薬物質60、62及び120、122の検査化学的性質は評価予定の第1分析物と第2分析物に関して選択される。そのような分析物には、例えば、グルコース、コレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリド、グリセリン、ラクテート、乳酸デヒドロゲナーゼ、マレート、アルコール、尿酸、ソルビトール、アミノ酸、1,5−アンヒドログルシトール及びケトン体を代表する分析物、例えば、ヒドロキシブチラートが含まれる。1つの特定の実施形態では、検査素子10、110にはそれぞれ試薬物質60、62及び120、122が含まれており、それらの試薬物質は血液中のヒドロキシブチラート及びグルコースの存在及び/又は濃度を決定するために選択されている。
【0061】
第1分析物と第2分析物が評価され得る生体液の非限定的な例にはそれらの分析物が測定され得るあらゆる体液、例えば、間質液、涙、尿、及び血液が挙げられる。「血液」という用語はこの文書の文脈では全血及び血液の無細胞成分、すなわち、血漿と血清を含む。ヒドロキシブチラートとグルコースの検査用に検査素子が構成されているとき、試料液は具体的には、例えば、指先又は認可された代替的部位(例えば、前腕、手のひら、耳たぶ、上腕、ふくらはぎ及び大腿)から得た新鮮な毛細管血液、新鮮な静脈血、又は尿を含み得る。加えて、検査素子は検査用の系の完全性を検証するために従来法で使用される対照液との関連でも有用であり得る。
【0062】
評価予定の分析物を含有する体液はあらゆる方法で取得され、且つ、検査素子まで送達され得る。例えば、血液試料は従来法で、例えば、槍状刀を用いて皮膚を切開し、次に皮膚表面に現れる液体と検査素子を接触させることによって取得され得る。1つの態様において、検査素子は非常に少量の液体試料を使用するだけの間に標的分析物を評価する働きをする。同様に、1つの態様において、検査に必要な体積の液体を作り出すにはわずかな皮膚の切開だけが必要であり、そのような方法に付随する痛みと他の考慮事項を最小化又は排除することができる。
【0063】
試薬物質60、120には第1補酵素依存性酵素又はその第1酵素の基質と適切な補酵素が含まれる。これらの成分は通常はマトリックス中に溶解又は懸濁される。液体検査試料はそのマトリックスを水和又は溶解し、第1分析物がそのマトリックスを介して分散して活性成分のうちの1つ以上と反応する。試薬物質60、120に含められ得る適切な酵素は、例えば、グルコースデヒドロゲナーゼ(E.C.1.1.1.47)、乳酸デヒドロゲナーゼ(E.C.1.1.1.27、1.1.1.28)、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ(E.C.1.1.1.37)、グリセロールデヒドロゲナーゼ(E.C.1.1、1.6)、アルコールデヒドロゲナーゼ(E.C.1.1.1.1)、ヒドロキシブチラートデヒドロゲナーゼ(HBDH)、例えば、3−ヒドロキシブチラートデヒドロゲナーゼ又はβ−ヒドロキシブチラートデヒドロゲナーゼ、α−ヒドロキシブチラートデヒドロゲナーゼ及びγ−ヒドロキシブチラートデヒドロゲナーゼ、ソルビトールデヒドロゲナーゼ、及びアミノ酸デヒドロゲナーゼ、例えば、L−アミノ酸デヒドロゲナーゼ(E.C.1.4.1.5)から選択されるデヒドロゲナーゼである。さらなる適切な酵素はグルコースオキシダーゼ(E.C.1.1.3.4)又はコレステロールオキシダーゼ(E.C.1.1.3.6)などのオキシダーゼ、又はアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ若しくはアラニンアミノトランスフェラーゼなどのアミノトランスフェラーゼ、5’−ヌクレオチダーゼ、又はクレアチンキナーゼである。選択された酵素に応じて、試薬物質60、120中での使用に適切な可能性のある補酵素には、FAD、NAD、NADP、チオ−NAD、チオ−NADP、及び式(I):
【0065】
[式中、
Aはアデニン又はその類似体であり、
Tはいずれの場合にも独立してO又はSを示し、
Uはいずれの場合にも独立してOH、SH、BH
3-、又はBCNH
2-を示し、
Vはいずれの場合にも独立してOH又はホスフェート基を示し、
WはCOOR、CON(R)
2、COR、又はCSN(R)
2であり、式中、Rはいずれの場合にも独立してH又はC
1〜C
2−アルキルを示し、
X
1、X
2はいずれの場合にも独立してO、CH
2、CHCH
3、C(CH
3)
2、NH、又はNCH
3を示し、
YはNH、S、O、又はCH
2であり、
Zは5個のC原子を有する環状基を含む残基であって、所望によりO、S及びNから選択されるヘテロ原子と所望により1つ以上の置換基を含有し、且つ、
Zとピリジン残基がグリコシド結合によって結合されていないことを条件として、残基CR4
2が前記環状基とX
2に結合している残基CR4
2であって、且つ、
R4はいずれの場合にも独立してH、F、Cl、又はCH
3を示す。]
に従う化合物又はその塩又は所望によりその還元型が含まれる。
【0066】
1つの実施形態では、WはCONH
2又はCOCH
3である。
【0067】
Z上の例となる置換基はOH、F、Cl、及び所望によりフッ素化又は塩素化されるC
1〜C
2アルキ(alky)、及び/又はOH置換されるC
1〜C
2アルキ(alky)、すなわち、O−C
1〜C
2−アルキルからなる群より選択される。
【0068】
別の実施形態では、第1残基VはOHであり、第2残基Vはホスフェート基である。所望によりその1つのOH基と1つのホスフェート基が、それらの基が結合している炭素原子と一緒に環を形成し得る。
【0069】
アデニン類似体の非限定的な例にはC
8置換アデニン及びN
6置換アデニン、7−デアザのようなデアザ異型体、8−アザのようなアザ異型体、又は7−デアザ若しくは8−アザのような組合せ、又は7−デアザ異型体が7位においてハロゲン、C
1〜C
6アルキニル、C
1〜C
6アルケニル又はC
1〜C
6アルキルによって置換され得るホルミシンのような炭素環式類似体が挙げられる。追加の実施形態では、それらの化合物は例えばリボースの代わりに2−メトキシデオキシリボース、2’−フルオロデオキシリボース、ヘキシトール、アルトリトール、又は二環式糖、LNA及び三環式糖などの多環式類似体を含有するアデノシン類似体を含有する。1つの形態では、例えばO
-はS
-及び/又はBH
3-によって置換され、OはNH、NCH
3及び/又はCH
2によって置換され、且つ、=Oは=Sによって置換されるように、(ジ)ホスフェート酸素は等電子的に置換されることもあり得る。1つの実施形態では、式(I)に従う化合物の少なくとも1つの残基UはOHと異なり、他の実施形態では、少なくとも1つの残基UはBH
3-である。
【0070】
式(I)に従う別のより具体的であるが、非限定的な化合物であって、
Aはアデニンであり、
Tはいずれの場合にもOを示し、
Uはいずれの場合にもOHを示し、
Vはいずれの場合にもOHを示し、
WはRがHを示すCON(R)
2であり、
X
1はOであり、
X
2はOであり、
YはOであり、且つ
Zは一般式(II):
【0072】
[式中、単結合がR5’とR5’’の間に存在し、且つ、式中
R4はHであり、
R5’はCHOHであり、
R5’’はCHOHであり、
R5はCR4
2であり、
R6はCHであり、且つ、
R6’はCHである。]
の炭素環式5員環である。前記化合物はカルバNAD、すなわち、cNADである。
【0075】
さらに別の式(I)に従うより具体的であるが、非限定的な化合物であって、
Aはアデニンであり、
Tはいずれの場合にもOを示し、
Uはいずれの場合にもOHを示し、
Vは第1例ではOHを示し、且つ、第2例ではホスフェート基を示し、
WはRがHを示すCON(R)
2であり、
X
1はOであり、
X
2はOであり、
YはOであり、且つ
Zは一般式(II):
【0077】
[式中、単結合がR5’とR5’’の間に存在し、且つ、式中
R4はHであり、
R5’はCHOHであり、
R5’’はCHOHであり、
R5はCR4
2であり、
R6はCHであり、且つ、
R6’はCHである。]
の炭素環式5員環である。前記化合物はカルバNADP、すなわち、cNADPである。
【0080】
式(I)に従う他の具体的だが、非限定的な化合物にはボラノカルバNAD、シクロペンチルNAD、及びカルバNADシクロホスフェートが含まれる。これらの化合物は次の構造を有する:
【0084】
式(I)に従う化合物とその化合物の合成に関するさらなる詳細は米国特許出願公開第2008/0231809号明細書において提供されており、その明細書の内容の全体を参照により本明細書に援用する。
【0085】
1つの実施形態では、試薬物質60、120はヒドロキシブチラートの存在及び/又は濃度の検出を促進する働きをし、且つ、ヒドロキシブチラートデヒドロゲナーゼを含む。ヒドロキシブチラートデヒドロゲナーゼの非限定的な例にはα−ヒドロキシブチラートデヒドロゲナーゼ、β−又は3−ヒドロキシブチラートデヒドロゲナーゼ、及びγ−ヒドロキシブチラートデヒドロゲナーゼが挙げられる。1つの特定の形態では、そのヒドロキシブチラートデヒドロゲナーゼは3−ヒドロキシブチラートデヒドロゲナーゼである。この実施形態では、試薬物質60、120はチオ−NAD、チオ−NADP、及び式(I)に従う化合物又はその塩又は所望によりその還元型から選択される補酵素をさらに含む。1つの特定の形態では、試薬物質60、120は3−ヒドロキシブチラートデヒドロゲナーゼ及びカルバNADとカルバNADPのうちの一方を含む。第1試薬物質がヒドロキシブチラートデヒドロゲナーゼとチオ−NAD、チオ−NADP、及び式(I)に従う化合物又はその塩又は所望によりその還元型から選択される補酵素を含む形態では、驚くことに、ヒドロキシブチラートの存在及び/又は濃度の検出は検査素子が試料と接触した後から5秒又は約5秒以内に完了することができ、その検出は約5秒かかる最先端のグルコース検査に大体対応することが分かっている。この点と関連の試薬物質の調製に関連するさらなる詳細が本出願と同じ日付に提出された、「試薬物質と関連の検査素子(Reagent Materials and Associated Test Elements)」という表題であり、第13/667057号のシリアル番号を有する米国特許出願において提供されており、その明細書の内容の全体を参照により本明細書に援用する。ヒドロキシブチラートの存在及び/又は濃度の検出を完了するために5秒より長く必要とする試薬物質の使用も本出願の検査素子中での使用に適切であることが理解されるべきである。
【0086】
