(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数のピンは、前記ヘッド部と前記胴部との間に位置する第1のピンと、前記U字状折り重ね部内に位置する第2のピンと、前記胴部と前記レッグ部との間に位置する第3のピンとを含むものである、請求項9に記載のセンサ組立体。
前記内側ハブに固定されたヘッドプレートを備え、該ヘッドプレートは器具に接続されるものであり、前記ベースプレートはリンケージ組立体に接続されるものである、請求項14に記載のセンサ組立体。
前記外側ハブには、前記枝部を収容する複数のスロットが形成されており、前記スロットの各々は、当該スロットにおいて前記枝部が移動可能な寸法である、請求項16に記載のセンサ組立体。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[I.概要]
図1は、マニピュレータ30及び手術器具32を備えたロボット手術システムを示している。手術器具32は、患者Pとの関係で移動するためにマニピュレータ30によって支持されている。幾つかの実施形態では、マニピュレータ30は、手動モード及び半自律的モードで機能して、患者P上のターゲット部位に対して器具32を位置決めする。
【0017】
マニピュレータ30は、器具32がしっかり取付けられた器具マウント36を含む。実施形態によっては、器具32は、器具マウント36に対して取外し可能に取付けられる。マニピュレータ30は、器具マウント36を移動させて、器具32が患者Pに対して、意図された医療・外科処置を実施できるように器具32の位置決め及び方向付けを行う。
【0018】
手術ナビゲーションシステム220は、ターゲット部位に対する器具32の位置及び向きの少なくとも一方をモニタする。手術ナビゲーションシステム220は、マニピュレータ30が器具32を適切に位置決めできるように、位置データ及び向きデータの少なくとも一方をマニピュレータ30に伝える。
【0019】
マニピュレータ30はモバイルカート38を含む。リンケージ組立体(linkage assembly)40は、器具32をカート38に移動可能につなぐものである。図示の実施形態では、このリンケージ組立体40は、第1及び第2の平行な4バー型のリンク組立体(link assembly)42及び44を備えている。各リンク組立体の各継手の位置は、複数のアクチュエータ46によって設定される。
図1には、リンク組立体42に連結されたアクチュエータ46のうちの1つが示されている。
【0020】
マニピュレータコントローラ48(
図1の仮想的なボックスとして部分的に示す)は、カート38に搭載されている。マニピュレータコントローラ48は、リンク組立体42、44のリンクをアクチュエータ46が適切に設定できるようにする制御信号を送る。マニピュレータコントローラ48は、幾つかの入力信号に基づいてリンクの位置を設定する。これらの入力信号は、手術ナビゲーションシステム220からの信号を含む。
【0021】
マニピュレータコントローラ48を含むマニピュレータ30及び器具32の構造は、「Surgical Manipulator Capable of Controlling a Surgical Instrument in Multiple Modes」という名称の2013年8月2日に出願された米国特許出願第13/958,070号により詳細に記載されており、その開示内容は、引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
【0022】
幾つかの実施形態では、器具32は、電力発生ユニット(図示せず)を含む。電力発生ユニットは、電気信号を、患者Pに適用されるエネルギーの形態に変換するものである。このエネルギーは、機械、音、熱、RF、EM、又は光子に関するものとすることができる。器具32が電力発生ユニットを含む場合、エネルギーは、エネルギーアプリケータ50を通してターゲット部位に適用される。図示の実施形態では、器具32は、骨等の組織を切除するための切除バーの形態のエネルギーアプリケータ50を含んでいる。バーは、器具32のハンドピースから延びている。
【0023】
[II.力・トルクセンサ組立体]
図2に示すように、器具32に加わる荷重に反応する力・トルクセンサ組立体52が提供される。荷重には、器具32が組織に押付けられることにより器具32が受ける抵抗力及びトルクが含まれうる。荷重にはまた、器具32の位置及び向きの少なくとも一方を設定することをユーザが望む場合に、ユーザによって器具32に加えられる力及びトルクが含まれうる。マニピュレータコントローラ48は、力・トルクセンサ組立体52によって測定された力及びトルクに基づいて、リンクひいては器具32の位置を設定する。
【0024】
図3及び
図4に示す力・トルクセンサ組立体52は、リンケージ組立体40と器具32との間で働く。力・トルクセンサ組立体は、ヘッドプレート54とダイバータプレート56とベースプレート58とを有している。これらのプレート54、56、58は、リンケージ組立体40と器具32との間で動作するために力・トルクセンサ組立体52を支持している。
図3では、プレート54、56、58の幅は、説明のために誇張されている。
【0025】
図4を参照すると、ヘッドプレート54は、平面でかつ互いに平行な、対向する近位側を向いた面及び遠位側を向いた面を有する円板状である。ヘッドプレート54は、ステンレス鋼又は他の金属合金の単一部材から形成される。ヘッドプレート54は約6.5mmの厚さを有する。幾つかの実施形態では、ヘッドプレート54は、約4.5mmと6.5mmとの間の直径を有する。ヘッドプレート54は、取付プレート60の近位側を向いた面に取付けられる。取付プレート60は、器具マウント36に固定される。(ここで、「近位(proximal)」は、器具32が適用されるターゲット部位から離れてマニピュレータカート38に向かう方向であり、「遠位(distal)」は、器具32が適用されるターゲット部位に向かってマニピュレータカート38から離れる方向であると理解される)。
【0026】
ヘッドプレート54の対向する面の間に、第1の貫通ボア62及び第2の貫通ボア64の組が延びている。第1の貫通ボア62は、ヘッドプレート54の中心から半径方向外側に位置する。第1の貫通ボア62は、互いに等間隔に配置されている。第1の貫通ボア62の近位開口部は、第1の貫通ボア62の中心に向かって内側に傾斜するテーパ付き凹部66によって定められている。第2の貫通ボア64は、第1の貫通ボア62から半径方向外側に配置されており、ヘッドプレート54の外周から内側にわずかな距離の所に位置する。第2の貫通ボア64はまた、互いに等間隔に配置されるが、隣接する第1の貫通ボア62と半径方向に位置合わせされていない。ヘッドプレート54は、ヘッドプレート54の側面から半径方向内側に延びる側部ボア68が定められるように更に形成されている。ねじ込み式締結具(図示せず)は、第2の貫通ボア64を通るように延びており、取付プレート60に対してヘッドプレート54を保持する。
【0027】
ダイバータプレート56は、ヘッドプレート54とベースプレート58との間に位置している。ダイバータプレート56は、内側センサ部材及び外側センサ部材を含む。図示の実施形態では、内側センサ部材及び外側センサ部材は、それぞれ内側ハブ70及び外側ハブ72である。内側ハブ70は、外側ハブ72の前方で遠位側に延びている。内側ハブ70は、外側ハブ72に接続され、外側ハブ72に対して移動可能である。外側ハブ72は、ベースプレート58に静的に留められている。内側ハブ70は、ヘッドプレート54に静的に留められている。ハブ70、72はともに、硬化ステンレス鋼の単一部材から形成されている。
【0028】
内側ハブ70は全体的に円形の外側形状を有する。内側ハブ70は外側ハブ72内に配設される。内側ハブ70の外周は、弧状にかつ互いに等間隔に配置された3つの平坦面74によって部分的に定められている。湾曲面76は、平坦面74のそれぞれの隣接する対の間に位置している。
【0029】
枝部(tine)78は、各湾曲面76から半径方向外側に延びている。枝部78は、互いに等角度に離間しており、湾曲面76の中心から延びている。枝部78の、対向する近位に向く面と遠位に向く面との間に延びる軸に沿って、枝部78は、内側ハブ70の深さより約0.25mm〜約1.0mm短い深さを有する。枝部78の近位面(番号を付けず)は、内側ハブ70の近位面と同一平面上にある。そして、枝部の遠位に向く面(番号を付けず)は、内側ハブ70の隣接する遠位に向く面に対して窪んでいる。
【0030】
3つのハブ貫通ボア80は、内側ハブ70の外周から内方にわずかな距離の所に位置している。ハブ貫通ボア80は、ヘッドプレート54内の第1の貫通ボア62の直径にほぼ等しい直径を有する開口部を有する。各ハブ貫通ボア80は、別個の第1の貫通ボア62と整列している。内側ハブ70は、中心に位置する中心貫通ボア82を有している。中心貫通ボア82は、ハブ貫通ボア80よりも直径が大きい。シリンダ状段部(cylindrical step)84は、中心貫通ボア82を定めた内側表面から半径方向に突出している。段部84は、内側ハブ70の遠位面から近位側に離れるように窪んでいる。段部84は、中心貫通ボア82の内側表面から約0.75mm内側に延びている。溝86は、中心貫通ボア82から半径方向外側に延びている。溝86は、内側ハブ70の遠位面に対して窪んでいる。溝86のベース部は、段部84と同一平面上にある。
【0031】
図5に示すように、外側ハブ72は、全体的に形状がリングに似ている。外側ハブ72は、ヘッドプレート54の直径にほぼ等しい直径を有する。外側ハブ72は、枝部78と同じ近位面及び遠位面間の深さを有する。そのため、外側ハブ72の深さは、内側ハブ70の深さより小さい。内側ハブ70の遠位面は、
図3に示したように、外側ハブ72の遠位面よりも上にある。
図3では、内側ハブ70が外側ハブ72から前方に突出する程度は、説明のために誇張されている。
【0032】
