(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ハウジングは、前記油溜め空間が形成されたポートブロックと、前記第1アキシャルピストン部材を収容する第1収容空間を形成するように前記ポートブロックに着脱自在に連結された第1ハウジング本体と、前記ポートブロックを挟んで前記第1収容空間とは反対側に位置し且つ前記第2アキシャルピストン部材を収容する第2収容空間を形成するように前記ポートブロックに着脱自在に連結された第2ハウジング本体とを有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のアキシャルピストン装置。
前記ハウジングは、ポートブロックと、前記第1及び第2アキシャルピストン部材を収容する収容空間を形成するように前記ポートブロックに着脱自在に連結されたハウジング本体とを有していることを特徴とする請求項4に記載のアキシャルピストン装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
実施の形態1
以下、本発明に係る
アキシャルピストン装置の一実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
【0018】
図1に、本実施の形態に係
るアキシャルピストン装
置1Aの縦断面図を示す。
また、
図2に、
図1におけるII-II線に沿った部分断面図を示す。
さらに、
図3に、前記アキシャルピストン装置1Aの油圧回路図を示す。
【0019】
まず、前記アキシャルピストン装置1Aについて説明する。
図1に示すように、前記アキシャルピストン装置1Aは、回転軸50と、前記回転軸50に相対回転不能に支持されたアキシャルピストン部材60と、前記回転軸50を支持し且つ前記アキシャルピストン部材60を収容するハウジング10とを有している。
【0020】
図1〜
図3に示すように、前記アキシャルピストン装置1Aは、前記回転軸50として第1及び第2回転軸50(1)、50(2)を有しており、前記アキシャルピストン部材60として第1及び第2アキシャルピストン部材60(1)、60(2)を有している。
【0021】
前記第1及び第2回転軸50(1)、50(2)は、軸線方向中央部において対応するアキシャルピストン部材60(1)、60(2)を支持した状態で両端部が前記ハウジング10に軸線回り回転自在に支持されている。
【0022】
本実施の形態においては、
図1に示すように、前記第1及び第2回転軸50(1)、50(2)は同軸上に配置されている。
【0023】
詳しくは、前記第1回転軸50(1)は、軸線方向一端側の第1端側50a(1)及び軸線方向他端側の第2端側50b(1)を有している。
同様に、前記第2回転軸50(2)は、軸線方向一端側の第1端側50a(2)及び軸線方向他端側の第2端側50b(2)を有している。
【0024】
そして、前記第1及び第2回転軸50(1)、50(2)は、前記第1回転軸50(1)の第1端側50a(1)の端面及び前記第2回転軸50(2)の第2端側50b(2)の端面が対向された状態で、同軸上に配置されている。
【0025】
より詳しくは、本実施の形態においては、前記ハウジング10には、前記第1回転軸50(1)の第1端側50a(1)及び第2端側50b(1)をそれぞれ軸受部材55a(1)、55b(1)を介して軸線回り回転自在に支持し得る第1回転軸第1端側軸受孔18a(1)及び第1回転軸第2端側軸受孔18b(1)と、前記第2回転軸50(2)の第1端側50a(2)及び第2端側50b(2)をそれぞれ軸受部材55a(2)、55b(2)を介して軸線回り回転自在に支持し得る第2回転軸第1端側軸受孔18a(2)及び第2回転軸第2端側軸受孔18b(2)とが形成されている。
【0026】
図1に示すように、本実施の形態においては、前記ハウジング10は、前記第1回転軸第1端側軸受孔18a(1)及び前記第2回転軸第2端側軸受孔18b(2)が形成されたポートブロック20と、前記第1アキシャルピストン部材60(1)を収容する第1収容空間を形成するように前記ポートブロック20に着脱自在に連結された第1ハウジング本体15(1)と、前記第2アキシャルピストン部材60(2)を収容する第2収容空間を形成するように前記ポートブロック20に着脱自在に連結された第2ハウジング本体15(2)とを有している。
【0027】
なお、
図1及び
図3中の符号11は、前記第1及び第2収容空間内に貯留される油を外部に排出する為のドレンポートである。
【0028】
前記第1ハウジング本体15(1)は、
図1に示すように、前記第1アキシャルピストン部材60(1)を囲繞する中空の第1周壁16(1)と、前記第1周壁16(1)における前記ポートブロック20とは反対側の端部を閉塞する第1端壁17(1)とを有し、前記第1周壁16(1)における前記ポートブロック20に近接する側は前記第1アキシャルピストン部材60(1)が挿通可能な開口とされている。
斯かる構成において、前記第1端壁17(1)に前記第1回転軸第2端側軸受孔18b(1)が形成されている。
【0029】
同様に、前記第2ハウジング本体15(2)は、
図1に示すように、前記第2アキシャルピストン部材60(2)を囲繞する中空の第2周壁16(2)と、前記第2周壁16(2)における前記ポートブロック20とは反対側の端部を閉塞する第2端壁17(2)とを有し、前記第2周壁17(2)における前記ポートブロック20に近接する側は前記第2アキシャルピストン部材60(2)が挿通可能な開口とされている。
斯かる構成において、前記第2端壁17(2)に前記第2回転軸第1端側軸受孔18a(2)が形成されている。
【0030】
前記アキシャルピストン装置1Aは油圧無段変速装置として作用するように構成されている。
即ち、前記第1回転軸50(1)が駆動源900(
図3参照)に作動連結されるポンプ軸として作用し、前記第2回転軸50(2)が回転動力を出力するモータ軸として作用するものとされる。
【0031】
そして、前記第1回転軸50(1)に支持されて油圧ポンプとして作用する前記第1アキシャルピストン部材60(1)及び前記第2回転軸50(2)に支持されて油圧モータとして作用する前記第2アキシャルピストン部材60(2)は、少なくとも一方が可変容積型とされ且つ一対の作動油ライン100(
図3参照)によって閉回路を形成するように互いに対して流体接続される。
【0032】
図1〜
図3に示すように、前記アキシャルピストン装置1Aは、さらに、前記第1アキシャルピストン部材60(1)の容積量を画する第1斜板70(1)と、前記第2アキシャルピストン部材60(2)の容積量を画する第2斜板70(2)とを有している。
【0033】