加えて、ヒドロキシブチラートデヒドロゲナーゼとチオ−NAD、チオ−NADP、及び式(I)に従う化合物又はその塩又は所望によりその還元型から選択される補酵素を含む試薬物質の使用が二重機能性を有する検査素子に関連して本明細書に記載されているが、単一の機能性を有する検査素子に関連してこの試薬物質を使用することも可能であることが理解されるべきである。この試薬物質の使用が考えられている検査素子の追加の形態の非限定的な例が米国特許出願公開第2005/0016844号明細書及び米国特許第7008799号明細書において開示されており、それらの明細書の内容の全体をここで参照により本明細書に援用する。その試薬物質がヒドロキシブチラートデヒドロゲナーゼとチオ−NAD、チオ−NADP、及び式(I)に従う化合物又はその塩又は所望によりその還元型から選択される補酵素を含む形態では、その試薬物質はヒドロキシブチラートの存在及び/又は濃度の検出に働くあらゆるその他の酵素、例えば、ジアホラーゼを必要としないことも理解されるべきである。しかしながら、第1試薬物質内に追加の酵素を含めることも考えられている。
【0087】
第1試薬物質はメディエーターを含んでもよい。そのメディエーターは、酵素、第1分析物、及び補酵素、及び、それらの反応産物を伴う検出可能な電気活性のある反応産物を産生するための反応スキームに関与し得る(全般的に電気活性のある)あらゆる化学種として選択され得る。典型的には、その反応におけるメディエーターの関与は、第1分析物、酵素、又は補酵素、又はこれらのうちの1つの反応産物である種(例えば、異なる酸化状態に対して反応した補酵素)のうちのいずれか1つと相互反応したときのそのメディエーターの酸化状態の変化(例えば、還元)を伴う。様々なメディエーターが適切な電気化学的挙動を示す。メディエーターは好ましくはその酸化型においても安定であり得、所望により可逆的酸化還元電気化学的性質を示してよく、好ましくは水溶液状態で好適な溶解性を示すことができ、且つ、好ましくは急速に反応して電気活性のある反応産物を産生する。メディエーターの例にはベンゾキノン、メルドラブルー、フェリシアン化カリウム及びオスミウム誘導体のような遷移金属錯体(国際公開第98/35225号パンフレットを参照のこと)、フェナジン誘導体、及び塩化ヘキサアンミンルテニウム、又はそれらの組合せ(米国特許第8008037号明細書を参照のこと)が挙げられる。第1試薬物質はメディエーター前駆物質として作用するニトロソアニリン系化合物を含んでもよい(例えば、米国特許第5286362号明細書を参照のこと)。この点に関して、ニトロソアニリン系メディエーター前駆物質は血液のような分析物試料に接触すると可逆的メディエーター成分に分解する。
【0088】
メディエーターとニトロソアニリン系メディエーター前駆物質のその他の例にはN−(2−ヒドロキシエチル)−N’−p−ニトロソフェニル−ピペラジン、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−p−ニトロソアニリン、o−メトキシ−[N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)]−p−ニトロソアニリン、p−ヒドロキシニトロソベンゼン、N−メチル−N’−(4−ニトロソフェニル)−ピペラジン、p−キノンジオキシム、N,N−ジメチル−p−ニトロソアニリン、N,N−ジエチル−p−ニトロソアニリン、N−(4−ニトロソフェニル)−モルホリン、N−ベンジル−N−(5’−カルボキシペンチル)−p−ニトロソアニリン、N,N−ジメチル−4−ニトロソ−1−ナフチルアミン、N,N,3−トリメチル−4−ニトロソアニリン、N−(2−ヒドロキシエチル)−5−ニトロソインドリン、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−3−クロロ−4−ニトロソアニリン、2,4−ジメトキシ−ニトロソベンゼン、N,N−ビス−(2−メトキシエチル)−4−ニトロソアニリン、3−メトキシ−4−ニトロソフェノール、N−(2−ヒドロキシエチル)−6−ニトロソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、N,N−ジメチル−3−クロロ−4−ニトロソアニリン、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−3−フルオロ−4−ニトロソアニリン、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−3−メチルチオ−4−ニトロソアニリン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(2−(2−メトキシエトキシ)−エチル)−4−ニトロソアニリン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(3−メトキシ−2−ヒドロキシ−1−プロピル)−4−ニトロソアニリン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(3−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ヒドロキシ−1−プロピル)−4−ニトロソアニリン、及びN−(2−ヒドロキシエチル)−N−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)−エチル)−4−ニトロソアニリンが挙げられる。
【0089】
試薬物質62、122には第2補酵素依存性酵素又はその第2酵素の基質と適切な補酵素が含まれる。これらの成分は通常はマトリックス中に溶解又は懸濁される。液体検査試料はそのマトリックスを水和又は溶解し、分析物がそのマトリックスを介して分散して活性成分のうちの1つ以上と反応する。試薬物質62、122に含められ得る適切な酵素は、例えば、グルコースデヒドロゲナーゼ(E.C.1.1.1.47)、乳酸デヒドロゲナーゼ(E.C.1.1.1.27、1.1.1.28)、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ(E.C.1.1.1.37)、グリセロールデヒドロゲナーゼ(E.C.1.1、1.6)、アルコールデヒドロゲナーゼ(E.C.1.1.1.1)、ヒドロキシブチラートデヒドロゲナーゼ(HBDH)、例えば、3−ヒドロキシブチラートデヒドロゲナーゼ又はβ−ヒドロキシブチラートデヒドロゲナーゼ、α−ヒドロキシブチラートデヒドロゲナーゼ及びγ−ヒドロキシブチラートデヒドロゲナーゼ、ソルビトールデヒドロゲナーゼ、及びアミノ酸デヒドロゲナーゼ、例えば、L−アミノ酸デヒドロゲナーゼ(E.C.1.4.1.5)から選択されるデヒドロゲナーゼである。さらなる適切な酵素はグルコースオキシダーゼ(E.C.1.1.3.4)又はコレステロールオキシダーゼ(E.C.1.1.3.6)などのオキシダーゼ、又はアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ若しくはアラニンアミノトランスフェラーゼなどのアミノトランスフェラーゼ、5’−ヌクレオチダーゼ、又はクレアチンキナーゼである。選択された酵素に応じて、試薬物質62、122中での使用に適切な可能性のある補酵素にはFAD、NAD、NADP、チオ−NAD、チオ−NADP、及び式(I)に従う化合物又はその塩又は所望によりその還元型が含まれる。
【0090】
試薬物質60、120がヒドロキシブチラートの存在及び/又は濃度の検出を促進する働きをする1つの実施形態では、試薬物質62、122はグルコースの存在及び/又は濃度の検出を促進する働きをし、且つ、グルコース用の酵素を含む。1つの特定の形態では、その酵素はグルコースデヒドロゲナーゼ又はグルコースオキシダーゼである。この実施形態では、試薬物質62、122はFAD、NAD、NADP及び式(I)に従う化合物又はその塩又は所望によりその還元型から選択される補酵素をさらに含む。これより前には考察されなかったが、試薬物質60及び62が共通の補酵素、例えば、式(I)に従う化合物又はその塩又は所望によりその還元型を有し、且つ、それらの試薬物質の間のスペース64が排除されるようにそれらの試薬物質が合同して単一試薬層を形成する形態が企図されている。グルコースの存在及び/又は濃度を検出するための本明細書に記載される試薬物質は限定的なものではなく、そのための他の形態が当技術分野において知られていることも理解されるべきである。グルコースの存在及び/又は濃度の検出に働く試薬物質の追加の非限定的な例が米国特許第7727467号明細書(上で本明細書に援用された)及び米国特許第8008037号明細書において開示されており、それらの明細書の内容の全体を参照により本明細書に援用する。第2試薬物質はメディエーターを含んでもよい。そのメディエーターは、第2酵素、第2分析物、及び補酵素、及び、それらの反応産物を伴う検出可能な電気活性のある反応産物を産生するための反応スキームに関与し得る(全般的に電気活性のある)あらゆる化学種として選択され得る。典型的には、その反応におけるメディエーターの関与は、第2分析物、第2酵素、又は補酵素、又はこれらのうちの1つの反応産物である種(例えば、異なる酸化状態に対して反応した補酵素)のうちのいずれか1つと相互反応したときのそのメディエーターの酸化状態の変化(例えば、還元)を伴う。様々なメディエーターが適切な電気化学的挙動を示す。メディエーターは好ましくはその酸化型においても安定であり得、所望により可逆的酸化還元電気化学的性質を示してよく、好ましくは水溶液状態で好適な溶解性を示すことができ、且つ、好ましくは急速に反応して電気活性のある反応産物を産生する。メディエーターの例にはベンゾキノン、メルドラブルー、フェリシアン化カリウム及びオスミウム誘導体のような遷移金属錯体(国際公開第98/35225号パンフレットを参照のこと)、フェナジン誘導体、及び塩化ヘキサアンミンルテニウム又はそれらの組合せ(米国特許第8008037号明細書を参照のこと)が挙げられる。第2試薬物質はメディエーター前駆物質として作用するニトロソアニリン系化合物を含んでもよい(例えば、米国特許第5286362号明細書を参照のこと)。この点に関して、ニトロソアニリン系メディエーター前駆物質は血液のような分析物試料に接触すると可逆的メディエーター成分に分解する。
【0091】
