(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6329169
(24)【登録日】2018年4月27日
(45)【発行日】2018年5月23日
(54)【発明の名称】ネットワークデバイスの自動再構成
(51)【国際特許分類】
H04W 84/20 20090101AFI20180514BHJP
H04W 8/00 20090101ALI20180514BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20180514BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20180514BHJP
G06F 13/00 20060101ALI20180514BHJP
【FI】
H04W84/20
H04W8/00 110
H04W84/12
H04M1/00 R
G06F13/00 353V
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-545764(P2015-545764)
(86)(22)【出願日】2013年12月2日
(65)【公表番号】特表2016-506132(P2016-506132A)
(43)【公表日】2016年2月25日
(86)【国際出願番号】EP2013075248
(87)【国際公開番号】WO2014090622
(87)【国際公開日】20140619
【審査請求日】2016年10月20日
(31)【優先権主張番号】12306562.5
(32)【優先日】2012年12月11日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】501263810
【氏名又は名称】トムソン ライセンシング
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】コーエン ヴァン オースト
(72)【発明者】
【氏名】フレデリック ヴェールウェスト
【審査官】
望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−217047(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00−H04W99/00
H04B7/24−H04B7/26
H04M1/00
G06F13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセスポイントと複数のステーションを備えるネットワークにおいて自動構成のために第1のネットワークデバイスを準備するための方法であって、前記第1のネットワークデバイスは、アクセスポイントの役割からステーションの役割に、およびその反対に、切り換えるように適合され、前記第1のネットワークデバイスが前記ネットワークにおいて前記アクセスポイントの機能的役割を有するとき、前記方法は、
− ネットワークにより前記第1のネットワークデバイスに接続された少なくとも1つの第2のネットワークデバイスのプロファイルを受信することであって、前記第2のネットワークデバイスは、前記ネットワークにおけるステーションの役割からアクセスポイントの役割に、およびその反対に、切り換えるように適合され、前記第2のネットワークデバイスの前記プロファイルは、前記ネットワークにおける前記第2のネットワークデバイスのアクセスポイント資格情報を含む、受信することと、
− 前記受信されたプロファイルを、前記第1のネットワークデバイスのメモリに格納された既存のプロファイルと比較することと、
− 前記プロファイルが前記メモリにまだ格納されていない場合、前記第2のネットワークデバイスの前記プロファイルを前記メモリに格納することであって、前記第1のネットワークデバイスおよび前記第2のネットワークデバイスは、前記ネットワークにおける自身の役割をそれぞれが検出できるようにする自動役割検出を提供し、
前記方法は、さらに、
− アクセスポイントの役割からステーションの役割への前記第1のネットワークデバイスの役割変更を決定し、前記少なくとも1つの第2のネットワークデバイスのうちの1つが新しいアクセスポイントとして動作することを特定することと、
− 新しいアクセスポイントとして動作する前記第2のネットワークデバイスの前記プロファイルを前記メモリから検索することと、
− 前記検索されたプロファイル内の前記第2のネットワークデバイスの前記アクセスポイント資格情報を使用して前記第1のネットワークデバイスを前記第2のネットワークデバイスに接続することと、
を含む、前記方法。
【請求項2】