本実施の形態においては、前記第1斜板70(1)が外部操作に基づき揺動軸線R(
図2参照)回り傾転可能な可動斜板とされており、油圧ポンプとして作用する前記第1アキシャルピストン部材60(1)の容積量が可変とされている。
【0034】
ここで、本実施の形態に係る
アキシャルピストン装置1Aの潤滑油供給構造について説明する。
前記潤滑油供給構造は、油源からの油を前記アキシャルピストン部材60(本実施の形態においては前記第1及び第2アキシャルピストン部材60(1)、60(2))へ案内するものであり、油源からの油を受け入れ可能で且つ前記回転軸50の軸線方向両端面の少なくとも一方に面するように前記ハウジング10に形成された油溜め空間200と、前記回転軸50に形成された回転軸側供給油路210とを有している。
【0035】
前述の通り、本実施の形態に
係る前記アキシャルピストン装置1Aは、前記回転軸50として前記第1及び第2回転軸50(1)、50(2)を有している。
斯かる構成においては、前記油溜め空間200は、前記第1回転軸50(1)の軸線方向両端面の少なくとも一方、及び、前記第2回転軸50(2)の軸線方向両端面の少なくとも一方に面するものとされる。
【0036】
本実施の形態においては、前記油溜め空間200は前記第1及び第2回転軸50(1)、50(2)の双方に対して共用される単一の空間とされている。
【0037】
詳しくは、
図1に示すように、前記第1及び第2回転軸50(1)、50(2)は、前記第1回転軸50(1)の前記第1端側50a(1)の端面及び前記第2回転軸50(2)の前記第2端側50b(2)の端面の間に間隙が存する状態で、同軸上に配置されており、前記間隙が前記油溜め空間200として利用されている。
好ましくは、
図1に示すように、前記第1回転軸50(1)の第1端側50a(1)の外表面及び前記第2回転軸50(2)の第2端側50b(2)の外表面にはシールリングが設けられており、前記シールリングによって前記油溜め空間200からの油漏れが防止される。
【0038】
本実施の形態のように前記回転軸50として前記第1及び第2回転軸50(1)、50(2)が備えられる場合には、前記回転軸側供給油路210は、前記第1及び第2回転軸50(1)、50(2)にそれぞれ形成された第1及び第2回転軸側供給油路210(1)、210(2)を含むものとされる。
【0039】
前記第1回転軸側供給油路210(1)は、
図1及び
図2に示すように、前記第1回転軸50(1)における軸線方向両端面のうち前記油溜め空間200に面する端面(本実施の形態においては、前記第1回転軸50(1)における前記第1端側50a(1)の端面)に開口された第1軸線孔215(1)と、一端部が前記第1軸線孔215(1)に流体接続され且つ他端部が前記第1アキシャルピストン部材60(1)に向けて前記第1回転軸50(1)の外表面に開口された第1アキシャルピストン部材用潤滑油孔220(1)とを有している。
【0040】
同様に、前記第2回転軸側供給油路210(2)は、前記第2回転軸50(2)における軸線方向両端面のうち前記油溜め空間200に面する端面(本実施の形態においては、前記第2回転軸50(2)における前記第2端側50b(2)の端面)に開口された第2軸線孔215(2)と、一端部が前記第2軸線孔215(2)に流体接続され且つ他端部が前記第2アキシャルピストン部材60(2)に向けて前記第2回転軸50(2)の外表面に開口された第2アキシャルピストン部材用潤滑油孔220(2)とを有している。
【0041】
このように
、前記潤滑油供給構造においては、前記ハウジング10に油源からの油が供給される前記油溜め空間200を設け、前記アキシャルピストン部材60を支持する回転軸50の軸線方向両端部の少なくとも一方の端面が前記油溜め空間200に面するように前記回転軸50を配置させ、さらに、前記回転軸50に、前記油溜め空間200に面する端面に開口された軸線孔215と一端部が前記軸線孔215に流体接続され且つ他端部が前記アキシャルピストン部材60に向けて前記回転軸50の外表面に開口されたアキシャルピストン部材用潤滑油孔220とを含む回転軸側供給油路210を設けたので、前記油源から前記軸線孔215への油の流れを円滑に行うことができ、前記アキシャルピストン部材60への潤滑油供給を効率よく行うことができる。
【0042】
即ち、回転軸と前記回転軸に支持されたアキシャルピストン部材と前記回転軸を支持し且つ前記アキシャルピストン部材を収容するハウジングとを備えた従来のアキシャルピストン装置においては、前記回転軸の外表面に形成されたロータリージョイントと外端部が前記ロータリージョイントに流体接続され且つ内端部が軸線孔に流体接続するように前記回転軸に形成された連通油路とを介して、前記ハウジングに形成された潤滑油供給油路から前記回転軸に形成された軸線孔へ潤滑油が供給されている。
【0043】
斯かる構成は、前記回転軸の軸線回りの回転状態に拘わらず、前記軸線孔が前記潤滑油供給油路に前記ロータリージョイントを介して常に流体接続することを保証し、理論的には、前記潤滑油供給油路から、必ず、前記軸線孔に潤滑油が供給されることになる。
【0044】
しかしながら、前記連通油路には、前記回転軸の軸線回りの回転に伴って径方向外方への遠心力が作用する。
この遠心力の向きは、前記連通油路の外端部から内端部へ向かって流れるべき潤滑油の流れ方向とは逆向きであり、前記連通油路における潤滑油の流れを妨げる。
【0045】
これに対し、本実施の形態においては、前記回転軸50に形成された軸線孔215が前記油溜め空間200に面する端面に開口されており、前記油溜め空間200から前記軸線孔215に潤滑油が流れ込み、その後、潤滑油は前記軸線孔215から前記アキシャルピストン部材用潤滑油孔220を径方向外方へ流れることになる。
【0046】
従って、前記回転軸50の軸線回りの回転に伴う遠心力によって潤滑油の流れが妨げられることがなく、前記アキシャルピストン部材60への潤滑油の流れを円滑に行うことができる。
【0047】
本実施の形態においては、前記第1アキシャルピストン部材用潤滑油孔220(1)は、前記第1アキシャルピストン部材60(1)における複数の第1ピストン62(1)の自由端部と前記第1可動斜板70(1)との係合領域に潤滑油を供給し得るように形成されている。
【0048】
同様に、前記第2アキシャルピストン部材用潤滑油孔220(2)は、前記第2アキシャルピストン部材60(2)における複数の第2ピストン62(2)の自由端部と前記第2斜板70(2)との係合領域に潤滑油を供給し得るように形成されている。
【0049】
前記潤滑油供給構造は、前記回転軸50の軸受部分にも潤滑油を供給するように構成されている。
【0050】