メディエーターとニトロソアニリン系メディエーター前駆物質のその他の例にはN−(2−ヒドロキシエチル)−N’−p−ニトロソフェニル−ピペラジン、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−p−ニトロソアニリン、o−メトキシ−[N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)]−p−ニトロソアニリン、p−ヒドロキシニトロソベンゼン、N−メチル−N’−(4−ニトロソフェニル)−ピペラジン、p−キノンジオキシム、N,N−ジメチル−p−ニトロソアニリン、N,N−ジエチル−p−ニトロソアニリン、N−(4−ニトロソフェニル)−モルホリン、N−ベンジル−N−(5’−カルボキシペンチル)−p−ニトロソアニリン、N,N−ジメチル−4−ニトロソ−1−ナフチルアミン、N,N,3−トリメチル−4−ニトロソアニリン、N−(2−ヒドロキシエチル)−5−ニトロソインドリン、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−3−クロロ−4−ニトロソアニリン、2,4−ジメトキシ−ニトロソベンゼン、N,N−ビス−(2−メトキシエチル)−4−ニトロソアニリン、3−メトキシ−4−ニトロソフェノール、N−(2−ヒドロキシエチル)−6−ニトロソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、N,N−ジメチル−3−クロロ−4−ニトロソアニリン、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−3−フルオロ−4−ニトロソアニリン、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−3−メチルチオ−4−ニトロソアニリン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(2−(2−メトキシエトキシ)−エチル)−4−ニトロソアニリン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(3−メトキシ−2−ヒドロキシ−1−プロピル)−4−ニトロソアニリン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(3−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ヒドロキシ−1−プロピル)−4−ニトロソアニリン、及びN−(2−ヒドロキシエチル)−N−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)−エチル)−4−ニトロソアニリンが挙げられる。
【0092】
試薬物質はそれらの試薬物質の様々な特性又は特徴を増強する様々なアジュバントを含んでもよい。例えば、本明細書において上で参照された米国特許第7749437号明細書を参照されたい。例えば、試薬物質60、62及び120、122はそれぞれの基板16、114へのそれらの試薬物質の設置を容易にし、且つ、それらの基板へのそれらの試薬物質の付着を改善するための物質、又は試料液によるそれらの試薬物質の水和の速度を上昇させるための物質を含んでよい。さらに、試薬物質は生じる乾燥試薬層の物理的特性と分析される液体検査試料の取込みを増強するために選択された成分を含むことができる。試薬物質と共に使用されるアジュバント材の例には増粘剤、粘度調整剤、成膜剤、安定化剤、緩衝剤、界面活性剤、ゲル化剤、充填剤、塗膜剥離剤、着色剤、及び揺変性付与剤が挙げられる。
【0093】
試薬物質に含められ得る増粘剤の非限定的な例には(1)デンプン、ガム類(例えば、ペクチン、グアーガム、ローカストビーン(カロブの種)ガム、コンニャクガム、キサンタンガム、アルギネート類、及び寒天)、カゼイン、ゼラチン、及び海藻コロイド;(2)セルロース及び半合成セルロース誘導体(カルボキシメチル−セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース);(3)ポリビニルアルコール及びカルボキシビニレート、及び(4)ベントナイト、シリケート、及びコロイド状シリカが挙げられる。増粘剤のより具体的な形態には米国CP Kelco社によりKeltrol Fの商品名で販売されているキサンタンガムとHercules社のAqualon部門によりAQUALON(登録商標)CMC 7F PHの商品名で販売されているカルボキシルメチルセルロースの混合物が挙げられる。
【0094】
試薬物質に含められ得る成膜剤と揺変性付与剤には重合体とシリカが挙げられる。1つのより具体的な揺変性付与剤にはDegussa AG社によりKieselsaure Sipemate FK320 DSの商品名で販売されているシリカが挙げられ、一方でより具体的な成膜剤にはBASF社によりポリビニルピロリドン・コリドン25の商標で販売されているポリビニルピロリドン、及びポリビニルプロピオネート分散体が挙げられる。
【0095】
試薬物質中の酵素用の安定化剤は糖類(sacchhrides)及びモノ脂肪酸塩又はジ脂肪酸塩から選択され得る。より具体的な安定化剤にはSigma Chemical社によりD−(+)−トレハロース二水和物の商品名で販売されているトレハロース及びコハク酸ナトリウムが挙げられる。
【0096】
試薬物質に含められ得る界面活性剤の非限定的な例には水溶性石鹸並びに高級脂肪酸、例えば、オレイン酸又はステアリン酸、天然脂肪酸の混合物、例えば、ココナッツ由来の天然脂肪酸又は獣脂油由来の天然脂肪酸の混合物のアルカリ塩、土類アルカリ塩、又は所望により置換アンモニウム塩、脂肪性硫酸エステル、スルホン酸エステル、アルキルスルホン酸塩、脂肪酸のタウリン塩、脂肪酸アミド、及びエステルアミドなどの水溶性合成表面活性化合物が挙げられる。界面活性剤のより具体的な形態にはDojindo Molecular Technologies社によりMega−8の商品名で販売されているエステルアミドであるn−オクタノイル−N−メチルグルカミドとRhodia HPCII(Home、Personal Care and Industrial Ingredients)社によりGeropon T77の商品名で販売されている脂肪酸塩であるN−メチルオレイルタウレートナトリウム塩が挙げられる。
【0097】
1つの形態では、試薬物質はその試薬物質の物理的特性を増強するための増粘剤と揺変性付与剤を含む粘性溶液として製剤される。増粘剤は残りの成分を中に均一に分散させる濃厚な液体マトリックスを提供するように選択される。増粘剤と揺変性付与剤は液状又は半ペースト状の材料が配置された後であって、それが乾燥する前に基板16、114の表面上にその液状又は半ペースト状の材料が流れること、又は広がることも防ぐ。試薬物質の配置後に試薬物質は容易に水和可能なマトリックスまで急速に乾燥する。
【0098】
上で示したように、第1試薬物質がヒドロキシブチラートデヒドロゲナーゼとチオ−NAD、チオ−NADP、及び式(I)に従う化合物又はその塩又は所望によりその還元型から選択される補酵素を含む形態では、驚くことに、ヒドロキシブチラートの存在及び/又は濃度の検出は検査素子が試料と接触した後から5秒又は約5秒以内に完了することができることが分かっている。現在の最先端のグルコース検査は、検査素子が試料と接触した後から5秒又は約5秒以内にグルコースの存在及び/又は濃度の検出が完了することを促進する。米国特許第8008037号明細書はこの時間枠内でのグルコースの存在及び/又は濃度の検出を促進するグルコース検査の1つの非限定的形態について記載している。この時間枠内でのグルコースの存在及び/又は濃度の検出を促進するグルコース検査の追加の非限定的形態は米国特許第7276146号明細書及び米国特許第7276147号明細書に記載されており、両方の内容の全体をここで参照により本明細書に援用する。しかしながら、この時間枠又は他の時間枠内でのグルコースの存在及び/又は濃度の検出を促進する他の試薬物質は公知であり、且つ、本明細書において開示される検査素子にも使用され得ることが理解されるべきである。
【0099】
上述のことを考慮すると、検査素子がヒドロキシブチラートデヒドロゲナーゼとチオ−NAD、チオ−NADP、及び式(I)に従う化合物又はその塩又は所望によりその還元型から選択される補酵素を有する第1試薬物質とグルコースの検出に適切であり、且つ、適切に製剤されている第2試薬物質を含むとき、ヒドロキシブチラート及びグルコースの存在及び/又は濃度の検出は試料が検査素子に接触した後から5秒以内に完了することができることが理解されるべきである。しかしながら、これらの検査素子を用いるヒドロキシブチラートとグルコースの検出を完了するタイミングの変更も可能であり、且つ、他の態様の中でも、例えば、試薬物質の特定の製剤に依存することも理解されるべきである。1つの形態では、例えば、ヒドロキシブチラートとグルコースの検出は試料が検査素子に接触した後から10秒以内に完了する。別の形態では、ヒドロキシブチラートとグルコースの検出は試料が検査素子に接触した後から7.5秒以内に完了する。ヒドロキシブチラート検出とグルコース検出の完了のタイミングは様々であり得ることも理解されるべきである。例えば、前述の形態又は他の形態のうちの1つ以上において、ヒドロキシブチラート検出はグルコース検出の完了前、又は、完了後の4秒以内に完了する。別の変更形態では、ヒドロキシブチラート検出はグルコース検出の完了前、又は、完了後の2秒以内に完了する。別の変更形態では、ヒドロキシブチラート検出はグルコース検出が完了する同じ時間、又はほぼ同じ時間に完了する。しかしながら、ヒドロキシブチラート検出とグルコース検出が完了するための時間枠の他の変更が企図されることが理解されるべきである。
【0100】
次に
図5に移り、検査素子10との使用に適切な検査計測器210の形態の1つの非限定的分析機器のさらなる詳細を提供する。検査素子10との使用について検査計測器210を説明する一方で、その検査計測器は以下で考察される全般的な操作原理を保持しつつ、検査素子110との使用を適応させるためであれば容易に改変され得ることが理解されるべきである。検査計測器210は概して制御器212、制御器212に付随するメモリー214、及び制御器212に付随し、且つ、メモリー214と接続されるプログラム可能プロセッサー216を含む。検査計測器210は、例えばディスプレイドライバーによりプロセッサー216と接続されており、且つ、使用者が読むことができるプロセッサー216からの出力信号の表示を提供する働きをするディスプレイ218も含む。プロセッサー216は検査素子ポート224に接続されており、且つ、検査素子10の使用により取得された第1分析物と第2分析物の存在及び/又は濃度の検出に関するデータを処理し、メモリー214に記録する働きをする。検査素子ポート224は第1電極系32の接触パッド38と噛みあうように構成されているコネクタ226及び第2電極系46の接触パッド52と噛みあうように構成されているコネクタ228を含む。検査計測器210はプロセッサー216と接続されており、且つ、プロセッサー216に入力信号を提供するために使用者によるアクセスが可能であるユーザー入力装置220をさらに含み、プロセッサー216はユーザー入力装置220からの入力命令を受信するようにさらにプログラム可能であり、且つ、その入力命令に応答する出力信号を提供する。