外側ハブ72は、内方を向いた3つのタブ88を有している。タブ88は互いに等角度に離間している。各タブ88は、互いに向かって内側にテーパが付いた側面90を有する。各タブ88は、円弧状の内側表面92を有する。内側表面92は、外側ハブ72の中心軸と同心である共通円の回りに延びている。各タブ88は、枝部用スロット(tine slot)94によって2分されている。各枝部用スロット94は、内側表面92から半径方向外側に延びている。各タブ88は、タブ貫通ボア96をも有する。タブ貫通ボア96は、外側ハブ72に沿って円周方向に離間している。外側ハブ72は、タブ88のそれぞれの隣接する対の間に平面の内側表面すなわちフラット98が存在するように更に形作られている。
【0033】
各枝部78は、いくつかの枝部用スロット94の別々の枝部用スロット94内に延びている。枝部用スロット94は、枝部78の幅より約0.1mm〜0.75mm大きい幅を有する。ダイバータプレート56は、外側ハブ72が中立的な位置にあるときに、各枝部78の外側端が、関連する枝部用スロット94を定めたタブ88の隣接する内方に向く表面から約0.1mm〜0.75mm離間するような寸法に更に作られている。
【0034】
図4及び
図5に示しているように、ばね装置(spring arrangement)は、外側ハブ72に内側ハブ70を移動可能に取り付けている。ばね装置は、3つのばねデバイス102を含む。各ばねデバイス102は、平坦面74のうちの別個の平坦面74から外方に延びている。各ばねデバイス102は、直列に配置された蛇行ばね(serpentine spring)104及び板ばね(leaf spring)106を含む。
【0035】
各蛇行ばね104は、ヘッド部108、胴部(torso)110、及びレッグ部112を含む。ヘッド部108は、内側ハブ70に接続された蛇行ばね104の一部である。ヘッド部108は、平坦面74から半径方向外側に突出している。
【0036】
胴部110は、ヘッド部108から延びている。各胴部は、複数のU字状折り重ね部114と、U字状折り重ね部114から延びたプリーツ116とを含む。一実施形態では、胴部110は、複数のプリーツ116及び折り重ね部114から形成される。プリーツ116は互いに平行である。折り重ね部114は、全体的に形状が半円である。折り重ね部114のうちの第1の折り重ね部114は、1つのプリーツ116をヘッド部108に接続している。折り重ね部114のうちの第2の折り重ね部114は、2つのプリーツ116をともに接続している。折り重ね部114のうちの第3の折り重ね部114は、別のプリーツ116をレッグ部112に接続している。折り重ね部114は可撓性を有する。折り重ね部114の可撓性は、プリーツ116の長手方向軸が位置をシフトすることを可能にする。
【0037】
各レッグ部112は、比較的厚いベース部を備えている。レッグ部112のこのベース部はレッグ部112の一部分であり、その部分から、隣接する折り重ね部114が延びている。2つのフット部118は、各レッグ部112の外側端から外方に延びている。各フット部118は、約0.25mm〜0.75mmの厚さを有する薄いストリップの形態である。フット部118の対を形成するフット部118は、同一平面上にある。各フット部118は、隣接するタブ88の側面に連結した(merge into)端部を有している。フット部118は、フラット98よりも半径方向内側の位置においてタブ88に連結している。そのため、フット部118の各対は、隣接するフラット98に平行でかつ隣接するフラット98から内側に配置されている。幾つかの実施形態では、この間隔は、約0.25mmと0.75mmとの間である。フット部118が可撓性材料から形成され、フット部118の各対のフット部118が同一平面上にある場合、フット部118の各対は、板ばね106のうちの1つの板ばね106を画定している。
【0038】
そのため、各ばねデバイス102は、複数ステージのばねデバイスとみなすことができる。1つのばねステージは、折り重ね部114及びプリーツ116によって形成された蛇行ばね104である。第2のばねステージは、フット部118によって形成される板ばね106である。
図5Aは、これらの第1のステージ及び第2のステージが、力・トルクセンサ組立体52によって可能となる力・トルク測定の分解能にどのように影響を及ぼすかを示している。
【0039】
図6〜
図9を参照すると、各蛇行ばね104は、複数のピン120を収容している。各ピン120は、全体的に形状がシリンダ状(cylindrical in shape)である。各ピン120は、硬化ステンレス鋼からなる。各ピン120は、隣接する胴部110の全体の幅にわたってピン120が延びることのできる長さを有する。ピン120は、隣接する折り重ね部114によって定められる円の半径より約0.625mm〜2.5mm小さい半径を有する。一実施形態では、ピン120は、長さが約6.25mmで、直径が約1.168mmである。ピン120のうちの第1のピン120は、ヘッド部108とプリーツ116との間で延びている。ピン120のうちの第2のピン120は、2つのプリーツ116の間に位置している。ピン120のうちの第3のピン120は、半径方向で最も外側にあるプリーツ116とレッグ部112との間に位置している。
【0040】
3つのピン120の各組は、ピンハウジング122内に位置している。ピンハウジング122は、キャップ124及びピンハウジングベース126からなる。ピン120は、キャップ124とピンハウジングベース126との間に位置決めされている。キャップ124は、パネル128及び2つの対向した側壁130を有している。パネル128は形状が長方形である。各側壁130は、パネル128の側部エッジから下方に延びている。パネルボア132は、パネル128の中心を通るように延びている。ピンハウジングベース126は、全体的に形状がブロックに似ている。ベース溝134は、ピンハウジングベース126の中央を通るように延びている。ベース溝134は、胴部110を受け入れる寸法に作られている。ピン溝136は、ピンハウジングベース126の中心を通るように延びている。ピン溝136は、ベース溝134と交差し、ベース溝134に垂直である。ピン溝136の深さは、ベース溝134の深さより浅い。
【0041】
図4〜
図10を参照すると、ベースプレート58は、マニピュレータ30のリンケージ組立体40の遠位端構成要素138に取付けられている。この構成要素138は、カプラ、ロボットフランジ、リスト、又は他の構成要素とすることができる。ベースプレート58は、硬化ステンレス鋼から形成されている。ベースプレート58は、全体的に形状が円板に似ており、外側ハブ72の外径に等しい外径を有している。ベースプレート58は、内側円形セクション140及び外側リム142を有している。リム142は、円形セクション140の外側エッジの回りに円周方向に延びている。リム142は、内側円形セクション140の遠位側の面よりも上側に隆起しかつその面に平行な遠位側の上面を有している。リム142は、リム142の対向した近位側の面と遠位側の面との間で延びている複数の第1の開口部144及び第2の開口部146を有するように形成されている。互いに等角度に離間した3つの第1の開口部144が存在している。互いに等角度に離間した3つの第2の開口部146が存在している。
【0042】
複数の凹部148がリム142の遠位面上に位置している。凹部148は、リム142の内側表面に沿って開口している。各凹部148は、全体的に長方形の形態である。各凹部148は、対向する側面と底面の対によって定められている。各凹部148は、対向した側面にわたる距離が枝部用スロット94にわたる幅と等しくなるように形作られている。3つの凹部148は、リム142の遠位面上で等間隔に配置されている。凹部148は、力・トルクセンサ組立体52が組立てられると、各凹部148が、ダイバータプレート56内の枝部用スロット94のうちの1つの枝部用スロット94と位置合わせされた状態となるように位置決めされている。
【0043】
締結具(図示せず)は、第1の開口部144を通るように延び、リンケージ組立体40の遠位端構成要素138に対してベースプレート58を保持する。締結具(図示せず)は、第2の開口部146及びタブ貫通ボア96を通るように延び、ベースプレート58に対してダイバータプレート56を保持する。
【0044】
力・トルクセンサ組立体52は、ベースプレート58に取り付けられた光源154を含む光学ベースのセンサ組立体である。光源154からの光は、コリメータ156を通過して光反応型トランスデューサ(light sensitive transducer)158上に向けられる。コリメータ156は、光を複数の光ビームに変換する。荷重が器具32に加わると、コリメータ156は、光反応型トランスデューサ158に対して変位するため、光ビームは、光反応型トランスデューサ158の異なるピクセルに当たる。光ビームのこの移動により、器具32に加わる力及びトルクを効果的に検出し、この移動を、力及びトルク測定値になるよう関係付けることができる。
【0045】
光源142は、内側円形セクション140の遠位面の外側エッジに隣接して位置する。そのため、光源142は、リム142の内方に向く面に隣接しかつその面と同一平面上にあるものとすることができる。幾つかの実施形態では、光源142は、1つ又は複数の発光ダイオード(LED)を含むLED光源である。2つのLEDを
図4に示している。
【0046】
内側ハブ70の遠位側の面に光パイプ(light pipe)160が取り付けられている。光パイプ160は、光源142から放出された光を受け、その光をコリメータ156に向ける。光パイプ160は、シリンダ状ステム(cylindrical stem)162を有するものとして形作られている。ステム162の近位端は、光源142の上に位置し、光源142から放出された光を受ける。分岐部164は、ステム162の遠位端から垂直に延びている。分岐部164は、内側ハブ溝86内に着座する寸法に作られている。円形ヘッド部166は、分岐部164の自由端から延びている。ヘッド部166は、円板状レンズを有するように形成されている。ヘッド部166は、中心貫通ボア82に対するカウンタボア内に位置できる寸法に作られている。力・トルクセンサ組立体52を組立てる際に、光パイプ160は、ヘッド部166がコリメータ156の上のカウンタボア内に配設されるように位置決めされる。
【0047】