前記メモリに格納された前記プロファイルを前記ネットワークにブロードキャストすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記メモリに格納されたプロファイルは、その後のプロファイルの間に所定の遅延で前記ネットワークにブロードキャストされる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記メモリに格納された前記プロファイルを前記ネットワークにブロードキャストすることは、所定の時間後に繰り返される、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
ブロードキャストフレームは、送信され、前記アクセスポイントに接続されたすべてのステーションに向けられるユニキャストフレーム変換される、請求項2乃至4のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
アクセスポイントと複数のステーションを備えるネットワークにおいて、アクセスポイントの役割からステーションの役割に、およびその反対に、切り換えるように適合された第1のネットワークデバイスであって、
− ネットワークにより前記第1のネットワークデバイスに接続された少なくとも1つの第2のネットワークデバイスのプロファイルを受信するための入力であって、前記第2のネットワークデバイスは、ステーションの役割からアクセスポイントの役割に、およびその反対に、切り換えるように適合され、前記第2のネットワークデバイスの前記プロファイルは、前記第2のネットワークデバイスのアクセスポイント資格情報を含む、前記入力と、
− 前記プロファイルがメモリにまだ格納されていない場合、前記第2のネットワークデバイスの前記プロファイルを格納するためのメモリと、
− 前記受信されたプロファイルを、前記第1のネットワークデバイスの前記メモリに格納された既存のプロファイルと比較するためのコンパレータと、
アクセスポイントの役割からステーションの役割への前記第1のネットワークデバイスの役割変更を決定し、前記少なくとも1つの第2のネットワークデバイスのうちの1つが新しいアクセスポイントとして動作することを特定する役割検出器と、
新しいアクセスポイントとして動作する前記第2のネットワークデバイスの前記プロファイルを前記メモリから検索するメモリアクセスユニットと、
前記検索されたプロファイル内の前記第2のネットワークデバイスの前記アクセスポイント資格情報を使用して前記第1のネットワークデバイスを前記第2のネットワークデバイスに接続するネットワークコネクタと、
を含む、前記第1のネットワークデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークにおいて2つの異なる役割で動作するように適合されたネットワークデバイスの自動再構成のソリューションに関する。より詳細には、本発明は、ネットワークの再構成後に、ネットワークが依然として稼働していることを保証する、資格情報回復および自動プロビジョニング機構に対処する。
【背景技術】
【0002】
今日、特にWi−Fiを通じたマルチメディアサービスの配信により、ますます多くの機器が、社内WLAN(WLAN:Wireless Local Area Network、ワイヤレスローカルエリアネットワーク)に接続されつつある。しかしながら、多くのデバイスは、WLANに接続できるようにするための必要なハードウェアをまだ「搭載」しておらず、単にイーサネット(登録商標)に接続する。したがって、イーサネットデバイスをWLANに容易に接続できるようにするWi−Fi−イーサネット変換ボックスの需要が急増している。多くのデバイスが、意図的にWLANハードウェアを組み込まないことを選択する理由の1つは、基になる802.11技術がハイペースで発展しているためである。802.11bgが成熟した市場に到達するのにおよそ10年かかったのに対し、802.11nは3年で需要が高まり、2013年には802.11acが後に続く結果となった。事実上これは、Wi−Fi技術を埋め込んだデバイスが、非常に早く廃れるまたは少なくとも人気がなくなる可能性があることを意味する。これが、製品原価に大いに圧力をかけ、独立したWi−Fi−イーサネット変換ボックスの動機付けとなっている。
【0003】
製造コストの視点から、デバイス製造元は、ハードウェアツーリング、すなわち製品ライン、テストソフトウェアなどにできるだけ費用をかけないようにする、および例えば異なる製品コード、異なる注文番号、ソフトウェア、必要とされるストレージスペースなどによって生じる物流コストにできるだけ費用をかけないようにするために、最も多用途の製品を作ることに関心を持っている。したがって、多くの場合、APとSTA(AP:Access Point、アクセスポイント、STA:Station、ステーション)の両方となることが可能である単一のWi−Fi−イーサネット変換デバイスが実現され、製造コストおよび物流コストを低く抑えている。使いやすくするために、すべてのデバイスが、AP資格情報を受信し、強固なセキュリティを保証する。エンドユーザは、巧妙なパスフレーズを考え出す必要がなく、WPS−PBC(WPS−PBC:Wi−Fi Protected Setup−2.Push Button Configuration)を使用することにより、APのWPA(WPA:Wi−Fi Protected Access)パスフレーズを知る必要さえない。これはさらに、ブリッジデバイス上のユーザインタフェースの必要性もなくし、さらに複雑性およびコストも低減する。
