(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6329322
(24)【登録日】2018年4月27日
(45)【発行日】2018年5月23日
(54)【発明の名称】自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システム
(51)【国際特許分類】
F17C 13/00 20060101AFI20180514BHJP
F17C 13/02 20060101ALI20180514BHJP
F17C 13/12 20060101ALI20180514BHJP
B63J 2/12 20060101ALI20180514BHJP
B63B 25/16 20060101ALI20180514BHJP
B63B 25/00 20060101ALI20180514BHJP
B63B 25/02 20060101ALI20180514BHJP
B63J 99/00 20090101ALI20180514BHJP
【FI】
F17C13/00 302A
F17C13/02 302
F17C13/12 302Z
B63J2/12 B
B63B25/16 D
B63B25/00 101Z
B63B25/02 101Z
B63J99/00 A
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-527346(P2017-527346)
(86)(22)【出願日】2014年12月17日
(65)【公表番号】特表2017-536290(P2017-536290A)
(43)【公表日】2017年12月7日
(86)【国際出願番号】KR2014012441
(87)【国際公開番号】WO2016085027
(87)【国際公開日】20160602
【審査請求日】2017年5月19日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0167274
(32)【優先日】2014年11月27日
(33)【優先権主張国】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515356557
【氏名又は名称】コリア インスティテュート オブ オーシャン サイエンス アンド テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】カン,ヒジン
(72)【発明者】
【氏名】シン,ミョンス
(72)【発明者】
【氏名】キ,ミンソク
【審査官】
吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−265938(JP,A)
【文献】
特開2013−213587(JP,A)
【文献】
米国特許第4331129(US,A)
【文献】
特表2012−530010(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F17C 13/00
B63B 25/00
B63B 25/02
B63B 25/16
B63J 2/12
B63J 99/00
F17C 13/02
F17C 13/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天然ガスハイドレート(natural gas hydrate)を長距離運送する際に、天然ガスハイドレートタンクコンテナ(natural gas hydrate tank container)の内部の相平衡条件を維持するための冷凍機(refrigerator)に電力線を連結して運用することに制約があった従来技術の天然ガスハイドレートの運送方法の問題点を解決するための自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システムにおいて、
垂直方向に積層する複数の天然ガスハイドレートタンクコンテナと、
それぞれの前記天然ガスハイドレートタンクコンテナの内部に格納された天然ガスハイドレートの相平衡を維持するために、それぞれの前記天然ガスハイドレートタンクコンテナの一側に設置される冷凍機と、
太陽光及びそれぞれの前記天然ガスハイドレートタンクコンテナから発生した蒸発ガス(Boiled Off Gas;BOG)を利用して発電を行うことにより、それぞれの前記冷凍機を駆動するための電力を供給するために垂直に積載した複数の前記ガスハイドレートタンクコンテナのうち最上部のコンテナの上部に設置される電力供給部と、
それぞれの前記天然ガスハイドレートタンクコンテナの内部温度や圧力を含む現在の状態を把握するための温度及び圧力センサーを含む複数のセンサーを含んでなるセンサー部と、
前記センサー部のそれぞれのセンサーによって感知された状態によって、前記冷凍機及び前記電力供給部の駆動及び前記積載システムの全体的な動作を制御する制御部とを含み、
前記電力供給部は、
太陽光を利用して発電を行う太陽光発電パネル(photovoltaic array)と、
それぞれの前記天然ガスハイドレートタンクコンテナから発生した蒸発ガスを利用して駆動される発電機(generator)と、
前記発電機に供給される燃料を格納するための燃料タンク(fuel tank)と、
前記燃料タンクから供給される燃料と、前記天然ガスハイドレートタンクコンテナから発生した蒸発ガスとを混合して前記発電機に供給するための圧縮機(compressor)と、
前記太陽光発電パネル及び前記発電機によって発生した電気エネルギーを格納するためのバッテリー(rechargeable battery cells)と、
前記蒸発ガスの燃焼中に逆流による火災及び爆発を防止するための爆発防止部(fuel safety device)と、
前記発電機、前記燃料タンク、前記圧縮機、前記バッテリー及び前記爆発防止部を内蔵するハウジング(housing)とを含み、