詳しくは、前記第1回転軸側供給油路210(1)は、さらに、一端部が前記第1軸線孔215(1)に流体接続され且つ他端部が前記第1回転軸50(1)の外表面のうち前記第1回転軸第1端側軸受孔18a(1)内に位置する部分に開口された第1端側潤滑油孔225a(1)と、一端部が前記第1軸線孔215(1)に流体接続され且つ他端部が前記第1回転軸50(1)の外表面のうち前記第1回転軸第2端側軸受孔18b(1)内に位置する部分に開口された第2端側潤滑油孔225b(1)とを有している。
【0051】
斯かる構成によれば、前記第1回転軸50(1)の第1及び第2端側55a(1)、55b(1)をそれぞれ支持する軸受部材55a(1)、55b(1)に効率的に潤滑油を供給することができる。
【0052】
同様に、前記第2回転軸側供給油路210(2)は、さらに、一端部が前記第2軸線孔215(2)に流体接続され且つ他端部が前記第2回転軸50(2)の外表面のうち前記第2回転軸第1端側軸受孔18a(2)内に位置する部分に開口された第1端側潤滑油孔225a(2)と、一端部が前記第2軸線孔215(2)に流体接続され且つ他端部が前記第2回転軸50(2)の外表面のうち前記第2回転軸第2端側軸受孔18b(2)内に位置する部分に開口された第2端側潤滑油孔225b(2)とを有している。
【0053】
斯かる構成によれば、前記第2回転軸50(2)の第1及び第2端側50a(2)、50b(2)をそれぞれ支持する軸受部材55a(2)、55b(2)に効率的に潤滑油を供給することができる。
【0054】
ここで、前記潤滑油供給構造に対する前記油源について説明する。
前述の通り、本実施の形態に
係る前記アキシャルピストン装置1Aは油圧無段変速装置として作用する。
斯かる構成において、前記潤滑油供給構造は、前記油圧無段変速装置におけるチャージライン110の油を前記油源としている。
【0055】
詳しくは、
図3に示すように、油圧ポンプとして作用する前記第1アキシャルピストン部材60(1)及び油圧モータとして作用する前記第2アキシャルピストン部材60(2)は前記一対の作動油ライン100によって流体接続されており、前記一対の作動油ライン100にはチャージライン110を介して作動油が補給されるようになっている。
【0056】
図4及び
図5に、それぞれ、
図1におけるIV-IV線及びV-V線に沿った断面図を示す。
又、
図6及び
図7に、それぞれ、
図2におけるVI-VI線及びVII-VII線に沿った断面図を示す。
【0057】
図2及び
図6に示すように、前記ポートブロック20には、前記一対の作動油ライン100を形成する一対の作動油路101と、一端部が油源に流体接続され且つ他端部が一対のチェック弁115を介して前記一対の作動油ライン100に流体接続された前記チャージライン110を形成するチャージ油路111とが設けられている。
【0058】
本実施の形態においては、
図3に示すように、前記油源として、前記駆動源900によって駆動される補助ポンプ910が採用されている。
なお、
図3に示すように、前記チャージライン110は、リリーフ弁112によって所定油圧に設定されている。
【0059】
本実施の形態においては、
図3に示すように、前記一対の作動油路101は、双方向に作用する高圧リリーフ弁106が介挿された連通油路105によって互いに対して流体接続されており、前記一対の作動油路101の一方の油圧が所定油圧を超えると、前記一方の作動油路101から他方の作動油路101に作動油が流入するようになっている。
斯かる構成により、前記一対の作動油路101が異常高圧となることを有効に防止することができる。
【0060】
図1及び
図6に示すように、前記チャージ油路110は、一端部が外表面に開口してチャージポート111aを形成し且つ他端部が二方向に分岐されて前記一対のチェック弁115を介して前記一対の作動油路101に流体接続されている。
【0061】
図1に示すように、前記ポートブロック20には、さらに、前記油溜め空間200と、一端部が前記チャージ油路111に流体接続され且つ他端部が前記油溜め空間200に流体接続された第1潤滑油供給油路150とが形成されている。
【0062】
このように、前記チャージライン110中の油の一部を前記潤滑油供給構造の油源として用いることにより、構造簡略化を図りつつ、前記第1及び第2アキシャルピストン部材60(1)、60(2)への潤滑油供給を行うことができる。
【0063】
本実施の形態に係る
前記アキシャルピストン装置1Aは、前記チャージライン110中の油の一部を、可動斜板として作用する前記第1斜板70(1)を支持する部分にも供給するように構成されている。
【0064】
まず、前記第1斜板70(1)の支持構造について説明する。
図2及び
図4に示すように、前記第1斜板70(1)は、前記第1回転軸50(1)と直交する揺動軸線R回り回転自在に前記第1周壁16(1)に支持された基部75と、前記基部75に支持された状態で前記複数のピストン62(1)の自由端部と直接又は間接的に係合される前記斜板本体71とを有している。
【0065】
より詳しくは、前記第1周壁16には揺動軸線Rと同軸上に支持孔が形成されており、前記基部75は前記支持孔に軸線回り回転自在に支持されている。
【0066】
本実施の形態においては、
図2及び
図4に示すように、前記第1斜板70(1)はトラニオン型斜板とされている。
従って、前記第1斜板70(1)は、前記斜板本体71を狭持した状態で揺動軸線R上に配置される一対の基部75、75を有している。
【0067】
即ち、
図2及び
図4に示すように、前記第1周壁16における揺動軸線R方向一方側の第1側面には前記揺動軸線Rと同軸上に第1支持孔16aが形成され、前記第1周壁16における揺動軸線R他方側の第2側面には前記揺動軸線Rと同軸上に第2支持孔16bが形成されている。
斯かる構成において、前記一対の基部75、75は、前記第1及び第2支持孔16a、16bに挿入された第1及び第2軸受部材19a、19bを介して軸線回り回転自在に支持されている。
【0068】
なお、前記第1斜板70(1)は、前記一対の基部75、75の一方に付加される操作力によって、揺動軸線R回り一方側及び他方側へ傾転される。
本実施の形態に係るアキシャルピストン装置1
Aは、
図2〜
図4等に示すように、前記第1斜板70(1)に対して操作力を付加する油圧サーボ機構500を有している。
前記油圧サーボ機構500の詳細構成については後述する。
【0069】
図2及び
図4に示すように、操作力を受ける前記一方の基部75は、連結用カップリング80を介して、対応する支持孔16aに軸線回り回転自在に支持され、他方の基部75は、閉塞用カップリング85を介して、対応する支持孔16bに軸線回り回転自在に支持されている。
なお、本実施の形態においては、