光パイプ160は、光源142から放出された光をコリメータ156に伝えることのできるプラスチック、ガラス、又は他の材料で形成される。幾つかの実施形態では、光パイプ160は、プラスチックの単一ピースからなる光ファイバ導管又は射出成形光パイプである。他の実施形態では、光パイプ160は完全に削除され、その代わりに、LEDがコリメータ156又は他の光集束デバイスの真上に位置決めされる。
【0048】
コリメータ156は、内側ハブ70に固定されている。コリメータ156は、接着剤、テープ、溶接又は他の方法によって固定することができる。コリメータ156は、光パイプ160の下のカウンタボア内に位置している。コリメータ156は、円板状であり、カウンタボアにほぼ等しい直径を有するため、コリメータ156の外周は、内側ハブ70内に形成された段部84上に位置する。一実施形態では、コリメータ156は、約7.5mmの直径を有する。コリメータ156は、石英から形成されるか、又は代替的に、ダイバータプレート56に組込まれる(例えば、ダイバータプレート56の一部となるように機械加工される)。
【0049】
図11に示しているように、コリメータ156は、複数の光開口部を有するものとして形成されている。光開口部のうちの4つが、垂直ボア172、174、176、178として示されている。垂直ボア172、174、176、178は、コリメータ156の対向した上部及び底部表面に垂直に形成された貫通ボアである。すなわち、垂直ボア172、174、176、178は、コリメータ156の対向する上部及び底部表面に垂直な軸に沿ってコリメータ156内で延びている。垂直ボア172、174、176、178は、正方形パターンで配列され、コリメータ156の中心から等距離に配置されている。
【0050】
また、複数の光開口部は、
図11、
図13A、及び
図13Bに示しているように、2つの傾斜ボア180、182を有している。傾斜ボア180、182は、コリメータ156の上部表面と底部表面との間の垂直軸に対して鋭角をなすように配置された軸に沿ってコリメータ156内を延びるように傾斜している。傾斜ボア180、182は、コリメータ156の中心から等間隔で配置されている。傾斜ボア180、182は、コリメータ156の中心に向かって内方に傾斜している。幾つかの実施形態では、ボア172、174、176、178、180、182は正方形状である。他の実施形態では、ボア172、174、176、178、180、182は円形状である。
【0051】
光反応型トランスデューサ158は、プリント回路基板184上の中心に位置している。プリント回路基板184は、円形セクション140の遠位側の面に位置し、それにより、ベースプレート58に対して固定されている。プリント回路基板184は、円形セクション140の遠位面にほぼ等しい形状及びサイズを有している。図示の実施形態では、光反応型トランスデューサ158は画像センサである。画像センサはCMOS画像センサ又は任意の他の光反応型トランスデューサとすることができる。1つのバージョンでは、画像センサは、カルフォルニア州サンノゼ所在のCypress Semiconductor社から入手可能なLUPA1300Aセンサである。
【0052】
光反応型トランスデューサ158は、ピクセル等の複数の個々の光感応性素子を有している。ピクセルは、行及び列のフォーマットすなわちマトリクスで配列される。各ピクセルは、該ピクセルに当たる光の強度を示す信号を出力する。幾つかの実施形態では、光反応型トランスデューサ158は、25ミクロン以下のピクセルサイズを有している。ある実施形態では、光反応型トランスデューサ158は1280×1024ピクセルの分解能を有する。各ピクセルは、この実施形態では、約14ミクロン×14ミクロンである。
【0053】
プリント回路基板184上に電圧調節器186が設けられている。電圧調節器186は、光反応型トランスデューサ158に定電圧信号を供給する。図示の実施形態では、光反応型トランスデューサ158は、電圧調節器186の露出面に設けられているものとして示されている。
【0054】
コリメータ156のボア172、174、176、178、180、182は、光パイプ160からの光を複数の別々の光ビームに分割する。光ビームは、光反応型トランスデューサ158の面に当たる。光反応型トランスデューサ158は、光ビームが光反応型トランスデューサ158に当たった場所を示す信号を出力する。これらの信号を、処理のためにローカルコントローラ(不図示)に送ることができる。信号は処理されて、最終的には、力及びトルクをもたらす。マニピュレータコントローラ48は、力及びトルクを利用して、アクチュエータ46、したがって、器具32の動きを制御する。他の実施形態では、光反応型トランスデューサ158からの出力信号もまた、マニピュレータコントローラ48に直接送信することができることが認識されるべきである。
【0055】
手術の際、器具32に加わる荷重は、器具32の少なくとも非常に小さな変位を引き起こす。器具32のこの変位は、器具マウント36及び取付プレート60を通してヘッドプレート54及び内側ハブ70に伝えられる。これらは全て、単一の剛体と考えられる。内側ハブ70の変位は、光反応型トランスデューサ158に対するコリメータ156の位置及び向きの少なくとも一方のシフトすなわち移動をもたらす。結果として、ボア172、174、176、178、180、182からの光ビームも移動し、それにより、力及びトルクの決定が可能となる。
【0056】
[III.力及びトルクの決定]
荷重が器具32に加わると、力・トルクセンサ組立体52は、荷重が加えられた状態にあるとみなされる。荷重(例えば、力及びトルクの少なくとも一方)が力・トルクセンサ組立体52に加わると、内側ハブ70は、外側ハブ72に対して6つのタイプの移動をしうる。移動のうちの3つの移動は並進(translation)である。内側ハブ70は、x軸、任意には、
図5の内側ハブ70を通る水平軸に沿って移動することができる。内側ハブ70は、y軸、任意には、
図5の内側ハブ70を通る垂直軸に沿った移動を行うことができる。内側ハブ70は、z軸、任意には、
図5の平面に入りまた平面から出るように延びる、内側ハブ70の中心を通る軸に沿った移動を行うことができる。内側ハブ70はまた、上記で特定された軸のそれぞれの回りで少なくとも幾らかの回転運動を行うことができる。通常、力・トルクセンサ組立体52に力及びトルクが加わると、内側ハブ70はこれらの移動のうちの幾つかの移動を行う。
【0057】
器具32に対して力及びトルクの少なくとも一方が加わっている場合、結果として、コリメータ156及び光パイプ160は、内側ハブ70とともに同様に移動する。コリメータ156のこの変位により、光源154から放出された光が光反応型トランスデューサ158の別のピクセルに当たるようになる。光反応型トランスデューサ158は、器具32に加わる力及びトルクに直接的に関連する、コリメートされた光の移動を示す信号を出力する。
【0058】
力・トルクセンサ組立体52に対して力又はトルクが加わっていない場合、力・トルクセンサ組立体52は無荷重状態にあると考えられる。マニピュレータ30が使用中であれば、他の力が存在しなくても、重力が力・トルクセンサ組立体52に力及びトルクを課す。この重力の主要な成分が、器具32及びエネルギーアプリケータ50に重力をかける力であることが理解されるべきである。内側ハブ70が純粋に無荷重状態にあるとき、この重力は、外側ハブ72に対する内側ハブ70の幾らかの変位を引起す。この力の名目上の性質及び内側ハブ70の名目上の変位が与えられると、光ビームの場所は、重力がオフセットされた無荷重状態にあるとみなされる。
【0059】
マニピュレータ30の動作中、光源154から放出された光(図において符号155で示す)は、光ビームとして、ボア172、174、176、178、180、182を通過する。これらの光ビームは、光反応型トランスデューサ158の表面上の別々のピクセルクラスタ(cluster of pixels)に当たる。より具体的には、各光ビームは、荷重のない状態及び荷重のある状態によって異なったピクセルクラスタに当たる。荷重のない状態から荷重のある状態への、例えば時間フレームの開始(最初のクラスタ)から該時間フレームの終了(最後のクラスタ)までの、ピクセルクラスタの位置又は場所のシフトを用いて、力及びトルクを決定する。
【0060】
図12A及び
図12Bは、荷重のない状態及び荷重のある状態において、垂直ボアのうちの2つの垂直ボア172及び176を通過する光ビームのうちの2つの光ビームを示している。
図13A及び
図13Bは、2つの光ビームが荷重のない状態及び荷重がある状態において傾斜ボア180、182をどのように通過するかを示している。特に、傾斜ボア180、182を通過する光ビームは楕円として光反応型トランスデューサ158に当たる。
【0061】
各光ビームの動きの最大範囲について(6つ全ての自由度について)、各光ビームが光反応型トランスデューサ158上でセクタS(又は窓)に分かれるものとなるように、製造時にコリメータ156は光反応型トランスデューサ158に対して配置される。その結果、各セクタS内のピクセルは、別々に電子的に処理されて、光反応型トランスデューサ158における光ビームの重心の位置が決定される。例えば、別個のセクタS1〜S4において光反応型トランスデューサ158に当たる垂直ボア172、174、176、178からの、
図11Aに示す光ビーム172B、174B、176B、178Bと、別個のセクタS5〜S6において光反応型トランスデューサ158に当たる傾斜ボア180、182からの光ビーム180B、182Bとを参照されたい。力・トルクセンサ組立体52の変位の全範囲について、光ビームのそれぞれは、対応するセクタS1〜S6内に完全に留まるようになっている。
【0062】
光反応型トランスデューサ158は、各セクタS1〜S6内の各ピクセルから出された信号をマニピュレータコントローラ48に連続的に出力する。各ピクセルは、光反応型トランスデューサ158において特定の行及び列の位置を有する。マニピュレータコントローラ48が受信する信号は、その位置のピクセルに当たる光の量に比例する。図示の実施形態を理解するために、
図14A及び
図14Bの左下のピクセルを、行位置及び列位置が(0,0)のピクセル188であるとする。
【0063】