【0101】
プロセッサー216は検査計測器210との無線伝送を促進するための通信モジュール又は通信リンク222とも接続される。1つの形態では、通信リンク222は検査計測器210と別の機器又は関係者、ただ少数の可能性を挙げると例えば、ケースワーカー、介護者、親、保護者、又は看護師、薬剤師、一次医療又は二次医療の医師、及び救急医療専門家を含む医療提供者との間でメッセージ、警告、又は他の情報を交換するために使用され得る。通信リンク222は検査計測器210用のプログラミングアップデートをダウンロードするためにも活用され得る。非限定的な例として、通信リンク222は第3世代(3G)技術及び第4世代(4G)技術を含む携帯電話の標準技術を介して、又はブルートゥース、ジグビー、ウィブリー、超広域帯域無線(UWB)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、汎用パケット無線サービス(GPRS)、ワールドワイド・インターオペラビリティ・フォア・マイクロウェーブ・アクセス(WiMAX又はWiMAN)、医療用無線テレメトリー(WMTS)、無線ユニバーサル・シリアル・バス(WUSB)、グローバル・システム・フォア・モバイル・コミュニケーションズ(GSM)、ショート・メッセージ・サービス(SMS)又はWLAN802.11x規格を介して情報を送信及び受信するように構成され得る。
【0102】
制御器212は単一のユニットとして構成される1つ以上の構成要素、すなわち、多重要素形態から成り得る。制御器212はプログラム可能であり得、ステートロジックマシーン又は他の種類の専従ハードウェアであり得、又はプログラム可能ハードウェアと専従ハードウェアのハイブリッドコンビネーションであり得る。制御器212の1つ以上の構成要素はデジタル回路、アナログ回路、又は両方を定義する電子的変種(electronic variety)であり得る。制御器212は電子回路の追加又は代替として1つ以上の機械式又は光学式制御要素を含むことができる。
【0103】
電子回路を含む1つの実施形態では、制御器212は少なくとも部分的にはメモリー214を定義する1つ以上のソリッドステートメモリー素子と機能的に接続された内蔵型プロセッサー216を含む。この実施形態について、メモリー214は、マイクロプロセッサーであって、マイクロプロセッサー216により実行されるプログラムの1つ以上のルーチンに従ったメモリー214中のデータの読み書き用に配置されているプロセッサー216により実行される作用ロジックを含む。
【0104】
メモリー214は1種類以上のソリッドステート電子メモリーを含んでよく、追加又は代わりとして磁気式変種又は光学式変種を含んでよい。例えば、メモリー214はソリッドステート電子ランダムアクセスメモリー(RAM)、シーケンシャルアクセス可能メモリー(SAM)(例えば、ファーストイン・ファーストアウト(FIFO)変種又はラストイン・ファーストアウト(LIFO)変種)、プログラム可能読取り専用メモリー(PROM)、電気的プログラム可能読取り専用メモリー(EPROM)、又は電気的消去可能プログラム可能読取り専用メモリー(EEPROM)、又はこれらの種類のいずれかの組合せを含み得る。また、メモリー214は揮発性変種、非揮発性変種、又は揮発性変種と非揮発性変種のハイブリッドコンビネーションであり得る。メモリー214のうちの幾つか、又は全てが携帯型であり得、例えば、ディスク、テープ、メモリースティック、カートリッジ、コードチップ、又はそれらのようなものであり得る。メモリー214は少なくとも部分的にはプロセッサー216と統合され得、及び/又は1つ以上の構成要素又はユニットからなる形態であり得る。
【0105】
他の実施形態では、検査計測器210はソケット又は他の受領手段(示されず)に差し込むことが可能であり、且つ、校正コード、測定方法、測定技術、及び情報管理に関する情報を提供するために計測器210のメモリー又は制御器と通信する取り外し可能メモリーキーを活用し得ると考えられている。そのような取り外し可能メモリーキーの例は米国特許第5366609号明細書及び米国特許第5053199号明細書において開示されており、それらの明細書の開示の全体を参照により本明細書に援用する。
【0106】
制御器212は信号調整器、フィルター、リミッター、アナログデジタル(A/D)変換器、デジタルアナログ(D/A)変換器、通信ポート、又は当業者に思い浮かぶだろう他の種類の作用器を含んでもよい。入力装置220はキーボード、マウス又は他のポインティングデバイス、タッチスクリーン、タッチパッド、ローラーボール、又は音声認識入力サブシステムのような他の1種類以上の入力装置を含んでもよいが、入力装置220は複数のプッシュボタン入力装置によって限定され得る。ディスプレイ218は陰極線管(CRT)型、液晶ディスプレイ(LCD)型、プラズマ型、有機発光ダイオード(OLED)型であり得るオペレーター用ディスプレイ、プリンター、又はそれらのようなものなどの1つ以上の出力装置を含んでよい。ラウドスピーカー、音声発生装置、音声認識システム、触感ディスプレイ、電子有線又は無線通信サブシステムなどのような他の入力装置及び表示装置が含まれ得る。
【0107】
上で示したように、検査素子ポート224は第1電極系32の接触パッド38と噛みあうように構成されているコネクタ226及び第2電極系46の接触パッド52と噛みあうように構成されているコネクタ228を含む。検査計測器210と検査素子10の間の接続は、第1電極系と第2電極系32、46の電極にわたって電位又は一連の電位を印加し、第1分析物と第2分析物の存在下で第1試薬物質と第2試薬物質60、62により生成され、且つ、第1分析物と第2分析物の濃度と相関し得る電気化学的信号を後に受信するために活用される。プロセッサー216は第1分析物と第2分析物の存在及び/又は濃度を算定するためにそれらの電気化学的信号を評価するように構成されており、その評価の結果がメモリー214に保存され得る。
【0108】
これより前には考察されなかったが、第1分析物と関係する電気化学的信号を評価するために第1プロセッサーが使用され、且つ、第2分析物と関係する電気化学的シグナを評価するために第2プロセッサーが使用される形態が企図されることが理解されるべきである。加えて、検査素子10が試料の存在の電気化学的判定及び/又は試料液の量が検査に充分であることの電気化学的判定を促進するように構成されているとき、プロセッサー216は試料液が検査素子によって受領されたこと、及び/又は試料液の量が検査に充分であることを判定するためにそれらの分析物と関係する電気化学的信号を評価するようにも構成され得る。
【0109】
1つの形態では、プロセッサー216は概して関連の電気化学的信号が評価された後で第1分析物と第2分析物の存在及び/又は濃度に関する計測器210からの表示を提供するための信号を自動的に、又は継目無く生成するように構成されている。第1分析物と第2分析物がヒドロキシブチラートとグルコースであり、且つ、試薬物質が適切に製剤されているある特定の形態では、検査計測器210がヒドロキシブチラートとグルコースの分析に関する表示を同時に、且つ、それぞれの検査の完了後に遅れることなく、又は最小限の遅れで提供することができるようにプロセッサー216が構成され得る。検査計測器210によって提供される表示は、ただ少数の可能性を挙げると、1つ以上の触覚による、聴覚による、及び/又は視覚による警報、警告、メッセージ又は他の表示の形態であり得る。例えば、1つの特定的であるが、非限定的な形態では、プロセッサー216は、関連の電気化学的信号が評価された後で第1分析物と第2分析物の存在及び/又は濃度に関する表示を提供するためにディスプレイ218が応答する信号を提供する。
【0110】
ディスプレイ218によって生成される表示は、例えば、第1分析物と第2分析物の一方又は両方の濃度の定量的表示又は提示、第1分析物濃度と第2分析物濃度の一方又は両方が許容可能であるという定性的表示又は提示、及び第1分析物濃度と第2分析物濃度の一方又は両方が許容可能ではないという警告的表示又は提示のうちの1つ以上を含み得る。この点で、プロセッサー216は第1分析物と第2分析物の濃度の測定値を例えばメモリー214に保存されている第1分析物と第2分析物の所定の値又は所定の値の範囲と比較し、第1分析物と第2分析物の濃度が許容可能であるか判定するように構成されている。例えば、プロセッサー216は、第1分析物と第2分析物の一方又は両方の測定濃度が独立してそれぞれの所定の値より下、又はそれぞれの所定の値の範囲内にある場合にその測定濃度は許容可能であると判定することが可能であり、又は第1分析物と第2分析物の一方又は両方の濃度がそれぞれの所定の値より上、又はそれぞれの所定の値の範囲外にある場合にその濃度は許容不可能であると判定することが可能である。第1分析物と第2分析物の関連分析を範囲とする単一の定量的、定性的又は警告的表示が提供され得ること、又は第1分析物と第2分析物の関連分析を独立して範囲とする別々の定量的、定性的又は警告的表示が提供され得ることが理解されるべきである。
【0111】
定性的表示は、ただ少数の非限定的可能性を挙げると例えば、チェックマーク、適切なテキスト、適切な顔文字(例えば、笑顔)、又はサムズアップなどの承認を表すアイコンの形態、又は「X」印、適切なテキスト、適切な顔文字(例えば、渋面)、又はサムズダウンなどの不承認又は非許容性を表す形態であり得る。加えて、又はあるいは、定性的表示は第1分析物と第2分析物の濃度が許容可能であるときにディスプレイ218の第1の色、網掛け又はデザインの使用を伴い、第1分析物と第2分析物の一方又は両方の濃度が許容不可能であるときにディスプレイ218の第2の色、網掛け又はデザインの使用を伴い得る。例えば、第1分析物と第2分析物の濃度が許容可能であるときにディスプレイ218の背景は緑色であり得、第1分析物と第2分析物の一方又は両方の濃度が許容可能ではない場合、及び許容可能でないときに赤色に変化し得る。別の例として、ディスプレイ218の背景は第1分析物と第2分析物の濃度が許容可能であるときに無地の構成を含んでよく、第1分析物と第2分析物の一方又は両方の濃度が許容可能ではないときに模様がある構成を含んでよい。さらに別の例では、ディスプレイ218は第1分析物の分析と関係する第1セクションと第2分析物の分析と関係する第2セクションを含んでよい。この配置では、ディスプレイ218の背景の色又はパターンの変化は第1分析物濃度と第2分析物濃度のうちの一方だけが許容可能ではない事象において第1セクションと第2セクションのうちのただ一方と関係し得る。しかしながら、ディスプレイ218の背景の色又はパターンの変化は第1分析物と第2分析物の両方の濃度が許容可能ではない場合に第1セクションと第2セクションの両方と関係する。第1セクションと第2セクションは共通の色又はパターンの変化を利用してよく、又は第1セクション及び第2セクションと関係する色又はパターンの変化は独立している場合もあり得る。