【0004】
多くのネットワーキング機能を行う必要がないので、Wi−Fi−イーサネット変換ボックスは、802.1d規格準拠のブリッジとして配備され、APに接続されたデバイスと、STAに接続されたデバイスとの間でパケットを透過的に転送する。
【0005】
このようなWi−Fi−イーサネット変換ボックスで打開すべき主要な問題は、ネットワーク資格情報の構成である。理想的には、エンドユーザが、それらのデバイスの構成に悩まされる必要がなく、箱から出すと直ちにデバイスを使用することができるべきである。これは、アウトオブザボックス(out−of−the−box:OOB)設定が、WLANを配備できなければならないことを意味し、これは一般的に、製造時に2つ以上のデバイスを「事前ペアリングすること(pre-pairing)」により実現される。代替手段は、WPS−PBC構成の使用であり、これはエンドユーザが彼の現在のWLANを拡張し始めると、適用できるようになる。
【0006】
しかしながら、ユーザがネットワークを物理的に変え始めるとき、問題が発生する。例えば、ユーザが新しい家に移り、どのボックスがAPであったか、およびどれがSTAであったかを知らないときである。これは、使用可能な帯域幅に影響があるので問題であり、これが結果としてもはやWLANに接続できないことに至る可能性がある。
【0007】
これは、例としてWi−Fi LANデバイスを使用して、
図1および2に示されている。
図1の例では、2つのSTAデバイスSTA1およびSTA2が、APに接続され、このAPが次に、ブロードバンドネットワークのセントラルゲートウェイまたはポートに接続される。STA1およびSTA2は、APの資格情報を有し、したがって、WLAN上で許可される。2つのSTAデバイスは、CSMA−CA(CSMA−CA:Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance、衝突回避付き搬送波感知多重アクセス)を使用してWLAN帯域幅を共有するので、各STAデバイスは、それぞれが同じPHYレート(PHY rate:Physical Layer rate、物理レイヤレート)を使用しているとすると、およそ利用できる通信時間の50%を取得する。
【0008】
エンドユーザがデバイスを物理的に移動させることを決定すると、シナリオは、
図2に示すように変化する可能性がある。すべてのデバイスが汎用であるので、これらはすべて同じように見える。結果としてエンドユーザは、無意識のうちに正しくない方法でデバイスに接続する可能性がある。現在STA2デバイスは、APの代わりに、ブロードバンドネットワークのセントラルゲートウェイまたはポートに接続されている。この接続エラーは、利用可能な帯域幅をSTAデバイスあたり33%に削減する。この帯域幅減少の理由は、STAデバイスが互いと直接データを交換することを許可しないIEEE802.11インフラストラクチャモードである。代わりにすべてのパケットは、APを通過しなければならない。
【0009】
ペアリングまたは事前ペアリングのおかげで、Wi−Fiリンクは依然として機能するが、かなりの帯域幅の損失がある。提示する例は、依然としてクライアントとAPとの間の等しいPHYレートを検討していることに留意されたい。これが、外部の影響、例えばフェーディング、シャドーイング、干渉などにより変化し始める場合、影響は大いに悪化する。
【0010】
図2のシナリオから、機能的役割変更が必要であることは明らかである。機能的役割変更は、ここではAPがSTAになる、またはSTAがAPになることを意味する。これは、クライアントに対して通信時間比率、したがってトータルスループットを復元するために必要とされる。
【0011】
役割変更は、エンドユーザが完全な手動の再構成で悩まされないように、例えばLLDP(LLDP:Link Layer Discovery Protocol、リンク層探索プロトコル)、SSDP(SSDP:Simple Service Discovery Protocol、シンプルサービス探索プロトコル)、またはさらにDHCP(DHCP:Dynamic Host Configuration Protocol、動的ホスト構成プロトコル)などの探索機構を使用して、選択により動的である。ネットワークデバイスの役割変更を決定するためのソリューションは、例えば特許文献1に記載されている。
【0012】
