(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
1又は複数の駐車室、ユーザが車両から乗り降りするための乗降領域、前記乗降領域の外部空間に配置された操作盤、前記外部空間と前記乗降領域とを開閉可能に仕切る出入口扉、前記乗降領域の車両を所定の駐車室に搬送し、前記所定の駐車室の車両を前記乗降領域へと搬送する搬送機構、及び、前記駐車装置の動作を制御する制御部を備える駐車装置の制御方法であって、
前記出入口扉が閉じた状態でユーザに前記乗降領域内の無人確認を要求し、ユーザによる前記操作盤への入力に応じて無人確認の有無を判定する無人確認処理と、
前記無人確認処理において前記乗降領域の無人確認がされたと判定された後、ユーザに第1の操作認証を要求し、ユーザの第1の入力情報に基づいてユーザを認証する第1認証処理と、
前記第1認証処理の後、前記出入口扉を開く開扉処理と、
前記開扉処理の後、ユーザに第2の操作認証を要求し、ユーザの第2の入力情報を前記第1の入力情報に対して照合し、両者が所定の関係性を有していると判定するとユーザを再認証する第2認証処理と、
前記第2認証処理の後、前記出入口扉を閉じる閉扉処理と、を含み、
前記出入口扉は、ユーザが前記外部空間から前記乗降領域を目視可能であるように透明性を有し、前記無人確認処理において、ユーザが前記出入口扉を介して前記乗降領域を視認することにより、ユーザによる無人確認が実行されることを特徴とする駐車装置の制御方法。
1又は複数の駐車室、ユーザが車両から乗り降りするための乗降領域、前記乗降領域の外部空間に配置された操作盤、前記外部空間と前記乗降領域を開閉可能に仕切る出入口扉、前記乗降領域の車両を所定の駐車室に搬送し、前記所定の駐車室の車両を前記乗降領域へと搬送する搬送機構、及び、前記駐車装置の動作を制御する制御部を備える駐車装置の制御方法であって、
各処理が車両を入庫するために実行され、
前記出入口扉が閉じた状態でユーザに第1の操作認証を要求し、ユーザの第1の入力情報に基づいてユーザを認証する第1認証処理と、
前記第1認証処理の後、前記出入口扉を開く開扉処理と、
前記開扉処理の後、ユーザが前記車両を前記乗降領域に乗り入れ、前記乗降領域から退出して前記操作盤に入力することにより、前記出入口扉を閉じる閉扉処理と、
前記閉扉処理の後、前記乗降領域の車両を所定の駐車室に搬送する入庫搬送処理と、
前記第1認証処理前の段階、及び、前記閉扉処理後且つ前記入庫搬送処理前の段階の少なくとも一方において、前記出入口扉が閉じた状態で、ユーザに前記乗降領域の無人確認を要求し、ユーザによる前記操作盤への入力に応じて無人確認の有無を判定する無人確認処理と、を含み、
前記出入口扉は、ユーザが前記外部空間から前記乗降領域を目視可能であるように透明性を有し、前記無人確認処理において、ユーザが前記出入口扉を介して前記乗降領域を視認することにより、ユーザによる無人確認が実行されることを特徴とする駐車装置の制御方法。
1又は複数の駐車室、ユーザが車両から乗り降りするための乗降領域、前記乗降領域の外部空間に配置された操作盤、前記外部空間と前記乗降領域を開閉可能に仕切る出入口扉、前記乗降領域の車両を所定の駐車室に搬送し、前記所定の駐車室の車両を前記乗降領域へと搬送する搬送機構、及び、前記駐車装置の動作を制御する制御部を備え、
請求項1から8のいずれか一項に記載の制御方法によって制御されることを特徴とする駐車装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の制御方法では、入出庫扉(以下、出入口扉)が閉じた状態で、ユーザが車庫装置(以下、乗降領域)内の状況を確認することなく、第1の認証処理を実行する。そして、第1の認証処理の後に搬送呼出処理が行われて、車体搬送手段が呼び出される。それ故、搬送呼出処理につながる第1の認証操作が行われる際、何らかの理由で乗降領域内に人や物体が存在していたとしても、ユーザが気付くことができない。つまり、乗降領域内に人や物体が存在した状態で搬送呼出処理が行われると、大きな事故につながる虞があった。同様に、入庫の際、閉扉後に車両を駐車室に搬送する搬送工程が行われるが、搬送工程の間、何らかの理由で乗降領域内に人や物体が存在していたとしても、ユーザが気付くことができない。特には、第2の認証操作の前に、ユーザが開扉状態の出入口を介して乗降領域を目視することができるが、この際の安全確認だけでは不十分となる可能性がある。このような場合、乗降領域内に人や物体が存在した状態で搬送工程が行われると、事故につながる虞がある。すなわち、駐車装置の閉扉状態での機械的動作の際の安全性を向上させることが課題として挙げられる。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、閉扉状態での安全性に配慮した駐車装置、及び、駐車装置の制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の駐車装置の制御方法は、1又は複数の駐車室、ユーザが車両から乗り降りするための乗降領域、前記乗降領域の外部空間に配置された操作盤、前記外部空間と前記乗降領域とを開閉可能に仕切る出入口扉、前記乗降領域の車両を所定の駐車室に搬送し、前記所定の駐車室の車両を前記乗降領域へと搬送する搬送機構、及び、前記駐車装置の動作を制御する制御部を備える駐車装置の制御方法であって、
前記出入口扉が閉じた状態でユーザに前記乗降領域内の無人確認を要求し、ユーザによる前記操作盤への入力に応じて無人確認の有無を判定する無人確認処理と、
前記無人確認処理において前記乗降領域の無人確認がされたと判定された後、ユーザに第1の操作認証を要求し、ユーザの第1の入力情報に基づいてユーザを認証する第1認証処理と、
前記第1認証処理の後、前記出入口扉を開く開扉処理と、
前記開扉処理の後、ユーザに第2の操作認証を要求し、ユーザの第2の入力情報を前記第1の入力情報に対して照合し、両者が所定の関係性を有していると判定するとユーザを再認証する第2認証処理と、
前記第2認証処理の後、前記出入口扉を閉じる閉扉処理と、を含
み、
前記出入口扉は、ユーザが前記外部空間から前記乗降領域を目視可能であるように透明性を有し、前記無人確認処理において、ユーザが前記出入口扉を介して前記乗降領域を視認することにより、ユーザによる無人確認が実行されることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の駐車装置の制御方法は、請求項1の制御方法において、各処理が車両を入庫するために実行され、
前記閉扉処理の後、ユーザに前記乗降領域内の無人確認を要求し、ユーザによる前記操作盤への入力に応じて無人確認の有無を判定する第2の無人確認処理と、
前記第2の無人確認処理において前記乗降領域の無人確認がされたと判定された後、前記乗降領域の車両を所定の駐車室に搬送する入庫搬送処理と、を含むことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の駐車装置の制御方法は、請求項1又は2の制御方法において、各処理が車両を出庫するために実行され、
前記第1認証処理の後、且つ、前記開扉処理の前、ユーザに安全確認を要求し、ユーザによる前記操作盤上の安全確認入力器への入力に応じて安全か否かを判定する安全確認処理と、
前記安全確認処理の後、且つ、前記開扉処理の前、前記搬送機構で前記駐車室の車両を前記乗降領域に搬送する出庫搬送処理と、をさらに含むことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の駐車装置の制御方法は、請求項1から3のいずれか一項の制御方法において、
前記駐車装置には、前記外部空間でユーザ又は車両が前記駐車装置に接近したことを検知するセンサが設けられ、
前記無人確認処理の前に、センサがユーザ又は車両の接近を検知したら、前記乗降領域内の照明を点灯させる点灯処理をさらに含むことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の駐車装置の制御方法は、
請求項1から4のいずれか一項の制御方法において、前記駐車装置には、非常停止入力器が設けられ、
