特許第6329897号(P6329897)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6329897In−situ変形可能なミニ骨プレート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6329897
(24)【登録日】2018年4月27日
(45)【発行日】2018年5月23日
(54)【発明の名称】In−situ変形可能なミニ骨プレート
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/70 20060101AFI20180514BHJP
【FI】
   A61B17/70
【請求項の数】11
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-518905(P2014-518905)
(86)(22)【出願日】2012年6月26日
(65)【公表番号】特表2014-525773(P2014-525773A)
(43)【公表日】2014年10月2日
(86)【国際出願番号】US2012044150
(87)【国際公開番号】WO2013003319
(87)【国際公開日】20130103
【審査請求日】2015年1月15日
【審判番号】不服2016-15561(P2016-15561/J1)
【審判請求日】2016年10月18日
(31)【優先権主張番号】61/501,340
(32)【優先日】2011年6月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516129817
【氏名又は名称】ジェイティーアイ バイオメッド コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】リン,ジン−フェイ,チャン
(72)【発明者】
【氏名】ジュ,チェン−ピン
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジン−ウェイ
【合議体】
【審判長】 高木 彰
【審判官】 内藤 真徳
【審判官】 五閑 統一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特表2003−529415(JP,A)
【文献】 特開平9−327469(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の長尺ストリップを有し
前記第1の長尺ストリップは、繰り返しユニットの第1のシリーズと、
前記繰り返しユニットの前記第1のシリーズの両端に設けられた第1および第2の端子ねじ用の穴と;ここで、前記2つの端子ねじ間の前記繰り返しユニットの数2〜20であり;
2つのクラウン、2つのネック、そして4つのブリッジを有する前記各繰り返しユニットと;ここで、リング構造を形成するために前記2つのクラウンと前記2つのネックは前記4つのブリッジにより接続されており;を有し、
前記2つのクラウンの内側間の最大距離(ID)は、前記ネックの幅(NW)よりも大きく、前記4つのブリッジの2つの対向するブリッジの外側間の最大距離(OD)は、2つの隣接する前記繰り返しユニット長さ(UL)、つまり、2つの隣接する前記リング構造の中心の距離より大きいことを特徴とし、
前記リング構造の前記2つのネックをクランプした状態で短縮可能であり、前記2つのクラウンをクランプした状態で延長可能なように、前記第1の長尺ストリップの厚さ0.1〜2.5mmであり、前記クラウンの幅(CW)0.1〜1.0mm、前記ブリッジの幅(BW)0.2〜3.5mmであり、前記ID1〜8mmであり、前記NW0.5〜5mmであり、前記OD1.5〜15mmであり、前記UL1〜10mmであり、前記第1の長尺ストリップは、前記第1の長尺ストリップの厚さ方向に屈曲した部分がなく平坦であり、塑性変形可能であることを特徴とするIn−situ変形可能なミニ骨プレート。
【請求項2】