図3は、役割変更が行われるとき発生することを示す。STA2が、その独自の資格情報のセット、すなわちBSSID(BSSID:Basic Service Set Identification、基本サービスセット識別情報)およびWPAパスフレーズを使用して、新しいアクセスポイントAP(2)になる。他のデバイスは、事前ペアリングされているので、ネットワークに再接続することができる。しかしながら、例えばエンドユーザが2つの別個のデバイスを購入した、または第3のデバイスが追加された、またはデバイスが取り替えられたという理由で、デバイスが事前ペアリングされていなかった場合、他のデバイスはネットワークに再接続できないので、役割交換のシナリオは、大きな失敗につながることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第7,380,025号明細書
【発明の概要】
【0014】
ネットワークデバイスの自動再構成のための信頼できるソリューションを提案することが、本発明の目的である。
【0015】
本発明によれば、ネットワークにおいて自動構成のために第1のネットワークデバイスを準備するための方法であって、第1のネットワークデバイス(AP、STA1、STA2)が、アクセスポイントの役割からステーションの役割に、およびその反対に、切り換えるように適合された、方法が、以下のステップを含む:
− ネットワークにより前記第1のネットワークデバイスに接続された第2のネットワークデバイスのプロファイルを受信するステップであって、第2のネットワークデバイスのプロファイルが、第2のネットワークデバイスのアクセスポイント資格情報を含む、ステップと、
− 受信されたプロファイルを、前記第1のネットワークデバイスのメモリに格納された既存のプロファイルと比較するステップと、
− プロファイルがメモリにまだ格納されていない場合、第2のネットワークデバイスのプロファイルをメモリに格納するステップ。
【0016】
したがって、アクセスポイントの役割からステーションの役割に、およびその反対に、切り換えるように適合されたネットワークデバイスが、以下を含む:
− ネットワークにより前記ネットワークデバイスに接続された第2のネットワークデバイスのプロファイルを受信するための入力であって、第2のネットワークデバイスのプロファイルが、第2のネットワークデバイスのアクセスポイント資格情報を含む、入力と、
− プロファイルがメモリにまだ格納されていない場合、第2のネットワークデバイスのプロファイルを格納するためのメモリと、
− 受信されたプロファイルを、前記ネットワークデバイスのメモリに格納された既存のプロファイルと比較するためのコンパレータ。
【0017】
本発明は、資格情報回復および自動プロビジョニング機構を提案し、これは、様々なネットワークデバイス、すなわちアクセスポイントおよびステーション上で動作するソフトウェアに含まれるソフトウェアモジュールとして実装されることが好ましい。有利には、このデバイスは、自動役割検出を提供され、これらは、WLANにおけるこれらの機能的役割が何であるかを見つけ出すことを意味する。これが確立されると、WLANは、WPS−PBCの使用を通じて設定されることが可能である。WLANが稼働中である場合、資格情報の損失は、ネットワークのすべてのノード、すなわちネットワークのアクセスポイントおよびすべてのステーションの、アクセスポイント資格情報を含んだプロファイルを検索するソフトウェアアプリケーションによって対処されることになる。アクセスポイントおよび/またはステーションは、ネットワークのすべてのノードにこの情報をブロードキャストする。このようにして、すべてのノードが、他のすべてのノードのアクセスポイントセキュリティ資格情報を提供される。これは、デバイスが異なる構成で再び電源を入れられるとき、WLANが復元されることが可能であることを保証する。ネットワーク資格情報の自動プロビジョンは、エンドユーザが介入することなく機能する。同時にそれは、製造時にデバイスを事前ペアリングすることよりもはるかに低コストで時間のかからない工程である。
【0018】
有利には、アクセスポイントは、それぞれの新しく遭遇したステーションにそのプロファイルを送信するように要求する。これは、その後にネットワークに加わるステーションのアクセスポイントセキュリティ資格情報が、すべてのノードに利用可能であることも保証する。
【0019】
好ましくは、メモリに格納されたプロファイルは、その後のプロファイルの間に所定の遅延時間でネットワークにブロードキャストされる。このように様々なステーションは、受信された各プロファイルを処理するのに十分な時間を有する。そうでなければ、以前のプロファイルを格納することで依然としてビジーであるステーションによってさらなるプロファイルが見落とされる可能性がある。
【0020】
好ましくは、メモリに格納されたプロファイルをネットワークにブロードキャストするステップは、所定の時間の後に繰り返される。このようにプロファイルは、その後にネットワークに加わったデバイスにも利用可能にされる。
【0021】