図2及び
図4に示すように、前記一方の基部75は前記第1支持孔16aに支持され、前記他方の基部75は前記第2支持孔16bに支持されている。
【0070】
図2及び
図4に示すように、前記連結用カップリング80は前記支持孔16aに挿入される第1筒部81を有しており、前記一方の基部75は前記第1軸受部材19aを介して前記第1筒部81に軸線回り回転自在に支持されている。
【0071】
前記連結用カップリング80においては、前記一方の基部75への外部からのアクセスを許容すべく前記第1筒部81の外端側が開口とされている。
なお、前記開口は、前記連結用カップリング80を囲繞するように前記第1側面に連結される前記油圧サーボ機構500によって閉塞される。
【0072】
図2及び
図4に示すように、前記閉塞用カップリング85は、前記支持孔16bに挿入される第2筒部86と前記第2筒部86の外端側を閉塞する外壁部87とを有しており、前記他方の基部75は前記第2軸受部材19bを介して前記第2筒部86に軸線回り回転自在に支持されている。
【0073】
本実施の形態に係る
アキシャルピストン装置1Aは、このように支持された前記第1斜板70(1)に対して潤滑油を供給する為に、下記構成を備えている。
【0074】
具体的には、前記
アキシャルピストン装置1Aは、前記チャージ油路111又は前記第1潤滑油供給油路150から油を受け入れる第2潤滑油供給油路160を有している。
【0075】
図1に示すように、前記第2潤滑油供給油路160は、前記ポートブロック20に形成されたポートブロック側供給油路161と、前記第1ハウジング本体15(1)に形成されたハウジング本体側供給油路165とを有している。
【0076】
前記ポートブロック側供給油路161は、
図1及び
図6に示すように、一端部が前記チャージ油路111又は前記第1潤滑油供給油路150に流体接続され且つ他端部が前記第1ハウジング本体15(1)の前記第1周壁16(1)との当接部位に開口されている。
【0077】
前記ハウジング本体側供給油路165は、
図1及び
図4に示すように、前記第1ハウジング本体15(1)を前記ポートブロック20に連結させた状態において前記ポートブロック側供給油路161の他端部に流体接続されるように前記第1周壁16(1)に形成された周壁油孔166と、一端側が前記周壁油孔166に流体接続され且つ他端側が前記第1支持孔16aに開口して第1支持孔用吐出端部167aを形成する可動斜板用第1油孔167と、一端側が前記周壁油孔166に流体接続され且つ他端側が前記第2支持孔16bに開口して第2支持孔用吐出端部168aを形成する可動斜板用第2油孔168とを有している。
【0078】
一方、前記連結用カップリング80の前記第1筒部81には、外周面に形成された第1環状溝81aと、前記第1環状溝81aを前記第1筒部81の内部に流体接続させる第1貫通油孔81bとが設けられている。
【0079】
前記閉塞用カップリング85の前記第2筒部86には、外周面に形成された第2環状溝86aと、前記第2環状溝86aを前記第2筒部86の内部に流体接続させる第2貫通油孔86bとが設けられている。
【0080】
前記第1環状溝81aは、前記連結用カップリング80を前記第1支持孔16aに装着させた際に、前記第1支持孔用吐出端部167aに流体接続するように配置されている。
前記第2環状溝86aは、前記閉塞用カップリング85を前記第2支持孔16bに装着させた際に、前記第2支持孔用吐出端部168aに流体接続するように配置されている。
【0081】
なお、本実施の形態においては、前記連結用カップリング80を前記第2支持孔16bに装着させ且つ前記閉塞用カップリング85を前記第1支持孔16aに装着させ得るように、前記第1及び第2支持孔16a、16bの内径を同一寸法とし、且つ、前記第1及び第2筒部81、86の外径及び内径同一寸法としている。
【0082】
前記連結用カップリング80を前記第2支持孔16bに装着させると、前記第1環状溝81aが前記第2支持孔用吐出端部168aに流体接続され、前記閉塞用カップリング85を前記第1支持孔16aに装着させると、前記第2環状溝86aが前記第1支持孔用吐出端部167aに流体接続される。
【0083】
なお、本実施の形態においては、
図4に示すように、前記第1及び第2貫通油孔81b、86bには絞りが設けられており、前記第1及び第2軸受部材19a、19bへの潤滑油量の調整を図っている。
【0084】
また、本実施の形態においては、
図5に示すように、前記リリーフ弁112は前記ハウジング本体側供給油路165に作用し得るように前記第1周壁16に装着されている。
【0085】
図2及び
図4に示すように、本実施の形態においては、前記一対の基部75を支持する前記第1及び第2軸受部材19a、19bはテーパ軸受部材とされている。
この場合、前記一方の基部75を支持する前記第1軸受部材19aと前記他方の基部75を支持する前記第2軸受部材19bとの離間距離を正確に調整する必要がある。
【0086】
この点に関し、本実施の形態においては、前記チャージライン110の油圧を利用して、前記一対の第1及び第2軸受部材19a、19b間の離間距離の一定化を図っている。
【0087】
図8に、
図4における前記閉塞用カップリング85近傍の拡大図を示す。
詳しくは、
図4及び
図8に示すように、前記アキシャルピストン装置1Aは、前記閉塞用カップリング85の前記外壁部87を覆うように、前記第1ハウジング本体15(1)に着脱自在に連結されるカバープレート30を有している。
【0088】
前記カバープレート30及び前記外壁部87は、前記カバープレート30を前記第1ハウジング本体15(1)に装着させた状態において、両者の間に油室30aが形成されるように構成されている。
【0089】
さらに、前記第1ハウジング本体15(1)及び前記カバープレート30には、一端側が前記ハウジング本体側供給油路165に流体接続され且つ他端側が前記油室30aに流体接続された連通油路170が形成されている。
【0090】
このように、本実施の形態においては、前記チャージライン110の油圧を利用して、前記閉塞用カップリング85を前記連結用カップリング80へ向けて押圧しており、これにより、前記閉塞用カップリング85に支持されている前記第2軸受部材19bを前記連結用カップリング80に支持されている前記第1軸受部材19aへ向けて押圧して、前記一対の第1及び第2軸受部材19a、19bの離間距離の一定化を図っている。
【0091】
ここで、前記油圧サーボ機構500について説明する。
図2及び
図4に示すように、前記油圧サーボ機構500は、ケーシング510と、サーボピストン530と、スプール540と、操作部材550と、前記操作部材550及び前記スプール540を連結するリンクアーム560とを備えている。