前記ブリッジの幅(BW)は、前記クラウンの幅(CW)よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のIn−situ変形可能なミニ骨プレート。
【請求項3】
前記繰り返しユニットの前記2つのクラウンの各々の外側はファセット化されていることを特徴とする請求項1に記載のIn−situ変形可能なミニ骨プレート。
【請求項4】
前記繰り返しユニットの前記2つのネックの各々の内側はファセット化されていることを特徴とする請求項1に記載のIn−situ変形可能なミニ骨プレート。
【請求項5】
前記第1の長尺ストリップから伸長あるいは分枝する一端と、第3の端子ねじ穴が設けられている他端と、を備える第2の長尺ストリップをさらに有し、
ここで、前記第2の長尺ストリップは、前記第1の長尺ストリップと前記第3の端子ねじ穴の間に前記繰り返しユニットの第2のシリーズを有することを特徴とする請求項1に記載のIn−situ変形可能なミニ骨プレート。
【請求項6】
前記第1の長尺ストリップから伸長あるいは分枝する一端と、第3の端子ねじ穴が設けられている他端と、を備える2の長尺ストリップと、
前記第1の長尺ストリップから伸長あるいは分枝する一端と、第4の端子ねじ穴が設けられている他端と、を備える第3の長尺ストリップと、をさらに有し、
ここで、前記第2の長尺ストリップは、前記第1の長尺ストリップと前記第3の端子ねじ穴との間に前記繰り返しユニットの第2のシリーズを有し、
前記第3の長尺ストリップは、前記第1の長尺ストリップと前記第4の端子ねじ穴との間に前記繰り返しユニットの第3のシリーズを有することを特徴とする請求項1に記載のIn−situ変形可能なミニ骨プレート。
【請求項7】
前記第2の長尺ストリップと前記第1の長尺ストリップは、共通の長軸を有することを特徴とする請求項5に記載のIn−situ変形可能なミニ骨プレート。
【請求項8】
前記第1の長尺ストリップが第1の長軸を有し、前記第2の長尺ストリップが第2の長軸を有し、
前記第2の長尺ストリップは、第1の長軸と第2の長軸がその間に鈍角を形成しながら第1または第2の端子ねじ穴の一方から伸び、あるいは、前記第1の長尺ストリップと前記第2の長尺ストリップが、yのような形状を形成することを特徴とする請求項5に記載のIn−situ変形可能なミニ骨プレート。
【請求項9】
前記第1の長尺ストリップ、前記第2の長尺ストリップと前記第3の長尺ストリップはY、X、T、+あるいはпのような形状を形成することを特徴とする請求項6に記載のIn−situ変形可能なミニ骨プレート。
【請求項10】
前記第1の長尺ストリップの厚さ0.5〜1.5mmであり、前記CW0.1〜0.5mm、前記BW0.2〜2mmであり、前記ID2〜4mmであり、前記NW1〜3mm、前記OD2.5〜5mmであり、前記UL2〜5mmであることを特徴とする請求項1に記載のIn−situ変形可能なミニ骨プレート。
【請求項11】
前記第1の長尺ストリップは、純チタン、チタン合金、純鉄、鉄合金、純マグネシウム、マグネシウム合金、純亜鉛、亜鉛合金、またはこれらの金属のうち2以上から調製された複合材料から作成されることを特徴とする請求項1に記載のIn−situ変形可能なミニ骨プレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連特許出願の相互参照]
本特許出願は、2011年6月27日に出願された米国仮特許出願第61/501340号の利益を主張し、その内容は、その全体が参考として本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、整形外科インプラントの分野に関する。特に、本発明は、手術中の骨表面の自然形状あるいは要求に合わせて再構築された形状に合うようにin−situ変形容易な骨プレートを提供する。
【背景技術】
【0003】
プレートおよびねじを使用して骨折した骨を固定するための外科処置中に、複雑で、多くの場合に三次元形状である破壊形状を支えるために、使用中の骨プレートをin−situ変形する必要が生じることが頻繁にある。
【0004】