前記駐車装置の動作中に前記出入口扉を介して前記乗降領域を目視したユーザによって前記非常停止入力器に入力されることにより、前記駐車装置の機械的動作を停止させる非常停止処理をさらに含むことを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の駐車装置の制御方法は、
請求項1から5のいずれか一項の制御方法において、前記開扉処理の後、ユーザに安全確認を要求し、ユーザによる前記操作盤への入力に応じて安全か否かを判定する安全確認処理と、
前記安全確認処理の後、ユーザに閉扉指示の入力を要求し、ユーザによる前記操作盤への入力に応じて閉扉指示を受け付ける閉扉指示処理と、をさらに含むことを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の駐車装置の制御方法は、
1又は複数の駐車室、ユーザが車両から乗り降りするための乗降領域、前記乗降領域の外部空間に配置された操作盤、前記外部空間と前記乗降領域を開閉可能に仕切る出入口扉、前記乗降領域の車両を所定の駐車室に搬送し、前記所定の駐車室の車両を前記乗降領域へと搬送する搬送機構、及び、前記駐車装置の動作を制御する制御部を備える駐車装置の制御方法であって、
各処理が車両を入庫するために実行され、
前記出入口扉を開く開扉処理と、
前記開扉処理の後、ユーザが前記車両を前記乗降領域に乗り入れ、前記乗降領域から退出して前記操作盤に入力することにより、前記出入口扉を閉じる閉扉処理と、
前記閉扉処理の後、前記乗降領域の車両を所定の駐車室に搬送する入庫搬送処理と、
前記開扉処理前の段階、及び、前記閉扉処理後且つ前記入庫搬送処理前の段階の少なくとも一方において、前記出入口扉が閉じた状態で、ユーザに前記乗降領域の無人確認を要求し、ユーザによる前記操作盤への入力に応じて無人確認の有無を判定する無人確認処理と、を含み、
前記出入口扉は、ユーザが前記外部空間から前記乗降領域を目視可能であるように透明性を有し、前記無人確認処理において、ユーザが前記出入口扉を介して前記乗降領域を視認することにより、ユーザによる無人確認が実行されることを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の駐車装置の制御方法は、1又は複数の駐車室、ユーザが車両から乗り降りするための乗降領域、前記乗降領域の外部空間に配置された操作盤、前記外部空間と前記乗降領域を開閉可能に仕切る出入口扉、前記乗降領域の車両を所定の駐車室に搬送し、前記所定の駐車室の車両を前記乗降領域へと搬送する搬送機構、及び、前記駐車装置の動作を制御する制御部を備える駐車装置の制御方法であって、
各処理が車両を入庫するために実行され、
前記出入口扉が閉じた状態でユーザに第1の操作認証を要求し、ユーザの第1の入力情報に基づいてユーザを認証する第1認証処理と、
前記第1認証処理の後、前記出入口扉を開く開扉処理と、
前記開扉処理の後、ユーザが前記車両を前記乗降領域に乗り入れ、前記乗降領域から退出して前記操作盤に入力することにより、前記出入口扉を閉じる閉扉処理と、
前記閉扉処理の後、前記乗降領域の車両を所定の駐車室に搬送する入庫搬送処理と、
前記第1認証処理前の段階、及び、前記閉扉処理後且つ前記入庫搬送処理前の段階の少なくとも一方において、前記出入口扉が閉じた状態で、ユーザに前記乗降領域の無人確認を要求し、ユーザによる前記操作盤への入力に応じて無人確認の有無を判定する無人確認処理と、を含み、
前記出入口扉は、ユーザが前記外部空間から前記乗降領域を目視可能であるように透明性を有し、前記無人確認処理において、ユーザが前記出入口扉を介して前記乗降領域を視認することにより、ユーザによる無人確認が実行されることを特徴とする。
【0015】
請求項9に記載の駐車装置は、1又は複数の駐車室、ユーザが車両から乗り降りするための乗降領域、前記乗降領域の外部空間に配置された操作盤、前記外部空間と前記乗降領域を開閉可能に仕切る出入口扉、前記乗降領域の車両を所定の駐車室に搬送し、前記所定の駐車室の車両を前記乗降領域へと搬送する搬送機構、及び、前記駐車装置の動作を制御する制御部を備え、請求項1から8のいずれか一項に記載の制御方法によって制御されることを特徴とする。
【0016】
請求項10に記載の駐車装置は、1又は複数の駐車室、
ユーザが車両から乗り降りするための乗降領域、
前記乗降領域の外部空間に配置された操作盤、
前記外部空間と前記乗降領域を開閉可能に仕切る出入口扉、
前記乗降領域の車両を所定の駐車室に搬送し、前記所定の駐車室の車両を前記乗降領域へと搬送する搬送機構、及び、
前記駐車装置の動作を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記出入口扉が閉じた状態で、ユーザに前記乗降領域の無人確認を要求し、ユーザによる前記操作盤への入力に応じて無人確認の有無を判定する無人確認処理を少なくとも実行するように構成され、
前記出入口扉は、ユーザが前記外部空間から前記乗降領域を目視可能であるように透明性を有し
、前記無人確認処理において、ユーザが前記出入口扉を介して前記乗降領域を視認することにより、ユーザによる無人確認が実行されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明によれば、制御方法は、第1認証処理の前に、出入口扉が閉じた状態でユーザに乗降領域内の無人確認を要求し、ユーザによる操作盤への入力に応じて無人確認の有無を判定する無人確認処理を含む。すなわち、第1認証処理後に駐車装置の機械的動作が行われる前に、ユーザが乗降領域を確認することを促し、人又は物体が乗降領域に存在した状態で駐車装置の機械的動作が行われる虞を著しく軽減することができる。
さらに、出入口扉は、ユーザが外部空間から乗降領域を目視可能であるように透明性を有している。これにより、出入口扉が閉扉状態であっても、ユーザが乗降領域を常に視認することが可能となり、ユーザはより安全に配慮して操作盤を操作することが可能となる。したがって、本発明の駐車装置の制御方法は、閉扉状態での安全性を向上させるものである。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、入庫における制御方法は、閉扉処理の後、ユーザに乗降領域内の無人確認を要求し、ユーザによる操作盤への入力に応じて無人か否かを判定する第2の無人確認処理を含む。すなわち、第2の認証処理後に入庫搬送処理が行われる前に、ユーザが乗降領域を確認することを促し、人又は物体が乗降領域に存在した状態で駐車装置の機械的動作が行われる虞を著しく軽減することができる。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の発明の効果に加えて、出庫における制御方法において、第1認証処理と開扉処理との間に、安全確認処理の結果に応じて、出庫搬送処理が行われる。すなわち、駐車装置の機械的動作に進む前に、ユーザに安全確認を促すことにより、より一層安全性を向上させた。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1から3のいずれかの発明の効果に加えて、
センサがユーザ又は車両の駐車装置への接近を検知したら、乗降領域の照明が点灯することにより、ユーザは透明性の出入口扉を介して、乗降領域内部の様子をより容易に視認することができる。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、請求項
1から4のいずれかの発明の効果に加えて、
ユーザは、透明性の出入口扉を介して、駐車装置が機械的動作中であっても乗車領域を目視することができる。そして、ユーザが何らかの異常を発見したら、非常停止入力器に入力することにより、駐車装置の機械的動作を停止させることができる。すなわち、駐車装置の機械的動作中において、より一層安全性を向上させた。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、請求項
1から5のいずれかの発明の効果に加えて、