【0092】
前記ケーシング510は、前記ハウジング10に着脱可能に装着されている。
本実施の形態においては、前記ケーシング510は、前記連結用カップリング80を囲繞するように前記第1ハウジング本体15Aにおける前記第1周壁16Aの第1側面に着脱可能に装着されている。
【0093】
詳しくは、前記第1側面にはボルト孔が形成され、
図7に示すように、前記ケーシング510には、前記ボルト孔に対応した貫通孔518が形成されており、前記ケーシング510は、前記貫通孔518に挿通されるボルトによって前記第1側面に着脱可能に装着されている。
【0094】
図7に示すように、前記ケーシング510には、前記サーボピストン530を収容する収容空間515が形成されている。
前記サーボピストン530は、前記収容空間515の一端側及び他端側にそれぞれ第1油室515a及び第2油室515bを液密に画した状態で前記収容空間515内において軸線方向往復動可能に収容されている。
【0095】
図7に示すように、前記ケーシング510には、さらに、前記スプール540を収容するスプール室520が形成されている。
前記スプール540は、前記スプール室520に摺動自在に収容されており、前記スプール室520内での移動に応じて前記第1及び第2油室515a、515bに対する圧油給排を切り替えるように構成されている。
【0096】
詳しくは、
図3、
図4及び
図7に示すように、前記ケーシング510には、一端部が前記ハウジング本体15に当接される内側面に開口され且つ他端部が前記スプール室520の入力ポート521に流体接続された入力油路581と、一端部が前記スプール室520の第1ポート522に流体接続され且つ他端部が前記第1油室515aに流体接続された第1油路582と、一端部が前記スプール室520の第2ポート523に流体接続され且つ他端部が前記第2油室515bに流体接続された第2油路583と、ドレン油路584とが形成されている。
【0097】
斯かる構成において、前記スプール540は、前記入力ポート521を前記第1ポート523に流体接続させ且つ前記ドレン油路584を前記第2ポート523に流体接続させる第1位置と、前記入力ポート521を前記第2ポート523に流体接続させ且つ前記ドレン油路584を前記第1ポート522に流体接続させる第2位置と、前記第1及び第2ポート522、523を閉塞する保持位置とを選択的にとり得るようになっている。
【0098】
前記操作部材550は、一端部が外部へ延在され且つ他端部が前記スプール540に作動連結された状態で前記ケーシング510に支持されている。
図2及び
図4に示すように、本実施の形態においては、前記操作部材550は、前記揺動軸線Rと平行となるように前記ケーシング510に軸線回り回転自在に支持されている。
【0099】
前記リンクアーム560は、前記操作部材550の軸線回りの回動に応じて前記スプール540が移動するように両者を作動連結している。
【0100】
前記油圧サーボ機構500は、前記ケーシング510を前記ハウジング10に装着することによって、前記サーボピストン530が前記一方の基部75に連結された連結アーム600に作動連結されると共に、前記一方の基部75が前記スプール540に連結された前記リンクアーム560に作動連結されるように構成されている。
【0101】
詳しくは、
図2に示すように、前記連結アーム600は、基端部が前記一方の基部75に連結され且つ先端部が揺動軸線Rを基準にして径方向外方へ延びている。
前記連結アーム600には、前記第1回転軸50(1)の軸線を基準にして径方向外方へ突出された係合凸部605と径方向内方へ凹む係合凹部610とが設けられている。
【0102】
前記サーボピストン530は、
図7に示すように、前記第1油室515a及び前記第2油室515bの油圧をそれぞれ受ける第1及び第2大径部531、532と、前記第1及び第2大径部531、532の間に環状の係合溝535を形成しつつ前記両大径部531、532を連結する小径部533とを有している。
【0103】
前記サーボピストン530は、前記係合溝535へのアクセスが可能な状態で前記収容空間515に収容されている。
詳しくは、
図2に示すように、前記収容空間515は、前記ケーシング510を前記ハウジング10に装着した際に前記ハウジング10に面する側にアクセス開口515aを有しており、前記アクセス開口515aを介して前記係合溝535へのアクセスが可能となっている。
【0104】
また、前記操作部材560及び前記スプール540を作動連結する前記リンクアーム560には、
図2に示すように、前記第1回転軸50(1)の軸線を基準にして径方向内方へ突出された係合凸部565が設けられている。
【0105】
斯かる構成において、前記ケーシング510を前記ハウジング10に装着することによって、前記連結アーム600の前記係合凸部605が前記係合溝535に係合し且つ前記リンクアーム560の前記係合凸部565が前記係合凹部610に係合するようになっている。
【0106】
本実施の形態においては、前記油圧サーボ機構500は前記チャージライン110から作動油の供給を受けるように構成されている。
【0107】
詳しくは、
図4に示すように、前記第1ハウジング本体15(1)には、一端側が前記ハウジング本体側供給油路165に流体接続され且つ他端側が前記第1ハウジング本体15(1)の壁面のうち前記油圧サーボ機構500が装着される壁面に開口されてサーボ用出力ポート180aを形成する油圧サーボ用供給油路180が形成されている。
【0108】
前記サーボ用出力ポート180aは、前記ケーシング510を前記第1ハウジング本体15(1)に装着した際に、前記入力油路581に流体接続するように、配置されている。
【0109】
本実施の形態においては、
図7に示すように、前記サーボピストン530及び前記スプール540は、軸線方向が互いに対して平行となるように配置されており、揺動軸線Rと直交する方向(以下、第1方向D1という)に沿って移動可能とされている。
【0110】
前記リンクアーム560及び前記連結アーム600は、
図7に示すように、揺動軸線R及び前記第1方向D1の双方に対して直交する第2方向D2に沿って延びている。
【0111】
前記リンクアーム560は、軸線方向一方側の第1連結位置において前記操作部材550に作動連結され且つ軸線方向他方側の第2連結位置において前記連結アーム600に作動連結された状態で、前記第1及び第2連結位置の間の第3連結位置において前記スプール540に作動連結されている。
【0112】
斯かる構成の前記油圧サーボ機構500は以下のように作動する。
前記操作部材550を操作せず且つ前記サーボピストン530が中立位置に位置されている初期状態(