上記で述べたように、各光ビームは、各セクタS1〜S6内のピクセルクラスタに当たる。したがって、コントローラ48は、光反応型トランスデューサ145から、ピクセルの6つの組を含む画像を構成する信号を受信する。各組は、光にさらされた複数のピクセルからの出力信号を含む。ピクセルのこれらの組のそれぞれについて、コントローラ48は、光ビームの重心を決定する。
【0064】
図15、
図15A、
図15Bに示すように、重心は、従来の処理手法を使用して各組内の信号強度を処理することによって決定することができる。例えば、垂直ボア172、174、176、178を通過する
図15に示す光ビーム172B、174B、176B、178Bは、ピクセルの別々のクラスタに当たる。これらのクラスタは、各セクタにおいて、ピクセルの全ての列及びピクセルの全ての行に沿って、セクタS1〜S4に関連するピクセルの各組について信号強度を加算し、列及び行に沿ってピーク信号強度を特定して、x、y座標において重心を特定することにより処理される。ピーク信号強度は、特定のピクセル位置に関連付けることができるが、加算した出力信号値の補間又は他の処理の結果、単一ピクセルの物理的位置に必ずしも制限されない、列及び行に沿うピーク信号強度の位置がもたらされる場合がある。
図15A及び
図15Bにおけるこの処理の例を参照されたい。
【0065】
コントローラ48は、光反応型トランスデューサ158のxy座標系における重心の位置を、光ビームが当てられるセンサ上の位置となるように割り当てる。コントローラ48は、上記処理を、光ビーム及びセンサごとに1回ずつ、6回実施する。このプロセスは、力・トルクセンサ組立体52の動作の各フレームにおいて繰り返される。したがって、コリメータ156が4つの垂直ボア172、174、176、178及び2つの傾斜ボア180、182を有する実施形態では、動作の各フレームについて、12個のx、y座標が提供される。全てのピクセルについての信号の完全な組が出力される最小周波数は1Hzである。幾つかの実施形態では、全てのピクセルについての信号の完全な組が出力される周波数は、10Hz以上である。信号の各組は、単一時間フレームの終了時の光ビームの位置を示すとみなすことができる。
【0066】
他の実施形態では、適切な入力情報を提供して、力及びトルクを決定するために、より少ない数の座標が必要となることが示される。例えば、
図16に示す光ビームを参照されたい。ここで、2つの垂直ボア216、218を通る2つの光ビームだけが、2つの傾斜ボア180、182を通る2つの光ビームとともに示されている。この場合、8つの座標x1、y1、x2、y2、x3、y3、x4、y4が、光ビームの重心に基づいてコントローラ48により計算される。やはり、これらの座標のうちの6つだけが、力及びトルクを求めるために必要となる。これらの座標は、x1、y2、x3、y3、x4、y4を含む。
【0067】
これらの座標x1、y2、x3、y3、x4、y4の選択についての基礎は、異なる力・トルク条件のそれぞれの条件の下で、例えば、決定される6つの力・トルクのそれぞれについて光ビームがどのようにシフトするかを理解することに基づいている。これらのシフトを
図16に示している。
【0068】
図16に示しているように、力F
xがx軸に沿って加えられると、光ビームのそれぞれは、x軸に沿って等しくシフトする。したがって、F
xは、x1とx3とx4との少なくとも1つのシフト等により、光ビームのx座標のうちの1つの座標におけるシフトに関係付けることができる。同様に、力F
yがy軸に沿って加えられると、光ビームのそれぞれは、y軸に沿って等しくシフトする。したがって、F
yは、y2とy3とy4との少なくとも1つのシフト等により、光ビームのy座標のうちの1つの座標におけるシフトに関係付けることができる。
【0069】
力F
zがz軸に沿って加えられると、傾斜ボア180、182の傾斜した性質は、光反応型トランスデューサ158における光ビームの位置の変化をもたらす一方で、垂直ボア216、218を通る光ビームは、不変のままである(例えば、重心は不変であるが、光ビームによって影響を受けるピクセルクラスタの小さな変化が存在する場合がある)。これは、力F
zが加わるときのz軸における光反応型トランスデューサ158に向かうか又はそこから離れるコリメータ156の変位の結果である。この変位により、光反応型トランスデューサ158における2つの傾斜光ビーム間の距離が変化する。
図13Aでは、この距離を距離ZADJとして示している。距離の値ZADJ
Uは、スカラであり、無荷重状態における距離を示すものとして、力・トルクセンサ組立体52の動作全体にわたって一定である。
図13Bでは、ZADJ
Eは、荷重のある状態において距離がどのように変化するかを示している。したがって、傾斜ボア180、182がその光ビームを中心に向かってx軸に沿って半径方向内側に向けるため、F
zは、
図16に示すように、x1及びx3のシフト等によって傾斜ボアを通した光ビームのx軸座標のシフトに関係付けることができる。
【0070】
トルクT
xがx軸の回りに加えられ、x軸の回りのコリメータ156の旋回を引起すとき、光ビームのそれぞれがy軸に沿ってシフトするが、全てが等しくシフトするわけではない。
図16に示すように、トルクT
xが加わると、垂直ボア216からの光ビームのy軸に沿ったシフトは、垂直ボア218からのy軸に沿ったシフトよりも小さい。傾斜ボア180、182からの光ビームのy軸に沿うシフトは、その中間のいずれかに入る。x軸の回りのコリメータ156の旋回は、コリメータ156の半分が光反応型トランスデューサ158の近くに移動するようにし、他方の半分は、光反応型トランスデューサ158から離れ、それにより、異なったシフト距離をもたらす。結果として、T
xは、y2とy3とy4との少なくとも1つにおけるシフト等により、光ビームのy座標におけるシフトに関係付けることができる。
【0071】
同様に、トルクT
yがy軸の回りに加えられ、y軸の回りのコリメータ156の旋回を引起すとき、光ビームのそれぞれは、x軸に沿ってシフトするが、全てが等しくシフトするわけではない。
図16に示すように、トルクT
yが加わると、傾斜ボア180からの光ビームのx軸に沿ったシフトは、傾斜ボア182からのx軸に沿ったシフトよりも小さい。垂直ボア216、218からの光ビームのx軸に沿ったシフトは、その中間のいずれかに入る。y軸の回りのコリメータ156の旋回は、コリメータ156の半分が光反応型トランスデューサ158の近くに移動するようにし、他方の半分は、光反応型トランスデューサ158から離れ、それにより、異なったシフト距離をもたらす。結果として、T
yは、x1とx3とx4との少なくとも1つにおけるシフト等により、光ビームのx座標におけるシフトに関係付けることができる。
【0072】
トルクT
zがz軸の回りに加えられ、z軸の回りのコリメータ156の旋回を引起すとき、光ビームのそれぞれは、時計方向又は反時計方向に等しくシフトする。結果として、T
zは、任意の2つの重心の間のラインの傾斜のシフトに関係付けることができる。そのため、例えば、T
zは、x3、y3とx4、y4とを含む光ビームの任意の対のx、y座標に関係付けることができる。
【0073】
最終的に、コントローラ48は、光ビームの重心の変位に関連するこれらの6つの座標、例えばx1、y2、x3、y3、x4、y4に基づいて、力・トルクセンサ組立体52に加わる3つの力F
x、F
y、F
z及び3つのトルクT
x、T
y、T
zを計算することができる。力及びトルクの計算は、多重線形回帰モデル及び力・トルクセンサ組立体52の従来の較正に依存している。
【0074】
力・トルクセンサ組立体52の較正は、既知の力及びトルクの組を力・トルクセンサ組立体52に適用することを含む。これは、加わる各力及びトルクについて6つの座標x1、y2、x3、y3、x4、y4のそれぞれについて値を収集することを含み、それが、F
x、F
y、F
z、T
x、T
y、T
zのそれぞれについて複数のデータセットをもたらす。その後、力・トルク出力のデータアレイを、各軸について生成することができる。ここで、解を制限するために直交軸における出力はゼロとされる。その後、多重線形回帰が計算され、最小2乗法を使用して、特定の軸のA値の行について解く。例えば、Ax=(X
TX)
−1X
TF
Xである。この計算は、力及びトルクが全部で6つの値をもたらすために3つ全ての軸について行われる。力・トルクセンサ組立体52が較正されると、以下の較正行列を用いて、力及びトルクを計算することができる(ただし、oは小さなオフセット項である)。
【数1】
【0075】
こうして、コントローラ48は、線形代数及び重心の値を使用して力・トルクセンサ組立体52に加わる3つの力F
x、F
y、F
z及び3つのトルクT
x、T
y、T
zを決定することができる。これらの力及びトルクの値は、その後、マニピュレータコントローラ48と一体の他のモジュールに送られる。これらの他のモジュールは、力及びトルクのデータを使用して、マニピュレータ30の動作を制御する。
【0076】
[IV.複数ステージにおける分解能]
力・トルクセンサ組立体52は、
図5Aに示したように、単一変換器における感度の2つのステージを提供する。感度は、力・トルクデータの機械的測定の分解能として定められる。例えば、一実施形態では、第1のステージにおいては、0パウンドから5パウンドの最小範囲及び最大範囲により力を捉え、最大上限範囲は、10パウンドを超えない範囲である。第2のステージにおいては、5パウンドから50パウンドの最小範囲及び最大範囲により力を捉え、上限最大範囲は100パウンドを超えない範囲である。
【0077】
各ばねデバイス102は、ダイバータプレート56において、器具32に加わる力及びトルクの少なくとも一方を決定するため2つのレベルの感度を達成できるサイズに作られ、そして構成されている。それにより、力・トルクの測定における様々な分解能が提供される。
【0078】
一実施形態では、比較的小さな力及びトルクが力・トルクセンサ組立体52に加わると、最初に、ばね変位の第1のステージにおいて撓むのは、板ばね構成要素すなわちフット部118である。折り重ね部114は撓まない。板ばね106の撓みは、力・トルクセンサ組立体52に加わる複合的な力及びトルクの大きさに線形に比例し、したがって、
図5Aに示すように、力・トルクセンサ組立体52の感度の第1のステージが提供される。
【0079】