異なる構成で再び電源を入れた後にネットワークデバイスを再構成するために、アクセスポイントの役割からステーションの役割に、およびその反対に、切り換えるように適合された第1のネットワークデバイスを自動的に構成するための方法が、以下のステップを含む:
− 第1のネットワークデバイスの役割変更を決定するステップと、
− メモリから第2のネットワークデバイスのプロファイルを検索するステップであって、第2のネットワークデバイスのプロファイルが、第2のネットワークデバイスのアクセスポイント資格情報を含む、ステップと、
− 検索されたプロファイルを使用して、第1のネットワークデバイスを第2のネットワークデバイスに接続するステップ。
【0022】
したがって、アクセスポイントの役割からステーションの役割に、およびその反対に、切り換えるように適合されたネットワークデバイスが、以下を含む:
− ネットワークデバイスの役割変更を決定するための役割検出器と、
− メモリから第2のネットワークデバイスのプロファイルを検索するためのメモリアクセスユニットであって、第2のネットワークデバイスのプロファイルが、第2のネットワークデバイスのアクセスポイント資格情報を含む、メモリアクセスユニットと、
− 検索されたプロファイルを使用して、ネットワークデバイスを第2のネットワークデバイスに接続するためのネットワークコネクタ。
【0023】
電源を入れた後に、役割変更が決定される、すなわち先のアクセスポイントが、現在ステーションとして動作する必要があると決定するとき、このステーションは、現在アクセスポイントとして動作する先のステーションのアクセスポイントセキュリティ資格情報をそのメモリから検索する。これらの資格情報を使用して、ステーションは、新しいアクセスポイントに接続することができる。
【0024】
さらに理解するために、本発明は次に、図を参照して次の記述においてより詳細に説明される。本発明は、この例示の実施形態に限定されないこと、および特定の特徴は、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲を逸脱することなく、便宜上、結合されるおよび/または変更されることも可能であることは理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】1つのアクセスポイントおよび2つのステーションを有する正しく構成されたネットワークを示す図である。
【
図2】ステーションの1つとアクセスポイントを交換した後の
図1のネットワークを示す図である。
【
図3】
図2のネットワークにおける役割変更を示す図である。
【
図4】資格情報検索および自動プロビジョニングのためにアクセスポイントによって行われる本発明による方法を示す図である。
【
図5】資格情報検索および自動プロビジョニングのためにステーションによって行われる本発明による方法を示す図である。
【
図6】資格情報検索および自動プロビジョニング機構をより詳細に示す図である。
【
図7】検索された資格情報を使用してネットワークを再構成するための方法を示す図である。
【
図8】本発明によるネットワークデバイスを概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、資格情報回復および自動プロビジョニング機構のための本発明によるソリューションを説明する。
【0027】
再び
図1を検討すると、この図に示されたシナリオは、「工場出荷時の初期設定」シナリオである。エンドユーザが、事前ペアリングされていたのであらゆる可能な方法で接続されることが可能である3つのデバイスを受信した、またはエンドユーザは、順不同にデバイスを接続し、WLANを正しく確立した。例えば、WLANは、WPS−PBC方法を2回、すなわち各ステーションSTA1、STA2に1回使用してセットアップされていてもよい。
【0028】
図4および5には、それぞれアクセスポイントおよびステーションによって行われる資格情報検索および自動プロビジョニングのための本発明による方法が、概略的に示される。
図6は、資格情報検索および自動プロビジョニングのために行われるデータ交換をより詳細に示す。アクセスポイントAPとステーションSTA1、STA2との間のリンクが確立される10と、アプリケーションが起動され11、アクセスポイントAPに接続されたクライアントSTA1、STA2のアクセスポイント資格情報を問い合わせる12。好ましくは、アプリケーションは、レイヤ2すなわちMACレイヤ(MAC:Media Access Control、媒体アクセス制御)、またはレイヤ3、この例ではIPレイヤ(IP:Internet Protocol、インターネットプロトコル)を使用して、クライアントSTA1、STA2と通信する。純正のブリッジされたネットワークでは、アクセスポイントAPおよびステーションデバイスSTA1、STA2は、IPアドレスを受信する必要がないので、少なくともレイヤ2通信がサポートされなければならない。それらは、WPSが機能するようにIPアドレスを有する必要があるが、DHCP(DHCP:Dynamic Host Configuration Protocol、動的ホスト構成プロトコル)によって割り当てられる必要はない。