前記太陽光発電パネル及び前記蒸発ガス(BOG)を利用して駆動される前記発電機によって前記バッテリーを充電し、充電された電気エネルギーを利用して前記冷凍機及び前記圧縮機を駆動するように構成することにより、別途の電源供給がなくとも、それぞれの前記天然ガスハイドレートタンクコンテナの相平衡を常に維持可能に構成されることを特徴とする自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システム。
【請求項2】
前記積載システムは、
前記電力供給部によって生成された電力をそれぞれの前記冷凍機に供給するための電力線と、
前記天然ガスハイドレートタンクコンテナから発生した蒸発ガス(BOG)を前記電力供給部に供給するための蒸発ガス配管とをさらに含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システム。
【請求項3】
前記積載システムは、
前記太陽光発電パネルを利用して発電を行うことに加えて、それぞれの前記天然ガスハイドレートタンクコンテナから発生した蒸発ガス(BOG)を前記蒸発ガス配管を通じて前記燃料タンクに格納された燃料と混合して混合ガスを生成し、生成された前記混合ガスを前記圧縮機を通じて前記発電機に供給することによって前記発電機を駆動するように構成することにより、
気象条件を含む外部要因に関係なく、それぞれの前記冷凍機を駆動するのに十分な電力を常に確保可能であり、別途の電源供給装置を具備せずとも天然ガスハイドレートの長距離運送が可能になると共に、それぞれの前記天然ガスハイドレートタンクコンテナから発生した前記蒸発ガス(BOG)を外部に排出せず処理可能であり、前記蒸発ガス(BOG)の排出による環境汚染や火災の恐れも解消できるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システム。
【請求項4】
前記積載システムは、
前記センサー部によって感知されたそれぞれの前記天然ガスハイドレートタンクコンテナの内部温度及び圧力を含む現在の状態を外部でモニタリングできるように表示する表示部と、
前記積載システムの現在の状態を外部に伝送する通信部と、
火災に対応するための消火器とをさらに含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天然ガスハイドレート(natural gas hydrate)を運搬するための積載システムに関し、さらに詳しくは、天然ガスハイドレートを運送するための多数の天然ガスハイドレートタンクコンテナ(natural gas hydrate tank container)を積載し、運送可能であると同時に、天然ガスハイドレートの運送中にそれぞれの天然ガスハイドレートタンクコンテナの内部で自然に生じる蒸発ガス(Boiled Off Gas;BOG)の発生を抑制するための冷凍機と、このような冷凍機に電力を供給するために垂直方向に積載した複数の天然ガスハイドレートタンクコンテナのうち最上部のコンテナに設置される太陽電池、及び太陽電池によって生産された電気エネルギーを格納するためのバッテリーを含んで構成することにより、長距離運送する際にも積載された天然ガスハイドレートタンクコンテナの内部の相平衡(Self Preservation)を常に一定に維持可能に構成される自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システムに関する。
【0002】
また、本発明は、上記のように蒸発ガス(BOG)の発生を抑制するための冷凍機と太陽電池及びバッテリーを含んで構成され、さらに、それぞれの天然ガスハイドレートタンクコンテナの内部で発生した蒸発ガス(BOG)を燃料タンクに格納された燃料と混合した混合ガスによって発電機を駆動するように構成することにより、太陽電池による電力生産を補充して、冷凍機の駆動に十分な発電容量が確保可能であると共に、天然ガスハイドレートタンクコンテナの内部で発生した蒸発ガス(BOG)を外部に排出する場合に発生する火災や環境汚染などに対する問題を解決することができるように構成される自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システムに関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に、ハイドレート(hydrate)は、水分子と気体分子からなる氷状の固体物質であり、一定の圧力と温度下で水と気体分子を接触させることにより生成され、圧力または温度を変化させることにより水と気体分子に解離され、水分子が作る空間内でガス分子が配置される結晶構造を有することで高いガス内包性を具備し、LNGに代わる天然ガスの新しい輸送及び格納手段として注目されている。
【0004】
即ち、天然ガスハイドレート(natural gas hydrate)は、一定の温度、圧力条件で相平衡(Self Preservation)効果を有しており、体積の170倍に至るメタンガスが収容可能であり、−20℃前後の温度で格納、運送する場合、相平衡を維持することができると知られている。
【0005】
ここで、上記のような天然ガスハイドレートを運送するための従来技術の例として、例えば、特許文献1によると、コンテナ型格納容器にハイドレート化された天然ガスが密閉格納され、前記コンテナ型格納容器がコンテナ積載パターンで輸送船に積載され、前記積載されたコンテナが内包されるように輸送船上部に密閉型保護カバーが設置されると共に、前記保護カバーとコンテナ型格納容器との間に不活性ガスが充填され、保護カバーと連結して設置された不活性ガス冷却部によって保護カバー内部が一定温度で維持されるように構成される天然ガス輸送手段が提示されている。また、特許文献2によると、ドアによって密閉または開放される天然ガスハイドレートの格納空間を有する本体と、格納空間を冷却させるように本体に設置される冷却ユニットと、格納空間から天然ガスを排出させるように本体に設けられ、天然ガスの排出を制御する排出ポートと、格納空間から水を排出させるように本体に設けられ、水の排出を制御する排水ポートとを含む天然ガスハイドレートコンテナが提示されている。