従来は、非常に多くの場合、すでに所定の位置に固定されたねじとプレートは、クランプなどの一般的な工具を使用して取り除き、変形させ、骨折した骨に再度ねじを取り付ける必要があった。複雑な形状、複数の骨折が手術に関与する場合は特に、この煩わしいプロセスにより、手術の成功が不確実なものとなる。もし成功しなかった場合は、ねじの取り付け/取り外し処置を繰り返さなければならない。このねじの取り付け/取り外し処置は時間がかかるだけでなく、すでに弱化した骨折した骨にさらに損傷を与え、手術のリスクを高めることとなる。
【0005】
米国特許第5746742号は、骨に対して配置し、指圧を使用して輪郭付けできる容易な輪郭形成が可能なプレートである骨プレート用テンプレートを開示している。当該テンプレートは臨床医によって輪郭形成された後、技術者がインプラント用の骨プレートの輪郭複製品を作成するために使用される。そのため、テンプレートは、あらゆる面でそれに対応する骨プレートと同様の形状である必要がある。従って、ほとんどのテンプレートは、単純にそれに対応する骨プレートと同一の形状である。このような従来技術のテンプレートはアルミニウムのような比較的軟らかい材料から作られ、特に弧形に変形させるために依然として大きな力を必要とするので、狭い手術環境に好ましくない。また、アルミニウムのような柔らかい材料をテンプレートに用いた場合、ノッチ領域において、アーク放電の衝撃により、テンプレートの畳み込みまたはよれを生じることがあることが観察されている。米国特許第5746742号の発明者らは、この特定の現象は、テンプレートの材料の幅に対する板厚比が約1.6:1より小さく、好ましくは約1.5:1の値で、最低でも約1.4:1までの値に維持される場合に消失する傾向があることを発見した。しかし、固定作業(例えば、穴あけ作業)中に、骨折した骨片が頻繁に移動してしまうという一般的に遭遇する問題は、米国特許第5746742号に開示された方法では克服することができない。
【発明の概要】
【0006】
本発明の主な目的は、骨ねじを使用することにより、骨折した骨を固定する骨プレートを提供することであり、骨折した骨を外科医が所望の形状に応じて再構築および固定することができるように、骨プレートは、骨表面の自然形状あるいは要求に応じて再構築された形状に合わせて変形することが比較的容易である。以下に「比較的容易」を用いるときは、骨プレートは、手術中や骨ねじにより骨折した骨に固定された後であっても、整形外科用工具を用いて外科医により変形することができる、すなわち、骨プレートは、切開手術の間中、外科医によってin−situ変形をさせることが可能であることを意味する。
【0007】
本発明の他の目的は、短縮または延長することが比較的容易である骨プレートを提供することにある。
【0008】
本発明のさらに他の目的は、短縮したり、延長したり、曲げたり、アーチ状に反らせたりまたはねじったりすることが比較的容易な骨プレートを提供することにある。
【0009】
上記の目的のために、本発明に従って構築されたIn−situ変形可能なミニ骨プレートは、第1の長尺ストリップを有し前記第1の長尺ストリップは、繰り返しユニットの第1のシリーズと、繰り返しユニットの第1のシリーズの両端に設けられた第1および第2の端子ねじ用の穴と;ここで、2つの端子ねじ間の繰り返しユニットの数2〜20であり;2つのクラウン、2つのネック、そして4つのブリッジを有する各繰り返しユニットと;ここで、リング構造を形成するために2つのクラウンと2つのネックは4つのブリッジにより接続されており;を有し、2つのクラウンの内側間の最大距離(ID)は、ネックの幅(NW)よりも大きく、4つのブリッジの2つの対向するブリッジの外側間の最大距離(OD)は、2つの隣接する繰り返しユニット長さ(UL)、つまり、2つの隣接するリング構造の中心の距離より大きいことを特徴とする。また、リング構造の2つのネックをクランプした状態で短縮可能であり、2つのクラウンをクランプした状態で延長可能なように、第1の長尺ストリップの厚さ0.1〜2.5mmであり、クラウンの幅(CW)0.1〜1.0mm、ブリッジの幅(BW)0.2〜3.5mmであり、ID1〜8mmであり、NW0.5〜5mmであり、OD1.5〜15mmであり、UL1〜10mmであり、前記第1の長尺ストリップは、前記第1の長尺ストリップの厚さ方向に屈曲した部分がなく平坦であり、塑性変形可能である