【0112】
触覚又は聴覚による警報、及び/又は検査計測器210の使用者に即座の医学的注意を喚起するように、及び/又は許容不可能な濃度の第1分析物及び/又は第2分析物に対処するための1つ以上の行動をとるように指示する通知が警告的表示に伴い得る。1つの形態では、警告的表示は情報アイコンを含み、検査計測器210の使用者による情報アイコンの選択に応答して警告の理由の説明、1人以上の医療提供者又は医療専門家の連絡先、及び/又は第1分析物と第2分析物の一方又は両方の許容不可能な濃度のためにとられることが必要な行動のリストなどの追加情報がディスプレイ218上に提供され得る。ある特定の形態では、情報アイコンは提供されず、この追加情報はどのような特定の行動も検査計測器210の使用者に求められることもなく自動的に提供され得る。
【0113】
プロセッサー216により生成された信号に応答して第1分析物と第2分析物の存在及び/又は濃度に関する表示を生成するディスプレイ218又は計測器210の別の構成要素に加えて、又はそれらの代わりに検査計測器210は通信リンク222を介して第1分析物と第2分析物の存在及び/又は濃度に関する表示を別の機器又は関係者に提供するように構成され得る。1つの例となる形態では、プロセッサー216は第1分析物と第2分析物の存在及び/又は濃度に関する情報を含むメッセージを伝送するために通信リンク222が応答する信号を提供する。このメッセージは検査計測器210の使用者の1つ以上の他の機器に、及び/又は1人以上の第三者、ただ少数の非限定的可能性を挙げると例えば、医療提供者、介護者、親又は保護者の1つ以上の機器に送信され得る。このメッセージが送信され得る機器の非限定的な例にはPDA、タブレット、コンピューター、ポケットベル、及び携帯電話と固定電話が挙げられる。検査計測器210の使用者が最初に促されてそのメッセージを伝送する形態も考えられるが、1つの形態ではそのメッセージは検査計測器210の使用者の1つ以上の他の機器に、及び/又は1人以上の第三者の1つ以上の機器に直接的に送信され得る。別の形態では、そのメッセージは加えて、又は代わりに、そのメッセージを保存し得る、及び/又は検査計測器210の使用者又は1人以上の他の関係者に属する上で示した様々な機器のうちの1つ以上にそのメッセージを伝送し得る中央コンピューター又はデータ処理ユニットに送信され得る。
【0114】
通信リンク222により伝送されるメッセージに含まれる情報は概して上で説明されており、且つ、ディスプレイ218により生成される表示に対応してよく、同様に第1分析物と第2分析物の一方又は両方の存在及び/又は濃度に関する定量的表示、定性的表示及び警告的表示のうちの1つ以上を含んでよい。この情報が代替的に表示される、及び/又は再現される形態が可能であるが、そのメッセージが通信リンク222により送信される機器は、ディスプレイ218に関連して上で説明されたものに対応する方式でこの情報を表示するように構成され得る。しかしながら、通信リンク222により伝送されるメッセージはこれらの表示に加えた、又はそれらの代わりの情報を含み得ることが理解されるべきである。例えば、メッセージが第三者の機器に伝送される1つの形態では、そのメッセージは検査計測器210の使用者が救急医療補助を必要としているという通知を含み得る。この形態の1つの特定の態様において、そのメッセージは検査計測器210の使用者の位置及び/又は連絡先に関する情報も含み得る。同様に、そのメッセージが送信される第三者は、必要に応じて補助を提供するために直接的又は間接的に検査計測器210の使用者と連絡することができる、又はその使用者の位置を特定することができる。通信リンク222は1人以上の第三者の機器のうちの1つ以上からの入力信号を受信するようにも構成され得る。同様に、複数の第1分析物の一方又は両方の濃度に関する情報、例えば、これらの濃度の一方又は両方が許容可能ではないという情報を含むメッセージの受信に応答して、それらの第三者のうちの1人以上が通信リンク222により受信され、次にディスプレイ218上に表示されるメッセージを検査計測器210に送信し得る。このメッセージは、例えば、救急医療専門家などの第三者に連絡するようにとの、及び/又は許容不可能な濃度の複数の第1分析物の一方又は両方を是正するため、又は他の場合では対処するためにある特定の行動をとるようにとの検査計測器210の使用者への指示を含み得る。ある特定の形態では、プロセッサー216は、例えば、第1分析物と第2分析物について測定された濃度に応じた検査計測器210による様々な作用又は機能を実行するための信号又は指示を提供するように構成されている。例えば、第1分析物と第2分析物がヒドロキシブチラートとグルコースである1つの形態では、プロセッサー216は関連の電気化学的信号が評価された後にディスプレイ218がヒドロキシブチラート、すなわち、代表的ケトンの濃度の定量的表示ではなく、グルコース濃度の定量的表示を生成するために応答する信号を自動的に、又は継目無く提供するように構成されている。ディスプレイ218は、そのグルコース濃度に関する定性的又は警告的表示をさらに提供するためにこの信号に応答することもできるだろう。加えて、又はあるいは、検査計測器210の1つ以上の他の構成要素、例えば、通信リンク222、オーディオスピーカー又は他の出力装置はこの信号に応答してそのグルコース濃度を表す定量的又は定性的出力信号を提供し得る。
【0115】
これらの形態の1つの態様において、プロセッサー216は測定されたヒドロキシブチラート濃度に関する定量的、定性的又は警告的情報を提供するために信号を検査計測器210に提供するようにさらに構成されている。例えば、検査計測器210の1つ以上の構成要素、例えば、通信リンク220、ディスプレイ218、オーディオスピーカー又は他の出力装置はこの信号に応答して測定されたヒドロキシブチラート濃度に関する定量的、定性的又は警告的情報を提供し得る。1つの非限定的形態では、ディスプレイ218はその信号に応答して測定されたヒドロキシブチラート濃度に関する定性的又は警告的表示を生成する。例えば
図6Aに例示されるように、ディスプレイ218は、測定されたヒドロキシブチラート濃度が許容可能であるとき、例えば、測定されたヒドロキシブチラート濃度が所定の値より下、又は所定の値の範囲内にあるときにディスプレイ218の第1背景色、例えば、緑色、及び「ケトンOK」と明示する適切なテキスト230を含む定性的表示を生成する。測定されたヒドロキシブチラート濃度が許容可能ではないとき、例えば、測定されたヒドロキシブチラート濃度が所定の値より上、又は所定の値の範囲外にあるときにディスプレイ218は、ディスプレイ218の背景色の第1色から赤色などの第2色への変化と「警告、高ケトン(行動を起こせ)」と明示する適切なテキスト230の変化を伴う警告的表示を生成する。ディスプレイ218は警告的表示と共にヒドロキシブチラート濃度の定量的表示を提供することもできるだろう。
【0116】
測定されたヒドロキシブチラート濃度に関する定性的表示及び警告的表示の提示における別の変形が
図7A及び7Bに示されている。示されているように、ディスプレイ218はグルコース濃度の定量的表示と関係する第1セクション232a及び測定されたヒドロキシブチラート濃度に関する定性的表示及び警告的表示と関係する第2セクション232bを含む。この構成ではディスプレイ218の第2セクション232bは、ヒドロキシブチラート濃度が許容可能であるときにディスプレイ218の第2セクション232bにおける第1背景色、例えば、緑色、及び許容可能なヒドロキシブチラート濃度を表す笑顔の形態の関連の顔文字234aを含む定性的表示を生成する。測定されたヒドロキシブチラート濃度が許容可能ではないときにディスプレイ218の第2セクション232bは、第2セクション232bにおけるディスプレイ218の背景色の第1色から赤色などの第2色への変化と顔文字234aから不承認を表す渋面などの顔文字234bへの変化を伴う警告的表示を生成する。ディスプレイ218はこの構成において警告的表示と共にヒドロキシブチラート濃度の定量的表示を提供することもできるだろう。
【0117】
さらに、測定されたヒドロキシブチラート濃度に関する定性的表示及び警告的表示の提示における他の変形が可能であることが理解されるべきである。加えて、測定されたヒドロキシブチラート濃度に関する定性的表示及び警告的表示は検査計測器210の使用者により選択可能である情報アイコンを含むこともできるということも考えられている。このアイコンの選択に応答して検査計測器210は許容不可能なヒドロキシブチラート濃度に関する追加情報、例えば、許容不可能なヒドロキシブチラート濃度の点から連絡されるべき1人以上の医療提供者又は医療専門家の連絡先、及び/又は許容不可能なヒドロキシブチラート濃度を是正するため、又は他の場合では対処するためにとられる必要がある行動又は回避する活動のリストを提供する。これより前には考察されなかったが、プロセッサー216は、上記のように、測定されたヒドロキシブチラート濃度と関係する定性的表示及び警告的表示に関するメッセージを伝送するために通信リンク222が応答する信号を提供するように構成され得ることも理解されるべきである。
【0118】
関連の電気化学的信号が評価された後に検査計測器210の1つ以上の構成要素、例えば、通信リンク222、ディスプレイ218、オーディオスピーカー又は他の出力装置がグルコース濃度を表す定量的出力信号を提供するために応答する信号を自動的に、又は継目無く提供するようにプロセッサー216が構成されている形態の別の態様において、プロセッサー216はヒドロキシブチラート濃度が許容可能ではない場合とその場合に限り、例えば、ヒドロキシブチラート濃度が所定の値よりも上、又は所定の値の範囲外にある場合とその場合に限り検査計測器210の1つ以上の構成要素がヒドロキシブチラート濃度に関する出力信号を提供するために応答する信号を提供するようにさらに構成されている。この構成ではヒドロキシブチラートの濃度は実施される検査毎に検査計測器210により測定されるが、検査計測器210の使用者は健康上の懸念がある場合にはそのヒドロキシブチラート濃度に関する表示又は情報によって悩まされる、又は苦しめられるだけである。しかしながら、1つの形態ではこの構成でもその系はグルコース濃度とヒドロキシブチラート濃度の両方を日付、時間、及び使用者による備考などの適切な前後関係と共にメモリーに記録し得る、又は他の場合では保存し得る。
【0119】