【0006】
さらに、上記のような天然ガスハイドレートを運送するための従来技術の他の例として、例えば、特許文献3には、NGH輸送船の外部に設置された積載装置で直接NGH輸送船の倉庫内にNGHを積載することにより、NGHを積載するための追加の装備をNGH輸送船に設置する必要がなく、そのため、NGH輸送船の船価及び維持補修費が減少し、NGH輸送船の倉庫形状を効率的に作ることができ、多量のNGHが効率的に積載可能な天然ガスハイドレート積載装置が提示されている。さらに、特許文献4によると、輸送船から分離可能な浮遊式倉庫と倉庫を内側に閉じ込めるルツボを利用して、海上輸送されたガスハイドレートを気体化した状態で陸上に下すことができるガスハイドレート積荷装置及び方法が提示されている。
【0007】
上記のように、従来、天然ガスハイドレートを積載及び運搬するための様々な技術内容が提示されているが、上記のような従来技術の天然ガスハイドレートの運送方法は、次のような問題点があった。
【0008】
即ち、天然ガスハイドレートは、相平衡が維持された場合でも、一定部分に蒸発ガス(Boiled Off Gas;BOG)が発生し、このような蒸発ガスは、タンクコンテナのような運送容器の内部の圧力を高める原因となる。また、タンクコンテナのような運送容器の破損、故障などにより、一定の温度、圧力条件を満たせない場合、蒸発ガスの発生量が急激に多くなる可能性がある。
【0009】
そこで、このような蒸発ガスの発生量を最小化し、タンクコンテナのような運送容器の内部の相平衡条件を維持するために、従来、タンクコンテナのような運送容器に冷凍機(refrigerator)を設置して運用している。
【0010】
しかし、一般的に、数千TEU級で積載運送されるタンクコンテナのような運送容器にいちいち電力線を連結し、冷凍機を運用することは、現実的に多くの制約が伴う。よって、コンテナ船のような既存の船舶を利用して、大量でタンクコンテナのような運送容器を長距離輸送するためには、相平衡を維持するための適切な温度、圧力条件の維持と、自然に発生する蒸発ガス(BOG)に対する管理を要するという問題がある。
【0011】
さらに詳しくは、タンクコンテナのような運送容器は、断熱圧縮容器であり、運送距離が短い場合は冷凍機による熱量供給が不要なこともあるが、運送距離が長くなれば、時間によって圧縮断熱容器の相平衡に必要な温度及び圧力が維持し難くなる恐れがあるため、冷凍機などを通じて相平衡のための温度条件を合わせなければならない。
【0012】
また、タンクコンテナのような運送容器の内部の圧力が蒸発ガス(BOG)によって過度に高くなり、破損などの危険が発生しないようにするためには、輸送容器の耐圧能力を向上させなければならないが、これは、運送容器自体の荷重の増加による単位タンクコンテナ当たり重量制限に伴う天然ガスハイドレートの積載量の減少と、運送容器の製作費用の増加などの問題をもたらす。
【0013】
さらに、内部の圧力上昇を防ぐために、蒸発ガスをタンクコンテナのような運送容器外に放出する場合、稲妻や摩擦またはスパークなどによる火災や環境汚染の恐れがある。
【0014】
そこで、上記のような従来の天然ガスハイドレートタンクコンテナを利用した運送方法の問題点を解決するためには、コンテナ船のような既存の船舶に過度な改造や費用を所要することなく、タンクコンテナのような運送容器を多数個積載して運送可能であると同時に、簡単な構成及び安価で、運送期間中にそれぞれの運送容器の相平衡を維持するための冷凍機に安定して電力を供給することができ、それぞれの運送容器で発生する蒸発ガスも、外部に放出せず、効果的に処理可能に構成される新しい構成の自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システムを提供することが好ましいが、未だそれらの要求を全て満たす装置や方法は提供できていない状況である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】韓国登録特許公報第10−0840059号(2008.06.13.)
【特許文献2】韓国登録特許公報第10−1149498号(2012.05.17.)
【特許文献3】韓国登録特許公報第10−1262647号(2013.05.02.)
【特許文献4】韓国公開特許公報第10−2014−0065588号(2014.05.30.)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するためのものであり、本発明の目的は、船舶を利用して大量で天然ガスハイドレートを長距離運送するために、蒸発ガス(BOG)の発生量を最小化し、タンクコンテナの内部の相平衡条件を維持するための冷凍機(refrigerator)に電力線を連結して運用するのに多くの制約があった従来技術の天然ガスハイドレートの運送方法の問題点を解決するために、垂直方向に積載するタンクコンテナの上部に太陽電池パネルを設置し、収集された電気エネルギーをバッテリーに充電して、天然ガスハイドレートの相平衡条件に合う温度条件を満たすように冷凍機を駆動することにより、既存の船舶に過度な改造や費用を所要することなく、簡単な構成及び安価で、天然ガスハイドレートが長距離運送可能に構成される自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システムを提供することにある。
【0017】