加わる力及びトルクの大きさが第1のステージの最大値に達すると、フット部118の少なくとも1つの対は、フット部118が隣接するフラット98に当接する程度にまで外方に撓むため、更なる撓みが防止され、それにより、ばね変位の第1のステージが終了する。更に大きな力及びトルクの印加は、ばね変位の第2のステージにおいて蛇行ばね104の撓みをもたらす。この事象が起こると、ばね胴部110のうちの1つ又は2つが、(複数の)他の胴部110が圧縮状態にある間に、拡張する、すなわち引っ張られた状態となることが認識されるべきである。ばね装置の構造に起因して、これらのばねの拡張及び圧縮は、ここでもまた、力・トルクセンサ組立体52に加わる複合的な力及びトルクの大きさに線形に比例し、したがって、
図5Aに示した、力・トルクセンサ組立体52の感度の第2のステージが提供される。
【0080】
感度の第1のステージ及び第2のステージが、ばね定数の異なる蛇行ばね104及び板ばね106に関連することが認識されるべきである。幾つかの実施形態では、蛇行ばね104が感度の第1のステージを提供する一方で、板ばね106が感度の第2のステージを提供できるように、すなわち、蛇行ばね104又は板ばね106のどちらがより大きなばね定数を持つかを切換えることにより、板ばね106を構成することができる。こうした実施形態では、ピン120の全てが蛇行ばね104の要素間に完全に挟まれるように1つの胴部110が圧縮されるとき、蛇行ばね104の更なる撓みが止まり、それにより、蛇行ばね104の変位の第1のステージが終了する。その後、関連する板ばね106が変位の第2のステージにおいて圧縮され、ついには、枝部78の1つ又は複数が、枝部用スロット94において最も低い位置となって、更なる変位が止まる。
【0081】
上記で論じたように、マニピュレータコントローラ48は、力・トルクセンサ組立体52によって生成される力及びトルクを利用して、アクチュエータ46、したがって器具32の動きを制御する。これらの2つの異なる分解能の力・トルクの測定値は、種々の目的のためにマニピュレータコントローラ48によって利用することができる。
【0082】
[V.組立て]
力・トルクセンサ組立体52は、ピン120の第2ピンをピン溝136内に配置させることによって最初に組立てられる。ピンハウジングベース122は、その後、胴部110がベース溝134内に配置されるように位置決めされる。次に、隣接して位置することになるピン120が配置される。その後、キャップ124がピンハウジングベース122上に置かれて、ピン120が所定の位置に固定される。側壁130は、隣接するピン120の端及びピンハウジングベース122の側部を覆って延びている。このプロセスは、ピンハウジング122により所定の位置に固定されるピン120に各蛇行ばね104が合うまで繰り返される。ピン120及び蛇行ばね104は、蛇行ばね104が静止している場合(すなわち、拡張又は収縮の前)において、ピン120が更なるばねの作動を止める前に蛇行ばね104が撓むことのできる間隔が存在するようなサイズに作られる。
【0083】
ピン120がピンハウジング122内に配置されると、コリメータ156及び光パイプ160が、ダイバータプレート56の内側ハブ70内に配置される。コリメータ156は、段部84上に最初に配置される。次に、光パイプ160は、溝86内に配置される。光パイプ160は、光パイプ160のヘッド部166がコリメータ156から遠位側に離れて位置するものとなるように配置される。
【0084】
プリント回路基板184は、円形セクション140内に配置される。プリント回路基板184は、締結具(不図示)を使用して円形セクション140に取り付けられる。その後、電圧調節器186と光反応型トランスデューサ158と光源154とが、円形セクション140の遠位側の面に配置される。電圧調節器186及び光反応型トランスデューサ158は、円形セクション140において中心に位置する。光反応型トランスデューサ158は、電圧調節器186の遠位側の面に取付けられる。これらの構成要素がベースプレート58に固定されると、外側ハブ72がベースプレート58に締結され固定される。
【0085】
ダイバータプレート56がベースプレート58に固定されると、ヘッドプレート54が内側ハブ70に取付けられる。特に、ねじ込み式締結具は、第1の貫通ボア62及び相補的ハブ貫通ボア80を通して入る。これで、力・トルクセンサ組立体52の組立てが完了する。
【0086】
図3に示したように、力・トルクセンサ組立体52が組み立てられると、ベースプレート58がマニピュレータ30に取り付けられる。そして、取付プレート60がヘッドプレート54に固定され、器具32は器具マウント36上に取り付けられる。
【0087】
[VI.他の実施形態]
幾つかの実施形態では、力及びトルクを計算するための代替の方法において重心座標を利用することができる。しかし、基本原理は、同じままである。すなわち、荷重が器具32に加わるときの光反応型トランスデューサ158上での光ビームの重心の移動が、力・トルクセンサ組立体52に加わる力及びトルクの6つの成分に関連している。1つのこうした実施形態を以下に述べる。
【0088】
図17に示しているように、マニピュレータ30の初期化の一部として、マニピュレータコントローラ48と一体のメモリに、距離Rを定めたデータを提供される。距離Rは、力・トルクセンサ組立体52の中心Cからエネルギーアプリケータ50までの距離である。より具体的には、距離Rは、力・トルクセンサ組立体52の中心Cから、器具32の任意のツール又は切除アクセサリの遠位端先端までの距離である。ここで、遠位端先端は、エネルギーアプリケータ50のバーであると理解される。バーの場合、距離Rは、力・トルクセンサ組立体52の中心Cからバーの重心51までの距離である。距離Rは、ナビゲーションポインタ(不図示)を使用して決定することができる。ナビゲーションポインタの位置及び向きは、ナビゲーションシステム220によって追跡される。
【0089】
マニピュレータコントローラ48は、距離Rを、そのx、y、及びz軸成分に、それぞれ、距離r
x、r
y、及びr
zに分解する。これらの距離成分はメモリに記憶される。上記プロセスは、センサ初期状態データを提供し、それをメモリに記憶するステップ、すなわち
図18Aのステップ260の一部であるとみなすことができる。
【0090】
力・トルクセンサ組立体52が無荷重状態にあるとき、垂直ボア172、174、176、178を通って放出される光ビームの重心の場所は、
図14Aにおいて、それぞれ点190、192、194、196として示している。簡単にするために、傾斜ボア180、182を通過する光ビームに関連する点は、
図14Aにも
図14Bにも示していない。
【0091】
図18Aのステップ262において、コントローラ48は、垂直ボア172、174、176、178を通過した各光ビームの、無荷重状態におけるセンサ上の位置を決定する。これらの位置のそれぞれは、位置
【数2】
として定められる。本明細書全体において、上付き文字「U」は変数の無荷重位置を示している。そして、下付き文字「m」は、4つの光ビームのうちのどの1つの光ビームが指定されるかを特定するものである。
【0092】
また、ステップ262において、コントローラ48は、力・トルクセンサ組立体52が無荷重状態にあるときに、個々の傾斜ボア180、182を通過した光ビームのセンサ上の位置を決定する。これらの位置は、傾斜ボア180、182を通る光ビームの重心の位置
【数3】
である。下付き文字「p」は、2つの光ビームのうちのいずれの一方の光ビームが指定されるかを特定するものである。
【0093】
図18Aのステップ264において、コントローラ48は、2つの傾斜光ビーム間のセンサ上の位置間の距離、すなわち
【数4】
という2点間の距離を計算する。
図13Aに示したこの距離は、距離ZADJ
Uとして示されている。
【0094】
コントローラ48は、各光ビームの重心(最初の重心)の位置に基づいて各光ビームに最初のフレーム開始位置を割当てる。各光ビームについて、これは、位置
【数5】
である。ここで、上付き文字「S」は時間フレーム開始位置を示す。第1の時間フレームについて、各ビームのフレーム開始位置は、無荷重状態における光ビームのセンサ上の位置に設定される。換言すれば、
【数6】
及び
【数7】
である。
【0095】
ステップ266において、マニピュレータコントローラ48は、垂直ボア172、174、176、178を通る光ビームのうちの2つの光ビームの重心位置間のラインの傾斜を計算する。多くの場合、コントローラ48は、ビームの重心位置間に延びる2つのラインの傾斜を決定する。そのため、コントローラ48は、
図14Aにおいてライン198及び200の傾斜を決定する。ライン198は、垂直ボア172及び178を通る光ビームの重心を特定する点190と196との間のラインである。ライン200は、垂直ボア174及び174を通る光ビームの重心を特定する点192と194との間のラインである。任意ではあるが、傾斜
【数8】
は、ライン198の傾斜角度である。傾斜
【数9】
は、ライン200の傾斜角度である。傾斜は、
図14Aにおいて点190から点196までの、x/yの変化に基づく垂直距離/水平距離(rise/run)として定義される。
【0096】
光反応型トランスデューサ158からの信号に基づいて、コントローラ48は、ステップ268において、光ビームのセンサ上のフレーム終了位置、例えば最後の重心位置を決定する。上記で述べたように、力・トルクセンサ組立体52が荷重が加えられた状態にある場合、コリメータ156は、無荷重状態のときに対してシフトした位置にある。その理由は、内側ハブ70のシフトが、コリメータ156の位置の同様なシフトをもたらすからである。これは、コリメータ156を通過した光ビームが、力・トルクセンサ組立体52が無荷重状態にあるときに比べて光反応型トランスデューサ158上の異なった位置に当たることを意味する。
【0097】
図14Bにおいて、点202は、点190からの第1ビームの重心のシフトを示している。点204は、点192の位置からの第2ビームの重心のシフトを示している。点206は、点194の位置からの第3ビームの重心のシフトを示している。点208は、点196の位置からの第4ビームの重心のシフトを示している。
【0098】