図7参照)から、前記操作部材550が軸線回り一方側へ操作されると、前記リンクアーム560は、前記第2連結位置が実質的に位置固定された状態で前記第1連結位置が前記操作部材550の操作方向に応じた方向へ移動される。即ち、前記リンクアーム560は前記第2連結位置回りに移動される。
【0113】
前記リンクアーム560のこの動きによって、前記スプール540は軸線方向一方側へ移動されて前記第1位置に位置される。
この状態においては、前述の通り、前記第1ポート522が前記入力ポート521に流体接続され且つ前記第2ポート523が前記ドレン油路584に流体接続される。
【0114】
従って、前記第1油室515aに作動油が供給され且つ前記第2油室515bから作動油が排出されて、前記サーボピストン530は軸線方向一方側へ移動され、これにより、前記第1斜板70(1)は前記連結アーム600を介して揺動軸線回り一方側(例えば、前記第1アキシャルピストン部材60(1)の容積を増加させる方向)へ傾転される。
【0115】
ここで、前記サーボピストン530の軸線方向一方側への移動に応じて前記連結アーム600が移動されると、前記リンクアーム560のうち前記第2連結位置が位置する側が前記連結アーム600の移動に応じて移動される。
【0116】
斯かる前記リンクアーム560の動きによって前記スプール530は前記第1位置から軸線方向他方側へ移動されて保持位置に戻される。
従って、前記第1及び第2ポート522、523が閉塞されて、前記サーボピストン530、即ち、前記第1斜板70(1)がその位置に保持される。
【0117】
このように、本実施の形態においては、前記ケーシング510を前記第1ハウジング本体15に装着させることによって、前記サーボピストン530が前記一対の基部75の一方に連結されている前記連結アーム600に係合されると共に、前記操作部材550と前記スプール540とを作動連結するリンクアーム560も前記連結アーム600に係合される一方で、前記ケーシング510を前記ハウジング本体15から取り外すことによって、前記サーボピストン530及び前記リンクアーム560の前記連結アーム600に対する係合が解除される。
【0118】
従って、可動斜板として作用する前記第1斜板70(1)を前記油圧サーボ機構500によって傾転させる態様と前記油圧サーボ機構500を用いずに傾転させる態様との仕様変更を容易に行うことができる。
【0119】
なお、本実施の形態においては、前記第1回転軸50(1)の軸線を基準にして、前記サーボピストン530に径方向内方に開く係合溝530を設け且つ前記連結アーム600に径方向外方へ延びる係合凸部605を設けたが、前記ケーシング510の前記ハウジング10に対する脱着に応じて、前記サーボピストン530が前記連結アーム600に係脱する限り、この構成に限定されるものではない。
【0120】
即ち、前記第1回転軸50(1)の軸線を基準にして、前記サーボピストン530に径方向内方に延びる係合凸部を設け且つ前記連結アーム600に径方向外方に開く係合凹部を設けることも可能である。
【0121】
同様に、本実施の形態においては、前記第1回転軸50(1)の軸線を基準にして、前記リンクアーム560に径方向内方へ延びる係合凸部565を設け且つ前記連結アーム600に径方向外方に開く係合凹部610を設けたが、これに代えて、前記リンクアーム560に径方向内方に開く係合凹部を設け且つ前記連結アーム600に径方向外方に延びる係合凸部を設けることも可能である。
【0122】
本実施の形態においては、
図4に示すように、前記可動斜板用第1油孔167の他端側を前記第1支持孔16aに開口させて前記第1支持孔用吐出端部167aとし、前記第1支持孔16aに装着される前記連結用カップリング80に形成した前記第1環状溝81a及び前記第1貫通油孔81bを介して前記第1支持孔用吐出端部167aから供給される油を前記第1軸受部材19a用の潤滑油として用いつつ、前記油圧サーボ機構500における前記ドレン油路584から排出される油も前記第1軸受部材19a用の潤滑油として用いている。
【0123】
このように、前記油圧サーボ機構500における前記ドレン油路584からの排出油を前記第1軸受部材19a用の潤滑油として利用可能な構成においては、前記第1支持孔用吐出端部167aを削除することができる。
【0124】
図9に、前記アキシャルピストン装置の第1変形例1Bの縦断面図であって、
図4に対応した縦断面図を示す。
なお、前記第1変形例1Bにおいて、前記アキシャルピストン装置1Aにおけると同一部材には同一符号を付している。
【0125】
図9に示す第1変形例1Bにおいては、前記可動斜板用第1油孔167の他端側は、前記油圧サーボ用供給油路180には流体接続されているものの、前記第1支持孔16aには開口されておらず閉塞されている。
【0126】
前記第1変形例1Bにおいては、前記第1軸受部材19a用の潤滑油として、前記油圧サーボ機構500における前記ドレン油路584からの排出油だけを用いている。
【0127】
又、前記第1変形例1Bは、前記第2軸受部材19b用の潤滑油が前記油室30aを介して供給されるように構成されている。
【0128】
図10に、前記第1変形例1Bにおける前記閉塞用カップリング85近傍の拡大図を示す。
図9及び
図10に示すように、前記可動斜板用第2油孔168の他端側は、前記連通油路170には流体接続されているものの、前記第2支持孔16bには開口されておらず閉塞されている。
【0129】
そして、前記第1変形例1Bにおいては、前記閉塞用カップリング85の前記外壁部87に、前記油室30a中の油圧を確保しつつ、前記油室30a内の油の一部を前記第2軸受部材19bへ供給する絞り付き油孔175が形成されている。
【0130】
図11に、前記アキシャルピストン装置の第2変形例1Cにおける部分拡大断面図を示す。
なお、図中、前記アキシャル装置1A及び前記第1変形例1Bにおけると同一部材には同一符号を付している。
【0131】
前記アキシャルピストン装置1A及び前記第1変形例1Bにおいては、前記油室30aの油圧によって前記第2軸受部材19bを支持する前記閉塞用カップリング85を前記第1軸受部材19aを支持する前記連結用カップリング80へ向けて押圧することで、前記一対の第1及び第2軸受部材19a、19bの離間距離の一定化を図っている。
【0132】
これに対し、前記第2変形例1Cにおいては、
図11に示すように、皿バネ40の形態をなす付勢部材によって前記閉塞用カップリング85が前記連結用カップリング80に押圧されている。
【0133】
詳しくは、前記第2変形例1Cは、前記アキシャルピストン装置1A及び前記第1変形例1Bに比して、前記カバープレート30に代えてカバープレート30Cを有し、さらに、前記皿バネ40を有している。