また、本発明の他の目的は、天然ガスハイドレートを運送する際に、タンクコンテナのような運送容器の内部の圧力が蒸発ガス(BOG)によって過度に高くなり、破損などの危険が発生しないようにするためには、輸送容器の耐圧能力を向上させる必要があるが、これは、運送容器自体の荷重の増加による単位タンクコンテナ当たり重量制限に伴う天然ガスハイドレートの積載量の減少と、輸送容器の製作費用の増加などの問題をもたらし、内部の圧力上昇を防ぐために、蒸発ガスをタンクコンテナのような運送容器外に放出する場合、稲妻や摩擦またはスパークなどによる火災や環境汚染の恐れがあった従来技術の天然ガスハイドレートの運送方法の問題点を解決するために、上記のように太陽電池パネルによって収集された電気エネルギーをバッテリーに充電して冷凍機を駆動することに加えて、運送容器で発生する蒸発ガス(BOG)を利用して発電機を駆動し、発電機によって発生した電力をバッテリーに充電して冷却機を駆動するように構成することにより、冷凍機の駆動に十分な電力を確保して、長距離運送する際にも天然ガスハイドレートの相平衡を常に維持可能であると共に、蒸発ガスの放出による火災や環境汚染の問題を解決することができるように構成される自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記のような目的を達成するために、本発明によると、天然ガスハイドレート(natural gas hydrate)を長距離運送する際に、天然ガスハイドレートタンクコンテナ(natural gas hydrate tank container)の内部の相平衡条件を維持するための冷凍機(refrigerator)に電力線を連結して運用することに制約があった従来技術の天然ガスハイドレートの運送方法の問題点を解決するための自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システムにおいて、垂直方向に積層する複数の天然ガスハイドレートタンクコンテナと、それぞれの前記天然ガスハイドレートタンクコンテナの内部に格納された天然ガスハイドレートの相平衡を維持するために、それぞれの前記天然ガスハイドレートタンクコンテナの一側に設置される冷凍機と、太陽光及びそれぞれの前記天然ガスハイドレートタンクコンテナから発生した蒸発ガス(Boiled Off Gas;BOG)を利用して発電を行うことにより、それぞれの前記冷凍機を駆動するための電力を供給するために垂直に積載した複数の前記ガスハイドレートタンクコンテナのうち最上部のコンテナの上部に設置される電力供給部と、それぞれの前記天然ガスハイドレートタンクコンテナの内部温度や圧力を含む現在の状態を把握するための温度及び圧力センサーを含む複数のセンサーを含んでなるセンサー部と、前記センサー部のそれぞれのセンサーによって感知された状態によって、前記冷凍機及び前記電力供給部の駆動及び前記積載システムの全体的な動作を制御する制御部とを含んで構成されることを特徴とする自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システムが提供される。
【0019】
ここで、前記積載システムは、前記電力供給部によって生成された電力をそれぞれの前記冷凍機に供給するための電力線と、それぞれの前記天然ガスハイドレートタンクコンテナから発生した蒸発ガス(BOG)を前記電力供給部に供給するための蒸発ガス配管とをさらに含んで構成されることを特徴とする。
【0020】
また、前記電力供給部は、太陽光を利用して発電を行う太陽光発電パネル(photovoltaic array)と、それぞれの前記天然ガスハイドレートタンクコンテナから発生した蒸発ガスによって駆動される発電機(generator)と、前記発電機に供給される燃料を格納するための燃料タンク(fuel tank)と、前記燃料タンクから供給される燃料と、前記天然ガスハイドレートタンクコンテナから発生した蒸発ガスとを混合して前記発電機に供給するための圧縮機(compressor)と、前記太陽光発電パネル及び前記発電機によって発生した電気エネルギーを格納するためのバッテリー(rechargeable battery cells)と、前記蒸発ガスの燃焼中に逆流による火災及び爆発を防止するための爆発防止部(fuel safety device)と、前記発電機、前記燃料タンク、前記圧縮機、前記バッテリー及び前記爆発防止部を内蔵するハウジング(housing)とを含んで構成され、前記太陽光発電パネル及び前記蒸発ガス(BOG)を利用して駆動される前記発電機によって前記バッテリーを充電し、充電された電気エネルギーを利用して前記冷凍機及び前記圧縮機を駆動するように構成することにより、別途の電源供給がなくとも、それぞれの前記天然ガスハイドレートタンクコンテナの相平衡を常に維持可能に構成されることを特徴とする。
【0021】
さらに、前記積載システムは、前記太陽光発電パネルを利用して発電を行うことに加えて、それぞれの前記天然ガスハイドレートタンクコンテナから発生した蒸発ガス(BOG)を前記蒸発ガス配管を通じて前記燃料タンクに格納された燃料と混合して混合ガスを生成し、生成された前記混合ガスを前記圧縮機を通じて前記発電機に供給することによって前記発電機を駆動するように構成することにより、気象条件を含む外部要因に関係なく、それぞれの前記冷凍機を駆動するのに十分な電力を常に確保可能であり、別途の電源供給装置を具備せずとも天然ガスハイドレートの長距離運送が可能になると共に、それぞれの前記天然ガスハイドレートタンクコンテナから発生した前記蒸発ガス(BOG)を外部に排出せず処理可能であり、前記蒸発ガス(BOG)の排出による環境汚染や火災の恐れも解消できるように構成されることを特徴とする。
【0022】
さらに、前記積載システムは、前記センサー部によって感知されたそれぞれの前記天然ガスハイドレートタンクコンテナの内部温度及び圧力を含む現在の状態を外部でモニタリングできるように表示する表示部と、前記積載システムの現在の状態を外部に伝送する通信部と、火災に対応するための消火器とをさらに含んで構成されることを特徴とする。
【0023】
また、本発明によると、上述した自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システムを含んで構成されることを特徴とする天然ガスハイドレートの運送用船舶が提供される。
【0024】
さらに、本発明によると、上述した自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載のシステムを利用して天然ガスハイドレートを運送するように構成されることを特徴とする天然ガスハイドレートの運送方法が提供される。