ある特定の実施形態では、保存データへのアクセスにより、使用者が数時間、数日、数週間、又は数か月のような期間にわたる一方又は両方の分析物の結果をグラフ又は表形式で見ることを可能にする計測器機能性が可能になるだろうと考えられている。これらの形態のある特定の態様において、計測器210又は別の機器は実績データの再吟味を介して測定された分析物濃度の傾向をモニターするようにも構成され得る。そのようなモニタリングは、例えば、DKAの発症又は発症と考えられるものを示唆する傾向、及び週末での高グルコースレベル及び/又は高ヒドロキシブチラートレベルと週日でのより好適な管理などのより微妙な傾向を含む、様々な異なる傾向を見つけ出し得る。後者の例では、これは生活習慣によって促された結果であり得、且つ、患者が適切な時間枠の間に自分の糖尿病をよく監視又は維持していないことを表している場合があり得、このことを通知することが、糖尿病の使用者がこれらの時間の間に自分の行動を修正する手助けとなり得る。様々な傾向を検索又はモニターするこの先進的機能性は患者又は使用者の要求によって自動的に作動する計測器の特徴、又はEMRにダウンロードされるデータを介して医療専門家によって管理される特徴であり得るだろう。そのような遡及的データ分析は分析機器からデータを受信するスマートフォンのアプリケーションのような二次的機器上でも実行され得るだろう。
【0120】
例えば
図8に移ると、ディスプレイ218がプロセッサー216によって自動的に提供される信号に応答してグルコース濃度の定量的表示が生成される第1セクション236を含むように検査計測器210が構成されている。第1セクション236は、そのグルコース濃度に関する定性的又は警告的表示をさらに提供するためにこの信号に応答することもできるだろう。ディスプレイ218はヒドロキシブチラート濃度が許容可能ではない場合、及び許容可能ではないときにだけ提供される、又は作動する第2セクション238も含む。例示された形態では、第2セクション238は「ケトン非常事態(行動を起こせ)」と明示する適切なテキストを含む警告的表示を提供する。第2セクション238の警告的表示は第1セクション236の背景色と比べて異なる背景色も含む。非例示的形態では、第2セクション238はヒドロキシブチラート濃度が許容可能ではない場合、及び許容可能ではないときにその警告的表示に加えて、又はその代わりにヒドロキシブチラート濃度の定量的表示を提供してよい。さらに、ディスプレイ218の第1セクションと第2セクション236、238における他の変化が可能であることが理解されるべきである。
【0121】
加えて、第2セクション238は検査計測器210の使用者により選択可能である情報アイコンを含むこともできるということも考えられている。このアイコンの選択に応答して検査計測器210は許容不可能なヒドロキシブチラート濃度に関する追加情報、例えば、許容不可能なヒドロキシブチラート濃度の点から連絡されるべき1人以上の医療提供者又は医療専門家の連絡先、及び/又は許容不可能なヒドロキシブチラート濃度を是正するため、又は他の場合では対処するためにとられる必要がある行動のリストを提供する。これより前には考察されなかったが、プロセッサー216は、上記のように、測定されたヒドロキシブチラート濃度が許容可能ではないときにその測定されたヒドロキシブチラート濃度に関するメッセージを伝送するために通信リンク222が応答する信号を提供するように構成され得ることも理解されるべきである。例えば、
図9において示されている形態では、通信リンク222は測定されたヒドロキシブチラート濃度に関するメッセージを検査計測器210の使用者又は第三者に属し得る携帯電話の形態の別個の機器240に伝送する。機器240は上記の形態を含む携帯電話以外の形態でもあり得、又はそのメッセージは様々な形態を有し、且つ、様々な異なる関係者に属する複数の機器に伝送され得るだろう。通信リンク222は、メッセージを保存し得る、及び/又は他の様々な機器のうちの1つ以上にそのメッセージを伝送し得る中央コンピューター又はデータ処理ユニット242にもそのメッセージを伝送する。通信リンク222が機器240とデータ処理ユニット242の一方だけにメッセージを伝送する形態が可能であることが理解されるべきである。加えて、例示された形態がディスプレイ218の第2セクション238の警告的表示と併せてメッセージが伝送されていることを示している一方で、第2セクション238の警告的表示を生成することなくメッセージが伝送される形態が可能である。通信リンク222により伝送されるメッセージに含まれる情報は概してディスプレイ218により表示される情報に対応してよい。しかしながら、通信リンク222により伝送されるメッセージはディスプレイ218により表示される情報に加えた、又はその代わりの情報を含み得ることが理解されるべきである。例えば、メッセージが第三者の機器に伝送される1つの形態では、そのメッセージは検査計測器210の使用者が許容不可能なヒドロキシブチラート濃度とDKAのエピソードの発症の可能性のために救急医療補助を必要としているという通知を含み得る。この形態の1つの特定の態様において、そのメッセージは検査計測器210の使用者の(例えば、GPS座標を提供することによる)位置及び/又は連絡先に関する情報も含み得る。同様に、そのメッセージが送信される第三者は、必要に応じて補助を提供するために直接的又は間接的に検査計測器210の使用者と連絡することができる、又はその使用者の位置を特定することができる。通信リンク222は上で考察したように1人以上の第三者の機器のうちの1つ以上からの入力信号又は指示を受信するようにも構成され得る。
【0122】
幾つかの実施形態では、ヒドロキシブチラートレベルがわずかにしか上昇していない場合、又はグルコースレベルが所定の値、例えば、約240mg/dLを超える場合に計測器210は使用者にヒドロキシブチラートを4〜6時間毎に検査するように勧告する、及び/又は促す「ケトン監視」モードに移行するように構成され得る。1つの非限定的形態では、ケトン監視が開始するとその間に計測器210は測定されたグルコースレベルとヒドロキシブチラートレベルをあらゆる事前指定値とのそれらのレベルの関係にかかわりなく自動的に表示し得る。1つの実施形態では、計測器210はまた、追加の通知を提供する前にヒドロキシブチラートレベルのさらなる上昇又は他の顕著な傾向をモニターし始める。そのような実施形態では、警報/警告/メッセージ通知は初期レベルからの充分な量の増加がその後の測定において測定される場合にだけ作動する。4〜6時間毎の検査はグルコースレベルが約240mg/dLを超える場合、又は患者が病気である(例えば、風邪又はインフルエンザを有する)場合のADAガイドライン(
http://www.diabetes.org/living−with−diabetes/complications/ketoacidosis−dka.html)からの勧告である。
【0123】
追加の実施形態では、DKAの発症の可能性を低下させるために、又はDKAの発症を避けるために、及び/又はDKAの発症を検出するために使用者にある頻度で、及び/又はある特定の時間に検査を実施するように思い出させるため、計測器210は「ケトン監視機構」モードを作動するための特定の基準をモニターするように構成され得る。この方向の傾向に注目すれば、患者はDKAの完全発症を回避することが可能になり得る。二重アッセイヒドロキシブチラート/グルコース検査ストリップはそのような系が実用的であり、且つ、必要でない限り糖尿病の使用者をわずらわせないことを可能にする。さらに追加の実施形態では、ディスプレイ218は計測器210がケトン監視モードである、又は他の場合では「ケトン監視機構」として作用していることを示すために使用者に視覚的表示を提供する少なくとも1つのセグメントを含む。
【0124】
上述のことに加えて、又は上述のことの代わりに、及び、上で示唆されたように、計測器210はまた、あらゆる傾向の存在をモニターするために測定されたグルコース又はヒドロキシブチラート濃度を分析するようにさらに構成され得る。そのような傾向は、限定されないが、所定の値に向かって移動する傾向、又は許容不可能なレベルに向かって時間経過と共に上昇する傾向、一日の特定の時間のような共通する時限と時限の間での傾向、週末傾向、又は食事、運動、若しくは病気のような特定の出来事の後の傾向、及びあらゆるグルコースレベル又はヒドロキシブチラートレベルが所定の値よりも上であると測定されるかどうかにかかわらずそのようなレベルの係る変化を示唆するあらゆる興味深い変化率傾向のうちの1つ以上を含み得る。例えば、1つの非限定的形態では検査計測器210は各ヒドロキシブチラート濃度検査の結果をメモリー214中に保存するように構成され得る。プロセッサー216は、例えば、測定されたヒドロキシブチラート濃度の経時的なグラフ表示を作成し、且つ、そのグラフ表示中のヒドロキシブチラート濃度の許容不可能な所定の値に向かう傾向を何にも増してモニターすることにより、これらの結果を分析するように構成されている。この性質(例えば、ヒドロキシブチラートの上昇変化率)の傾向を観察すると、プロセッサー216は、検査計測器210の1つ以上の構成要素、例えば、通信リンク222、ディスプレイ218、オーディオスピーカー又は他の出力装置がヒドロキシブチラート濃度の上昇傾向に関する出力信号を提供するために応答する信号を提供するように構成されている。例えば
図10Aを参照すると、ディスプレイ218の第1セクション236は測定されたグルコース濃度の定量的表示を含み、ヒドロキシブチラート濃度の上昇傾向の観察に起因してディスプレイ218の第2セクション238が提供されている。第2セクション238は「ケトン傾向、注意」と明示する適切なテキストを含む。そのセクションは情報アイコン244とヒドロキシブチラート濃度の望ましくない傾向を表す渋面の形態の顔文字246も含む。ディスプレイ218の第2セクション238が適切なテキスト、情報アイコン244及び顔文字246のうちの1つ又は2つを含むだけである形態も可能である。
【0125】
図10Aに例示されているように情報アイコン244が存在するとき、その情報アイコンは追加情報を提供するために検査計測器210の使用者によって選択され得る。例えば、例示された形態では情報アイコン244の選択により経時的なケトンレベル又はヒドロキシブチラートレベルの上昇を示すグラフ表示248が作成される。グラフ表示248はまた、第2セクション238の情報に加えて、又はその代わりに自動的に提供され得る。グラフ表示248について他の形態が可能であることが理解されるべきであるが、グラフ表示248は正常ケトンレベルと高ケトンレベルを表す範囲を含む。検査計測器210は、情報アイコンの選択に関連して上に記載されたものを含む、グラフ表示248に加えた、又はその代わりの情報も提供し得る。ディスプレイ218の第2セクション238はあらゆる検査が許容不可能なヒドロキシブチラート濃度をもたらす場合、及び許容不可能なヒドロキシブチラート濃度をもたらすときに上記の警告的表示を含み得ることも理解されるべきである。