ステップ268は、ステップ262を行うために使用されたものと同じプロセスを使用して行われる。したがって、ステップ268の実行の結果として、コントローラ48は、垂直ボア172、174、176、178に関連する4つの光ビームのそれぞれについて位置データ(
【数10】
)を有する。本明細書では、上付き文字「E」は1つ又は複数の光ビームに関連するフレーム終了における位置データすなわち変数を示す。
【0099】
コリメータ156が位置をシフトした結果として、傾斜ボア180、182を通過する光ビームのセンサ上の位置もシフトする。これらの位置の変化は、
図13Aと
図13Bとの差分によって表される。したがって、ステップ268の一部として、光反応型トランスデューサ158からのフレーム終了信号に基づいて、コントローラ48は、傾斜ボア180、182のそれぞれを通過した光ビームの、センサ上のフレーム終了位置を決定する。これらの重心位置のそれぞれは、点
【数11】
である。
【0100】
ステップ270において、コントローラ48は、新たな荷重状態における距離の値ZADJ
Eを決定する。ステップ270は、ステップ264を実施するために使用されたものと同じプロセスを使用して実施される。
図13Bに示しているように、距離ZADJ
Eは、傾斜ボア180、182を通過した光ビームのセンサ上の位置間の距離である。一定であるZADJ
Uとは異なり、距離の値ZADJ
Eは、力・トルクセンサ組立体52の動作全体にわたって変化し得る。
【0101】
その後、ステップ272において、コントローラ48は、ラインの新たな傾斜を計算する。
図14Bに示しているように、これは、ライン210の傾斜及びライン198のシフトした方向と、ライン212の傾斜及びライン200のシフトした方向とが計算されることを意味する。任意ではあるが、傾斜
【数12】
はライン210の傾斜角度である。傾斜
【数13】
はライン212の傾斜角度である。
【0102】
ステップ278において、マニピュレータコントローラ48は、傾斜ボア180、182の一方を通る光ビームのセンサ上の位置の差分を計算する。光ビームについてのこれらの差分XSUP
p及びYSUP
pは、光ビームの無荷重状態における位置とフレーム終了における位置との間の、光反応型トランスデューサ158上の傾斜ボア180、182の一方を通る光ビームの重心の位置のx及びy軸に沿ったシフトである。差XSUP
p及びYSUP
pは、以下の式に従って計算される。
【数14】
【0103】
ステップ280において、マニピュレータコントローラ48は、垂直ボア172、174、176、178を通過した光ビームのシフト量を示す差分の第2の組を計算する。これらは、センサ上のフレーム開始位置とセンサ上のフレーム終了位置との間の光ビームの位置(すなわち、重心の位置)の差分である。これらの差分は、x軸に沿ったフレーム位置シフトの場合のXSFRであり、また、y軸に沿ったフレーム位置シフトの場合のYSFRである。これらの差分は、以下の式に従って計算される。
【数15】
【0104】
ここでもまた、センサ動作の第1フレームについて、無荷重状態におけるセンサ上の位置
【数16】
が、式(5)及び式(6)における被減数としてそれぞれ用いられる。
【0105】
ステップ280のシフトした位置の計算の更なる一部分は、垂直ボア172、174、176、178のうちの2つの垂直ボアを通る光ビームのセンサ上の位置間に延びるラインのうちの少なくとも1つのラインの傾斜の変化の計算である。このシフト量SSFRは、無単位(unit less)であり、以下の式に従って計算される。
【数17】
【0106】
下付き文字「n」は、2つのラインのうちのいずれが角度のシフトに関連するかを特定するものである。
図14A及び
図14Bに示すように、ライン198及び200の傾斜はライン210及び212の傾斜にそれぞれシフトしている。
【0107】
角度デルタシータ(Δθ)は、開始フレームから終了フレームまでに測定されるラインのうちの少なくとも1つのラインの傾斜間において測定される角度シフトである。角度デルタシータは、度を単位として測定される。
【数18】
【0108】
コントローラ48は、傾斜ボア180、182を通る光ビームの重心の位置シフトについて位置の差分XSUP
p、YSUP
pを計算する。位置の差分XSFR
m及びYSFR
mは、垂直ボア172、174、176、178を通る光ビームの重心の位置のシフトについて計算される。同様に、傾斜SSFR
nの変化が計算される。力・トルクセンサ組立体52の1つの構成では、4つの光ビームがコリメータ156を通過して光反応型トランスデューサ158に達する。具体的には、これらの4つの光ビームは、両傾斜ボア180、182と、対向したボア172及び178の組又はボア174及び176の組のいずれかからなる1つのペアとによって定められるビームである。
【0109】
マニピュレータコントローラ48は、ビーム位置の上記差分と、ビーム位置間距離ZADJと、ビーム位置間の傾斜のシフトとに基づいて、力・トルクセンサ組立体52に加わる力及びトルクを決定する。
【0110】
一実施形態では、ステップ282に示すように、差分XSFR
m及びYSFR
m並びに角度差分SSFR
nに基づいて、コントローラは、力・トルクセンサ組立体52に加わるトルクT
x、T
y、及びTzをまず決定する。これらの3つの差分は、力・トルクセンサ組立体52に加わるトルクの関数である。より具体的には、上記で述べたように、T
xは、y軸に沿った光ビームの重心のシフトに関連し、そのシフト量がYSFR
mによって表されることを示した。T
yは、x軸に沿った光ビームの重心のシフトに関連し、そのシフト量はXSFR
mによって表される。T
zは、角度差分SSFR
nに関連している。
【0111】
コントローラ48は、コントローラがアクセスできるトルクルックアップテーブルへの入力値としてこれらの一組の差分を用いることによってステップ282を行う。これらの3つの差分の組み合わせのそれぞれは、テーブルに記憶されているトルクT
x、T
y、及びTzの組み合わせに対応する。トルクはまた、多重線形回帰モデルに基づいて、上述した線形代数の方法を用いて決定することができる。その後、ルックアップテーブル又は多重線形回帰モデルによるトルクを使用して、器具32に加わる力を計算する。より具体的には、器具32に加わる力は、よく知られている関係T=F*r*sinθに基づいて決定される。その後、これらの力は、力・トルクセンサ組立体52の座標系に変換することができる。その理由は、器具32が、力・トルクセンサ組立体52の内側ハブ70と同じ剛体の一部であるとみなされるからである。力とトルクとの関係は、器具32の構成と力・トルクセンサ組立体52に対する器具32の空間的関係とが与えられている場合において、x、y、又はz軸に沿って力が加わると、力・トルクセンサ組立体52においてトルクが常に生まれるようなものである。一実施形態における力の計算のサンプルを以下に示す。
【0112】
ステップ284において、コントローラ48は、まず力F
zを計算する。力F
zは、トルクT
zと、力・トルクセンサ組立体52に対する器具32の位置と、デルタ角度シータとの関数として決定される。
【数19】
【0113】
ここで、距離r
zはベクトル
【数20】
のz軸成分である。デルタ角度シータ(Δθ)は、上記で述べたように、少なくとも1つの測定対象のラインについて測定された角度シフトである。デルタ角度シータは、式(8)により決定される。
【0114】
ステップ288において、力F
xが計算される。この力は、角度Ψ
xすなわちx軸コリメータ振れ角をまず計算することによって決定される。振れ角Ψ
xは、力・トルクセンサ組立体52が無荷重状態にあるときからフレーム終了状態までの、コリメータ156のx軸回りの角度回転である。これは、y−z平面におけるx軸の回転である。ステップ286において、振れ角Ψ
xは、以下の式に従って決定される。
【数21】
【0115】
実質的にz軸に沿ったコリメータ156のシフトに起因して、ZADJ
Eは、力・トルクセンサ組立体52の動作の全てのフレームの後に測定される変数である。振れ角Ψ
xが計算されると、ステップ288において、力F
zが以下の式に従って計算される。
【数22】
【0116】
ステップ292において、力F
yが計算される。この力は、角度Ψ
y、すなわち、y軸コリメータ振れ角をまず求めることによって決定される。振れ角Ψ
yは、力・トルクセンサ組立体52が無荷重状態にあるときからフレーム終了状態までの、コリメータ156のy軸回りの角度回転である。これは、x−z平面におけるy軸の回転である。ステップ290において、振れ角Ψ
yは、以下の式に従って決定される。
【数23】
【0117】
ZADJ
Eは、ステップ286においてコントローラ124によって決定されるものと同じ値である。ここで、YSUP
pは、無荷重位置とフレーム終了位置との間における、光反応型トランスデューサ158上の単一傾斜ボア180、182を通る光ビームの位置のy軸に沿ったシフトである。Ψ
yが計算されると、力F
yは、以下の式に従って決定される。
【数24】
【0118】
そして、ステップ292の実行時点で、コントローラ124は、力・トルクセンサ組立体52に加わる3つのトルクT
x、T
y、T
z及び3つの力F
x、F
y、F
zという6つの変数を決定している。その後、力及びトルクのデータは、マニピュレータコントローラ48と一体の別のモジュールに送られる。このステップは示されていない。これらの他のモジュールは、力及びトルクのデータを使用して、マニピュレータ30の動きを調節する。
【0119】
続いて、ステップ300において、コントローラ48は、次の時間フレームにおけるフレーム開始時点の光ビーム位置を定める。これらは、垂直ボア172、174、176、178の2つの垂直ボアを通る光ビームについてのフレーム開始位置XSUP、YSUPである。ステップ300において、現在のフレームについての各垂直ボアの光ビームの、フレーム終了におけるセンサ上の光ビーム位置(STRX,STRY)は、次のフレームについての新たなフレーム開始における位置(STRX,STRY)となる。
【0120】