【発明の効果】
【0025】
上記のように、本発明によると、垂直方向に積載するタンクコンテナの上部に太陽電池パネルを設置し、収集された電気エネルギーをバッテリーに充電して、天然ガスハイドレートの相平衡条件に合う温度条件を満たすように冷凍機を駆動することにより、既存の船舶に過度な改造や費用を所要することなく、簡単な構成及び安価で、天然ガスハイドレートが長距離運送可能に構成される自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システムが提供される。それにより、船舶を利用して大量で天然ガスハイドレートを長距離運送するために、蒸発ガス(BOG)の発生量を最小化し、タンクコンテナの内部の相平衡条件を維持するための冷凍機(refrigerator)に電力線を連結して運用するのに多くの制約があった従来技術の天然ガスハイドレートの運送方法の問題点を解決することができる。
【0026】
また、本発明によると、上記のように、太陽電池パネルによって収集された電気エネルギーをバッテリーに充電して冷凍機を駆動することに加えて、運送容器で発生する蒸発ガス(BOG)を利用して発電機を駆動し、発電機によって発生した電力をバッテリーに充電して冷却機を駆動するように構成し、冷凍機の駆動に十分な電力を確保して、長距離運送する際にも天然ガスハイドレートの相平衡を常に維持可能であると共に、蒸発ガスの放出による火災や環境汚染の問題を解決することができるように構成される自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システムが提供される。それにより、天然ガスハイドレートを運送する際に、タンクコンテナのような運送容器の内部の圧力が蒸発ガス(BOG)によって過度に高くなり、破損などの危険が発生しないようにするために、輸送容器の耐圧能力を向上させれば、運送容器自体の荷重の増加による単位タンクコンテナ当たり重量制限に伴う天然ガスハイドレート積載量の減少と、輸送容器の製作費用の増加などの問題をもたらし、内部の圧力上昇を防ぐために、蒸発ガスをタンクコンテナのような運送容器外に放出する場合、稲妻や摩擦またはスパークなどによる火災や環境汚染の恐れがあった従来技術の天然ガスハイドレートの運送方法の問題点を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の実施例による自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システムの全体的な構成を概略的に示す図面である。
【
図2】
図1に示す本発明の実施例による自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システムの電力供給部の具体的な構成を概略的に示す図面である。
【
図3】本発明の実施例による自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システムの全体的な構成を示す図面である。
【
図4】本発明による自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システムの電力線の連結構造を概略的に示す図面である。
【
図5】
図4に示す本発明による自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システムの電力線の連結構造の具体的な構成を概略的に示す図面である。
【
図6】本発明による自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システムの蒸発ガス配管の連結構造を概略的に示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付の図面を参照して、本発明による自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システムの具体的な実施例について説明する。
【0029】
ここで、以下で説明する内容は、本発明を実施するための一つの実施例に過ぎず、本発明は、以下で説明する実施例の内容だけで限定されるものではないという事実に留意すべきである。
【0030】
また、以下の本発明の実施例に対する説明において、従来技術の内容と同一または類似するか、当業者の水準で容易に理解して実施可能であると判断される部分については、説明を簡略にするためにその詳細な説明を省略したことに留意すべきである。
【0031】
即ち、本発明は、後述するように、船舶を利用して大量で天然ガスハイドレートを長距離運送するために、蒸発ガス(BOG)の発生量を最小化し、タンクコンテナの内部の相平衡条件を維持するための冷凍機(refrigerator)に電力線を連結して運用するのに多くの制約があった従来技術の天然ガスハイドレートの運送方法の問題点を解決するために、垂直方向に積載するタンクコンテナの上部に太陽電池パネルを設置し、収集された電気エネルギーをバッテリーに充電して、天然ガスハイドレートの相平衡条件に合う温度条件を満たすように冷凍機を駆動することにより、既存の船舶に過度な改造や費用を所要することなく、簡単な構成及び安価で、天然ガスハイドレートが長距離運送可能に構成される自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システムに関する。
【0032】