【0029】
アクセスポイントAPは、接続された各ステーションSTA1、STA2からの資格情報を問い合わせ12、資格情報を受信した13後に、ステーションプロファイルがまだ利用可能ではない場合、ステーションプロファイルを作成し14、資格情報を元のネットワークに「ブロードキャストする」15。資格情報の配布には、実際のブロードキャストトラフィックが使用されないことが好ましい。Wi−Fiが、ブロードキャスト/マルチキャストパケットの受信を保証しないからである。代わりにアプリケーションは、ブロードキャストフレームを送信するが、Wi−Fi MACレイヤはそれをユニキャストフレームに変換することになり、このユニキャストフレームが、アクセスポイントAPの接続リストにあるすべてのステーションSTA1、STA2に向けられる。
【0030】
新しいステーションがアクセスポイントAPに接続するたびに、アクセスポイントAPはステーションにそのセキュリティ資格情報を問い合わせる12。クエリを受信した20後、ステーションは、ある場合は、BSSIDおよびWPA−PSK値(WPA−PSK:Wi−Fi Protected Access−Pre−shared key、Wi−Fi保護アクセス−事前共有キー)、またはWPAキーを含んだ資格情報構造体を含んだデータフレームで応答しなければならない21。このために、コンマ区切りのリストが使用されることが好ましい。この情報を受信する13アクセスポイントAPは、新しく受信された情報を含んだステーションプロファイルを作成する14。このようなプロファイルの例が、TR−181/TR98「エンドポイント」である。
【0032】
アクセスポイントAPが少なくとも2つのステーションプロファイルを所有すると、それは既存のセキュリティ資格情報をWLANに通知することを開始する。アクセスポイントAPは、関連付けられた各デバイスにユニキャストデータフレームでプロファイルを定期的に送信する15。そうするために、アクセスポイントAPは、有利には、2つの定期的通知パラメータ「InterProfilePeriod」および「ProfileBroadcastPeriod」で構成される。InterProfilePeriodが、例えば2秒など、2つの異なるプロファイルのブロードキャスト間の時間を制御する。ProfileBroadcastPeriodが、例えば1分など、2つのその後のブロードキャストサイクル間の時間を制御する。
【0033】
STAプロファイルを受信すると22、各ステーションSTA1、STA2は、情報をその独自のデータモデルの既存の情報と比較し23、プロファイルを追加する24または情報を破棄する25ことを決定する。
【0034】
WLANのすべてのノードAP、STA1、STA2が互いの資格情報をそれらのそれぞれのデータモデルで格納すると、エンドユーザは安全に、デバイスAP、STA1、STA2を切断し、これらを順不同に再接続することを可能にされる。自動役割検出は、アクセスポイントAPがゲートウェイに接続されたままであること、およびすべてのノードが正しいセキュリティ資格情報を有するときWLANがセットアップされることが可能であることを保証する。検索された資格情報を使用してネットワークを再構成するための方法が、
図7に示される。アクセスポイントAPの役割変更が決定される30とき、新しいアクセスポイントAP(2)のプロファイルは、メモリから検索される31。このプロファイルに格納された資格情報を使用して、先のアクセスポイントは、ステーションとして機能せず、新しいアクセスポイントAP(2)に接続する32ことができる。
【0035】
図8は、本発明によるネットワークデバイス40を概略的に示す。ネットワークデバイス40は、他のネットワークデバイスのプロファイルを受信するための入力41と、これらのプロファイルを格納するためのメモリ43とを含む。コンパレータ42は、メモリにおける二重エントリを避けるために、受信されたプロファイルを、メモリ43に格納された既存のプロファイルと比較する。デバイス40はさらに、ネットワークデバイス40の役割変更、例えば、「アクセスポイント」の役割から「ステーション」の役割への変更を決定するための役割検出器44を含む。役割変更が決定される場合、メモリアクセスユニット45がメモリ43から第2のネットワークデバイスAP(2)のプロファイルを検索する。検索されたプロファイルを使用して、ネットワークコネクタ46が、ネットワークデバイスAPを第2のネットワークデバイスAP(2)に接続する。
ここでいくつかの付記を記載する。
(付記1)
ネットワークにおいて自動構成のために第1のネットワークデバイス(AP、STA1、STA2)を準備するための方法であって、前記第1のネットワークデバイス(AP、STA1、STA2)は、アクセスポイントの役割からステーションの役割に、およびその反対に、切り換えるように適合され、前記方法は、