【0010】
好ましくは、ブリッジの幅(BW)は、クラウンの幅(CW)よりも大きい。
【0011】
好ましくは、繰り返しユニットの2つのクラウンの各々の外側はファセット化されている。
【0012】
好ましくは、繰り返しユニットの2つのネックの各々の内側はファセット化されている。
【0013】
好ましくは、本発明の骨プレートは、第1の長尺ストリップから伸長あるいは分枝する一端と、第3の端子ねじ穴が設けられている他端と、を備える第2の長尺ストリップをさらに有し、ここで、第2の長尺ストリップは、第1の長尺ストリップと第3の端子ねじ穴との間に繰り返しユニットの第2のシリーズを有する。
【0014】
より好ましくは、第2の長尺ストリップと第1の長尺ストリップは、共通の長軸を有する。あるいは、第1の長尺ストリップが第1の長軸を有し、第2の長尺ストリップが第2の長軸を有し、ここで、第1の長軸と第2の長軸がその間に鈍角を形成しながら第2の長尺ストリップが第1または第2の端子ねじ穴の一方から伸び、または、第1の長尺ストリップと第2の長尺ストリップが、yのような形状を形成する。
【0015】
好ましくは、本発明の骨プレートは、第1の長尺ストリップから伸長あるいは分枝する一端と、第3の端子ねじ穴が設けられている他端と、を備える第2の長尺ストリップと、第1の長尺ストリップから伸長あるいは分枝する一端と、第4の端子ねじ穴が設けられている他端と、を備える第3の長尺ストリップと、をさらに有し、ここで、第2の長尺ストリップは、第1の長尺ストリップと第3の端子ねじ穴との間に繰り返しユニットの第2のシリーズを有し、第3の長尺ストリップは、第1の長尺ストリップと第4の端子ねじ穴との間に繰り返しユニットの第3のシリーズを有する。
【0016】
より好ましくは、第1の長尺ストリップ、第2の長尺ストリップと第3の長尺ストリップはY、X、T、+あるいはпのような形状を形成する。
【0018】
より好ましくは、第1の長尺ストリップの厚さは約0.5〜1.5mmであり、CWは約0.1〜0.5mm、BWは、約0.2〜2mmであり、IDは約2〜4mmであり、NWは約1〜3mm、ODは約2.5〜5mmであり、ULは約2〜5mmである。
【0019】
好ましくは、第1の長尺ストリップは、純チタン、チタン合金、純鉄、鉄合金、純マグネシウム、マグネシウム合金、純亜鉛、亜鉛合金、またはこれらの金属のうち2以上から調製された複合材料から作成される。
【0020】
骨プレートの変形方法は、骨プレートを短縮させる操作または骨プレートを延長させる操作が含まれることを開示しており、ここで、骨プレートを短縮させる操作は、固定された2つのネックの間にある2つのクラウンが、第1の長尺ストリップの長軸に垂直方向で、かつ、第1の長尺ストリップと同一平面上で、アーチ形になるように、リング構造の2つのネックを固定することにより繰り返しユニットの第1シリーズの1の繰り返しユニットのリング構造を圧搾する工程と、複数の繰り返しユニットの第1のシリーズの必要な数の繰り返しユニットが圧搾されるまで、複数の繰り返しユニットの第1のシリーズの他の繰り返しユニットに対して圧搾を繰り返す工程と、を有し、骨プレートを延長させる操作は、同一リング構造の固定された2つのクラウンと4つのブリッジを、第1の長尺ストリップと同一平面上で平坦化するために、リング構造の2つのクラウンを固定することにより行う繰り返しユニットの第1のシリーズの1の繰り返しユニットのリング構造の平坦化する工程と、複数の繰り返しユニットの第1のシリーズの必要な数の繰り返しユニットが平坦化されるまで、繰り返しユニットの第1のシリーズの他の繰り返しユニットに対して平坦化を繰り返す工程と、を有する。
【0021】