また、本発明は、後述するように、天然ガスハイドレートを運送する際に、タンクコンテナのような運送容器の内部の圧力が蒸発ガス(BOG)によって過度に高くなり、破損などの危険が発生しないようにするためには、輸送容器の耐圧能力を向上させる必要があるいが、これは、運送容器自体の荷重の増加による単位タンクコンテナ当たり重量制限に伴う天然ガスハイドレート積載量の減少と、輸送容器の製作費用の増加などの問題をもたらし、内部の圧力上昇を防ぐために、蒸発ガスをタンクコンテナのような運送容器外に放出する場合、稲妻や摩擦またはスパークなどによる火災や環境汚染の恐れがあった従来技術の天然ガスハイドレートの運送方法の問題点を解決するために、上記のように太陽電池パネルによって収集された電気エネルギーをバッテリーに充電して冷凍機を駆動することに加えて、運送容器で発生する蒸発ガス(BOG)を利用して発電機を駆動し、発電機によって発生した電力をバッテリーに充電して冷却機を駆動するように構成することにより、冷凍機の駆動に十分な電力を確保して、長距離運送する際にも天然ガスハイドレートの相平衡を常に維持可能であると共に、蒸発ガスの放出による火災や環境汚染の問題も解決することができるように構成される自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システムに関する。
【0033】
続いて、図面を参照して、上記のように構成される本発明による自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システムの具体的な実施例について説明する。
【0034】
先ず、
図1を参照すると、
図1は、本発明の実施例による自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システムの全体的な構成を概略的に示す図面である。
【0035】
図1に示すように、本発明の実施例による自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システム10は、大きく分けて、垂直方向に積層する方式で積載される複数の天然ガスハイドレートタンクコンテナ11と、積載されたそれぞれの天然ガスハイドレートタンクコンテナの内部に格納された天然ガスハイドレートの相平衡を維持するために、それぞれの天然ガスハイドレートタンクコンテナの一側に設置される冷凍機12と、それぞれの冷凍機12を駆動するための電力を供給するために、天然ガスハイドレートタンクコンテナ11の上端に設置される太陽光発電パネル(photovoltaic array)と蒸発ガス(BOG)を利用して駆動される発電機(Generator)及びバッテリーを含んで構成される電力供給部13と、それぞれの天然ガスハイドレートタンクコンテナの内部温度や圧力のような状態を把握するための温度及び圧力センサーのような各種センサーを含んで構成されるセンサー部14と、センサー部14のそれぞれのセンサーによって感知された状態によって冷凍機及び電力供給部13の駆動及び積載システム10の全体的な動作を制御する制御部(図示せず)とを含んで構成されている。
【0036】
また、前記積載システム10は、電力供給部13によって生成された電力をそれぞれの天然ガスハイドレートタンクコンテナの冷凍機12に供給するための電力線15と、それぞれの天然ガスハイドレートタンクコンテナから発生した蒸発ガスを電力供給部13に設置された発電機に燃料と共に供給するための蒸発ガス配管16とをさらに含んで構成される。
【0037】
さらに、前記積載システム10は、図示してはいないが、センサー部14によって感知されたそれぞれの天然ガスハイドレートタンクコンテナの内部温度及び圧力のような現在の状態を外部でモニタリングできるように表示する表示部と、積載システム10の状態を外部に伝送する通信部、及び蒸発ガスを利用して駆動される発電機や天然ガスハイドレートタンクコンテナの相平衡維持のための冷凍機で発生し得る火災に対応するための消火器などをさらに含んで構成される。
【0038】
即ち、本発明の実施例による自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システム10は、
図1に示すように、垂直に積載したタンクコンテナのようなガスハイドレートの運送容器の最上部のコンテナの上部に設置された太陽光発電パネル、及び蒸発ガス(BOG)を利用して駆動される発電機から電力を収集してバッテリーに充電し、充電された電気エネルギーを利用して天然ガスハイドレートの相平衡条件を維持するための冷凍機及び圧縮機を駆動するように構成されることを特徴とする。
【0039】
さらに詳しくは、
図2を参照すると、
図2は、
図1に示す本発明の実施例による自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システム10の電力供給部13の具体的な構成を概略的に示す図面である。
【0040】
図2に示すように、電力供給部13は、太陽光を利用して発電を行う太陽光発電パネル(photovoltaic array)21と、太陽光発電パネル21によって発生した電気エネルギーを格納するためのバッテリー(rechargeable battery cells)22とを含み、別途の電源供給がなくとも、それぞれの天然ガスハイドレートタンクコンテナの相平衡を維持するための冷凍機12を駆動することができるように構成される。
【0041】
ここで、前記電力供給部13は、例えば、気象条件などの理由で太陽光発電パネル21による発電量が十分でない場合に備えて、
図2に示すように、別途の発電機(generator)23と、圧縮機(compressor)24及び燃料タンク(fuel tank)25をハウジング(housing)26内に具備して、内蔵されたバッテリー22を充電することができるように構成される。
【0042】
さらに詳しくは、前記電力供給部13は、上記のように太陽光発電パネル21を利用して発電を行うことに加えて、それぞれの天然ガスハイドレートタンクコンテナに蒸発ガス(BOG)の排出に向けたバルブを設置し、それぞれの天然ガスハイドレートタンクコンテナから発生した蒸発ガス(BOG)を蒸発ガス配管16を通じて燃料タンク25に格納された燃料と混合して混合ガスを生成し、このように生成された混合ガスを圧縮機23を通じて発電機23に供給することによって発電機23を駆動するように構成することで、気象条件などのような外部要因に関係なく、それぞれの冷凍機を駆動するのに十分な電力が常に確保可能であると共に、それぞれの天然ガスハイドレートタンクコンテナから発生した蒸発ガス(BOG)を外部に排出せず、内部的に排出ガスの処理が可能になるため、従来のように蒸発ガス(BOG)の排出による環境汚染や火災の恐れが解消されることができる。