開扉処理と第2認証処理の間に安全確認処理及び閉扉指示処理が続けて行われる。つまり、開扉状態でユーザに安全確認を促し、安全確認したユーザが運転指示入力器へ入力することにより、次の第2認証処理へと進む。例えば、第2認証処理の後に閉扉指示処理が行われた場合、第2認証処理の後に、認証されないユーザによって最終的な閉扉指示が出される虞があった。これに対し、閉扉指示処理が第2認証処理前に行われることにより、認証されたユーザが閉扉指示を追認することになるので、第2認証処理で認証されないユーザによって閉扉指示が実質的に行われることを極力防止することができる。
【0023】
請求項7に記載の発明によれば、
制御方法は、開扉処理前の段階、及び、閉扉処理後且つ入庫搬送処理前の段階の少なくとも一方において、ユーザに乗降領域内の無人確認を要求し、ユーザによる操作盤への入力に応じて無人確認の有無を判定する無人確認処理を含む。すなわち、閉扉状態においてユーザが乗降領域を確認することを促すことで、人又は物体が乗降領域に存在した状態で駐車装置の機械的動作が行われる虞を著しく軽減することができる。さらには、出入口扉は、ユーザが外部空間から乗降領域を目視可能であるように透明性を有している。これにより、出入口扉が閉扉状態であっても、ユーザが乗降領域を常に視認することが可能となり、ユーザはより安全に配慮して操作盤を操作することが可能となる。
【0024】
請求項8に記載の発明によれば、制御方法は、入庫の際、第1認証処理前の段階、及び、閉扉処理後且つ入庫搬送処理前の段階の少なくとも一方において、ユーザに乗降領域内の無人確認を要求し、ユーザによる操作盤への入力に応じて無人確認の有無を判定する無人確認処理を含む。すなわち、閉扉状態においてユーザが乗降領域を確認することを促すことで、人又は物体が乗降領域に存在した状態で駐車装置の機械的動作が行われる虞を著しく軽減することができる。さらには、出入口扉は、ユーザが外部空間から乗降領域を目視可能であるように透明性を有している。これにより、出入口扉が閉扉状態であっても、ユーザが乗降領域を常に視認することが可能となり、ユーザはより安全に配慮して操作盤を操作することが可能となる。
【0025】
請求項9に記載の発明によれば、請求項1から8の発明の効果を駐車装置として発揮することができる。
【0026】
請求項10に記載の発明によれば、出入口扉は、ユーザが外部空間から乗降領域を目視可能であるように透明性を有している。これにより、出入口扉が閉扉状態であっても、ユーザが乗降領域を常に視認することが可能となり、ユーザはより安全に配慮して操作盤を操作することが可能となる
。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において参照する各図の形状は、好適な形状寸法を説明する上での概念図又は概略図であり、寸法比率等は実際の寸法比率とは必ずしも一致しない。つまり、本発明は、図面における寸法比率に限定されるものではない。
【0029】
図1は、本発明の一実施形態の駐車装置10の概略斜視図である。
図2は該駐車装置10の全体模式図である。
図3は、該駐車装置10の概略正面図である。
図4は、該駐車装置10の概略平面図である。
図5,6は、該駐車装置10の機械的動作を示す模式図である。
図1及び2に示すとおり、本実施形態の駐車装置10は、所謂、フォーク式立体駐車場(装置)である。
図1乃至
図6を参照して、一実施形態のフォーク式立体駐車装置10の機械的な構成及び動作を説明する。
【0030】
図1及び
図2に示すとおり、駐車装置10は、複数の駐車室11と、ユーザが車両から乗り降りするために地上面に配置された乗降領域13と、該乗降領域13から垂直上方に連設された昇降空間14とを備える機械式立体駐車場である。複数の駐車室11は、昇降空間14の左右に複数階に亘って連設されている。また、駐車装置10は、該乗降領域13の外部空間15に配置された操作盤16、及び、外部空間15と乗降領域13とを開閉可能に仕切る出入口扉17を備える。さらに、駐車装置10には、乗降領域13の車両Vを所定の駐車室11に搬送し、且つ、所定の駐車室11の車両Vを乗降領域13へと搬送する搬送機構20、及び、駐車装置100の動作を制御する制御部を備える。外部空間15は、乗降領域13の外側の空間を意味し、車両Vが待機する待機領域及びユーザが操作版16を操作する操作領域等を含んでいる。これら待機・操作領域は、「前庭」とも称される。
【0031】
乗降領域13は、ユーザが車両Vから乗り降りするための建造物内の領域であり、車両Vが乗り入れ又は出庫可能に地上階に配置されている。また、乗降領域13は、乗込台13aと該乗込台13aの下方の凹設部13bとを備える。乗込台13aは、中央フレームから左右外方に櫛歯が延びる櫛歯形状を有している。凹設部13bには、原位置において昇降リフト21が収容されている。また、乗降領域13には、内部を照らす照明13cが設置されている。そして、乗降領域13の外部には、外部空間15が形成されている。外部空間15には、ユーザが車両Vで乗降領域13に乗り入れるための車路及び、乗降領域13に近接して操作盤16が配置されている。具体的には、
図3の正面視において、操作盤16は、出入口扉17の右側に位置し、建物外壁に固定されている。なお、操作盤(又は操作領域)の設置位置は、本実施形態に限定されないことはいうまでもなく、例えば、操作盤は、出入口扉の左側や、出入口扉から若干離れた位置に設置されてもよい。
【0032】
また、
図3及び
図4に示すように、乗降領域13と外部空間15とが開閉可能な出入口扉17によって仕切られている。出入口扉17によって開閉される出入口は、少なくとも駐車対象の車両Vが通過可能な幅及び高さを有している。出入口扉17は、ユーザが外部空間15から乗降領域13を目視可能である程度の透明性を有する。具体的には、出入口扉17は、格子状のフレーム部17aと、該フレーム部17aの間に位置する透明部17bとから構成されている。透明部17bは、出入口扉17表面のほぼ全体に亘って形成されている。また、出入口扉17の表面積において、透過部分(透明部17b)の占める割合は、非透過部分(フレーム部17a)の割合よりも大きい。本実施形態では、フレーム部17aは、金属材料からなり、且つ、透明部17bは、透明なアクリル板からなる。しかしながら、フレーム部の形状、材質及び透明部の材質は任意に選択され得る。例えば、透明部は、強化ガラスなどであってもよい。あるいは、透明部は開口であってもよい。好ましくは、操作盤16の前に立ったユーザが、乗降領域13の大部分を目視できるように出入口扉17及び透明部17bのサイズが決定される。特には、出入口扉17の幅(又は透明部17bの占有幅)は、乗降領域13の幅の2/3以上であることが好ましい。乗降領域13の幅の2/3以上であると、操作領域のユーザから乗降領域13内の良好な視界を比較的容易に確保することができる。しかしながら、本発明は、この範囲に限定されないことはいうまでもない。
【0033】
さらに、乗降領域13の外壁外面(外部空間15)には、センサ18設けられている。具体的には、センサ18は、建物外壁の出入口扉17の直上に位置し、出入口扉17の外側で車路方向を向くように設置され、外部空間15で駐車装置10に接近する人又は車両を検知するように構成されている。または、センサは、乗降領域13から透明な出入口扉17を介して、外部空間15で駐車装置10に接近する人又は車両を検知するように構成されてもよい。あるいは、センサは、地面埋込式であって、外部空間15で駐車装置10に接近する人又は車両を検知するように車路等に埋め込まれて構成されてもよい。センサ18は、赤外線、金属検知、熱検知、光電センサ、レーザーセンサ、超音波センサ、レーダーセンサ、測距センサ、ループコイル、マイクロ波、ETC、磁気センサ、カメラ(画像処理)等から適宜選択され得る。
【0034】
昇降空間14は、搬送装置20の昇降リフト21が昇降するための空間である。昇降空間14の高さは、所望の駐車室11の数、すなわち、駐車塔の階数によって任意に設定される。昇降リフト21は、は、左右一対に分割されたフレームからなり、外側フレームから内側へ櫛歯が延びている。該昇降リフト21の櫛歯と乗込台13aの櫛歯とが互いにすれ違い可能に形成されており、昇降リフト21は乗降領域13の凹設部13b内に移動可能である。つまり、乗込台13a及び昇降リフト21は車両Vを互いに受け渡し可能である。そして、昇降空間14には、昇降リフト21を昇降させるための昇降駆動部25が設けられ、該昇降駆動部25は、駆動モータ25a、滑車25b、索状体25c及びバランスウェイト25dで構成される(