ステップ302において、フレーム終了におけるビーム間傾斜は、次のフレームのフレーム開始におけるビーム間傾斜を定めるものとして設定される。その後、コントローラ48は、ステップ268の再実行に進み、次のフレーム、今となっては現在のフレームについてフレーム終了における光ビーム位置を決定する。ステップ268が再実行されると、ステップ268に続くステップも再び実行される。このようにして、コントローラ48は、力・トルクセンサ組立体に加わる力及びトルクを本質的にリアルタイムに表すデータを連続して出力する。
【0121】
幾つかの実施形態では、各フレームについての、荷重状態における垂直ボア172、174、176、178及び傾斜ボア180、182の光ビームの位置を、最後の時間フレームの終了時のそれらの位置と比較するのではなく、無荷重状態におけるそれらの位置と比較して、力及びトルクを決定する。そのため、各計算における光ビームのフレーム開始時点の位置は、無荷重状態における光ビームの位置であり、動作中の力及びトルクの全ての決定は、各時間フレームにおいて加わる増分的な力及びトルクを測定するのではなく、無荷重状態に基づいて考え、無荷重状態を基準として加わる全ての力及びトルクが決定される。
【0122】
他の実施形態では、トルクセンサ組立体が設けられ、差分XSFR
m及びYSFR
m並びに角度差分SSFR
nに基づいて、コントローラは、トルクセンサ組立体に加わるトルクT
x、T
y、及びTzを決定するだけである。トルクセンサ組立体は、力・トルクセンサ組立体52と同じ特徴を有し、唯一の違いはトルクのみが測定されるということである。
【0123】
図20及び
図21は、傾斜ボア180A、182Aの複数の組み合わせを有する代替的なコリメータ156Aを示している。
【0124】
図22〜
図24は、ダイバータプレート56の代替的な実施形態を示している。これらの代替的なダイバータプレートは、異なったばね装置を有するが、ダイバータプレート56と実質的に同じである。例えば、
図22では、蛇行ばね104Aは、90度回転している。結果として、内側ハブ70Aは、3つの蛇行ばね104A及び3つの板ばね106Aを備えた3つのばねデバイス102Aによって外側ハブ72Aに対し移動可能に接続されている。また、ピン120Aは、蛇行ばね104A用の停止部として働くように位置決めされている。
【0125】
図23には、板ばね106と同様の板ばね106Bを有する3つのばねデバイス120Bを示している。しかし、蛇行ばね104は、シリンダ状(cylindrical)中空弾性部材に置き換えられている。このシリンダ状中空弾性部材は、該シリンダ状中空弾性部材の停止部として働く細長いピン120Bを囲んでいる。この実施形態では、ばね変位の第1のステージは、シリンダ状中空弾性部材をピン120Bに当てて圧縮することである。これで第1のステージが終了し、その後、第2のステージが、板ばね106Cを撓ませることによって続く。そのため、板ばね106Cは、第1ステージが完了するまで、実質的に撓むことが防止されるばね定数を有するように構成される。
【0126】
図24には、板ばね106と同様の板ばね106Cを備えた3つのばねデバイス102Cを示している。しかし、蛇行ばね104は、直列に配列された2つのシリンダ状中空弾性部材に置き換えられている。細長いピン120Cは、これらのシリンダ状中空弾性部材用の停止部として働く。
【0127】
幾つかの実施形態では、開示されたダイバータプレート以外の構造部材は、変換器として機能することができ、力及びトルクの印加に応じて、放出された光を、光反応型トランスデューサ158に向かうよう選択的に方向付ける。換言すれば、内側ハブ70以外の構造センサ部材は、ベースプレート58に対して移動し、放出された光を、光反応型トランスデューサ158に向かうように選択的に方向付けることができる。
【0128】
枝部78は、2つ以下又は4つ以上とすることができる。他の形態では、枝部78は、力・トルクセンサ組立体52内での内側ハブ70の不必要な撓みを阻止する寸法に作ることができる。
【0129】
幾つかの実施形態では、力・トルクセンサ組立体52はマニピュレータ30の一部である。他の実施形態では、力・トルクセンサ組立体52は、マニピュレータ30と器具32との間で働く別個の組立体である。
【0130】
幾つかの実施形態では、外側ハブ72は、リンケージ組立体40の遠位端構成要素138に直接固定され、力・トルクセンサ組立体用のベースプレートとして働く。この実施形態では、光反応型トランスデューサ158は、リンケージ組立体40の遠位端構成要素138内のポケット内に後退させることができる。
【0131】
幾つかの実施形態では、コリメータの形状は正方形である。これらの実施形態では、内側ハブボア80は、正方形状コリメータが内側ハブ内に位置することができるように正方形状であるように構成される。
【0132】
幾つかの実施形態では、ピン120に対する折り重ね部114の当接は、プリーツ116の可塑変形を防止する。その結果、力及びトルクの少なくとも一方が除かれ、その後、新たな力及びトルクの少なくとも一方が加えられると、蛇行ばね104は、ばね変位の第1ステージ又は第2ステージにおいて加えられる力及びトルクの大きさに線形に関係した拡張又は収縮を再び受けることになる。
【0133】
幾つかの実施形態をこれまでに説明した。しかし、本明細書における実施形態は、網羅的であることを意図しておらず、本発明を任意の特定の形態に限定することを意図しているわけでもない。用いられている用語は、限定的なものではなく、説明のための用語としての性質にあることを意図している。上記教示を考慮して多くの変更及び変形が可能であり、本発明は、具体的に述べたもの以外の方法で実施することができる。
なお、特願2016−500739の出願当初の特許請求の範囲は以下の通りである。
[請求項1]
ベースプレートと、
前記ベースプレートに対して変位可能なセンサ部材と、
前記ベースプレートに対する前記センサ部材の変位に応じた第1のステージ及び第2のステージを有するばね装置であって、前記第1のステージ及び前記第2のステージに、力及びトルク測定の別々の分解能が関連付けられている、ばね装置と、
前記ベースプレートに対する前記センサ部材の変位を検出し、対応する出力信号を生成する光反応型トランスデューサと
を備えたセンサ組立体。
[請求項2]
前記ばね装置は、
前記ベースプレートに対する前記センサ部材の変位に反応する複数の第1ばねであって、該第1ばねの各々は、前記第1のステージにおいて変位可能であって第1ばね定数を有する、複数の第1ばねと、
前記ベースプレートに対する前記センサ部材の変位に反応する複数の第2ばねであって、該第2ばねの各々は、前記第2のステージにおいて変位可能であって、前記第1ばね定数とは異なる第2ばね定数を有する、複数の第2ばねと
を有している、請求項1に記載のセンサ組立体。
[請求項3]
前記第1ばねが板ばねである、請求項2に記載のセンサ組立体。
[請求項4]
前記第2ばねが蛇行ばねである、請求項3に記載のセンサ組立体。
[請求項5]
前記蛇行ばねの各々が、前記センサ部材に接続された第1端部と、1つの前記板ばねに接続された第2端部とを有している、請求項4に記載のセンサ組立体。
[請求項6]
前記蛇行ばねの各々がヘッド部と胴部とレッグ部とを有している、請求項4に記載のセンサ組立体。
[請求項7]
前記胴部がU字状折り重ね部を有している、請求項6に記載のセンサ組立体。
[請求項8]
前記板ばねの各々が、前記蛇行ばねのレッグ部の1つから、相反する両方向に延びたフット部を有している、請求項7に記載のセンサ組立体。
[請求項9]
前記蛇行ばねと相互作用する複数のピンを備えた請求項7に記載のセンサ組立体。
[請求項10]
前記複数のピンは、前記ヘッド部と前記胴部との間に位置する第1のピンと、前記U字状折り重ね部内に位置する第2のピンと、前記胴部と前記レッグ部との間に位置する第3のピンとを含むものである、請求項9に記載のセンサ組立体。
[請求項11]
前記第1のピンと前記第2のピンと前記第3のピンとを所定位置に固定するピンハウジングを備えた請求項10に記載のセンサ組立体。
[請求項12]
前記ピンハウジングは、ピンハウジングベースと該ピンハウジングベースの上に位置するカバーとを有し、
前記第1のピンと前記第2のピンと前記第3のピンとが、前記カバーと前記ピンハウジングベースとの間に固定されている、請求項11に記載のセンサ組立体。
[請求項13]
前記ベースプレートに固定された外側ハブを備えた請求項1に記載のセンサ組立体。
[請求項14]
前記センサ部材は内側ハブとして更に形成されており、
前記ばね装置は、前記内側ハブと前記外側ハブとの間で動くものである、請求項13に記載のセンサ組立体。
[請求項15]
前記内側ハブに固定されたヘッドプレートを備え、該ヘッドプレートは器具に接続されるものであり、前記ベースプレートはリンケージ組立体に接続されるものである、請求項14に記載のセンサ組立体。
[請求項16]
前記内側ハブから半径方向外側に延びている複数の枝部を備えた請求項14に記載のセンサ組立体。
[請求項17]
前記外側ハブには、前記枝部を収容する複数のスロットが形成されており、前記スロットの各々は、当該スロットにおいて前記枝部が移動可能な寸法である、請求項16に記載のセンサ組立体。
[請求項18]
光源と、該光源から前記光反応型トランスデューサに光を向けるコリメータとを備えた請求項1に記載のセンサ組立体。
[請求項19]
ベースプレートと、
前記ベースプレートに対して変位可能なセンサ部材と、
複数のピクセルを有する光反応型トランスデューサと、
前記光反応型トランスデューサに対して複数の光ビームにより方向付けがなされる光を提供する光源であって、複数の前記光ビームが前記光反応型トランスデューサの別々のピクセルに当たり、前記光反応型トランスデューサが前記ベースプレートに対する前記センサ部材の変位を検出する、光源と
を備えたセンサ組立体。
[請求項20]
複数の前記光ビームを前記光反応型トランスデューサに向ける複数の開口部を有し、前記光反応型トランスデューサに対して移動可能なコリメータを備えた請求項19に記載のセンサ組立体。
[請求項21]
複数の前記開口部は、複数の貫通ボアとして更に形成されており、
複数の前記光ビームは、複数の前記貫通ボアを通過し、前記光反応型トランスデューサにおける前記ピクセルの別々のクラスタに当たる、請求項20に記載のセンサ組立体。
[請求項22]