好ましくは、骨プレートの変形方法は、さらに、骨プレートを曲げる操作または骨プレートをねじる操作をさらに有し、骨プレートを曲げる操作は、繰り返しユニットの第1のシリーズの3つのリング構造に3つの支柱を挿入する工程と、第1の長尺ストリップの長軸に垂直な第1の方向で、かつ、第1の長尺ストリップと同一平面上に、3つの支柱のうち両端の2つの支柱を引っ張ると同時に、3つの支柱のうち中央の支柱を受けるリング構造の2つのクラウンが曲がるように、中央の支柱を第1の方向と反対の第2の方向へ押す工程と、を有し、骨プレートをねじる操作は、第1の長尺ストリップの両端を固定する工程と、第1の長尺ストリップをねじるために、第1の長尺ストリップの一端をその位置で動かないよう保持しながら他端を回転させる工程と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明の1の好ましい実施形態に従って構築された骨プレートの上面図を示す。
図2図2は、本発明の他の好ましい実施形態に従って構築された骨プレートの上面図を示す。
図3a図3aは、図2に示す骨プレートの延長を示す。
図3b図3bは、図2に示す骨プレートの短縮を示す。
図3c図3cは、図2に示した骨プレートの面内曲げを示す。
図3d図3dは、図2に示す骨プレートの面外曲げを示す。
図3e図3eは、図2に示す骨プレートのねじれを示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
発明の詳細な説明
図1に示す本発明の1の好ましい実施形態に従って構築された長尺ストリップ10の骨プレートは、ファセット化されたリング構造20の8つの繰り返しユニット、および2つの端子ねじ穴90を有する。2つの端子ねじ穴90に加えて、2つの端子ねじ穴90の間のファセット化されたリング構造のいずれもが、補助ねじ穴としての使用が可能である。また、長尺ストリップ10は、必要であれば、端子ねじ穴90に隣接する1以上の端子ねじを設けることができる。
【0024】
各ファセット化されたリング構造20は、2つのクラウン21、2つのネック22および2つのクラウン21を2つのネック22に接続する4つのブリッジ23によって形成される。
【0025】
ファセット化されたリング構造20は、機械的な力によってin−situ変形し、必要な形状に操作することができる。必要に応じて容易に操作できるように、クラウン21は、ブリッジ23のブリッジ幅(BW)よりも小さい(好ましくは、少なくとも20%小さい)クラウン幅(CW)を有する必要があることが明らかにされている。
【0026】
さらに、必要に応じて容易に操作できるように、ファセット化されたリング構造20は、ネック22のネック幅(NW)よりも大きい(好ましくは、少なくとも20%大きい)内径(ID)すなわち、2つのクラウンの内側間の最大距離を有する必要があることが明らかにされている。
【0027】
さらに、必要に応じて容易に操作できるように、骨プレートの長尺ストリップ10は、2つの隣接するファセットのリング構造20の外径(OD)より小さい(好ましくは、少なくとも20%小さい)単位長さ(UL)を持つ2つの隣接するファセット化されたリング構造20を有する必要があることが明らかにされている。外径(OD)とは、ファセット化されたリング構造20の2つの対向するブリッジ23の外側間の最大距離であり、単位長さ(UL)とは、2つの隣接する対称的なリング構造20の中心間の距離である。
【0028】
さらに、必要に応じて容易に操作できるように、ファセット化されたリング構造20のIDは、ファセット化されたリング構造20のODの少なくとも50%(好ましくは、少なくとも60%)(ID>1/2OD)であることが明らかにされている。具体的には、クラウン幅(CW)が約0.1〜1.0mmである。好ましくは、ファセット化されたリング構造20は、ファセット化された実質的に平坦な2つのクラウン21の各々の外側面Aを有している。
【0029】
図1に示すように、骨プレートを延長するために、同一のファセット化されたリング構造20の固定された2つのクラウン21と4つのブリッジ23を長尺ストリップ20と同一平面上で平坦化できるように、2つのクラウン21を固定することによりファセット化されたリング構造20を平坦化することができ、ファセット化されたリング構造20の必要な数の繰り返しユニットが平坦化されるまで、他のファセット化されたリング構造20に対して平坦化を繰り返すことができる。