図1参照)。駆動モータ25a及び滑車25bは昇降空間14の頂部に設置されており、駆動モータ25aは滑車25bを回転駆動可能に配置されている。該滑車25bには、複数本の長尺の索状体25cが巻回されている。
【0035】
各駐車室11は、各階において昇降空間14に隣接して配置されている。各駐車室11は、1台の車両Vを駐車可能な空間である。該駐車室11には、車両Vが載置される横行トレイ22が配置されている。横行トレイ22は、中央フレームから左右外方に櫛歯が延びる櫛歯形状を有しており、上述の昇降リフト21の櫛歯状の昇降リフト21とすれ違い可能に形成されている。つまり、昇降リフト21及び横行トレイ22は車両Vを互いに受け渡し可能である。そして、横行レール23が昇降空間14と各駐車室11との間に延設されている。横行トレイ22は、横行レール23に沿って、駐車室11と昇降空間14との間を往復動する。横行トレイ22の前後端は、横行レール23に形成された複数の駆動ローラ22aで支持され、該駆動ローラ23aの回転で横行駆動される。そして、複数の駆動ローラ22aは、横行モータ26によって回転駆動される。
【0036】
操作盤16は、出入口扉17の側方で建物の外壁に設置されている。操作盤16には、各種情報を表示するモニタ、ユーザの操作認証のための認証手段、及び、ユーザが操作するための各種操作部が設けられている。操作認証は、ユーザに個別に設定されたICカードを読み取る方式で実行されてもよい。または、操作認証は、ユーザによって設定された暗証番号の入力であってもよい。あるいは、操作認証は、ユーザの指紋等で認証する生体認証方式であってもよい。さらに、操作認証はこれらの組み合わせであってもよい。本実施形態では、操作認証で入力された情報を、契約者情報が蓄積されたデータベースと照合することにより、ユーザが契約利用者であるかどうかを判定する。また、本実施形態では、各種操作部として、無人確認入力器、安全確認入力器、運転指示入力器、及び非常停止入力器が設けられている。各入力器は、タッチパネル式、押しボタン式、音声入力式等から任意に選択され得る。
【0037】
次いで、
図5を参照して、車両Vを所定の駐車室11に入庫するときの搬送機構20の一連の機械的動作を説明する。
図2の当初状態において昇降リフト21が地上階に位置するとき、昇降リフト21は、乗降領域13の凹設部13bに収容されている。そして、車両Vが乗降領域13に乗り込み、乗込台13a上に載置された状態で、昇降リフト21が上昇すると、櫛歯状の昇降リフト21と櫛歯状の乗込台13aとが互いにすれ違い、車両Vが乗込台13aから昇降リフト21へと移載され、さらに、車両Vを搭載した積載状態の昇降リフト21が所定の駐車室11の横行レール23よりも上方に昇降する(
図5(a)参照)。次に、横行トレイ22が昇降空間14内に横行して昇降リフト21の下方に配置される(
図5(b)参照)。そして、昇降リフト21が下降し、櫛歯状の昇降リフト21と櫛歯状の横行トレイ22とが互いにすれ違うことにより、昇降リフト21から横行トレイ22へと車両Vが移載される。移載後、車両Vを搭載した横行トレイ22が横行レール23に沿って駐車室11に横行することにより、車両Vが駐車室11に収容される(
図5(c)参照)。そして、昇降リフト21は、凹設部13bに再び収容される。本発明において、上記一連の搬送工程は、(フォーク式)入庫搬送処理として称される。
【0038】
図6を参照して、車両Vを駐車室11から出庫するときの搬送機構20の一連の機械的動作を説明する。車両Vを所定の駐車室11から出庫する場合、車両Vを搭載した横行トレイ22が駐車室11から昇降空間14に横行するとともに、空車状態の昇降リフト21が上昇する(
図6(a)参照)。そして、昇降リフト21が横行トレイ22とすれ違うように上昇して横行トレイ22の上方で停止し、横行トレイ22から昇降リフト21に車両Vが移載される。次に、空の横行トレイ22が横行して駐車室11に収容される(
図6(b)参照)。続いて、積載状態の昇降リフト21が地上階まで下降して、車両Vが乗降領域13に配置される(
図6(c)参照)。そして、昇降リフト21が乗込台13aとすれ違って凹設部13bに収容されることにより、車両Vが昇降リフト21から乗込台13aに移載される。本発明において、上記一連の搬送工程は、(フォーク式)出庫搬送処理として称される。
【0039】
次に、車両Vの入出庫運転における駐車装置10の制御方法を
図7,8のフローチャートに基づいて説明する。以下の各処理は、図示しない制御部によって実行される。
【0040】
図7は、車両Vの入庫時の駐車装置10の制御の流れを説明するフローチャートである。まず、駐車装置10に車両Vを駐車するためにユーザが車両Vで駐車装置10に近づくと、車路を向いたセンサ18がユーザ又は車両Vを検知する。このとき、出入口扉17は閉鎖されている。そして、センサ18による検知に応じて、照明13cが点灯する点灯処理S01が実行される。この点灯処理S01によって、乗降領域13が照らされることにより、外部空間15から出入口扉17を介して乗降領域13内部を目視することが容易となる。そして、内外の照度を計測する照度計を設置し、外部空間15の照度に比例するように乗降領域13の照度を制御することが好ましい。例えば、夜間などの外部空間15が暗い環境では、照明13cの照度が比較的低くても、乗降領域13の方が外部空間15よりも明るくなることから、照明13cの照度を抑えることができる。また、昼間などの外部空間15が明るい環境では、照明13cの照度が比較的高くても、乗降領域13が外部空間15と比べて相対的に暗くなり易いので、照明13cの照度を高くすることが内部の視認性を良好にする。なお、センサ18がユーザ又は車両Vを検知しない場合、照明13dを消灯状態に維持するか、又は、点灯状態から消灯状態に移行させる。
【0041】
次いで、車両Vで出入口扉17の前に乗り付けたユーザが操作盤16を操作する。本実施形態では、ユーザが車両Vから降車して操作盤16を操作するように構成されたが、ユーザが車両Vに乗車したまま操作盤16を操作してもよい。第1の無人確認処理(閉扉時・無人確認処理)S02において、制御部(駐車装置10)は、操作盤16の前のユーザに対して、出入口扉17が閉じた状態でユーザに乗降領域13内の無人確認を要求する。この要求は、操作盤16の画面に視覚的に表示されるか、あるいは、操作盤16のスピーカから音声によってなされる。ユーザは、操作盤16の位置から透明な出入口扉17を介して乗降領域13を目視することによって、乗降領域13が無人であることを確認し、確認後、操作盤16上の無人確認入力器に入力する。そして、制御部は、ユーザによる操作盤16への入力に応じて乗降領域13の無人確認の有無を判定する。つまり、ユーザの無人確認の後、ユーザが操作盤16の無人確認入力器に入力する(例えば、ボタンを押す)ことにより、制御部が乗降領域13の無人確認がなされたと判定し、次のステップに進む。
【0042】
無人確認処理S02において乗降領域13の無人確認がユーザによってされたと判定された後、ユーザに第1の操作認証を要求し、ユーザの第1の入力情報に基づいてユーザを認証する第1認証処理S03に進む。すなわち、ユーザがIDカード、暗証番号入力等の任意の認証手段で操作認証を行うことにより、制御部が、データベースの情報と認証情報とを照合し、ユーザが契約利用者であるか否かを判定する。ユーザが契約利用者でないと判定された場合、再び、無人確認処理S02の前段階まで戻る。ユーザが契約利用者であると判定された場合、当該ユーザが認証され、第1認証処理S03が完了する。第1認証処理S03の後、開扉処理S04に進んで、制御部が出入口扉17を開くように駆動させる。
【0043】
次に、車室番号の設定処理S05において、車両Vの入庫先の駐車室11の車室番号が設定される。当該車室番号の設定は、各ユーザに予め割り当てられた情報が用いられてもよく、あるいは、空いている駐車室11からランダムに設定されてもよい。
【0044】