【0043】
即ち、
図3を参照すると、
図3は、上記のように構成される本発明の実施例による自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システム10の全体的な構成に対する概念を示す図面である。
【0044】
ここで、前記電力供給部13は、
図2及び
図3に示すように、温度センサー(temperature sensor)、起爆防止装置(detonation arrester)、迅速遮断弁(quick closing valve)及び逆止弁(flashback pressure valve)を含み、蒸発ガス(BOG)の燃焼中に逆流などによる火災及び爆発を防止するように構成される爆発防止部(fuel safety device)27を上記のハウジング26内にさらに含んで構成されることができる。
【0045】
従って、
図1から3に示すように、本発明による自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システム10を具現することができる。それにより、太陽光発電パネル21によって収集された電気エネルギーをバッテリーに充電して冷凍機を駆動することにより、別途の電源供給をせずとも天然ガスハイドレートの相平衡維持のための冷凍機の駆動が可能になり、さらに、蒸発ガス(BOG)を利用して発電機を駆動することによって発生した電力をバッテリーに共に充電するように構成することにより、太陽光発電の短所である気象条件が悪化した際にも、冷凍機の駆動に十分な電力を確保可能であり、別途の電源供給装置を具備せずとも天然ガスハイドレートの長距離運送が可能になると共に、蒸発ガスの放出による火災や環境汚染の問題も解決することができる。
【0046】
また、上記のように構成される本発明の実施例による自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システム10は、後述するように、冷凍機の駆動のために従来の手作業による電力線の連結を自動化する電力線の連結構造、及び従来の手作業による蒸発ガス捕集管の連結を自動化する蒸発ガス配管の連結構造を含んで構成されることができる。
【0047】
続いて、
図4から
図6を参照して、従来の手作業による連結作業を自動化することができるように構成される電力線の連結構造及び蒸発ガス配管の連結構造の具体的な構成について説明する。
【0048】
先ず、
図4を参照すると、
図4は、本発明による自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システム10の電力線の連結構造を概略的に示す図面である。つまり、
図4は、
図2の点線で示したA部分に対する具体的な構成を示している。
【0049】
また、
図5を参照すると、
図5は、
図4に示した本発明による自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システム10の電力線の連結構造の具体的な構成を概略的に示す図面である。
【0050】
さらに詳しくは、本発明の実施例による自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システムの電力線の連結構造は、
図4及び
図5に示すように、電力線の一端側は、通常は雨水の流入などによる漏電を防止するために傾斜した状態で、ヒンジ(hinge)で連結されているヒンジ連結防水型傾斜プラグ(sloped water proof hinge type plug)41と、前記ヒンジ連結防水型傾斜プラグ41の下部に設置される圧縮コイルバネ42によってプラグ内部の電極を保護するように構成され、電力線の他端側には、前記ヒンジ連結防水型傾斜プラグ41の電極と結合するソケット43及びヒンジ連結防水型傾斜プラグ41を加圧するための押え(pressor foot)44が形成されて、コンテナの上下両端付近に固定して構成される。
【0051】
上記のようにして電力線15の両端側に連結構造を構成することで、
図4及び
図5に示すように、上部のガスハイドレートタンクコンテナが垂直方向に積載すれば、押え44がヒンジ連結防水型傾斜プラグ41を押しながら電極が露出され、上部電力線のソケット43に挿入されて、ヒンジ連結防水型傾斜プラグ41とソケット43とが自動で結合される。また、上部のコンテナを除去する際にヒンジ連結防水型傾斜プラグ41とソケット43が分離されれば、圧縮コイルバネ42によってヒンジ連結防水型傾斜プラグ41が自動で元の状態に還元するように構成される。
【0052】
従って、本発明の実施例による自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システムの電力線の連結構造によると、従来は、冷凍機を駆動するための電力線の連結をいちいち手作業で進行したが、
図4及び
図5に示すようにして電力線の両端側に連結構造を形成することにより、コンテナを積載及び荷役するだけで、電力線の連結及び解体作業を自動で行うことができる。
【0053】
続いて、
図6を参照すると、
図6は、本発明による自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システム10の蒸発ガス配管の連結構造を概略的に示す図面である。つまり、
図6は、
図2の点線で示したB部分に対する具体的な構成を示している。
【0054】
さらに詳しくは、