【0030】
骨プレートを短縮するために、固定された2つのネックの間にある2つのクラウン21が、第1の長尺ストリップの長軸に垂直方向で、かつ、第1の長尺ストリップと同一平面上で、アーチ形になるように、2つのネック22を固定することによって、ファセット化されたリング構造20を圧搾することができ、ファセット化されたリング構造20の必要な数の繰り返しユニットが圧搾されるまで、他のファセット化されたリング構造20に対して圧搾工程を繰り返すことができる。
【0031】
骨プレートを面内で曲げるために、3つのファセット化されたリング構造20に3つの支柱を挿入することができ、3つの支柱のうち両端の2つの支柱を下方向に引っ張ると同時に、中央の支柱を受ける対称なリング構造の2つのクラウンが曲げられるように、3つの支柱のうち中央の支柱を上方向に押すことができる。
【0032】
骨プレートを面外で曲げるために、長尺ストリップ10の中央部に位置する1のファセット化されたリング構造20内にフックを挿入し、長尺ストリップを面外方向にアーチ形にするために2つの端子ねじ穴20を締結する一方で、面外方向にフックを引っ張ることができる。
【0033】
骨プレートをねじるために、長尺ストリップ10の両端を固定し、長尺ストリップをねじるために長尺ストリップの一端をその位置で動かないよう保持しながら長尺ストリップ10の他端を回転することができる。
【0034】
本発明において、ファセット化されたリング構造20は、リング形状であるが、必ずしも円形形状である必要はない。図1には、本発明の骨プレートと同様の骨プレートが示され、図2には、本発明の他の好ましい実施形態に従って構築された骨プレートが示されており、ここで、2つの実施形態の同じ部材や部品は同じ符号によって表されている。図2に示す骨プレートにはさらに、ファセット化されたリング構造20のネック22の内側に、ファセット化され、実質的に平坦な面Bが設けられている。
【0035】
図2に示す骨プレートは、約1.2mmの厚さを有し、ここで、クラウン幅(CW)は、0.5mm、ブリッジ幅(BW)が0.6mm、2つのクラウンの内側間の最大距離(ID)が2.2mmであり、ネックの幅(NW)が2mmであり、2つの対向するブリッジの外側間の最大距離(OD)が3.4mmであり、単位長さ(UL)は2.5mmである。
【0036】
図2に示した骨プレートの本発明に係るin−situ変形は、図3aから図3eに示され、以下の変形を含んでいる。
【0037】
(1)図3aに示すような骨プレートの延長
(2)図3bに示すような骨プレートの短縮
(3)図3cに示すような骨プレートの面内曲げ
(4)図3dに示すような骨プレートの面外曲げ
(5)図3eに示すような骨プレートのねじり(平面軸周りにプレートを回転)
本発明の骨プレートは、さらに、多発性骨折の固定を容易にするために、少なくとも1つの分岐/アームを含んでもよい。
【0038】
本発明の骨プレートは、in−situ変形を容易にすることができるような任意の材料から作成することができる。好ましくは、骨プレートの材料は、降伏強度(YS)が最大引張強度(UTS)の少なくとも20%より高い値を有し、好ましくは30%以上、より好ましくは、40%以上の値を有する。
【0039】
好ましくは、骨プレートの材料は、引張伸びが少なくとも10%以上であり、好ましくは15%以上、より好ましくは20%以上を有する。
【0040】
好ましくは、骨プレートは、生体適合性を有する金属材料から作られる。
【0041】
好ましくは、骨プレートは、純チタン金属、チタン合金、純鉄、鉄合金、純マグネシウム、マグネシウム合金、純亜鉛、亜鉛合金、またはこれらの金属のうち2以上から調製された複合材料から作成される。
【0042】
本発明の骨プレートは、鋳造、圧延、機械加工、電気放電加工、レーザドリル、化学エッチング、圧力成形、スタンピングなどのような任意の一般的な技術を用いて形成することができる。
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図3d
図3e