出入口扉17が開いた後、ユーザは車両Vを運転して乗降領域13に進入し、所定位置に停車した上でユーザが降車し、乗降領域13から外部空間15に退出する。ユーザは、操作盤16の前に移動し、乗降領域13上の車両Vを駐車室11に搬送するために操作盤16を再度操作する。そして、第2の無人確認処理(開扉時・無人確認処理)S06において、制御部は、操作盤16の前のユーザに対して、出入口扉17が開いた状態でユーザに乗降領域13内の無人確認を要求する。ユーザは、開扉状態の出入口を介して乗降領域13を直接目視することによって、乗降領域13が無人であることを確認し、確認後、操作盤16上の無人確認入力器に入力する。そして、該無人確認処理S06において、ユーザによる無人確認入力器の入力を受領し、乗降領域13の無人確認がユーザによってされたと判定された後、安全確認処理S07に進む。安全確認処理S07において、制御部は、ユーザに安全確認を要求し、ユーザによる操作盤16上の安全確認入力器への入力に応じて安全確認がなされたと判定する。なお、無人確認処理S06は、安全確認処理を兼ねてもよい。
【0045】
安全確認有りと判定された後、制御部は、ユーザに閉扉指示の入力を要求し、ユーザによる操作盤17上の運転指示入力器への入力に応じて閉扉指示を受け付ける閉扉指示処理S08へと進む。閉扉指示処理S08では、ユーザが運転指示入力器としての運転ボタンを押すことにより、ユーザからの指示を受け付けた状態で制御部が出入口扉17を待機させる。
【0046】
閉扉指示処理S08の後、ユーザに再認証を求めるべく、ユーザに第2の操作認証を要求し、ユーザの第2の入力情報に基づいてユーザを認証する第2認証処理S09へと進む。第2認証処理S09では、第1認証処理03における第1の入力情報と第2の入力情報とを照合し、両者が所定の関係性を有していると判定するとユーザが再認証される。本実施形態では、操作するユーザが同一であることを求めるべく、第1の入力情報と第2の入力情報とが一致しているかどうかを判定する。そして、入力情報の一致により判定に合格して、第2認証処理S09が完了すると、閉扉処理S10へと進んで、制御部が待機中の出入口扉17を閉じるように駆動して出入口が閉塞される。他方、入力情報の不一致により判定に合格しない場合、所定の時間内にマスター認証が有ると、マスター操作認証処理S15に進み、認証がなされると、制御部が待機中の出入口扉17を閉じるように駆動し、出入口を閉塞する。このマスター操作認証処理S15は、主に管理者により実行されることを意図しており、予め許諾された特定のキーや暗証番号が入力されることによって認証され得る。また、所定の時間内にマスター認証がない場合、再度、ユーザに第2の操作認証を要求するべく、第2認証処理S09の直前へと戻る。そして、本実施形態では、操作入力の待ち時間が所定時間(例えば、10秒)を超えた場合、同様に第2認証処理S09の直前へと戻るように制御される。なお、本実施形態では、第1の操作認証と第2の操作認証を同じものとしたが、例えば、2つの異なる暗証番号を設定するなど、両者が異なっていてもよい。
【0047】
閉扉処理S10において出入口扉17が閉じた後、第3の無人確認処理(閉扉時・無人確認処理)S11において、制御部は、再度、操作盤16の前のユーザに対して、ユーザに乗降領域13内の無人確認を要求する。ユーザは、操作盤16の位置から透明な出入口扉17を介して乗降領域13を目視することによって、乗降領域13が無人であることを確認し、確認後、操作盤16上の無人確認入力器に入力する。そして、制御部は、ユーザによる操作盤16への入力に応じて乗降領域13の無人確認の有無を判定する。無人確認処理S11において乗降領域13の無人確認がユーザによってされたと判定された後、安全確認処理S12へと進む。安全確認処理S12において、制御部は、ユーザに安全確認を要求し、ユーザによる操作盤16上の安全確認入力器への入力に応じて安全確認がなされたと判定する。なお、無人確認処理S11は、安全確認処理を兼ねてもよい。
【0048】
ユーザが安全確認入力器へ入力して(例えば、ボタンを押して)安全確認有りと判定された後、制御部は、搬送機構20の駆動を開始するための運転指示を出すべく、ユーザに運転指示入力器への入力を要求する。入庫搬送処理S13において、ユーザが運転指示入力器に入力すると、制御部は、その入力に応答して、乗降領域13の車両Vを所定の駐車室11に搬送するように搬送機構20を駆動させる。入庫搬送処理S13の間、ユーザは透明性の出入口扉17を介して乗降領域13を常に目視可能である。そして、車両Vの搬送開始後、ユーザが何らかの異常を乗降領域13内に発見した場合、ユーザが非常停止入力器に入力することにより、駐車装置10の機械的動作を停止させる非常停止処理S16へと進む。非常停止入力器への入力がない場合、車両Vが駐車室11に収容され、入庫搬送処理S13が完了する。この入庫搬送処理S13の完了により、車両Vの入庫工程が終了する。
【0049】
図8は、車両Vの出庫時の駐車装置10の制御の流れを説明するフローチャートである。まず、駐車中の車両Vを駐車装置10から出庫するためにユーザが駐車装置10に近づくと、センサ18がユーザを検知する。このとき、出入口扉17は閉鎖されている。そして、センサ18による検知に応じて、照明13cが点灯する点灯処理S21が実行される。この点灯処理S21によって、乗降領域13が照らされることにより、外部空間15から出入口扉17を介して乗降領域13内部を目視することが容易となる。そして、内外の照度を計測する照度計を設置し、外部空間15の照度に比例するように乗降領域13の照度を制御することが好ましい。
【0050】
次いで、ユーザが操作盤16の前に移動すると、第1の無人確認処理(閉扉時・無人確認処理)S22において、制御部(駐車装置10)は、操作盤16の前のユーザに対して、出入口扉17が閉じた状態でユーザに乗降領域13内の無人確認を要求する。この要求は、操作盤16の画面に視覚的に表示されるか、あるいは、操作盤16のスピーカから音声によってなされる。ユーザは、操作盤16の位置から透明な出入口扉17を介して乗降領域13を目視することによって、乗降領域13が無人であることを確認し、確認後、操作盤16上の無人確認入力器に入力する。そして、制御部は、ユーザによる操作盤16への入力に応じて乗降領域13の無人確認の有無を判定する。つまり、ユーザの無人確認の後、ユーザが操作盤16の無人確認入力器に入力(例えば、ボタンを押す)することにより、制御部が乗降領域13の無人確認がなされたと判定し、次のステップに進む。
【0051】
無人確認処理S22において乗降領域13の無人確認がユーザによってされたと判定された後、ユーザに第1の操作認証を要求し、ユーザの第1の入力情報に基づいてユーザを認証する第1認証処理S23に進む。すなわち、ユーザがIDカード、暗証番号入力等の任意の認証手段で操作認証を行うことにより、制御部が、データベースの情報と認証情報とを照合し、ユーザが契約利用者であるか否かを判定する。ユーザが契約利用者でないと判定された場合、再び、無人確認処理S22の前段階まで戻る。ユーザが契約利用者であると判定された場合、当該ユーザが認証され、第1認証処理S23が完了する。
【0052】
第1認証処理S23の後、出庫する車両Vの駐車室11の車室番号を設定する車室番号設定処理S24が実行される。車室番号設定処理S24において、第1認証処理S23時にユーザに入力された第1の入力情報に紐付けられた車室番号が設定される。しかしながら、車室番号がユーザによって入力されてもよい。
【0053】
次に、安全確認処理S25において、制御部は、ユーザに安全確認を要求し、ユーザによる操作盤16上の安全確認入力器への入力に応じて安全確認がなされたと判定する。ユーザが安全確認入力器へ入力して(例えば、ボタンを押して)安全確認有りと判定された後、出庫搬送処理S26へと進む。出庫搬送処理S26では、制御部は、駐車室11の車両Vを乗降領域13へと搬送するように搬送機構20を駆動させる。出庫搬送処理S26の間、ユーザは透明性の出入口扉17を介して乗降領域13を常に目視可能である。そして、車両Vの搬送開始後、ユーザが何らかの異常を乗降領域13内に発見した場合、ユーザが非常停止入力器に入力することにより、駐車装置10の機械的動作を停止させる非常停止処理S36へと進む。非常停止入力器への入力がない場合、車両Vの乗降領域13への搬送が完了する。それと同時に、昇降リフト21が原位置に復帰する。