【0126】
また、ヒドロキシブチラート濃度の上昇傾向の観察に関する出力信号の提供が、ヒドロキシブチラート濃度が許容可能ではないときにだけそのヒドロキシブチラート濃度に関する出力信号が提供される検査計測器210の形態に関連して説明されてきたが、ヒドロキシブチラート濃度が許容可能と思われるときであっても検査計測器210がそのヒドロキシブチラート濃度に関する表示を提供するように追加的又は代替的に構成されている形態においてもこの種の出力信号が提供され得ることが理解されるべきである。例えば、
図10Bではグラフ表示248は測定されたヒドロキシブチラート濃度が時間に対して比較的に一貫している観察された傾向を示している。
図10Cではグラフ表示248はヒドロキシブチラート濃度の多数のスパイク波形又は上昇が時間経過と共に生じている観察された傾向を示しており、一方で
図10D中のグラフ表示248は測定されたヒドロキシブチラート濃度が時間経過と共に許容不可能な値に向かって移動している観察された傾向を示している。
図10Bの場合では、グラフ表示248は検査計測器210の使用者に自分の糖尿病管理が許容可能な経過をたどっているという励ましを提供し得る。例えば
図10Cの場合では、グラフ表示248に示されている測定されたヒドロキシブチラート濃度の観察された上昇又はスパイク波形はある特定の出来事(例えば、食事又は運動)又は時間枠(例えば、週末)に対応している場合があり得、それらの断続的な上昇を回避するために異なる管理アプローチがこれらの時間に必要であり得るということを計測器210の使用者に通知する。
図10Dにおいて、グラフ表示248により示される一貫した上昇は、現在の軌道の継続がDKAの発症を引き起こし、DKAの発症を回避するために治療行動をとらなくてはならないことを計測器210の使用者に通知する。
図10Eにおいて、グラフ表示248は上昇軌道がある勧告された高レベルであって、DKAが差し迫っている可能性があるレベルよりも上に達していることを示しており、ディスプレイ218は即座の行動が必要であるという明確な警戒警報を提供している。
【0127】
ヒドロキシブチラート濃度に関連して説明されているにもかかわらず、
図10A〜Dに関連して、及び、他の場所で考察されている計測器機能性は測定されたグルコース濃度にも適用可能であることが理解されるべきである。加えて、ヒドロキシブチラート濃度又はグルコース濃度のあらゆる観察された傾向に関する情報は通信リンク222によって検査計測器210の使用者又は他の第三者に属する1つ以上の機器にも伝送されることも可能であり、その結果、観察された傾向に対処するために必要な関係者が適切な行動をとることができる。
【0128】
上述のことを考慮して、プロセッサー216は測定されたヒドロキシブチラート濃度に基づいてある特定の行動を実行するための信号又は指示を提供するために様々な形態で構成され得る。例えば、限定されないが、a)ヒドロキシブチラート濃度が所定の値を超えるとき、又は所定の値の範囲外にあるときに検査計測器210により提供される出力信号が、測定されたヒドロキシブチラート濃度の許容性の定性的表示から測定されたヒドロキシブチラート濃度の非許容性の警告的表示に変化し、b)測定されたヒドロキシブチラート濃度が所定の値よりも上、又は所定の値の範囲外にあり、したがって許容可能でない場合とその場合に限り検査計測器210が測定されたヒドロキシブチラート濃度に関する出力信号だけを提供し、及び/又はc)検査計測器210がヒドロキシブチラート濃度の許容不可能な所定の値に向かうそのヒドロキシブチラート濃度の上昇傾向の観察に関する出力信号を提供するようにプロセッサー216は構成され得る。1つの態様において、測定されたヒドロキシブチラート濃度に基づいてある特定の行動を実行するための信号又は指示を提供することをプロセッサー216に引き起させる所定の値は0.6mMから3.0mMの範囲内である。別の態様において、その所定の値は0.6mMである。例えば、a)ヒドロキシブチラート濃度が0.6mMを超えるときに検査計測器210により提供される出力信号が測定されたヒドロキシブチラート濃度の許容性の定性的表示から測定されたヒドロキシブチラート濃度の非許容性の警告的表示に変化し、b)測定されたヒドロキシブチラート濃度が0.6mMよりも高い場合とその場合に限り検査計測器210が測定されたヒドロキシブチラート濃度に関する出力信号だけを提供し、及び/又はc)検査計測器210が0.6mMに向かうヒドロキシブチラート濃度の上昇傾向の観察に関する出力信号を提供するようにプロセッサー216が構成され得る。
【0129】
別の態様において、プロセッサー216は異なるヒドロキシブチラート濃度に基づいて異なる作用又は機能を実行するための信号又は指示を提供するように構成され得る。1つの非限定的形態では例えば、プロセッサー216はヒドロキシブチラート濃度が一旦0.6mMになると、又は0.6mMを超えるとある特定の作用を即座に実行するための指示を提供し、ヒドロキシブチラート濃度が0.6mMを超えて上昇し続けるときには他の作用を即座に実行するための指示を提供するように構成され得る。例えば、ヒドロキシブチラート濃度が0.6mMである、又は0.6mMを超えているが1.5mMより低いとき、プロセッサー216は、何にも増して許容不可能なケトン濃度又はヒドロキシブチラート濃度を表す警告的表示を作動させるための指示を提供するように構成され得る。ヒドロキシブチラート濃度が1.5mMと3mMの間のレベルまで上昇する場合、プロセッサー216によって生起させられた指示に応答して実行される作用は、例えば、DKA発生についてリスクが存在するということを示すメッセージの通信リンク222による介護者、親、保護者及び/又は非救急医療専門家への転送処理をさらに含むこともあり得る。ヒドロキシブチラート濃度が一旦3mMに達するとプロセッサー216によって生起させられた指示に応答して実行される作用は、検査計測器210の使用者が即座の医療処置を必要にしているというメッセージの救急医療専門家への転送処理をさらに含むこともあり得る。この段階において、プロセッサー216によって生起させられた指示に応答して実行される作用は、検査計測器210の使用者が即座の医学的注意を必要にしているということを示すメッセージの介護者、親、保護者及び/又は非救急医療専門家への転送処理をさらに含むこともあり得る。プロセッサー216に様々な異なる作用を実行するための指示を生起させるために上で提供された値はただの例示であり、且つ、上記の作用のうちの1つ以上が様々なヒドロキシブチラート濃度に応答して実行され得ることも理解されるべきである。
【0130】
実例として、0.6mM未満のヒドロキシブチラートレベルについて1つの実施形態ではプロセッサー216は「低」ケトンレベルと何の行動も必要ないことを示すメッセージをディスプレイ218上で伝達するように構成されている。他の実施形態では、そのようなレベルではプロセッサー216は使用者が病気である場合にはケトンの変化をモニターするように、及び/又は4時間毎にグルコース検査とケトン検査の両方を実行するようにとの勧告をそのディスプレイにさらに伝達させる。別の実例では、0.6mMと1.5mMの間のヒドロキシブチラートレベルについて1つの実施形態ではプロセッサー216は「中」ケトンレベルと問題が生じている可能性があることを示すメッセージをディスプレイ218上で伝達するように構成されている。他の実施形態では、そのようなレベルではプロセッサー216はそのようなレベルが検出されるときには使用者の医療提供者に届け出るようにとのその医療提供者からの指示を考慮するようにとの勧告をディスプレイ218にさらに伝達させる。さらに別の実例では、1.5mMと3.0mMの間のヒドロキシブチラートレベルについて1つの実施形態ではプロセッサー216は高グルコースレベルも存在するか測定し、且つ、使用者に即座に医療提供者と連絡するようにと勧告するメッセージをディスプレイ218上で伝達するように構成されている。さらに別の実例では、3.0mMより高いヒドロキシブチラートレベルについてプロセッサー216は使用者に即座に医療提供者に連絡するようにと、及び/又は診療所又は病院の救命部門に向かうようにと指示するメッセージをディスプレイ218上で伝達するように構成されている。
【0131】
追加的な推奨されるヒドロキシブチラートレベルガイドラインは、この点についての利用可能な文献であって、本発明の様々な実施形態に従う系の表示とメッセージ伝達のためにプロセッサー216により用いられる適切な規則を構成するために使用され得る文献の中でも入手可能である。例えば、1つの参考文献によれば、正常な状況下ではヒドロキシブチラート濃度は1型糖尿病患者で1mMを超えないと考えられている。DKAを示している患者では平均ヒドロキシブチラート濃度は約7mMであるが、3mMと12mMの範囲にわたり得る。さらに、高ヒドロキシブチラート濃度に応答して適切な行動がとられると、それらの濃度は1時間当たりに1mM低下すると予期されるはずであるが、そうでない場合では処置が不充分である可能性があり、インスリン注入速度と輸液速度が医療提供者によって再吟味されるべきである。
【0132】
上述のことに加え、ヒドロキシブチラート濃度が所定の値より低いとの判定に応答して上で考察した作用のうちの1つ以上を実行するための指示を提供するようにプロセッサー216が追加的又は代替的に構成されている形態も可能である。
【0133】
図面と上述の説明において本発明を詳細に例示及び説明してきたが、その図面と上述の説明は性質として例示的であり、限定的ではないと考えられるべきであり、ある特定の実施形態だけが例示及び説明されてきたのであり、且つ、本発明の精神の範囲内にある変更と改変が保護されることが望ましいと理解される。上の説明で活用された好ましい、好ましくは、好まれる、又はより好まれるというような言葉の使用はそのように記載された特徴がより望ましくあり得ることを表しているが、それでもなお必ずしも望ましいわけではない場合があり得、そのような特徴を欠く実施形態が後続の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲の内にあると考えられる場合があり得ることが理解されるべきである。特許請求の範囲を読むとき、「一つの(a)」、「一つの(an)」、「少なくとも1つ」又は「少なくとも一部」のような言葉が使用されるときは、特許請求項において反対だと具体的に述べられない限り、たった1つの細目にその特許請求項を限定する意図は無いものとする。「少なくとも一部」及び/又は「一部」という言葉が使用されるときにはその細目は、反対だと具体的に述べられない限り、一部及び/又は細目全体を含み得る。
【0135】
1.