【0134】
前記皿バネ40は、前記閉塞用カップリング85を前記連結用カップリング80へ向けて押圧するように、前記閉塞用カップリング85の外壁部87と前記カバープレート30Cとの間に介挿されている。
【0135】
前記付勢部材として、前記皿バネ40に代えてコイルスプリング41を用いることも可能である。
図12に、前記付勢部材としてコイルスプリング41を用いた前記アキシャルピストン装置の第3変形例1Dにおける部分拡大断面図を示す。
なお、図中、前記アキシャル装置1A、前記第1変形例1B及び前記第2変形例1Cにおけると同一部材には同一符号を付している。
【0136】
図12に示すように、前記第2変形例1Dは、前記第2変形例1Cに比して、前記カバープレート30Cに代えてカバープレート30Dを有し、且つ、前記皿バネ40に代えてコイルスプリング41を有している。
【0137】
前記コイルスプリング41は、前記閉塞用カップリング85を前記連結用カップリング80へ向けて押圧するように、前記閉塞用カップリング85の外壁部87と前記カバープレート30Dとの間に介挿されている。
【0138】
実施の形態2
以下、本発明に係る
アキシャルピストン装置の他の実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
【0139】
図13に、本実施の形態に係
るアキシャルピストン装
置2Aの縦断面図を示す。
なお、図中
、実施の形態1に
係る前記アキシャルピストン装置1Aにおけると同一部材には同一符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0140】
まず、前記アキシャルピストン装置2Aについて説明する。
実施の形態1
に係る前記アキシャルピストン装置1Aにおいては、ポンプ軸として作用する前記第1回転軸50(1)及びモータ軸として作用する前記第2回転軸50(2)が同軸上に配置されている。
【0141】
これに対し、本実施の形態
に係る前記アキシャルピストン装置2Aにおいては、前記第1及び第2回転軸50(1)、50(2)は、互いに対して変位された状態で平行に配置されている。
【0142】
前記アキシャルピストン装置2Aは、前記アキシャルピストン部材1Aに比して、前記ハウジング10の代わりにハウジング710を有している。
【0143】
前記ハウジング710は、前記第1及び第2アキシャルピストン部材60(1)、60(2)を収容すると共に、前記第1回転軸50(1)の一方の端面が面する第1油溜め空間200(1)を画しつつ前記第1回転軸50(1)を支持し且つ前記第2回転軸50(2)の一方の端面が面する第2油溜め空間200(2)を画しつつ前記第2回転軸50(2)を支持するように構成されている。
【0144】
詳しくは、
図13に示すように、前記ハウジング710は、前記第1及び第2アキシャルピストン部材60(1)、60(2)が挿通可能な開口が設けられたハウジング本体715と、前記開口を閉塞するように前記ハウジング本体715に着脱可能に連結されるポートブロック720と、前記第1油溜め空間200(1)を形成するように前記ポートブロック720及び前記ハウジング本体715が連結されたハウジングアッセンブリに着脱自在に連結される第1カバー体730(1)と、前記第2油溜め空間200(2)を形成するように前記ハウジングアッセンブリに着脱自在に連結される第2カバー体730(2)とを有している。
【0145】
前記ハウジング本体715は、前記第1及び第2回転軸50(1)、50(2)の軸線方向に延び且つ軸線方向一端側に前記開口を画する周壁716と、前記周壁716の軸線方向他端側を閉塞する端壁717とを有している。
【0146】
前記第1回転軸50(1)は、軸線方向両端側が前記ポートブロック720及び前記端壁717に軸受部材55a(1)、55b(1)を介して軸線回り回転自在に支持されている。
【0147】
同様に、前記第2回転軸50(2)は、軸線方向両端側が前記ポートブロック720及び前記端壁717に軸受部材55a(2)、55b(2)を介して軸線回り回転自在に支持されている。
【0148】
本実施の形態においては、前記第1回転軸50(1)の軸線方向一方側の第1端側50a(1)が前記ポートブロック720に軸受部材55a(1)を介して支持され、軸線方向他方側の第2端側50b(1)が前記端壁717に軸受部材55b(1)を介して支持されている。
【0149】
そして、前記第2回転軸50(2)の軸線方向一方側の第1端側50a(2)が前記ポートブロック720に軸受部材55a(2)を介して支持され、軸線方向他方側の第2端側50b(2)が前記端壁717に軸受部材55b(2)を介して支持されている。
【0150】
なお、本実施の形態においては、前記第1回転軸50(1)の前記第2端側50b(1)が前記端壁717から外方へ延在されて、駆動源900(
図3参照)によって作動的に駆動される入力端部を形成しており、前記第2回転軸50(2)の前記第1端側50a(2)が前記ポートブロック720から外方へ延在されて、出力端部を形成している。
【0151】
図13に示すように、本実施の形態に
係る前記アキシャルピストン装置2Aは、ポンプ軸として作用する前記第1回転軸50(1)によって駆動され、チャージポンプとして作用する補助ポンプ910を一体的に有しており、前記補助ポンプ910を囲繞するように前記ハウジングアッセンブリに連結される補助ポンプケース915が前記第1カバー体730(1)として作用している。
【0152】
本実施の形態においては、
図13に示すように、前記第1回転軸50(1)の第1端側50a(1)は前記ポートブロック720より外方へ延在されており、前記補助ポンプ910は前記第1端側50a(1)の外方延在部によって駆動されている。
【0153】
そして、前記第1カバー体730(1)として作用する前記補助ポンプケース915は、前記第1回転軸50(1)の第1端側50a(1)の端面との間に前記第1油溜め空間200(1)を画しつつ、前記補助ポンプ910及び前記第1回転軸50(1)の第1端側50a(1)の外方延在部を囲繞するように前記ポートブロック720に連結されている。
【0154】
一方、前記第2カバー体730(2)は、前記第2回転軸50(2)の第2端側50b(2)の端面との間に前記第2油溜め空間200(2)を形成しつつ前記端壁717に連結されている。
【0155】
詳しくは、前記第2回転軸50(2)の第2端側50b(2)は、端面が外部に露出した状態で前記端壁717に支持されている。
そして、前記第2カバー体730(2)は、前記第2回転軸50(2)の第2端側50b(2)の端面との間に前記第2油溜め空間200(2)を画しつつ、前記端壁717に連結されている。