複数の前記ピクセルは行及び列の形で配置されており、各ピクセルは、当該ピクセルに当たった光の量に比例する出力信号を生成するものである、請求項21に記載のセンサ組立体。
[請求項23]
前記光反応型トランスデューサと通信し、該光反応型トランスデューサに対する前記光ビームの移動に基づいて力及びトルクを決定するコントローラを備えた請求項21に記載のセンサ組立体。
[請求項24]
複数の前記貫通ボアは、前記コリメータの表面に対して鋭角をなすように形成された2つの傾斜ボアを含み、
複数の前記光ビームのうちの2つが前記傾斜ボアを通過し、
前記傾斜ボアを通過した前記光ビームの、前記光反応型トランスデューサにおける位置間の距離変化に基づいて、前記光反応型トランスデューサに垂直なz軸に沿った前記センサ部材の変位が検出される、請求項23に記載のセンサ組立体。
[請求項25]
複数の前記貫通ボアは、前記コリメータの表面に垂直に形成された垂直ボアを含み、複数の前記光ビームのうちの1つが前記垂直ボアを通過する、請求項23に記載のセンサ組立体。
[請求項26]
複数の前記貫通ボアは、前記コリメータの表面に対して鋭角をなすように形成された2つの傾斜ボアを更に含み、複数の前記光ビームのうちの2つが前記傾斜ボアを通過する、請求項25に記載のセンサ組立体。
[請求項27]
複数の前記貫通ボアは、前記コリメータの表面に垂直に形成された4つの垂直ボアと、前記コリメータの表面に鋭角をなすように形成された2つの傾斜ボアとを含み、複数の前記光ビームのうちの6つが前記垂直ボア及び前記傾斜ボアを通過する、請求項23に記載のセンサ組立体。
[請求項28]
前記光反応型トランスデューサが前記ベースプレートに固定されている、請求項19に記載のセンサ組立体。
[請求項29]
前記コリメータが円板状である、請求項20に記載のセンサ組立体。
[請求項30]
複数のピクセルを有する光反応型トランスデューサを備えたセンサを使用して力及びトルクを評価する方法であって、
前記光反応型トランスデューサに複数の光ビームが向けられるように前記センサを動作させるステップと、
複数の前記光ビームの各々が前記光反応型トランスデューサ上で移動するように前記センサに荷重を加えるステップと、
加えられた前記荷重に応じて前記光ビームが移動した際に、前記光ビームに照らされたピクセルの位置の差分に基づいて力及びトルクを決定するステップと
を含む方法。
[請求項31]
前記光反応型トランスデューサに複数の前記光ビームが向けられるように前記センサを動作させるステップは、第1の光ビームが最初の第1ピクセルクラスタに当たり、第2の光ビームが最初の第2ピクセルクラスタに当たり、第3の光ビームが最初の第3ピクセルクラスタに当たり、第4の光ビームが最初の第4ピクセルクラスタに当たるように、前記センサを動作させるステップを含み、
前記光ビームは、時間フレームの開始時に最初のピクセルクラスタに当たるものである、請求項30に記載の方法。
[請求項32]
前記時間フレームの開始時に、複数の前記ピクセルのうちの各ピクセルに当たる光の量に比例する最初の出力信号を複数の前記ピクセルのうちの各ピクセルが生成し、前記最初の出力信号を解析して、複数の前記光ビームの各々の最初の重心を決定することによって、前記時間フレームの開始時に、前記第1の光ビームと前記第2の光ビームと前記第3の光ビームと前記第4の光ビームとの各々の、前記光反応型トランスデューサ上における最初の位置を決定するステップを含む請求項31に記載の方法。
[請求項33]
複数の前記光ビームの各々が前記光反応型トランスデューサ上で移動するように前記センサに荷重を加えるステップはさらに、前記第1の光ビームが前記最初の第1ピクセルクラスタから最後の第1ピクセルクラスタに移動し、前記第2の光ビームが前記最初の第2ピクセルクラスタから最後の第2ピクセルクラスタに移動し、前記第3の光ビームが前記最初の第3ピクセルクラスタから最後の第3ピクセルクラスタに移動し、前記第4の光ビームが前記最初の第4ピクセルクラスタから最後の第4ピクセルクラスタに移動するように、前記センサに荷重を加えるステップであり、
前記光ビームは、前記時間フレームの終了時に最後のピクセルクラスタに当たるものである、請求項32に記載の方法。
[請求項34]
前記時間フレームの終了時に、複数の前記ピクセルのうちの各ピクセルに当たる光の量に比例する最後の出力信号を複数の前記ピクセルのうちの各ピクセルが生成し、前記最後の出力信号を解析して、複数の前記光ビームの各々の最後の重心を決定することによって、前記時間フレームの終了時に、前記第1の光ビームと前記第2の光ビームと前記第3の光ビームと前記第4の光ビームとの各々の、前記光反応型トランスデューサ上における最後の位置を決定するステップを含む請求項33に記載の方法。
[請求項35]
前記光反応型トランスデューサに複数の前記光ビームが向けられるように前記センサを動作させるステップは、光源からの光が互いに間隔を置いて配置された複数の貫通ボアを通って方向付けがなされるように前記センサを動作させるステップを含むものである、請求項34に記載の方法。
[請求項36]
前記光源からの光が複数の前記貫通ボアを通って方向付けがなされるように前記センサを動作させるステップはさらに、前記光源からの光が、コリメータの表面に垂直に形成された少なくとも2つの垂直ボアと前記コリメータの表面に鋭角をなすように形成された2つの傾斜ボアとを通って方向付けがなされるように前記センサを動作させるステップであり、
前記第1の光ビームと前記第2の光ビームとは少なくとも2つの前記垂直ボアを通過し、前記第3の光ビームと前記第4の光ビームとは2つの前記傾斜ボアを通過するものである、請求項35に記載の方法。
[請求項37]
前記力及びトルクを決定するステップは、前記第1の光ビームの、前記光反応型トランスデューサ上における最初の位置と最後の位置との差分を計算するステップを含むものである、請求項36に記載の方法。
[請求項38]
前記力及びトルクを決定するステップは、
前記光反応型トランスデューサ上における、前記第1の光ビームの最初の位置と前記第2の光ビームの最初の位置との間のラインの最初の傾斜を計算するステップと、
前記光反応型トランスデューサ上における、前記第1の光ビームの最後の位置と前記第2の光ビームの最後の位置との間のラインの最後の傾斜を計算するステップと
を含むものである、請求項37に記載の方法。
[請求項39]
前記力及びトルクを決定するステップは、前記光反応型トランスデューサ上における、前記第3の光ビームの最初の位置と最後の位置との差分を計算するステップを含むものである、請求項38に記載の方法。
[請求項40]
前記力及びトルクを決定するステップは、
前記光反応型トランスデューサ上における、前記第3の光ビームの最初の位置と前記第4の光ビームの最初の位置との間の最初の距離を計算するステップと、
前記光反応型トランスデューサ上における、前記第3の光ビームの最後の位置と前記第4の光ビームの最後の位置との間の最後の距離を計算するステップと
を含むものである、請求項39に記載の方法。
[請求項41]
前記力及びトルクを決定するステップは、前記光反応型トランスデューサ上における前記第1の光ビームの最初の位置と最後の位置とについて計算された差分と、前記ラインの最初の傾斜から前記ラインの最後の傾斜までの変化とに基づいて、前記トルクを決定するステップを含むものである、請求項38に記載の方法。
[請求項42]
前記トルクを決定するステップは、前記光反応型トランスデューサ上における前記第1の光ビームの最初の位置と最後の位置とについて計算された差分と、前記ラインの最初の傾斜から前記ラインの最後の傾斜までの変化とに基づいて、x軸とy軸とz軸とに関する3つのトルクの組み合わせを特定するためにトルクルックアップテーブルにアクセスするステップを含むものである、請求項41に記載の方法。
[請求項43]
前記力を決定するステップは、前記x軸と前記y軸と前記z軸とに関して特定された3つのトルクの組み合わせに基づいて、前記x軸と前記y軸と前記z軸とに関する力を決定するステップを含むものである、請求項44に記載の方法。
[請求項44]
リンケージ組立体と、
前記リンケージ組立体に取り付けられた器具と、
前記器具と前記リンケージ組立体との間で動作するセンサ組立体であって、
ベースプレートと、
前記ベースプレートに対して変位可能なセンサ部材と、
前記ベースプレートに対する前記センサ部材の変位に応じた第1のステージ及び第2のステージを有するばね装置であって、前記第1のステージ及び前記第2のステージに、力及びトルク測定の別々の分解能が関連付けられている、ばね装置と、
前記ベースプレートに対する前記センサ部材の変位を検出し、対応する出力信号を生成する光反応型トランスデューサと
を備えたセンサ組立体と、
前記光反応型トランスデューサと通信し、前記出力信号を受信し、該出力信号に基づいて力及びトルクを決定するコントローラと
を備えたロボットシステム。
[請求項45]
リンケージ組立体と、
前記リンケージ組立体に取り付けられた器具と、
前記器具と前記リンケージ組立体との間で動作するセンサ組立体であって、
ベースプレートと、
前記ベースプレートに対して変位可能なセンサ部材と、
出力信号を生成する複数のピクセルを備えた光反応型トランスデューサと、
前記光反応型トランスデューサ上に複数の光ビームにより方向付けがなされる光を提供する光源であって、複数の前記光ビームが前記光反応型トランスデューサの別々のピクセルに当たって、前記ベースプレートに対する前記センサ部材の変位が検出される、光源と
を備えたセンサ組立体と、
前記光反応型トランスデューサと通信し、前記出力信号を受信し、該出力信号に基づいて力及びトルクを決定するコントローラと
を備えたロボットシステム。
[請求項46]
マニピュレータと該マニピュレータに接続された器具とを備えたロボットシステムにおいて力及びトルクを評価する方法であって、
複数のピクセルを有する光反応型トランスデューサを備えたセンサを設けるステップと、
前記光反応型トランスデューサ上に複数の光ビームが向けられるように前記センサを動作させるステップと、
複数の前記光ビームの各々が前記光反応型トランスデューサ上で移動するように前記器具に荷重を加えるステップと、
加えられた前記荷重に応じて前記光ビームが移動した際に、前記光ビームにより照らされたピクセルの位置の差分に基づいて力及びトルクを決定するステップと
を含む方法。