試料中の第1分析物と第2分析物を分析するために構成されている検査素子を提供すること、
前記検査素子を前記試料と接触させること、
前記試料中の前記第1分析物の濃度を決定し、前記第1分析物の濃度が所定の値より上であるという判定に応答して前記第1分析物の濃度に関する表示を提供すること、及び
前記試料中の前記第2分析物の濃度を決定すること
を含む方法。
【0136】
2.
前記第2分析物の濃度に対応する情報を表示することをさらに含む、実施形態1に記載の方法。
【0137】
3.
前記第1分析物がヒドロキシブチラートであり、且つ、前記第2分析物がグルコースである、実施形態1に記載の方法。
【0138】
4.
前記所定の値が0.6mMである、実施形態3に記載の方法。
【0139】
5.
前記第1分析物の濃度が所定の値より上であるという判定に応答して前記表示を提供するステップが、前記第1分析物の濃度の表示、警告の提供、前記所定の値よりも上である前記第1分析物の濃度に応答してとられる行動のリストの提供、並びに前記検査素子の使用者、医療提供者、介護者、及び親又は保護者のうちの少なくとも1人へのメッセージの伝達のうちの少なくとも1つを含む、実施形態1に記載の方法。
【0140】
6.
前記第1分析物の濃度が前記所定のレベルよりも上であるという判定に応答して前記表示を提供することがモバイル機器又はコンピューターへのメッセージの伝送を含む、実施形態1に記載の方法。
【0141】
7.
前記第1分析物の濃度が前記所定のレベルよりも上であるという判定に応答して前記表示を提供することが検査計測器上での前記第1分析物の濃度に関するメッセージの表示をさらに含む、実施形態6に記載の方法。
【0142】
8.
前記第1分析物の濃度が前記所定のレベルよりも上であるという判定に応答して前記表示を提供することが前記第1分析物の濃度に関するメッセージの表示を含む、実施形態1に記載の方法。
【0143】
9.
前記第1分析物の濃度が前記所定のレベルよりも上であるという判定に応答して前記表示を提供することがディスプレイスクリーンの少なくとも一部の色の変更を含む、実施形態1に記載の方法。
【0144】
10.
前記第1分析物の濃度が前記所定のレベルよりも上であるという判定に応答して前記表示を提供することがディスプレイスクリーン上での情報アイコンの表示を含む、実施形態1に記載の方法。
【0145】
11.
前記情報アイコンの選択に応答してメッセージを提供することをさらに含む、実施形態10に記載の方法。
【0146】
12.
前記メッセージが前記第1分析物の濃度の記述、前記所定のレベルよりも上である前記第1分析物の濃度に応答してとられる行動のリスト、及び医療提供者の連絡先のうちの少なくとも1つを含む、実施形態11に記載の方法。
【0147】
13.
試料中の第1分析物と第2分析物を分析するために構成されている検査素子、及び
前記検査素子と相互作用するように構成されており、次のことを行うように構成されている制御器を含む計測器:
前記試料中の前記第1分析物の濃度を決定し、前記第1分析物の前記濃度が所定の値よりも上である場合に前記濃度に関する表示を提供するための第1信号を提供する、及び
前記試料中の前記第2分析物の濃度を決定し、前記第2分析物の前記濃度に関する情報を出力するための第2信号を提供する
を備える系。
【0148】
14.
前記表示が前記第1分析物の前記濃度に対応する情報の出力、警告の提供、前記所定の値よりも上である前記第1分析物の濃度に応答してとられる行動のリストの提供、並びに前記系の使用者、医療提供者、介護者、及び親又は保護者のうちの少なくとも1人への前記第1分析物の前記濃度に関する情報の伝達のうちの少なくとも1つを含む、実施形態13に記載の系。
【0149】
15.
前記第1分析物がヒドロキシブチラートであり、且つ、前記第2分析物がグルコースである、実施形態13に記載の系。
【0150】
16.
前記所定の値が0.5mMから3.0mMの範囲内にある、実施形態15に記載の系。
【0151】
17.
前記計測器が前記第1信号に応答して前記第1分析物の前記濃度に関する前記表示を表示するディスプレイをさらに含む、実施形態13に記載の系。
【0152】
18.
前記ディスプレイが前記第1信号に応答して前記第1分析物の前記濃度に関するアイコンを提供する、実施形態17に記載の系。
【0153】
19.
前記ディスプレイの少なくとも一部が前記第1信号に応答して色を変更するように構成されている、実施形態17に記載の系。
【0154】
20.
前記ディスプレイが前記第1信号に応答して情報アイコンを提供するように構成されている、実施形態17に記載の系。
【0155】
21.
前記ディスプレイが前記第1分析物の濃度の記述、前記所定のレベルよりも上である前記第1分析物の濃度に応答してとられる行動のリスト、及び医療提供者の連絡先のうちの少なくとも1つを含むメッセージを前記情報アイコンの選択に応答して提供するようにさらに構成されている、実施形態20に記載の系。
【0156】
22.
前記計測器が、前記第1信号に応答してモバイル機器又はコンピューターにメッセージを伝送するように構成されている通信モジュールをさらに含む、実施形態13に記載の系。
【0157】
23.
前記第1分析物の前記濃度が前記所定の値よりも下である場合に前記制御器が承認表示を提供するための第3信号を提供するようにさらに構成されている、実施形態13に記載の系。
【0158】
24.
試料中の第1分析物と第2分析物の濃度を決定するための複数の検査であって、各々が前記試料中の前記第1分析物と前記第2分析物を分析するために構成されている検査素子に前記試料を塗布することを含む前記の複数の検査を実施すること、
実施された各検査から決定された前記第1分析物の濃度を保存すること、
保存された濃度における所定の値に向かう上昇傾向の存在をモニターするために前記第1分析物の保存された濃度を分析すること、及び
前記傾向の存在の検出に応答して第1表示を提供すること
を含む方法。
【0159】
25.
前記第1分析物の濃度が前記の複数の検査のうちのいずれか1つ以上において前記所定の値よりも上であるという判定に応答して第2表示を提供することをさらに含む、実施形態24に記載の方法。
【0160】
26.
前記検査のそれぞれの実施の後に前記第2分析物の前記濃度に関する第3表示を自動的に提供することをさらに含む、実施形態25に記載の方法。
【0161】
27.
前記第1分析物がヒドロキシブチラートであり、且つ、前記第2分析物がグルコースである、実施形態26に記載の方法。
【0162】
28.
前記第1表示が前記傾向のグラフ表示と情報アイコンのうちの一方を含む、実施形態24に記載の方法。
【0163】
29.
前記第1表示の提供が計測器ディスプレイ上での情報アイコンの表示を含む、実施形態24に記載の方法。
【0164】
30.
前記情報アイコンの選択に応答して前記傾向のグラフ表示を提供することをさらに含む、実施形態29に記載の方法。
【0165】
31.
ディスプレイ、プロセッサー及び記憶用メモリーを備える携帯機器であって、1つ以上の検査素子を用い、且つ、前記の1つ以上の検査素子上に供給された液体試料中の少なくとも第1分析物と第2分析物の濃度を決定するように作動する前記機器を提供すること、
前記機器を使用して、前記の少なくとも第1分析物と前記第2分析物のそれぞれの決定された濃度の値を前記記憶用メモリーに記録すること、
前記機器を使用して、前記第1分析物の決定された濃度が第1の所定の値より上であるか判定すること、
前記機器を使用して、前記第2分析物の決定された濃度が第2の所定の値より上であるか判定すること、及び
前記機器を使用して、前記第1分析物と前記第2分析物のどちらかの決定された濃度が前記の第1の所定の値と前記の第2の所定の値のそれぞれよりも上であるときに監視モードを起動すること
を含む方法。
【0166】
32.
前記記憶用メモリーが前記第1分析物と前記第2分析物のそれぞれの決定された濃度の複数の記録値を含む前記方法であって、
傾向情報をモニターするために前記第1分析物と前記第2分析物のうちの少なくとも一方を選択すること、
前記機器を使用して、モニターするために選択された前記分析物の前記傾向情報が前記の選択された分析物の濃度決定の頻度の上昇を勧告するための所定の基準と概して一致するか判定すること、及び
前記機器を使用して、前記傾向情報が前記所定の基準と概して一致するときに前記第1分析物と前記第2分析物のどちらかの決定された濃度が前記の第1の所定の値と前記の第2の所定の値のそれぞれよりも上であるかどうかにかかわらず前記監視モードを起動すること
をさらに含む、実施形態31に記載の方法。
【0167】
33.
前記第1分析物がヒドロキシブチラートであり、且つ、前記第2分析物がグルコースであり、且つ、モニターするために選択された前記分析物がヒドロキシブチラートを含む、実施形態32に記載の方法。
【0168】
34.
前記監視モードが前記第1分析物と前記第2分析物のうちの少なくとも一方の濃度決定の頻度上昇についての少なくとも1つの勧告を提供する前記機器を備える、実施形態31に記載の方法。
【0169】
35.
前記監視モードが起動すると前記監視モードの起動を表すように構成されている視覚的表示を前記ディスプレイ上に表示することをさらに含む、実施形態31に記載の方法。
【0170】
36.
前記第1分析物がヒドロキシブチラートであり、且つ、前記第2分析物がグルコースである、実施形態31に記載の方法。