【0156】
ここで、本実施の形態に係る
アキシャルピストン装置2Aの潤滑油供給構造について説明する。
図13に示すように、前記潤滑油供給構造は、油源からの油を受け入れ可能な状態で前記第1回転軸50(1)の一方側の端面に面する前記第1油溜め空間200(1)と、前記第1回転軸50(1)に形成された第1回転軸側供給油路211(1)と、油源からの油を受け入れ可能な状態で前記第2回転軸50(2)の一方側の端面に面する前記第2油溜め空間200(2)と、前記第2回転軸50(2)に形成された第2回転軸側供給油路211(2)とを有している。
【0157】
前記第1回転軸側供給油路211(1)は、前記第1回転軸50(1)の両端面のうち前記第1油溜め空間200(1)に面する第1端側の端面に開口された第1軸線孔215(1)と、一端部が前記第1軸線孔215(1)に流体接続され且つ他端部が前記第1アキシャルピストン部材60(1)に向けて前記第1回転軸50(1)の外表面に開口された第1アキシャルピストン部材用潤滑油孔220(1)とを有している。
【0158】
前記第2回転軸側供給油路211(2)は、前記第2回転軸50(2)の両端面のうち前記第2油溜め空間200(2)に面する第2端側の端面に開口された第2軸線孔215(2)と、一端部が前記第2軸線孔215(2)に流体接続され且つ他端部が前記第2アキシャルピストン部材60(2)に向けて前記第2回転軸50(2)の外表面に開口された第2アキシャルピストン部材用潤滑油孔220(2)とを有している。
【0159】
このように、本実施の形態においても、前記第1及び第2回転軸50(1)、50(2)に形成された第1及び第2軸線孔215(1)、215(2)が、それぞれ、前記第1及び第2油溜め空間200(1)、200(2)に面する端面に開口されており、対応する前記第1及び第2油溜め空間200(1)、200(2)から前記第1及び第2軸線孔215(1)、215(2)に潤滑油が流れ込むようになっている。
【0160】
従って、前記第1及び第2回転軸50(1)、50(2)の軸線回りの回転に伴う遠心力によって潤滑油の流れが妨げられることがなく、前記第1及び第2アキシャルピストン部材60(1)、60(2)への潤滑油の流れを円滑に行うことができる。
【0161】
本実施の形態においては、前記第1回転軸側供給油路211(1)は、
図13に示すように、さらに、一端部が前記第1軸線孔215(1)に流体接続され且つ他端部が前記第1回転軸50(1)の外表面のうち前記第1回転軸第1端側軸受孔18a(1)内に位置する部分に開口された第1端側潤滑油孔225a(1)を有しており、前記第1回転軸50(1)の第1端側50a(1)を支持する軸受部材55a(1)へも潤滑油を供給するように構成されている。
なお、前記第1回転軸50(1)の第2端側50b(1)を支持する軸受部材55b(1)へ潤滑油を供給する為の構成については後述する。
【0162】
一方、本実施の形態において、前記第2回転軸側供給油路211(2)は、
図13に示すように、さらに、一端部が前記第2軸線孔215(2)に流体接続され且つ他端部が前記第2回転軸50(2)の外表面のうち前記第2回転軸第1端側軸受孔18a(2)内に位置する部分に開口された第1端側潤滑油孔225a(2)と、一端部が前記第2軸線孔215(2)に流体接続され且つ他端部が前記第2回転軸50(2)の外表面のうち前記第2回転軸第2端側軸受孔18b(2)内に位置する部分に開口された第2端側潤滑油孔225b(2)とを有しており、前記第2回転軸50(2)の第1及び第2端側50a(2)、50b(2)をそれぞれ支持する軸受部55a(2)、55b(2)材へも潤滑油を供給するように構成されている。
【0163】
次に、前記潤滑油供給構造に対する前記油源について説明する。
本実施の形態においては、前記補助ポンプ910が前記潤滑油供給構造の油源として用いられている。
【0164】
詳しくは、前記ハウジング710には、一端側が前記補助ポンプ910の吐出側に流体接続され且つ他端側が前記第1油溜め空間200(1)に流体接続された第1潤滑油供給油路750と、一端側が前記補助ポンプ910の吐出側に流体接続され且つ他端側が前記第2油溜め空間200(2)に流体接続された第2潤滑油供給油路760とが形成されている。
【0165】
図13に示すように、前記第1潤滑油供給油路750は、前記第1カバー体730(1)に形成されている。
【0166】
一方、前記第2潤滑油供給油路760は、前記ポートブロック720に形成されたポートブロック側供給油路761と、前記ハウジング本体715に形成されたハウジング本体側供給油路760とを有している。
【0167】
前記ポートブロック側供給油路760は、一端側が前記チャージ油路111を介して前記補助ポンプ910の吐出側に流体接続され且つ他端側が前記ハウジング本体715の前記周壁716との当接部位に開口されている。
【0168】
詳しくは、
図13に示すように、前記ポートブロック720には、一端側が前記補助ポンプ910の吐出側に流体接続され且つ他端側が前記一対の作動油路101(
図13においては図示せず)に前記チェック弁115(
図13においては図示せず)を介して流体接続されたチャージ油路111が形成されている。
そして、前記ポートブロック側供給油路761は、一端側が前記チャージ油路111に流体接続されている。
【0169】
前記ハウジング本体側供給油路760は、
図13に示すように、前記ハウジング本体715を前記ポートブロック720に連結させた状態において前記ポートブロック側供給油路760の他端部に流体接続されるように前記周壁716に形成された周壁油孔766と、一端側が前記周壁油孔766に流体接続され且つ他端側が前記第2油溜め空間200(2)に流体接続されるように前記端壁717に形成された端壁油孔767とを有している。
【0170】
斯かる構成において、前記端壁717には、一端側が前記端壁油孔717に流体接続され且つ他端側が前記第1回転軸50(19)の第2端側50b(1)を支持する軸受部材55b(1)に向けて開口された油孔780が形成されており、前記油孔780を介して前記ハウジング本体側供給油路765中の油が前記軸受部材55b(1)用の潤滑油として供給されている。
【0171】
なお、本実施の形態においては、
図13に示すように、前記端壁油孔767は、前記周壁油孔766に流体接続された第1部分767aと、前記第2油溜め空間200(2)に流体接続された第2部分767bとを有しており、前記第1及び第2部分767aが前記第1回転軸50(1)の外表面のうち前記第1回転軸第2端側軸受孔18b(1)に位置する部分に形成された環状溝51を介して互いに対して流体接続されている。