図6に示すように、本発明の実施例による自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システムの蒸発ガス配管の連結構造は、蒸発ガス配管の一端側に円錐状の弁開閉突起61が形成され、その下部には圧縮コイルバネ62が設置されて、下方に加圧することにより弁開閉突起61が開放され、圧力が除去されれば弁開閉突起61が閉鎖するように構成される。一方、蒸発ガス配管の他端側には、前記弁開閉突起61と結合する接続具63が設置され、別途の固定手段64にコンテナの上下両端付近にそれぞれ固定することにより、コンテナを積層する際に、弁開閉突起61と接続具63との接触によって自動で開放される連結弁を形成するように構成されている。
【0055】
上記のような構成により、
図6に示すように、上部のガスハイドレートタンクコンテナが垂直方向に積載すれば、上側コンテナの接続具63に下側コンテナの弁開閉突起61が挿入して自動で結合され、コンテナの荷重により圧縮コイルバネ62が押されながら、弁開閉突起61が自動で開放され、上部のコンテナを除去する際には、圧縮コイルバネ62によって再び自動で元の状態に還元して弁開閉突起61が閉まるように構成される。
【0056】
即ち、本発明の実施例による自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システムの蒸発ガス配管の連結構造によると、従来は、蒸発ガス排出のための配管の連結をいちいち手作業で進行したが、蒸発ガス配管の両端側に
図6に示すような連結構造を構成することにより、コンテナを積載及び荷役するだけで、蒸発ガス配管の連結及び解体作業を自動で行うことができる。
【0057】
以上、上記のような本発明の実施例による自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システム10の構成によると、太陽光発電パネル21によって収集された電気エネルギーと蒸発ガス(BOG)を利用して発電機を駆動することによって発生した電力をバッテリーに充電して冷凍機を駆動することにより、別途の電源を供給せず天然ガスハイドレートの相平衡維持のための冷凍機の駆動に十分な電力が確保可能であり、天然ガスハイドレートの長距離運送が可能となり、蒸発ガスの放出による火災や環境汚染の問題も共に解決することができると共に、従来の手作業による電力線及び配管の連結を自動化して、天然ガスハイドレートタンクコンテナの積載及び荷役作業をさらに迅速でかつ容易に行うことができる。
【0058】
従って、上記のようにして本発明による自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システムを具現することができる。
【0059】
また、上記のように、本発明による自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システムを具現することによって、本発明によると、垂直方向に積載するタンクコンテナの上部に太陽電池パネルを設置し、収集された電気エネルギーをバッテリーに充電して、天然ガスハイドレートの相平衡条件に合う温度条件を満たすように冷凍機を駆動することにより、既存の船舶に過度な改造や費用を所要することなく、簡単な構成及び安価で、天然ガスハイドレートが長距離運送可能に構成される自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システムが提供される。それにより、船舶を利用して大量で天然ガスハイドレートを長距離運送するために、蒸発ガス(BOG)の発生量を最小化し、タンクコンテナの内部の相平衡条件を維持するための冷凍機(refrigerator)に電力線を連結して運用するのに多くの制約があった従来技術の天然ガスハイドレートの運送方法の問題点を解決することができる。
【0060】
さらに、本発明によると、上記のように、太陽電池パネルによって収集された電気エネルギーをバッテリーに充電して冷凍機を駆動することに加えて、運送容器で発生する蒸発ガス(BOG)を利用して発電機を駆動し、発電機によって発生した電力をバッテリーに充電して冷却機を駆動するように構成し、冷凍機の駆動に十分な電力を確保して、長距離運送する際にも天然ガスハイドレートの相平衡を常に維持可能であると共に、蒸発ガスの放出による火災や環境汚染の問題を解決することができるように構成される自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システムが提供される。それにより、天然ガスハイドレートを運送する際に、タンクコンテナのような運送容器の内部の圧力が蒸発ガス(BOG)によって過度に高くなり、破損などの危険が発生しないようにするために、輸送容器の耐圧能力を向上させれば、運送容器自体の荷重の増加による単位タンクコンテナ当たり重量制限に伴う天然ガスハイドレート積載量の減少と、輸送容器の製作費用の増加などの問題をもたらし、内部の圧力上昇を防ぐために、蒸発ガスをタンクコンテナのような運送容器外に放出する場合、稲妻や摩擦またはスパークなどによる火災や環境汚染の恐れがあった従来技術の天然ガスハイドレートの運送方法の問題点を解決することができる。
【0061】
以上、上記のような本発明の実施例を通じて本発明による自家発電及び蒸発ガス処理が可能な天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システムの詳細な内容について説明したが、本発明は、上記の実施例に記載された内容だけで限定されるものではない。従って、本発明は、本発明が属する技術分野で通常の知識を持った者によって設計上の必要及びその他の多様な要因によって様々な修正、変更、結合及び代替などが可能なことは当然であるといえる。
【符号の説明】
【0062】
10 天然ガスハイドレートタンクコンテナ積載システム
11 天然ガスハイドレートタンクコンテナ
12 冷凍機
13 電力供給部
14 センサー部
15 電力線
16 蒸発ガス配管
21 太陽光発電パネル
22 バッテリー
23 発電機
24 圧縮機
25 燃料タンク
26 ハウジング
27 爆発防止部
41 ヒンジ連結防水型傾斜プラグ
42 圧縮コイルバネ
43 ソケット
44 押え
61 弁開閉突起
62 圧縮コイルバネ
63 接続具
64 固定手段