− ネットワークにより前記第1のネットワークデバイス(AP、STA1、STA2)に接続された第2のネットワークデバイス(AP、STA1、STA2)のプロファイルを受信する(13、22)ステップあって、前記第2のネットワークデバイス(AP、STA1、STA2)の前記プロファイルは、前記第2のネットワークデバイス(AP、STA1、STA2)のアクセスポイント資格情報を含む、受信するステップと、
− 前記受信されたプロファイルを、前記第1のネットワークデバイス(AP、STA1、STA2)のメモリ(43)に格納された既存のプロファイルと比較する(23)ステップと、
− 前記プロファイルが前記メモリにまだ格納されていない場合、前記第2のネットワークデバイス(AP、STA1、STA2)の前記プロファイルを前記メモリ(43)に格納する(14、24)ステップと、
を含む、前記方法。
(付記2)
前記第2のネットワークデバイス(STA1、STA2)にそのプロファイルを送信するように要求する(12)ステップをさらに含む、付記1に記載の方法。
(付記3)
前記メモリ(43)に格納された前記プロファイルを前記ネットワークにブロードキャストする(15)ステップをさらに含む、付記1または2に記載の方法。
(付記4)
前記メモリ(43)に格納されたプロファイルは、その後のプロファイルの間に所定の遅延(InterProfilePeriod)で前記ネットワークにブロードキャストされる(15)、付記3に記載の方法。
(付記5)
前記メモリ(43)に格納された前記プロファイルを前記ネットワークにブロードキャストする(15)ステップは、所定の時間(ProfileBroadcastPeriod)後に繰り返される、付記3または4に記載の方法。
(付記6)
ネットワークにおいて第1のネットワークデバイス(AP)を自動的に構成するための方法であって、前記第1のネットワークデバイス(AP)は、アクセスポイントの役割からステーションの役割に、およびその反対に、切り換えるように適合され、前記方法は、
− 前記第1のネットワークデバイス(AP)の役割変更を決定する(30)ステップと、
− 第2のネットワークデバイス(AP(2))のプロファイルをメモリ(43)から検索する(31)ステップと、
− 前記検索されたプロファイルを使用して、前記第1のネットワークデバイス(AP)を前記第2のネットワークデバイス(AP(2))に接続する(32)ステップと、
を含む、前記方法。
(付記7)
前記第2のネットワークデバイス(AP(2))の前記プロファイルは、前記第2のネットワークデバイス(AP(2))のアクセスポイント資格情報を含む、付記6に記載の方法。
(付記8)
前記第2のネットワークデバイス(AP(2))の前記プロファイルは、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法を使用して、前記メモリ(43)に格納されている、付記6または7に記載の方法。
(付記9)
アクセスポイントの役割からステーションの役割に、およびその反対に、切り換えるように適合されたネットワークデバイス(AP、STA1、STA2)であって、
− ネットワークにより前記ネットワークデバイス(AP、STA1、STA2)に接続された第2のネットワークデバイス(AP、STA1、STA2)のプロファイルを受信する(13、22)ための入力(41)であって、前記第2のネットワークデバイス(AP、STA1、STA2)の前記プロファイルは、前記第2のネットワークデバイス(AP、STA1、STA2)のアクセスポイント資格情報を含む、前記入力と、
− 前記プロファイルがメモリ(43)にまだ格納されていない場合、前記第2のネットワークデバイス(AP、STA1、STA2)の前記プロファイルを格納する(14、24)ためのメモリ(43)と、
− 前記受信されたプロファイルを、前記ネットワークデバイス(AP、STA1、STA2)の前記メモリ(43)に格納された既存のプロファイルと比較する(23)ためのコンパレータ(42)と、
を含む、前記ネットワークデバイス(AP、STA1、STA2)。
(付記10)
アクセスポイントの役割からステーションの役割に、およびその反対に、切り換えるように適合されたネットワークデバイス(AP)であって、
− 前記ネットワークデバイス(AP)の役割変更を決定する(30)ための役割検出器(44)と、
− メモリ(43)から第2のネットワークデバイス(AP(2))のプロファイルを検索する(31)ためのメモリアクセスユニット(45)であって、前記第2のネットワークデバイス(AP(2))の前記プロファイルは、前記第2のネットワークデバイス(AP(2))のアクセスポイント資格情報を含む、前記メモリアクセスユニット(45)と、
− 前記検索されたプロファイルを使用して、前記ネットワークデバイス(AP)を前記第2のネットワークデバイス(AP(2))に接続する(32)ためのネットワークコネクタ(46)と、
を含む、前記ネットワークデバイス(AP)。