【0054】
出庫搬送処理S26の完了後、開扉処理S27が実行され、出入口扉17が開いて出入口が開放される。ユーザは、乗降領域13に進入し、車両Vに乗車し、車両Vを運転して乗降領域13から外部空間15に退出する。引き続き、出入口扉17を閉めるために、ユーザは操作盤16を操作することが求められる。
【0055】
そして、第2の無人確認処理(開扉時・無人確認処理)S28において、制御部は、操作盤16の前のユーザに対して、出入口扉17が開いた状態でユーザに乗降領域13内の無人確認を要求する。ユーザは、開扉状態の出入口を介して乗降領域13を直接目視することによって、乗降領域13が無人であることを確認し、確認後、操作盤16上の無人確認入力器に入力する。該無人確認処理S28において、ユーザによる無人確認入力器の入力を受領し、乗降領域13の無人確認がユーザによってされたと判定された後、安全確認処理S29に進む。安全確認処理S29において、制御部は、ユーザに安全確認を要求し、ユーザによる操作盤16上の安全確認入力器への入力に応じて安全確認がなされたと判定する。なお、無人確認処理S28は、安全確認処理を兼ねてもよい。
【0056】
安全確認有りと判定された後、制御部は、ユーザに閉扉指示の入力を要求し、ユーザによる操作盤16上の運転指示入力器への入力に応じて閉扉指示を受け付ける閉扉指示処理S30へと進む。閉扉指示処理S30では、ユーザが運転指示入力器としての運転ボタンを押すことにより、ユーザからの指示を受け付けた状態で制御部が出入口扉17を待機させる。
【0057】
閉扉指示処理S30の後、ユーザに再認証を求めるべく、ユーザに第2の操作認証を要求し、ユーザの第2の入力情報に基づいてユーザを認証する第2認証処理S31へと進む。第2認証処理S31では、第1認証処理23における第1の入力情報と第2の入力情報とを照合し、両者が所定の関係性を有していると判定するとユーザが再認証される。本実施形態では、操作するユーザが同一であることを求めるべく、第1の入力情報と第2の入力情報とが一致しているかどうかを判定する。そして、入力情報の一致により判定に合格して、第2認証処理S31が完了すると、閉扉処理S32へと進んで、制御部が待機中の出入口扉17を閉じるように駆動して出入口が閉塞される。他方、入力情報の不一致により判定に合格しない場合、所定の時間内にマスター認証が有ると、マスター操作認証処理S35に進み、認証がなされると、制御部が待機中の出入口扉17を閉じるように駆動し、出入口を閉塞する。このマスター操作認証処理S35は、主に管理者により実行されることを意図しており、予め許諾された特定のキーや暗証番号が入力されることによって認証され得る。また、所定の時間内にマスター認証がない場合、再度、ユーザに第2の操作認証を要求するべく、第2認証処理S31の直前へと戻る。そして、本実施形態では、操作入力の待ち時間が所定時間(例えば、10秒)を超えた場合、同様に第2認証処理S31の直前へと戻るように制御される。閉扉処理S32の完了により、ユーザによる車両Vの出庫工程が終了する。
【0058】
以下、本発明に係る一実施形態の駐車装置10の制御方法における作用効果について説明する。
【0059】
本実施形態の制御方法は、入出庫時の第1認証処理S03,S23の前段階において、出入口扉17が閉じた状態でユーザに乗降領域13内の無人確認を要求し、ユーザによる操作盤16への入力に応じて無人確認の有無を判定する無人確認処理S02,S22を含む。さらに、入庫時には、閉扉処理S10後且つ入庫搬送処理S13前の段階において、出入口扉17が閉じた状態でユーザに乗降領域13内の無人確認を要求し、ユーザによる操作盤16への入力に応じて無人確認の有無を判定する無人確認処理S12を含む。すなわち、出入口扉17が閉じた状態で、駐車装置10の機械的動作が行われる前に、ユーザが乗降領域13を確認することを促し、人又は物体が乗降領域13に存在した状態で駐車装置10の機械的動作が行われる虞を著しく軽減することができる。また、出入口扉17は、ユーザが外部空間15から乗降領域13を目視可能であるように透明性を有している。これにより、出入口扉17が閉扉状態であっても、ユーザが乗降領域13を常に視認することが可能となり、ユーザはより安全に配慮して操作盤16を操作することが可能となる。したがって、本発明の駐車装置10の制御方法は、閉扉状態での機械的動作によける安全性を向上させるものである。
【0060】
[変形例]
本発明の別実施例として、
図9及び
図10のフローチャートは、駐車装置10の制御方法をより簡易にしたものを例示する。本実施例の各処理は、上記実施例の各処理に対応しているので、その説明を省略する。すなわち、本発明の技術的範囲から逸脱することがなければ、必要に応じて、各処理が省略又は追加され、又は、各処理の順番が自由に入れ替えられてもよい。
【0061】
[別実施形態]
また、本発明の制御方法は、パレット式立体駐車場に採用することも可能である。パレット式立体駐車場は、駐車装置10’として表される。なお、駐車装置10’は、上記実施形態と同様の構成を有するセンサ18、照明13c、操作盤16及び出入口扉17を備える。
図11及び
図12は、パレット式立体駐車装置10’の入出庫における機械的動作を示している。
【0062】
図11を参照して、所定の駐車室11’に車両Vを入庫するときの搬送機構20’の一連の機械的動作を説明する。まず、昇降リフト21が原位置(任意に定められる)から昇降空間14’内で所定の駐車室11’の高さに移動する。そして、所定の駐車室11’に配置されたパレット28’が、昇降空間14’で静止する昇降リフト21’上にコンベアベルト等で送られる。続いて、パレット28’を載置した昇降リフト21’が乗降領域13’へと下降する(
図11(a)参照)。ここまでの一連の工程は、搬送体呼出処理として称される。次いで、出入口扉17が開いて車両Vが乗降領域13に乗り込み、パレット28’上に移動する。車両Vを搭載した積載状態のパレット28’が昇降リフト21’とともに昇降空間14’を所定の駐車室11’の高さまで上昇する。そして、パレット28’が昇降リフト21’から駐車室11’へと送られることにより、車両Vが駐車室11’に収容される(
図11(b)参照)。さらに、昇降リフト21’が下降し、当初位置に復帰する(
図11(c)参照)。上記一連の搬送工程は、(パレット式)入庫搬送処理として称される。
【0063】
図12を参照して、車両Vを駐車室11’から出庫するときの搬送機構20’の一連の機械的動作を説明する。車両Vを所定の駐車室11’から出庫する場合、昇降リフト21’が昇降空間14’で所定の駐車室11’の高さまで移動し、車両Vを搭載したパレット28’が駐車室11’から昇降空間14’の昇降リフト21’に送られる(
図12(a)参照)。昇降リフト21’がパレット28’とともに乗降領域13’まで下降する(
図12(b)参照)。ここまでの一連の搬送工程は、(パレット式)出庫搬送処理として称される。そして、出入口扉17が開いて、車両Vが乗降領域13’(又はパレット28’)から退出する。退出後、出入口扉17が閉じた後、搬送体の格納処理として、空のパレット28’が昇降リフト21’とともに元の駐車室11’の高さまで移動し、パレット28’が元の駐車室11’に収納されて、昇降リフト21’が原位置に復帰する(
図12(c)参照)。
【0064】
次に、車両Vの入出庫運転におけるパレット式立体駐車装置10’の制御方法を
図13,14のフローチャートに基づいて説明する。以下の各処理は、図示しない制御部によって実行される。
【0065】
図13は、車両Vの入庫時の駐車装置10’の制御の流れを説明するフローチャートである。まず、駐車装置10’に車両Vを駐車するためにユーザが車両Vで駐車装置10’に近づくと、車路を向いたセンサ18がユーザ又は車両Vを検知する。このとき、出入口扉17は閉鎖されている。そして、センサ18による検知に応じて、照明13cが点灯する点灯処理S41が実行される。この点灯処理S41によって、乗降領域13が照らされることにより、外部空間15から出入口扉17を介して乗降領域13内部を目視することが容易となる。そして、内外の照度を計測する照度計を設置し、外部空間15の照度に比例するように乗降領域13の照度を制御することが好ましい。
【0066】
次いで、車両Vで出入口扉17の前に乗り付けたユーザが操作盤16を操作する。第1の無人確認処理(閉扉時・無人確認処理)S42において、制御部(駐車装置10’)は、操作盤16の前のユーザに対して、出入口扉17が閉じた状態でユーザに乗降領域13内の無人確認を要求する。この要求は、操作盤16の画面に視覚的に表示されるか、あるいは、操作盤16のスピーカから音声によってなされる。ユーザは、操作盤16の位置から透明な出入口扉17を介して乗降領域13を目視することによって、乗降領域13’が無人であることを確認し、確認後、操作盤16上の無人確認入力器に入力する。そして、制御部は、ユーザによる操作盤16への入力に応じて乗降領域13’の無人確認の有無を判定する。つまり、ユーザの無人確認の後、ユーザが操作盤16の無人確認入力器に入力する(例えば、ボタンを押す)ことにより、制御部が乗降領域13’の無人確認がなされたと判定し、次のステップに進む。
【0067】
無人確認処理S42において乗降領域13の無人確認がユーザによってされたと判定された後、ユーザに第1の操作認証を要求し、ユーザの第1の入力情報に基づいてユーザを認証する第1認証処理S43に進む。すなわち、ユーザがIDカード、暗証番号入力等の任意の認証手段で操作認証を行うことにより、制御部が、データベースの情報と認証情報とを照合し、ユーザが契約利用者であるか否かを判定する。ユーザが契約利用者でないと判定された場合、再び、無人確認処理S42の前段階まで戻る。ユーザが契約利用者であると判定された場合、当該ユーザが認証され、第1認証処理S43が完了する。第1認証処理S43の後、搬送体呼出処理S44に進んで、制御部が駆動機構20’を駆動させる。具体的には、空のパレット28’(搬送体)を駐車室11’から乗降領域13’へと移動させる。
【0068】
搬送体呼出処理S44の間、ユーザは透明性の出入口扉17を介して乗降領域13’を常に目視可能である。そして、車両Vの搬送開始後、ユーザが何らかの異常を乗降領域13’内に発見した場合、ユーザが非常停止入力器に入力することにより、駐車装置10’の機械的動作を停止させる非常停止処理S56へと進む。非常停止入力器への入力がない場合、空のパレット28’が乗降領域13’に移動し、搬送体呼出処理S44が完了する。この搬送体呼出処理S44の完了後、開扉処理S45に進んで、制御部が出入口扉17を開くように駆動する。
【0069】
次に、車室番号の設定処理S46において、車両Vの入庫先の駐車室11’の車室番号が設定される。当該車室番号の設定は、各ユーザに予め割り当てられた情報が用いられてもよく、あるいは、空いている駐車室11’からランダムに設定されてもよい。
【0070】
出入口扉17が開いた後、ユーザは車両Vを運転して乗降領域13’に進入し、所定位置に停車した上でユーザが降車し、乗降領域13’から外部空間15に退出する。ユーザは、操作盤16の前に移動し、車両Vを駐車室11’に搬送するために操作盤16を再度操作する。そして、第2の無人確認処理(開扉時・無人確認処理)S47において、制御部は、操作盤16の前のユーザに対して、出入口扉17が開いた状態でユーザに乗降領域13’内の無人確認を要求する。ユーザは、開扉状態の出入口を介して乗降領域13’を直接目視することによって、乗降領域13’が無人であることを確認し、確認後、操作盤16上の無人確認入力器に入力する。そして、該無人確認処理S47において、ユーザによる無人確認入力器の入力を受領し、乗降領域13’の無人確認がユーザによってされたと判定された後、安全確認処理S48に進む。安全確認処理S48において、制御部は、ユーザに安全確認を要求し、ユーザによる操作盤16上の安全確認入力器への入力に応じて安全確認がなされたと判定する。
【0071】
安全確認有りと判定された後、制御部は、ユーザに閉扉指示の入力を要求し、ユーザによる操作盤17上の運転指示入力器への入力に応じて閉扉指示を受け付ける閉扉指示処理S49へと進む。閉扉指示処理S49では、ユーザが運転指示入力器としての運転ボタンを押すことにより、ユーザからの指示を受け付けた状態で制御部が出入口扉17を待機させる。
【0072】
閉扉指示処理S48の後、ユーザに再認証を求めるべく、ユーザに第2の操作認証を要求し、ユーザの第2の入力情報に基づいてユーザを認証する第2認証処理S50へと進む。第2認証処理S50では、第1認証処理43における第1の入力情報と第2の入力情報とを照合し、両者が所定の関係性を有していると判定するとユーザが再認証される。本実施形態では、操作するユーザが同一であることを求めるべく、第1の入力情報と第2の入力情報とが一致しているかどうかを判定する。そして、入力情報の一致により判定に合格して、第2認証処理S50が完了すると、閉扉処理S51へと進んで、制御部が待機中の出入口扉17を閉じるように駆動して出入口が閉塞される。他方、入力情報の不一致により判定に合格しない場合、所定の時間内にマスター認証が有ると、マスター操作認証処理S55に進み、認証がなされると、制御部が待機中の出入口扉17を閉じるように駆動し、出入口を閉塞する。このマスター操作認証処理S55は、主に管理者により実行されることを意図しており、予め許諾された特定のキーや暗証番号が入力されることによって認証され得る。また、所定の時間内にマスター認証がない場合、再度、ユーザに第2の操作認証を要求するべく、第2認証処理S50の直前へと戻る。そして、本実施形態では、操作入力の待ち時間が所定時間(例えば、10秒)を超えた場合、同様に第2認証処理S50の直前へと戻るように制御される。
【0073】
閉扉処理S51において出入口扉17が閉じた後、第3の無人確認処理(閉扉時・無人確認処理)S52において、制御部は、再度、操作盤16の前のユーザに対して、ユーザに乗降領域13’内の無人確認を要求する。ユーザは、操作盤16の位置から透明な出入口扉17を介して乗降領域13’を目視することによって、乗降領域13’が無人であることを確認し、確認後、操作盤16上の無人確認入力器に入力する。そして、制御部は、ユーザによる操作盤16への入力に応じて乗降領域13’の無人確認の有無を判定する。無人確認処理S52において乗降領域13’の無人確認がユーザによってされたと判定された後、安全確認処理S53へと進む。
【0074】
安全確認処理S53において、制御部は、ユーザに安全確認を要求し、ユーザによる操作盤16上の安全確認入力器への入力に応じて安全確認がなされたと判定する。ユーザが安全確認入力器へ入力して(例えば、ボタンを押して)安全確認有りと判定された後、制御部は、搬送機構20’の駆動を開始するための運転指示を出すべく、ユーザに運転指示入力器への入力を要求する。入庫搬送処理S54において、ユーザが運転指示入力器に入力すると、制御部は、その入力に応答して、乗降領域13’の車両Vを所定の駐車室11’に搬送するように搬送機構20’を駆動させる。入庫搬送処理S54の間、ユーザは透明性の出入口扉17を介して乗降領域13’を常に目視可能である。そして、車両Vの搬送開始後、ユーザが何らかの異常を乗降領域13’内に発見した場合、ユーザが非常停止入力器に入力することにより、駐車装置10’の機械的動作を停止させる非常停止処理S56へと進む。非常停止入力器への入力がない場合、車両Vが駐車室11’に収容され、入庫搬送処理S54が完了する。この入庫搬送処理S54の完了により、車両Vの入庫工程が終了する。
【0075】
図14は、車両Vの出庫時の駐車装置10’の制御の流れを説明するフローチャートである。まず、駐車中の車両Vを駐車装置10’から出庫するためにユーザが駐車装置10’に近づくと、センサ18がユーザを検知する。このとき、出入口扉17は閉鎖されている。そして、センサ18による検知に応じて、照明13cが点灯する点灯処理S61が実行される。この点灯処理S61によって、乗降領域13が照らされることにより、外部空間15から出入口扉17を介して乗降領域13内部を目視することが容易となる。
【0076】
次いで、ユーザが操作盤16の前に移動すると、第1の無人確認処理(閉扉時・無人確認処理)S62において、制御部(駐車装置10’)は、操作盤16の前のユーザに対して、出入口扉17が閉じた状態でユーザに乗降領域13内の無人確認を要求する。この要求は、操作盤16の画面に視覚的に表示されるか、あるいは、操作盤16のスピーカから音声によってなされる。ユーザは、操作盤16の位置から透明な出入口扉17を介して乗降領域13’を目視することによって、乗降領域13’が無人であることを確認し、確認後、操作盤16上の無人確認入力器に入力する。そして、制御部は、ユーザによる操作盤16への入力に応じて乗降領域13’の無人確認の有無を判定する。つまり、ユーザの無人確認の後、ユーザが操作盤16の無人確認入力器に入力(例えば、ボタンを押す)することにより、制御部が乗降領域13’の無人確認がなされたと判定し、次のステップに進む。
【0077】
無人確認処理S62において乗降領域13’の無人確認がユーザによってされたと判定された後、ユーザに第1の操作認証を要求し、ユーザの第1の入力情報に基づいてユーザを認証する第1認証処理S63に進む。すなわち、ユーザがIDカード、暗証番号入力等の任意の認証手段で操作認証を行うことにより、制御部が、データベースの情報と認証情報とを照合し、ユーザが契約利用者であるか否かを判定する。ユーザが契約利用者でないと判定された場合、再び、無人確認処理S62の前段階まで戻る。ユーザが契約利用者であると判定された場合、当該ユーザが認証され、第1認証処理S63が完了する。
【0078】
第1認証処理S63の後、出庫する車両Vの駐車室11’の車室番号を設定する車室番号設定処理S64が実行される。車室番号設定処理S64において、第1認証処理S63時にユーザに入力された第1の入力情報に紐付けられた車室番号が設定される。しかしながら、車室番号がユーザによって入力されてもよい。
【0079】
次に、安全確認処理S65において、制御部は、ユーザに安全確認を要求し、ユーザによる操作盤16上の安全確認入力器への入力に応じて安全確認がなされたと判定する。ユーザが安全確認入力器へ入力して(例えば、ボタンを押して)安全確認有りと判定された後、出庫搬送処理S66へと進む。出庫搬送処理S66では、制御部は、駐車室11’の車両Vを乗降領域13’へと搬送するように搬送機構20’を駆動させる。出庫搬送処理S66の間、ユーザは透明性の出入口扉17を介して乗降領域13’を常に目視可能である。そして、車両Vの搬送開始後、ユーザが何らかの異常を乗降領域13’内に発見した場合、ユーザが非常停止入力器に入力することにより、駐車装置10’の機械的動作を停止させる非常停止処理S76へと進む。非常停止入力器への入力がない場合、車両Vの乗降領域13への搬送が完了する。
【0080】
出庫搬送処理S66の完了後、開扉処理S67が実行され、出入口扉17が開いて出入口が開放される。ユーザは、乗降領域13’に進入し、車両Vに乗車し、車両Vを運転して乗降領域13’から外部空間15に退出する。引き続き、出入口扉17を閉めるために、ユーザは操作盤16を操作することが求められる。
【0081】
そして、第2の無人確認処理(開扉時・無人確認処理)S68において、制御部は、操作盤16の前のユーザに対して、出入口扉17が開いた状態でユーザに乗降領域13’内の無人確認を要求する。ユーザは、開扉状態の出入口を介して乗降領域13’を直接目視することによって、乗降領域13’が無人であることを確認し、確認後、操作盤16上の無人確認入力器に入力する。該無人確認処理S68において、ユーザによる無人確認入力器の入力を受領し、乗降領域13の無人確認がユーザによってされたと判定された後、安全確認処理S69に進む。安全確認処理S69において、制御部は、ユーザに安全確認を要求し、ユーザによる操作盤16上の安全確認入力器への入力に応じて安全確認がなされたと判定する。
【0082】
安全確認有りと判定された後、制御部は、ユーザに閉扉指示の入力を要求し、ユーザによる操作盤16上の運転指示入力器への入力に応じて閉扉指示を受け付ける閉扉指示処理S70へと進む。閉扉指示処理S70では、ユーザが運転指示入力器としての運転ボタンを押すことにより、ユーザからの指示を受け付けた状態で制御部が出入口扉17を待機させる。
【0083】
閉扉指示処理S70の後、ユーザに再認証を求めるべく、ユーザに第2の操作認証を要求し、ユーザの第2の入力情報に基づいてユーザを認証する第2認証処理S71へと進む。第2認証処理S71では、第1認証処理63における第1の入力情報と第2の入力情報とを照合し、両者が所定の関係性を有していると判定するとユーザが再認証される。本実施形態では、操作するユーザが同一であることを求めるべく、第1の入力情報と第2の入力情報とが一致しているかどうかを判定する。そして、入力情報の一致により判定に合格して、第2認証処理S71が完了すると、閉扉処理S72へと進んで、制御部が待機中の出入口扉17を閉じるように駆動して出入口が閉塞される。他方、入力情報の不一致により判定に合格しない場合、所定の時間内にマスター認証が有ると、マスター操作認証処理S75に進み、認証がなされると、制御部が待機中の出入口扉17を閉じるように駆動し、出入口を閉塞する。このマスター操作認証処理S75は、主に管理者により実行されることを意図しており、予め許諾された特定のキーや暗証番号が入力されることによって認証され得る。また、所定の時間内にマスター認証がない場合、再度、ユーザに第2の操作認証を要求するべく、第2認証処理S71の直前へと戻る。そして、本実施形態では、操作入力の待ち時間が所定時間(例えば、10秒)を超えた場合、同様に第2認証処理S71の直前へと戻るように制御される。
【0084】
閉扉処理S72の完了後、第3の無人確認処理(閉扉時・無人確認処理)S73において、制御部は、再度、操作盤16の前のユーザに対して、ユーザに乗降領域13’内の無人確認を要求する。ユーザは、操作盤16の位置から透明な出入口扉17を介して乗降領域13’を目視することによって、乗降領域13’が無人であることを確認し、確認後、操作盤16上の無人確認入力器に入力する。そして、制御部は、ユーザによる操作盤16への入力に応じて乗降領域13’の無人確認の有無を判定する。無人確認処理S73において乗降領域13’の無人確認がユーザによってされたと判定された後、搬送体格納処理S74へと進む。
【0085】
搬送体の格納処理S74において、空のパレット28’が昇降リフト21’を介して元の駐車室11’へと搬送される。搬送体格納処理S74の間、ユーザは透明性の出入口扉17を介して乗降領域13’を常に目視可能である。そして、車両Vの搬送開始後、ユーザが何らかの異常を乗降領域13’内に発見した場合、ユーザが非常停止入力器に入力することにより、駐車装置10’の機械的動作を停止させる非常停止処理S76へと進む。非常停止入力器への入力がない場合、パレット28’(搬送体)が駐車室11’に収容され、搬送体格納処理S73が完了する。この搬送体格納処理S74の完了により、車両Vの出庫工程が終了する。
【0086】
本実施形態のパレット式の駐車装置10’は、上記フォーク式の駐車装置10と同様に、閉扉状態での安全性を向上させるものである。
【0087】
本発明は上述した実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限りにおいて種々の態様で実施しうるものである。すなわち、本発明の技術的範囲の下で、本実施形態の一部の構成が省略又は修正されてもよく、あるいは、他の構成が追加されてもよい。
【解決手段】本発明の駐車装置の制御方法は、出入口扉17が閉じた状態でユーザに乗降領域13内の無人確認を要求し、ユーザによる操作盤16への入力に応じて無人確認の有無を判定する無人確認処理S02と、無人確認処理S02において乗降領域の無人確認がされたと判定された後、ユーザに第1の操作認証を要求し、ユーザの第1の入力情報に基づいてユーザを認証する第1認証処理S03と、第1認証処理の後、出入口扉17を開く開扉処理S04と、開扉処理S04の後、ユーザに第2の操作認証を要求し、ユーザの第2の入力情報を第1の入力情報に対して照合し、両者が所定の関係性を有していると判定するとユーザを再認証する第2認証処理S09と、第2認証処理S09の後、出入口扉17を閉じる閉扉処理S10と、を含む。